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5月13日(水) デルフィニウム・チアブルー

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さて、長々続けてしまった小笠原から話題を地元に戻します。町内でこんな面白いデルフィニウムが咲いていました。花が上向きだし、距が目立ちません。
かつ、背丈もなく(30~40cm)て花穂が短めです。つまり、切り花用途だったデルフィニウムを花壇のスターに転身させるという、これは画期的な品種なのでした。
なによりもこの薄青色が涼やかです。そろそろ恐怖の夏が寄せ来る気配濃厚なこの季節、ご近所一体の気温だけが低く収まりそうな幻想をもたらしてくれます。

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<おが記> まとめ編

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「おが記」の最後3日間はやたらに数を突っ込んだ感なきにしもあらずでした。そんな無理のおかげで、記録しておきたいものは全部出せた気がします。
先月13日以来きょうまで、計35種を取り上げました。これ以外に20種を過去記事に追録(↓)したので、今回の小笠原訪問の収穫は計55種となります。
ほかに、掲載をスルーしたものもあって、撮影した植物は合計80種を超えました。春の数日でこれだけですから、四季通ったらどんなことになるやら・汗。
…という世迷い言は忘れることにして、追録扱いで邪険に片付けてしまった草木の名前を下に並べ(和名50音順)、その収録先をリンクしておきます。

▓ アオノリュウゼツラン : 2016年2月6日
▓ アレカヤシ : 2013年11月19日
▓ オウゴチョウ : 2022年1月3日
▓ カエンボク : 2019年3月19日
▓ ギンゴウカン(ギンネム) : 2025年1月17日
▓ キンチョウ : 2025年1日18日
▓ ククイノキ : 2022年7月5日
▓ クロツグ : 2020年7月25日
▓ コバノアカテツ : 2023年1月11日
▓ ツルナ : 2010年11月8日
▓ テイキンザクラ : 2019年12月16日
▓ テリハバンジロウ : 2022年10月17日
▓ トックリアブラギリ : 2021年7月27日
▓ ハナチョウジ : 2023年12月15日
▓ フトボナガボソウ : 2025年1月3日
▓ ホソバクリハラン : 2023年12月6日
▓ マルハチ : 2016年1月14日
▓ ムニンノボタン : 2022年8月18日
▓ モンパノキ : 2025年1月16日
▓ ヤハズカズラ : 2025年11月7日
▓ パッションフルーツ(お笑い編) : 2020年12月14日

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5月12日(火) アカバナルリハコベ、イソフジ

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<おが記30> 1カ所だけではなく、少なからぬ数の群生がありました。見てはならぬものに出会ってしまうのも現実です。父島ならまだしも、南島まで…。
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そんなお邪魔虫に比べると、イソフジはまだ小笠原の空気に似合います。父島では背丈を超えるほどに大きな株があったし、吹き曝しの南島でも肩丈はありました。
豊穣の稔りを見せていたのに、南島は一切のものがお触り厳禁です。貼り付けたお豆拝見写真は、前の日、父島の海岸で撮ったものです。砂地にたくさん落ちていたし、たわわな豆の房を楽しみ放題だったので、南島で涎を垂らさずに済みました。

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5月11日(月) オオハマボッス、ムニンキケマン、クサトベラ

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<おが記29> 長くなった「おが記」も、南島の植物が登場してそろそろ最終段階(あすで切り上げ予定)です。硫黄島以外の小笠原全島で見られる固有種のはずのオオハマボッスなのに、父島では見つけられませんでした。しかし、ガイド付きでなければ入島できない南島はさすがの聖地状態で、こんな群落をいくつも見ました。
日本全土に分布するハマボッスに比べると、明らかにノッポさんです。かつ、変種名のrubida(赤みを帯びたの意)そのまま、茎が艷やかな赤色をしています。
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びっくりしたのはキケマンで、因縁浅からぬこの草を南島で見るとは驚きました。調べると、ふつうのものよりも花柱が短いムニンキケマン(小笠原固有種)でした。ただし、狭い通路を踏み外したら叱られる状態でそんな細部がわかるわけもなく、かつ20年ほど前にキケマンと区別しない考えも示されていて、さても微妙な存在です。
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そしてクサトベラは広域分布種だし、父島でもたくさん見たのに、あえて南島のシンボルを背景にした一枚です。それだけ元気に逞しく勢力を保っていて、ほかの植物に日陰を提供する役目も果たしていたり、なかなかの優等生ぶりでした。

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5月10日(日) キバナオトメアゼナ、コバナヒメハギ、オオバナノセンダングサ(タチアワユキセンダングサ)

<おが記28> 竹芝でおが丸に乗り込むときは靴底洗浄しますが、衣服や持ち物はフリーパスです。好ましくないタネはどうしたって島に入り込むのでしょう。
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これ(↑)はおそらくキバナオトメアゼナで、別名をアメリカミゾホオズキとかアメリカシソクサと言います。コンクリート擁壁の割れ目を我が住処にしていました。
園芸的に使われるメカルドニアと同属なのでそれほど忌み嫌う存在ではないでしょうが、この逞しさからして、いずれ駆除対象になりそうな気がします。
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繊細そう(葉の長さが1cmほど)なこの草もよく見かけました。コバナヒメハギ(注)のほかにカスミヒメハギとも呼ばれ、たしかに足下で霞むように蔓延っています。やたらな花数をつけるので、その繁殖力は驚異的なものであることが明らかです。
<補注> ヒメハギは詐称ではなく、真面目にPolygala(ヒメハギ属)です。
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そしてオオバナノセンダングサです。那覇ではもっと大きい顔をしていたので、あれよりは状態がマシかしれなくても、できれば父島では見かけたくない花でした。

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5月9日(土) ヤエヤマコクタン

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<おが記27> 写真としては涙ものながら、「檀」シリーズの5番目を収録できたことはうれしい涙ものです。○檀と呼ばれる木の収録はおそらくこれで完成です。
ただ、4番目収録の紫檀と同じで、黒檀もバリエーションが多様でした。そのすべてはカキノキ属(Diospyros)らしくても、俗に本黒檀とされるのはセイロン・エボニー(D. ebenum)であり、今回撮影できたヤエヤマコクタン(別名・リュウキュウコクタン=D. egbertwalkeri)は亜流としてもずいぶん下位とされているようです。
そんな位置づけも悔しいし、いかにも柿らしい実がつく時期とは真反対、ならば花はどうかと言っても見当たらず、写真の具合にも劣らず涙が滲みます。

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5月8日(金) オガサワラモクマオ

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<おが記26> 父島には島を軽く(小さめに)周遊できる道があります。「都道」なのでわりと立派な具合で、切通は二重の金網でガッチリ守られています。
そこは当然に崖であり、地盤は岩なのに、草木は生えるところを選びません。ど根性と褒めるほどのこともなく、ごくふつうにいろいろなものが生活していました。
これは姿もいいし、オガサワラモクマオ(注)という名もひと癖あるので選びました。先日モクマオウを取り上げたばかりで、最大30mまで育つあの木と名前が被ります。モクマオとモクマオウ、発音不明瞭の爺さんにはとても迷惑な名前です。
もちろん二つは無関係で、モクマオは木苧麻、モクマオウは木麻黄です。苧麻はヤブマオなどで親しい名前で、同属(Boehmeria)は少し収録(↓)しています。

<補注> これを小笠原固有種とする考えのほか、広域種であるヤナギバモクマオ(未収録)と同一とする立場もあるようです。
<当ブログ収録済みのBoehmeria・和名50音順>アカソ ☆ ウスバラセイタソウ ☆ カラムシ ☆ クサコアカソ ☆ メヤブマオ ☆ ヤエヤマラセイタソウ ☆ ヤブマオ ☆ ラセイタソウ

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5月7日(木) ヒギリ

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<おが記25> 「桐」を名乗るにはややテカリ過ぎでも、葉の形とサイズからはなんとかそれが許されそうです。ただ、分類的にキリとは関係なく、全体の雰囲気どおり、クサギの仲間(Clerodendrum)です。もちろん、「緋」は問題なしです。
インドなど熱帯アジアがお里で、小笠原には明治初期に持ち込まれたそうです。産業的な用途は見当たらなくて観賞用だったらしく、これも市街地での一枚です。
本来の花期は夏~秋らしくても、小笠原では周年開花するようです。こんな強烈な色合いを毎日眺めるってどうよ?と考えそうでも、島には不思議に似合います。

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5月6日(水) クワノハエノキ

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<おが記24> 写真中央に剪定痕があって、管理されている木です。教えてもらわないと気づかないし、マジマジ見てもふつうのエノキだと思ってスルーしそうです。
ただ、興味深い「過去」を持つ木で、それはオガサワラエノキやムニンエノキという別名に示されています。かつては小笠原の固有種とされていたのです。ところが別名はまだあって、リュウキュウエノキとも言います。つまり琉球列島に分布するものと同じとされてしまい、まるで痛み分けのように無難な標準和名(標題)となりました。
もっとも、「桑の葉」としたところで、マグワやろかいヤマグワやろかい…と知ったかぶりで絡む爺さんもいるわけで、葉先が長くのびていないので、名前を借りたのはマグワの方なのでしょう。たしかに鋸歯が少し大きめで、ただのエノキの場合にはそれがあまり目立たないので、クワノハエノキ…まあ穏当かつ妥当なネーミングなのでしょう。

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5月5日(火) オオバナカリッサ

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<おが記23> 特に小笠原で撮影すべきものとは思えません(南アフリカ原産)でしたが、逆に小笠原でなければ露地での冬越しが無理な植物です。
去年の冬には同属のカリッサ・カランダスが実をつけているのを大温室で見ることができてホクホクでした。対するに父島では公園の生け垣でした。
たしかにこの凶暴なトゲは垣根に好適です。そしてそれを隠すようにきれいな葉が繁くつき、そこに大きな白い花です。かなりなあざとさです。
カランダスよりは丸めの実がつき、それは黒ではなく赤くなるようです。どうせならそれも一緒に撮らせてほしかったのに、父島もそこまで甘くはありませんでした。

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5月4日(月) ストリクタモクマオウ

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<おが記22> 斜面や山の上でかなり数多く見ました。こうして景色を遮るので、「許されるなら自分で切りたい」という地元の人の意見も聞きました。
しかし一方では鳥の巣を鼠から守る役目も果たしているのでした。見たとおり、幹が真っすぐ高いので、鼠が登りにくいのだそうです。困った面もあればおかげさまの面もあって、世のなか、だいたいがこういう塩梅なのでしょう。
きょうのタイトルは標準和名にしたものの、現地では単にモクマオウです。ただ、属違いのトクサバモクマオウも別名がモクマオウ(注2)なので、混乱を避けるためにはストリクタ(シノニムのCasuarina strictaに因む・注1)を忘れない必要があります。

<補注1> 両方のモクマオウはどちらもCasuarinaceae(モクマオウ科)ながら、ストリクタモクマオウはAllocasuarina属、トクサバモクマオウはCasuarina属です。ただし、本文中に記したようなシノニムもあって、分類的には微妙なところがあるようです。
<補注2> モクマオウと音的に紛らわしいモクマオを取り上げました。(2026年5月8日

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5月3日(日) ハスノハギリ

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<おが記21> 樹上かなりの高みに不思議な黄色い物体を見つけて、しみじみと眺めました。最初は変わった形の花だと思いました。ただ、穴が空いてやや平たい球状物体には継ぎ目がまったくなくて、これを花びらと見るのはどうも無理です。
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ハスノハギリはだいたいが大きな木で、この変な物体に手が届きません。かつ、3カ所で見かけたのに、どこの樹下にもなにも落ちていなくて、分解できません。
なので、あと付けの資料確認になりましたが、これは実でした。夏に花が咲き、秋に結実するそうで、4月まで半年ほどもこうして奇態を見せてくれるのでした。
英語圏ではこの木をlantern treeと称するそうで、苞がここまで愉快な形に変化するとは面白い性質です。かつてこの姿を生で見ないまま、どこかで鬼太郎パパなどと覚えたものの、これからは迷わずこれをランタンと見ることにします。

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5月2日(土) シダレブラシノキ

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<おが記20> 島で一番繁華(笑)な交差点の脇にありました。父島の道とか店をGoogleマップで調べようとすると、データが古くて困るのですが、この木の場合は逆にそれが役立ちました。マップの当該場所にはこんな木が見当たらなくて、つまり(おそらく)2010年7月(撮影日付)以降に植栽されたものなのでしょう。
そして、立派な樹名表示があって、そこには単に「ブラシノキ」とありました。ん、花、逆さまですよ。長い枝が柔らかく垂れ下がり、花穂が地面に向かっています。
調べると、シダレブラシノキ(別名・シダレハナマキ)という樹種に行き当たりました。ふつうのブラシノキ(および関連種)がCallistemonなのに対し、Melaleucaに分類されていて、ただし両属は統合すべきとか、いやもっと細分すべきとかの議論が続いているらしく、これを植えたであろう役場とかの人は無難な樹名選択をしたようです。
そんな公の立場ではない爺さんは、「こりゃあ珍しいものを見たもんだ」と喜び勇んで尖った見解に立つわけです。片道1,000km揺られた苦労が報われました。

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番外編 : 蜂蜜レポート第13弾(小笠原・島はちみつ)

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きょうの本編(タチテンノウメ)に登場した蜜蜂くんの1滴も、のちのちこうしてパウチに入ってどなたかを満足させるのでしょう。
ここまで濃厚な蜂蜜は初めて(第12弾の二つとかアボカドよりもずっと重厚)です。別に結晶化しているわけではないのにザラザラしています。
そして、口に含むと黒糖っぽい風味を感じます。ただし、すぐに澄んだ花の香りがそれを打ち消します。味わいが華やかです。デイゴの蜜も入っているのかなぁ、もちろんタチテンノウメも、ヤハズカズラも、もしかしてイヌシロソケイも、みんなみぃ~んなでこの味を作っているんだろうなぁ…と幸せな気持ちになります。

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5月1日(金) タチテンノウメ

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<おが記19> 父島でタチテンノウメの開花を見られたのは大きな喜びでした。なにせ、おととし秋の初出会い(植栽品)は小さな実がわずかに並ぶだけだったのです。
いえ、もちろん組子細工を連想させる精緻な葉には一目惚れでした。だからこそ、今回、煌めく緑が引き立ててくれる白い小さな花に感動したのです。
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そして蜜蜂さんの勤勉さにも打たれました。父島での養蜂はわりと古くから行われていたようで、そのために持ち込まれたヤハズカズラが雑草化していました。
あれに比べると、タチテンノウメはかつては小笠原固有種と考えられていたほどに由緒正しい「父島で見るべき木」の一つです。それが、蜜蜂さんのおかげで、蕾のかわいらしさとは正反対に萼がとても猛々しいことまで観賞できてしまいました。

過去のきょう : 2025 アメリカミズバショウ および2024~2005年5月1日へのリンク

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