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4月30日(木) チチジマナキリスゲ

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<おが記18> これも森のなかでの一枚です。もしガイドさんなしだったら、簡単に見過ごしたであろう「なにげなさ」でした。その素っ気ない姿が今回の問題点で、叢生するこの株のなかから穂が立ち、それを接写しないと話が先に進まないのです。
つまり、その穂につく小穂や果胞の細部でこれをチチジマナキリスゲと特定できるわけで、これもきのうに続いて状況証拠だけというか、ガイドさん頼りです。季節がもう少し進んだときに再撮影…なんてたぶんあり得ないので、あきらめです。
また、ナキリ(菜切)というくらいで葉の縁がポイントなのに、接写しても鋸刃状態は見えません。それがかえって危険で、スッと引くとカミソリの感触がします。
これとは違い、ムニンナキリスゲというのもあるそうで、小笠原に30余りもある島々のなかで、チチジマナキリスゲは父島にしかないということに驚きます。

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4月29日(水) ムニンシラガゴケ

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<おが記17> 森のなかには美しい苔も生えていました。乾いた場所では写真右側のように葉は閉じ気味で全体が白っぽく見え、湿り気に恵まれると緑が増します。
分類(シラガゴケ科シラガゴケ属)としては科レベル(Leucobryaceae)から初めて出会うグループです。なので仲間との比較は参考サイトの写真が頼りです。オオシラガゴケやアラハシラガゴケに比べると、葉が小さくて繊細に思えます。
もちろん、見分けにはまったく自信なしで、父島の森のなかで出会ったという状況証拠だけで、これを小笠原固有種のムニンシラガゴケとしておきます。

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4月28日(火) オガサワラビロウ

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<おが記16> 父島の森のなかです。オガサワラビロウが繁り放題で、朽ちた葉が折り重なって、レッドカーペットならぬブラウンカーペットでした。
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そんな道の先で青い塊を一つだけ拾ったときは、なにかの鳥の卵に思えました。少し歩くと、傷の入ったものを見つけ、なぁ~んだと笑い合いました。
オガサワラビロウの葉が島の建物の屋根を葺くのに使われたのは昔のことで、いまは公園の四阿にその姿を残すだけでした。とても涼しげです。
260428liv_boninensis3海岸から山を見上げると、斜面にオガサワラビロウが目立ちます。高さが20mまで育つのがふつうのビロウとの違いの一つと知っても、計測できないのが無念でした。

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4月27日(月) オオハマボウとモンテンボク(テリハハマボウ)

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<おが記15> 八重山でもチラホラ見かけた(あちらでの呼び名はユウナ)ものの、季節も悪かったし撮影条件も良くなくて、写真はあきらめました。対するに4月の父島はオオハマボウ祭状態でした。海に近い平地では大きな木が花期でした。
こちらではカイガンイチビと呼ばれることもあるそうで、なぜこの大きな木がイチビ?と悩みましたが、朝開いた花が夕刻には赤くなって萎む=一日花のイチビでした。
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去年の実が殻になって残る木もあって、これを撮影できたのは幸運でした。この実から落ちた種があちこちに芽生え、生息域が内陸部=山に広がって性質が変化したのがモンテンボク(テリハハマボウ ↓)で、小笠原固有種となりました。
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小笠原では山=ほぼ岩場なので根は張りにくく、枝振りにもそれが現れます。種小名glaberが示すように葉は無毛(塩害対策が不要)化し、陽光に輝きます。
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ただし、一日花という性質は母種の血をそのまま引き継いでいました。

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4月26日(日) カイガンタバコ

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<おが記14> 特に小笠原で撮るべき対象ではない(外来種)し、写真もハッキリしないし、名前も紛らわしいし、けれどいままで知らなかったので収録です。
まずは父島にあったのは亜熱帯気候に適応した植物(原産は東南アジアほか)だということです。種小名がgiganteaで、バリ島あたりだと背丈サイズみたいです。
そして、この全体アヤフヤな色合いは助手1号のXiaomiには不向きな被写体でした。発見場所が不明(完全なる女性脳の人)で、爺さん、撮り直しに行けません。
さらに島特有の名前問題があって、小笠原でカイガンタバコとはクサトベラのことを指すらしいのです。呼び名どおり、あの大きな葉を代用煙草にしたそうです。それに引き替え、この本来のカイガンタバコにそういう用途はなく、単に「海岸に育つ+葉の形がタバコのそれに似る」という意味の和名です。あ~ぁ、触ってみたかったなぁ。

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4月25日(土) ムニンタツナミソウ

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<おが記13> 去年、温室のムニンタツナミソウを取り上げたとき、「現地では段々に稀少性が高まっている」と聞きかじり情報を書き込みました。
別にそれを確認しに行ったわけではないのに、本当に1カ所でしか見ることができませんでした。と言うより、咲いていてもおかしくない場所というのが案外になくて、逆に5階建てのアパートとかがたくさんあって、父島も立派に「東京都」なのでした。
おが丸の往復ではずっと便器の横にうずくまっていた助手1号だったし、酔わないはずの自分さえ、なんか変だったことからして、飛行場、欲しいなぁと思うのは当然でも、やっぱりあの障壁があってこその小笠原ということは否定はできません。

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4月24日(金) デイゴ

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<おが記12> 小笠原ではビーデビーデ(ハワイ語起源)と呼び、本土で言えば染井吉野のような存在だと言います。小笠原高校の文化祭は「ビーデ祭」です。
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同じデイゴ(注)でも沖縄では嵐を呼ぶと歌われるのと大違いです。4月の父島では派手な朱色がよく目立ちました。ボタボタ落ちていた花びらは存在感があります。
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そして樹上には前年の実が残っていました。アズキを思わせる実はとても硬くて、まったく歯が立ちませんでした。茹でたらどうだったのでしょうヾ(・ω・`)

<補注> 以前はムニンデイゴと呼ばれ、固有種と考えられていました。しかし、現在では広域種とされ、YListでもムニンデイゴは別名と位置づけられています。

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番外編 : 小笠原アルバム(後編)

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これがボニンブルーでしょう(たぶん)。底抜けの青でした。
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カツオドリ。ホントは飛翔中の一羽をおが丸から撮りたかったけれど、ことはそうそう都合良く運びません。しかし、これ、けっこう結果オーライだったと満足です。
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この一枚のために、船酔いもなんのその、南島に渡った人がいます。エスコートした旦那は足の小指が折れていたのに・涙。
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実物を目にすることは諦めていたら、海からハートロック(千尋岩)を拝めました。
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さらにザトウクジラです。やったね! 潮吹きとか逆立ちとかやってくれればサイコーだったけれど、背中見られただけで感激です。
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そして、お約束の見送りです。ウルッと来るかなと思っていたのに、なんか「いかにも」で、醒めました。自分、飛び込みできないから悔しいしwww。
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夜風に吹かれてデッキで一杯。よく飲んだね。ありがとーーー!

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4月23日(木) ノヤシ(セボリーヤシ)

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<おが記11> 標準和名のノヤシはあまりに素っ気なさ過ぎて、島の人はこれをもっぱらセボリーヤシ(またはセボレーヤシ)と呼びます。それはこの島の開拓者Nathaniel Savoryに因んで(学名も彼の名を用いClinostigma savoryanum)います。
そして、上の写真でこのヤシを指さしているのがガイドの瀬掘さんです。Nathanielの末裔にあたり、姓をうまい具合に表記しました。なので、このヤシ(小笠原固有種)を説明するときは少し誇らしげだったし、お宅のお庭にもこれは植わっています。
森のなかで撮影した1本はまだ若く、幹の葉鞘痕も数えられるほどでした。しかし、生長すると10m近くにもなるそうだし、夏には蓑のような形に花穂をつけ、冬に向かって稔り、次の初夏には真っ赤な実を暖簾のように垂らすというリズムです。
瀬掘さんところのお庭の1本がそこまで大きくなるころ、ワタシは空の上からそれを眺めて悦に入っていることでしょう。

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番外編 : 小笠原アルバム(中編)

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夜の岸壁で寝ている婿ちゃんは、鮫との格闘でダウン??したのではなくて、その獲物のサイズを示しています。彼、178cmあるので、この鮫くん、かなりの大物でした。ヤケに離れて寝そべっているのは、ガブリ!と逆襲されるのを警戒してのことです。
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そんな大バトルもあれば、この古いリールを父島に持ち込むという「スーパー配慮」もありました。これ、ワタシの父、つまり娘夫婦にとっての祖父の愛用品なのです。
超の字つきの釣りキチだった爺ちゃん、きっと父島には憧れたはず…よくそんなことに気づいてくれたものと、アンポンタンの息子は大感謝でした。
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その爺ちゃんリールで、孫はこんなかわいいのを釣り上げちゃいました。
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それ以外の使用リールは不明ながら、こんな少女漫画みたいなヤツとか…
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その他いろいろ…
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もろもろ…
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こんなグロなヤツまで上げてしまって、緊急参戦の小笠原だったわりには、二人してずいぶんお楽しみだったようです。(後編へ続く)

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4月22日(水) モモタマナ

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<おが記10> この時期、父島で一番目立ったのがこのモモタマナでした。
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島で唯一の落葉樹だそうだし、成葉のサイズと形も目につく原因です。
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真っ赤な紅葉が残っていた反面、若葉の萌え出しどきも迎えていました。なかには花穂がすでにかなり目立つ木もあって、個体差が大きいと感じました。
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そしてなんとも幸運なことに、実の収穫現場に遭遇しました。ガンガンとかなりの音がして様子を窺うと、例の大きな実を鉈で叩いていました。やや繊維質のそれを二つに割ると、なかにはアーモンドを思わせる仁があります。これを笊に集めて、まさにアーモンドと同じようにいろいろと加工するのだそうです。貴重な食材です。

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番外編 : 小笠原アルバム(前編)

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揺られに揺られて22時間が過ぎたころ、小笠原諸島の北端(聟島列島)が霧の彼方に現れました。ゲゲッ、これ、人間が上陸すべき場所ではないぞなもし…。
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…と心配したら、父島には平地があって無事に上陸。ワタシらが行くことを知った婿ちゃんが、急遽、ボクも行く!と言い出して、娘1号、大慌てで足と枕を確保しました。
二人して釣り好きなのでそれを理由にしていたけれど、老人介護のためであることは明白です。そしてメッチャ助けられました。ホントにありがとね!
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上陸した日は天気やや優れず、みんなで観光コースへ。海亀の赤ちゃんに餌をあげて、一同は童心に返って大興奮です。
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夜の飲み屋は楽しいところばかりでした。
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二日目は真面目なスタートで、ガイドさん(先頭)をお願いしてサンクチュアリへ。ロープが必要なこんな急坂もあって、なかなかのハードコースでした。
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その保護区で遭遇できたのがアカガシラカラスバト(通称:あかぽっぽ)です。小笠原諸島に分布する固有亜種で、一時は絶滅危惧に追い込まれていたものの、熱心な保護活動でこのごろは少し回復しているようです。
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とてものんびりした性格で、人間を恐れません。このように素人にも撮影が可能だったし、サンクチュアリ以外でも見かけることができました。
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そしてその日の夕方は日没観賞の名所・ウェザーステーションへ。この日は水平線付近が霞んでしまい、決定的な一枚は撮れなかったものの、ビール片手にグダーグダーと海を見ているなんて滅多にない楽しみでした。
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そしてそのあとはお楽しみタイムです。小笠原では海亀が立派な食材(数量限定)で、レバ刺をいただきました。亀さん、ごめんね。(中編へ続く)

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4月21日(火) タコヅル

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<おが記9> ジャングルのような森のなか、自由勝手に蔓をのばしてほかの木に絡みついていました。節からは気根を出すので、剥がれることがありません。
ツルアダンと同じ属(Freycinetia)で、その変種(var. boninensis)=小笠原固有種とされています。ただ、一部にはツルアダンそのものだという見解もあるようです。とりあえず、きょう現在はYListが固有種扱いしているのに従っておきます。
雌雄異株の花を見るには季節がやや早すぎました。だいたいで言えばこの属の花と実はわりと似た感じなので、2年前に収録できているツルタコノキの花と実を見返して、あれがもう少し黄色くなった感じなのだと思うことにします。

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4月20日(月) テリハボク(タマナ)

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<おが記8> 樹下にはまん丸の実がゴロゴロ落ちていて、この幹の立派さに見とれて歩くのは危ない状態でした。八重山ではこの木のことはテリハボクとしか聞かなかった(注)のに、小笠原では逆にタマナ以外の呼び方を聞きませんでした。
巨木なのに「菜」とはこれ如何にと思うと、タマナはハワイやポリネシア起源の名前で、地理的に小笠原がこの領域に近いことがわかります。「タマ」も、実の形からつい「玉」かと思いがちでも、ヒータマナとも言うところから「玉」ではないとわかります。
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昔から住民に愛されている木で、こんな立派なテーブルになっていました。二代前の時代に作ったものだそうで、重量感が半端ではありませんでした。

<補注> 単に取材不足だったかもしれません。

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4月19日(日) アサヒエビネ

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<おが記7> 「おが記」のくせに外来種や広域種を載せていたここ数日と違い、これぞ小笠原固有種というエビネです。ただし、花には早すぎて、少しだけ無念です。
その開花の様子や稀少性については環境省のページでじっくり学ぶとして、本当に嘆くべきはこれが絶滅危惧Ⅱ類になっている理由です。上の写真を見ればわかるとおり、現地でも保護栽培されていて、ここはガイドなしでは入れないゾーンです。ガイドさんイコール不心得者の監視人でもあって、なんとも切ないツアーです。
名前がアサヒのくせに花が薄黄色というのは解せないと思ったら、島の旭山にちなむそうで、漢字をあてれば旭海老根でした。平地はごくごく少ない山だらけの島でも、旭山は市街地に近い場所で、そんなことも乱獲の原因だったかもしれません。

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差し込み編 : チリアヤメ

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長くなりそうな「おが記」の間ながら、うちの草木も元気に生長しています。待ちに待ったチリアヤメが、ついに花芽をつけたと思ったら、あっという間に開花しました。
種を播いたのがおととしの10月でした。それが12月には発芽したものの、去年は葉をボウボウと繁らせるだけで終わりました。今年こそはと待ちかねた花です。
花芽に気づいた(写真左端)のがおとといで、それが今朝には開きました。長く待たせたことを詫びるかのような素早さです。ところが午後の2時を過ぎたらナヨッとし始め、3時には完全に閉じました。店仕舞いもまた超速です。
そしてこれは一花が一日で終わるはずです。もう少し華麗に花が咲きそろったら、「差し込み編」などという苦しげな扱いではなく、正編として取り上げてあげましょう。

<追録> 一番咲きから少し休んだら、3日後は一気に10輪、さらにその翌日は13輪が咲きそろいました。とても元気な性質です。(撮影:2026年4月22日)
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4月18日(土) ギンリュウ(ムカデタイゲキ)

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<おが記6> 船にはめっきり弱い奥方が、がんばってこの旅に同行してくれたので、街歩きやショッピングには喜んでお付き合いしました。結果、とあるお店の入口でこういう「捜し物」に出遭ってしまうのだから、運とか縁とかは本当にあるようです。
ただ、残念だったのは育てていた店の人もこのEuphorbia tithymaloidesの素性を知らなくて、かつ島のなかでほかにはこれを見なかったことです。したがって、きょうのタイトルを「ダイ」抜きのギンリュウにしたのは自分の勝手な見立てです。
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困るのは、ダイギンリュウの学名には、上のギンリュウ(標準和名:ムカデタイゲキ)の学名にCucullatusという園芸種名がプラスされることで、これは「フードを持つ」の意、花の形状を表しています。ところが今回見たこの花にもフードがあります。
また、一般にダイギンリュウは葉に斑が入ることが特徴なのに、ギンリュウの参考写真でもけっこうな斑入り品があって、今回のこれも同じでした。あえて言えば、うちのダイギンリュウと比べて緑と白がハッキリしているように思います。
それにしても亜熱帯海洋性気候というのはすごいものです。うちのダイギンリュウは冬は室内で厚遇してあげても、2年間、蕾さえ見せてくれないのに比べると、通年こうして花をつけると言います。あのお店に預けたくなりました。

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4月17日(金) イヌシロソケイ

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<おが記5> 小笠原だから固有種だらけかと言うと決してそんなことはなくて、道端にカタバミ類ツメクサ類がふつうに生えていて、拍子抜けします。そんな心情背景があってこれを見つけたとき、これなら珍種!?と心ときめきました。
そして、正体を知って落ち込みます。どうやら占領軍が持ち込んだ外来種(東南アジアなどの原産)らしく、昔もいまも余計なことをしてくれるお国です。
白い花のソケイ属(Jasminum)だけれどイヌ(役立たず)だよ…という名前です。散った花で樹下(蔓性低木)が真っ白になるくらい咲き誇っていたのに、香りはほぼ感じられなくて、自分の低性能嗅覚を勘定に入れても芳しさには欠けるようです。

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4月16日(木) モンステラ(ホウライショウ)

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<おが記4> 父島での食料品調達は小笠原生協が頼りで、その隣にはJAのショップがあって生鮮品があります。島一番の目抜きに並んでいて便利です。
そのJAの店の隅でとんでもない発見です。見るだけで手を出せずに悶々としていたモンステラの実です。まるでトウモロコシのように無造作に横たわっていました。260416mon_deliciosa2
即買いしたあと、その気で歩き回ったら、あちこちでバオバオ・ニョキニョキと繁っていました。人家の庭の隅、道路端、空き地…放置放任・生え放題です。
志木に持ち帰って5日ほどが経ち、緑色だった果穂が根もと側からうっすら黄色みを帯びてきました。かつ、その辺の割れ目が広がり出しました。この六角形の皮が自然に剥け落ちたら食べごろだそうで、わずかな割れ目からは微妙な芳香が漂い始めました。無理に剥いたらダメだそうで、じっくりと「そのとき」を待ちましょう。

<モンステラとの交流史・掲載順> ☆ 初の掲載(葉だけ) : 2007年2月3日 ☆ 枯れた花(苞)と幼い実 : 2011年2月12日 ☆ 生長した実 : 2014年1月13日 ☆ 枯れたばかりの苞とやや大きな実: 2019年3月10日
<追録> 父島で買った日から待つこと2週間、ついに食べられるまでに熟しました。バナナとパイナップルを合わせた味という噂は本当で、自分的にはそれにパッションフルーツを足して練った感じと言っておきましょう。
ただ、そこに刺した爪楊枝との比較でわかるように、おいしい部分は小さくて口に運ぶのが面倒になります。かつ、そのころには舌と喉にチクチク感が来襲するので、これは大人数で「珍しいねえ」と言いながら「嗜む」もののようです。(撮影:2026年4月21日)
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4月15日(水) グンバイヒルガオ

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<おが記3> 父島と南島で撮りまくった写真の整理が大仕事で、まだ「なにがなにやら」状態です。そんななかでは見分けがしやすくて、かつ、西表のリターンマッチにもなるので、「おが記」3番目の収録はグンバイヒルガオになりました。
そうそう、このシリーズタイトルを「父島記」としなかったのは、半日とは言え隣の南島に渡ったからです。ならば小笠原記でどうかと言うと、肝心な母島には行けなかったので、看板に偽りありになってしまいます。かつ、唯一の交通手段である「おがさわら丸」をずっと「おが丸」の愛称で呼び続けてすっかり「おが」に馴染んでしまいました。
おっと、話はグンバイヒルガオで、夏でもないのにもう咲き始めていました。まさにサツマイモの花で、ヒルガオを名乗ってはいてもまったく属違いとわかります。
この写真は扇浦の砂浜で得たもので、ここは複雑に入り組んだ島の西側海岸線のほぼ中央部に位置します。その広くてきれいな波打ち際はプライベートビーチ状態で、いかにも1,000kmの長旅のご褒美にふさわしいひとときでした。

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4月14日(火) タコノキ

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<おが記2> タコノキが小笠原固有種だったとは「目からウロコ」でした。西表でもアダンとの見分けの実地訓練に役立つほど大量に見たし、なにせ東京や埼玉の大温室ならばガチの定番品で、珍しくもなんともない存在でした。
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ただ、父島を歩くと、タコノキ濃度が異様に高いことにすぐ気づきます。完熟の実がボタボタ落ちているわりに青い実が鈴なりの木もあって、とき知らず状態でした。
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そして、なかにはこんな(↑)おかしな実もありました。未熟状態とも見えず、さりとて樹上で枯れ果てるのも変な話です。なんと、これはネズミ類による食痕なのだそうで、大温室では絶対に出くわすことのない貴重なショットとなりました。
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さらにうれしい体験もできました。完熟で落ちた実の試食です。実の先端側は、色はいい具合でも歯が立ちません。ここに齧りつく(らしい)ネズミさん、さすがです。対するに、ヤワな人間さまはお尻側をホジホジです。こちら側は筆のようにパヤパヤとほぐれて、そこをしゃぶるとまったり濃厚な甘味でした。おととし、西表の人が「子供のときは通学中のオヤツだった」と言っていたのを思い出しました。

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4月13日(月) ヒメツバキ

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<おが記1> 若いころはこらえ性がなくて、片道24時間の船旅なんて真っ平ごめんとしか思えませんでした。しかしいまや年中ヒマだらけの後期高齢者です。
さて、24時間揺られ続けると着くのは父島(小笠原村)です。いかにヒマはあろうと苦行には違いなく、なぜそれに耐える気になったか…動機はヒメツバキでした。
ヒメツバキとイジュは同じものか別ものか、植物趣味の世界ではわりとスタンダードなテーマです。両種の区分が複雑に交錯していてピーマンパプリカの関係(根は同じ)みたいな扱いです。素性が不分明でも呼び分けはするわけで、これまでイジュは複数回取り上げたくせにヒメツバキの現物を知らない自分が許せなくなりました。こうなればヒメツバキの森に行くしかあるまい=24時間×2…耐久旅の決行動機です。
かつ、ピーマンとパプリカの花に違いがないように、ヒメツバキの花を激写する必要はないのです。イジュの葉には鋸歯があり、ヒメツバキにはない…それを確認できればいいので、小笠原観光シーズン(夏、あるいは冬)を少しだけ避けた4月初旬(ヒメツバキの花にはやや早い)がこの酔狂旅の決行時期となりました。
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そして、見事に1枚目写真を得ることができました。ヒメツバキ=鋸歯なしと比べるように事前に撮って置いたイジュの落ち葉(右)と並べた写真も掲げておきます。

というわけで、ヒメツバキの大木に埋もれる夢は叶い、ものはついでで、小笠原固有種やら、そうではなくても内地とは異次元の環境で奔放に育つ植物を、しばらくの間、グダグダと取り上げ続けてみます。去年の礼文記は、片道12時間の移動のわりに全29種掲載の長い日記になっていて、さあ、今回はどんな記録になりますやら。

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番外編 : docomoさまのおかげです

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人生初、定価でスマホを買っちまいました。docomoさまのおかげです。
3G電波を3月いっぱいで止めることは知っていても、どうしてそのせいで4G電波が使えなくなるのか、不思議です。うちの2台のTCL機がその被害に遭っていることに気づいたのが4月2日の夜でした。電話の送受信ができません。Wi-Fiのないところに行くとネット接続不能です。外出時はただの重いお荷物でしかなくなりました。
その不具合が出ている機種は、docomo発表では主にらくらくフォン関係なのに、TCLも立派に被害者(ただし、モトローラにはなんの問題もなし)なのでした。で、記録を調べたら、TCLの購入は21年、もう5年近くお務めしてくれていました。かつ、ちと長い旅に出る身でした。ケータイがないとやや不便で、ゆっくりネット購入していられません。
そんなわけで、最寄りの家電量販にすっ飛んで行った(4月5日)ら、SIMフリーの格安機はやはり在庫が薄く、しかしそのなかに機能も価格も頷けるXiaomiがありました。もはや文鎮と化した助手1号&2号用のTCLは、めでたくREDMI 12 5Gに化けました。
やたらドタバタの調達だったので、このスマホについてのコメント(もし書き置きたいことがあれば)はまたいつかとしておきます。

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4月12日(日) オサバグサ

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過去掲載を見ると、「オサバグサは葉が命」みたいなことを言いながらも、そこにある2枚の写真には立派に花が写っていました。言うこととやることが不一致です。
そこで、心置きなく葉っぱです。このくらいの芽吹き段階でも種類がわかる葉というのはとても少ない(自分だけの問題ながら)ので、かわいくてたまりません。
それにしても、うまい具合の鎧戸構造(小葉を斜めに重ねて配置)です。これなら雨風を透かすこともできるし、サイズのわりに光合成効果も稼げます。
自分ではほかの類例を知らなく(注)て、なぜオサバグサだけこんなに賢い形になったのか不思議です。これを煎じて飲めば、それがわかる頭になったりして…

<補注> おバカ発言でした。父島(小笠原)で立て続けに鎧戸式小葉に遭遇しました。ほかにもまだありそうなので、上の記述は完全撤回します。(2026年5月1日)
例1 : タチテンノウメ
例2 : クロツグ(3枚目の追録写真)

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4月11日(土) トウモクレン

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大雑把に言えば、ずっと昔に取り上げたトウモクレンの開花写真と同じです。liliifloraという種小名どおり「ユリのような」形に花が開き、しかしそれはシモクレン(Magnolia liliiflora)よりも「細い」のだと変種名(gracilis)がフォローするままの姿です。
横文字、しかもラテン語なんて必要ないと昔は思っていたのに、解きほぐしてみるとそれぞれの草木の特質をスパッと言い当てていることがあって感心します。
いや、そんな花の形だけでなく、かつての写真では花と葉の展開順がゴチャになっていたのに対し、今回はそこがよくわかります。細くて頼りない萼の存在も明らかです。
また、株立ち性を強調するあまり、単なる幼木にも見えかねなかった前回に比べ、今回は細めの主幹から出たさらに細い枝の先に花がついています。大差ないときのなか、日々微妙な違いを示して育つ草木には、とても油断がなりません。

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4月10日(金) エビネ

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開花状態をかつて載せたのは5月下旬でした。あれに比べて1カ月以上も早いのに見事な満開の群生です。なにか別のものかと疑い深く見つめてもエビネに間違いはなくて、前よりもやや町場に近い湿地だったという環境の違いでしょう。
念のため図鑑的な開花時期にあたると「春咲き」と大まかな表現があって、1カ月くらいのブレ幅は許容範囲みたいです。また、同じく気になったのは花色でした。前のものはヤケにきれいな臙脂色、今回は地味めの茶とピンク、ずいぶん違います。
しかし、これは開花期よりもさらに安心で、Wikiには「花の色は変異が大きい」とありました。そして、アカエビネやダイダイエビネと呼ぶこともあるとしていて、自分の前回掲載のものは差し詰めアカエビネと称しても良さそう(別名扱い)です。
いっそキエビネのようにまったく別モノならわかりやすくても、通常のエビネにこれだけ見かけの違いがあることがわかったのは今回の大きな収穫でした。

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4月9日(木) ウワミズザクラ

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ウワミズザクラ、もうずいぶん載せているはず(↓)と思ったら、この季節はここに初登場でした。振り返れば実への興味が強すぎました。食い気先行、赤面です。
そこであらためてジトッと眺めて、サクラとは名付けられていてもCerasus(サクラ属)とはまったく別ものだとしみじみです。花の違いは一目瞭然だし、葉がふつうのサクラ類とはまるっきり違うのでした。側脈がゴツイわりに葉身が薄くて、この季節なら、葉が重なった部分がきれいに透けるなんて初めて気づきました。
さてこんな繊細な質はこの属(Padus・ウワミズザクラ属)に共通だったのか、仲間のイヌザクラエゾノウワミズザクラもこの季節に観察し直す必要が生まれました。

<ウワミズザクラの過去記事・掲載順> ☆ 雨中の実 : 2007年9月6日 ☆ 完熟の実と軸の付け根の葉 : 2011年9月7日 ☆ 樹皮(イヌザクラと比較): 2011年9月9日 ☆ 黄葉 : 2011年12月10日 ☆ 色づき始めた実 : 2013年7月18日 ☆ 折れ(割れ)た幹 : 2014年11月11日 ☆ 満開の大木 : 2019年5月2日

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4月8日(水) イワナシ

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「岩」はこの環境(低山のガレ場)からわかるとして、この姿のどこが「梨」なのだろうと戸惑います。まだ咲きそうにはなくても、梨の花はこんなに派手な色ではないし、葉も全然違います。Wiki先生に聞いたら、実が梨のようなのだと言います。
実ができるころにまたここへ来られるアテはないので、安直にWiki先生の写真で勉強しようと思います…んん、似てますか、これ、んんん・笑(注)。
変だなと思ってほかの資料にあたったら、砂苺とか岩椿とか、浜梨とか、果ては豆苺なんていう別名が出てきました。要はどうにでも見えるのでしょう。はて、折々の姿を見たあとで自分ならどう呼びたくなるか、変な興味が生まれました。

<補注> 見かけではなく、その味を言っているようです。

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4月7日(火) シラネアオイ

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標高のない場所だったので、100%、植栽品でしょう。本来の住処ではないところでも案外にきれいに咲くものだという、やや無責任な興味で撮りました。
思い返せば、自分は同じことをツバメオモトで試し、見事に失敗しています。そして懲りもせず、レンゲショウマを別の場所で試そうとしています。
幸せに花開いたシラネアオイ、不幸せに挫折したツバメオモト、およびそうなる確率が高そうなレンゲショウマ、草花にも運・不運というのはつきまとうもののようです。

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4月6日(月) ガンコウラン

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低山と言えども厳しいであろう冬を乗り切って、ガンコウランが花を開いていました。6月には花どころか実も見つからなかったのは当然で、ガンコウランはソメイヨシノが里で賑やかな季節に、こうして岩場でヒッソリと咲くのでした。
夏の記事で「暗赤色でかなりわかりにくそう」と予告したとおり、その色と小ささのためになかなか手こずる撮影対象です。さらに雌雄異株なので、それぞれの花を捜すのも岩を舐めるような姿勢が必要でくたびれました。
写真中央下部に見える赤いゼリー菓子のようなものが雌花、右下に嵌め込んだのが雄花です。雌花の柱頭がいかにも花粉を引き寄せそうに生々しくて、おそらくは風媒生殖型かと想像しますが、そこら辺を明記した資料に行きつけません。

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4月5日(日) ミドリキンキマメザクラ

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きょうのタイトルが面倒なのは三層構造のためです。まずはマメザクラが基本で、それの近畿バージョンがあり、さらにその萼が緑色のタイプというわけです。ベースの2種を先行収録していたのはこのブログとして珍しいことで、理解が楽でした。
植物の萼が緑色なのは当たり前のような気がしても、梅や桜は埒外で、だいたいはそこが赤系です。なのに、梅には緑萼梅があり、桜にもその仲間がいました。学名の最後部にviridicalyxとあって、これは「緑色の萼」を意味します。
開花状態の色合いが萼の色に大きく左右されることはこの緑萼に限りません。志木のハタザクラも白い花が赤い萼(や葉)のおかげで薄いピンクに見えます。
対してこのマメザクラは嵌め込み写真でわかるように、花だけ正面から見るとほぼ白花で、花房の下側までジトッと見つめて、「ああ、緑萼だぁ」と気づきます。

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4月4日(土) コスミレ

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先日、タダノスミレ(笑)をマンジュリカと呼べば面倒がなくなると気づきました。その名は学名(Viola mandshurica)に由来するわけで、分布の中心が東アジア北部なのだということを確認することにもつながり、とてもいい方法だと思うのです。
そんな前段からコスミレの話です。こちらの学名はViola japonica、国粋主義ではなくとも、日の本に自生するスミレはその姿が嫋やかで美しいのです。
実際、同じ無茎種なのに、全体の草姿がマンジュリカよりも淡泊です。パッと見て、マンジュリカ=わさわさ、コスミレ=楚々、という感じです。
そんな基本的なことがわからなかったときは、なんという素っ気ない名前だろうと思っていた「コスミレ」という名が、じつは「小股の切れ上がった」の「小」に通じる美称だった…というのは手前勝手なはた衛門の解釈(注)です。

<補注> 牧野博士は「小スミレであるがスミレに比べむしろ大形」としていて、これはおそらく花のサイズのことだと思います。対して自分は全体の佇まいに着目しました。

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4月3日(金) エイナディア・ハスタタ(ラゴディア・ハスタタ、ソルトブッシュ)

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もう少し陽気が良くなると、この赤い葉が落ちてふつうに緑のブッシュ(常緑低木)になってしまうので、ある意味、いまが見ごろです。
もっとも、その緑色は葉が白い綿毛で蔽われるせいで奥ゆかしい色味です。さらにその葉は塩気を含むので、タイトルに補足したような呼ばれ方(注)をします。
白い小さな(直径1~2mm)花を枝先につけ、それが花より大きな赤い実になると参考資料にはあっても、その写真はごく少数です。あくまで葉が主役なのでしょう。
菱形とか三角とか、この形はいろいろに表現されますが、種小名・hastataは鉾形を意味していて、ヤノネボンテンカイワオモダカにも使われています。

<補注> ラゴディアはかつての属名で、いまはエイナディアです。しかしどちらも覚えにくい字並びなので、自分的にはソルトブッシュで記憶するつもりです。

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4月2日(木) カツオナ

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冬に収穫すべきカツオナを春播きしたときはとんでもない目に遭ったものの、だいたいの生育リズムは掴めました。そこで次は正調・秋播きで育て、この正月は、どうにかこうにか博多風・鰹菜のお雑煮を楽しむことができました。
そこで残る課題は花の確認です。ジトッと3カ月待ちました。3月に入ってグングンと薹立ちが始まり、その先端に蕾が確認できたのが10日ほど前、そこから1週間してついに開花です。もう文句をつけようもなくアブラナ科の花でした。
そして、こんな写真にして気づくのは、花茎や蕾がおひたしに向きそうなことです。実際に植わっているものはそう見えなかったのがちょっとした不思議です。

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4月1日(水) ハカタシダ

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葉表を見ただけでは羊歯類というより小綺麗な観葉植物と見紛いそうなハカタシダなのに、この季節、まるでゼンマイのようなシーンに出会えるのでした。
そこで、もしやこの芽出し状態は食べられるのでは?と調べてみました。結果、どうやら毒性はないらしくても、あえて食べるものではなさそうです。
先人のこの「食えるか否か」の人体実験は驚くほどに執拗かつ詳細なはずなので、根性なし現代人の典型爺さんは、ふーんと簡単にあきらめました。

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