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追録編 : ノビネチドリ

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遠征先での成果品の整理に困窮して「追録編」とするのは八重山のときに編み出した便法です。新規収録の植物でなく、そのくせ写真や記憶事項にいくらか取り柄のあるものは、こうやってどんどん押し込んで記録しておきます。
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<礼文記13> きょうの正編・ハクサンチドリと対をなす記録です。島では生育場所も見かけもわりと似ていて、現場では区別せず(できず)に撮り溜めました。
ただし、ハクサンチドリで説明したように、両種は葉が明らかに違います。こちらノビネチドリの葉幅はかなり豊かで、しかも凹凸があります。そのせいで、葉のフチは波打って荒々しく見えます。ハクサン静謐VSノビネ騒然という感じでしょうか。
10年前、漢字なら延根千鳥となると知らず、せっかく名前を教えてくれた人に何度も聞き返したことが恥ずかしく思い出されます。その記事に追録した写真は花だけに気が行っていて、ようやく「らしく」撮れた気がします。延根の延長戦でした。

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6月30日(月) ハクサンチドリ

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<礼文記12> 和名の後半・チドリは聞き慣れた形容でも、前半のハクサンは白山国立公園の秀峰のことです。つまり、これは本州なら標高2,700m級の山に分布する蘭なのです。それが礼文なら、ほぼ平地で楽に撮り放題でした。
困るのは、これと似た感じの蘭・ノビネチドリもそこここに咲いていたことです。最初はどっちがどっちが思い出せず、取りあえずバシャバシャやっておいて、帰ってからその写真を仕分けしていきました。着目点は葉のつくりです。
ハクサンのそれは性格が良く、形がシュッとのびやかだし、フチに衒いがなくて真っ直ぐです。ならばノビネのそこはどうなのか、きょうの追録編で比較ができます。

過去のきょう 2024 アメリカイワナンテン(セイヨウイワナンテン)・レインボー 2023 カシワバアジサイ・スノークイーン 2022 ディコンドラ・シルバーフォールズ 2021 アメリカナデシコ(美女ナデシコ、ヒゲナデシコ) 2020 ベゴニア・ペアルケイ 2019 カラシナ(セイヨウカラシナ) 2018 ツタ(ナツヅタ) 2017 ピンオーク 2016 トキワマンサク 2015 モモ 2014 タイトゴメ 2013 クマヤナギ 2012 タチアオイ 2011 ネコノチチ 2010 フタリシズカ 2009 ルリヂシャ(ボリジ) 2008 モミジバゼラニウム 2007 ハマカンザシ 2006 ブーゲンビリア 2005 セイヨウノコギリソウ 2004 ヒョウタン

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6月29日(日) シロヨモギ

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<礼文記11>島の東北端・金田ノ岬の道路端はシロヨモギで真っ白でした。少し風が当たりにくい場所だと立ち上がるくせに、間宮海峡からの北風が吹きすさぶこの岬では匍匐して横に生命を繋ぐのが一番の得策ではあるのです。
その基本性質は園芸品になっても変わらなくて、横に延び放題の海岸ならいざ知らず、ウチの窮屈な鉢ではまったく扱いに往生させられました。
そんな園芸品と極北の母種(自然品)の見かけに顕著な差はありません。しかし、よく見ればこちらの葉は幅が狭く、厚みが感じられます。色味も、表面を蔽う白い毛の底に覗われる緑みが逞しくて、やはり園芸品とは似て非なるモノでした。

過去のきょう 2024 イワミツバ 2023 ヤナギハッカ(ヒソップ) 2022 モリスサンザシ 2021 ドドナエア 2020 ヒイラギナンテン 2019 ヤマボウシ(シナヤマボウシ)・ウルフアイ 2018 ヒメアシボソ 2017 ボウフウ 2016 セレウスサボテン(鬼面角) 2015 コウオウソウ(フレンチ・マリーゴールド) 2014 カンボク 2013 イトラン 2012 ソテツ 2011 ウリカエデ 2010 カワラナデシコ 2009 イブキトラノオ 2008 チガヤ 2007 カラクサゲシ(チューリップポピー) 2006 ノカンゾウ 2005 ボケ 2004 ボタンクサギ

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6月28日(土) チシマフウロ

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<礼文記10> レブンシオガマと並んで島内各所でよく見かけました。斜面を埋める大群生があったりして、とても気候に適合しているとわかります。
もっとも、きのうのエゾツツジに似て分布地は本州北部の冷涼地にもわたります。さらに千島を経て北米にまで生育するそうで、花びらの儚さに反し、性質は強健です。
それは花の中心部や萼、あるいはもうできていた実の毛深さに現れています。あるいは先行する雄シベを追い抜く勢いで雌シベが突き出す花のしかけにもそのタフさが感じられて、優しげな薄紫色の裏には強烈な生への執念が潜んでいるのでしょう。

過去のきょう 2024 ベニバナトチノキ 2023 イソノキ 2022 コダカラベンケイ 2021 テマリソウ 2020 ハマナデシコ 2019 ヒメシダ 2018 ナンキンハゼ(斑入り) 2017 スズカケノキとモミジバスズカケノキ 2016 トネリコバノカエデ 2015 ギンヨウアカシア 2014 ホソイ 2013 ケンポナシ 2012 キケマン 2011 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2010 カジノキ 2009 オオバオオヤマレンゲ 2008 カタクリ 2007 ナツハゼ 2006 ノウゼンハレン(キンレンカ) 2005 ミズキ 2004 イングリッシュラベンダー

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6月27日(金) エゾツツジ

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<礼文記9> 礼文固有の植物ではなく、上川町の花とされています。しかし、その町は旭川の東に位置して大雪山を擁し、市街地でも標高340mはあるらしいので、おそらく厳しい気候でしょう。お気楽な場所に咲くツツジではありません。250627the_camtschaticum2
当然に低く地を這うような育ち方であり、花も葉も毛深い防寒仕様です。しかし、花色はずいぶんキツめの躑躅色で、短い夏に虫を呼ぼうと必死の感じです。5裂した花びらの上側3枚には斑模様の美しい蜜標があります。
Therorhodionという属名は、きのうのPleurospermumと同じく初めて知ります。さらに種小名camtschaticum(カムチャッカ産の意)もここにはお初の登場です。かわいらしい見かけに反して学名の難易度は高く、くたびれ気味の脳をムチ打ってくれます。

過去のきょう 2024 リグラリア・ミッドナイト レディおよびリグラリア・ブリットマリークロウフォード 2023 オシダ 2022 アメリカキササゲ 2021 モッコク 2020 カンノンチク 2019 ハクウンボク 2018 コバンコナスビ 2017 クガイソウ 2016 トルコギキョウ 2015 ズッキーニ 2014 キリ 2013 アフリカナガバモウセンゴケ 2012 エノキウツギ(ウオトリギ) 2011 シチダンカ 2010 ヒメコウゾ 2009 ムラサキセンダイハギ 2008 ウチワサボテン 2007 クマツヅラ 2006 カリフォルニアローズ 2005 タイマツバナ 2004 ヤブカンゾウ

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6月26日(木) オオカサモチ

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<礼文記8> 高くのびた茎の上に白い花房をつける姿はきのうのオオハナウドと似ています。ただ、これは花の下の苞片や茎上部の葉が垂れ下がります。
オオカサモチは大傘持と書き、昔、貴人の頭上に差し出した傘のことでしょう。同じ発想で名付けされた植物に参内傘(サンダイガサ、標準和名はツルボ)がありはしても、ずいぶんとスケールが違います。大傘持の方がずっと素直に頷けます。
Pleurospermum(オオカサモチ属)はセリ科で、ここには初収録です。日本にはこのオオカサモチだけ自生する、国内1属1種の分類的に貴重な植物です。

過去のきょう 2024 ハイドランジア・マジカルチョコレート 2023 オオツリバナ(&ツリバナ) 2022 カセンソウ 2021 サフランモドキ(ゼフィランサス・カリナタ) 2020 ウチワゼニクサ(タテバチドメグサ、ウォーターコイン) 2019 トマト 2018 コバンノキ 2017 アメリカスズカケノキ 2016 トサミズキ 2015 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)・ホットリップス 2014 コウホネ 2013 ハマナス 2012 ムラサキツメクサ 2011 ウチワサボテン 2010 イヌウメモドキ(雄株) 2009 シコタンソウ 2008 ヒメカイウ 2007 カクテル(つるバラ) 2006 ヤポンノキ 2005 ガクアジサイ 2004 モッコク

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番外編 : 礼文アルバム

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志木とは緯度が10度違うので、礼文の日暮れは1時間遅れです。着いた日の夜7時、外はまだ明るくて、利尻富士が霧の向こうにうっすらと見えていました。
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当然に夜明けも早くて、これで5時半です。霧は濃さを増して、すぐそこの防波堤も白くトロケています。漁師さんはもう仕事を終えて船を引き上げていました。
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島の目抜き通りです。自転車のおじさんはお仕事でしょうか。4todosima468
この先は異国・樺太です。
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きれいなトイレはあっても、数がかなり不足です。携帯トイレは必需品です。6azarasi_dai
防波堤のすぐ先に、ゴマフアザラシ(拡大可)が50頭以上確認できました。
そう言えば志木にゴマフアザラシのあらちゃんが現れたのは2011年でした。
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ここが使えていれば、移動はずいぶん楽だったでしょうに…。
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島の目抜きにある漁協スーパーにはレアな鎌がありました。
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濃霧はずっとつきまとい、島の西側へ行けば行くほど、標高を稼げば稼ぐほど、頑なに視界を遮ってくれました。(拡大可)
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そのくせ、西海岸でもフッと霧が流れて名勝・猫岩を拝めたりして…。
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小石を踏みしめつつ、登っては降り、降りては登り…膝と足首、ゴール地点で限界一歩前でした。
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初めて見た形の消波ブロック、ファンキーです。
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旅に同行した婿ちゃんはエゾメバルを釣り上げ、ドヤ顔です。
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礼文に行ったら、サユリストではなくてもここでしょう。
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帰路、利尻島に立ち寄って散歩した姫沼も霧・霧・霧でした。

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6月25日(水) オオハナウド

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<礼文記7> かなり憾みに思った濃霧続きも、こんな写真(左側)を撮らせてくれたのだから感謝すべきところもありました。礼文の「ある日常」でしょう。
おととい使った風衝地という言葉は礼文島の西側のためにあるようなもので、冬でも雪は積もりにくいのでしょう。名前どおりのオオハナウドが急速冷凍で翌年までそのまま立ち尽くしていました。もっとも風でボッキリの株もたくさん見ました。
種小名lanatumは羊毛のように柔らかな毛で蔽われたという意味で、茎や葉裏はまさしくフカフカ感触です。花や葉の姿は同属のハナウドと似ていても、このフワフワ感とか花房の大きさがかなり違って、「オオ」ハナウドの名に納得です。

過去のきょう 2024 アルケミラ・モリス 2023 イヨカズラ 2022 ギュウシンリ 2021 アエスクルス・パルビフローラ(ボトルブラッシュバックアイ) 2020 ヒメユズリハ 2019 ヒトツバハギ 2018 ゴシキドクダミ 2017 トチバニンジン 2016 オカヒジキ 2015 ハルシャギク 2014 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2013 キバナダンドクとダンドク 2012 キョウチクトウ(白八重) 2011 モミジイチゴ 2010 ウメモドキ(雄株) 2009 ナツユキカズラ 2008 ハナイカダ 2007 イソトマ・アネチフォリア 2006 ベニバナ 2005 シロミノコムラサキ 2004 シロバナハマナス

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6月24日(火) レブンキンバイソウ

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<礼文記6> 島内数カ所でこれを見かけたのに、その都度都度、不順な光線に悩まされました。さらに、その名も「キンバイソウの谷」という場所でお顔は拝んだのに、そこでの写真がありません。あまりの風と濃霧に、撮影は諦めたようです。
そんなわけで、花色の正解がわかりません。上記の場所でも「これを金呼ばわりするのは苦しいなあ」と思ったので、赤みが強過ぎたことは事実です。
そもそもTrollius(キンバイソウ属)を収録するのは初めてなので、比較対象の基準がありません。参考サイトでふつうのキンバイソウを見ると案外に礼文版と色合いは似ていたり、逆に正調・レブンキンバイソウであるべきものがかなり黄色に傾いていたりで、花色を固定して覚えることは諦める方が良さそうです。
むしろ、思ったより花のサイズが大きかったこと、その花びら(じつは萼)が八重で、自然品らしからぬ重厚さだったこと、葉の切れ込みがとても先鋭で深かったこと…などをレブンキンバイソウの特徴として記憶に刻んでおくことにします。

<補注> あと一つ、「レブン」を冠する植物を撮影したものの、それは礼文行きに先駆けて関東の植栽品を収録していたので、現地での写真は追録にとどめました。
あすからは植物名には拘らず、自分的に面白かったものから掲載していきます。

過去のきょう 2024 カラマツ 2023 レモンティーツリー(レプトスペルムム・ペテルソニイ) 2022 キンケイギク 2021 リシマキア・ファイアークラッカー 2020 キハナショウブ 2019 ハナショウブ(濡烏) 2018 カラマツ 2017 メダラ 2016 イイギリ 2015 ジョウリョクヤマボウシ 2014 ギョウジャニンニク 2013 ニッサボク 2012 ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ) 2011 ギシギシ 2010 モミジイチゴ 2009 レッドロビン 2008 フタリシズカ 2007 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2006 ナンキンマメ(ラッカセイ) 2005 セイヨウバクチノキ 2004 ムラサキツメクサ

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6月23日(月) レブンハナシノブ

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<礼文記5> カラフトハナシノブと区別しない考え方もあると聞いても、いやいや、礼文島に咲いていたのだからレブンハナシノブで突っ張りましょう。
まじめに言うと、レブンハナシノブとする根拠の一は礼文島の風衝地に咲いていたことです。自分では被写体ブレがわからない程度に撮れたのが奇跡です。
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そして根拠の二は花序が詰まって花が密集することで、カラフトハナシノブの参考写真をみると、たしかに花茎がヌヘーと長くて散漫な花つきです。とは言いながら、北海道中部・東部に生息するらしいカラフトハナシノブを撮るときがあれば、「鷹揚な花の咲き具合が大人の味わい」とか馬鹿を言うことは見えていますけれど。

<補注> あと一つ、「レブン」を冠する植物を撮影したものの、それは礼文行きに先駆けて関東の植栽品を収録していたので、礼文での写真は追録にとどめました。
あすからは植物名には拘らず、自分的に面白かったものから掲載していきます。

過去のきょう 2024 クワガタソウ 2023 カリヤス 2022 ヒューケレラ・タペストリー 2021 ナツロウバイ 2020 セイヨウヤブイチゴ(ブラックベリー) 2019 キンギョバツバキ 2018 シロツメクサ(クローバー) 2017 フイリクサヨシ 2016 ヒルムシロ 2015 ルリニワゼキショウ(アイイロニワゼキショウ) 2014 キリモドキ(ジャカランダ・ミモシフォリア) 2013 タイマツバナ 2012 ヒメシャラ 2011 ビワ 2010 ネズミモチ 2009 エーデルワイス 2008 オオバナウツボグサ 2007 ホザキシモツケ 2006 シュッコンカスミソウ 2005 キョウチクトウ 2004 ヨウシュヤマゴボウ

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6月22日(日) レブンシオガマ

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<礼文記4> 島で手当たり次第に撮影した草花のなかから、せっかく礼文に行ったのだからまずは「レブン」の冠を戴くものを優先掲載していきます。
これは葉の美しさに惚れました。さすがに塩竃を名乗るだけのことはあります。
あちこちの道端でこんな風に群生していて、「ああ、礼文に来た」と実感しました。ただ、「これは写真にしたい」と思う場所では決まって光線や風や濃霧が意地悪をしてくれて、こんな次善の写真を引っ張り出します。
なあに、こういう幸せな景色は脳味噌がしっかり覚えていてくれていることでしょう。夢のなかならしばらくは見放題です。

<補注> 続けてネムロシオガマも収録しました。(2025年7月6日

過去のきょう 2024 ツタウルシ 2023 アメリカタニワタリノキ・ムーンライトファンタジー 2022 カリカンサス・ホワイトドレス 2021 ハブランサス・チェリーピンク 2020 ドクダミ 2019 トキソウ 2018 テロペア 2017 マルメロとカリン 2016 サカキ 2015 ミズキ 2014 ホタルイ 2013 ジャボチカバ(キブドウ) 2012 アマリリス 2011 スカシユリ 2010 ハグマノキ 2009 シチダンカ 2008 メグスリノキ 2007 キキョウソウ 2006 ゴウダソウ 2005 スカシユリ 2004 ヤマモモ

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6月21日(土) レブンソウ

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<礼文記3> さすが花の浮島と呼ばれる地で、礼文島はレブンアツモリソウだけではありませんでした。まずはこのレブンソウ、名前がもう「礼文代表」です。
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当然ながら島を代表する美しさで、花はもちろんながら、葉が秀逸でした。葉裏の白毛が表側からも輝いて見え、まるで縁取りがされているようです。
その毛深さは花も同様で、この地の強風や潮風がどれだけのものかを如実に語っています。繊細な羽状複葉をなす一枚一枚の小葉の形はじつに鋭く無駄のない流線型であり、「用の美」というのは茶碗や皿に限らない話でした。

過去のきょう 2024 クルマムグラ 2023 マルババンウコン 2022 ミコシガヤ 2021 オキシデンドルム・アーボレウム(スズランノキ) 2020 アセロラ 2019 キバナフジ 2018 ヒナマツヨイグサ 2017 ウチワゼニクサ 2016 ノビネチドリ 2015 サンカヨウ 2014 ホソバタイサンボク 2013 ドイツスズラン 2012 ヤマコウバシ 2011 マルバチシャノキ 2010 ルリミゾカクシ 2009 コアジサイ 2008 クリンソウ 2007 イトバハルシャギク 2006 ツキヌキニンドウ 2005 アンズ 2004 ハンゲショウ

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6月20日(金) ホテイアツモリソウ

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<礼文記2> 礼文に行ったならこれを撮らねば!と重圧に感じていたレブンアツモリソウに比べると、同じCypripedium(アツモリソウ属)でも、こちらはまったく予定外のうれしいオマケでした。まさしく布袋様がニコニコと微笑んでいるみたいです。
ふつうのアツモリソウに比べると体型がでっぷりして、花色が少し濃いめです。ただ、きのうの写真でわかったように色目には変化幅があります。
そこで自分的に思うホテイアツモリソウと他種との違いは側萼片(両手のように左右に開く)の「しっかり度合い」です。幅があって、ヒラつかず、唇弁との脇が閉まっていて、このためにガッシリ丈夫に見えます。布袋様はたぷたぷ体型だと思っていたのに、じつは意外にもマッチョだったなんて、とても愉快な発見でした。

過去のきょう 2024 ウズアジサイ 2023 レモンタイム 2022 セイヨウスモモ(プラム、プルーン) 2021 ヒルザキツキミソウ(白花種) 2020 ハマボッス 2019 ハマヒルガオ 2018 イソノキ 2017 ヤハズホオノキ 2016 アナベル(アジサイ) 2015 ゼラニウム 2014 ハンゲショウ 2013 サントリナ 2012 ノトカクタス(品種未詳) 2011 カワラマツバ 2010 ヤブムラサキ 2009 ウズアジサイ 2008 ササユリ 2007 クロバナフウロ 2006 マリアアザミ 2005 ムラサキシキブ 2004 アガパンサス

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6月19日(木) レブンアツモリソウ

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<礼文記1> 雨と風は植物撮影の天敵なのに、雨はほぼ降らず&10m以上の風があたりまえの島でそよ風しか(岬は別)吹かず、やはりワシは神かと思ったのです。
しかし、濃霧という伏兵にやられました。お花畑が断崖となって海に落ち込む「これぞ礼文島」という景色が、悲しくも白濁・意味不明写真です。
ただ、うまく霧が束の間晴れたり陽が射したりというタイミングはあったし、そこまでツキはなくても足下の花ならそれほど霧に邪魔されなくて、まあまあの運でした。
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で、暮れから正月の「八重山記」に続き、また少しの間、「礼文記」です。その第一弾はもちろんレブンアツモリソウです。このためにはるばる…。
なのに、むぅ、遅かった!というのが上の写真です。袋の枯れ方が勉強だよとか、子房がもうだいぶ大きく(太く)なってるなあとか、涙ながらの観察です。
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とは言え、やはりワシは神で(笑)、捜せばこの程度のものが幾本か見つかりました。もっとも、微妙に黄色具合が違っていて、嵌め込んだものが一番flavum(学名の変種部分=黄色の意)でした。まずは礼文訪問の最大目的を達成です。

<補注> 思いがけず、ホテイアツモリソウまで収録できました。(2025年6月20日

過去のきょう 2024 スギゴケ 2023 アスフォデルス・アエスチブス 2022 マオラン(覆輪タイプ) 2021 カリカンサス・ハートレッジワイン 2020 アセビ 2019 ムクロジ 2018 ミヤマオダマキとヤマオダマキ 2017 ドクゼリモドキ(ホワイトレースフラワー) 2016 ヒオウギアヤメ 2015 アフリカホウセンカ(インパチェンス) 2014 ムクロジ 2013 ササユリ 2012 ガクアジサイ 2011 ナナミノキ(雌株) 2010 キョウガノコ 2009 エゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー) 2008 ミヤマウグイスカグラ 2007 イチヤクソウ 2006 サクラ(染井吉野) 2005 コムラサキ 2004 コムラサキ

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6月18日(水) オオナルコユリ

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株全体のサイズとか、茎の撓い方とか、その断面が丸いところなど、いかにもナルコユリなのに、いやいや、「これ別物でしょう感」がありありです。
どう見ても花と葉がデカイのです。花の筒部が長くて、下ぶくれでドッシリしています。葉も大きく(広く)て長くて、サンキラのようにお餅を包めそうです。
そのデカさが素直に名前に反映されて、これはオオナルコユリでした。うーん、単純すぎてつまらんぞと呻いたら、オオバオウセイとかオニナルコユリと呼んでくれてもいいですよと来ました。ふん、オウセイは黄精だろ、知ってんぞ&鬼を名乗るにはまだまだ嫋やか過ぎるぞ…というのは、どうにも可愛げのない爺の呟きです。

過去のきょう 2024 ガンコウラン 2023 サワダツ 2022 オオバイチジク 2021 ブルーファンフラワー(スカエボラ) 2020 キキョウ 2019 フタマタイチゲ 2018 ウリノキ 2017 コルクガシ 2016 ベニバナヤマシャクヤク 2015 サワフタギ 2014 ワタナベソウ 2013 コクテンギ 2012 ヒルザキツキミソウ 2011 ハナショウブ(沖津白波) 2010 テイカカズラ 2009 ニオイロウバイ 2008 イワタバコ 2007 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ) 2006 ベニバナ 2005 マツバギク 2004 サルスベリ

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6月17日(火) ルリソウ

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属名がNihonです。もうこれ以上の形容がないくらい、我が国の固有種です。もっとも、以前はOmphalodesとされていました。その辺の学術界隈事情は不明です。
おっと、そんな生囓りの学名論議をするなら、Nihon japonicumという完璧な名前があって、和名ではヤマルリソウです。そちらとこちらでは背丈もずいぶん違うし、花色もこちらが鮮やかで瑠璃には近いので、たぶんルリソウのイメージが元になり、それより野性的だからヤマルリソウという名付け経緯だろう…は爺の勝手な推測です。
もっとも、このルリソウだって近場の野歩きで出くわすことはないし、マジマジ見ればしっかりと毛だらけです。いやいや、余計なことを言っているとどっちがどっちかわからなくなります。スッとのびやかな花茎と葉=ルリソウ…と記憶しておきます。

<補注> ルリソウとい和名は響きが良いせいか、同じムラサキ科のキダチルリソウ(へリオトロープ)やキバナルリソウ(セリンセ・マヨール)にも使われています。

過去のきょう 2024 アイシャ(八重咲きオリエンタルユリ) 2023 セイヨウナツユキソウ 2022 シロバナモウズイカ 2021 レンブ 2020 コウシュンカズラ 2019 ヤブニッケイ 2018 セッコク 2017 カボチャ(セイヨウカボチャ) 2016 ウラジロヨウラク 2015 ウキヤガラ 2014 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2013 ケマンソウ(タイツリソウ) 2012 ハグマノキ(スモークツリー) 2011 ラベンダー・デンタータ 2010 ヒメジョオン 2009 ギンバイカ 2008 アゼナルコ 2007 ワラビ 2006 ローズゼラニウム 2005 カツラ 2004 シロタエギク

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6月16日(月) ムラサキツリガネツツジ

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花の赤色が濃くて、紫と形容されてもあまり抵抗がないし、その形を釣鐘と称することにはさらに素直に頷きます。ムラサキツリガネツツジ…いい名前です。
その花よりもさらに特徴的なのは花柄や萼や葉の毛です。これは他の類似種との見分けポイントになるらしいので、しっかり目に焼き付けておきます。
富士山の周辺が生息域で、しかも絶滅危惧種です。同属(Menziesia・ヨウラクツツジ属)のガクウラジロヨウラクはもう少し見かけやすくて、せめてあの程度にポピュラーになってくれないものかと無理なことを考えてしまう美しさです。

過去のきょう 2024 ヤマウルシ 2023 アブラギリ 2022 ゲンペイクサギ(ゲンペイカズラ) 2021 ヘメロカリス 2020 ヘリコニア・フミリス 2019 ヒメコウホネ 2018 ヤナギイチゴ 2017 アカガシワ 2016 マルバシモツケ 2015 カシグルミ 2014 ガマ 2013 サンショウ 2012 タイリンマツヨイグサ(ゴデチア) 2011 ナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ) 2010 イボタノキ 2009 バイカウツギ 2008 サンショウバラ 2007 フウリンソウ(カンパニュラ・メディウム) 2006 ハタザオギキョウ 2005 バショウ 2004 オシロイバナ

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6月15日(日) トサシモツケ

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コデマリにしては花房が大き過ぎるし、花の時期が少し遅いとか、シモツケにしてはこのシュッとした立ち姿があまりに美的だとか、解せません。さてその正体は…。
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Spiraea(シモツケ属)のなかでこの木を特徴付けるのは、まず葉の形です。倒披針形のスマートさがとてもよく目立ちます。そしてもう一点が雄シベで、花びらよりも長くのび出ています。それらを考慮すると、これはトサシモツケとなりそうです。
別名にはホソバイブキシモツケがあって、この木の理解に役立ちます。細葉は上に述べたように大切な特徴だし、伊吹は自生が土佐だけに限るものではないことを示しています。ふだんは「名前は一つでいい」と思いながら、ご都合主義の爺です。

過去のきょう 2024 ツマトリソウ 2023 プヤ・アルペストリス 2022 タケシマホタルブクロ 2021 チャンチン 2020 ベニガクアジサイ(ベニガク) 2019 シロバナハマナス 2018 シュンギク 2017 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2016 イノデ 2015 ライムギ 2014 エゾアジサイ 2013 ベニバナ 2012 ヒメタイサンボク 2011 ノグルミ 2010 ニゲラ 2009 ヤマブキショウマ 2008 ベニバナイチヤクソウ 2007 ムラサキウマゴヤシ 2006 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2005 シャクヤク 2004 ハキダメギク

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6月14日(土) ホルトソウ

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ホルトは例のホルトノキと一緒で、ポルトガルから日本に伝来したことを示します。もっとも「キ」の方は源内さんの勘違いという恥ずかしい裏があるのに対し、こちら「ソウ」は室町時代に本当に渡来した記録があって、謂わば真性ホルトです。
あるいはこのタネが続随子(ぞくずいし)という生薬になることも記憶必須事項です。下剤や利尿薬その他いろいろ、また油も有用とモテモテ植物だったようです。
そんなお役立ち度が認められてか、ほかのEuphorbia(トウダイグサ属)を差し置いてE. lathyrisという学名を持っています。lathyrisは古いギリシャ語でEuphorbiaを指していて、つまりはEuphorbiaのなかのEuphorbia、畏れ多い草なのです。

<補注> トウダイグサ属は仲間が多くて、このブログでさえ、収録はこれで30種になります。そのすべてをここに並べてリンクさせるのは面倒…というものぐさで、代表のトウダイグサだけにその処置をしておきます。

過去のきょう 2024 コケモモ 2023 ガリカバラ 2022 シジミバナ 2021 クローバー・ティントワイン 2020 サラガミネキキョウ 2019 オニノヤガラ 2018 ゲンペイシモツケ 2017 ツクバネガシ 2016 ホソバアオキ 2015 ボダイジュ 2014 タツナミソウ 2013 ネズミモチ 2012 ウワバミソウ 2011 ラムズイヤー 2010 ヤマグワ 2009 ジョウリョクヤマボウシ 2008 ムクノキ 2007 ナンテンハギ 2006 ヤエドクダミ 2005 ブナ 2004 ガクアジサイ

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6月13日(金) オニヒョウタンボク

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木の高さや枝張りは、先日掲載のハナヒョウタンボクと同じくらいに感じました。ただ、ハナヒョウタンボクは花の2個セットを見せていたのに対し、こちらはすでに実の2個セットです。同属とは言え、開花・結実タイミングは微妙に違うようです。
その実の付け根に変なヒモがついていて、これは線状の苞だと言います。ハナヒョウタンボクの写真を見直しても萼の付け根にはなにも見えません。じつはどちらも同じパーツがあるのに、ハナヒョウタンボクのそれは早いうちに落ちるらしいのです。
加えて、葉のふくよかフォルムも目立ちます。これでは鬼ではなく阿亀(おかめ)だろうと思ったら、樹皮が荒々しく剥けるのが鬼と呼ばれる由来でした。薄皮(写真左下部の嵌め込み)が剥けると、サルスベリのようにツルツル(同右)になります。

過去のきょう 2024 サルビア・ビリディス 2023 サフィニアブーケ・ゴールド 2022 オオニワゼキショウ 2021 カシワバアジサイ 2020 ショウキウツギ 2019 アセビ 2018 テンジクスゲ 2017 ナガバミズアオイ(ポンテデリア・コルダタ) 2016 ムラサキミツバ 2015 イヌガラシ 2014 チョウセンキハギ 2013 ゲラニウム(Jolly Bee ) 2012 ヒメカジイチゴ 2011 アカモノ 2010 アオテンマ 2009 ベニヤマボウシ 2008 ニワトコ 2007 ナヨクサフジ 2006 カシワバアジサイ 2005 ウメモドキ 2004 ムクゲ

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6月12日(木) ハルナユキザサ

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ふつうのユキザサに比べると、その全容もパーツも、「剛」とか「大」のイメージです。うまく花の時期にあたったので、引いたり寄ったり、撮りまくりました。
ところが、帰宅して「ふつう」の花と比べたら、あまり差を見い出せません。花茎に生えた毛が粗いと思ったのに、「ふつう」も案外に毛深いのです。花も大づくりだと思ったのに、構造としてはほとんど同じです。むむ~、落胆です。
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「そりゃそうだ。どっちにもモノサシ当ててないもん」というのは部屋でモニターを見ながらの反省です。ただ、生に接した人間としては「そういう小道具はいらないんだよなぁ」と強く思うのです。迫力というものはモノサシでは測れないと実感です。

過去のきょう 2024 ウラジロヨウラク 2023 コウトウエゴノキ 2022 ヒメマサキ 2021 アメリカオニアザミ 2020 キバナノコギリソウ 2019 チョコレートコスモス 2018 ヤマアジサイ・乙女の舞 2017 フシノハアワブキ 2016 ヤマウコギ 2015 ドクウツギ 2014 クラマゴケ 2013 フェイジョア 2012 ムシャリンドウ 2011 アリウム・ギガンテウム 2010 オオテンニンギク 2009 ニワナナカマド(チンシバイ) 2008 シナノキ 2007 オオマツヨイグサ 2006 ムシトリナデシコ 2005 クリ 2004 クチナシ

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6月11日(水) グンナイフウロ

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スッと背が高い(膝上くらい)ので、最初はタチフウロかと思いました。ところが、茎上部の葉が深く切れ込んではいるのにその裂片が細くはなくて、そこがアメリカフウロの葉を連想させたタチフウロとは違うことに気づきます。
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また、花びらは紫みが強くて、ピンクに傾くほかのフウロ類(アケボノフウロアサマフウロエゾフウロヒメフウロなど)とは感じが少し違います。
あとは渋い着眼点で、茎の毛を見ます。開出毛に混じって腺毛が目立つのがグンナイフウロの特徴で、虫たちはとても困るだろうと同情します。

過去のきょう 2024 イワカガミ 2023 シンツルムラサキとツルムラサキ 2022 オランダガラシ(クレソン) 2021 カシグルミ 2020 ヤエカシワバアジサイ 2019 マルバイワシモツケ(イワシモツケ) 2018 シナノナデシコ(ミヤマナデシコ) 2017 ショウジョウバカマ 2016 ホンカンゾウ(シナカンゾウ) 2015 カミツレ(カモミール、カモマイル、ジャーマンカモミール) 2014 ツゲ(ホンツゲ) 2013 タカノハススキ 2012 ユリノキ(斑入り種) 2011 レンゲツツジ 2010 ウメガサソウ 2009 ナンテン 2008 マグワ 2007 キンギンボク(ヒョウタンボク) 2006 ホオズキ 2005 ハアザミ(アカンサス) 2004 ナツツバキ

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6月10日(火) タンザワウマノスズクサ

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このサクソフォンみたいな花に初めて出くわしたのは19年も昔の夏でした。なんじゃこりゃ~と腰が引けたことをいまだに思い出します。
以降、ウマノスズクサを名乗るものはアリマオオバを収録できているので、これが4種類目のサクソフォン(笑)になります。そして、それらのなかではもっとも花つきが良くて、上の写真には8台(www)も一緒に写り込んでいます。
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たった4種見ただけで言うのは気が引けても、このタンザワウマノスズクサの花はこれまでで一番の美しさです。開口部に縞模様が入るのはオオバと同じでも、条線の濃さや鮮明さがまるで違うし、筒の内部にまで斑点があって念入りです。

過去のきょう 2024 アクシバ 2023 ツルハナナス 2022 クレマチス・プリンセスケイト 2021 メカルドニア 2020 カンガルーポー 2019 ムラサキスズメノオゴケ 2018 ガジュマル、ほかいろいろ 2017 セッコウガキ 2016 ネグンドカエデ・フラミンゴ 2015 アブラツツジ 2014 エキノプシス・カマエセレウス(ビャクダン、ピーナツカクタス) 2013 ニッサボク 2012 ヒメコバンソウ 2011 キショウブ 2010 アカショウマ 2009 ハタザクラ 2008 ラミウム・マクラツム 2007 オニノヤガラ 2006 ヨーロッパブドウ 2005 シャグマユリ 2004 タイサンボク

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6月9日(月) カザグルマ

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クレマチスのなかにカザグルマという品種があることは知っていても、その「いかにも」な名前からして園芸種なのだろうと思っていました。無知蒙昧の徒です。
なんと絶滅危惧種ですか。こうして陽光の下で元気なお姿を拝することができたのはとてもありがたいこと…あえて「有り難い」と表記すべき幸運でした。
小葉が3ないし5枚でもタイプは羽状複葉なのだそうで、知らずに眺めると三出小葉と勘違いしそうです。そんなわがままっぽい葉に比べると、花びら(ではなくじつは萼)はどれもきっちり8枚で、すべてが気儘ではなくて帳尻が合っています。

過去のきょう 2024 ヒカリゴケ 2023 ジャガイモ(メークイン&品種不明) 2022 ベニヒメリンドウ(エキザカム) 2021 ニッケイ 2020 ヤブデマリ・ピンクビューティ 2019 キュウリノキ(ナガバノゴレンシ) 2018 タチアワユキセンダングサ 2017 トウキ 2016 オオトウワタ 2015 マツモトセンノウ 2014 シリブカガシとマテバシイ 2013 アナガリス(ルリハコベ) 2012 イヌリンゴ 2011 キレンゲツツジ 2010 ナルコユリ 2009 ニワウルシ(雄株) 2008 コアジサイ 2007 ノリウツギ 2006 ヨウシュイボタ 2005 サルビア・グアラニチカ 2004 ネムノキ

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6月8日(日) ハナヒョウタンボク

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ようやくハナヒョウタンボクの開花期に出会いました。豪華な稔りの姿をここに載せてからもう7年です。同属のヒョウタンボク(標準和名:キンギンボク)ならば実も花もわりと順調に収録できたのに、縁というのはときどきゴネてくれます。
そんな「ようやく」の思いを脇に置いても、これだけの高さ(4~5m)の木が満艦飾になるわけですから、大満足の眺めでした。キンギンボクが文字どおり金銀二色で綾なすのに比べると、こちらは白がとても優勢です。地面に落ちた花もそこそこ白いので、時間経過で黄色く退色する性質はあまりないのかと見ました。
かつ、ほぼ平らな目線で見ることができるキンギンボクに対し、こちらはどの木もどの木も見上げる角度で、太陽光線をもろに受けての観察です。花がやたらに白く輝いていた記憶は、そんな条件もあってのことだったことを忘れてはいけません。

<補注>同属ではあっても、オニヒョウタンボクのリズムはやや早めでした。(2025年6月13日

過去のきょう 2024 ユッカ・トンプソニアナ 2023 ウンナントウヒ 2022 コメツツジ 2021 クダモノトケイソウ(パッションフルーツ) 2020 サフランモドキ(ゼフィランサス・カリナタ) 2019 ムラサキ 2018 フクギ 2017 ヒゼンマユミ 2016 オオバヤシャブシ 2015 ハマクサギ 2014 イグサ(イ) 2013 トネリコ 2012 カラスムギ 2011 ジャーマンアイリス 2010 カナウツギ 2009 ギンリョウソウ 2008 アケボノフウロ 2007 シロバナヤエウツギ 2006 ウラジロチチコグサ 2005 モミジルコウ(ハゴロモルコウソウ) 2004 ナンキンハゼ

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番外編 : ホテイチクの筍

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ホテイチクの筍を食べることができました。長生きはするものです。
クセつよとしか言えない稈の見た目に反して、ものすごく雑味のない(おとなしい)味で、しかし食感はしっかり筍なので、サラダとかにまで使えそうです。
うちではまず筍ごはんで楽しみました。おっと、写真左は皮を剥くまえに切り落とした先端部分です。頭のクチュクチュがハチクに似ていてもあれよりは素直というかのびやかで、枯れきるまでの間、食卓のオブジェを務めてくれています。

<補注> マダケとハチクの筍は、かつて秩父で入手でき、食べ比べ済みです。

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6月7日(土) コケイラン

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木陰に生えるのはこういうランの常で、光線具合に不満は言えません。ただ、撮影枚数の半数がボツだったほどに強風の日だったのは運がなさ過ぎました。
いえいえ、ここに1本だけのこれを見つけたのだから、不運を嘆くのは贅沢です。煌めく黄褐色の花は径1cmほどで、34~5cmの真っ直ぐな花茎に17個まで数えることができました。茎の上下に鮮度差が少ないのは蘭類の美点に思えます。
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そして、多くの参考サイトが「葉は2枚」と断言するのに反し、1枚しかありません。ところが、帰宅後にあたった牧野図鑑には「1~2葉」とあって安心しました。
同じように、コケイランの「蕙」はシランのことと限定するページが多いのに、博士は「シランまたはガンゼキランの類を指す」とした上で、それと「葉が似ているが花が小さいのでついた名」と丁寧です。たしかに、漢和辞書でも蕙は「かをりぐさ、蘭の類」としかされていなくて、シランに限定する必要はないはずです。
然(しこう)して、まだ見ぬガンゼキランを、花はともかく、その葉を見るという新たな課題が生まれました。絶滅危惧種指定の大きくて重い目標です。

atazakura.air-nifty.com/blog/2023/06/post-a6b87b.html">オノエラン 2022 クラピア・K7 2021 フェイジョア 2020 フローレンス・ナイチンゲール 2019 センダン 2018 ゲットウ 2017 ハナヤエムグラ 2016 シロバナニガナ 2015 ハンカイソウ 2014 ジューンベリー 2013 スズラン 2012 サツキ 2011 ナナカマド 2010 ネジキ 2009 ナガバオモダカ 2008 マルバストラム 2007 ウツギ・マギシエン 2006 タケニグサ 2005 ヒメシャラ 2004 オオカナダモ

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6月6日(金) ペラルゴニウム(品種不明)

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どうして食品スーパーにこんなキワモノを置くのか、ヤオコーさんはじつに尖った園芸品を扱ってくださるのです。おかげで労せずして面白いものを入手できます。
ところが、キワモノ過ぎるとふつうの奥様たちは手を出さなくて、これはワタシが1鉢連れ帰ったあともずっと売れ残っていました。たしかに、ちょっと攻めすぎです。
かく言う好き者も、どんなに調べてもコヤツの正体がわかりません。値札にあったペラルゴニウムという表示を信じると、パールピンクという品種が近いように思えますが、花つきがまったく及ばないので、現時点では「品種不明」です。
と言うより、ペラルゴニウムとゼラニウムはどう違うのかが焦点で、それを理解するベースとして、かつてのゲラ・ゼラ問題を思い出す必要があります。あそこで述べたテンジクアオイ属(Pelargonium=ゼラニウムはすべてこの属)のうち、1年性で春夏だけ咲くものがペラ…「ふーん、贅沢品か」というのははた衛門的理解です。

<追録> 素性が不明のわりにはとても素直な育ち具合で、クソ暑さもなんのその、たった1株とは思えない繁り具合を見せてくれています。(撮影:2025年7月21日)
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6月5日(木) チヂレタケ

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枯れたブナの幹が気味悪~い輩に蔽われていました。ただ、集団なので不気味に感じたものの、個別に見るとほんわりした傘の色合いや形が優しげです。
キノコ類は種類を判別する基礎知識がなにもなくて、これをチヂレタケとしたのもかなりのエイヤッです。ただ、ハズレてもPlicaturopsis.(チヂレタケ属)のなにかではなかろうかとアバウトな気持ちでチヂレタケとしてみました。
そしていつも進歩のない反省です。キノコ類は裏側を見なくちゃダメなんだよ! 前もドジしてるでしょ! 叱ってくださる人がいなくなって久しい爺さまは、さみしさと情けなさで全身気怠くなりながら、馬鹿者!と自分に拳固をくれるのでした。

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6月4日(水) クレマチス(品種不明)

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ピントの当て先を間違えたなぁと、いま思います。クレマチスの雌シベ・雄シベの面白さは否定できなくても、あとから見て目立つのは脇のクモでした。
巣は張らないで、こうやってずっと獲物を待つのでしょう。手抜きなのか勤勉なのか、評価に困るヤツです。ずっと目を見開いて緊張状態でいるわけにはいかないでしょうから、虫がやって来そうもない頃合いにはウトッとすることもあるのでしょう。
そう言えば、ベンチでウトッとしてしまった困ったお兄さんがいま話題です。退屈にさせてしまった相手チームがいけないような気はしても、それは声高に言えないし、翌日はそんな相手に弟くんが負けてしまって、さあ、ビシッと6月攻勢、ヨロシク!

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6月3日(火) セイヨウシナノキ

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ドイツ語ではこれをLindenbaumと言います。この名はケーキ屋さんとかカフェで親しいもので、あの国でこの木を目印にするお店が発祥だったのでしょう。
それだけ親しまれることは、Tilia vulgarisという学名からも察せられます。Tilia(シナノキ属)なんだけどvulgaris=ふつうの・よくある木だという素っ気ない扱いです。
今回見た木はそれこそふつうサイズ(高さ5~6m)だったものの、ドイツでは樹齢が千年を超えることもあるそうです。そんな「ふつうではないふつう」が広場の中心に聳える景色を楽しむためだけの旅なんてできたら幸せなことでしょう。

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6月2日(月) ニオイヒバ

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これがなぜ「匂檜葉」か知るためには、ちょっとイケないことをしなくてはなりません。植わっている幹や葉をクンクンしても、とくに香りはしないのです。
罪がなくていいのは剪定作業に立ち会うことで、その場はシトラスの香りに包まれるはずです。ただ、そんな幸運に恵まれないときは、目立たない場所の葉っぱを、先っちょだけ、ほんの少し千切らせてもらいます。おぉ~、爽やかですぅ。
同属であるネズコ(クロベ)にはそんな香りはないのに、北米産のこのニオイヒバがこんな芳香を持つとは、あのオッサン、これをどんどん日本に輸出して貿易赤字とやらを解消してくれたらどうですか。ん、この爽やかさ、わからないかなあ。

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6月1日(日) キンシバイ

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もう梅雨だろうという日々のなかにもピカッとしてくれるときがあって、そんなときにこの黄色い花を見ると、もう夏なんだなぁと覚悟新たにします。
そんな情緒的な感慨とは別に、多少は科学的な目の持ち合わせもあって、この写真には二つの視点を込めました。一つはキンシバイの学名=Hypericum patulumの後半部が意味するところ=「わずかに開いた」です。同属で感じの似たビヨウヤナギの花がわりとだらしなく開くのに対し、たしかに花冠がお椀型でつぼんでいます。
そしてもう一点は雄シベのつくりです。無数に見える雄シベが、じつは5つの束に括られていることをビヨウヤナギで確かめたまま、キンシバイの「金糸」を確認していませんでした。ひょいと思い出してちょいと引っ張ったら、お仲間と同じでした。無体なことをしてしまったお詫びに、つまんだ雄シベの葯を雌シベに擦りつけておきました。

過去のきょう 2024 シャク 2023 サワオグルマ 2022 ハナイバナ 2021 ホルトノキ 2020 サイカチ 2019 ハナヒリノキ 2018 クスダマツメクサ 2017 オニスゲ 2016 フキタンポポ 2015 オオヤマフスマ 2014 クサイチゴ 2013 マツバギク 2012 シロモジ 2011 アズキナシ 2010 シライトソウ 2009 ナツハゼ 2008 ギンリョウソウ 2007 ムシトリナデシコ 2006 ユスラウメ 2005 カルミア 2004 ソメイヨシノ

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