11月17日(月) オオバギボウシとコバギボウシ

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オオバギボウシのこのような枯れ姿は過去にも一度取り上げました。ならばなぜ再掲かと言えば、撮影時期が1カ月半も早いからです。日中の気温がまだ20度を超えたりして、11月も夏か!?とビビるのに、ギボウシ類はもう完全乾燥状態です。
したがって、新鮮なミイラをじっくり見て、前回は無神経だったオオバギボウシとコバギボウシの違いを確認できます。まずは「オオ」ですから背丈が違います。ただ、都合良く両方が並んだ場所に恵まれなくて、茎ののびやかさで表現してみました。
そんな証拠不足に比べると、あとの2点は「物的証拠十分」です。その1 : 果(花)柄がコバギボウシ(↓)の倍はあります。ゆえに芸術的曲線美です。
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その2 : 莢の長さもコバの倍ほどあります。黒くて平たい種の寸法は両種ほぼ変わらないので、その入り具合・並び具合によって莢の長短差が明らかです。
となると、両方の種をポッケに持ち帰った場合に区別ができないわけです。困ったぞとは思ったものの、来春に育ちだせばわかるでしょ、と最後がいい加減です。

<既収録のオオバギボウシ・掲載順>2009年7月5日 : 花と茎 ☆ 2010年6月26日 : 茎・蕾・葉(トコロに絡まれて倒伏しそう) ☆ 2011年2月1日 : 割れた莢となかの種(本文中リンク) ☆ 2013年11月28日 : 黄葉 ☆ 2017年7月17日 : 花
<既収録のコバギボウシ・掲載順>2005年7月19日 : 花・葉(斑入り種) ☆ 2009年7月11日 : 花・葉 ☆ 2015年10月13日 : 実と種

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11月16日(日) ハナカンナ(カンナ)

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11月が折り返しを過ぎても、葉がまだ元気なカンナの植え込みはよく見かけます。しかし、こうまで赤いヒラヒラが付着したままだと少しレアな眺めです。
ちなみに「あ~、カンナが盛りだなぁ」と取り上げたのはいつだったか遡ると、掲載日付が7月31日で、たしかあの写真はズボンまで汗で濡らして(断じて粗相ではなく)撮影したことを妙に鮮明に覚えています。そこから3カ月半、タフなものです。
そう言えば、このヒラヒラは本来の花びらではなく元・雄シベが大半だということをそのときに触れています。あれから16年、それを確認しようとして、ずっと挫折続きです。「萼が花びらみたいな顔をしている植物は嫌いだ」とおっしゃったのはたしかいとうせいこう氏だったでしょうか。雄シベが化けたのも嫌いだと言ってくれませんかね。

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11月14日(金) カニバサボテン

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10カ月ほど前には別々の写真で比較したカニバサボテンとシャコバサボテンを一つの画面で並べてみました。近似種とは言え、感じがわりと違うとわかります。
そして、これまでは「茎がまだヘナヘナ」とか「添え物が必要」と嘆いたカニ(左)の虚弱性がほぼ解消されています。この夏をうまくクリアして丈夫になりました。
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その証拠のように、蕾がプリプリと元気です。サイズも数も、この段階だとシャコの倍くらいあります。もっとも、この1月にもカニの花がシャコよりもやや早熟性であることを記しているので、「倍くらい」という評価は今後の花盛りに確定させましょう。
ただし、いま確定できるのはカニの茎の美しさです。シャコにはない透け感がとてもお洒落です。また、サボテンである証明なのか、内側にカールした尖りの基部に刺らしき毛が生えています。痛さはあまりなくて、とても優しい感触です。

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11月13日(木) チョウマメ(クリトリア)

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11月も中旬に突入したというのに、花が絶えません。ヒィー、フゥー、ミィーとけっこうな花つきで、お里が赤道直下のくせに、まだ蕾をあげてきます。
ただ、その花はずっと小柄(温室栽培のものに比べ、径が半分~2/3)だったし、開花翌日には萎れてしまいます。そもそも咲き始めが9月11日だったこともあるし、鉢がさしたる大きさでもなくて不満なのかもしれません。結実も見つけていません。
いまごろ言い立てるのも間抜けながら、11月の平均気温で那覇市より9度(日最高)から13度(日最低)も低いのです。指ほどに太くなると言う根もとの茎もせいぜい5~6mmまでにしか育ちませんでした。つまりは、埼玉南部あたりの熱帯化はまだまだその程度のものだったのか…と、周りに袋だたきにされそうな結論です。

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11月11日(火) アカバセンニチコウ(アルテルナンテラ・パープルナイト)

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店では宿根千日紅として売られていました。もっとも、素性を調べてゆくとセンニチコウ属(Gomphrena)ではなくツルノゲイトウ属(Alternanthera)でした。
とは言え、以前、身元の似たレッドフラッシュをアカバセンニチコウとしている手前、今度も同じ扱いにせざるを得ません。和名を扱うには太っ腹が肝要です。
ところがパープルナイトという園芸種名も怪しげなのです。ご丁寧に付いていた名札にはPURPLE NIGHTとあって、紫の夜…演歌の世界です。ところが海外ページを探るとPurple Knightで、どうやら演歌よりは「紫の騎士」が正解に思えます。
とにかく「紫」がキーなので、株もとの若い葉をとくと見つめてみました。育つと色が赤く抜けていく様子なので、葉が繁く出るように育てないといけません。名前ばかりに文句を言っていないで、寒くなってもガーデナー修行に励みましょう。

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11月10日(月) シーマニア・シルバチカ

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業界では単に「シーマニア」で通っている多年草(イワタバコ科)です。開花は夏から冬というやや珍しいタイプで、たしかにいまの時期も蕾を持っています。
属名だけでは呼ばないという自己ルールで種小名まで探し当てたものの、シルバチカ由来の園芸種がいくつかあるようで、そこまでの特定ができません。
もっと困るのは属名が揺れ動いていることです。シーマニア(Seemannia)は旧名で、現在はグロキシニア(Gloxinia)とする解説もあるのに、WFOはシーマニアを正名、グロキシニアを異名としています。これはいったん属名変更があったあとでシルバチカを含むいくつかの種がもとの分類に戻されたという事情によります。
もっとも、学界事情より素人に大切なのはこの属名が決して「海偏愛者」ではない(スペル違い)ことです。これはドイツの植物収集家Seemannさんに因んでいて、つまり発音するときは決して尻上がりにせず、第1音節に力を入れるべきです。

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11月7日(金) ヤハズカズラ

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ヤハズカズラの名を借りた植物はこれまですでに3種を収録(↓)しています。遅れ馳せながら、ようやくそのご本尊(標準和名:ヤハズカズラ)に出会えました。
なにか感じの似た草木の名を借りる場合、分類的にはまるで関係ない場合が多いことを思うと、今回の4種はすべて同属(Thunbergia)でなかなか律儀です。見かけもそれなりに似たところがあって、名付け方法としては優等生です。
ただ、撮影者が優等生ではなくて、ヤハズカズラの種小名alataが「翼を持つ」ことだとあとで知り、あわてて全ファイルを捜しました。ようやく見つけた葉柄の翼は日陰になって情けなくても、「ま、ないよりマシだろさ」と、開き直りもいいところです。

<既収録の○○ヤハズカズラ・和名50音順>コダチヤハズカズラ ☆ ベンガルヤハズカズラ ☆ マイソルヤハズカズラ report A. report B.

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11月6日(木) カイトウメン

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これが高級綿の素かぁ…と感慨新たです。暑い季節に花を咲かせ、それが晩秋にはこのようにプンプクリンの実になり、そのあとで殻が枯れてパックリと開くと、なかに純白の綿があふれんばかりというサイクルがこれで繋がりました。
前に、普及タイプの綿であるキヌワタの記事で、綿類の播種から収穫までのリズムに触れたことがあり、それに比べるとやや遅めには感じます。高級だからゆっくりかと僻みっぽく考えるよりは、スタート(播種)や土地柄の違いが影響しそうです。
面白いのは各段階でカイトウメンの葉の印象が違うことです。今回は緑みをずいぶん失いかけていて、収穫時にはまた新鮮な色を取り戻したように見えます。高級だから復元力も強いのではなくて、これも環境の違いと考えるのが無難でしょう。

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11月5日(水) カワラケツメイ

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おや、きれいな叢(くさむら)だこと…と近づいたら、キリキリと捩れて割れた黒い莢が見つかり、カワラケツメイの晩秋はこんなに美的なのかとうれしくなりました。
赤と黒がひしめくなか、いかにもカワラケツメイらしい葉が若緑色のままに元気です。先月中旬だと、このような色の対比はありませんでした。これから霜枯れて倒れ伏すまで、かなり期間限定の見せ場に立ち会えた幸運に感謝です。

過去のきょう 2024 ピットスポルム・ヘテロフィルム 2023 カジイチゴ 2022 アサギリソウ 2021 ベゴニア・クレスタブルキイ 2020 ホトケノザ 2019 ケイトウ・スマートルック 2018 クスノハカエデ 2017 コヤスノキ 2016 ヒメショウジョウヤシ 2015 アマメシバ 2014 ツルウメモドキ 2013 トウネズミモチ 2012 チチコグサ 2011 タチシオデ 2010 マコモ 2009 ヤブミョウガ 2008 セイタカアワダチソウ 2007 コバレンギク(ヒメバレンギク) 2006 センボンヤリ 2005 ヒヨドリジョウゴ 2004 ナンテン

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11月4日(火) タバコ

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写真の内容としては前回と大差ないという自覚はあります。ただ、今回の掲載趣旨は三つあって、その一は時期です。先の撮影よりはほぼ3カ月遅く、つまりは夏の真っ盛りも元気、秋の真んなかでも溌剌、じつに強健な奴だとわかります。
その二は前回なし得なかった花と葉一緒の写し込みができたことです。いくら剛健なスタミナ野郎と言えども丈の奔放さが弱まり、全体、だいぶ寸詰まりになっているわけで、年がら年中バオバオしてはいないことを確認できました。
そしてその三は花の内側です。その二の延長線上のこととは言え、夏には見上げて撮るしかなかった花を水平目線で狙えました。おかげで花筒のカップが意外にゆったりであることとか、シベがずいぶん慎ましやかであることがわかりました。
おっと、種(実)を確認し忘れました。萎んだ花の萼がけっこうふっくらしてはいるので、おそらく木枯らしが吹くころにはそれがハッキリするのでしょう。タバコ(煙草)嫌いではあっても、植物としてのタバコはなかなか興味深い観察対象です。

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