12月1日(金) チョウジュキンカン(オオミキンカン)

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人の背丈ほどある木に艶やかな実がついていました。橘の実よりはふた回りほど小さくても、ふつうの金柑よりはふた回り以上も大きくて、さてこれはなに?
幸い、店先で苗によく巻かれている名札がまだ残っていて「大実金柑」とあります。キンカンを称するわりには妙に平たく窪んだお尻が目立つので、サイズ違いということだけではなく、なにか素性からして曰くがありそうです。
苗木屋さんのHPを参照すると、大実金柑の別名を福寿金柑としたり、あるいは大実金柑・福寿としたり、つまり業界では福寿という呼び方も通っていると見受けます。ここで膝ポンしたのは、YListがCitrus japonica 'Obovata'としている園芸品種の標準和名がチョウジュキンカンであり、その別名がフクシュウキンカンということです。
このフクシュウは福州つまり福建省のことであり、中国東部原産でキンカン類最大の品種がこの自称・大実金柑なのでしょう。フクシュウとチョウジュの音が微妙に混乱するうちにフクジュとなり、一方で素性とは別にオオミとする通称も生まれ…という流通現場の経緯や事情が想像できて、きょうのタイトルは深い味わいに満ちています。

過去のきょう 2022 エラチオール・ベゴニア 2021 ナカフオリヅルラン 2020 ショウジョウソウモドキ 2019 ヘツカラン 2018 アズキナシ 2017 セイヨウヒイラギ 2016 トチノキ 2015 アオキ 2014 カラタチバナ 2013 カカオ 2012 イタビカズラ 2011 ムラサキセンブリ 2010 カンレンボク 2009 コウヤボウキ 2008 イブキジャコウソウ  2007 クヌギ 2006 イヌツゲ 2005 マユミ 2004 シチヘンゲ(ランタナ)

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11月30日(木) ブドウホオズキ

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前回記録からちょうど1カ月経過です。待ちに待った花がようやく開いたのがあのレポートの内容だったのに、そこからはなかなかハイテンポでした。
今日現在、1株あたり10個ほどのホオズキがプラプラ揺れています。だいぶ恰幅が良くなってはきたものの、味見まではまだ遠そうな色合いです。
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そんな花から実への変化を見ていて楽しかったのは萼の癒合です。いや、ボンヤリマナコにはまるで癒合したように見えても、じつは単に閉じているだけです。
萎れた花は少しの揺れでもポロリと落ちます(13日写真)。萼に花が残ったまま撮影したかったのに、シャッターを押す前に落ちてしまい、拾い上げて撮りました。
ここで面白いのは、ふつうのホオズキと違って雌シベが果実に残らない点です。翌日、別の萼のなかを覗き込んだ写真でも、実の赤ちゃんは雌シベなしです。
そしてさらに一日経ち、萼の開口部はかなり狭まりました。なかの実と同様、萼も生長を続けていて、皮の外側部が内側部より早くのびてこうなると考えられます。
18日の写真ではもう袋が閉じたかに見えます。しかし、萼が急激に大きく膨らんだせいで先端部分は相対的に小さくなり、クチャッとまとまってしまったものの、特に接着成分が出ているわけではなく、指で開けば簡単になかが見えそうです。
ただし、それで実がご機嫌を損ねたら困るので、そんな危険はまだ犯しません。最初の味見が済んだら、その辺の解剖ごっこも心置きなくやってみます。

過去のきょう 2022 プルメリア・プディカ 2021 フクベノキ 2020 紅鏡(イロハモミジ・ベニカガミ) 2019 カラスザンショウ 2018 アシズリノジギク 2017 ネズミノオ 2016 ヤーコン 2015 ゼンマイ 2014 ハナトラノオ(カクトラノオ) 2013 シラン 2012 バラ(緑光) 2011 サンタンカ(イクソラ・シネンシス) 2010 食用菊・料理菊(イエギク) 2009 シロダモ 2008 ヤブムラサキ 2007 キヅタ 2006 ムクノキ 2005 リキュウバイ 2004 ウインターコスモス

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11月29日(水) タイワンニンジンボク

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久しぶりにタイワンニンジンボクです。かつて暑い盛りに「ニンジンボク仲間では一番涼しげだ」と褒めあげていて、それを少し訂正したいのが取り上げ理由です。
いわゆる個体差というもので、前の記事では細身だと称えたその葉なのに、今回のものはややでっぷりしています。涼しくなって肥ったなんてことはないでしょうから、ふつうのニンジンボクより控えめな鋸歯だけが真の見分けポイントということです。
もう一つ、この季節に写した理由は実です。仲間のセイヨウニンジンボクの実は胡椒の代用になったりママさんのお乳の出を良くしたりという働き者なので、もしやこちらも?と囓ってみました。ふー、空振りです。ツンでもピリでもありません(注)でした。

<補注> ただし、薬学的には果実(消化促進、鎮咳去痰など)のほかに根と枝もそれぞれ薬効を持つとされます。

過去のきょう 2022 タバスコペッパー 2021 マツカサジンジャー 2020 エゾヨモギギク 2019 オオバコ 2018 クロウメモドキ 2017 ヒゼンマユミ 2016 ツタ(ナツヅタ) 2015 サワグルミ 2014 シリブカガシ 2013 マテバシイ 2012 アルテルナンテラ(アキランサス、テランセラ) 2011 ヒモサボテン(ドラゴンフルーツ) 2010 オオモミジ(猩々) 2009 センニンソウ 2008 マムシグサ 2007 ヒサカキ 2006 タチバナ 2005 ベニバナボロギク 2004 スイセン

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11月25日(土) タイヘイヨウグルミ

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「おお、クルミだ」と感動したかと言えば、じつは「なんか変なの」と呟きました。去年9月に花を見たあとが空白期間で、14カ月ぶりの再会です。
無理すればクルミに見えなくはなくても、この実は形もサイズも変化幅が大きく、どれが標準形で、どのくらいが食べごろか、さっぱりわかりません。はっきり言えば、自分の口に入る可能性は限りなくゼロに近いので、「ま、こんなもんか」です。
ボルネオやジャワのあたりが原産地らしくても、近辺の島々にはこの実が流れ着いただろうし、人々も丸木舟で運んだものでしょう。分布域にはサモアやトンガの名があって、ラグビーWCで有名になったWar Cryを思い出しました。今度この木の下に立ったなら、叫ぶのはさすがにやめるとして、あの踊りだけ真似てみましょうか。

過去のきょう 2022 チア(サルビア・ヒスパニカ) 2021 セトヤナギスブタ 2020 クレマチス・シルホサ・ジングルベル 2019 コウボウシバとコウボウムギ 2018 ヤバネヒイラギモチ 2017 ミズメ 2016 ギンツノサンゴ 2015 ハクサンボク 2014 ケヤキ 2013 ニッサボク 2012 オギ 2011 オンシジューム 2010 ヘラノキ 2009 サカキ 2008 ペラペラヨメナ(ゲンペイコギク) 2007 カワヤナギ 2006 ナツハゼ 2005 カマツカ 2004 サネカズラ

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11月23日(木) スイカズラ

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スイカズラの実が景気よく並んでいて、漆黒に染まる前の段階もまたいい具合の渋い色(1個だけ、右上で先行してほぼ黒に)だったと再認識です。
そして、先日来イチャモンつけ通しの新スマホのカメラについても考えを改めるべき点がありました。1枚目はあわや見限りそうだったg13オリジナルアプリでの撮影です。蔓の産毛がきちんと写っている反面、奥の実はしっかりボケています。
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そして2枚目はg13オリジナルが気に入らなかったために入れたOpen Cameraで撮ったものです。細部のとらえ具合や奥のボケはg13と同程度でも、色合いがやや飛び加減で、落ち着きがなく見えます。期待の星も今回はペケです。
[今回の学習事項] ヒメジョオンの写真はメインの花も遠くにあったので、全体が平面的になったのでした。今回のように狙いの被写体に思い切り寄れば、スマホカメラと言えど、後景はある程度ボケて、「らしく」撮れることが理解できました。
アプリにケチをつけるなんぞ百年早かったわけで、スイカズラの実が色を深めるころまでには、もう少しスマホカメラを使いこなせるようになりたいものです。

過去のきょう 2022 トウカイコモウセンゴケ 2021 トロロアオイ 2020 オオベニウチワ・ロイヤルチャンピオン(アンスリウム・アンドレアナム・ロイヤルチャンピオン) 2019 カラテア・プリンセプス 2018 ハナヒョウタンボク 2017 オオバナアリアケカズラ 2016 エンコウカエデ 2015 シラカンバ 2014 エノキウツギ(ウオトリギ) 2013 ムクロジ 2012 カラスノゴマ 2011 サンジャクバナナ 2010 オウゴンカシワ 2009 ラクウショウ 2008 キカラスウリ 2007 シロウメモドキ 2006 ツルウメモドキ 2005 キカラスウリ 2004 ハクサイ

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11月22日(水) ドワーフモンキーバナナ

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このまま待てばふつうサイズのバナナになる…のではなく、ここまでです。色づいたら収穫し追熟させると、ごく当たり前のバナナ味がするのだそうです。
下の房はそうして食べられたのでしょう。無念、遅かったか。。。
実だけではなく草丈もコンパクトで、指を差し出しつつ見下ろし目線で撮りました。鉢植えだったのにこんな感じなので、露地に下ろしたら膝丈程度でしょう。
極矮性品種として作出された園芸種(サンジャクバナナと近い系統か)で、室内観賞用として需要があるようです。葉っぱだけの鉢植えよりは楽しみがあって、「わかる人向け」の気が利いた贈答品として喜ばれそうに思えます。

過去のきょう 2022 オウゴンカシワ 2021 メガスケパスマ・エリスロクラミス 2020 インドボダイジュ 2019 ベンガルボダイジュ 2018 ハマオモト(ハマユウ) 2017 ツメレンゲ 2016 クイーン・エマ・リリー 2015 ヤブミョウガ 2014 オヤマボクチ 2013 シャコバサボテン 2012 エノキ 2011 アアソウカイ 2010 シマカンギク 2009 ホコリタケ 2008 コダチダリア(キダチダリア、皇帝ダリア) 2007 ギンバイカ 2006 ナギ 2005 カリン 2004 オオモミジ

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11月16日(木) パナマソウ

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ゲゲゲのゲ!です。パナマソウの大きな葉(繁み)の奥に見えたもの、うぉぉ、気持ち悪ぅ~、ちょっと湿り気があって、これ、朱肉の材料ですか??(ちなみに、会社で上司に「朱肉買ってきて」と言われた女子社員が肉屋に行ったら、そこの旦那、冗談キツくて「ごめん、きょう売り切れ」、それでその子、半日彷徨ったそうな)
かつ、肉穂花序は先端が割れるわけで、ちょっと明るみにおいでいただいたこの穂は垂れて下向きになっているわけです。朱肉、重ぉ~い!のでした。
ということは、あのタルホーンは未熟の花序にナイフを入れるのですね。もったいないことをするものです。そして、この種を播けば2mのバオバオがお庭に登場するわけですね。はぁ~、埼玉の露地では無理というのが救いでした。

過去のきょう 2022 アブラギリ 2021 ナンキンハゼ 2020 ツタ(ナツヅタ) 2019 ニッケイ 2018 コスモス(ダブルクリック・スノーパフ) 2017 オオオナモミ 2016 パフィオペディルム・リーミアヌム 2015 ツノゴマ 2014 コダチダリア(キダチダリア、皇帝ダリア) 2013 トウガラシ(ゴシキトウガラシ、ハナトウガラシ) 2012 イロハモミジ 2011 カイノキ 2010 キッコウハグマ 2009 シオデ 2008 ヨシ(アシ) 2007 フユザクラ 2006 コンギク 2005 コンギク 2004 アブチロン

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11月15日(水) ナンバンアカアズキ

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王維と言えば「渭城朝雨浥軽塵」と始まる七言絶句が有名で、友との別れを歌い上げる謹厳な人と思っていたら、あれまあしっかりと相聞歌も詠んでいました。
題してズバリ「相思」、その出だしがこの「紅豆」でした。続けて「この豆をたくさん摘んでおくれ」「紅豆は最も相思の情を導くから」とあって、この歌のおかげでナンバンアカアズキは「相思相愛樹」という無責任な看板を背負ってしまいました。
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もっとも、枯れた莢を背景にピカピカ光る「紅豆」は息を呑む美しさです。かつ、緑の莢もまだまだ元気にぶら下がり、変わらぬ愛を象徴するかのようです。
そして、この豆はサイズ・重量が極めて均質なので、かつては金や宝石の計量に使われた、あるいは薬用とするなどの話があります。ただし、本来のアズキのように食べることはしないようなので、はた衛門的には評価がワンランク下がります。

過去のきょう 2022 ハマベノギク 2021 エスキナンサス・プルケール 2020 フジバカマ 2019 ゴキヅル 2018 アコレード 2017 レザーウッド(キリラ・ラセミフローラ) 2016 カホクザンショウ(カショウ) 2015 キウイフルーツ 2014 コクサギ 2013 コモチクジャクヤシ 2012 オオバナノコギリソウ 2011 ワイルドオーツ(ニセコバンソウ) 2010 ヘビノボラズ 2009 コウカジュ 2008 ルリフタモジ(白) 2007 イヌマキ 2006 サイカチ 2005 ノコンギク 2004 コセンダングサ

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11月12日(日) エダウチスズメノトウガラシ

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足を滑らしたらヌカルミにはまりそうな場所です。そこをこんなかわいい草が通せんぼしてくれていて、抜き足差し足ときどきしゃがみ込み、パシャリです。
葉がアゼナ類を思わせても、ぜんぜん立ち上がらず横に這っています。トキワハゼと似ているかと過去画像を見ても、こちらの匍匐度がずっと上です。
スズメノトウガラシにはこのエダウチとヒロハの2種があり、ヒロハなら葉と花が横広がりです。そのため、消去法でこちらをエダウチスズメノトウガラシとしました。
わからないのはエダウチという冠で、これはたぶん枝打ちで、樹木の無駄枝や枯れ枝を払うことを指します。したがって、この匍匐植物の茎に葉のない箇所があってほしいのに、見つかりません。ホソバ~でよかったのに、困った名前です。
それに比べればスズメノトウガラシは想像がつきやすく、花後にできた実が尖って赤く熟しています。食べて辛ければ笑えたのに、それはありませんでした。

過去のきょう 2022 ヒメヒゴタイ 2021 クラリンドウ 2020 イヌツゲ 2019 ビルマコプシア(コプシア・フルチコサ) 2018 タムラソウ 2017 イワヨモギ 2016 キッコウハグマ 2015 オオアマドコロ 2014 メガルカヤ 2013 ゴクラクチョウカ 2012 バクチノキ 2011 セイヨウニンジンボク 2010 アコニット(セイヨウトリカブト) 2009 ヤブムラサキ 2008 カキ(品種不明)  2007 イチゴノキ 2006 ケンポナシ 2005 ハマギク 2004 アメリカソライロアサガオ

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11月9日(木) カラフトイバラ

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うーん、これでハマナス(注)か?というのが正直な思いです。たった2個(画面丸印)の実を見ただけで生意気な!と叱られそうでも、ちょっとスリムにすぎます。
ただ、実の先端に残る萼はたしかにハマナス風というか、むしろこちらの方がゴツイように見えます。次はこの立派な萼が花びらをしっかり支えている状態に出会えますように、前回(枝と枯れ葉だけ)からは半歩進んだせいで、欲が出ます。
そして、暮れの状態では気づかなかったことが二つあります。一つは葉の鋸歯がとても鋭いこと、もう一つは枝に刺が多いことです。もし花どきに会えたとして、そのとき、興奮のあまりバンドエイドの世話にならないよう、いまから用心です。

<補注> カラフトイバラは別名のヤマハマナスもポピュラーです。

過去のきょう 2022 ムラサキゴテン(ムラサキオオツユクサ) 2021 ディコリサンドラ・ティルシフローラ 2020 マルバアメリカアサガオ 2019 キッコウハグマ 2018 オオムラサキシキブ 2017 ツブラジイ 2016 モミジバフウ 2015 コエビソウ 2014 コウヨウザン 2013 カンレンボク 2012 ソバ 2011 ツメレンゲ 2010 キクニガナ(チコリー) 2009 キクタニギク(アワコガネギク) 2008 ジャコウソウモドキ 2007 シラキ 2006 スズメウリ 2005 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ) 2004 キダチチョウセンアサガオ

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