6月14日(土) ホルトソウ

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ホルトは例のホルトノキと一緒で、ポルトガルから日本に伝来したことを示します。もっとも「キ」の方は源内さんの勘違いという恥ずかしい裏があるのに対し、こちら「ソウ」は室町時代に本当に渡来した記録があって、謂わば真性ホルトです。
あるいはこのタネが続随子(ぞくずいし)という生薬になることも記憶必須事項です。下剤や利尿薬その他いろいろ、また油も有用とモテモテ植物だったようです。
そんなお役立ち度が認められてか、ほかのEuphorbia(トウダイグサ属)を差し置いてE. lathyrisという学名を持っています。lathyrisは古いギリシャ語でEuphorbiaを指していて、つまりはEuphorbiaのなかのEuphorbia、畏れ多い草なのです。

<補注> トウダイグサ属は仲間が多くて、このブログでさえ、収録はこれで30種になります。そのすべてをここに並べてリンクさせるのは面倒…というものぐさで、代表のトウダイグサだけにその処置をしておきます。

過去のきょう 2024 コケモモ 2023 ガリカバラ 2022 シジミバナ 2021 クローバー・ティントワイン 2020 サラガミネキキョウ 2019 オニノヤガラ 2018 ゲンペイシモツケ 2017 ツクバネガシ 2016 ホソバアオキ 2015 ボダイジュ 2014 タツナミソウ 2013 ネズミモチ 2012 ウワバミソウ 2011 ラムズイヤー 2010 ヤマグワ 2009 ジョウリョクヤマボウシ 2008 ムクノキ 2007 ナンテンハギ 2006 ヤエドクダミ 2005 ブナ 2004 ガクアジサイ

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6月13日(金) オニヒョウタンボク

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木の高さや枝張りは、先日掲載のハナヒョウタンボクと同じくらいに感じました。ただ、ハナヒョウタンボクは花の2個セットを見せていたのに対し、こちらはすでに実の2個セットです。同属とは言え、開花・結実タイミングは微妙に違うようです。
その実の付け根に変なヒモがついていて、これは線状の苞だと言います。ハナヒョウタンボクの写真を見直しても萼の付け根にはなにも見えません。じつはどちらも同じパーツがあるのに、ハナヒョウタンボクのそれは早いうちに落ちるらしいのです。
加えて、葉のふくよかフォルムも目立ちます。これでは鬼ではなく阿亀(おかめ)だろうと思ったら、樹皮が荒々しく剥けるのが鬼と呼ばれる由来でした。薄皮(写真左下部の嵌め込み)が剥けると、サルスベリのようにツルツル(同右)になります。

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5月29日(木) キリ

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似たような趣旨の写真を載せたことがあります。それは1本の桐の木についた前年の実と当年の実のツーショットで、折しも天皇ご存命のままのバトンタッチが実現しようとしていた時事話題に2世代の実の姿を被せてみたのでした。
夏の盛りならあの組み合わせでも、今度は暦的に2カ月ほども早めです。ブログ初期のころ、初めて桐の花をマジマジ見て、面白くてググッと迫ってみたものですが、あれよりは今回の方が植物写真として桐の理解に役立つかと自画自賛です。
もっとも、それは説明的で平板なカットという自虐評価と裏腹なわけで、野歩きで山を越えるのは造作なくても、写真道のひと山はなかなかに越え難いものです。

過去のきょう 2024 ショウドシマレンギョウ 2023 ツルアダンとアダン 2022 トウジュロ 2021 フダンソウ(小葉種) 2020 スズメノチャヒキ 2019 オオムギ(二条大麦) 2018 オニシバリ 2017 アワブキ  2016 クロガネモチ  2015 ヘンルーダ(ルー)  2014 ツルマンネングサとメキシコマンネングサ  2013 ベニバナエゴノキ(アカバナエゴノキ)  2012 ナガミヒナゲシ  2011 ヒメシャガ  2010 イザヨイバラ  2009 カキネガラシ  2008 ヤマグルマ  2007 ハナミョウガ  2006 ガクウツギ  2005 ノビル  2004 ナツグミ

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5月26日(月) ルピナス・リリアン

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ルピナスがソラマメを稔らせるとは驚きました・笑。しかも、花穂はまだまだ立派なものもあって、おや、もしかして「見て良し、食べて良し」か?と欲張り爺です。
期待を膨らませ、先に熟していた1個を割ってみました。残念ながら、豆(種)は莢ほどに大きくはなく、そしてかなり扁平でした。むしろ莢の毛深さが目立ちます。
さて、このルピナスの植え込みが見事な花盛りだったのはいつか思い出すと、それはきっちり2カ月前のことでした。葉の元気さもそのころと変わりなくて、ルピナスがこんなに丈夫で、実まで観賞できる(注)ものだなんて、初めて知りました。

<補注> ルピナスの種は高栄養価の食材とされています。一方でアルカロイドを持つ品種も知られていて、素人が勝手に口にするのは慎むのが無難です。

過去のきょう 2024 キヌワタ(リクチメン) 2023 インゲンマメ(つるなしインゲン) 2022 アミメヘイシソウ(サラセニア・レウコフィラ) 2021 ドドナエア 2020 ハクチョウゲ 2019 ナツハゼ 2018 ヒナゲシ(ポピー) 2017 ウワバミソウ  2016 カワラサイコ  2015 ウサギノオ(ラグラス)  2014 シナユリノキ  2013 オヤブジラミ  2012 ヤブデマリ  2011 アカマツ  2010 ギョリュウ  2009 マユミ  2008 イワカガミ  2007 ネメシア  2006 ワジュロ  2005 スイカズラ  2004 キョウチクトウ

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5月22日(木) キンラン

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キンラン4度目の登場にして、かなり学術的というか渋いショットになりました。稀少種、見たもんねーみたいな不得要領の写真に始まり、だいぶ細部に迫ったつもりの2度目掲載、わりと余裕で影絵遊びしてみた3度目が下敷きになっています。
こうやって種ができるのですねえ。一本の花茎に4~5個、花が咲いて種が稔ることがわかりました。自分の算数力に問題がなければ、けっこうな繁殖力があるはずなのに、ことはそう簡単には運んでいないという現実があります。
ただ、少しずつ保全する場所が増え、見かけやすくなった事実もあるわけで、奇特な方々の努力をなにかの形で後押ししたいものと考えたりします。

<補注> ちょっとだけ「植物学の日」にふさわしいテーマにしてみました。

過去のきょう 2024 セイタカナミキソウ 2023 ヒメイカリソウ 2022 カンパニュラ・ピンクオクトパス 2021 ソヨゴ 2020 ムラサキハクチョウゲ 2019 ガクウラジロヨウラク 2018 ミカワバイケイソウ 2017 サクラマンテマ(フクロナデシコ、シレネ・ペンデュラ)  2016 ウマノアシガタ  2015 イヌガラシ  2014 バリバリノキ(アオカゴノキ)  2013 ムラサキウンラン(ヒメキンギョソウ、リナリア)  2012 ハチク  2011 サクラバラ  2010 タチバナ  2009 ショウブ  2008 クヌギ  2007 ノースポールギク(クリサンセマム・パルドサム)  2006 ニオイシュロラン  2005 ニオイバンマツリ  2004 ユスラウメ

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5月16日(金) コエンドロ(コリアンダー、パクチー)

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パクチーがコリアンダーに変身しつつあり、しかしてその実態はコエンドロ:::という名前遊びはどうにもドツボで、ニガウリでも何回か楽しみました。
ただ、ニガウリの呼び名バリエーションは生長段階とは関係が薄かったのに対し、コエンドロの場合は時期と呼び名の変わり具合はかなりつながります。株が若くて、葉が丸みを帯びているときは食味が良く香りが強くて、ガチにパクチーでした。そしてその株が分蘖して高くのび、白い花が霞むように咲き、稔り出しました。この種が熟したら、今度は調味料となり、呼び名もコリアンダーがふさわしくなります。
パクチーだったときはその収穫物の行き先が限られていたのに、コリアンダーとなると案外に引き合いがあります。一生嫌われ者(あくまで当家周辺での評価です)で終わらずに良かったね…と頬を緩めながら、まだ青い実を撮影しました。

過去のきょう 2024 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)・パールピンク 2023 シロイヌナズナ 2022 ニゲラ(クロタネソウ) 2021 ブルーベリー 2020 アオギリ 2019 ドロノキ 2018 コンロンソウ 2017 口紅シラン  2016 オオバウマノスズクサ  2015 キツネアザミ  2014 コハウチワカエデ  2013 コヒロハハナヤスリ  2012 カマツカ  2011 カジノキ  2010 ハクウンボク  2009 ジャケツイバラ  2008 コトネアスター  2007 ヒメヒオウギ  2006 カンボク  2005 ホオノキ  2004 ホオノキ

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5月14日(水) パイナップル

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あーらまあらま…で、娘1号に負けました。食べたパイナップルを植えておくとまたパイナップルができるという無限法則にチェレンジした父は丸3年でギブアップした(室内では葉の刺が危険すぎた)のに、娘は4年で歓びのときを迎えました。
ふーん、こんな風にてっぺんから塊が出てくるわけでした。このギザギザ頭をお迎えするために、彼女はなんと王林1個を犠牲(エチレン処理)にしたのです。ケチ爺が「もったいない」と呻いたら、「温室の入場料っていくら」ときました。勝てません。
さてこれからの話、この塊から薄紫の花が順々に咲くのは知っています。もちろん、実が可食サイズまで育った様子は最初に掲載しているし、この1月には西表島のパイナップル畑も収録しました。パイナップルの一生を概ねなぞり終わったその締め写真が娘の撮影というのは涙でも、世のなか、そんな構図が平穏ではありそうです。

過去のきょう 2024 ユキモチソウ 2023 サルビア・グレッギーとサルビア・ミクロフィラ 2022 ユリズイセン(アルストロメリア) 2021 アコウ 2020 ヤマモモ 2019 イチョウ 2018 野沢菜 2017 メキャベツ  2016 トウダイグサ  2015 ベニバナダイコンソウ(ゲウム)  2014 ベニウツギとタニウツギ  2013 シライトソウ  2012 アメリカアサガラ  2011 アオハダ  2010 コンニャク  2009 ギシギシ  2008 オオカメノキ  2007 ヤセウツボ  2006 タラヨウ  2005 ゼニアオイ  2004 エゴノキ

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番外編 : アピオス(アメリカホド、アメリカホドイモ)

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いやあ、アピオスさん、ごめんなさいでした。こんなに旨いものだとは…。しかも、食べた翌朝の元気度がはっきりわかります。5歳くらい若返った気がします。
ただし、下手な食レポはやめておきます。言葉は誤解の元です。写真左が販売されている商品状態(500g)、右はレンチンしてお塩パラパラという簡単調理後です。ほかにもいろいろ調理法はあっても、チンだけでおいしいのだから優れものです。
問題は産地が青森とか遠くて、埼玉辺では入手しにくいこと。ならば自分で育てようかと種芋を注文してみました。うまく収穫できたらお慰みです。

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3月19日(水) リキュウバイ

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きのうのヒメシャラと比べ、季節への反応が木ごとにずいぶんと違うことをしみじみ反芻している図です。ボンヤリ見ると似て見える実も、リキュウバイは紙鉄砲モドキのつくりを残したままで、まったくカラッポだったヒメシャラとはまるで別です。
もちろん、こちらは展開し始めた若葉の柔らかさがうれしいし、それに包まれていた総状の花穂が立ち上がってきたことに心が弾みます。いかにも春です。
そう言えば、リキュウバイにはその呼び方でオロオロさせられたり、そもそもこの特徴的な実の正体が知れるまでなかなかの年月を要したりしたものでした。わりと見かけやすい木なのに、それを見てもなにかむず痒いビミョーな木です。

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3月18日(火) ヒメシャラ

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別にヒメシャラを実生で育てたいとは思わないのに、空になった実を見かけて落胆するのだから欲張りなヤツです。いえ、どんな種が入っていたか気になるのです。
ほぉ、わりと豊満な三日月形で、ひとつの莢(殻)に5~6個が入っていたのでした。ネットにはこの種がずいぶんと出品されていて、需要があるのでしょう。
初夏に結実し、秋遅くには殻が割れて種がこぼれると言います。それが春には芽吹く段取りで、カラになった実を眺めて残念がるよりは下の地面に芽吹きがないか捜すべきなのでした。もっとも、小さな芽でヒメシャラとわかる眼力は必要です。

<ヒメシャラ掲載記事・暦日順> ☆ 黄葉(2015年1月3日) ☆ 葉を落とした木立、赤銅色の樹皮(2012年2月22日) ☆ 花、蕾、葉(2005年6月7日) ☆ 上向きに咲く花、蕾、葉(2012年6月23日

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