1月26日（日） ジョオウヤシ（ギリバヤシ）

＜八重山記44＞ 暮れの27日からちょうど1カ月続いたこの「八重山記」もようやく終わりです。長々としつこかったものの、「追録編」という無理っくりの号外まで作ったおかげで、収録草木のほとんどを単独記事にすることができました。
じつは知床と那覇のとき、載せきれなくなったものを一括記事にまとめておいたら、あとでそのうちの一つにリンクさせるとき、とても不便だったのです。いまごろ気づいたかと自虐の思いを抱きながらも、ちっとは賢くなったようで、歳はとるものです。

さて本題はジョオウヤシです。親王さまから女王さまと並ぶ（かつて大王も掲載）と、まるで皇室アルバムです。しかし、今度の女王さまは英名・Queen palmの直訳だし、親王さまはどうやら中国由来だったし、瑞穂の国の皇室とは違う話です。
そして少しだけ居住まいの悪い思いをしています。タイトルはジョオウヤシを先に持ってきたものの、標準和名はギリバヤシなのです。ところがこの「ギリバ」の意味を名言した資料が見つからなくて、苦労したあげく、このヤシをポルトガル語でJeriváということを知りました。同国船が種子島に漂着して以来のお付き合いですから、天麩羅や金平糖と一緒にこのヤシもギリバとして持ち込まれたかと愚考しています。
長きに亘った八重山記をこんな国際的な話題で終えるとは、いかにも海洋交易の地に遊んだ甲斐があったというものです。さあ、次はどこを旅しましょうか。

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