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1月23日(木) マニラヤシ

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<八重山記39> 見かけた最初はヤエヤマヤシの葉鞘が若いために緑色なのだと思っていました。ただ、オッサンのお腹のように下部が弛んでいるし、葉柄が図々しく太いし、立ち方がだらしないし、なんじゃろかい?と思い始めました。
聞けばマニラヤシとのことで、沖縄には観葉植物として持ち込まれたのだそうです。この八重山記も、きのうに引き続き、出し物がだいぶ苦しくなりました。
もっとも、花穂が豪快に垂れ下がり、その後たくさんついた実が緑から真っ赤に変化していくようで、それもぜひ見たい気がしてくるのが困りものです。

過去のきょう 2024 ゴエッペルチア・ニューメダリオン 2023 インドナガコショウ 2022 無花粉スギ 2021 シンニンギア・カージナリス 2020 ザイフリボク 2019 エスキナンサス・マルモラツス 2018 ツルアジサイ 2017 セキショウ 2016 ハートカズラ 2015 ユリノキ(ほか2種) 2014 ラッパスイセン 2013 アカハナワラビ 2012 シロヤマブキ  2011 シマオオタニワタリ 2010 セイロンマンリョウ 2009 ケヤキ・むさしの1号 2008 ニワトコ 2007 マンサク 2006 モミジバフウ 2005 ハボタン

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追録編 : ミフクラギ(オキナワキョウチクトウ)

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<八重山記38> ミフクラギをようやく独立の形で登場させることができました。過去2回は、まず那覇総集編でその他一同扱い、次が同属のビルマコプシアとの比較で登場させてしまい、嫌いではないのに邪険な待遇を強いていました。
…というわりに今回も「追録編」ですけれど、なにせ青い実なのが残念でした。これがもし真っ赤に熟していたら、今度こそ正編にしてあげましょう。サイズ・形はだいたいこのままで色づくようで、ただしお口には絶対入れられません。
ミフクラギとは「実が膨らむ」のかと思うと「眼が膨らむ=腫れる」で、オキワナキョウチクトウ(別名)はふつうのキョウチクトウよりもさらに危ない木なのでした。
そしてもう一点、確認事項です。花かと思える白い5弁は萼です。2回目登場の写真でも似た状態(6月撮影)が見えて、あちらは本来の花も開いています。

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1月22日(水) ハイビスカス・フラムルージュ

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<八重山記37> カラーリーフのハイビスカス(園芸種)です。ネットでも流通しているので、特に八重山記として取り上げるべきとも思いませんが、X’masどき(の撮影)に露地でこうして開花していて、志木との平均気温15度差を実感しました。
品種名フラムルージュ(Flamme Rouge)は「赤い炎」で、これはもちろん花色ではなくて葉に華やかに入った斑のことでしょう。葉身だけでなく葉柄まで赤く染まっているので、たしかに燃え上がっているように派手な見映えです。
もっとも、撮影したものは大きな株だったので少し目立ち過ぎでした。花も小ぶりだし、もし自分で育てるなら小さめに作り、アクセントにしたい感じです。

過去のきょう 2024 シマシラキ 2023 チョウマメ(クリトリア) 2022 チランジア・ヒューストン 2021 セッコウボク 2020 サラシナショウマ 2019 ヤハズヤシ 2018 ハイゴケ 2017 クサトベラ 2016 キンヨウボク 2015 ヘラオオバコ 2014 カジイチゴ 2013 マテバシイ 2012 フモトシダ  2011 オヒルギ 2010 イクソラ・コッキネア 2009 ヒメリュウキンカ 2008 チョウセンゴミシ 2007 シュロチク 2006 サンシュユ 2005 イヌビワ

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番外編 : 12インチタブレット

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けっこう頑張ってくれるなぁと思っていたら、ALLDOCUBE iPlay20(右側)、ちょっとバッテリーが疲れてきました。残量60%あたりからストンと一桁に落ちてしまうので、油断するとシャットダウンの憂き目に遭います。充電も心なしノロくなりました。
先月中旬、購入時の記事に「(まだ)バッテリー持ちもいい具合」と書いたばかりだったので、こういう劣化は急に訪れるもののようです。初代タブは2年半で買い換えたのと比べると、ALLDOCUBEは4年1カ月持ちましたから御の字でしょう。
すっかり中華製に慣れてしまい、今度はTECLASTという会社です。というより、12インチ画面が欲しくて、それで該当機を比較していたら、このメーカーのT60 Plusという機種が自分の要望に比較的応えてくれていたのです。
スペックからは画面解像度がやや心配(画面差のわりに画素数増加が不足::iPlay20=1,920×1,200、T60 Plus=2,000×1,200)だったのに、現物画面のきれいさを見て、性能とは数字だけではないことを実感しました。
あと、iPlay20の音の酷さは実感していて、T60 Plusのレビュー内容にもそんな気配があったので心配でした。もちろん低価格帯機種で贅沢を言えないのは承知で、一か八かの発注をしたら、結果は吉でした。まあまあふつうに聞ける音です。
セッティングをチャチャッと済ませ、メインユーザーである奥様に手渡したが最後、もう戻ってきません。出資は折半だっただろ!とブータレても聞いていただけないのは承知の助なので、部屋に籠もってこの記録を上げておくことにしました。

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追録編 : ハスノハギリ

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<八重山記36> かつて大温室でジトッと撮影しています。木の状態も良かったし、葉にも手が届いて、特に追録することもないかとためらいました。
ところが全体写真を比べると、うへへ、スケールが違いました。森のなかでほかの木に紛れるとそれほどは感じなかったのに、太枝の数と奔放さが桁違いです。
もっとも、前の記事に書き留めた「薄茶色の花と鬼太郎パパのような実」は影も形もなくて、それはまた温室のお世話にならなければいけません。

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1月21日(火) シンノウヤシ

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<八重山記35> だいたいがウォォと見上げるのがヤシ類の相場だと思っていたら、こんな風にコンパクトなヤツもいました。最大4mほどにはなるらしくても、今回見たのは見下ろしではなくてもタメ目線で、ただし幹はかなり古びて年季が入っていました。
名前のシンノウには親王または神農をあてるケースがあって、ただ漢名に羅比親王海棗または羅比親王椰子とあり、どうやらこのサイズを「王子様」と見たようです。なお、羅比はこのヤシの発見者・ロベレン氏に因み、種小名にも採られています。
ナツメヤシと同属で、黒く熟した実は同じようにおいしいらしいのに、今回の木には実の痕跡さえなくて、雌雄異株なので雄株にあたってしまったのかもしれません。

過去のきょう 2024 カレクス・エベレスト 2023 ミヤマトベラ 2022 シナユリノキ 2021 カニクサ 2020 カロケファルス・プラチーナ(クッションブッシュ) 2019 アザミゲシ 2018 イチジク(ほか2種) 2017 ビカクシダ 2016 オキザリス・レグネリー 2015 ハゼノキ 2014 シュンラン 2013 房咲き水仙・ペーパーホワイト 2012 フィクス・プミラ(オオイタビ)  2011 ジュズサンゴ 2010 クマシデ 2009 ワビスケ(太郎冠者) 2008 トベラ 2007 マルバインドゴムノキ 2006 ガマズミ 2005 コウヤボウキ

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1月20日(月) イボタクサギ

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<八重山記34> イボタ+クサギ…どうにも手抜きです。葉がイボタノキに似ると解説されても、こんなありきたりな葉っぱ型の葉、イボタに限らないと思うのです。
そしてクサギは花がそれっぽいと言うのでしょう。否定はしないし、自分も正体不明状態でこれを撮影したとき、そこら(Clerodendrum)から調べればよかろうと高をくくっていたのです。ところが世のなかはそう簡単に問屋が卸してくれません。
ははぁ、Volkameria(ヴォルカメリア属)ですか。異名としてはClerodendrumもあげられているので、おそらくそこから分類変更されたものでしょう。
手持ちのクサギ仲間の写真と今回のものを見比べても、分派されなければならない決定要素などわかるはずもなく、さらに沖縄各地では、ガシャンギ、クラギ、サニー、ハバシンニャ、ハバニャ、パマイシゥギ、ペーブー、マンカオギ(50音順)などと呼ばれていると学んでも、どれ一つ意味不明で、もぉイボタクサギで結構です。

過去のきょう 2024 ロウソクノキ 2023 ジャワ・ジンジャー(ヘディキウム・ホースフィールディー) 2022 コダカラベンケイ 2021 オタフクナンテン 2020 ネオレゲリア・ピンクセンセーション 2019 ピンポンノキ 2018 ガーデンハックルベリー 2017 トレベシア・パルマタ 2016 ウナズキヒメフヨウ 2015 ヤマアイ 2014 キンカン 2013 ヤマハンノキ 2012 木立性ベゴニア・オレンジルブラ  2011 カラテア・クロタリフェラ 2010 チンカピン 2009 ムベ 2008 シモバシラ 2007 バコパ・コピア・ガリバーライラック 2006 カンツバキ 2005 チョウセンレンギョウ

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追録編 : オウギバショウ(タビビトノキ)

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<八重山記33> 海岸近くではアダンが大きな顔をしていたのに対し、少し内陸部ではオウギバショウがやたらと幅を利かせていました。マダガスカル原産で東南アジアや中米に勢力を張るというのに、八重山もそこに加わる気でしょうか。
ただし、勝手に増殖しているのではなく、敷地境界に何本も並んでいることが多いことからして、塀に利用されているようです。ブロック塀よりはずっと高さが稼げるし、もし烈風に倒れたとして、人工物よりも被害はずっと軽微で済むのでしょう。
オウギバショウの葉は向きが東西にそろうというのは俗説とされてはいても、八重山で見た限りはこうしてうまい具合に並んでいました。微妙なズレはさておき、見た範囲では概ね同じ向きで衝立効果を出していて、俗説とは断じきれない気がします。

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1月19日(日) センネンボク

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<八重山記32> 背丈超えでバオバオしてくれていて、あぁ、南の島です。
千年生き続けるかどうかは保証の限りではなくても、センネンボク属(Cordyline)は多肉質の地下茎で殖えるので、ずーっとそこにある感じはするのでしょう。一方でシマセンネンボクという紛らわしい和名を持つ「幸福の木」はドラセナ属(Dracaena)で、この属は根茎を持ちません。似たような風体でも「根」底のところが違います。
話を戻せば、Cordylineの仲間としてはニオイシュロランが近く、センネンボクランというややこしい別名を持ちます。あるいは園芸種であるアイチアカはセンネンボクの直系と考えていいようで、その花を見たことがあったのはラッキーでした。

過去のきょう 2024 ゴエッペルチア・コンシンナ 2023 マルバプルメリア(プルメリア) 2022 セイヨウハシバミ 2021 コガマ 2020 シンジュノキ(ハッピーベリー) 2019 ヤッコカズラ(フィロデンドロン・ペダツム) 2018 コウヤボウキ 2017 セロジネ・クリスタータ 2016 ショウジョウアナナス 2015 乙女サザンカ 2014 ホオズキ 2013 球根ベゴニア(ハンギングタイプ) 2012 シロミナンテン 2011 レッド・ジンジャー 2010 セイヨウヒイラギ 2009 シホウチク 2008 カリン 2007 チョウセンマキ 2006 ニホンスイセン 2005 オケラ

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追録編 : アダン(とタコノキ)

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<八重山記31> 海岸やら、川の汽水域やら、島はずいぶんアダンだらけでした。かつて奄美で見たときは「あ、アダン」だったのに対し、八重山では「ぜぇ~んぶアダンだぁ」と投げやりになります。いや、ワタシよりアダンの方が投げやりなのです。
というのは、同属(Pandanus)のタコノキと比べて思うことで、支柱根ガッチリ、幹まっすぐで謹厳実直なタコノキと比べると、すべてグネグネ・ダラダラです。海辺が好きなのはいいとして、ほぼ草本状態から漂流木風まで、態様が不定です。
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実の一塊はタコノキより小型です。熟すとこれがポロポロ落ちて子供のおやつになると聞いたのに、残念ながらその体験には向かない季節でした。右に貼ったのは海岸で拾った葉です。先日載せたような食材にするのはこんな部分かもしれません。
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そして、つい比較してしまったタコノキもまとめておきます。冗談としか思えない真面目さの根と幹、粒が平たく大きな実がわかります。ついでに葉の縁にある刺はアダンよりずっとおとなしめ(低くて弱い)で、なんだかとても「いい人」でした。

<補注> 海の近くではアダンが王者でも、人の匂いが増す場所ではオウギバショウが君臨していました。

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追録編 : クワズイモ

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<八重山記30> クワズイモのデカさというのは、かつての記事で地際から思い切り煽って撮った写真で表現できていると自惚れていました。
だがしかし、あれでは葉表の表情が見えないし、苦しい姿勢に耐えた分、大きな葉だったと思い込んでいるだけで、実寸がわからないではありませんか。
ということで西表でリベンジです。これなら葉表はシボの有無の差があったり色合いが微妙に違うことがわかるし、後方には根方も見えています。
ついでに助手1号が腕で寸法を示してくれました。アッと言う間もなく葉っぱをつまんだので、おほ、これで皮膚炎の危険を確認できるぞとほくそ笑んでいたのに、いつまで経っても平気です。丈夫な連れ合いは便利だったり不便だったりします。

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1月18日(土) キンチョウ(カランコエ・デラゴエンシス)

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<八重山記29> 八重山は石垣島に限らず石垣が多くて(笑)、その石垣の上にこんな「変なもの」が生えている確率もまたわりと高いのでした。
和名がキンチョウだそうで、どうしたって蚊取り線香を思い浮かべます。漢字なら錦蝶とあてるので頷けるとして、音の紛らわしさは考えなかったのでしょうか。
カランコエの仲間(同属)で、マダガスカルの産です。ガチの外来種ではありながら、いまや沖縄県全体でごくふつうに路傍で見られるようになりました。
花かと思って葉先の異物に懸命に迫ってみたものの、これは葉芽でした。参考ページではオレンジ色の花が豪華に咲き誇る様子を見ることができます。

過去のきょう 2024 クレロデンドルム・スプレンデンス 2023 ムコジママンネングサ 2022 リプサリス・ピロカルパ 2021 マンゴー 2020 ミチタネツケバナ 2019 アオギリ 2018 コウヤワラビ 2017 アカリファ・ウィルケシアナ 2016 フサフジウツギ(ブッドレア) 2015 ホウレンソウ 2014 ハイカンツバキ 2013 ハンノキ 2012 サンジャクバナナ  2011 コバノナンヨウスギ 2010 キジョラン 2009 シロバナヤブツバキ 2008 サザンカ 2007 カクテル(つるバラ) 2006 ホトケノザ 2005 キソケイ

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追録編 : ヤエヤマアオキ

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<八重山記28> 竹富島の大きなお宅の庭木です。かつて温室で撮影したときは立ち位置が不自由で見上げるしかなかったのに、広いお庭はアングル自在でした。
そして、幸運にも花が咲いています。蕾も少なからずついています。さらに、結実してすぐの房(画面右下)があり、それが肥大し、緑からクリーム色を経て、表皮が白くなる(完熟)というプロセスを一度に理解することができました。
どうやら開花・結実は周年不定期に連続するようで、農作物としては効率がいいことでしょう。ノニがもてはやされたのは、作る側の事情もあった気がします。

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追録編 : ギンゴウカン(ギンネム)

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<八重山記27> 西表島でイヤというほど見た木です。現地ではギンネムで通っていましたが、標準和名はギンゴウカン、白くてかわいい花をつけます。
ただし、西表島でかわいいなどと言うのは自重するのが賢明です。戦争で焦土と化した島に、米軍が空から大量にこの木の種をばらまいたのだそうです。
道理でイヤというほど生えているし、減らそうとしても丈夫すぎてむずかしいと現地の人は嘆きます。この木が悪いわけではないのに不幸なことです。

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1月17日(金) ハブカズラとオウゴンカズラ(ポトス)

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<八重山記26> 写真のポイントは最上部にかろうじて写り込んでいた切れ込みのない葉です。帰宅後の学習で、若いうちは葉が裂けないことを知りました。
葉が切れ込むサトイモ科植物と言えば、まずモンステラ、やや渋いところでマドカズラを思い浮かべます。もっとも二つともハブカズラ(注1)とは属違いです。
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属の話をすれば、同属にはポトス(オウゴンカズラ)があって(注2)、たしかに八重山では巨大サイズに生長し、大きなヤシの木に這い上り放題でした。
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もっとも、地上を這うとき(左)はごく家庭園芸サイズです。しかし、それが登攀体制に入るやいなや、長さ50cm、幅30cm(右)の異様な寸法になるから見事です。

<補注1> ハブカズラはEpipremnumであり、モンステラとマドカズラはどちらもMonsteraです。なお、ハブカズラという和名は蔓が木に巻き付く様子がハブに似るからと言われています。
<補注2> 25年現在、ポトスもEpipremnumとされてはいますが、異説もある(あった)し今後の属移動もありそうです。

過去のきょう 2024 レウイシア・コチレドン・エリーゼ・ルビーレッド 2023 チーク(チークノキ) 2022 ヤクタネゴヨウ 2021 スノードロップ 2020 サガリバナ 2019 タイワンツバキ 2018 ナニワイバラ 2017 メハジキ 2016 アロエ・ベラ 2015 センダン 2014 ノシラン(白実タイプ) 2013 ネコヤナギ 2012 ヒメユズリハ  2011 ハイビスカス(ブッソウゲ) 2010 ナンテン 2009 トウゴマ 2008 チゴカンチク 2007 フクジュソウ 2006 ヒメキンセンカ 2005 カラタチ

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追録編 : タイワンレンギョウ(デュランタ)

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<八重山記25> あららぁ、花と実が一緒ですか。季節を分けてまず秋に開花状態を撮り、かなりの年数を経た春に実を載せた苦労はなんだったのでしょう。
しかも、実が各色取りそろっています。緑・オレンジだけでなくその中間もあるし、なんと枯れたもの(画面右上隅)まで、至れり尽くせりです。
もちろん花がごくスタンダードだったのもうれしいことでした。15年前収蔵の濃い紫+白い覆輪の花は、いま調べると園芸種のタカラヅカ(宝塚)だったとわかります。

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1月16日(木) モンパノキ

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<八重山記24> 海辺でよく見かけた木です。3mほどまで大きいもののあって、しかし葉が柔らかくてふんわりしているので、圧迫感がありません。
かなりの数を見たというのに、花や実を見つけられませんでした。資料写真だと、夏に白いサンゴのような花が咲き、それが海ぶどうのような実になるようです。八重山に限らず、奄美以南に分布するというので、またの機会を待ちましょう。
モンパという不思議な音は日本語らしくて紋羽とあてます。葉が紋羽二重のように柔らかいことを指していて、八重山の植物にしては都風な呼び名です。

<補注> 分類的にはムラサキ科キダチルリソウ属であり、同属(Heliotropium)種としてはスナビキソウキダチルリソウ(ヘリオトロープ)を収録しています。

過去のきょう 2024 タチバナアデク(ピタンガ) 2023 スパティフィラム・センセーション 2022 シロガネヨシ(パンパスグラス) 2021 クスノキ 2020 ゴエッペルチア・クロカタ 2019 ネリネ・ウンドゥラタ(ヒメヒガンバナ) 2018 ナガバハグマ 2017 シナマンサク 2016 ブーゲンビリア 2015 プリムラ・マラコイデス 2014 ラッキョウヤダケ 2013 ウメモドキないしセイヨウウメモドキ(ウィンターベリー) 2012 キカラスウリ  2011 コチョウラン 2010 アッサムニオイザクラ(ルクリア) 2009 トボシガラ 2008 トウカエデ 2007 ユキワリソウ 2006 ウメ 2005 スズカケノキ

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追録編 : サガリバナ

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<八重山記23> サガリバナの実を初めて見ました。1本の蔓に花が次々咲くので、当然ながら実も次から次と稔ります。実のなかはほぼ種(胚乳)です。それは食べられるのだそうで、これはなかなか効率の良い「食品」ではありませんか。
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そして、長~く突き出た雌シベに花粉を提供するのは蝶の役目のようです。オオゴマダラのカップルが、ずいぶんとネッチリと親密にじゃれついていました。

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追録編 : ホウオウボク

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苦し紛れに「追録編」としました。八重山で撮影した植物が多すぎて、松が明けても納まりがつきません。そこで、真っさらの新規収録でないものはかつて取り上げている記事の追録という扱いでどんどん押し込むことにしました。
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<八重山記22> まずはホウオウボク(リンク先3枚目・4枚目写真)です。雨模様の空を見上げたらドデカイ実(莢)がブラブラブラ…。これは那覇で花の時期に早くもブラ下がっていた完熟版を見ました。あ、今度はまだ緑の莢もあります。
そして足下には完熟版がドカドカドカ…。当然ながら割ろうとします。割れません。石を拾ってきて、わずかな隙間に差し込んでグリグリグリ…。
30cmもある莢をバリッと開くと、種は拍子抜けするサイズでもその収納スペースがものすごく律儀な作りでした。豪快な木のくせに几帳面な人のようです。

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1月15日(水) クサミズキ

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<八重山記21> ずいぶんとワッサワサした木だなという第一印象でした。大きめで葉脈がクッキリ目立つ長楕円形の葉が互い違いで密に並びます。
葉・花・実、どれもがミズキを思わせはしても、それぞれなんとなく違います。名前だけはミズキを名乗っていたものの、そこに「クサ」が載っかって、当然ながらそれは「草」ではなくて、「臭」の方です。葉も花も、いつもながらの鈍感さんは感じなくて、中国名に臭味假柴龍樹というのがあるので、それを踏襲しただけだろうと断じます。
石垣から南西に向かってスリランカあたりまで、広く分布する木でも、所属するクロタキカズラ科そのものが日本には3種しか存在せず、ここにはこれが初収録です。残りの2種のクロタキカズラとワダツミノキ、どうにかして出会いたいものです。

過去のきょう 2024 ゴエッペルチア・オルナタ・リネアタ 2023 インドシタン 2022 ツルコウジ 2021 ダンギク 2020 キャッサバ 2019 ミルトニア・バートフィールド・ドロレス 2018 ウグイスカグラ 2017 ウツボカズラ(ネペンテス) 2016 クイーン・エマ・リリー 2015 セイオウボ(西王母) 2014 アシタバ 2013 スズメノエンドウ 2012 アメリカヒイラギモチ 2011 アンスリウム(ラベンダー・レディー) 2010 カミガヤツリ(パピルス) 2009 メキシコラクウショウ 2008 ウメ(八重寒紅) 2007 ホウキイヌツゲ 2006 ブラキカム・マウブディライト 2005 カリフラワー

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1月14日(火) テリハクサトベラ

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<八重山記20> 画面の奥にはアダンがあって、生息域とか木の高さとかが近いことがわかります。若く(枝が緑色)てこれですから、成木は3mクラスでしょう。
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もっとも、まだ若くても花を咲かせ実を結びます。その花も実も、テリハではないふつうのクサトベラとほぼ同じ、学名を見てもクサトベラの品種という扱いです。
そのわずかな違いが葉の表側の艶です。どうかすると「ふつう」の葉も艶々して見えたりしても、その艶の深みというか厚みはやはりテリハの勝ちです。加えて、こちらの葉は先端の尖りがやや目立って、「ふつう」よりもやや鋭い感じがします。

過去のきょう 2024 コトネアスター・コリアケウス 2023 アラゲクジャク 2022 ミズバショウ 2021 シロバナオオベニゴウカン 2020 ヨウラクツツアナナス 2019 コブミカン 2018 タイアザミ 2017 ヒカゲヘゴ 2016 マルハチ 2015 キクイモ 2014 ブーゲンビリア 2013 フッキソウ 2012 ホトトギス  2011 カナリーヤシ(フェニックス) 2010 コクテンギ 2009 ラクウショウ 2008 ニホンスイセン 2007 チチコグサモドキ 2006 ツルウメモドキ 2005 カンツバキ

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1月13日(月) パイナップル

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<八重山記19> 先日のサトウキビと同じく、これは八重山アイテムとして欠かすことができません。パイナップルの初回記事に書き留めたように、パイナップル畑を初めて見たのは半世紀も昔のこと、沖縄本島から85km西の久米島でした。
なにせフィルムカメラの時代、しかも草木趣味には目覚めていなくて、当時の写真を探せずに無念の思いをしていたら、西表でほぼ同じ光景に出くわしました。
まだ実をつけたままの畑もあったものの、その畑は黒くて密な鳥除けネットでしっかり蔽われていて写真になりません。実や花はすでにここに収録済みなので、今回は心置きなくパイナップル畑の雰囲気を思い出せるフレームだけ狙いました。
写真の畑が新しい苗なのか収穫後なのかは不明です。パイナップルの実は1茎に1個しかつかなくて、収穫の翌年に次の実を稔らせます。しかし、徐々に小さくなって商品価値はなくなるようで、これもまたサトウキビに負けず劣らず、商売としてはツライものかと素人ながら感じます。パイナップル、心していただきましょう。

過去のきょう 2024 ディーフェンバキア・セグイネ・リフレクター 2023 ニシキカズラ 2022 フカノキ 2021 ウバユリ 2020 ダイオウヤシ 2019 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2018 タチバナモドキ 2017 オニノゲシとノゲシ 2016 エピスシア・クプレアタ 2015 モクレイシ 2014 モンステラ 2013 ナヨクサフジ 2012 ロウバイ  2011 センダン 2010 ハアザミ(アカンサス) 2009 ハアザミ(アカンサス) 2008 ヒヨドリジョウゴ 2007 ツルウメモドキ 2006 クヌギ 2005 房咲き水仙・ペーパーホワイト

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1月12日(日) ナンヨウスギ

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<八重山記18> ナンヨウスギ科ナンヨウスギ属のナンヨウスギです。14年前、ナンヨウスギだと思ったらそれはコバノナンヨウスギであって悔しい思いをしてから追いかけていました。正統ナンヨウスギにはシマナンヨウスギの別名もある(注)ので、八重山の地で会えたのは必然というか執念の稔りというか、大・大・大満足です。
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…と言いつつ、枝葉に迫るとそれはまるでモップで、姿としてはコバノがまとまっていたかなァと、早くも裏切りの思いがよぎります。ただ、手にとるとそれは案外に整っていてやさしくて、なかなかに深い味わいのあるヤツだと思い直しです。
春には花が咲き、それが人の頭より大きな球果になるそうでも、できるまでに200年もかかると聞いては、「フウゥ~ン」で終わりにしておきましょう。

<補注> シマナンヨウスギという別名はコバノナンヨウスギも共通なので、あえて使わない方が混乱(誤解)は防げます。
なお、八重山の地で会えてうれしがっているのはやや不適切で、本来は南太平洋の島々のもの、まさしく「南洋」杉ではあります。

過去のきょう 2024 マカダミア 2023 シナマオウ 2022 ゴエッペルチア・オルナタ・サンデリアナ 2021 ハナユ 2020 マユハケオモト 2019 クレロデンドルム・スプレンデンス 2018 ヒメガマ 2017 カシワバアジサイ 2016 イブキ(ビャクシン) 2015 イタドリ 2014 ヘンヨウボク(クロトンノキ) 2013 サイカチ 2012 カシワバハグマ  2011 リュウキュウバショウ 2010 ツワブキ 2009 ハリエニシダ 2008 ロウバイ 2007 ドイツトウヒ 2006 センダン 2005 ツクバネガキ(ロウヤガキ)

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1月11日(土) ブラッサイア

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<八重山記17>ジャワの熱帯雨林からオーストラリアの北側沿岸部が原産地だそうで、さすがの八重山でも、これは自然品ではないはずです。
現地ではアンブレラツリーとかオクトパスツリーとか呼ぶそうで、こういう「傘」や「蛸」が15mもの高さに広がっていたら笑うしかないだろうと感じます。
その蛸のアシみたいな部分は花穂です。開花は初夏に始まるそうで、北半球でも同じリズムなら、これは蕾状態なのでしょう。もっとも花と言っても、この蕾からパヤパヤと白いシベがはみ出すくらいらしく、特に執着すべきものにも思えません。
いかにもウコギ科らしい様子には納得できても、属名が難儀です。タイトルとしたブラッサイアは「昔の名前」で、いまはHeptapleurumです。ただしその途中ではScheffleraとされていたこともあり、見かけの愉快さのわりには複雑な経歴です。

過去のきょう 2024 サンセベリア・パテンス 2023 コバノアカテツ 2022 フィクス・ウンベラータ 2021 タマシダ 2020 ポインセチア 2019 タイマツバナ 2018 パボニア・インテルメディア 2017 ベゴニア・エキノセパラ・エロンガティフォリア 2016 オカトラノオ 2015 カナリーヤシ 2014 アングラエクム・セスキペダーレ 2013 ヤブレガサ 2012 ケナシサルトリイバラ(サンキライ)  2011 フユアオイ 2010 ユズリハ 2009 ハリギリ 2008 シマダケ 2007 ゼニゴケ 2006 イブキ(ビャクシン) 2005 カンザクラ

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1月10日(金) ホウライチク

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<八重山記16> 西表島の川岸を鬱蒼と蔽っていた竹です。右側写真の様子が天地逆に思えてもこれが実態で、要はバオバオと繁り、そして垂れていました。
ホウライ(蓬莱)は想像上の仙境であっても、実際は東南アジア・中国南部の熱帯域がこの竹の原産地だと言います。むしろ、このややこしい枝を正月の蓬莱飾り(掛蓬莱)に使ったところからこう呼んだとする考え方もあります。
おっと、つい「ややこしい」などと冷たく扱ったものの、ホウライチクの変種(または園芸種)にはホウオウチクがあります。あの竹については「鳳凰の尾を彷彿とさせる」と持ち上げたもので、その姿を思い浮かべながらホウライチクを見直すと、たしかに細かく束生した葉には美しさの原初形が認められます。
ただ、ホウオウチクとホウライチク、目にも口にもとても意地悪な名前です。もっとも間違えたところで読む人も聞く人も気づかないだろうと横着に構えておきます。

過去のきょう 2024 シマシャリンバイ 2023 アンドログラフィス(センシンレン) 2022 ホザキヒトツバラン(デンドロキルム・フォルモサヌム) 2021 ヘンヨウボク(クロトンノキ) 2020 シュウメイギク 2019 シイクワシャー(ヒラミレモン) 2018 キュウリグサ 2017 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2016 ヒメフヨウ 2015 ハッカクレン 2014 コクテンギ 2013 サネカズラ 2012 バンダ(洋ラン)  2011 ブータンルリマツリ 2010 カゴノキ 2009 チャボタイゲキ 2008 ツバキ(詳細不明) 2007 トウガラシ(ゴシキトウガラシ) 2006 シバザクラ 2005 ダイコン

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1月9日(木) シマニシキソウ

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<八重山記15> モモタマナの紅葉に驚いたのとは対照的に、シマニシキソウは11月末に関東で見た植栽品よりはずっと緑みが勝っていました。しかも、宿の部屋のすぐ外をこうして埋めていて、「よしよし、島に来たのだなぁ」と満足でした。
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ググッと接写した茎葉を見つめると、学名(種小名)がhirta(剛毛)とされていることをしみじみ納得できました。かつ、属としてはEuphorbiaであることも、いかにもそれらしい花と実の姿によって、いまさらながら再確認できます。
おやおや、人差し指の指紋がずいぶんとカサカサだぞ…と慌ててハンドクリームを擦り込んだのはオマケで、ときどき接写チェックが必要だと思い知りました。

過去のきょう 2024 シャコバサボテン 2023 シュンショッコウ(春曙光) 2022 ヤエヤマアオキ 2021 セイヨウフダンソウ(スイスチャード) 2020 ヒヨクヒバ(イトヒバ) 2019 ラシャカキグサ 2018 シロヒモノキ 2017 ホシダ 2016 ヘツカラン 2015 ハマビワ 2014 スノードロップ 2013 リュウノウギク 2012 ハナカイドウ  2011 マメキンカン(キンズ) 2010 カンボタン 2009 カンザクラ 2008 レモン 2007 ネメシア 2006 タマサンゴ 2005 ロウバイ

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1月8日(水) モモタマナ

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<八重山記14> まずは浜辺で拾った謎の物体(↑左)です。砂糖のように砂がまぶされた殻を開けたら平たい種が入っていました。そして、公園で拾ったもの(右)にはまだ緑色が残っていました。誰かに踏まれたのか果肉部分の質がわかります。
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見上げたらモモタマナでした。奔放にのびる枝と大きめの葉しか知らなかったのに、少しだけお付き合いが進展しました。まずはこのラグビーボール型の実が枝にわりとたくさんついていて、うれしくなります。かつ、まだ若いうち(嵌め込み写真)はボートのように翼が張っていて、実の形としてかなり特殊なタイプだと思います。
そして、まさか八重山で紅葉を見るとは思っていなくてビックリです。
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さらに、大きな木は立派な板根を出していました。つまり、本質的には地盤の緩いところに育つことを思わせ、これで冒頭の砂浜で拾った実に話がつながりました。

過去のきょう 2024 トサムラサキ 2023 ズダヤクシュとチアレラ・スプリングシンフォニー 2022 オニキリマル(アロエ) 2021 カヤ 2020 ナギナタコウジュ 2019 シロモジとクロモジ 2018 ヤブレガサ 2017 クチナシ 2016 ウツギ 2015 ゼラニウム(斑入り葉ゼラニウム) 2014 ツルウメモドキ 2013 キンメイチク 2012 ヤマラッキョウ 2011 ハッサク 2010 クログワイ 2009 ウメ(寒紅梅) 2008 オニドコロ 2007 マーガレット 2006 イヌリンゴ 2005 マサキ

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1月7日(火) リュウキュウマツ

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<八重山記13> やれやれ、松の内に松を出せました。かつては元日と言えば松を取り上げていたのに、このごろはそんな律儀さに縁遠くなりました。
ついでに言い訳を並べておくと、草木草木と代わり番こに掲載する自己ルールも、この八重山記で崩壊しました。季節のせいか、どうしても木本が多かったし、たいして意味のない縛りだったので、これを機会に自由の身に戻りましょう。
さてリュウキュウマツです。オキナワマツとも言うし、リュウキュウアカマツともされていて、たしかに幹の色や葉の柔らかさがアカマツ的です。
ただ、どう言えばいいか、全体フニャ~と脱力していて沖縄民謡と相通じています。松と言えば剛直なものと思い込みがちな頭をマッサージしてもらいました。

過去のきょう 2024 ニオイアラセイトウ 2023 アツバクコ 2022 ハシカンボク 2021 ヤクシソウ 2020 コルディリネ・テルミナリス・アイチアカ 2019 デンドロビウム・ユキダルマ・クイーン 2018 ヤマボウシ 2017 タンキリマメ 2016 ベロニカ・グレース 2015 イイギリ 2014 アネモネ 2013 アマチャヅル 2012 サンシュユ  2011 カンレンボク 2010 イオノプシディウム(バイオレットクレス) 2009 ノリウツギ 2008 オオイヌノフグリ 2007 ニンジン 2006 ザボン 2005 ヒメキンセンカ

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1月6日(月) トックリキワタ

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<八重山記12> 晴れ男を自称するはた衛門も、12月の八重山の曇天(が続くことで有名らしい)には苦戦しました。特にこのトックリキワタを見かけるときに限って雲は厚くなり、雨まで落ちてきて、もう涙なくしては語れない思い出です。
まずは民家の軒先にあって屋根より高かった1本です。葉が落ちたあとに咲くというので、前に温室で撮影した株も咲き方は正解だったのでしょう。蕾がこんなにたくさんついていて、かなり長い期間、花見ができそうです。
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そしてこちらは公園での一枚です。葉がついたままです。しかも掌状複葉なのはOKでも、葉先の尖りが弱め(多くの参考写真は鋭形)です。そして蕾はなしです。
うーむむ、トックリキワタ、かなりの自由人です。しかも温室で見たときの課題1=実および中身のワタ、課題2=幹の徳利状態…どちらも見せてくれません。
くやしいのぉと溜息をつきつつ、八重山ではわりとふつうに庭木や街路樹にされていることを知り、いつかまた相まみえることもあろうよと手を振ってきました。

過去のきょう 2024 ルクリア・スイート・ルビー 2023 ショウロウカク 2022 アカバナナ(レッドバナナ、モラードバナナ) 2021 マルバヤナギ(アカメヤナギ) 2020 タイワンハマオモト 2019 サラサドウダン 2018 ゴウダソウ 2017 ツタ(ナツヅタ) 2016 タイミンチク 2015 タンキリマメ 2014 ソシンロウバイ 2013 テイカカズラ 2012 トキワイカリソウ  2011 ガガブタ 2010 シュロガヤツリ 2009 タラヨウ 2008 コナラ 2007 スギゴケ 2006 ノイバラ 2005 ヒヨドリジョウゴ

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1月5日(日) ヒハツモドキ

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<八重山記11> 竹富島観光の定番である古風な家並みも、その保存はものいりなことだし、勝手な建て替えはできないのだそうです。折しも屋根の修復をしていましたが、こんな重い土や瓦を運び上げるのがもし夏だったらと怖気を震います。250105pi_retrofractum1
そんな竹富の石垣がPiper(コショウ属)で蔽われていました。現地ではピパーチと呼ばれ、よそ行きに言えば島こしょう、標準和名ならばヒハツモドキです。
おっと、沖縄の常で発音にはかなりの幅があります。竹富ではピーヤシだし、県内にはピパチ、ピパーツ、ヒバーチ、ヒハチ、フィファチなどの変化型があるそうです。
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さらにおっとで、きのうのヤマヒハツ2種とヒハツつながりです。もっともあの2種のヒハツは名前だけ(分類的にまったく別で、当然ながら胡椒成分なし)だったのに対し、きょうのヒハツはモドキとされながらも胡椒直系です。ロングペッパーと味的には大差ないそうで、八重山そばには必需品、島の味を形成するものだと言います。
香辛料とするには実を天日干しして粉にするし、葉を天ぷらにもします。志木でも栽培できればいいのに、冬の平均気温が15度以上も違っては無理な話です。

過去のきょう 2024 ナルキッスス・カンタブリクス・フォリオスス 2023 ポンポネッラ 2022 グレビレア・ピーチズアンドクリーム 2021 ムシトリスミレ 2020 ヒカゲツツジ 2019 ムチゴケ 2018 ツクシカイドウ 2017 セイヨウフダンソウ(スイスチャード) 2016 オドリコソウとヒメオドリコソウ 2015 ドラセナ・コンシンナ 2014 ハクサイ 2013 ボタンヅル 2012 ヤマコウバシ  2011 カルドン 2010 キチジョウソウ 2009 サザンカ(白八重) 2008 ミミズバイ 2007 オオキバナカタバミ(オキザリス・セルヌア) 2006 ナンキンハゼ 2005 ノイバラ

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番外編 : 八重山の食材たち

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<八重山記10>石垣の宿( 3泊目)の朝食はとても楽しいものでした。まずは「島野菜のサラダ」にトレビス(チコリ)やパクチーと合わさっていたこれです。どこかで見た顔なのに、メニューにはハンダマ(パンダマ)とあって、合点がいきません。
なんと水前寺菜(金時草)のことを沖縄ではこう呼ぶそうで、「春玉」がなまったらしくても、春玉そのものの謂われがわからなくて、とりあえず、ふーーーん。
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次なるメニューはアダンのマリネでございます。へーぇ、アダンの新芽だそうで、シャキシャキして、味はほぼなくて、噛み心地を楽しむ食材のようです。
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そして、ヒモサボテン、と言うと無粋で、この場合はドラゴンフルーツです。赤と白を一緒に味わえた(ん、味、あったか?)のがうれしかったし、スムージーまで堪能です。志木でこれを再現したらずいぶんコスト高だね…とケチ臭いことを考えました。

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1月4日(土) コウトウヤマヒハツとヤマヒハツ

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<八重山記9> 花びらがほぼないショボショボした花が初夏に咲き、その花穂にまとまってついた実は冬にかけて緑から赤を経て黒に変わります。どういう理由で色合いの異なる実が混在するのかは想像できなくても、とても美的です。
和名は後ろ側から理解していきたくて、まずヒハツはインドナガコショウの収録時に学びました。そのヒハツに全体の姿が似るとして名付けられたものがヤマヒハツ(↓)であり、その同属種で紅頭嶼を中心に分布するのがコウトウヤマヒハツ(↑)です。
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さてこの属(Antidesma)は今回の2種が初収録です。どちらも常緑の低木で、雰囲気はよく似ています。八重山の地で一挙に撮影できたのは幸運だったものの、コウトウヤマヒハツにはシマヤマヒハツという別名がある一方で、ヤマヒハツはイリオモテヤマヒハツとかリュウキュウヤマヒハツとも呼ばれています。たぶん三日もすればどれがどれだったか混乱は必定で、こうして書き付けておくしか手がありません。

<補注> この2種が似非(えせ)ヒハツだった(コショウ属ではない)のに対し、あとで取り上げたヒハツモドキは純正のコショウ属です。(2025年1月5日

過去のきょう 2024 ハイビスカス・インスラリス 2023 エケベリア・プルビナタ・フロスティ 2022 タイワンツナソ(モロヘイヤ) 2021 メタセコイア 2020 シンゴニウム・カリフォルニアゴールド 2019 ヒサカキ 2018 ナンバンギセル 2017 ロウバイ 2016 ハクウンボク 2015 ミドリノスズ(グリーンネックレス) 2014 バクチノキ 2013 エゾマツ 2012 オンシジューム(赤)  2011 ヒメコウジ(チェッカーベリー) 2010 ホンコンカポック(シェフレラ) 2009 アカザ(暫定) 2008 ハマアザミ 2007 ユーカリ 2006 ソシンロウバイ 2005 オタフクナンテン

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1月3日(金) フトボナガボソウ

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<八重山記8> 誰が見たってリュウキュウアサギマダラを狙った写真にしか見えません。ふつうのアサギマダラよりは少しばかり小型であっても、色合いがシンプルな分、こちらの浅葱色の方が印象的でした。
ただし、本当の主役は蜜を提供している草本の方です。客演の蝶にお株を奪われるほど花は散漫にしか開いていなくて、どこで見かけてもこんな(↓)でした。
St_jamaicensis_bしかもその花色は茫洋としていて、おまけに名前が粘着質です。太穂+長穂なら太長穂で良さそうなものなのに、ずいぶんと律儀に命名されたものです。
学名の後半でjamaicensis(西インド諸島の)と出自を明らかにしていて、記事のサブタイトルを<八重山記>としているのがややコソバユイ気がします。ただ、そんなことを言ったらどこに線を引くかワケがわからなくなるだけで、今日(こんにち)ただいまの八重山では立派に市民権を得ていそうに見えた太長穂くんです。

過去のきょう 2024 カイトウメン 2023 シバヤナギ 2022 オウゴチョウ(オオゴチョウ) 2021 アスプレニウム・アカキ 2020 ナンヨウザクラ 2019 イソギク 2018 ハマセンダン 2017 シマオオタニワタリ 2016 アブラナ(ハナナ) 2015 ヒメシャラ 2014 カントウタンポポ(暫定) 2013 コウリンタンポポ 2012 オオバヤドリノボタン(メディニラ・マグニフィカ)  2011 チリマツ 2010 ブラジルマツ 2009 カクレミノ 2008 フウセントウワタ 2007 ギョリュウバイ 2006 シロミナンテン 2005 ウメ

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1月2日(木) オオバヒルギ(ヤエヤマヒルギ)

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<八重山記8> 現地では標準和名(オオバヒルギ)など一度も聞くことがなく、誰がどう案内してくれてもヤエヤマヒルギでした。
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と言うより、特に目立って「大葉」とは思えないのです。むしろタコノキよりもさらに横に広がる支柱根が目立ちます。ツッパリヒルギなら納得できたのに残念です。
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もっと残念なのは花も実(胎生種子・追録)もない季節だったことです。砂浜で見つけたこの長~い実が木にぶら下がっていたら、ずいぶんと壮観だったことでしょう。また、シロバナヒルギという別名もあるくらいで、白い花と長い実は次回課題です。

<補注> オオバヒルギ以外にもヒルギ類の見分けを学びました。
<追録> 八重山での2,500枚を超える写真の整理はなかなかの難作業で、本記事掲載から半月もして、胎生種子のでき始めをとらえていたことを発見(!)しました。(記・2025年1月17日)
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過去のきょう 2024 オオシマコバンノキ 2023 カルダモン(ショウズク) 2022 ジュメレア・マヨール 2021 ケヤキ 2020 サンセベリア・グランディス 2019 オカメザサ 2018 スイセンノウ(フランネルソウ) 2017 イボタノキ 2016 ゴンズイ 2015 タイワンホトトギス 2014 ヤブコウジ 2013 ヒュウガミズキ 2012 ミドリサンゴ(アオサンゴ)  2011 ダイオウマツ 2010 ハイマツ 2009 ロドレイア・ヘンリー 2008 ゴクラクチョウカ 2007 キンセンカ 2006 イイギリ 2005 モウソウチク

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付録編 : オヒルギとメヒルギ

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<八重山記7> 関東の温室ではわかりにくかったヒルギ類の見分けが、今回の旅でかなりスッキリ理解できたのはうれしい収穫でした。ドーンと大きいから雄ヒルギ、わりとコンパクトにまとまっているから雌ヒルギ…葉や花の細かい知識は不要でした。
さらに、いくら大温室でもオヒルギの根もとがこれだけの膝根(しっこん)に埋め尽くされているのは見たことがありませんでした。ラクウショウの気根とタメを張る奔放・異端の景色があちこちに広がっていて、移動の苦労はスッキリ解消です。

<補注> オオバヒルギ(ヤエヤマヒルギ)は次の記事です。

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1月1日(水) ナリヤラン

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<八重山記6> 西表島には周回できる道路がなくて、港から反時計回りに車で走っておよそ1時間、白浜という集落がドン詰まり地点です。
その白浜の沖に浮かぶのが内離(うちばなり)島で、ここにかつて存在した成屋集落の名がこの蘭に冠せられました。その名前からわかるように国内の自生は西表・石垣に限るものの、熱帯アジアには広く分布し、バリエーションも豊かなようです。
学名後半のgraminifoliaは「イネっぽい葉」の意で、たしかに、いわゆる蘭とは茎葉の様子が違います。船がなければ訪ねることもできない島でひっそり…という渋さと言うか剛毅さと言うか、なにかヤワではない佇まいに満ちていました。

過去のきょう 2024 ウスゲショウ(セダム・パルメリ) 2023 セイシボク 2022 リュウキュウマメガキ 2021 カサブランカ 2020 ニホンノホマレ(日本の誉) 2019 アニソドンテア・マルバストロイデス 2018 ヒゼンマユミ 2017 シンゴニウム・ホワイトバタフライ 2016 セントウソウ 2015 オオベニゴウカン 2014 ヘクソカズラ 2013 カンアオイ 2012 センジュラン 2011 アカマツ 2010 アカマツ 2009 ヒメコマツ(ゴヨウマツ) 2008 ダイダイ 2007 ハタザクラ 2006 ユズリハ 2005 クロマツ

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