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11月30日(土) シマニシキソウ

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熱帯域で道端や畑地にふつうに跋扈するそうで、埼玉あたりでニシキソウ類がそんな感じなのと同じなのでしょう。日本での分布域は近畿南部以西と言います。
…と、Wikiを引用すると、近畿南部の人には「熱帯じゃないわい!」と叱られるでしょうが、そのうちこの辺でも「ふつう」に見るようになるでしょうから一緒です。
葉のサイズで言うとオオニシキソウの倍くらいはあって、しかも全草毛深いことが特徴でしょう。色も写真のように赤みを帯びていて、そうじゃなくても暑苦しいこのごろの夏にこれを見かけるようになったら堪らんなぁと溜め息が出ます。

<補注> 「本場」での冬の様子を収録しました。(2025年1月9日)

過去のきょう 2023 ブドウホオズキ 2022 プルメリア・プディカ 2021 フクベノキ 2020 紅鏡(イロハモミジ・ベニカガミ) 2019 カラスザンショウ 2018 アシズリノジギク 2017 ネズミノオ 2016 ヤーコン 2015 ゼンマイ 2014 ハナトラノオ(カクトラノオ) 2013 シラン 2012 バラ(緑光) 2011 サンタンカ(イクソラ・シネンシス) 2010 食用菊・料理菊(イエギク) 2009 シロダモ 2008 ヤブムラサキ 2007 キヅタ 2006 ムクノキ 2005 リキュウバイ 2004 ウィンターコスモス

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11月29日(金) キバナクチナシ

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飛行機のプロペラで、このように1枚の羽根が左右非対称のものがあるはずです。しかし7枚羽根というのは不可思議だし、花としても7弁はかなり特異です。
ただ、エアタヒチヌイという航空会社があって、その垂直尾翼には7弁のタヒチクチナシ(未収録)があしらわれています。写真のキバナクチナシもタイ~マレーシアあたりが原産地で、花びらが7枚というのは「かなりレギュラー」のようです。
そして、ふつうのクチナシは6枚が基準なのに、かつて自分が掲載した写真の花は7弁でした。当時、そのことにはまったく気づかなかったことに赤面します。もっとも、一重のクチナシは4~8枚の間で花弁の数が揺れるというし、キバナクチナシでも9枚の参考写真を見ることができます。Gardenia(クチナシ属)は鷹揚なのでしょう。

過去のきょう 2023 タイワンニンジンボク 2022 タバスコペッパー 2021 マツカサジンジャー 2020 エゾヨモギギク 2019 オオバコ 2018 クロウメモドキ 2017 ヒゼンマユミ 2016 ツタ(ナツヅタ) 2015 サワグルミ 2014 シリブカガシ 2013 マテバシイ 2012 アルテルナンテラ(アキランサス、テランセラ) 2011 ヒモサボテン(ドラゴンフルーツ) 2010 オオモミジ(猩々) 2009 センニンソウ 2008 マムシグサ 2007 ヒサカキ 2006 タチバナ 2005 ベニバナボロギク 2004 スイセン

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11月28日(木) アメリカツノクサネム

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見上げた目線はウソではなくて、どう見ても木です。ただしこれ、正真正銘の一年草であって、このように種を撒き散らせばお役御免ではあります。
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もっともまだまだ緑の部分は多いし、若い実だけでなく蕾も控えています。この花蕾、霜枯れしたような色合いではあっても、だいたいがこんな色目です。鮮やかな黄色の蝶形花がきれいに開くのは来夏に期待しておきましょう。
「アメリカ(産の)・ツノ(のような実をつける)・クサネム(の一種)」ですよという名前で、くどくどしいとも言えるし、わかりやすいとも言えて、ビミョーです。
かつての種小名exaltataは「非常に丈の高い」という意味だし、現在の標準herbaceaは「草質の」です。どっちもこのクサネムの理解に役立つので、無理かなとは思いながら、エグザルタタ…、ヘルバケア…と復唱しつつお散歩です。

過去のきょう 2023 マルヤマシュウカイドウ 2022 コバノセンナ 2021 サトウカエデ 2020 ペカン 2019 ミヤギノハギ 2018 ホザキアサガオ(ミナ・ロバータ) 2017 温帯スイレン 2016 ノダケ 2015 イカリソウ 2014 モミジヒトツバ 2013 オオバギボウシ 2012 ナンテン 2011 バンレイシ 2010 サザンカ 2009 マユハケオモト 2008 キミノオンコ 2007 ウンリュウヤナギ 2006 シロミタチバナ 2005 ニホンスイセン 2004 クコ

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11月27日(水) サキシマスオウノキ

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熱帯アジアから熱帯アフリカまで広い地域に分布する木で、日本では先島諸島で見られます。蘇芳の名は樹皮から紅色の染料を得ることによります。
板のような根(板根=ばんこん)が特徴なのに、まだ若い木のためにその奇異な姿を見ることはできませんでした。また、花期だったのを喜んだら、これが稔ってできる実の形がウルトラマンの頭を思わせるのだそうで、どうにもハズシまくりです。
板根はマングローブの軟弱な地盤で自分の大きな図体を支えるためにあるそうで、どうせなら八重山の島(注)でカヌーの上から眺めたいものです。

<補注> 翌月、西表島で板根を確認できました。(2024年12月29日

過去のきょう 2023 ムッサエンダ・フィリピカ・ドナアウロラ 2022 ハナイソギク 2021 ディッキア 2020 丁字咲き・丁字菊(イエギク) 2019 ベゴニア・プセウドルベルシー 2018 ハマヒサカキ 2017 ネズミサシ 2016 フウリンブッソウゲ 2015 コウジ 2014 ハマビワ 2013 メギ 2012 アマチャヅル 2011 サクララン 2010 アオハダ 2009 カミヤツデ 2008 アカネ 2007 オキザリス・バーシカラー 2006 シャクチリソバ 2005 コブクザクラ 2004 イネ

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11月26日(火) ドロセラ・ハミルトニー

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同じモウセンゴケ属(Drosera)のアデラエが剣葉(つるぎば)毛氈苔という鯔背な和名を持つのに、こちらハミルトニーはそこまで日本で親しまれていないようで、学名のままドロセラ・ハミルトニーとか、あるいはハミルトニー毛氈苔とか呼ばれます。
そのハミルトニーはどうやら人名に因むようでも、どこのどなたさんか不明らしく、英語圏でもRosy sundew(バラ色毛氈苔)とアバウトな名前です。そのバラ色は、冬に咲く5弁の花色のことです。30cmものびた花茎の先に直径5~6cmはあろうかという、およそ苔のイメージからはかけ離れた立派(毛氈苔界最大級)な花が開きます。
自分も虫のように腺毛に絡められそうになりながら、このロゼットの中心部に目を凝らせば、もしやこれが花蕾?という塊が見えます。ここで1カ月ほどジトッと待てればなぁと未練タラタラながら、またの機会に楽しみは先送りとしました。

過去のきょう 2023 オニユリ 2022 サワダツ 2021 ミチノクナシ 2020 イチジク 2019 パキラ 2018 ツルウリクサ 2017 ツルギキョウ 2016 シュウメイギク 2015 キクタニギク(アワコガネギク) 2014 ホシオモト(パイナップルリリー) 2013 ミセバヤ 2012 ハシバミ 2011 フウリンブッソウゲ 2010 ノガリヤス 2009 シャコバサボテン 2008 センボンヤリ 2007 ジョウリョクヤマボウシ 2006 ガーベラ 2005 ガマズミ 2004 フェイジョア

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11月25日(月) ハマセンダン

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前回掲載より1カ月少々早い季節の再会でした。夏の花を見逃したのは無念であっても、葉の色づきがきれいだったし、実も豊作みたいで、ウハウハです。
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ただし、ちょっとショッキングな発見をしました。赤くなった葉が地面に落ちていて、小葉が1枚も欠けずに完全な姿でした。前回はハマセンダン時間差離脱タイプであることを確認しているので、はた衛門説はあえなく崩壊、完璧に否定されました。
そうか、ずいぶん調べたのに、「複葉の樹種には葉軸を残して小葉だけを先に散らすものがある」という記述を見つけられなかったのはこういうわけだったのでした。つまり、100%絶対に時間差離脱するのではなく、状況によっては複葉ごとバサリもありなので、専門の方々はこれを普遍的現象とはとらえないのでしょう。
やれやれ、丸8年間追いかけた「大発見もどき」はあえなくボツです。ただ、そのわりにはとても充実感があって、自分で見つけて追いかけたからこその楽しみでした。

過去のきょう 2023 タイヘイヨウグルミ 2022 チア(サルビア・ヒスパニカ) 2021 セトヤナギスブタ 2020 クレマチス・シルホサ・ジングルベル 2019 コウボウシバとコウボウムギ 2018 ヤバネヒイラギモチ 2017 ミズメ 2016 ギンツノサンゴ 2015 ハクサンボク 2014 ケヤキ 2013 ニッサボク 2012 オギ 2011 オンシジューム 2010 ヘラノキ 2009 サカキ 2008 ペラペラヨメナ(ゲンペイコギク) 2007 カワヤナギ 2006 ナツハゼ 2005 カマツカ 2004 サネカズラ

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11月24日(日) シオザキソウ

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ブオッと立ち上がる草丈は自分より高く、しかし花房も葉もなにがなにやらのグチャグチャです。「草花=美しい・かわいい」という固定観念が破壊されます。
わざわざ遠く(南米)から来てくれなくても良かったのに、半世紀ほど前に東京・深川塩崎町(現在の塩浜二丁目)で確認されて、当時の地名が冠せられました。ほかにコゴメコウオウソウとかコゴメセンジュギクの名を持っています。
コウオウソウセンジュギクもマリーゴールドのことで、写真右側に貼り付けた極小の花が真面目にTagetes(コウオウソウ属)であることを主張しています。もっとも、どちらの別名も「小米」と頭に被せられたのは致し方ないところでしょう。
加えて種小名(minuta)も微細とか微小の意味です。見かけのデカさに「なんじゃこりゃ」と驚いた分、名付けには「小さいやんけ」という気分が溢れています。

過去のきょう 2023 アメリカモジズリ 2022 ヤチダモ 2021 ハスノハギリ 2020 イロハモミジ 2019 シロミナンテン 2018 ステビア 2017 ダンドク 2016 トシエ・アオキ・ポカイとオリエント・アンバー 2015 クジャクシダ 2014 カタバミ 2013 シマカンギク 2012 サルスベリ 2011 ゴレンシ(スターフルーツ) 2010 ゴシュユ 2009 ツルソバ 2008 シナノゴールド(セイヨウリンゴ) 2007 マンデビラ(ディプラデニア) 2006 ツタウルシ 2005 オトコヨウゾメ 2004 ウナギツカミ

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11月23日(土) アカバナイペー(パウダルコ、イペー)

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この写真は目を細めて見る必要があります。ほぼ花が見えないところまで細めると、そこには高さ20~30mもの大きな木がこの花でびっしりと覆われている艶やかな姿が浮かびます。いえ、それは参考ページで見た記憶に過ぎませんけれど…。
中南米が原産地で、沖縄では街路樹にされているそうです。いかに温室と言えど、関東の地ではひと枝の花をありがたく撮影するしかありませんでした。
タイトル欄にあるのは、順に標準和名、現地での呼び名(Pau d'arco)、そのポルトガル語版(ipê)であり、ほか数知れない名前があります。それだけ長く・広く親しまれてきた証拠だろうし、学名(Handroanthus impetiginosus)にもシノニムがたくさんあって、きょうの記事を掲出するのをあきらめたくなるほどでした。
その長く・広く親しまれてきた主因は樹皮の薬効にあるようで、これもまた名前の多様さに負けないほど各種の効能を誇ります。もっとも近年はその成分を危険視する動きもあるらしく、とりあえずはどこかで満開の大樹を眺めて満足したいものです。

過去のきょう 2023 スイカズラ 2022 トウカイコモウセンゴケ 2021 トロロアオイ 2020 オオベニウチワ・ロイヤルチャンピオン(アンスリウム・アンドレアナム・ロイヤルチャンピオン) 2019 ゴエッペルチア・マジェスティカ 2018 ハナヒョウタンボク 2017 オオバナアリアケカズラ 2016 エンコウカエデ 2015 シラカンバ 2014 エノキウツギ(ウオトリギ) 2013 ムクロジ 2012 カラスノゴマ 2011 サンジャクバナナ 2010 オウゴンカシワ 2009 ラクウショウ 2008 キカラスウリ 2007 シロウメモドキ 2006 ツルウメモドキ 2005 キカラスウリ 2004 ハクサイ

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11月22日(金) カンガルーポー

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前にここに掲げたカンガルーポーは、その花序の色が淡い緑とか、それに淡くオレンジ色が兆した程度の色目でした。対して今度はグッとドスが効いています。
ただ、色で種類が違うわけではないようで、花序の並び方とか背の高さからして、これも前と同じくAnigozanthos flavidusだろうと推測しました。この属にはこれ以外に10種もあるはずなのに、日本で見るのはflavidusばかり…寂しいことです。
ところで今回もカンガルーポーのことを調べていたら、なんとオーストラリア現地でもこれは「kangaroo paw or catspawとして知られている(Wiki)」とありました。4年前の記事で、「日本に自生していたら、絶対にネコアシグサ」だとしたことがアタリだったわけだし、前はこんな記述を見なかったはずで、うれしい発見でした。

過去のきょう 2023 ドワーフモンキーバナナ 2022 オウゴンカシワ 2021 メガスケパスマ・エリスロクラミス 2020 インドボダイジュ 2019 ベンガルボダイジュ 2018 ハマオモト(ハマユウ) 2017 ツメレンゲ 2016 クイーン・エマ・リリー 2015 ヤブミョウガ 2014 オヤマボクチ 2013 シャコバサボテン 2012 エノキ 2011 アアソウカイ 2010 シマカンギク 2009 ホコリタケ 2008 コダチダリア(キダチダリア、皇帝ダリア) 2007 ギンバイカ 2006 ナギ 2005 カリン 2004 オオモミジ

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11月21日(木) カジカエデ(オニモミジ)

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ようやくカジカエデの紅葉をとらえました。かつて、葉色がうすく透け始めた美しさに心を動かされはした(10月上旬)ものの、やはり赤の迫力にはかないません。
そして、葉色が上がっただけでなく、冬芽もしっかりと姿を現しました。来春も、柔らかくてゆったりと大きな若葉が優しげに開いてくれることでしょう。
そう言えば、カジカエデとの初の出会いはそんな春爛漫のころでした。若葉とピンクの花序と小さな実が枝で揺れる様子が最初に擦り込まれたわけです。
そのあと、夏にはゴツくなった実を見てオニモミジという別名も納得できたし、この木を英語でもDevil mapleと呼ぶことを知りました。種小名のdiabolicumも「悪魔のような」みたいな意味で、鬼と悪魔(注)は一緒かと微笑んでしまいます。

<補注> 鬼や悪魔と呼ばれる原因は、実に残る2本の花柱にあるようです。

過去のきょう 2023 ホソグミ(ロシアンオリーブ) 2022 ソトフヒロハオリヅルラン(仮題) 2021 コモチレンゲ 2020 リンドウ 2019 ビロードモウズイカ 2018 セイヨウニンジンボク(とニンジンボク) 2017 ソヨゴ 2016 モミ 2015 ブラシノキ 2014 ヤマハギ 2013 ヒメイチゴノキ 2012 カナムグラ 2011 メガルカヤ 2010 ミツデカエデ 2009 アブラチャン 2008 アメリカヅタ 2007 カタバミ 2006 ヤポンノキ 2005 シロダモ 2004 ドウダンツツジ

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11月20日(水) ニトベギク

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初めてこれを見つけた3年前と同じ場所で同じようなアングルです。ただ、絵面に変化はなくても、新しく湧いた疑問を自分で解決でき、じつに楽しい題材でした。
まずは相変わらずのデカさ確認で、思い切り高く掲げたカメラをグイッと煽って撮っています。推定で4m超えです。明治期に日本にもたらされたわりにいまだに存在がマイナーであるのは、この巨大さが疎まれたからだというから哀れです。ただ、糖尿の薬になるそうで、そちらが心配な人なら収量が多いことは好都合でしょう。
さて、その日本に持ち込んだ人が新渡戸稲造だったというのが前回の学びだった(ので、漢字は新渡戸菊とする)のに、今回、Wikiでは新渡戸説が「…との話がある」と大きくトーンダウンし、漢字表記は「腫柄菊」だとされていました。
しかし、Wikiも、あるいはこの漢字表記を示している植物サイトも、腫柄がなぜニトベという音になるか、そもそもこの文字がどこから来たのか、まったく説明していません。しかし、YListおよび跡見群芳譜(漢名に詳しい)にはそれが中国名であると明記されていました。現代中国の簡体字では肿柄菊となり、発音はzhong bing juです。nitobeという音はどこからも出てきません。この漢字を借りる意味は希薄(注)です。
241120ti_diversifolia2というわけで、今回は「要らぬ寄り道」をした気がします。ただ「寄り道もまた佳きかな」であって、萼直下の柄がぷっくり腫(は)れている事実に気づきました。ふーん、あの国の人はこんなところを見て名付けたのか…と新鮮な感動です。
ついでを言えば、学名Tithonia diversifoliaの後半部は「多様性のある葉」であって、言われてみれば葉の裂け方がテキトーです。ふーん、植物学者さんだとこの辺を見るわけね…と嘆息させられます。新渡戸先生、ありがとうございました。

<補注> もちろん、百日紅をサルスベリと読む事例は承知です。中国で百日红とか紫薇とか海棠树と呼ぶ「あの木」の和名にそのうちの一つの漢字表記を借りて当てたという「高踏趣味」をいまの時代に持ち出すのは「いかがなものか」と思います。

過去のきょう 2023 シャムロック(イエギク) 2022 ホソグミ(ロシアンオリーブ) 2021 テングバナ 2020 タマリンド 2019 シクンシ 2018 コヤブラン 2017 ソバ 2016 ディコリサンドラ・ティルシフローラ 2015 オミナエシ 2014 ウバユリ 2013 房咲き水仙・ペーパーホワイト 2012 ナンキンハゼ 2011 メグスリノキ 2010 キチジョウソウ 2009 イワニガナ(ジシバリ) 2008 チシャ(レタス) 2007 オキザリス・フラバ 2006 レンギョウ 2005 ツリバナ 2004 チャノキ

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11月19日(火) カリカンサス・ハートレッジワイン

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幅9cmほどある手のひらがスッポリなので、ハートレッジワインの葉はかなり大柄だとわかります。二親ともにその傾向はあるものの、ニオイロウバイよりナツロウバイの葉のゆったり度が際立っていることはこの夏にも確認したばかりでした。
ただ、まさかその大きな葉を好む輩がいるとは恐れ入りました。しかも、けっこう特殊な食べ方です。アサギマダラの幼虫が開ける穴はまん丸だし、さてこんな手前勝手な食べ方をするのは、いったいどこのどいつなのでしょう。
…という新しい観察課題を背負った一方で、この葉の中央脈がズレていることに気づいてしまいました。左右不均等の葉はあまり珍しくなくても、こんな風にさりげなく中央脈の終点が片方に寄っているのは初めて見た気がします。いまごろ気づいたの?とハートレッジくんに笑われながらも、早めにお友達を見つけてあげたいものです。

過去のきょう 2023 ダイマチク(ゾウダケ、キョチク) 2022 ワカサハマギク 2021 エッチュウミセバヤ 2020 ヒポエステス・アリスタタ 2019 ダイモンジソウ 2018 フジ(ノダフジ) 2017 ホワイトオーク 2016 イロハモミジ 2015 コトネアスター 2014 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ) 2013 アレカヤシ 2012 マンデビラ(ディプラデニア) 2011 スズメウリ 2010 スイショウ 2009 ダンコウバイ 2008 ツノナス(フォックスフェイス) 2007 ドウダンツツジ 2006 カザリナス(ヒラナス、アカナス) 2005 シロヨメナ 2004 ビワ

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11月18日(月) シンツルムラサキ(ツルムラサキ)

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肩の高さほどの棚にツルムラサキの赤茎種青茎種が仲良く絡んでいて、このごろなんでもかんでも、あちらでもこちらでも、反目し合ってばかりの人間世界に愛想が尽きていた爺さまは、ややウルッとしつつシャッターを押しまくったのでした。
ところが!なのです。ひえー、学問世界は反目ではなく進歩し続けているわけで、かつては赤茎と青茎は学名が一緒、単なる色違い扱いだったのに、去年あたり、赤茎種はシンツルムラサキ(Basella alba 'Rubra')と別扱いになっていました。
日本には赤茎が先にもたらされたので、別扱いすべきは青茎だろうと思いがちでも、世界的にはBasella alba(白、つまり青茎)が標準で、赤茎は派生種扱いです。ただ、そのわりに「シン」には「新」ではなく「真」をあてるようで、この和名は傍系を本家筋とするような納まりの悪さを感じます。いやいや、本家だ分家だという発想こそが反目を生むわけで、「シン」は辰砂(赤褐色)の「辰」だと勝手に考えておきましょう。

過去のきょう 2023 ヒメジョオンとヒメアガパンサス 2022 キンヨウボク(錦葉木、アフェランドラ・スクアロサ・ダニア) 2021 ハナノキ 2020 スヴニール・ド・アンネフランク 2019 コルディリネ・テルミナリス・アイチアカ 2018 エボルブルス(ブルーコーラルとアメリカンブルー) 2017 ツルリンドウ 2016 アアソウカイ 2015 シマカコソウ 2014 ノダケ 2013 ホトケノザ 2012 ニガキ 2011 ビレヤ・シャクナゲ 2010 シマサルスベリ 2009 ヒオウギ 2008 スイレンボク 2007 エアーポテト 2006 フユノハナワラビ 2005 ムサシアブミ 2004 センリョウ

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11月17日(日) エリカ・ベラ(エリカ・セルピリフォリア)

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エリカ」と名乗られればそんな風体で、たしかに荒れ地で逞しく生き抜きそうです。触ると枝葉がジガジガして、これならお腹を空かせた動物も避けて通るでしょう。
なのに、名前の後部・ベラ(bella)は「美しい・愛らしい」の意です。思うに、一つが5mmほどしかない小体な花がこうしてビッシリとつくことを称えているのでしょう。
ところが、Erica bellaはE. seriphiifoliaのシノニムだとWFOは言うのです。どうやらエリカ・ベラは日本の花卉業界に残った「昔の名前」らしいのです。
そして困ったことに参考写真ではセルピリフォリアの花は開いています。一方、この写真もそうで、ベラさんはいつまで待っても頑なに花びらを閉じたままです。(雌シベは飛び出しているので、「閉じている」とは言い切れないかもしれません)
さて、ベラさんとセルピリフォリアさんは本当に同一人物なのか、この花は絶対に開かないのか、指にもオツムにも刺さりまくる困った「愛らしさ」です。

過去のきょう 2023 アサノガワ(ツバキ)とアザレアツバキ 2022 広熨斗・一文字菊(イエギク) 2021 ペペロミア・メタリカ 2020 チシャ(レタス) 2019 ピレア・カディエレイ(アルミニウムプラント) 2018 ムラサキシキブ・中吉小吉 2017 ピンオーク 2016 コブシ 2015 コバノギンバイカ 2014 クスドイゲ 2013 バラ(ピンク・パンサー) 2012 シュウメイギク 2011 ペペロミア・オブツシフォリア 2010 島バナナ(バナナ) 2009 ヒッコリー 2008 ムラサキカタバミ 2007 チョコレートコスモス 2006 ヒメウコギ 2005 ヨメナ 2004 ヒイラギ

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11月16日(土) クフェア・メルビラ

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花も葉も茎も、どこを触ってもベタベタします。いや、特に粘液が出ているわけではありません(↓)。パーツのすべてが微細な剛毛に密に覆われていて、パッと見では気がつかないので、触れてみて、その気色悪さに「おぉッ」と手を引っ込めます。
そして、姿はハナヤナギ(クフェア・ミクロペタラ)に酷似しています。最初は同じものかと疑ったほどです。ただ、こちらは上記のベタつきに加え、花や茎が赤いのがわかりやすい特徴です。初め白っぽい花筒も、付け根側から次第に赤くなります。
そして、筒の先付近まで赤さが迫るとポロリと落ちます。かつてのハナヤナギの写真を見直すと、落ちきれずにぶら下がった花筒がたまたま写っていて好都合でした。対してメルビラの花筒はじつに潔く茎に別れを告げます。
いまこうして元気に花を咲かせているのに、「冬は部屋に取り込みましょう」みたいな解説を見かけます。さてどこまで元気でいてくれるか、楽しみです。

<追録> 本文冒頭2文目を全文削除したのは、花筒を覆う剛毛がじつは腺毛だったからです。ググッと迫って見る(↓)と、毛の先で粘液の球が光っています。それが空中のゴミをもれなくキャッチしています。
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その線毛が一番目立つのは筒の先端上部で、まるで付け睫毛です。
クフェア類ではここが花びらになるものもあるので、たぶんポリネーターの呼び込みが役目(注)だと思います。
さらにこの写真では花色の変化がわかります。咲いて時間が経つ(写真下側)と花筒が赤みを増すのはもちろん、花糸や花柱が真っ赤に変化します。
<補注> どうやら花粉媒介者さんのがんばりが功を奏したと思われる状態を見ることができました。(2025年2月13日

過去のきょう 2023 パナマソウ 2022 アブラギリ 2021 ナンキンハゼ 2020 ツタ(ナツヅタ) 2019 ニッケイ 2018 コスモス(ダブルクリック・スノーパフ) 2017 オオオナモミ 2016 パフィオペディルム・リーミアヌム 2015 ツノゴマ 2014 コダチダリア(キダチダリア、皇帝ダリア) 2013 トウガラシ(ゴシキトウガラシ、ハナトウガラシ) 2012 イロハモミジ 2011 カイノキ 2010 キッコウハグマ 2009 シオデ 2008 ヨシ(アシ) 2007 フユザクラ 2006 コンギク 2005 コンギク 2004 アブチロン

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11月15日(金) ギンヨウカエデ

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学名Acer saccharinumの後半・saccharinはサッカリンです。このごろとんと聞かなくなった名前ではあっても、人工甘味料としては嚆矢をなす有名な物質です。
それを種小名にいただいたのは、この楓の樹液が甘いからで、メイプルシロップ原料として有名なサトウカエデとはごく近縁になります。ただ、あちらほどの糖分は得にくいそうで、あえて枝や葉を囓ってみることはしないでおきます。
葉が金色なのにギンヨウ(銀葉)とはこれ如何に…と言えば、季節が悪すぎました。葉がまだ緑をなしているころ、裏返して銀白色を確かめる必要があります。
とりあえず、秋深まったいまは、この深々とわかりやすく5つに裂けた形と、そして長くて赤い葉柄をしっかりと目に焼き付けておくことにします。

過去のきょう 2023 ナンバンアカアズキ 2022 ハマベノギク 2021 エスキナンサス・プルケール 2020 フジバカマ 2019 ゴキヅル 2018 アコレード 2017 レザーウッド(キリラ・ラセミフローラ) 2016 カホクザンショウ(カショウ) 2015 キウイフルーツ 2014 コクサギ 2013 コモチクジャクヤシ 2012 オオバナノコギリソウ 2011 ワイルドオーツ(ニセコバンソウ) 2010 ヘビノボラズ 2009 コウカジュ 2008 ルリフタモジ(白) 2007 イヌマキ 2006 サイカチ 2005 ノコンギク 2004 コセンダングサ

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11月14日(木) タマムラサキ

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きのうも名札依存、きょうもそう…と照れはしても、これは正解を教えていただかないとサラリと見過ごしてしまう確率が100%でした。名前がやたら厳かなくせに、見かけはまったくただのラッキョウもしくはヤマラッキョウにしか過ぎません。
どうしてこんな雅な和名がつけられたのか、その理由は不明ながら、別名にはアマミヤマラッキョウやハマラッキョウがあってラッキョウには間違いありません。もっとも、奄美では山に産し、九州・四国なら浜に育つのかとねじ込む余地は残します。
どうもこのタマムラサキというのはヤマラッキョウに非常に近い(倍数性および葉の断面形状の違いくらい?)存在らしく、素人には大温室で教えてもらうしかお近づきの機会がないようです。たぶん酢漬けを味わう機会も、今生あり得ないことでしょう。

過去のきょう 2023 ゴヨウカタバミ(オキザリス・ペンタフィラ) 2022 クロイゲ 2021 キミノバンジロウ 2020 マンリョウ 2019 トックリキワタ 2018 オトコエシ 2017 オッタチカタバミ 2016 リュウビンタイ 2015 オランダセンニチ 2014 ヌスビトハギ 2013 小菊(イエギク) 2012 シロモジ 2011 トネリコ 2010 カラスノゴマ 2009 ミツデカエデ 2008 ヒシ 2007 ハツカダイコン 2006 ヒメノウゼンカズラ 2005 モッコク 2004 ウィンターコスモス

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11月13日(水) ギョイコウ

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桜の木の幹に名札をつけた公園というのは案外に多くて、どうして桜だけがそんなに厚遇されるんだ!と怒る風をしながら、へえ、ギョイコウの紅葉か!とウフフです。
ただ、写してみてからどこがどうギョイコウなのか眺め回しても、さっぱりです。葉がやや広めに見えはしても、ほかの桜との有意差が証明できません。
あとは赤がずいぶんきれいだなとは思うものの、これは多分に環境で左右される要素でしょう。冬芽もほぼ没個性です。つまるところ、名札だけが頼りの無責任さでありながら、こんなきれいな瞬間芸を目にできた幸せを書き残すことにしました。

過去のきょう 2023 ヤマブドウ 2022 アメリカガキ 2021 マツカサススキ 2020 トウガラシ(ハバネロ) 2019 スズメノヒエ 2018 オキシデンドルム・アーボレウム(スズランノキ)  2017 ガマズミ 2016 シロダモ 2015 サキシマフヨウ 2014 アベマキ(とクヌギ) 2013 イヌビワ 2012 サルビア・インディゴスパイア(ラベンダーセージ) 2011 アシボソ 2010 パイナップルセージ(サルビア・エレガンス) 2009 ヤブサンザシ 2008 オオカメノキ(ムシカリ) 2007 コミカンソウ 2006 プレクトランサス・モナ・ラベンダー 2005 センニンソウ 2004 セイオウボ(西王母)

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11月12日(火) サツマノギク

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名前どおりに鹿児島西部がテリトリーなので、北陸への出かけついでに見たこの株は明らかに植栽品でしょう。潮風が好きなのに、磯は程遠い場所でした。
それでも海岸適応の証である葉裏のモフモフが表側まで回り込んでいて、同じ環境を好むイソギクハナイソギクを思い出させます。なのに花はそれらよりずっと派手で、純白の花びらが堂々としていて、直径が5cmほどはあります。
ということは、海が好きで花が立派なハマギクワカサハマギク、あるいはコハマギクとどう違う…と比べてみると、彼らとは葉がまるっきり別物です。もっとも、写真を撮っているから区別ができるだけで、記憶だけではみんなグチャで涙です。

過去のきょう 2023 スズメノトウガラシ 2022 ヒメヒゴタイ 2021 クラリンドウ 2020 イヌツゲ 2019 ビルマコプシア(コプシア・フルチコサ) 2018 タムラソウ 2017 イワヨモギ 2016 キッコウハグマ 2015 オオアマドコロ 2014 メガルカヤ 2013 ゴクラクチョウカ 2012 バクチノキ 2011 セイヨウニンジンボク 2010 アコニット(セイヨウトリカブト) 2009 ヤブムラサキ 2008 カキ(品種不明)  2007 イチゴノキ 2006 ケンポナシ 2005 ハマギク 2004 アメリカソライロアサガオ

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11月11日(月) ヤブイバラ

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これはもう前へ進めません。進入禁止です。このブッシュの名前はヤブイバラ、なんと適切な名付けでしょう。オレンジ色の実がやたらと小生意気に見えます。
ところが別名もあってニオイイバラです。初夏に白い一重の花を咲かせ、それが芳香を放つと言うのです。今回はそれを確かめられない悲しい出会いでした。
特に栽培されるものではなく、ノイバラと同じように山野に自生するので、このナンテンを思わせる葉を見たら、次の夏は鼻クンクンです。ヤブイバラの意味は、文頭に述べたように自分が通せんぼするからではなく、じつは藪のなか(半日陰)でも生育できる性質を言っているそうで、そんな場所を通るときが出会いのチャンスです。

過去のきょう 2023 ヌマミズキ 2022 レモンエゴマ 2021 コバルトシダ 2020 スズメノヒエ 2019 ススキ 2018 ヒマラヤスギ 2017 アオツヅラフジ 2016 イヌシデ 2015 ウンナンハギ(四季咲きウンナンハギ) 2014 ウワミズザクラ 2013 コハウチワカエデ 2012 センブリ 2011 オオブドウホオズキ(トマチロ) 2010 カイノキ 2009 オシロイバナ 2008 シュウメイギク(八重) 2007 セイオウボ(西王母) 2006 ラッキョウ 2005 ミツマタ 2004 ウメモドキ

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11月10日(日) シマコガネギク

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アキノキリンソウを思わせますが、立ちの強い茎と、その先だけに集まる花がなんとなく「そうじゃないよ」と主張しています。いえ、本当は名札がついていました。
そこにはシマコガネギクとあって、屋久島から南の琉球列島に分布するものでした。あらためて学名を確認すると、アキノキリンソウがSolidago virgaurea subsp. Asiaticaであり、こちらはその後ろにさらにvar. insularisと続きます。
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学術的には「ほぼ同じ」という見解であり、insularis(島の)が追加されただけです。いやいや、冒頭述べた「感じ」が違うし、茎上部の葉も、わりとゆったりめのアキノキリンソウに対してこちらは細くて小さくて別物だとわかるのに、なにせカンニングした身なので生意気は言えません。早めに現地で再会できることを期待しておきましょう。

<補注> シマコガネギクという和名ですぐに連想したのはアワコガネギクでした。しかし、あちらはChrysanthemum、こちらはSolidagoと属レベルから別物です。これでようやく、アワコガネギクは別名で標準和名がキクタニギクである意味がわかりました。

過去のきょう 2023 マツムラソウ 2022 シンフォリカルポス・紅小町 2021 ユーカリ(ユーカリノキ) 2020 アンマリー・ド・モントラベル 2019 コブクザクラ 2018 ヤブソテツとオニヤブソテツ 2017 ダリア(ナイトオウル) 2016 クサソテツ 2015 ネコノヒゲ(クミスクチン) 2014 アイノコセンダングサ 2013 ツワブキ 2012 ユリノキ 2011 ツリバナ 2010 ウラジロノキ 2009 トキリマメ 2008 ミドリハッカ(スペアミント) 2007 トウゴマ 2006 シロアザミゲシ 2005 ヒメツルソバ 2004 アオジクユズリハ

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11月9日(土) コケモモ(リンゴンベリー)

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かなり高揚しています。コケモモについて、二つ、新しい知識を得ました。
一つは花が二度咲きする事実です。写真右手に開いた花があり、ほか各所に大小の蕾がついています。それなのに左側には真っ赤な実が下がっています。
もう一つの知識はコケモモの種類です。今回撮影したものはナーセリーがリンゴンベリーとしているもので、嵌め込み写真で示したとおり、葉が丸く小さめです。これに対して英名をカウベリーという種類があり、比べれば微妙に葉が大きいのです。
そんな新知識に照らして過去記事の画像を見ると、この夏に開花を撮影したものは葉の長さが目立ちます。花も花筒がやや深めです。つまりカウベリーです。
対してずっと昔に実を写したものは今回のものと葉の感じが似ています。丸々していて小さくて、全体がわずかに上に膨らんでいます。つまりリンゴンベリーです。
ということで、コケモモに2タイプあることなど知らぬままにその両方を見ていたわけで、いつも間の悪さを嘆くはた衛門にしては珍しく幸運なことでした。

過去のきょう 2023 カラフトイバラ 2022 ムラサキゴテン(ムラサキオオツユクサ) 2021 ディコリサンドラ・ティルシフローラ 2020 マルバアメリカアサガオ 2019 キッコウハグマ 2018 オオムラサキシキブ 2017 ツブラジイ 2016 モミジバフウ 2015 コエビソウ 2014 コウヨウザン 2013 カンレンボク 2012 ソバ 2011 ツメレンゲ 2010 キクニガナ(チコリー) 2009 キクタニギク(アワコガネギク) 2008 ジャコウソウモドキ 2007 シラキ 2006 スズメウリ 2005 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ) 2004 キダチチョウセンアサガオ

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11月8日(金) シナオケラ

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このシナオケラはホソバオケラとともにその根茎が蒼朮(そうじゅつ)と呼ばれる漢方の原料になります。一方、白朮(はくじゅつ)も同じく漢方名で、そちらにはオケラオオバナオケラが使われます。「朮」はオケラのことです。
根茎の参考写真を見ると、白朮はたしかに白っぽいのに比べ、蒼朮は黒いと言うか、濃茶であって、決して蒼(あお)くはありません。言葉の綾だろうと思います。
いやいや、話はシナオケラで、ホソバオケラの変種とされ、両者はかなり似ています。ただこんなミイラ状態でも、茎の分岐が強いことや葉の鋸歯が刺状でパサついて見えることがわかります。渋いオケラの渋い見分けポイントです。

過去のきょう 2023 ツルムラサキ 2022 グイマツ 2021 トウヒ 2020 クレロデンドルム・インキスム 2019 ハイビスカス・八重ピンク 2018 ヤマトリカブト 2017 コンギク 2016  2015 アサリナ 2014 オオハナワラビ 2013 江戸菊(イエギク) 2012 カキノキ 2011 ジュウガツザクラ 2010 ツルナ 2009 ヤマツツジ 2008 イロハモミジ 2007 オナモミ 2006 サルノコシカケ 2005 イロハモミジ 2004 ヨウシュヤマゴボウ

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11月7日(木) シマダフジ(カレルヤ・ニチダ)

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白と紫に染め分けた花が和風だし、島田藤という標準和名まで持っているので、つい我が国在来のものかと考えてしまいます。
ところが原産地は中国と台湾であり、中医薬の原料として大切な植物です。茎が婦人の病に効くほか、種や根の毒を民間で使うらしく、おそらく日本統治下の台湾でそれを見た島田さんが勝手に自分の名を…というのはいつものはた衛門珍説です。かなり真剣に和名由来を調べたのに、どこにもそれが見つかりません。
名前と言えば、依然として意味不明のままの醋甲藤(ムラサキナツフジ)を思い出すわけで、あれとこれとはかなり近い仲間(中医薬・鷄血藤の原料)というか混乱している様子が見られます。ネットで鶏血藤茶が売られているのに、その原料は各社それぞれであって、このお茶を飲んでその辺スッキリとは参りません。

過去のきょう 2023 ネーブルオレンジ 2022 コハマギク 2021 ニゲラ(クロタネソウ) 2020 アキノエノコログサ 2019 ステルンベルギア 2018 ヤマナラシ(ハコヤナギ) 2017 ダンコウバイ 2016 センダン 2015 ハンカチノキ 2014 マメイヌツゲ 2013 シラカシ 2012 リンドウ 2011 オオバシコンノボタン(アツバノボタン) 2010 サルビア・インボルクラータ 2009 シイクワシャー(ヒラミレモン) 2008 ハヤトウリ 2007 ノアサガオ 2006 ハマナス 2005 ノジギク 2004 ハヤトウリ

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11月6日(水) オンシジューム・オヌスツム

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南米原産の着生ランで、オンシジュームに分類されます。恥ずかしながら、これまでオンシジュームはここに3回出しているのに、初めて種を特定できました。
園芸種が苦手な一因はここにあって、イジられ尽くしてどう調べても学名がわからないことが多いのです。その意味で、こういう原種系を見るのは勉強になります。花屋で見るオンシジュームの花は、ベルサイユ宮殿の舞踏会もかくやと思わせる派手な形なのに、今回のものはどうかすると唇弁がそれほど目立ちません。
ただし、ガッシリと逞しい葉やそれを支えるバルブはかつて見たものと大差なく、今回は心置きなく花の美しさに浸ることができました。

過去のきょう 2023 コバノカナワラビ 2022 アーノルドサンザシ 2021 オウギバショウ(タビビトノキ) 2020 プリンセス・ミチコ 2019 ハメリア・パテンス 2018 ウマノスズクサ 2017 ヤマミズ 2016 ツバメアサガオ 2015 サルビア・イエローマジェスティ 2014 ササクサ 2013 嵯峨菊(イエギク) 2012 コハウチワカエデ 2011 ヒメイチゴノキ 2010 シロバナキツネノマゴ 2009 オオミサンザシ 2008 イシミカワ 2007 オオオナモミ 2006 アキノノゲシ 2005 ムベ 2004 ヤツデ

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11月5日(火) ピットスポルム・ヘテロフィルム

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知れば知るほど哀れみが増す木です。まずは学名の後半からで、ヘテロフィルムとは「葉が違う」の意で、同属のトベラに比して葉が小さくて薄いという指摘です。
そして、園芸界では「特徴的な要素がないので出しゃばらずにほかの木を引き立てるのに便利」みたいな言われ方をします。「一見、どこにでもありそう」とまで言われると、いやいや、この実が割れたら赤い種が楽しめるよ!と弁護したくなります。
たしかに、トベラほどの背丈にはならず、コヤスノキ(これも同属)のような物珍しさにも欠けることは事実です。ただ、わざわざ中国とかヒマラヤあたりのものを持ち込んだわりには邪険な扱いで、YListにもまだ採録されていません。流通的にはヒメトベラと呼ばれるものの、これさえぞんざいな発想に思えるのはもはや同情の域です。

過去のきょう 2023 カジイチゴ 2022 アサギリソウ 2021 ベゴニア・クレスタブルキイ 2020 ホトケノザ 2019 ケイトウ・スマートルック 2018 クスノハカエデ 2017 コヤスノキ 2016 ヒメショウジョウヤシ 2015 アマメシバ 2014 ツルウメモドキ 2013 トウネズミモチ 2012 チチコグサ 2011 タチシオデ 2010 マコモ 2009 ヤブミョウガ 2008 セイタカアワダチソウ 2007 コバレンギク(ヒメバレンギク) 2006 センボンヤリ 2005 ヒヨドリジョウゴ 2004 ナンテン

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11月4日(月) ヤエヤマラセイタソウ

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ふつうのラセイタソウが北海道南西部から紀州までの太平洋側に分布するのに対し、こちら八重山版は石垣・西表・与那国にしか自生しません。腰丈ほどにもなる「ふつう」(注)に比べるとやや小柄で、葉に添えた人差し指が巨大で笑えます。
雌雄異株で、茎の先端につくのは雌花だと言います。雄花は茎の途中につくらしく、今回の温室展示では見ることができませんでした。
じつは近いうちに石垣・西表などを訪ねたいと思っていて、もし実現したら海辺(この草の生息域)で雄株も写したいものと願っています。ただ、沖縄本島のときも現地植物の多様さには圧倒されっ放しだったわけで、まあ南の島でクターッと命を洗濯しつつ、テキトーにそこらの草木を愛でることができたらよしと思っておきましょう。

<補注> ラセイタソウの背丈は環境によって大きく変化します。波打ち際では這うように育つのに対し、かつて見たのは海辺から遠く離れた場所でした。

過去のきょう 2023 スティパ ・エンジェル ヘアー 2022 スノーベリー 2021 ナツツバキ 2020 ロウバイとソシンロウバイ 2019 ミカエリソウ 2018 ヤブマオとメヤブマオ 2017 コスミレ 2016 オオケタデ 2015 ハナトリカブト 2014 ミズタマソウ 2013 フユノハナワラビ 2012 カツラ 2011 ジョウリョクヤマボウシ 2010 マルバノキ 2009 アブチロン(黄花) 2008 ザクロ 2007 キャラボク 2006 アイ 2005 サネカズラ 2004 ヒメツルソバ

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11月3日(日) アムラノキ

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アムラーではなくて(笑)アムラです。ベンガル語でこの木をそう呼ぶそうで、原産地がフィリピンやインドネシアなのに、あのあたりでもこの言葉はメジャーなのでしょう。言語人口が世界で7番目に多いとWikiにはありました。
分類はSpondiasになり、先に収録したアマヤニリンゴが同属です。そうと知ると、実の形は似ていて、しかし葉の風情(小葉の形と質)がだいぶ異なります。
実がタマゴノキみたいということでアムラタマゴノキという別名を持ちはしても、その呼び方は避けるべきだろうことはアマヤニリンゴのときに述べています。

過去のきょう 2023 アマミカジカエデ 2022 エゾトウウチソウ 2021 アオイゴケ 2020 ヌカキビ 2019 マムシグサ 2018 テリハノイバラ 2017 キダチルリソウ(ヘリオトロープ) 2016 ジョウリョクヤマボウシ 2015 ニオイサンタンカ 2014 ナナコバナ 2013 サルビア・グアラニチカ(メドーセージ) 2012 リュウノウギク 2011 ネリネ 2010 ウキクサ 2009 フジバカマ 2008 エビヅル 2007 ハイアワユキセンダングサ 2006 タコノアシ 2005 サワフタギ 2004 クチナシ

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11月2日(土) アミメアマリリス

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そもそもアマリリスの花びらには大なり小なりの縦筋が潜在しているのに、これはその筋が途切れ途切れというか鎖状に繋がるというか、複雑な美しさです。
種小名reticulatumはその美点をストレートについていて、「網状の」の意です。和名もまた、同じ着眼点でアミメ(網目)アマリリスと単純明快です。南米(アルゼンチン~ブラジル)がお里で、現地では夏の終わりから秋にかけてが開花期だし、日本でもいまごろに(ふつうのアマリリスは春夏)この美しい花を咲かせてくれます。
変種にシロスジ(白筋)アマリリス(未収録)があり、花はアミメアマリリスとあまり差がありません。顕著な違いは葉の中央にまっすぐな白斑(白筋)があることで、こちらアミメの葉にはそれがないことを示すため、画面右に葉部分を貼りました。

過去のきょう 2023 ケショウサルビア(ブルーサルビア) 2022 アクシバ 2021 アリストロキア・ギガンテア 2020 シラカシ 2019 タイワンスギ 2018 メキシカンブッシュセージ(メキシカンセージ、アメジストセージ、サルビア・レウカンサ)・フェルピンク 2017 カワラヨモギ 2016 アメリカフヨウ 2015 アフリカホウセンカ(インパチェンス) 2014 カワラノギク 2013 リンドウ 2012 クヌギ 2011 オオデマリ 2010 カエンキセワタ(レオノチス) 2009 ジョウリョクヤマボウシ 2008 ジャケツイバラ 2007 ルリフタモジ 2006 ナカフオリヅルラン 2005 クフェア・タイニーマイス 2004 ユリノキ

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11月1日(金) シロシマインヨウ(シロシマインヨウチク)

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この品種を語るには、まず白縞が入らないインヨウチクを知る必要があります。属名がHibanobambusaという見たこともないもので、後半のバンブーには頷けても、出だしのヒバノが謎でした。じつはこれ、島根にある比婆山久米神社のことで、その山頂近くに自生するのが竹と笹の中間種である陰陽竹(未収録)というわけです。
そもそも境目がわかりにくい竹と笹なのに、その中間とは面倒なヤツです。稈が竹で葉が笹だそうで、その葉はまるでクマザサのようにたっぷりしたフォルムです。
その陰陽竹が開花したあとに突然変異して生まれたのがこの白縞陰陽で、3mほどまでのびる稈にこんな美しい葉をつけます。美人さんのわりには乾燥も低温も直射日光も平気というタフさで、園芸用として重用されるようになっています。
なお、陰陽の名は稈の男らしさと葉の女らしさに由来(異説あり)するらしくて、いまの時代だとセクハラだとか噛みつかれそうなので、ササッと忘れることにします。

過去のきょう 2023 トサムラサキ 2022 オクトリカブト 2021 チョウジタデ 2020 キチジョウソウ 2019 シンニンギア・エウモルファ 2018 キハダ  2017 ファンファーレ 2016 ハクサンボク 2015 パキラ 2014 コブクザクラ 2013 マテバシイ 2012 ヤマラッキョウ 2011 キッコウハグマ 2010 セキヤノアキチョウジ 2009 ナンキンハゼ 2008 アカカタバミ 2007 アブラツツジ 2006 ナギナタコウジュ 2005 ススキ 2004 ガガイモ

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