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9月18日(水) トヨハラヤナギ

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湿地とは言わなくても水辺がほど近い斜面にあり、悠然たる枝振りでした。
葉は幅が3cm強、長さ10~15cmで、表側の深い緑と、裏側の明るい緑の対比が目立ちます。かつ裏側には葉脈がはっきり浮き出て、力感があります。
柳というのはそもそも素人の手に余る樹種なのに、特にこの柳は性悪です。標準和名のトヨハラヤナギ以外にコイズミヤナギやバッコオノエヤナギ、アサマヤナギという別名を持ちます。まずはトヨハラの意味解説が見つからず、日本の二次林研究に尽くされた豊原源太郎先生のお名かと思いつつ、まるで当てずっぽうに過ぎません。
そこへいくとコイズミヤナギのkoidzumiは学名にも記されていて、日本植物分類学会の創立者・小泉源一博士への献名と思われます。またバッコオノエはそれぞれバッコヤナギとオノエヤナギのことで、この二種が交雑したものという素性を示しています。
残るアサマは浅間で、冷涼地帯に多いことを示していそうでも、この柳は本州全域に分布するらしいので、やや適切さに欠ける命名ではあります。
さて自分でこの柳をどう呼ぶか、建前は標準和名優先としながらも、身許を明言している意味でバッコオノエに惹かれます。加えて言えば、バッコヤナギ柳絮まで追いかけたことが懐かしいし、オノエについてはタチヤナギの記事で比較候補として取り上げたままであることが思い出されて、どうにもこの呼び方に肩入れしてしまいます。

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