5月10日(金) オルラヤ(オルラヤ・グランディフロラ、ハナカザリゼリ)
そもそもは欧州大陸やアフリカ北部に自生するセリ科植物・Orlaya grandifloraで、それをもとに園芸種も作られるようになりました。現地でもWhite lace flowerと呼ぶくらいで、白く霞むような風情は雑草と捨て置くにはもったいなかったようです。
もっとも、日本でWhite lace flowerと言うとドクゼリモドキのことなので、わざと混乱を招きたい悪趣味の人以外は使わない方が無難です。
さて、本題のコエンドロとの違いです。ざっくり言えば1枚目写真でわかるように、コヤツの方が大型です。背丈も横幅も簡単に大きくなります。
花房もこちらが大きく、中央部の小花の数もコエンドロを上回ります。また、やや赤みを持つコエンドロに対し、こちらはほぼミルキーホワイトです。
そして葉です。コエンドロのところで「ニンジンみたいな葉」としたのがいまとなっては反省点で、ニンジンの葉に似るのはむしろコヤツの方でした。また、いかにもクセのある味のコエンドロに対し、こちらはただ緑臭いだけで香草ではありません。
そして、実もまったく別物です。頭にのこる萼が冠みたいでかわいかったコエンドロに対しこちらは毛むくじゃらで、これが一番わかりやすい違いでしょう。
ならば、そんな怪しいカタカナはやめて和名は?と言うと、これがハナカザリゼリ(花飾芹)なのです。いやはや、命名したお方の気持ちはよくわかります。けれども、あまりに高尚というか、アナウンサー泣かせというか、却下としておきましょう。
また、原種はオルラヤ・グランディフロラで間違いないとして、先に触れた園芸種となると、その種小名を使うかどうか微妙です。多くの園芸種の場合、属名+園芸種名とすることが多いのに、園芸種名が明らかな場合が少ないのです。
結果、属名だけで呼ぶのは問題含みということを承知の上で、コヤツはオルラヤでよかろうというのが今日ただいまのはた衛門的結論です。
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