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7月31日(月) コウキクサとミジンコウキクサ

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できれば別々に撮影したかったのに、他人さまの水槽でそれは無理でした。そんな理由で、きょうのタイトルはずいぶんややこしくなりました。
まずは二つを比べれば大きいくせに「小」の冠を持つコウキクサです。当然ながら、ふつうのウキクサと比べればやや「小」です。あとはこの葉を裏返せたらハッキリしたことで、浮き草の裏は赤色、コウキクサは緑色という違いがあります。
次がミジンコウキクサで、これは説明が要りません。まさにミジンコのサイズで、甲殻類のミジンコと同じように金魚の餌になるといいます。根を持たないという変わった植物だし、世界最小の花と種を持つそうで、またの出会いが楽しみです。
さて、ウキクサ類を3種収録できての驚きは、まずこれらがすべてサトイモ科に分類されること(かつてのウキクサ科から変更)です。さらに3種すべてが別々の属です。こんな小さな植物たちもしっかり「我が城」を持っていることに感動です。

過去のきょう 2022 リベリアコーヒーノキ 2021 ギンドロ(ウラジロハコヤナギ) 2020 ナンバンサイカチ 2019 ハナズオウとアメリカハナズオウ 2018 スーパーランタナ・ムーンホワイト 2017 アゼオトギリ 2016 ナガバミズアオイ(ポンテデリア・コルダタ) 2015 ハツユキソウ 2014 タブノキ 2013 ジュズダマ 2012 ユーフォルビア・ダイヤモンドフロスト 2011 オオイタビ 2010 トチカガミ 2009 ハナカンナ(カンナ) 2008 ヒツジグサ 2007 キハギ 2006 ナツズイセン 2005 マンリョウ 2004 サンゴジュ

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7月30日(日) ブドウザンショウ

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ブドウザンショウで検索したら、和歌山県有田川町の気合いの入ったオフィシャルサイトがトップに来ました。そこではザンショウとは濁らせず清音読みをしています。さて産地に敬意を示すべきか、植物的呼称を優先すべきか、悶々…。
サンショウの品種にアサクラザンショウ(朝倉山椒・未収録)があり、枝に刺がなく、実が大きくて香りが強いことから、農業生産に使われてきました。
その系統から生まれたのがブドウザンショウで、下手な引用はやめて上記サイトで歴史を学ぶことにします。そのお勉強で知ったのは、和歌山が山椒生産シェア6割強の圧倒的トップだということです。ピリッと辛い県なのですねえ。

過去のきょう 2022 アマモ 2021 ヒメヒオウギ 2020 カンガルーポー 2019 ミミガタテンナンショウ 2018 シャシャンボ 2017 ツルウメモドキ 2016 ユクノキ 2015 シロバナブラシノキ 2014 キジカクシ 2013 キリ 2012 メマツヨイグサ 2011 ビロードモウズイカ 2010 オオセンナリ 2009 ヒメイワダレソウ 2008 シマトネリコ 2007 マタタビ 2006 アカザ 2005 メヤブマオ 2004 ミズキ

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7月29日(土) フウラン

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英語圏での愛称はSamurai orchid(注)…国際的に「日本の蘭」であることが認められているわけです。そのわりに、和名フウランは漢名・風蘭からのいただきもの…どうにもチグハグで、昔もいまも大国コンプレックスから抜け出せない日本です。
そういう自虐的考察を抜きにすると、純白の花は潔癖の美です。後ろで大きくカーブして垂れ下がる距に、異国の人々は日本刀を見たのでしょう。
土に根を下ろすことがない(着生蘭)という特性も武士の誇りに通じるようで、このフウランを眺めていると、暑気を払う清涼な風が吹き渡る気がします。

<補注> 海外ページではSamurai orchidの表記が主流のようでも、正式にはSamurai's orchidとするようです。

過去のきょう 2022 ジョウザン(ジョウザンアジサイ) 2021 アメリカリョウブ 2020 ニンニクカズラ 2019 アメリカハナズオウ・フォレストパンシー 2018 アカザカズラ(オカワカメ) 2017 バアソブ 2016 チリメンジソ 2015 グロリオサ 2014 ハナイカダ 2013 アマチャヅル(雌花) 2012 シマトネリコ 2011 トケイソウ 2010 ベニスジヤマユリ 2009 ヌマトラノオ 2008 ウマノスズクサ 2007 カライトソウ 2006 ママコノシリヌグイ 2005 オミナエシ 2004 ホウキギ(コキア、ホウキグサ)

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7月28日(金) ヒマラヤタマアジサイ・紅旗(こうき)

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アジサイにも銅葉タイプがあるとは、恐れ入りました。葉表はくすんだ緑色なのに、裏側はかなり赤紫色を呈し、葉柄までしっかり赤色です。
日本で選抜育成された園芸種で、母種(Hydrangea aspera)は中国・インド・ネパールあたりの高地に自生するそうです。その葉幅は細くて毛深いのは紅旗と同じでも、まったく赤みは感じられません。なお、紅旗はてっきり五星紅旗にちなむ、つまりあのお国の産だろうと思った爺さんはまるで的外れでした。意地悪な名前です。
母種はタマアジサイを名乗るくらい系統的に近縁で、そのため、ふつうのアジサイ類に比べると紅旗の花も遅いのでした。真夏のアジサイ、異風です。

過去のきょう 2022 ユウギリソウ 2021 カッコウソウ 2020 キンマ 2019 ヒメスイレン 2018 イヌエンジュ 2017 ツタ(ナツヅタ) 2016 ウメモドキ 2015 ギンヨウアカシア 2014 クサソテツ 2013 ミカイドウ 2012 ネジバナ 2011 アルカネット 2010 アメリカホド(アメリカホドイモ、アピオス) 2009 ギンパイソウ 2008 アオヤギソウ 2007 ソクズ 2006 ウマノスズクサ 2005 コガマ 2004 オオニシキソウとコニシキソウ

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7月27日(木) サンショウモ

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たぶんこれが「オオ」ではないサンショウモです。ただ、オオサンショウモは鑑定書付きの水槽で撮影したのに比べ、こちらは血統にやや不安があります。
お洒落な花屋さんで「サルビニア」として売られていました。しかし、Salvinia(サンショウモ科サンショウモ属)には世界で10種以上の構成員がいて、学名不明のこれをサンショウモ(S. natans)と言い切るにはかなり腰が引けます。
もちろん、S. natansの資料画像は複数確認したし、葉一枚のサイズもオオサンショウモより一回りほど小さいので、これを暫定・サンショウモとしておきます。

<補注> ナンゴクサンショウモを収録しました。(2023年8月14日

過去のきょう 2022 カワイスギ 2021 トックリアブラギリ(サンゴアブラギリ) 2020 バンジロウ 2019 エビヅル 2018 ミズカンナ 2017 ウマノスズクサ 2016 アオイゴケ 2015 ルイヨウボタン 2014 キンカン 2013 スパティフィラム 2012 ハナカイドウ 2011 ムクゲ 2010 アズキ 2009 ギンバイソウ 2008 カリブラコア 2007 トウモロコシ 2006 オグルマ 2005 ゲッキツ(シルクジャスミン) 2004 タカノハススキ

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7月26日(水) クリプトステギア・マダガスカリエンシス

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5枚の裂片がスクリューのように捩れていて、これはキョウチクトウ科のメンバーである印です。ただその花びらは少し肉厚だし、葉もずいぶん違う雰囲気です。
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クリプトステギアという属には初めて出会いました。オオバナアサガオ属という身も蓋もない和名があてがわれていて、実際、この属のなかにはそのオオバナアサガオを名乗る仲間(Cryptostegia grandiflora=未収録)がいます。
しかし幸いにこちらのC. madagascariensisはその被害(笑)を受けず、目下は学名で呼ぶしかありません。さてこの18文字をスラッと言えるようになるのが先か、気の利いた和名がつけられるのが先か、炎天下の悩みごとです。

過去のきょう 2022 コモウセンゴケ 2021 バンドーム(オリエンタルユリ) 2020 ヘリアンフォラ 2019 ウバユリ 2018 カキノキ(枝垂れ柿) 2017 フユイチゴ 2016 ツタウルシ 2015 コバノギンバイカ 2014 ツチアケビ 2013 ミズナラ 2012 コミカンソウ 2011 アレチマツヨイグサ 2010 シカクヒマワリ 2009 ルドベキア・ニチダ 2008 クララ 2007 ルリタマアザミ 2006 セリ 2005 コンロンカ 2004 カクレミノ

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7月25日(火) レックスベゴニア・エキゾチック・ペリドット

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葉裏の赤さを確認しているお手々がとても間抜けです。このレックスベゴニアは葉表のくすんだ緑みが見どころでした。葉を裏返す必要……ありません。
園芸種名がエキゾチック・ペリドット、つまり「風変わりな橄攬石」です。うーむ、「かんらんせき」と言われてもなぁ~と検索したら、渋い緑灰色の石が並びました。橄攬はオリーブのことだそうで、まったく聞いたこともない呼び方です。
Peridotねえ、橄攬ねえ、たった一つのベゴニアによって新知識が二つも増えてしまいました。増えてもたいして役に立たんだろう?とは言わないでおきます。

<既収録のレックスベゴニア・収録順>シースプライト ☆ ワイルドファイアー ☆ シーサーペント ☆ エスカルゴ ☆ タイヨウベゴニア

過去のきょう 2022 セイヨウサンシュユ 2021 テキサスセージ(レウコフィルム) 2020 クロツグ 2019 ナギ 2018 ヤブマオとメヤブマオ 2017 カノコユリ 2016 ナタマメ 2015 ハエドクソウ 2014 ヨコグラノキ 2013 ホウキモロコシ 2012 シャシャンボ 2011 ニワウルシ(シンジュ) 2010 キバナミソハギ 2009 フサザクラ 2008 マツブサ 2007 オニユリ 2006 オトギリソウ 2005 ヒレハリソウ(コンフリー) 2004 ブルーファンフラワー(スカエボラ)

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7月24日(月) レモンティーツリー(レプトスペルムム・ペテルソニイ)

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早くも実が目立ち始めたレモンティーツリーです。花托のトップ面が平らで、その真ん中に雌シベが残るこの姿からは、キャンドルツリーと改称したくなります。
白い花が満開になったらきれいだろうと期待したのに、桜のように一斉に咲くタイプではないし、花びらはわりと儚く散っていきます。開花確認記事からちょうど1カ月後の結実レポートとなったものの、半月前からもうこんな状態でした。
たしかに志木界隈ではレアもので目立ちはするものの、お庭の植栽として勧奨するかと言うと、うーむむ、よほど「お好き」な人向けではありましょうねえ。

<補注> 炎暑への耐性が証明されました。あのカ国だった夏を越したのに、葉も実も無傷、まったく無問題です。
植わっているスペースはもちろん土でも、その脇はコンクリート舗装されているし、カーポートの屋根から照り返しもあるので、それほど良好な環境ではないことを考えると、夏越し性能はかなり優秀です。(撮影:2023年10月3日)
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過去のきょう 2022 オオボウシバナ 2021 ルリトウワタ(オキシペタルム) 2020 サスマタモウセンゴケ 2019 ラシャカキグサ 2018 タイワンウリノキ(シナウリノキ) 2017 タマアジサイ 2016 ガマズミ 2015 ヤノネボンテンカ(タカサゴフヨウ) 2014 オニユリ 2013 ナンキンハゼ 2012 キリンソウ 2011 シオデ 2010 ショクダイオオコンニャク 2009 コクサギ 2008 ホテイアオイ 2007 ソバナ 2006 ツキヌキニンドウ 2005 ニワウメ 2004 ルリヤナギ

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7月23日(日) リンゴバショウ

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見るからにバショウ属なので、名前の後半(芭蕉)は納得です。問題は前半のリンゴで、自分にはこのピンク色物体(苞)は桃にしか見えません。ほかに林檎を想起するパーツがどこかに隠れていないか見回しても???です。
原産地のインドやミャンマー、バングラデシュを含め、諸外国ではどう呼ばれているか調べても、Roseやrosa、あるいは蓮とか紫という単語は出てきてもリンゴは見つけられません。日本の名付け親さんの感性なのでしょう。
観賞用とするほか、葉をお皿にしたり、雄花の蕾を食べたり、薬用にもするそうで、お役立ち度満点です。どこかで露地栽培を見られないか、期待大です。

過去のきょう 2022 カギカズラ 2021 アアソウカイ(パキポディウム・ゲアイー) 2020 セイヨウニンジンボク 2019 キダチタバコ 2018 ウスベニタチアオイ(ビロードアオイ、マーシュマロウ) 2017 デンジソウ 2016 キジョラン 2015 コマクサ 2014 マンリョウ 2013 シロギキョウ 2012 コマツナギ 2011 ガクアジサイ 2010 オオアワダチソウ 2009 エゴノキ 2008 クリ 2007 ミョウガ 2006 キヌタソウ 2005 ヒヨドリジョウゴ 2004 タブノキ

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7月22日(土) ヘーベ

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宝くじのような木です。この暑さが終わり、風を冷たく感じるころ、いったいどんな葉色を見せてくれるのか、まるで正体を知らずに連れ帰りました。
値札にもヘーベとしかなくて、枝にはすでに実がついていて、来年の梅雨前に咲くであろう花の色さえわかりません。すべては「見てのお楽しみ」です。
かつてはヘーベ(Hebe)という属に分類されていたので、それが流通名として残っています。ちなみにいまはクワガタソウ属(Veronica)とされています。
性質もよく知らず、「おや、知らない木がある」と買い込みました。とりあえずここまでは順調に根張りもしたようで、「ヘーベは暑さでヘーバりました」なんていう親父ギャグで泣かないようにこの夏を越してくれることを祈っています。

過去のきょう 2022 ベニコウホネ 2021 ハナアロエ(ブルビネ) 2020 アデニウム・オベスム・ドワーフ(砂漠のバラ) 2019 マムシグサ 2018 ベニヒ 2017 イヌエンジュ 2016 エノキウツギ(ウオトリギ) 2015 カシワ 2014 メタカラコウ 2013 センジュラン 2012 キクイモモドキ(八重) 2011 ホシオモト(パイナップルリリー) 2010 ヒメヤブラン 2009 イヌヌマトラノオ 2008 オオダイコンソウ 2007 ヤブカラシ 2006 クリナム・パウエリー 2005 イヌゴマ 2004 ノブドウ

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7月21日(金) ササゲ(ジュウロクササゲ)

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この棚のオーナー&そのお友達と豆談義に及びました。オーナー曰く「アタシ、ササゲは好きじゃない」、お友達「そうそう」、インゲンに比べると、このごろは人気が一段劣るとされるササゲです。育てている人が言うのだから間違いありません。
こんなに立派に実をぶら下げているササゲが不憫です。豆を赤飯に使うには莢を枯らして豆を剥き出すのが面倒、緑の莢を料理しても味がつまらない…女性陣の言いぐさはボロカスです。「あなた、好きなの? 持ってって」、ゴチです。
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俗にササゲ(大角豆)とは言っても種類があり、本来のササゲ(Vigna unguiculata var. unguiculata)はもう少し莢が短いようです。対して写真のものはジュウロクササゲ(十六大角豆 : V. unguiculata var. sesquipedalis)で、豆が16個並ぶのでこの名前だと言います。もっとも、地方によっては十八ササゲとも三尺ササゲ、あるいは単に長ササゲとも言うので、豆数や莢の長さは気分次第のようです。
2枚目写真左上がササゲの語源(の一つ)である莢のでき始めです。両の手を差しのべたようで、「捧げ」ている姿に見えます。
船弁のなかで急速に生長する豆は、花弁や雄シベを道連れにしてグングンと寸法をのばします。花茎には恐竜が口を開けたような萼が残るので、ササゲもお豆類のパターンである上位子房タイプと確認できました。

過去のきょう 2022 オオバアサガラ 2021 ニシキモクレン 2020 ナンヨウザクラ 2019 コフジウツギ 2018 ミシマサイコ 2017 ワレモコウ 2016 タマザキクサフジ(ツルレンゲ、クラウンベッチ) 2015 マルバアサガオ 2014 オガタマノキ 2013 センコウハナビ(ハマエンサス、ハマエンサス・ムルティフロールス) 2012 ノウゼンカズラ 2011 サンタンカ(イクソラ・シネンシス) 2010 ジャノヒゲ 2009 エンジュ 2008 チングルマ 2007 ツボサンゴ・パレスパープル 2006 シロネ 2005 ハナヅルソウ 2004 アカメガシワ

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7月20日(木) ミチノクナシ

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先週取り上げたマメナシの実は寸法があれでほぼ打ち止めだったのに比べると、こちらミチノクナシはまだここからサイズアップの余地を大きく残しています。同じPyrus(ナシ属)と言っても、ずいぶんと不公平があるものです。
おととし、その「可食サイズ」の実を囓ってみたのはもう秋も終わりのころでした。やや残念な味見結果だったので、今年は「いいねぇ」と微笑みたいものです。
ただ、いまならこうして手元に垂れた枝があるくせに、あのときはそんな優しい配慮はこの木になかったはずです。となれば、あとは落ちたばかりの実を拾える幸運狙いしかありません。脳天直撃だけはやめてもらって、ドスッと一発お願いします。

過去のきょう 2022 ユウスゲ 2021 ニゲラ(クロタネソウ) 2020 ブラッシア(スパイダーオーキッド) 2019 イセハナビ 2018 ツルアジサイ 2017 キリ 2016 チャボガヤ 2015 アオギリ 2014 ヤマシャクヤク 2013 ムラサキシキブ 2012 フシグロセンノウ 2011 キダチルリソウ(ヘリオトロープ) 2010 クヌギ 2009 スジギボウシ 2008 ゴウソ 2007 シダルケア 2006 ナンキンマメ(ラッカセイ) 2005 セイヨウハッカ 2004 サツマイモ

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7月19日(水) マイアンテムム・ステッラツム

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手鞠のような実が剽軽で、しかしジトッと見ると実ごとにその条数が違っていて、わりと融通のきく体質と見受けられます。その融通が効き過ぎたのか、同属のユキザサの実ならほんのり甘い液果なのに、こちらにはそういう楽しみがなさそうです。
春のうちに出会っていれば、ユキザサに似た純白の花を見られたはずです。ただなにせ北米産で、日本には数が出回っておらず、まだまだ珍品です。
そのせいか、旧属名のスミラキナ(Smilacina)も呼び名として残っていて、いまの名前(Maianthemum)も十分覚えにくいのに、ややこしいことです。どんどん普及して、安直にアメリカユキザサ(注)とか呼ぶ向きが増えないかと願ってしまいます。

<補注> 英語圏の通称はいくつか(いくつも)あっても、みなヒネリすぎで日本には馴染みそうにありません。まったくの素人発想ながら、アメリカユキザサという植物はほかに見当たらないようだし、いい思いつきみたいな気がしています。

過去のきょう 2022 タイワンコマツナギ 2021 ゼノビア・プルベルレンタ(スズランノキ) 2020 オオバヤドリノボタン(メディニラ・マグニフィカ) 2019 アオギリ 2018 ウワバミソウ 2017 トモエソウ 2016 アカバナルリハコベ 2015 ジュウモンジシダ 2014 ヒペリクム・ヒドコート 2013 アマチャヅル(雄花) 2012 ボタンクサギ 2011 ヨロイグサ 2010 チチコグサ 2009 メハジキ 2008 オオツヅラフジ 2007 チゴザサ 2006 ベニクロバナキハギ(ヤクシマハギ) 2005 コバギボウシ(斑入り種) 2004 ヒメヒオウギズイセンとミズヒキ

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7月18日(火) ヤクシマアジサイ

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両性花に差しのべた拙の指と比べると、かなりコンパクトサイズの灌木であることがわかります。枝の広がり方も散漫で、つかみどころがありません。
花のつくりからしてアジサイではあろうと思えても、葉がかなりの異形です。屋久島を中心に琉球列島に分布し、ヤクシマアジサイと呼ばれます。
学名から解すると、ヤクシマアジサイ(Hydrangea kawagoeana var. grosseserrata)はトカラアジサイ(H. kawagoeana・未収録)の変種で、両種は葉幅が違います。細く連なる吐噶喇列島に産する方がゆったりと丸く、丸い形の屋久島を名乗るこのアジサイの葉が非常に細長くて尖っていることに、ついニヤリとしてしまいます。

過去のきょう 2022 カサブランカ 2021 ルリアザミ(ムラサキルーシャン、ケントラテルム) 2020 オミナエシ 2019 ルイヨウボタン 2018 カヤ 2017 カジノキ 2016 イヌカラマツ 2015 イヌザクラ 2014 タイマツバナ 2013 ウワミズザクラ 2012 スズカケソウ 2011 ニンジンボク 2010 ゴボウ 2009 マツカゼソウ 2008 アオツヅラフジ 2007 シオデ 2006 ノハナショウブ 2005 サトイモ 2004 ジュズダマ

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7月17日(月) テンニンギク

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やれやれ、お待たせしましたね、オオテンニンギクさん。お仲間のテンニンギクをこうして収録するのに、干支がひと回りしてまだ足りませんでした。
いやはや、聞きしに勝る紛らわしさです。草姿やら花やら、ふつうに見る限り、違いに気づく人は少ないでしょう。売られていた棚の札には「ガイラルディア」とあって、間違いではないけれどズル(属名なのでどちらにも使用可)です。
ただ、その札に「一年草」とあったのが購入の決め手でした。オオテンニンギク=多年草、テンニンギク=一年草、けっこう大切なポイントなのです。
そして、手元で愛でてみると、たしかに花後の花托が半球形でした。つまり、それがまん丸のオオテンニンギクとの明らかな相違点を示してくれています。
もっとも、難点は花色が夏向きではないことです。連れてきて二度目の花盛りを迎えたので、当家の最優先展示スペースに並べたのに、環境大臣には「暑苦しい」と一喝されてしまいました。へいへい、涼しくなってもたぶん元気に咲いてくれるはずなので、その日まで楽屋で養生を続けることにいたします。

過去のきょう 2022 オキシデンドルム・アーボレウム(スズランノキ) 2021 トウキョウチクトウ 2020 ピンポンノキ 2019 サンゴジュ 2018 ナガバハエドクソウ 2017 オオバギボウシ 2016 シソ(アカジソ、アオジソ) 2015 ヒエンソウ 2014 サワグルミ 2013 ミソハギ 2012 コンロンカ 2011 エンビセンノウ 2010 ヤナギハナガサ 2009 マサキ 2008 ヤナギラン 2007 チダケサシ 2006 トモエソウ 2005 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2004 ヤブツバキ

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7月16日(日) ウィローオーク

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枝振りがなんとなくヘロヘロしていて、ウィロー(柳)と言われるとそうかなと思わないでもありません。葉も、細くて薄くて頼りなげです。
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しかし、全体像はデカくて濃密なのです。こうして眺めれば、これはオーク(樫)でしかありません。枝にはドングリだってちゃんとついていました。
アメリカの南部と東部に産し、フロリダにはそのままウィローオークを名乗る町があります。緑陰樹として愛され、木材にも活用されるので、誇らしい名なのでしょう。

<補注> ヤナギガシやヤナギバナラという和名も認められるものの、国内でそうそう目にする木でもないので、覚える必要はなさそうです。

過去のきょう 2022 コウヤカミツレ 2021 コチョウラン 2020 パキポディウム・エブレネウム 2019 イタリアンパセリ 2018 テンダイウヤク 2017 ウバメガシ 2016 トウジュロ 2015 クリ 2014 シモツケソウ 2013 アオギリ 2012 ワラビ 2011 ヒトツバカエデ 2010 ヒマラヤヤマボウシ 2009 ヤブマオ 2008 モクゲンジ 2007 セイヨウフウチョウソウ(クレオメ) 2006 アサザ 2005 ヒメヒオウギズイセン 2004 リアトリス

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7月15日(土) アナケイリウム・ラジアツム

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南米の森林に育つ着生ランです。このAnacheiliumという属は、もともとはエピデンドラムに分類されていたので、上向きに咲く花の性質が似ています。
ただ、エピデンドラムからすぐいまの属に移行したのではなく、途中でエンシクリア属とされています。どこがどう違ってそんな事態になるのか、深い世界です。
アナケイリウム属の特徴は強い香りを持つことだと、撮影後の調べで知りました。無念なことに、まるで接写したみたいに撮れてはいてもかなりの距離から望遠を使っていて、そんな香りにはまったく気づきませんでした。
日本の参考ページには「独特」とか「強い」とか、抽象的な表現しか見つからなかったものの、海外ページにはルートビアという喩えがありました。涼しげであろうその香りを、夏のうちに心ゆくまで吸い込んでみたいものです。

過去のきょう 2022 ネッタイスズラン 2021 グレビレア・プーリンダスプレンダー 2020 マダガスカルジャスミン 2019 アオカズラ 2018 オウゴンオニユリ 2017 斑入りバナナ(ムサ・アエアエ) 2016 アレチハナガサ 2015 バイカモ(ミシマバイカモ) 2014 キンシバイ 2013 ホウキモロコシ 2012 ワイヤープランツ 2011 コエンドロ(コリアンダー) 2010 アーティチョーク(チョウセンアザミ) 2009 イヌビワ 2008 ムラサキバレンギク 2007 イチジク 2006 ヒマワリ 2005 アキノエノコログサ 2004 ユリ(品種不詳・カノコユリ系)

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7月14日(金) グネモンノキ

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グネツム科のGnetum gnemon、標準和名はグネモンノキです。あるいは「ノキ」なしのグネモン(種小名のまま)でも通用しています。一方、グネツムと属名で呼ぶケースは多くても、この属にはまだ仲間がいるので、それは避けるべきと感じます。
東南アジアに分布し、果実を煮たり焼いたり揚げたり、あるいは若葉や花を野菜的に使うなど、現地ではなかなかお役立ち(注)の資源です。
さて問題は今回見たこの木がその魅力的な実をつけ、赤く熟してくれるかです。基本は雌雄異株だそうで、写真右手の姿を見る限り、これは雄株に見えます。
いやいや、近くに雌株があるかもしれないし、雄株にも胚珠(裸子植物)ができることがあるとも言うし、気長に行く末を楽しむといたしましょう。

<補注> 樹皮から採る繊維は釣り糸や漁網、あるいは弓弦として利用され、そこからユミヅルノキという別名まで持っています。

過去のきょう 2022 ミゾカクシ 2021 カサブランカ 2020 ムラサキバレンギク 2019 オオグルマ 2018 ランダイスギ 2017 ユクノキ 2016 セイヨウヤブイチゴ(ブラックベリー) 2015 ユリノキ 2014 シマススキ 2013 クロモジ 2012 トチバニンジン 2011 ノウゼンカズラ 2010 ベニバスモモ(ベニスモモ) 2009 ミヤギノハギ 2008 ジュンサイ 2007 チョウセンシラベ・シルバーロック 2006 カランコエ 2005 マルバマンネングサ 2004 ホテイアオイ

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7月13日(木) コチレドン・福娘

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花茎がグイーンとのびたと思ったら、その先は蕾で賑やかでした。その後1週間ほど気を持たせたあと、1日1個くらいのペースで開き始めました。
カールした花びらが女の子の髪型みたいという解説があっても、そこまでの連想力は持ち合わせません。もっとも、単純に眺めただけで十分な可愛らしさです。
福娘という流通名は、たぶん髪型云々ではなく葉の美しさ由来でしょう。真っ白の瓜実顔の唇にキリッと紅を引いたようで、博多人形を思わせます。
先行して収録したコチレドンに熊童子があって、ふっくらした葉の厚みが共通です。ただ、肌合いはまったく違っていて、どうやらコチレドンの世界も深そうです。

過去のきょう 2022 アメリカシモツケ 2021 シダレケヤキ 2020 オマツリライトノキ 2019 ホソバイヌビワ 2018 アマ 2017 コシロノセンダングサ 2016 ホタルイ 2015 ハラン 2014 アオジクユズリハ(イヌユズリハ) 2013 ハス(古代蓮) 2012 シマトネリコ 2011 ハナハッカ(オレガノ) 2010 タマゴタケ 2009 タカトウダイ 2008 チョウセンニンジン(オタネニンジン) 2007 セイヨウニンジンボク 2006 ヒエンソウ 2005 ヘメロカリス 2004 ヘクソカズラ

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7月12日(水) マメナシ

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マメナシは東海丘陵要素の植物だそうで、去年得た新知識の強化に役立ちます。東南アジア以外は日本の東海地方にだけ分布しています。
豆と形容されるくらいで、この実はいくら待ってもふつうの梨みたいにはならず、この寸法で行き止まりです。かつ、味は渋くて、イヌナシの別名があります。
三重県には囓って失望した人が多いのか(笑)、その別名の方が通っていて、いくつかの「イヌナシ自生地」が天然記念物指定されています。

<追録> 秋になり、葉はさびしくなった代わりに冬芽ができていました。そして、本当に実のサイズは「行き止まり」でした。(撮影:2023年10月23日)
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過去のきょう 2022 ルリタマアザミ 2021 ピペル・シルバチクム 2020 トビシマカンゾウとゼンテイカ(ニッコウキスゲ) 2019 ハリガネワラビ 2018 ヘツカニガキ 2017 アカガシワ 2016 ナワシロイチゴ 2015 アカメガシワ 2014 ペンステモン 2013 ハナゾノツクバネウツギ 2012 ハンゲショウ 2011 ヘラノキ 2010 ネジバナ 2009 ムラサキクンシラン(アガパンサス) 2008 キブシ 2007 ヘリアンサス・アトロルベンス 2006 カラスビシャク 2005 ヤブミョウガ 2004 アメリカフヨウ

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7月11日(火) ハナスゲ

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知母と書いてチモ、生薬名です。その薬効を持つのは花でも葉でもなく、残念ながら土のなかです。参考ページを拝見すると、なるほど曰くありげな姿です。
平安時代の書物に名前が見られても、日本での栽培は江戸期からだそうで、つまり500年もの間、中国からの高級輸入薬品だったのでしょう。
したがって、この草本を知母と呼ぶ余地はあっても、標準和名はハナスゲです。あえて花を名乗るほどの花でもないし、知母に比べれば含蓄のない名前だのぉ…と嘯いても、漢名・知母の謂われを知らないので、生意気は言えません。

<補注> ハナスゲの「スゲ」の方も困ったネーミングで、どうも「スゲ」というスゲはないような気がします。さらに、スゲ類を○○スゲと呼ぶケースは多くても、ゴウソとかタヌキランとか、独創的名前も多く、いったいなにをスゲと考えるべきか…。
そのスゲ類(Carex・スゲ属)、世界に2,000種、日本だけでも200種ある(Wiki)そうで、このブログにはまだ16種しか収録していないことに改めて焦りを感じます。
なお、ハナスゲはキジカクシ科ハナスゲ属、スゲ類はカヤツリグサ科スゲ属であり、分類的に見れば両者はほとんど縁もゆかりもありません。

過去のきょう 2022 アメイシャ 2021 エノキ 2020 ハイビスカス(ブッソウゲ) 2019 ツガ 2018 シナノアキギリ 2017 ノカラマツ 2016 マヤラン 2015 キソウテンガイ(サバクオモト、ウェルウィッチア) 2014 ムクゲ(白花笠) 2013 カラムシ(雄花) 2012 スモモ 2011 クサスギカズラ 2010 ギンバイソウ 2009 コバギボウシ 2008 イランイランノキ 2007 ラムズイヤー 2006 ゴシキドクダミ 2005 アガパンサス 2004 カラスウリ

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7月10日(月) ハナエンジュ

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エンジュの名を借りてはいても、そこはやはり属違いです。花の季節から1カ月半が巡り、できていたのはプクプク豆ではなく、かなり枝豆タイプでした。
ならば同属とはどうかと言うと、ハリエンジュの豆は粒がやや小さく、数で勝負の気味があるのに対し、ハナエンジュの粒数は本当に枝豆的です。ただし、この属の豆には毒性があるはずなので、いくら似ているからと言って、口には入れません。
もっとも、こうして手の届く高さにぶら下がられると、熟したらひと莢いただいて、実生を試したくなります。誰か近所であの優しげなピンクの花に惚れてくれる人がいないか、いまから里親を探しておくことにしましょう。

過去のきょう 2022 タンジン 2021 クローバー・ティントヴェール 2020 ニンニク 2019 オオフサモ 2018 ヒイラギ 2017 セイヨウリンゴ 2016 シキザキホソバアカシア 2015 アデニウム・アラビカム(砂漠のバラ) 2014 アンゲロニア 2013 ナンテン 2012 クマツヅラ 2011 ノムラカエデ 2010 ヤハズアジサイ 2009 アブラチャン 2008 カラスビシャク 2007 カラタチバナ 2006 タイマツバナ 2005 サルスベリ 2004 メマツヨイグサ

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7月9日(日) ゲッカコウ(チューベローズ、オランダズイセン)

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やったね、忠兵衛! 花茎が2本立ち上がり、うち1本には蕾が見えます。
去年の記録に書いたように、地上部が枯れたあと、球根を掘り上げました。大きめの鶏卵サイズが2個、小さな子球が5~6個、状態はとても健全でした。
ネットに入れ、風通しのいい場所で冬を過ごし、新しい用土に植え付けたのが4月4日です。丸3カ月葉っぱだけで、また不発?と心配した途端の朗報でした。
去年の購入時と比べ、球根は目に見えるほど生長したとは思えなかったのに、サイズだけではない、内容の充実があったのでしょう。もどかしかった1年は決して無駄ではありませんでした、さあ、あとは咲く(注)だけ、忠兵衛、待ってるぜぃ!!

<補注> どうにかこうにか、花は咲き始めたものの…(2023年8月12日

過去のきょう 2022 ギンヨウジュ(レウカデンドロン) 2021 ハシバミ 2020 リョウブ 2019 ダイダイ 2018 ヒゴタイ 2017 クマツヅラ 2016 ヤブニンジン 2015 ハマボッス 2014 アカガシ 2013 カラスビシャク 2012 ザクロ 2011 ラブパット(ギボウシ) 2010 タイトゴメ 2009 ニガウリ 2008 オオハンゲ 2007 グリーンローズ 2006 カラジューム 2005 ナンキンハゼ 2004 タイサンボク

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7月8日(土) セイナンツクバネウツギ

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株が密で屈強です。どこがどう違うと説明しにくいほど、それぞれのパーツはふつうのツクバネウツギと変わらないのに、全体が濃くてクッキリなのです。
うーん、これがあの国の力か…というのはこじつけでも、中国西南部と言えばあの三蔵法師さんが難儀して歩いた高地(かつ荒地)でしょうから、そこで生きられるだけでも半端なく丈夫なはずです。エネルギー、満ち満ちです。
日本のヌルーイ環境で穏やかに暮らすツクバネウツギとか、そこらの公園でヌクヌク育つハナゾノツクバネウツギ(アベリア)とは、同属とは言えども根本的な生命力が違うように見えてしまって、ああ、ぬるま湯ニッポン、どこへ行く!

過去のきょう 2022 レックスベゴニア・エスカルゴ 2021 スターチス(リモニウム) 2020 キンコウカ 2019 パプリカ 2018 アオキ(斑入りいろいろ) 2017 アメリカキササゲ 2016 ハマクサギ 2015 キンギンボク(ヒョウタンボク) 2014 アカバナシモツケソウ 2013 アメリカハナノキ 2012 ムラサキクンシラン(アガパンサス) 2011 イヌリンゴ 2010 ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ) 2009 ヤブコウジ 2008 サンシュユ 2007 トリアシショウマ 2006 キュウリ 2005 トウネズミモチ 2004 ビヨウヤナギ

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番外編 : DQN雲

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空にもドキュンな奴っているのでした。なにかの恐ろしい予兆かと心配したのに、前後数日なにもなし…。ただの迷惑なおバカ雲でした。(撮影:2023年7月7日・夕方6時)

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7月7日(金) ハナヤナギ(クフェア・ミクロペタラ)

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これが本家のハナヤナギでした。この冬、温室で見つけたメキシコハナヤナギをずいぶんと酷評したので、早めに収録したかった「標準タイプ」です。
まずは花が目立って大きくて、これなら「花」柳を名乗ってもOKでしょう。葉も、メキシコ版よりはずっと豊かで、柳の名を借りる資格は十分そうです。
ただ、大きな花とは言ってもその長い筒部分は萼です。「萼じゃダメか?」と言われると困っても、その先端部でショボショボしているシベがいかにもクフェアです。
なお、小さな株の根もとが木質であることに気づきやすいメキシコ版に対し、こちらの高く立ち上がった茎はいかにも草本です。自分はてっきり草本と思い込み、根もと確認を怠ったものの、多年草と分類する以外に低木とする見解もあります。

過去のきょう 2022 セイヨウハシバミ 2021 ビヨウヤナギ 2020 マタタビ 2019 イヌリンゴ(ヒメリンゴ) 2018 キツリフネ 2017 ベゴニア・ドレゲイ 2016 ハルパゴフィツム(ライオン殺し、悪魔の爪) 2015 スナビキソウ 2014 ザイフリボク(とジューンベリー) 2013 アマドコロ 2012 ゴマキ 2011 ヤマユリ 2010 タケニグサ 2009 トモエソウ 2008 サルビア・インディゴスパイア(ラベンダーセージ) 2007 シャシャンボ 2006 ナス 2005 チヂミザサ 2004 シャグマユリ

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7月6日(木) イワヒゲ

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風当たりの強い岩場の裂け目などに張り付くように生える(wiki引用)という高山植物なのに、お気楽に保護栽培品をパシャリ…若干のやましさを感じます。
ただ、これだけかわいいので園芸種も出回っていて、亜熱帯・日本に適合させたそんな品種ではなく、「本物」を写せたことを喜んでおきましょう。冬もこのヒゲ(茎葉)は雪の下で生き残り、雪が解けた初夏、一斉に花開くと言います。
属名のカシオペ(Cassiope)はあのカシオペヤ座に通じていて、苦労して登った山の上でこの花を見つけたら、きっとあの北天の星座を思うのでしょう。

過去のきょう 2022 アメリカハンゲショウ 2021 ガルビネア 2020 ツタバキリカズラ 2019 ダリア(炎球) 2018 イヌガヤ 2017 ソテツ(雄株) 2016 カヤ 2015 ウメ 2014 バイケイソウ 2013 サルナシ 2012 サフィニア 2011 カジカエデ(オニモミジ) 2010 イワガラミ 2009 ノカンゾウ 2008 ボッグセージ(サルビア・ウリギノサ) 2007 ハクロバイ 2006 ヤマモモ 2005 リョウブ 2004 モミジアオイ

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7月5日(水) オカタイトゴメ

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マンネングサ類はなかなか見分けにくく、調べに手間取っているうちに花が満開の時期を失してしまいました。上の一枚は先月17日の撮影です。
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そしてこちらがご近影です。多くの花は星型の実に変わっています。この星のなかに種が入っているらしくても、採取する気がないのでスルーです。
問題は右側画像で、白四角で囲った葉は切断面を確認しています。ここが半月形なので、オカタイトゴメであることに一歩近づきました。
そして白丸でマークしたのは葉の先端です。ここに微細なツブツブがあるのがオカタイト、これがないとメノマンネングサ(未収録)だそうで、ミクロの世界です。
あとは状況証拠があって、ふつうのタイトゴメは潮気が好きなのに対し、オカは市街地を好みます。この株も去年近所の空き地で拾い上げて年越しさせました。

<既収録のSedum=マンネングサ属・和名50音順>オウシュウマンネングサ(ヨーロッパタイトゴメ) ☆ オオバマルバマンネングサ ☆ コモチマンネングサ ☆ タイトゴメ ☆ タマツヅリ(セダム・モルガニアヌム) ☆ ツルマンネングサ ☆ マルバマンネングサ ☆ ムコジママンネングサ ☆ メキシコマンネングサ

過去のきょう 2022 ククイノキ 2021 ゴレンシ(スターフルーツ) 2020 ソランドラ・マキシマ・ワリモー 2019 ヤクシマオナガカエデ 2018 カリブラコア・ティペットダブル 2017 ゴマノハグサ 2016 リュウビンタイ 2015 タコノアシ 2014 タラノキ 2013 トチバニンジン 2012 イワガラミ 2011 ノハナショウブ 2010 ビジョザクラ(バーベナ) 2009 オオバギボウシ 2008 ケショウサルビア(ブルーサルビア) 2007 リシマキア・プンクタータ 2006 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2005 ノブドウ 2004 アサガオ

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7月4日(火) バイカアマチャ

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胸丈ほどの大きな茂みに白い花がきれいでした。その花が2種類で、アジサイ科らしい装飾花は愛想がなく白々しているのに、ふつうのアジサイとは逆で両性花が大きな顔をしています。黄色い葯が派手だし、その中心の雌シベも立派です。
その両性花を梅の花にたとえ、茂みをアジサイではなくアマチャと見た名前です。たしかに葉の形や広がり方がアジサイよりはアマチャに近く感じます。もっとも、この葉でも甘茶ができるという記述は見つかりません。
西日本テリトリーの木で、埼玉近辺の徘徊では見ることがありませんでした。

過去のきょう 2022 コレオプシス・ソランナ 2021 カレープラント 2020 ヒメイワダレソウ 2019 ヤマミズ 2018 レザーウッド(キリラ・ラセミフローラ) 2017 ヨーロッパキイチゴ(ラズベリー) 2016 ネグンドカエデ・エレガンス 2015 リョウブ 2014 ヒメアガパンサス(トリテレイア) 2013 クチナシ 2012 ナギナタソウ 2011 ニワフジ 2010 アカメガシワ 2009 クサフジ 2008 キミノニワトコ 2007 ヒツジグサ 2006 コンボルブルス 2005 ワルナスビ 2004 メタセコイア

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7月3日(月) ベゴニア・ボウエラエ

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英名はアイラッシュ・ベゴニアだそうで、はいはい、爺さんも納得です。あるいはタイガー・ベゴニアという呼び名もポピュラーで、こちらも了解です。
このボウエラエ(bowerae)を母種に多くの園芸種が作られていて、しかし案外にオリジナルは流通していないようで、けっこう貴重な出会いをしました。
写真下部中央で葉を1枚だけ裏返してみました。きれいな赤色がシュウカイドウ(B. grandis)と同じで、これがベゴニア属の基本特質とわかります。

<補注> ベゴニアの分類としては根茎性グループになります。なお、レックスベゴニア類も根茎性ではあっても、根茎性グループはそれより広義概念と考えています。

過去のきょう 2022 ラバンジン・ラベンダー 2021 シラカンバ 2020 コバノランタナ 2019 ヤブデマリ 2018 キツネノボタン 2017 ナガバハエドクソウ 2016 カレープラント 2015 シデシャジン 2014 ヨコグラノキ 2013 エゾミソハギ 2012 アマチャ 2011 シロザ 2010 ストケシア(ルリギク) 2009 タマザキクサフジ(ツルレンゲ、クラウンベッチ) 2008 ウツボグサ 2007 イタチハギ 2006 オカトラノオ 2005 ボタンクサギ 2004 ユズリハ

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番外編 : 水無月モドキ

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夏越祓(なごしのはらえ)には数日遅れてしまったものの、その日に食すべき水無月…らしきものを自作してみました。バナナサンド以来4年ぶりの新作です。
外郎(ういろう)であるべきベースは愛玉子(オーギョーチ)でヒンヤリ冷菓です。そして上に載せたのは小豆ならぬ丹波黒豆、北野エースで近ごろ評判の「丹波黒」です。見た目は甘納豆なのに、そこまで甘くはなく、じつに上品味です。
一発勝負の実作をしてみての反省は、愛玉子と丹波黒の馴染みが良くなかったことです。丹波黒を載せるタイミングをもう少し早く、少し沈むくらいにすべきでした。しかし、馴染み不足を補うためにかけた蜂蜜がけっこうアタリ…結果オーライでした。

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7月2日(日) キササゲ

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ふつうに言えば「なんか汚い」画像でも、自分にとってはお宝です。キササゲが花から実に移行する、その絶妙のタイミングに遭遇することができました。
以前取り上げた花の写真にも、じつは実が写っていました。しかしそれは前年の実で、枯れっ枯れの茶色でした。対するに今回は赤ちゃんから大学生レベルまで、長短さまざまな寸法の新鮮な莢が見放題でした。
写真の上部に見える幼い実がわかりやすくて、花の残骸は莢の先端にへばりついています。萼は莢の付け根側にあり、上位子房タイプと確認できます。
それは秋に撮った実の写真でもわかっていたことなのに、こうして念押しの様子をジトッと眺めて、ほのぼの微笑んでいるのだから天下太平です。

<補注1> キササゲの名の元であるササゲを収録しました。(2023年7月21日
<補注2> 1カ月半後、オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ)が実をぶら下げている様子をとらえました。(2023年8月17日

過去のきょう 2022 グロッバ・スコンブルギー(ダンシングガールジンジャー) 2021 ピンクカサブランカ 2020 ヤブカラシ 2019 クサレダマ 2018 カイノキ(ランシンボク) 2017 トウネズミモチ 2016 オウゴンマサキ 2015 サンゴシトウ(ヒシバデイゴ) 2014 オゼコウホネ 2013 カシワ 2012 ツノゲシ 2011 トウグミ 2010 ネムノキ 2009 キンコウカ 2008 モモノハギキョウ 2007 ヤマユリ 2006 テリハノイバラ 2005 ツルハナナス 2004 ノウゼンカズラ

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7月1日(土) カレクス・グライ

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このイガイガには見覚えがあります。同じCarex(カヤツリグサ科スゲ属)であるオニスゲをここに載せたのは6年前の夏でした。
ただ、イガイガやら葉やら花茎が似てはいても、これが別物であることはなんとなくわかります。オニスゲしか知らなかったときは「鬼」の名が過剰表現とは思わなかったのに、このCarex grayiを目にしてしまうと、あれはほとんど「姫」でした。
米国産だからと簡単に括るのは憚られても、やはり背丈がオニスゲより1~2割は高いし、葉の勢いは1.5~2倍盛んです。また果胞もこちらがより大きく、かつ球形であり、比べて見るとオニスゲのそれが長細く感じられてきました。

過去のきょう 2022 サワシバ 2021 ピンクのアナベル(アジサイ) 2020 ヤライコウ(イェライシャン、トンキンカズラ) 2019 チャンチン 2018 ナンブソウ 2017 ツチグリ 2016 ガーベラ 2015 ムラサキクンシラン(アガパンサス) 2014 クマノミズキ 2013 オグルマ 2012 チシャノキ 2011 サジオモダカ 2010 オオバジャノヒゲ 2009 オニシモツケ 2008 マタタビ 2007 コナスビ 2006 アリアケカズラ 2005 ハルシャギク 2004 ザクロ

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