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6月23日(金) カリヤス

230623mi_tinctorius
ある雑誌を読んでいて、思わず「うっそぉ」と声が漏れました。富山・五箇山を紹介した記事のなかに、あの合掌造り屋根の素材、つまり茅葺きの茅とは「カリヤスという多年草」なのだとあったのです。ひえ~、早く知りたかったよ、もぉ。
かつてノガリヤスを収録したとき、「野」ではないカリヤスに恋い焦がれ(注1)ました。勝手に、ノガリヤスをもっと上品にした姿を想像し、野を巡りました。まさか、茅場に生い茂るデカイ草(↑)がカリヤスだったとは、無知を鞭打ちたい思いです。
230623mi_tinctorius2で、あわててお姿をとらえたものの、まだ穂が出ていないし、葉色も緑みどりしすぎでした。とりあえず今回は「カリヤスの正体見たりデカイ茅」で大満足しておき、涼しくなってから細かいところはチェックさせていただきましょう。

<補注1> 長い間カリヤスを追いかけていた一因に、染めで言う刈安色にホの字だったことがあります。じつに奥床しく、それなのに適度な派手さがあって、せめて刈安染めのハンカチくらい欲しいものと憧れていました。
ところが、その刈安はこの刈安ではありませんでした。勝手な誤解と言えばそれまでで、染めで言う刈安はコブナグサのこと(注4)でした。もっとも、野のコブナグサがすべて刈安ではなく、八丈で栽培化された品種だけをこう呼ぶのでした。
<補注2> カリヤスとノガリヤスはともにイネ科ではあっても属違い(カリヤス=ススキ属、ノガリヤス=ノガリヤス属)です。
<補注3> 秋の姿を収録しました。(2023年10月29日
<補注4> その後、「染め」に関する資料では「刈安色を染める材料はススキの仲間のカリヤス」とされていることが多いと気づきました。これが注1に記したような誤解なのか、それとも実際にMiscanthus tinctorius(ススキ属のカリヤス)であの色を染められるのか、いつかどこかで専門の人にお尋ねしたいものです。(2024年3月)
<補注5> 新芽が出る前の刈り取り痕、そして新芽の萌え出し状態を記録しました。

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コメント

静岡市在住の俳句愛好者です。カリヤスの画像を借用いたしたくお願い申し上げます。

投稿: 秋山忠義 | 2023-09-14 13:37

ご丁寧なご連絡、恐れ入ります。
こんな写真でかまわなければ、どうぞご自由にお使いください。

投稿: はた衛門 | 2023-09-14 17:35

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