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3月31日(金) カナダゲシ(サンギナリア・カナデンシス)

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北米をいまの季節にトレッキングすれば、この春の妖精が群生をなしている景色に出会えるのでしょう。残念ながら志木でたったの一輪、鉢植えで開花です。
1茎1花なので、待ってもこれ以上は賑やかになりません。うまく夏越しをさせれば根茎で殖えるそうなので、気長に付き合うことにします。
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到来したとき、家人の第一声は「どうしてツクシを拾ってきたの?」でした。そこから1週間もかからずの開花で、ずいぶん気早な妖精さんです。花を守っていたカプセル(苞)がきれいなまま根もとに落ちていました。
葉の展開が花よりも遅く、なかなか渋い面構えなので、追録(↓)必至です。

<追録> 3月29日朝に開いた花は、夜間は閉じて朝また開く…を5回繰り返したあと、パラパラと意外な重量感を伴って散りました。
花びらが落ちたとき、すでに子房は膨らんでいて、葉(1枚目)の展開はそれからようやく始まり、次いで4月12日になって2枚目が開きました。
厚みがあってしっかりしたつくりの葉はとても珍しい感触だし、縁取りの形が独特で、まるで天狗の団扇です。(撮影:2023年4月13日)
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過去のきょう 2022 ニシキモクレン 2021 コヤスドウダン(ホンコンドウダン) 2020 オオヤマザクラ 2019 エリオステモン・ディフォルミス 2018 セイヨウオキナグサ 2017 ヒナギク(デージー) 2016 ソライロキキョウアヤメ(アリステア・エクロニー) 2015 スギナ 2014 ユリノキ 2013 オオムラサキ(オオムラサキツツジ) 2012 ジンチョウゲ 2011 エゾムラサキツツジ 2010 リビングストンデージー 2009 ヤブサンザシ(雌) 2008 サラサレンゲ 2007 オオシマザクラ 2006 クロモジ 2005 ヤマモモ

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3月30日(木) ナシ

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「リス」で画像検索すると、餌で頬をプックリと膨らませた姿がたくさん並びます。ナシの混芽を写していて、ついあのとぼけた顔を思い出しました。
一つの混芽には花芽が3~5個入っているようです。かつて掲載の開花写真を点検したら、1カ所から花柄が8本展開しているように見えました。
実をつけて育てる効率からすれば、短い距離のなかにそれだけ多くの結実可能性を配置する必要は薄いと考えます。摘果する農家さんだって大変です。
…という人間の浅慮・都合など、ナシは一顧だにしません。実が小さかろうと酸っぱかろうと、ひたすら種をたくさん作ることを目指します。一途な混芽です。

過去のきょう 2022 カラテア・バケミアナ 2021 チューリップ・フミリス 2020 マキシラリア・サンデリアナ 2019 ボケ(金鵄殿) 2018 シダレヤナギ 2017 ドクウツギ 2016 アンズ 2015 ニワザクラ 2014 フリージア 2013 カミガヤツリ(パピルス) 2012 ヤエムグラ 2011 アジサイ 2010 モミジバスズカケノキ 2009 ミミガタテンナンショウ 2008 ヒサカキ 2007 ハナカイドウ 2006 ユキゲユリ(チオノドクサ・ルシリエ) 2005 ベニバナトキワマンサク

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3月29日(水) カランコエ・プミラ

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おや、ムラサキカタバミがお澄まししちゃって…というのは単に老眼が進んだだけの話で、あれの花びらは5裂、こちらは4裂です。
そんな冗談はやめると、花よりも目を惹くのはシルバーグレイの茎・葉です。このごろは外国要人へのお土産に杓文字を持って行く人がいるので、この葉はそんな「流行」を先取りしていたみたいです。
なぜか多肉の世界はこそばゆい和名を付ける風潮があって、これは「白銀の舞」と厳かです。ただ、白銀はシロガネとハクギンで揺れていてビミョーです。学名そのままでも覚えやすいし、プミラという音がかわいいので、和名はパスしておきます。

過去のきょう 2022 クサトベラ 2021 シダレハナズオウ 2020 カランコエ・月兎耳 2019 ヤグルマギク 2018 ゲジゲジシダ 2017 フキ(ふきのとう) 2016 レリア・アンシバリナ(洋ラン) 2015 オオベニウチワ(アンスリウム・アンドレアナム) 2014 ハシバミ 2013 ニワウメ 2012 クヌギ(雄花の芽) 2011 コノテガシワ(センジュ) 2010 ヒアシンス 2009 アーモンド 2008 ニシキモクレン 2007 カラシナ 2006 アマナ 2005 キブシ

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3月28日(火) パンヤノキ

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このごろはウレタン素材に押され気味でも、ホテルではたまにパンヤの枕を選べることがあります。自然素材はメンテが大変という短所も、お手入れ他人任せなら、ふんわり柔らかで汗をよく吸うという長所にスッポリ隠れてくれます。
その綿(の入った実)はこの花からできるわけです。もしこの木にその実用的な綿ができないとしても、色も形も数も、十分に鑑賞に値する花です。
なお、パンヤノキの別名がカポックなので頭が混乱します。こんな掌状の葉を持つ木をマレーあたりでこう呼ぶらしく、この木がカポックなので、ヤドリフカノキのことはホンコンカポック(注)と呼ばなければいけないと納得できました。

<補注> 名前は紛らわしくても両者はまったくの別物です。なお、パンヤノキと同属のものとして、このブログではトックリキワタを収録しています。

過去のきょう 2022 ミツガシワ 2021 セロリ(スープセロリ) 2020 カツラ 2019 ヒイロタケ 2018 マメザクラ 2017 シラハトツバキ 2016 ハコネウツギとニシキウツギ 2015 フユザンショウ 2014 アミメグサ(ベニアミメグサ) 2013 ミスミソウ(ユキワリソウ) 2012 ヒロハアマナ 2011 アケボノアセビ 2010 メタセコイア(雌花) 2009 オランダカイウ(カラー) 2008 ミズバショウ 2007 ヘビイチゴ 2006 ハナノキ 2005 モモ(ハナモモ)

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3月27日(月) シチトウスミレ

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どこと言って変哲のないタチツボスミレに見えたボケさんでも、これが展示品だったので足を止めたわけです。簡易な名札にはシチトウスミレとしかなくて、シチトウは伊豆七島のことだろうとはわかっても、どう写せばいいのかサッパリです。
調べたら、これはタチツボスミレの変種で、托葉が大きくて鋭いとあります。我が写真を睨め回したら、中央下部にそれらしいものがかろうじて写っていました。
また、葉表に艶があるという特徴はその気で見ればそう見えます。あるいは葉や花がふつうのタチツボより大きめだそうで、ふむふむ、「らしく」見えてきました。
別名の「ツヤスミレ」を来春まで覚えておき、次の機会には上手にテカリ具合がわかる角度を狙いましょう。おっと、托葉をもっと強調することを忘れずに!

過去のきょう 2022 ヒガンダイザクラ 2021 コクサギ 2020 チランジア 2019 グレビレア・ピグミーダンサー 2018 ヒロハハナヤスリ 2017 ツクシチャルメルソウ 2016 オオムギ(六条大麦) 2015 アマナとヒロハノアマナ 2014 タカトオコヒガン 2013 ジャボチカバ(キブドウ) 2012 モクレイシ 2011 ユキゲユリ(チオノドクサ・ルシリエ) 2010 メタセコイア(雄花) 2009 ヤブサンザシ 2008 キブシ 2007 ミツマタ 2006 ザゼンソウ 2005 ヒュウガミズキ

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3月26日(日) ヨシノツツジ

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子供の背丈くらいしかないのに、鮮やかなピンクの花が密に枝を賑わせていて、それが5~6本並んでいるので、遠くからでもやたら目立ちました。
20年ほど前の国際大会で金賞に輝いた品種だそうで、通販ページを見るとなかなかのお値段です。つい掛け算をしてしまうシミッタレには目の毒です。
ヨシノツツジと吉野ツツジで表記が割れていて、商標として漢字を当てるべきかどうか、調べがつきません。花色から吉野桜に因んだものと推測はするものの、それが当たりかどうかはっきりしなくて、とりあえず全カタカナとしておきます。
名前はツツジでもシャクナゲとツツジの交配品(園芸種)で、分類的には小輪系シャクナゲだと言います。常緑であるべき葉が志木の近辺ではやや苦しげだったものの、そう言われてみれば革質であり、シャクナゲの系譜と納得できます。

過去のきょう 2022 ユーフォルビア・ウルフェニー 2021 オオバキスミレとナエバキスミレ 2020 キリシマミズキ 2019 ヒメドクサ 2018 マルバマンサク 2017 ダンコウバイ 2016 マンサク 2015 ツノハシバミ 2014 ヒマラヤユキノシタ 2013 フラサバソウ 2012 シュンラン 2011 ハッカクレン 2010 ハチジョウキブシ(雌花) 2009 フッキソウ 2008 キュウリグサ 2007 ダイコン 2006 シンビジウム 2005 チューリップ

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3月25日(土) イヨカズラ

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ロビンソンクルーソーあたりだと、こういう容器で水を汲んで飲みそうです。もっともこのカップは薬指の先が入るかどうかくらいで、柄杓の代用にはなりません。
あとひと月・ふた月早ければ、このふくよかなカップのなかには白くて長い毛をつけた種がビッシリと詰まっていたことでしょう。同属のコバノカモメヅルも、その種がわずかに残る状態から付き合いが始まってかわいい花まで辿り着いたので、このイヨカズラとも同じようなプロセスを踏みたいものです。
イヨには伊予の字をあてても、自生は愛媛県には限らず全国に及びます。牧野博士はこれをスズメノオゴケとし(注1)、「イヨカヅラは本来コカモメヅルのこと」としています。葛や蔓だもの、絡まって込み入るのは当たり前か…とあきらめの境地です。

<補注1> イヨカズラの花色(白)が紫になったものがムラサキスズメノオゴケです。
<補注2> 思いがけないほど早く開花期を迎えました。(2023年4月30日

過去のきょう 2022 シラヌヒ 2021 ガビアオキ 2020 ムルチコーレ(コレオステフス・ミニコス、クリサンセマム・ムルチコーレ) 2019 ロドレイア・チャンピオニー 2018 ハクサイ 2017 ヒメウズ 2016 キクバオウレン 2015 マツバラン 2014 ウグイスカグラ 2013 オトコヨウゾメ 2012 カワヅザクラ 2011 フチベニベンケイ(カネノナルキ) 2010 ハオルチア・オブツーサ(雫石) 2009 カランコエ・ラクシフロラ 2008 ハナノキ(雄花) 2007 ナツグミ 2006 シュンラン 2005 フッキソウ

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3月24日(金) セイヨウスモモ(プラム、プルーン)

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それぞれの枝はしっかり空へ向かっていて、枝垂れ性ではないはずとした稔りどきの見立ては証明されました。ただ、花つきは密であり、今年も夏には実をたわわにつけた枝がすべて地面方向を目指すこと必定でしょう。
そして、花の白さはさすがにスモモでした。葉は最初からスマートです。
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ただ、剪定された木口がほぼ桜のように赤くて「なるほど」でした。スモモ属(Prunus)とサクラ属(Cerasus)はそもそもが同根ということの裏付けです。

<追録> そろそろ実が膨らみ出すころ…と訪ねてみたら、ヒェー! かなりバツバツの強剪定がされていました。生き残りの実が哀れです。
葉もほとんど残っていないので、今年はもう終わりでしょう。お味見のおねだり計画もご破算になりました。(撮影:2023年4月21日)
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過去のきょう 2022 ナガミヒナゲシ 2021 プルモナリア・ブルーエンサイン 2020 クヌギ 2019 タマシダ 2018 ツゲ(ホンツゲ) 2017 イボタノキ 2016 モモ 2015 カラミザクラ(シナミザクラ) 2014 ハナニラ 2013 コバノオランダガラシ(クレソン) 2012 ノシラン 2011 サワラ 2010 スノーフレーク 2009 ヒサカキ 2008 キクラミネウス水仙・ジャンブリー 2007 ゼンマイ 2006 カツラ(雄花) 2005 ヒアシンス

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3月23日(木) フリル咲きパンジー・シエルブリエ

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冬の入口の某日、大手ホムセンの花苗売り場で見つけました。フリル咲きパンジーという分野があって、そのなかのシエルブリエというシリーズです。
同じシエルブリエでも花色の幅は大きくて、そこからウチの選択担当さんがカゴに入れたのはかなり渋めの3点でした。支払い担当に発言権はありません。
そして年を越し、春が来て、花は賑やかに咲いているのに、近所のどなたも褒めてくれません。例年ならたいがいの花に「きれいね」「かわいいね」と声がかかるのに、今年はみんながなにも言わずに通り過ぎます。
まあね。近所のために植えたんじゃないですもんね。自分が好きならそれでいいですもんね。あれれ~、選択担当さん、このごろ眺めてくれてますぅ?

<補注1> シエルブリエという名については開発ナーセリーさんが綴りを公表していません。ただ、お財布のブランドにLa ciel brillerというのがあって、どうやらフランス語のようです。辞書を引くと、「Ciel=空、briller=輝き」だそうで、本文中、「花色の幅が大きい」としたことに合点がいきます。
<補注2> パンジーの過去掲載は次の2回です。
2007年1月27日 : 大型種 ☆ 2021年2月24日 : 花のピーク時期について

過去のきょう 2022 オカメザクラ 2021 ゲンカイツツジ 2020 ナウパカ・カハカイ 2019 ナイトライダー 2018 カイワレダイコン 2017 アルアウディア・アスケンデンス 2016 ソラマメ 2015 ヒロハノアマナ(ヒロハアマナ) 2014 コシノヒガン 2013 コブシ 2012 ウメ(西王母) 2011 クロッカス 2010 ハルニレ 2009 トキワイカリソウ 2008 フサアカシア 2007 セントウソウ 2006 カンスゲ 2005 ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)

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3月22日(水) マユミ

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役目を終えて日向ぼっこの婆さまと、さあ俺たちの出番だぜぃ!という若者たち、異質の二者がお互いを邪魔にするでもなく枝を飾っていました。
マユミにこんな姿を見せてもらったのは初めてです。これまでは5月下旬の花を確認した以外は秋冬の実を楽しんでいた(シーンA. B. C.)だけでした。
もちろん、どこのマユミもこのような新旧共演の美しさを見せるものかどうか、狭い観察範囲ではまったくわからないことです。今年の春はやたら早くて、柳瀬川土手の染井吉野はなんと15日に咲き出し、ハタザクラさえ蕾を大きく膨らませています。そんな暖かさがマユミの展葉を誘い、実の殻が風に吹き飛ばされるヒマもなかった…というのがこの写真の背景だとしたら、暖かな春に感謝しておきましょう。

過去のきょう 2022 アストランチア 2021 インコアナナス 2020 サンセベリア・バキュラリス・ミカド 2019 ルリゴクラクチョウカ(ストレリチア・ニコライ) 2018 ヤマトレンギョウ 2017 マミラリア・ラウイ・ダシアカンサ 2016 シロモジ 2015 アマメシバ 2014 ローダンセマム・アフリカンアイズ 2013 セツブンソウ 2012 ヤマアイ(雄花) 2011 アカシデ 2010 パンノキ 2009 ヤドリギ 2008 ミニアイリス 2007 タアツァイ 2006 コノテガシワ 2005 ダンコウバイ

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3月21日(火) オッテリア・コルダタ

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花の色合いや花茎の立ち上がり方からして、まず連想したのはトチカガミです。ただ、この花のだらしなさからして、明らかに別物とはわかります。
名前のオッテリア(Ottelia)はミズオオバコ属のことで、ミズオオバコであればこの頼りなさそうな風情が共通です。ただ、ミズオオバコの花は薄ピンクに縁取られていて、その記憶が強すぎたせいで関連づけることができませんでした。
かつ、オッテリア・コルダタが雌雄異花ということにも気づきませんでした。雌花は単独で咲くというので、群れているこれは雄花だったようです。細長い水中葉も今回はうまく写せなかったし、次の機会にはもっとジトーッと見つめてみましょう。

<補注> ミズオオバコ属はトチカガミ科に分類されるので、最初の印象は大ハズレではありませんでした。なお、在来種であるミズオオバコに対し、このオッテリア・コルダタは海南島以西の東南アジアが生息域です。
また、同属のミズオオバコは両性花なのにオッテリア・コルダタは雌雄異花というややこしい関係で、科とか属の壁もこの花びらのように薄そうです。

過去のきょう 2022 ベニコブシ(ヒメシデコブシ) 2021 センカクツツジ 2020 ナツメヤシ 2019 グレビレア・ロビンゴードン(ハゴロモノマツ) 2018 ゴボウ 2017 ミケリア・プラティペタラ 2016 ニガナ 2015 ヤマネコノメソウ 2014 キブシ 2013 オトメツバキ 2012 カジイチゴ 2011 オウバイモドキ(ウンナンオウバイ) 2010 チトセラン2種(サンセベリア) 2009 クサイチゴ 2008 アネモネ 2007 チンゲンサイ 2006 アブラナ 2005 ツクシ

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3月20日(月) アリストロキア・ギガンテア

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革製のお洒落なバッグみたいです。実際はぐい飲みくらいのサイズながら、ステッチホールもストリングスも、まるで精巧なクラフトワークのようです。
まさかアリストロキアにこういう実がついて種ができるとは、恥ずかしながら夢想だにしませんでした。いえ、花が咲けば実ができるのが道理とは言え、あんな奇々怪々の、花とも思えぬ「物体」が身籠もるなんて考えもしませんでした。
そう言えばアリストロキア・ウェストランディーの撮影時、花粉媒介の虫を見たことがありました。「最良の出産」を意味するAristolochiaという属名は、その花筒の形にあやかっただけでなく、本当に素晴らしい子づくり能力を示すものでした。

過去のきょう 2022 ミドリハコベ 2021 センカクアオイ 2020 エスキナンサス・クリムゾンベル 2019 ストレプトカルパス・サクソルム 2018 バルサ 2017 ハッカクレン 2016 アブラチャン 2015 アカシデ 2014 熱帯スイレン 2013 バイモ 2012 フキ(ふきのとう) 2011 コノテガシワ 2010 ソシンカ 2009 クサボケ 2008 房咲き水仙・グランドモナーク 2007 カブ 2006 スズメノカタビラ 2005 ハクモクレン

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3月19日(日) アリアケスミレ

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かなり夜が明けてしまったみたいなアリアケスミレです。もう少し闇が残る色合いの花は、ずいぶんと前に載せています。花色の変化幅を確認できました。
かつての写真は街角でたまたま撮ったもので、種類の見立ては及び腰だったのに対し、今度のものはお墨付きありの植栽品です。2枚の写真を比べると、艶のあるやや硬質の葉が共通で、16年後の「ホッとひと安心」です。
そして、今回の写真では正面奥の花に太くて短いデコチン(距)が見えます。これもアリアケスミレの大きな特徴で、昔の写真をようやく補足できました。

過去のきょう 2022 オレアリア・リトルスモーキー 2021 ブルーベリー 2020 ヒメオニソテツ 2019 カエンボク 2018 オオシロショウジョウバカマ 2017 オオバベニガシワ 2016 リュウキュウベンケイ 2015 ミミガタテンナンショウ 2014 ヘンヨウボク(クロトンノキ) 2013 アメリカハナノキ(雄株) 2012 コリヤナギ 2011 オオイヌノフグリ 2010 コブシ 2009 モクレイシ 2008 ロドレイア・ヘンリー 2007 コマツナ 2006 ウグイスカグラ 2005 コブシ

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3月18日(土) オオシマザクラ

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この春は近年まれに見る暖かさで、いつもは今月下旬に花開く柳瀬川の桜並木(染井吉野)が3日前(25日・水)に咲き始めました。ハタザクラも、ひこばえだけになったせいもあって、蕾がもうぷっくりと大きく膨らんでいます。
大島桜は、かつて3月末日に掲載しています。同じ系統に「寒咲大島」というのもあるらしい(未収録)ので、間違いが怖いところでも、写真の木は例年ならあと1週間は開花が遅かったものなので、取り違えの虞(おそれ)はありません。
まるで梨の花のように純白無垢の5弁は、同時に開く若緑の葉とのコントラストが無上の美しさです。種小名speciosaは「美しい!」という意味で、あれこれむずかしいラテン語をひねくり回しがちな学者先生も素直に感動したようです。

過去のきょう 2022 イワカガミダマシ(ソルダネラ・アルピナ) 2021 キバナハナニラ 2020 ハナショウブ 2019 アグラオネマ・シルバークィーン(アグラオネマ・コンムタツム・シルバークィーン) 2018 アオギリ 2017 フキ(ふきのとう) 2016 ハルニレ 2015 シュゼンジカンザクラ 2014 ラショウモンカズラ 2013 ウケザキクンシラン 2012 クロッカス(クリームビューティ) 2011 フサザクラ 2010 ウグイスカグラ 2009 ユーカリ 2008 ヒメリュウキンカ 2007 ミズナ 2006 スギ 2005 バイカオウレン

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3月17日(金) タチタネツケバナ

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立ち+種漬花です。たしかに、茎がスッと15cmほど立ち上がっていて、その途中には立派に葉がついていて、ふつうのタネツケバナを睥睨する勢いです。
もっとも、図鑑的にはその茎が50cmまでのびるようだし、その途中で「枝」分かれさえするそうで、撮影の時期が早すぎました。来月また会いましょう。
本来の種類より「立ち」上がる草類は案外に多くて、一番有名なのはタチアオイでしょうか。もっとも「葵という葵なはい」ので、これはやや反則の名前です。
ものすごいのはオッタチカタバミで、そこまで強調するか!と笑えます。穏当な名付けだと思えるのはタチシノブタチシオデだし、これからの季節にはタチツボスミレも目立ち出します。さあ、みんな元気に立ち上がりましょう。

過去のきょう 2022 コクサギ 2021 サンゴジュ 2020 カツラ 2019 ソランドラ・マキシマ 2018 ミチノクフクジュソウ 2017 ウォールム・バンクシア 2016 ムラサキオモト 2015 ベニウチワ(アンスリウム・シェルツェリアナム) 2014 ナンテン 2013 ナギイカダ 2012 ウメ(鹿児島紅) 2011 ロニセラ・フラグランティシマ 2010 ソメイヨシノ 2009 ヤマアイ(雌花) 2008 マツバギク 2007 ソテツ 2006 アンズ 2005 トサミズキ

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3月16日(木) ワックスフラワー

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ワックスフラワーはここに二度目の登場ながら、前回と今回の写真は大きくムードが異なります。かつてのものは切り花(枝)だったのに対し、これは大温室の見上げるほどの木が奔放に広げる枝です。商業品と自然品、かなり異質です。
もっとも、ワックスフラワーと呼ばれるカメラウキウム属(Chamelaucium、ただしこの属名はシノニムとされていて、標準はDarwinia)には10種を越す仲間があり、それぞれの差を明確に示す資料に行き着けません。今回のものも前回のものも、そのなかのuncinatumであろうという程度で、見分けは今後の課題です。
前回掲載の花はその色が変化する気配などまるでなかったのに、今回のものは淡いピンクと白の咲き分け(花の鮮度差ではない様子)というのも泣かせてくれるポイントです。もっと赤の強いタイプや紫のものまであるそうで、オーストラリアという国は一度長期滞在しないと納まりがつかないのかと悩みます。

過去のきょう 2022 ホシフリュウゼツ(アロエ・ダビアナ) 2021 ハクサイ 2020 ウケザキクンシラン 2019 シラユキゲシ 2018 ツルアジサイ 2017 タマツヅリ(セダム・モルガニアヌム) 2016 シュロ(ワジュロ) 2015 ホウカンボク 2014 イチリンソウ 2013 熱帯スイレン 2012 セツブンソウ 2011 バクチノキ 2010 タイリンミツマタ 2009 ヒュウガミズキ 2008 マメイヌツゲ 2007 キバナスズシロ 2006 キクザキイチゲ 2005 オオタチツボスミレ

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3月15日(水) ミズオジギソウ

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熱帯地域では殖えすぎて水路を詰まらせ、迷惑がられる存在です。我が国の冬の寒さには耐えられないのでまだ強害草指定はされていなくても、夏なら日本も立派に亜熱帯です。アクアリウムで持て余した人の心ない扱いが気になります。
ただ、水槽で眺めて弄っている分にはかわいいもので、陸上のオジギソウとまったく同じ動きをします。強く触れば広範囲の葉がすばやく閉じるし、写真はカードをそっと押し当てたので、羽状複葉1枚だけがユルーッと閉じかけています。
学名には「食用蔬菜」みたいな意味のoleraceaが当てられており、東南アジアでは各種の料理に活用されているようです。水に浮くように茎が海面状で、調理してもボリウムがあります。日本でもし殖えすぎたら、みんなで食べてあげましょう。

過去のきょう 2022 ボロニア・ピンナタ 2021 リョウブ 2020 コヒガンザクラ 2019 アオモジ 2018 ノカラマツ 2017 コバノガマズミ 2016 ナツズイセン 2015 アオイスミレ 2014 エノキ 2013 アメリカハナノキ(雌株) 2012 カワヅザクラ 2011 カンノンチク 2010 ヒマラヤゴヨウ 2009 トサミズキ 2008 クサノオウ 2007 モミジイチゴ 2006 カタクリ 2005 ヒイラギナンテン

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3月14日(火) クレロデンドルム・クアドリロクラレ

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この長い花筒には見覚え(↓)があります。ただ、木のサイズが記憶にある仲間とは段違いで、うわぁと見上げた高みにバレーボール大の花房が鈴なりでした。
東南アジアの原産で、英語圏ではファイアーワーク(花火)とかスターバーストというニックネームを持ちます。花の開き方がまさにそんな感じです。
そして、舌を噛みそうな学名後半部です。4を示すQuadの後ろは葯のことらしく、つまり雄シベが4個である点に注目した名です。花冠は5裂していて、ふつうはここが5なら雄シベも5のはずなのに、こんな「ちょいとハズシ」が堪りません。

<既掲載のクレロデンドルム・学名順>インキスム ☆ ウガンデンセ(ブルーエルフィン)

過去のきょう 2022 ゲンゲ(レンゲソウ) 2021 シバザクラ(ハナツメクサ) 2020 ハボタン 2019 カツオナ 2018 ゴンズイ 2017 ユキワリイチゲ 2016 ドンケラリー(正義) 2015 シダレヤナギ 2014 デンドロビウム・ユキダルマ・キング 2013 ホトケノザ 2012 カタクリ 2011 カイヅカイブキ 2010 ハルニレ 2009 オオイヌノフグリ 2008 マツバギク 2007 ウチワノキ 2006 アセビ 2005 ユキツバキ

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3月13日(月) オオトクサ

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これを写しながら、ガス用ゴム管を思い浮かべました。太さが1cmもあるし、縦に細かく刻まれた筋が「あれ」そっくりです。あの三角断面の筋はホースのネジレや潰れを防いでいるはずで、オオトクサの筋も同じ効果を狙っているのでしょう。
去年の大晦日の記事ではかなり煮え切らないことを述べたのに対し、今度のサンプル(まったく別の撮影地)にはかなり大きく頷けます。上記の太さ(と高さ)が見るからにふつうのトクサとは違うし、節からはたくさんの枝が出ています。
そして、この分岐した細枝の先に胞子嚢穂を見つけるに及び、これはあきらかに「ふつう」とは別物と判断できました。先の記事で「学名はEquisetum hyemale」という立場を取っていたのを覆し、「オオトクサとは北米原産のE. praealtumである」という説に乗り換えることにしました。オオトクサの茎はネジレや潰れに強い構造でも、はた衛門の考えはすぐにネジレたり潰れたりします。

過去のきょう 2022 ウェストリンギア 2021 カラミザクラ(シナミザクラ) 2020 マボケ 2019 オウゴチョウ 2018 ワサビナ 2017 ツゲ(ホンツゲ) 2016 コブラオーキッド(メガクリニウム・マキシマムとメガクリニウム・プラチラキス) 2015 ミチタネツケバナ 2014 カエデ類、ほか2種 2013 ハルサザンカ(絞笑顔) 2012 ワイヤープランツ 2011 ススキ 2010 レバノンスギ 2009 ヨシ(アシ) 2008 ヒメカンスゲ 2007 オガタマノキ 2006 ダンコウバイ 2005 シキミ

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3月12日(日) オクチョウジザクラ

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オクのつかないチョウジザクラはずいぶんと前に収録しています。あのときに丁字桜の意味は理解済みで、今回はその頭にオクが載っかるバージョンです。
このオクは陸奥(みちのく)を指し、日本海側地域の里山に自生します。それが関東の地に植栽されていたので、現地よりは1カ月ほど早い開花です。
多雪地帯に春を告げるようにいち早く咲いたら感動の眺めでしょうに、この辺ではカワヅザクラあたりと競ることになり、寂しげな咲き方が目立ってしまいます。賑やかで派手なものばかりが好まれる風潮に抗うべき閑寂の美です。

過去のきょう 2022 ウェストリンギア 2021 オカノリ 2020 オオバマルバマンネングサ 2019 カラテア・ベラ 2018 カラタチ 2017 サボテン(金晃丸) 2016 アオモジ 2015 ポポー 2014 キジョラン(とアサギマダラの幼虫) 2013 アズマイチゲ 2012 セリバオウレン 2011 ムスカリ 2010 シシユズ(オニユズ) 2009 コブシ 2008 オオハナワラビ 2007 シロバナタンポポ 2006 サンシュユ 2005 オランダミミナグサ

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3月11日(土) アガベ・アッテヌアタ

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デカイのだ!ということを表現したかったのに、こういうときに限って、比較対象物に好適なお子さまが見当たりません。仕方ないので15cm定規をあてたカットを切り貼りしたものの、コヤツの壮大さがまるで表現できていなくて無念です。
この葉の下にはぶっとい茎が立っているので、高さはほぼ2mあり、横幅は優に3m超えです。大物の多いリュウゼツラン類のなかでも際立ちます。
フラワーパークかごしまさんのHPに「植栽26年目で開花!」というニュースがあって、あのアオノリュウゼツランとは違った咲き方を見ることができます。これこそ、龍が舌をのばした姿ではあるまいかと一人感動してしまいました。

過去のきょう 2022 ウチワサボテン 2021 ダイダイ 2020 コノテガシワ 2019 ヒゼンマユミ 2018 バビアナ・セダルベルゲンシス 2017 アカタコノキ(ビヨウタコノキ) 2016 クリスマスローズ・ピンクフロスト 2015 カラクサケマン 2014 バンペイユ(晩白柚) 2013 ヒスイカズラ 2012 オウバイ 2011 リンドウ 2010 ハチジョウキブシ(雄花) 2009 クリスマスローズ(フォエチダス) 2008 アセビ 2007 シラー・シベリカ・アルバ 2006 ネモフィラ・ペニーブラック 2005 シバザクラ

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番外編 : 蜂蜜レポート第6弾

Manuka
巷で噂のマヌカハニーを試してみました。免疫力が向上するそうで、たぶんコロナがらみでなんでも試してみたい人が増えているのでしょう。
それでなくてもお高いのに、需要がフィーバーしてしまったら値段がさらに上がってしまわないか心配です。いやそれよりも、そもそも稀少な蜜なのでニセモノや紛い物が増えるであろうことが現実的に危惧すべきことだと感じます。
マヌカというのはマオリ語でギョリュウバイのことらしく、あの木がそんな立派な蜜を出すとは気づきもしませんでした。ただ、正確にマヌカに的を絞れる採蜜者は少ないそうで、本場ニュージーランド(今回の購入品はオーストラリアの廉価品)の一級品を口にするまでは、下手な食レポはしないでおきましょう…と言いつつ、ちょっと薬っぽい味がして効きそうな気がした、いい加減な爺さんです。
Fallopia_japonica
そしてこちらは日本中どこにでもあるイタドリから採れた蜜です。まるでターメリックを混ぜたかのような色に腰が引けたものの、味にはまったくクセがなくて、植物としての渋い見かけと蜜の味との間には意外なギャップがありました。
Py_py_culta
さらにこれはナシの蜜です。ものすごく色が薄く、ものすごく甘さがあります。
同時に舐め比べていないのでかなり主観的ながら、たぶんこれまでに味わった蜜(↓)のなかでは一・二を争う糖度です。かつ、単価としても過去一・二の高さで、おいそれとは味わいにくい高級蜜です。(葵養蜂:千葉県いすみ市岬町)

<蜂蜜レポート1~5弾>第1弾 : アカシア/野の花/いたちはぎ ☆ 第2弾 : レモン ☆ 第3弾 : ケンポナシ/カラスザンショウ ☆ 第4弾 : 内外柑橘系対決 ☆ 第5弾 : りんご/山ざくら

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3月10日(金) グレビレア・ラニゲラ

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花も葉も微細な毛で覆われていて、豪州の荒野がお里ということが素直に飲み込めます。この特徴から、英語圏ではウーリー・グレビレアと称されます。
いままでに収録した8種のグレビレア(↓)がすべて園芸種だったのに対し、これが初めての野生種になります。あるいは匍匐の性質を持つグレビレアも初めてで、カタツムリのような花にだけ驚いていた段階からは一歩進んだ気がします。
真夏と極寒期だけ休止するものの、それ以外はずっと花が咲きます。丈夫で育てやすいのに、日本ではまだ少し値が張るのが残念です。

<既収録グレビレア・掲載順>ロビンゴードン(ハゴロモノマツ) ☆ ピグミーダンサー ☆ プーリンダクィーン ☆ ホワイトナイト ☆ アメジスト ☆ スカーレットスプライト ☆ プーリンダスプレンダー ☆ ピーチズアンドクリーム

過去のきょう 2022 ユーフォルビア・ブラックバード 2021 エリオケレウス・袖ヶ浦 2020 ハオルチア・コンプトニアナ 2019 モンステラ 2018 スキミア(ミヤマシキミ) 2017 ベンガルヤハズカズラ 2016 キンヨウボク 2015 トウカエデ 2014 ヤマルリソウ 2013 グズマニア・テレサ 2012 タネツケバナ 2011 ノハラアザミ 2010 ソラマメ 2009 啓翁桜 2008 ユリノキ 2007 ウズラバタンポポ 2006 フッキソウ 2005 ハナニラ

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3月9日(木) ミズナ(紅法師)

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ミズナが赤紫色になってしまう時代が来るなんて、戦中戦後の人々は考えもしなかったことでしょう。ほんわかした緑色の葉が鍋のなかで踊るのをミズナの風情だと思っていると、世のなかに置いていかれます。(大手種苗会社の商品です)
アントシアニンがふつうのミズナの10倍以上含まれているそうで、うーむむ、ミズナを食べて眼を良くしようと思う人がどれだけいるものでしょう。
真面目な話をすると、サラダに使えます。かなりシャキシャキ感があり、収穫が遅れると歯ごたえありすぎになります。かつ、茹ですぎると緑に戻ってしまう(↓)ので、早めの収穫&湯通しくらいがこの「いまどきのミズナ」のいただき方です。

<追録> 蕾状態ならふつうに菜花として楽しめます。食レポは「うすーく春を感じた」です。なお、蕾を可食状態まで茹でると、赤っぽかった穂もこれだけ緑になります。色比較のため、生の葉を一枚添えました。(撮影:2022年3月8日)
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過去のきょう 2022 クラッスラ・フスカ(赤鬼城) 2021 ハナコミカンボク 2020 マダケ 2019 ククイノキ 2018 サクラソウ 2017 サンシュユ 2016 ウンナンサクラソウ 2015 コゴメイヌノフグリ 2014 シラカシ 2013 オガタマノキ 2012 エレガンテシマ 2011 フクジュソウ 2010 ユリノキ 2009 モミジイチゴ 2008 ユキワリイチゲ 2007 ゲンカイツツジ 2006 カナメモチ 2005 オウバイモドキ(ウンナンオウバイ)

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3月8日(水) ニッパヤシ

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このヤシのことを知ったときに引っかかったのは「ニッパ」てなに?でした。ニッパーなら知ってはいても、そんな配線工具とこのヤシはかすりもしません。
へ~、Nypaですか。属名でした。素直に読めば「ニバ」でしょうが、それではちょいと発音しにくいので息を飲むことにしちゃったのでしょう。
さてそのNypa(ニッパヤシ属)はこのニッパヤシ1種だけで構成されていて、仲間ゼロでした。孤高・孤独のロンリーボーイです。
南洋のマングローブが生息域で、水面からいきなり葉柄が出て、葉一枚(羽状複葉)が2mもの大きさです。この葉で屋根を葺くそうで、茅葺きならぬ椰子葺きの家…いかにも南洋チックで、その下で昼寝したら気持ちよさそうです。

過去のきょう 2022 ポインセチア(ショウジョウボク) 2021 ペペロミア・ボニンシメンシス(シマゴショウ) 2020 ヨシ(アシ) 2019 ビロードモウズイカ 2018 モミジバスズカケノキ 2017 ロマネスコ 2016 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2015 ガジュマル 2014 ハボタン(珊瑚系) 2013 スイレン 2012 マルバマンネングサ 2011 クロベ(ネズコ) 2010 メタセコイア(雄花) 2009 ハーデンベルギア 2008 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2007 ヒイラギナンテン 2006 フキ(ふきのとう) 2005 クリスマスローズ

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3月7日(火) フィロデンドロン・スクアミフェルム

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赤や緑の棒状タワシが縦横無尽に走ります。いったいこれはどんな部位・パーツにあたるのか、シゲシゲとマジマジと睨(ね)め回しました。
結果、これは葉柄だと判断しました。うーむ、茎と葉を繋ぐパーツは葉柄としか言いようがないし、そうなのだろうとは思います。ただ、ものすごく不安です。
海外のほとんどのページはこの部分をstemsと表現していて、この単語は「茎」とも「葉柄」ともされることがあります。なので、アバウトでいいことにします。
その恐ろしげなstemsに目が慣れると、5裂する葉もけっこう魅力的です。センニンカズラの葉も面白いと思ったのに、さらに裂数が上回っています。
そして、センニンカズラに抗してこちらはワタゲカズラと呼ばれます。しかし、この和名がどれくらい正式かはわからず、かつ「綿毛」ではニュアンスが優しすぎるので、ここは記憶力増強訓練として学名読み下しのタイトルだけにしておきます。

過去のきょう 2022 プラティケリウム・アルキコルネ(ビカクシダ・アルキコルネ) 2021 トックリランとトックリヤシ 2020 ビンロウ 2019 コラ(ヒメコラノキ) 2018 タマネギ 2017 ツノハシバミ 2016 フキタンポポ 2015 クンシラン 2014 シラカシ 2013 オクナ・キルキー(ミッキーマウスノキ) 2012 ヒメサザンカ・エリナ 2011 マンサク 2010 ジャノメエリカ 2009 キルタンサス 2008 バショウ 2007 エリカ・コロランス・ホワイトデライト 2006 クロッカス 2005 セツブンソウ

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3月6日(月) ケントラデニア・フロリブンダ

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葉の雰囲気からノボタンの仲間だと推測はできます。ただ、花にはあのクニッと曲がって蜘蛛を連想させるシベが見えなくて、ちょっと別物みたいです。
…という初対面の印象を面倒に書けば、ノボタン科は正解で、ただしケントラデニア属というグループはこのブログには初収録でした。グアテマラに産する小低木でフロリブンダ(多花性の)という種小名どおり、薄紫の小花が賑やかです。
膝丈くらいでまとまり良く育ってくれそうで、鉢植えで楽しめます。街で見かけたとき、「あ、ケントラデニア・フロリブンダだ」と言えればカッコイイだろうというそれだけのあさはかな理由で、この名前をもう30回くらい呟いてみました。

過去のきょう 2022 マテチャ 2021 ペペロミア・フォレット 2020 シロザ 2019 ネリネ(ウンドゥラタおよびサルニエンシス系) 2018 サルナシ 2017 エゲリア・ナヤス 2016 ススキノキ 2015 シロバナオオベニゴウカン 2014 ムルチコーレ(コレオステフス・ミニコス、クリサンセマム・ムルチコーレ) 2013 ウラムラサキ(ストロビランテス・ディエリアナ) 2012 ガーデンシクラメン 2011 ヤマコウバシ 2010 キンギョバツバキ 2009 サヤエンドウ 2008 テンリンジガッコウ(椿) 2007 ネモフィラ・インシグニス 2006 ショウジョウバカマ 2005 ヨモギ

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3月5日(日) ベルチナバナナ

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いろいろな呼び方が飛び交っていて、なかにはモモイロバナナという身も蓋もない名前もあります。いやあ桃色は勘弁してほしいという場合はピンクバナナとも言いますが、桃色遊戯とかピンク映画とか、どっちも大差ない連想を誘います。
連想するヤツが悪いのはもっともながら、アケビバナナならばアケビは好きだし、この寸詰まりの実がこれで最終形だとわかるし、少しイケています。ないし、毛皮バナナという名前も、皮のビロード質に着目していてうなずけます。
あるいはアカミバナナとも言われるものの、赤っぽいのは皮だけで実は白いし、ほかにアカバナナが存在するので適切とは思えません。あと、アッサムバナナとも呼んで、これは元々の産地を言っているので悪くはない気がします。
さてそれではきょうのタイトルはどう選んだかと言えば、日ごろ信頼するサイトがこれを採用していました。ベルチナ(velutina)は「ベルベットのよう」という意味の種小名であり、毛皮バナナと同じ趣旨ではあっても、ほんの少し上品です。

過去のきょう 2022 ハランアナナス 2021 オリーブ 2020 サワグルミ 2019 アオダモ 2018 ノウルシ 2017 コンシマダケ 2016 スハマソウ(ユキワリソウ) 2015 ハコネシダ 2014 ナツミカン(ナツダイダイ、ナツカン) 2013 ウバメガシ 2012 センダン 2011 ウメ(黄梅) 2010 サンシュユ 2009 タチカンツバキ 2008 シュロ(ワジュロ) 2007 ミツバツツジ 2006 オウバイ 2005 ネコヤナギ

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3月4日(土) アボカド

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握り拳よりまだ大きくて、けっこうお店サイズです。ただ、アボカドの品種は多彩で、その果実の色も形もいろいろなので、これが食べごろなのかどうか、まったく判断できません。手出し無用の鑑賞品なので、「おー、デカ!」と喜ぶだけです。
そして、実のサイズ以上に感心したのは蔓の長さです。これが栽培農園の木なら、こんなデカブツがブラリ・ブラリ、なかなかの壮観でしょう。
さて、この実を作るための花は前回取り上げています。ところが、あの写真は役立たずだったと判明しました。アボカドは雌雄同株の両性花なのに、なんと雌雄のシベが機能する時間帯が午前と午後で分かれる(雌雄異熟)というのです。
前後の二日間で柱頭が現れるときと雄シベの葯が割れるときがあり、そのリズムは1本の木ではどの花も同じらしいのです。つまり、単一の木で雌雄両機能を撮影するには、時間帯を変えて訪ねる必要がありました。お店にゴロゴロ並んでいるアボカドにそんな込み入った雌雄合体の妙があったとは、誠に恐れ入りました。

過去のきょう 2022 カシワバアジサイ 2021 ミニアイリス 2020 カラテア・オルビフォリア 2019 エゾノギシギシ(ヒロハギシギシ) 2018 ウメ(小梅・信濃梅) 2017 ハマハタザオ 2016 キバナツルネラ(ツルネラ・ウルミフォリア) 2015 オオカンザクラ 2014 トウロウソウ(セイロンベンケイ、ハカラメ) 2013 セツブンソウ 2012 ナズナ 2011 ウメ(月影枝垂) 2010 センダン 2009 スノードロップ 2008 イチョウ 2007 ヒメカンアオイ 2006 タギョウショウ 2005 スノードロップ

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3月3日(金) タンヨウパナマ

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和名の出だし「タンヨウ」は「単葉」です。通常のパナマソウの葉は熊手のように先が細かく避けるのに対し、こちらはあっさりと「単葉」で完結です。
そのために収量が少なくて帽子は作れない…という解説はどこにも見つかりません。パナマソウの葉とは風合いが大きく違う(硬い)ので、名前はパナマでも別物(科は両種同一のパナマソウ科だが属違い)ということになります。
ではこのタンヨウパナマの売りはと言うと、夏に咲く花です。まるで素麺かカッペリーニのように白い糸(雄シベ)を大量に吐き出します。
ところがそれは一日花なので、撮影は運任せになります。ただし、その運に見放されても、焼きソバのように茶色くなった姿は数日見られるようだし、それにも遅参したらパナマソウの実に似た肉穂花序が見られるはずで、今後が楽しみです。

過去のきょう 2022 ルエリア・マコヤナ 2021 タロコキブシ 2020 パボニア・インテルメディア 2019 マツリカ 2018 チャセンシダ 2017 ユーフォルビア・プニケア 2016 ヘラシダ 2015 ヒメキンセンカ(ホンキンセンカ、フユシラズ) 2014 アサヒカズラ 2013 ミッキーマウスノキ(オクナ・セルラタ) 2012 ウメ(白梅) 2011 シナマンサク 2010 ゴールデンクラッカー 2009 オオカンザクラ 2008 ボクハン 2007 ヒトツバ 2006 オオバイノモトソウ 2005 八重カンヒザクラ

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3月2日(木) エパクリス・レクリナータ

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花色が可憐だし、形がユーモラスです。葉には艶があり、ハート形というかスペード型というか、小さくて先鋭な形で「ただ者ではない」感を醸します。そして、3月に入ったとは言え、極寒期を通して屋外で平気の平左です。
…と並べるとベタ褒めなのに、じつは内心「なんだかなぁ~」です。テキトーにのたうつ枝があまりにとりとめなくて、うまく剪定したらまとまるのかしれなくても、本質的にこういう放縦・放埒タイプが嫌いな自分を思い知らされます。
もっとも、オーストラリアの荒地に育つ低木にそんなお行儀の良さを求めるのはお門違いというものです。環境の厳しいそんな土地で育つ仲間が40種ほどもいるのだそうで、とりあえずこのレクリナータを見ただけで満足しておきます。

過去のきょう 2022 ロドデンドロン・ロキアエ 2021 アスプレニウム・エメラルドウェーブ 2020 アカバナ 2019 ヤグルマギク 2018 モクレイシ 2017 アヤメ 2016 ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ) 2015 ナリヒラヒイラギナンテン 2014 ハボタン(高性種) 2013 ギシギシ 2012 オランダミミナグサ 2011 セイバンモロコシ 2010 ヒース・バンクシア 2009 クロチク 2008 ケンポナシ 2007 ラナンキュラス 2006 ヤマノイモ 2005 ギンヨウアカシア

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3月1日(水) フイリゲットウ

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ゲットウ(月桃)の葉に斑が入ると言えば、すぐにキフゲットウを思い浮かべます。しかしこのゲットウの斑には黄色みがまったく感じられず、完全な乳白色です。かつ、葉も心持ち小ぶりで細く、株全体にスカスカ感が漂います。
フイリゲットウという和名からすると、キフゲットウと同じようにゲットウの園芸種と勘違いしそうです。しかし、これはゲットウとは同属であっても別種になり、この白い斑を持つ葉がオリジナルでありスタンダードなのです。
したがって、キフゲットウを含むゲットウよりは花が咲きにくいし、寒さには弱いという別の性質を持ちます。同じようにゲットウとは同属の別種にはヤクチとかレッド・ジンジャーがあり、あれらほどに違ってしまえば誤解はされないのに、姿が近いくせに和名まで紛らわしく付けられてしまうなんて、ずいぶん意地悪されたものです。

<文中登場の同属種を学名で整理>
☆ フイリゲットウ : Alpinia sanderae
☆ ゲットウ : Alpinia zerumbet
☆ キフゲットウ : Alpinia zerumbet 'Variegata'
☆ ヤクチ : Alpinia oxyphylla
☆ レッド・ジンジャー : Alpinia purpurata

過去のきょう 2022 ディーフェンバキア・アモエナ・トロピックスノー 2021 ドドナエア 2020 アセビ 2019 ギンマサキ 2018 ケール(カリーノケール) 2017 リュウケツジュ(ドラセナ・ドラコ) 2016 ミチタネツケバナ 2015 ベニモンヨウショウ 2014 カンツバキ 2013 カワヤナギ 2012 ネコヤナギ 2011 ヒガンバナ 2010 シラヌヒ 2009 フチベニベンケイ(カネノナルキ) 2008 カリン 2007 アリアケスミレ 2006 リキュウバイ 2005 フキ(ふきのとう)

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