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10月16日(土) クレープジンジャー(フクジンソウ)

211016hellenia_speciosa
少し偏心した大きな葉が螺旋状についていて、たぶん、コスツスの仲間だろうとわかったところまでは上等でした。ただ、そこからが地獄です。
まず引き当てた名前がCostus speciosusでした。上に述べた葉の特徴はもちろん合っているし、深紅の花穂からこぼれる白い花びらもまさにアタリです。
ところがその学名はHellenia speciosaのシノニムらしいと知れました。その2種の属名はどちらが正しいとかではなく、現状で「両方あり」みたいなのです。さらに、見逃していけないのは種小名で、specioまでは同じでも、語尾がCostus はsus、Hellenia はsa、似ているようでも明確に違います。
さらにCheilocostus speciosusという表現にもぶつかりました。それらの説明写真を見る限り、3種の呼び方の植物はみな同じものに思えます。

というわけで、学名捜査は虚しく終了です。仕方なく標準和名を求めると、ホザキアヤメ(注)とオオホザキアヤメが出てきて、学名の延長戦になりました。
これはもうあきらめて、俗人は俗名に頼るしかありません。ほぉほぉ、海外ではクレープジンジャーですか。白く広がる花びらを見ているわけです。
ところが日本だとフクジンソウです。もちろん漢字にすれば福神草、つまり深紅の穂に福神漬けを重ねたらしいのです。クレープと福神漬け、あまりと言えばあまりの違いで、きょうのタイトルの主と従の順は、ごく個人的な価値基準です。

<補注> 後日の再調査の結果、ホザキアヤメはオオホザキアヤメとはまったくの別物でした。(2022年7月)

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