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6月30日(水) アメリカナデシコ(美女ナデシコ、ヒゲナデシコ)

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どうしてこれが美女なのか、たしかにカワイくても、カワイイと美女とは違う概念だよねぇと不思議です。その点、ヒゲはとてもわかりやすくて、緑の苞が花よりも高く突き出ています。ヒゲと言われても、ほとんど抵抗がありません。
ただし、美女ナデシコもヒゲナデシコも別名です。月曜のテマリソウのことを調べていたとき、その母種であるこのナデシコはDianthus barbatusであり、そこから生まれたテマリソウはD. barbatus ‘green trick‘と知りました。(注)
そして、D. barbatusの標準和名はアメリカナデシコでした。もっとも、これがアメリカの生まれなのかと言うと、じつはバルカン半島あたりがお里らしくて、アメリカを経由して日本にきたからという肩透かしの名前です。
ホムセンあたりだとだいたい美女ナデシコの名前で売られていて、少し専門的な花屋さんだとヒゲナデシコになっていて、まだ店先でアメリカナデシコという札を見たことがありません。じつは自分も美女が好き…というトホホのオヤジです。

<補注> テマリソウのほか、Dianthus barbatus の園芸種にはナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ)もあります。

過去のきょう 2020 ベゴニア・ペアルケイ 2019 カラシナ(セイヨウカラシナ) 2018 ツタ(ナツヅタ) 2017 ピンオーク 2016 トキワマンサク 2015 モモ 2014 タイトゴメ 2013 クマヤナギ 2012 タチアオイ 2011 ネコノチチ 2010 フタリシズカ 2009 ルリヂシャ(ボリジ) 2008 モミジバゼラニウム 2007 ハマカンザシ 2006 ブーゲンビリア 2005 セイヨウノコギリソウ 2004 ヒョウタン

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6月29日(火) ドドナエア

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ドドナエアの葉が緑の深さを増し、種が充実(白囲み)して来ました。莢の赤みは1カ月前からあまり進捗がなくてややがっかりです。
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というような近況レポはきょうの副題であって、主題はこれ(↑)です。なんと、花の時期には花粉ムワムワだった雄株に実がついています。「雌雄異株、例外的に同株」とされるドドナエアなのに、ごくあっさりとその「例外さん」に会えました。
しかも、2本です。いま、観察しているドドナエアは5カ所で7本まで増えていて、春の花で見定めたときは、7本のうち雌が3、雄が4でした。その4本のうちの2本が、ささやかとは言え雌性を持つ木でした。意外に高い比率にニコニコです。
さあ、こうなると残る課題はドドナエアの実生観察、それもできればこの2本の「例外さん」の種から…となるところでも、それは夢のなかの楽しみとしておきます。

過去のきょう 2020 ヒイラギナンテン 2019 ヤマボウシ(シナヤマボウシ)・ウルフアイ 2018 ヒメアシボソ 2017 ボウフウ 2016 セレウスサボテン(鬼面角) 2015 コウオウソウ(フレンチ・マリーゴールド) 2014 カンボク 2013 イトラン 2012 ソテツ 2011 ウリカエデ 2010 カワラナデシコ 2009 イブキトラノオ 2008 チガヤ 2007 カラクサゲシ(チューリップポピー) 2006 ノカンゾウ 2005 ボケ 2004 ボタンクサギ

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6月28日(月) テマリソウ

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これをGoogle Lensに見せても「マリモ」としか言いません。何度試しても、角度を変えても、かたくなに「マリモ」の一点張りです。ヒヒ、勝ったね。
Lensくん、これはテマリソウと言うんだよ。アメリカナデシコ(美女ナデシコ、ヒゲナデシコとして流通)の枝変わり品で、この「マリモ」は苞なんだよ。ほぉ。
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…と、少し涼しくなったところで真面目な話です。海外持ち出し禁止だし、苗は入手しにくいし、もっぱら切り花で店で買うのみです。写真左側はその一本です。
そして、そこからひと房もぎ取って揉みしだいてみました。いくら暴こうとしても、苞のなかにはなにもありません。間違って花が咲くことはあり得ないようです。(注3)
なので、種から育てることはできません。でもどうしても育ててみたくて、無理っくり探したのが上のマリモなのです。テマリソウに矮性品種があるなんて情報はどこにもなくて、でも茎はぜんぜん立ち上がってこなくて、謎のマリモです。
案外と「おもしろいもののなかでもさらにおもしろい」ものを入手してしまったのかなぁとニヤつきながら、今朝もナデナデしてあげました。(注1)

<補注1> テマリソウのなかにテマリヒメという品種があって、それはレギュラー品より少し背丈が低いようには見えても、うちのマリモほど寸詰まりではありません。
※ 残念ながらこの苗は夏を越せずに消滅してしまいました。(2021年8月)
<補注2> テマリソウがきっかけになって、アメリカナデシコを収録できました。(2021年6月30日
<補注3> テマリソウの開花写真がネットには案外に多く、しかもその花色がさまざま、つまり元の品種が多様であるらしいと知りました。(2024年秋)

過去のきょう 2020 ハマナデシコ 2019 ヒメシダ 2018 ナンキンハゼ(斑入り) 2017 スズカケノキとモミジバスズカケノキ 2016 トネリコバノカエデ 2015 ギンヨウアカシア 2014 ホソイ 2013 ケンポナシ 2012 キケマン 2011 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2010 カジノキ 2009 オオバオオヤマレンゲ 2008 カタクリ 2007 ナツハゼ 2006 ノウゼンハレン(キンレンカ) 2005 ミズキ 2004 イングリッシュラベンダー

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6月27日(日) モッコク

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「これがモッコクの雌株です」と見得を切るつもりだったのに、17年があっという間に過ぎていました。光陰矢のごとし…いいえ、自分が忘れっぽいだけです。
そして、それだけの時間があればいい加減男も少しは成長して、モッコクのこれは単純に雌株と言えない(雌雄異株とは分類できない)ことも知りました。トチノキが雌雄混株というタイプであることを学んだのは11年前のことでした。植物はなかなか多様で、モッコクの場合は、雄花しかつけない雄株と、両性花を咲かす株(両性株という呼び方はなくて、牧野博士もこの区分はシカト)とがあるようです。
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というわけで、こちらはどうあがいても雌シベを突き出すことのない雄株です。長年見ていて、ずっとこうして黄色い葯しか見せません、もちろん実もつけません。

さて、話は両性花をつける株のことで、それがいったいどのくらいの率で存在するのか、今回は17年のブランクを埋めるべく、大調査を敢行しました。
というほどのことはなくて、近所の戸建て住宅団地を歩き回っただけです。そこは前の東京オリンピックのときに造成され、300区画ほどある大規模なものです。
時代はまだゆったりの昭和だったので、一つひとつの区画が大きめで、庭もしっかりあり、そこには「庭木の王」とか「三大庭木」とされる(された?)モッコクが植えられていることが多いのは前から気づいていました。そこで今回は失礼を承知で一軒一軒のお庭をチェックさせていただいたわけです。
その結果は、なんと26軒のお庭にモッコクがありました。なかには2本・3本と並んでいるお宅もあって、これはたしかに庭木の王だったとあらためて感動です。
ただ、そのなかで雌シベを突き出していた木はたった4本でした。さらにつけ加えると、まったく花が見つからない木が半分近くあったのです。
毎年咲くものではないらしいことは、昔の記事に寄せられたコメントでも教えていただいているし、自分で眺めている感覚でも、そんな気はします。つまり、両性花をつける株の率を正確に算出するのはけっこう根気のいる仕事みたいです。

そして、今回の大調査(笑)のオマケです。この団地にも代替わりの波は押し寄せていて、広い敷地は2~3区画に割られ、小綺麗な住宅が並んでもそこにはモッコクが似合う庭などあるわけがなく、せいぜい玄関横にシマトネリコがあるくらいです。
人の気配がしないお宅も少なからずありました。あと10年もすれば、この団地から昔の面影は根こそぎ失われることでしょう。たぶんそんな情けない景色は見なくて済むだろうというのが、ほんの少しだけ、気持ちの救いです。

<補注> モッコクと同じように「両性花をつける株と雄株」という性別タイプの木にヒトツバタゴがあります。

過去のきょう 2020 カンノンチク 2019 ハクウンボク 2018 コバンコナスビ 2017 クガイソウ 2016 トルコギキョウ 2015 ズッキーニ 2014 キリ 2013 アフリカナガバモウセンゴケ 2012 エノキウツギ(ウオトリギ) 2011 シチダンカ 2010 ヒメコウゾ 2009 ムラサキセンダイハギ 2008 ウチワサボテン 2007 クマツヅラ 2006 カリフォルニアローズ 2005 タイマツバナ 2004 ヤブカンゾウ

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6月26日(土) サフランモドキ(ゼフィランサス・カリナタ)

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先日、ハブランサスが大きな種をつけているのに気づいて、ならばとゼフィランサスを確かめました。最初、結実することを教えられたのがゼフィランサス(Ajax)だったのだから、ハブランサスに迂回することなく辿ればいいのにヒマなヤツです。
ただ、ここの一群には種がこの一つで、しかもその花茎は折れて落ちていました。種の下側1cmほどのところで切れていて、だれかが摘んだのか、自然にこうなるものなのか、これからもう少しウォッチングが必要です。
なので話はゼフィランサスのシベに振ってしまいます。雌シベはまっすぐストレート、雄シベも6本同寸の棒状で、雌雄ともにヒネくれ気味のハブランサスとはまったく違うことに確信を持ち始めました。もっとも両方にはいろんな種類がありそうで、そのうちまた元の木阿弥で泣き言を言うでしょうが、それまでは強気です。

過去のきょう 2020 ウチワゼニクサ(タテバチドメグサ、ウォーターコイン) 2019 トマト 2018 コバンノキ 2017 アメリカスズカケノキ 2016 トサミズキ 2015 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)・ホットリップス 2014 コウホネ 2013 ハマナス 2012 ムラサキツメクサ 2011 ウチワサボテン 2010 イヌウメモドキ(雄株) 2009 シコタンソウ 2008 ヒメカイウ 2007 カクテル(つるバラ) 2006 ヤポンノキ 2005 ガクアジサイ 2004 モッコク

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6月25日(金) アエスクルス・パルビフローラ(ボトルブラッシュバックアイ)

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掌状に開いた葉、直立する花穂、まさしくトチノキのくせをして、なかなかそれらしくは見えません。根本原因は主幹がないこと、つまりブッシュ状なのです。
それでも、この写真の「稜線」は3mほどの高さで、庭の前景には向きません。かといって後方にあると花の細部が見えなくなって、わりと扱いにくい素材です。実がぶら下がった時期に別の場所でこの木を見ていても、それ以外では見ることがなくて、たぶん庭師さんには好まれない性格かなと同情してしまいます。
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ただし虫さんには好評で、このイチモンジチョウ以外にもいろいろとお客さまが来訪していました。そうそう、どんどん花粉をくっつけてね!と、その受粉すべき雌シベを探したら、それが見つかりません。右に貼り付けた1個がとりあえず見つけた両性花で、花穂10本ほど捜索してようやく発見した貴重品です。
こんな割合だと、秋の実は期待薄かと言うと、意外にもたくさんぶら下がるんだよね…と、いまから自分の節穴マナコの言い訳(注)をしておくのでした。

<補注> 文末の言い訳はそれほど必要ありませんでした。実をたくさんつけてもうなだれない穂を眺めながら、そのわけを考えました。(2021年8月14日

過去のきょう 2020 ヒメユズリハ 2019 ヒトツバハギ 2018 ゴシキドクダミ 2017 トチバニンジン 2016 オカヒジキ 2015 ハルシャギク 2014 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2013 キバナダンドクとダンドク 2012 キョウチクトウ(白八重) 2011 モミジイチゴ 2010 ウメモドキ(雄株) 2009 ナツユキカズラ 2008 ハナイカダ 2007 イソトマ・アネチフォリア 2006 ベニバナ 2005 シロミノコムラサキ 2004 シロバナハマナス

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6月24日(木) リシマキア・ファイアークラッカー

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花が咲いてくれて、ん、リシマキアか?とわかって正体調べができたものの、それまで葉だけだったときはまったくアテがつかなかったのだから無念です。
あと出しで、「そう言えばオカトラノオに似て(注1)いたか」などと思ったりはしても、この赤い色合いに惑わされました。葉がいつでも赤い園芸種です。
これだけ特徴のある葉なのだから、ネーミングはそれにちなむだろうという憶測は見事にハズレました。ファイアクラッカー(注2)ときました。たくさんついている蕾が全部開いたら、夕暮れの赤い空を背景に爆竹がはぜたようになることでしょう。

<補注1> 葉がオカトラノオを思わせるとしたのは、あくまで1枚の葉の形質という意味です。このファイアクラッカーは対生、オカトラノオは互生であり、オカトラノオ属にはあと輪生を見せるものもあり、葉の付き方は不定です。
<補注2> 学名はLysimachia ciliata 'Firecracker'です。Fireのカタカナ表記にはファイア、ファイアー、ファイヤ、ファイヤーの4通りがあって、選択を迷いました。(自分的にファイアーで統一)
<追録> 20日ほどあとの様子です。爆竹がはぜたような賑やかさにはならず、暑さにやられたのか、葉色が冴えなくなりました。(撮影:2021年7月17日)
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<補注3> 春の芽吹きを収録しました。(2022年4月20日

過去のきょう 2020 キハナショウブ 2019 ハナショウブ(濡烏) 2018 カラマツ 2017 メダラ 2016 イイギリ 2015 ジョウリョクヤマボウシ 2014 ギョウジャニンニク 2013 ニッサボク 2012 ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ) 2011 ギシギシ 2010 モミジイチゴ 2009 レッドロビン 2008 フタリシズカ 2007 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2006 ナンキンマメ(ラッカセイ) 2005 セイヨウバクチノキ 2004 ムラサキツメクサ

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6月23日(水) ナツロウバイ

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輪がつながってくるのはうれしいものです。ハートレッジくんが示してくれた連環をたどってみたら、ニオイロウバイとアメリカロウバイの区別がわかり、さらにナツロウバイまで明確に認識することができました。
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たしかに、ふっくらとした花です。この大きさがハートレッジワインに伝わって、しかし、残念ながら香りのないところまで引き継いでしまったわけです。
そういう話を知っておいてクンクンしてみたら、ホントに無香でした。さらに、花だけではなくて葉の性質もハートレッジワインには引き継がれているようです。
Sinocalycanthus chinensis、属名にも種小名にも中国が反映されている(注1)くらいで、生粋の大陸産です。なにかギスギス(ギトギト?)するいまのあの国ではなくて、古き良き時代のゆとりが1本の木に体現されているように見えます。

<補注1> Sinocalycanthusはシノニムで、標準の属名はCalycanthusです。
<補注2> 若い実を見つけました。(2024年8月3日

過去のきょう 2020 セイヨウヤブイチゴ(ブラックベリー) 2019 キンギョバツバキ 2018 シロツメクサ(クローバー) 2017 フイリクサヨシ 2016 ヒルムシロ 2015 ルリニワゼキショウ(アイイロニワゼキショウ) 2014 キリモドキ(ジャカランダ・ミモシフォリア) 2013 タイマツバナ 2012 ヒメシャラ 2011 ビワ 2010 ネズミモチ 2009 エーデルワイス 2008 オオバナウツボグサ 2007 ホザキシモツケ 2006 シュッコンカスミソウ 2005 キョウチクトウ 2004 ヨウシュヤマゴボウ

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6月22日(火) ハブランサス・チェリーピンク

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雨のなか、ハブランサスの赤い花芽がいきなり飛び出してきました。去年の開花よりは2カ月近く早くて、むふふ、やる気十分みたいです。
ただ、上の写真は花芽よりも葉が話の主題です。なにせこの葉がすごいのです。冬に枯れず、去年のままです。ずっと元気なまま冬越ししてしまいました。ハブランサスが常緑だったとは、育ててみないと気づかないことでした。
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その元気さはもう街にあふれていました。この4ショット、すべてきのうの散歩中の収穫です。ゼフィランサスとの違いがわかりにくいと嘆いた過去はどこへやら、目が慣れてしまうとハブランサスはこんなにあちこちに植えられているのでした。
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もちろん、ハブランサスの特徴と見極めたグイン雌シベはすべて確認しました。ただ、そこを見るまでもなく、花茎がガッチリしていて、その逞しい雰囲気がゼフィランサスとはかなり違っていることを感じられるようになりました。
そして種です。去年、タマスダレに種がつくことを思いがけずに「発見!」していたのに、ハブランサスにもそれを見つけて「おぉ」とうれしくなりました。こんな当たり前のことで喜んでいられるのだから、けっこうおめでたい人なのでしょう。

<補注> 3年目は開花が7月7日でした。年ごとに咲き始めが半月~1カ月ほどもズレるようです。(2022年7月9日

過去のきょう 2020 ドクダミ 2019 トキソウ 2018 テロペア 2017 マルメロとカリン 2016 サカキ 2015 ミズキ 2014 ホタルイ 2013 ジャボチカバ(キブドウ) 2012 アマリリス 2011 スカシユリ 2010 ハグマノキ 2009 シチダンカ 2008 メグスリノキ 2007 キキョウソウ 2006 ゴウダソウ 2005 スカシユリ 2004 ヤマモモ

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番外編 : クダモノタマゴ(カニステル)

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レンブの実を沖縄から取り寄せした副産物です。せっかくならほかに珍しいモノがないかリストを探したら、3年前に沖縄で見たカニステルがあったのです。
届いてもしばらくは常温追熟が必要で、この異様な形を眺めながら待ちました。そうそう、カニステル(Canistel:英名)の語源ははっきりしないようでも、Canister、つまりお菓子などを入れる容器(缶や瓶)ではないかという説があるようです。要するにこの摩訶不思議な外見から名付けがされたのでしょう。
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数日待ったら、はち切れて皮が割れました。一口大にカットしてお皿に盛りました。ビジュアルはちょっとお洒落なデザート感覚です。
パクリ、ふむふむ。曰く言いがたしです。カボチャ、サツマイモ、ゆで卵の黄身、いろいろ言う人がいるということは、それだけピッタリの一言がないということです。
自分の感覚だとスイートポテトが味的に一番近いと思いました。冷やして食べると甘いおやつです。ねっとりするので、仕上げにレンブを食べるとスッキリ?みたいなところがあって、今回の取り寄せ果物2種はなかなか絶妙のコンビでした。

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6月21日(月) オキシデンドルム・アーボレウム(スズランノキ)

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やはり梅雨どきの花でした。最初の出会いから2シーズンを棒に振ったあげく、ようやくこの季節の花を撮ることができました。
濡れた葉が白い花を引き立てて…いや、無理な撮影のせいで、光量がだんぜん不足です。美麗写真はまたの機会です。
とりあえず、スズランっぽい花が見えます。1カ所から長い花穂が10本ほどにも分岐していて、やや珍しい花のつき方です。
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その軸は意外なほどの太さです。冬まで実がワサワサ揺れていたのは、この丈夫な軸のおかげでした。分岐した1本の軸につく花は10~15個です。
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おお、雌シベが立派です。花びらはかなり傷みやすく、うっすらした赤みを含んでいます。そして萎れると臙脂色のゴミ(笑)と化します。以前、8月に見た花穂の痕跡に赤紫の物体を見つけて不思議だったわけで、あの正体が判明しました。
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雄シベのしかけがイマイチ不明です。いろいろな昆虫が寄って来ていて、たぶん花のなかをかき混ぜるのでしょう。さあ、次は実の試食が待っています。梅雨が明けたら、陽光を思い切り浴びて、おいしい実(注2)を膨らましてください。

<補注1> 同じスズランノキ同士のゼノビアの実はがっかりで、オキシデンドルムの方もあまり期待できなくなりました。(2021年7月19日
<補注2> スズランノキ同士の実対決はオキシデンドルムに軍配を上げました。(2021年8月12日

過去のきょう 2020 アセロラ 2019 キバナフジ 2018 ヒナマツヨイグサ 2017 ウチワゼニクサ 2016 ノビネチドリ 2015 サンカヨウ 2014 ホソバタイサンボク 2013 ドイツスズラン 2012 ヤマコウバシ 2011 マルバチシャノキ 2010 ルリミゾカクシ 2009 コアジサイ 2008 クリンソウ 2007 イトバハルシャギク 2006 ツキヌキニンドウ 2005 アンズ 2004 ハンゲショウ

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6月20日(日) ヒルザキツキミソウ(白花種)

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うわ、モモイロではないヒルザキツキミソウだとここまで白くないといけないのか!と焦りました。9年前、ヒルザキツキミソウとモモイロヒルザキツキミソウを区別する考えもあることを知って、色の薄い花を必死に探した努力は無駄だったか…。
いえいえ、ヒルザキツキミソウには園芸的に作られた白花種がありました。ああ、良かったと胸を撫で下ろしたし、逆に自分が見つけた白っぽい花が自然環境のなかではかなり限界的に色が薄かったことを確認できました。
少し余裕のできた目で写真を見直すと、萎んだ花にうっすらとモモイロの痕跡が認められて、お里というのはなかなか隠せないものと微笑んでしまいます。

過去のきょう 2020 ハマボッス 2019 ハマヒルガオ 2018 イソノキ 2017 ヤハズホオノキ 2016 アナベル(アジサイ) 2015 ゼラニウム 2014 ハンゲショウ 2013 サントリナ 2012 >ノトカクタス(品種未詳) 2011 カワラマツバ 2010 ヤブムラサキ 2009 ウズアジサイ 2008 ササユリ 2007 クロバナフウロ 2006 マリアアザミ 2005 ムラサキシキブ 2004 アガパンサス

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6月19日(土) カリカンサス・ハートレッジワイン

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種苗会社が販売促進に力を入れている園芸種で、カリカンサス・ハートレッジワインだそうです。Calycanthusはこの手の暗赤色の花をつけるアメリカ産のロウバイ(注)の属名、ハートレッジはこれを作出した人の名前、ワインは説明不要です。
30年前、ハートレッジくんが Sinocalycanthus chinensis と Calycanthus floridus var. glaucus を交配して作ったということで、前者はナツロウバイで、花の大きさと香りのないところにその性質が反映されています。
問題は後者で、Calycanthus floridus には2種が知られていて、その片方が var. floridus で、もう一方が var. glaucus なのです。フロリダス・フロリダスはニオイロウバイ(通称クロバナロウバイ)のことで、グラウクス(未収録)の和名はアメリカロウバイです。どちらもアメリカ産なのに、片方だけ国名を名乗るとはいかがなものかと、いつものようにブータレながら、さてその純グラウクス、早く見たいものです。

<補注1> 翌年、カリカンサス・ホワイトドレスを載せたことで、「Calycanthusの花は暗赤色」とは言えなくなりました。(2022年6月22日
<補注2> 秋の終わり、大きめの葉がきれいに色づいたのに、虫に食われて大穴が空いていました。(2024年11月19日

過去のきょう 2020 アセビ 2019 ムクロジ 2018 ミヤマオダマキとヤマオダマキ 2017 ドクゼリモドキ(ホワイトレースフラワー) 2016 ヒオウギアヤメ 2015 アフリカホウセンカ(インパチェンス) 2014 ムクロジ 2013 ササユリ 2012 ガクアジサイ 2011 ナナミノキ(雌株) 2010 キョウガノコ 2009 エゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー) 2008 ミヤマウグイスカグラ 2007 イチヤクソウ 2006 サクラ(染井吉野) 2005 コムラサキ 2004 コムラサキ

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6月18日(金) ブルーファンフラワー(スカエボラ)

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どうやらこれも例の洋酒メーカー系列の種苗屋さんが売り出しているもので、作品名(サンク・エール)がオヤジ的です。フランス語では「5枚の羽」でも、英語だと「ありがとう声援」になって、なんとなくわかるような、でも息が詰まるような…www。
ただ、そのサンク・エールにもまだ咲き分け種はないようなので、これはたぶん色違いの2株を寄せ植えしたのでしょう。よそさまの庭先のものを掻き分けるわけにいかないので、もし新種が出ていたらあとで訂正することにします。
縁がうっすら紫のものと、全体が濃い紫の2種類しか収録していなかったので、スカエボラの花色には幅があるという記録ができました。これからの暑さに向かってピンクはいらないかも、というのは個人的感想で、どうぞ元気に咲き続けてください。

過去のきょう 2020 キキョウ 2019 フタマタイチゲ 2018 ウリノキ 2017 コルクガシ 2016 ベニバナヤマシャクヤク 2015 サワフタギ 2014 ワタナベソウ 2013 コクテンギ 2012 ヒルザキツキミソウ 2011 ハナショウブ(沖津白波) 2010 テイカカズラ 2009 ニオイロウバイ 2008 イワタバコ 2007 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ) 2006 ベニバナ 2005 マツバギク 2004 サルスベリ

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6月17日(木) レンブ(オオフトモモ)

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レンブの木の下というのはけっこうな危険ゾーンなのでした。ボタボタと実が落ちていて、地面が賑やかです。それでも上にはまだいっぱいあって、これはトータルで100や200の話ではなく、明らかに桁が一つ違う収穫量になるようです。
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そしてこの収穫期に合わせ、合法的(笑)なレンブの実を入手できました。沖縄の果物屋さん、HP上ではSold Outになっていたのに、お願いしたら「少量ですが」と都合してくれました。いえいえ、少量でこちとら十分なのでございます。
さすがに、果物屋さんの実はデカイです。温室のものより1.5とか2倍(体積比)はある感じです。シャッキリ・爽やか・あっさり、そして軽く酸っぱいというところで、コテッとした食事のあとの口直しにピッタリ、あるいはサラダに混ぜ込むとかトッピングすると軽快な歯触りが楽しめて、おもしろい果物があればあるものでした。

<補注> 標準和名はオオフトモモです。なお、レンブと併せてクダモノタマゴも購入・味見しました。(2021年6月22日

過去のきょう 2020 コウシュンカズラ 2019 ヤブニッケイ 2018 セッコク 2017 カボチャ(セイヨウカボチャ) 2016 ウラジロヨウラク 2015 ウキヤガラ 2014 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2013 ケマンソウ(タイツリソウ) 2012 ハグマノキ(スモークツリー) 2011 ラベンダー・デンタータ 2010 ヒメジョオン 2009 ギンバイカ 2008 アゼナルコ 2007 ワラビ 2006 ローズゼラニウム 2005 カツラ 2004 シロタエギク

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6月16日(水) ヘメロカリス

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ずいぶん昔にヘメロカリスは載せていて、これを撮るとき、「色合いがあれとそっくりだけど、一応、押さえに」と考えながらパシャパシャやりました。
比べてみました。ぜんぜん違うじゃないすか。そもそも2万種以上が作出されているのだそうで、似ていると思う発想自体がお馬鹿レベルでした。
それでも、花にしか向いていなかった興味が葉にも向かっているし、一日花であえなく萎れていく様子や、それを補って余りある蕾も写し込みました。16年分の進歩がどうにか見えるじゃないかと自分を慰めておきます。
ただ、そんな甘やかしがきかない大事を発見しました。旧記事に「ユウスゲやカンゾウ類の仲間」と書いたユウスゲ(注)とまだ袖も触れ合っていません。探せば南伊豆にはその名もユウスゲ公園という絶好の撮影地がありました。
とほほ、遠過ぎます。時代が悪過ぎです。いつか平穏が戻ったら、のんびりと伊豆を撮影旅行することを夢見て、資金確保に励むことにします。

<補注> ユウスゲを収録できました。(2022年7月20日

過去のきょう 2020 ヘリコニア・フミリス 2019 ヒメコウホネ 2018 ヤナギイチゴ 2017 アカガシワ 2016 マルバシモツケ 2015 カシグルミ 2014 ガマ 2013 サンショウ 2012 タイリンマツヨイグサ(ゴデチア) 2011 ナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ) 2010 イボタノキ 2009 バイカウツギ 2008 サンショウバラ 2007 フウリンソウ(カンパニュラ・メディウム) 2006 ハタザオギキョウ 2005 バショウ 2004 オシロイバナ

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6月15日(火) チャンチン

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これだけ目立つ花を、なんと丸8年、見つけられないできました。ようやく花穂の痕跡を見つけてからでも2年です。眺めただけで肩が軽くなりました。
そしてフツフツと沸いてくるのは怒りです。1個の花、小さ過ぎます。花穂のつく位置、高過ぎます。葉っぱが邪魔で、光線、きれいにあたりません。
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300mm望遠をつけたK-50を思い切り高く掲げ、どうにか花の形をとらえました。手ブレもあろうし、高いところで風も渡ります。慚愧と諦念の一枚です。
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しかし、地面は新鮮な花で埋もれていました。ひっきりなしに降り注ぎます。足がものすごく早い花で、見つけられなかった理由はここにもあったようです。
加えて梅雨とピッタリ符合する時期です。撮影に出るのをためらっている間に終わっていたという年もあったのだろうと、いまになって思います。

さて、掌にいっぱい花を集めて、そこに鼻を突っ込みました。ぜんぜんダメです。散って落ちた花とは言え午前中です。写真に見えるように、傷みもまったくなくて新鮮そのものです。しかし、なんともどうにも香りらしきものはありません。
樹皮が匂わないことは前に確認済みです。自分の鼻の性能があまり良くないことは承知なのでおおっぴらには言えなくても、チャンチンを説明するのに香りのことは除外していいように思います。どなたかが、関東近辺で、はっきりと自分の鼻で確認したというレポートを見るまで、はた衛門は香気説無視でいきます。

さあ残る課題は実です。足の早い花よりはずっと楽に見つかる理屈なのに、理屈どおりにならない年を過ごしてきました。今年こそ、神様、お願いします!

<補注> 実がたくさんできていました。(2021年8月2日

過去のきょう 2020 ベニガクアジサイ(ベニガク) 2019 シロバナハマナス 2018 シュンギク 2017 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2016 イノデ 2015 ライムギ 2014 エゾアジサイ 2013 ベニバナ 2012 ヒメタイサンボク 2011 ノグルミ 2010 ニゲラ 2009 ヤマブキショウマ 2008 ベニバナイチヤクソウ 2007 ムラサキウマゴヤシ 2006 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2005 シャクヤク 2004 ハキダメギク

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6月14日(月) クローバー・ティントワイン

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買う人がいるから作る(創る)わけで、紅色に染まった葉に罪はありません。しかも、買った人(の一人)がウチの助手1号なのだから、なにをか言わんや…。
などとブツクサ言っていたら花が咲いてきました。それがやや小さめだし、花が全周均一に開いてくる(ムラサキツメクサと違う手順)ので、どうやらこのクローバー・ティントワインという作品のベースはシロツメクサだろうと推量しました。
ワインのほかに、ティントシリーズにはロゼとかあって、全11種!です。それぞれけっこう主張が強くて、メーカー(ナーセリー)さんの力量に感心します。
爺サンにはまったく縁のないティントという単語にも、このクローバーで親しむことができました。近所の嬢さんを「お、ティントかな」なんてからかってあげましょう。

<補注> シリーズの基本種と思われるヴェールを収録しました。(2021年7月10日

過去のきょう 2020 サラガミネキキョウ 2019 オニノヤガラ 2018 ゲンペイシモツケ 2017 ツクバネガシ 2016 ホソバアオキ 2015 ボダイジュ 2014 タツナミソウ 2013 ネズミモチ 2012 ウワバミソウ 2011 ラムズイヤー 2010 ヤマグワ 2009 ジョウリョクヤマボウシ 2008 ムクノキ 2007 ナンテンハギ 2006 ヤエドクダミ 2005 ブナ 2004 ガクアジサイ

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6月13日(日) カシワバアジサイ

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アジサイの季節なのに、このごろは憮然とすることが増えました。どこも真っ白(アナベル)ばかりだし、カシワバアジサイだって八重ばかりです。
そんななかで、これはうれしい出会いでした。見るからにシンプルな一重のカシワバアジサイです。しかも、ソフトクリームではなくてお煎餅です。お饅頭かな・笑。
そんなガチの一重を見つけたので、懸案の「一重と八重で葉は違う?」問題のチェックです。わかりませんね。このお饅頭さんに限れば、切れ込みの幅が少し広く(隙間が大きい)見えても、ソフトクリーム型の一重でも、そこが狭いものも広いものもあって、結論、カシワバアジサイは花が終わればみんな平等です。

<補注3> 一重の銘柄品が面白い花色を見せていました。(2023年6月30日

過去のきょう 2020 ショウキウツギ 2019 アセビ 2018 テンジクスゲ 2017 ナガバミズアオイ(ポンテデリア・コルダタ) 2016 ムラサキミツバ 2015 イヌガラシ 2014 チョウセンキハギ 2013 ゲラニウム(Jolly Bee ) 2012 ヒメカジイチゴ 2011 アカモノ 2010 アオテンマ 2009 ベニヤマボウシ 2008 ニワトコ 2007 ナヨクサフジ 2006 カシワバアジサイ 2005 ウメモドキ 2004 ムクゲ

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6月12日(土) アメリカオニアザミ

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鬼畜米英という言葉など蒸し返したくはないのに、アザミに米(アメリカ)鬼という冠を載せた名付けはややスマートさを欠いている(注)気がします。
コヤツは本当に鬼畜レベルの凶暴さで、かつてうっかり触ってしまい、1カ月もの間、人差し指の先に疼痛を抱えてしまいました。いくら「生態系被害防止外来種」といういかにもお役所らしいおごそかな指定をしてくださっても、手で触ったら1カ月ズキズキですから、少なくともはた衛門はコヤツの駆除は御免被ります。
繁盛する食品スーパーの脇にあるほんの少しの空き地で花を開き始めて、好奇心一杯のお子ちゃまがひょいと手を出してしまわないか、マジ心配です。

<補注> 本当は欧州の産なのに、米国経由で日本に来たせいで困った名前を進呈されてしまいました。セイヨウオニアザミと呼ぶ動きはあっても、いまのところ、標準和名は鬼畜米英連想型の方とされています。

過去のきょう 2020 キバナノコギリソウ 2019 チョコレートコスモス 2018 ヤマアジサイ・乙女の舞 2017 フシノハアワブキ 2016 ヤマウコギ 2015 ドクウツギ 2014 クラマゴケ 2013 フェイジョア 2012 ムシャリンドウ 2011 アリウム・ギガンテウム 2010 オオテンニンギク 2009 ニワナナカマド(チンシバイ) 2008 シナノキ 2007 オオマツヨイグサ 2006 ムシトリナデシコ 2005 クリ 2004 クチナシ

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番外編 : アナベルの里

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ここ数年、街でやけにアナベルが目につくようになったと思っていたら、やはりそのブームを支える場所がありました。
けっこう大苗なので、出荷価格@1,000円として、200万円は下らない眺めです。みんなの気持ちもお庭に向きがちなこのごろ、花卉産業大繁盛です。

<補注> このあとでピンクのアナベルを収録しました。(2021年7月1日

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6月11日(金) カシグルミ(テウチグルミ)

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なんの木かわからないほど離れないと全容が写せないサイズの木です。高さは10mはあるし、幅(樹冠の端から端)は20mを超えていそうです。
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その根元は紛れもなく1本の幹でした。そして地面にボトボト落ちているのはクルミの実です。このふくよかな葉の形からするとカシグルミです。
広大な敷地の隅に佇立するこの木1本にどれだけの実がついているものか、数えようがありません。貼り付けた写真に50個ついているとして、このくらいの塊が全体で80カ所あるとしたら4,000個…、ここのお宅で食べる量ではありません。
元農家みたいな感じだったので、秋には玄関先で「獲れたてクルミ」の販売とかしてくれるかも(注)しれません。期待の散歩ポイントができました。

<補注> そうそう都合良くことは進まず、しかし運良くほかの場所で「落ちたてクルミ」をゲットし、その味を堪能できました。(2021年9月13日

過去のきょう 2020 ヤエカシワバアジサイ 2019 マルバイワシモツケ(イワシモツケ) 2018 シナノナデシコ(ミヤマナデシコ) 2017 ショウジョウバカマ 2016 ホンカンゾウ(シナカンゾウ) 2015 カミツレ(カモミール、カモマイル、ジャーマンカモミール) 2014 ツゲ(ホンツゲ) 2013 タカノハススキ 2012 ユリノキ(斑入り種) 2011 レンゲツツジ 2010 ウメガサソウ 2009 ナンテン 2008 マグワ 2007 キンギンボク(ヒョウタンボク) 2006 ホオズキ 2005 ハアザミ(アカンサス) 2004 ナツツバキ

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6月10日(木) メカルドニア

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このごろときどき見かけて気になっていた草です。花の形がトウバナ系を思わせるのでその線から調べてもまったくつながらず、少しあきらめていました。
きのう見かけたとき、ふと思いついて、スマホで撮ってそのままGoogle Lensにかけてみました。一発回答、メカルドニアと出ました。園芸系は得意みたいです。
だいたいがアメリカのものらしく、Mecardonia procumbensという自然種からいろいろ園芸品が作られていて、これもそのうちのどれかなのでしょう。
花も葉も小さくて、全体ワヤクチャです。細部をどうこう愛でるのではなく(注)、「この辺を黄色と黄緑で塗りたくっておきたい」みたいな使い方が向いています。

<補注> 草木ブログとしてはずいぶん投げやりな態度だったことを反省し、老眼に鞭打ち、ジトッと見入ってみました。(2024年5月6日

過去のきょう 2020 カンガルーポー 2019 ムラサキスズメノオゴケ 2018 ガジュマル、ほかいろいろ 2017 セッコウガキ 2016 ネグンドカエデ・フラミンゴ 2015 アブラツツジ 2014 エキノプシス・カマエセレウス(ビャクダン、ピーナツカクタス) 2013 ニッサボク 2012 ヒメコバンソウ 2011 キショウブ 2010 アカショウマ 2009 ハタザクラ 2008 ラミウム・マクラツム 2007 オニノヤガラ 2006 ヨーロッパブドウ 2005 シャグマユリ 2004 タイサンボク

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6月9日(水) ニッケイ

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低いところにも枝はあるのに、そこに花はついていなくて、高いところの花を写そうとすればそれなりに遠のかなくてはなりません。歯ぎしりです。
とは言いながら、実を載せてから2シーズン目、ようやく見つけた花です。こんなにささやかだったのだねーと自分を慰めたい気分です。
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牧野博士によれば「萼ハ短筒形ヲ成シテ六裂シ三片宛内外二輪列ヲ成シ」だそうで、ぐわぁ、花びらだと思ったのは萼ですかい、ガクッ。
さらに「一雌蕊十二雄蕊アリ」だそうで、右の花で「一雌蕊」は見えても「十二雄蕊」はムリムリムリーーーです。もう少しここに通えば、実のときのように地面に花が落ちてくれるかもしれないし、低い枝で咲いてくれるかもしれないし、先生、どうやってニッケイの花を観察したんですかぁとボヤキながら、再戦の気、満々です。

<補注> セイロンニッケイの花も似たり寄ったりです。(2022年5月21日

過去のきょう 2020 ヤブデマリ・ピンクビューティ 2019 キュウリノキ(ナガバノゴレンシ) 2018 タチアワユキセンダングサ 2017 トウキ 2016 オオトウワタ 2015 マツモトセンノウ 2014 シリブカガシとマテバシイ 2013 アナガリス(ルリハコベ) 2012 イヌリンゴ 2011 キレンゲツツジ 2010 ナルコユリ 2009 ニワウルシ(雄株) 2008 コアジサイ 2007 ノリウツギ 2006 ヨウシュイボタ 2005 サルビア・グアラニチカ 2004 ネムノキ

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6月8日(火) クダモノトケイソウ(パッションフルーツ)

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大雑把に言えばふつうのトケイソウと同じつくりと色の花です。ただ、実が大きかった分、花もこちらがふた回りほど大きくて、ドドーンという存在感があります。
そして時計の文字盤(構造的には副花冠)がおどろおどろしくて、やっぱり「ふつう」とは別物だと確認できます。相対的に花びら(と萼の合計が10枚)が短く見えてしまって、さて花粉媒介者たちにはどっちが魅力的に見えるのでしょう。
そういう比較の目で見ると葉もかなり違います。掌状に3・5・7裂が無作為に混じる「ふつう」に対し、こちらは3裂中心です。縁のギザギザがない(全縁)「ふつう」に対し、こちらはまるでノコギリのようなシルエットです。似て非なるもの…でした。

<補注> トケイソウ属(Passiflora)の花の怪奇度はこの程度で納まるものではありません。(2021年12月28日

過去のきょう 2020 サフランモドキ(ゼフィランサス・カリナタ) 2019 ムラサキ 2018 フクギ 2017 ヒゼンマユミ 2016 オオバヤシャブシ 2015 ハマクサギ 2014 イグサ(イ) 2013 トネリコ 2012 カラスムギ 2011 ジャーマンアイリス 2010 カナウツギ 2009 ギンリョウソウ 2008 アケボノフウロ 2007 シロバナヤエウツギ 2006 ウラジロチチコグサ 2005 モミジルコウ(ハゴロモルコウソウ) 2004 ナンキンハゼ

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6月7日(月) フェイジョア

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この写真の収録にあたって前回記事を確認したら、顔が火照りました。もう見慣れてしまって、フェイジョアの花には興趣をそそられないと言っています。
馬鹿なことを書いたもので、ただそういう生意気な時期はあるよなぁと軽くスルーしながら、フェイジョアの花に迫ります。左右の花に差があります。
左が適齢期なのに対し、右はやや未熟です。左の葯に触ると指先は黄色くなるのに、右の雄シベはまだ粉を出しません。花糸もまだヨロヨロしているし、雌シベものびきらず、受粉状態になっていません。花びらもまだ素直に開いています。
蕾のとき(右下嵌め込み部)にも、変なパーツがあります。花柄と蕾の境部分にある黒っぽい羽根です。この部位だと托葉ではなくて苞と考えるべきでしょう。見る側からすれば特に必要性も感じない2枚の羽根なのに、いったいどういう役割を背負ってそこについているのか、フェイジョアに萌え直しました。

過去のきょう 2020 フローレンス・ナイチンゲール 2019 センダン 2018 ゲットウ 2017 ハナヤエムグラ 2016 シロバナニガナ 2015 ハンカイソウ 2014 ジューンベリー 2013 スズラン 2012 サツキ 2011 ナナカマド 2010 ネジキ 2009 ナガバオモダカ 2008 マルバストラム 2007 ウツギ・マギシエン 2006 タケニグサ 2005 ヒメシャラ 2004 オオカナダモ

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6月6日(日) サニーレタス

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同属なのだから、種(注)はきっとアキノノゲシに似るのだろうという予測は、アキノノゲシに怒られそうな結果でした。花後の姿はほぼゴミの山だし、冠毛は短くて飛翔能力は低そうだし、種も色白で、アキノノゲシのお目々バッチリとは大違いです。
なので、超拡大した種を画面に合成してみました。このごろはこういうフェイク画像が情報操作に使われるらしくても、こんな下手くそ技術なら問題ないでしょう。
しかし、野菜の種が、いかに能力は低くても飛ぶのはマズイだろうと思います。というか、こういう野菜の種もありなのだと学習しました。飛ぶ前に摘んだら種が未熟だろうし、成熟を待てば勝手に飛ぶだろうし、困ったものです。
もしかしたら、種生産農家は畝全体をネットで囲うのでしょうか。サニーレタスの種を買うつもりはさらさらないくせに、もし高価でも仕方ない気がしてきました。

<補注> 記事内ではすべて「種」と表現したものの、正確には「果実」です。

過去のきょう 2020 ニンニク 2019 チョウジソウ(広義) 2018 オカウコギ 2017 シラキ 2016 キササゲ 2015 メグスリノキ(雌株) 2014 ダイズ 2013 ギョリュウバイ 2012 ノミノフスマ 2011 サイハイラン 2010 ウスベニアオイ 2009 ナギ(雌株) 2008 マルバダケブキ 2007 シロバナサギゴケ(サギゴケ) 2006 シモツケ 2005 ホタルブクロ 2004 サンゴジュ

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6月5日(土) レンブ(オオフトモモ)

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あっという間でした。レンブの実、白からピンクまで10日かからないのでした。さらに色だけではなくサイズだって目に見えて大きく変わってきています。
花盛りが4月の末だったので、なか1カ月で花から実に様変わりでした。その期間には、真っ白の豪華な房飾りが茶色のおこもさんと化す段階があったわけで、あまり美的ではないので写真は晒さないでおきます。
さて、ここからさらに膨らんで可食状態になるのはどのくらいの日数でしょう。レンブの最初のレポート(今回とは別の場所の木)は8月で、その写真にある実の色はきょうの右端段階よりも赤みが淡いと感じます。つまり、カレンダー的に生長が進むのではなく、場所により木により個別ペースらしいのです。
悲しいことにどちらの木も温室のもので試食は叶いません。それでも見れば食べごろはたぶんわかるはずで、課題はそれまでにレンブの実を売っている果物屋さんを見つけ、食レポと完熟写真掲載をシンクロさせることと相成ります。

<補注1> 標準和名はオオフトモモです。
<補注2> 無事に食レポと完熟写真掲載ができました。(2021年6月17日

過去のきょう 2020 アマチャ 2019 シルバープリベット 2018 ミヤマヨメナ 2017 コムギとオオムギ 2016 ハマダイコン 2015 イトヒメハギ 2014 ビヨウヤナギ 2013 エケベリア・サブセシリス 2012 ウツギ 2011 スダジイ 2010 フレンチラベンダー 2009 イヌビワ 2008 ノハラワスレナグサ 2007 セイヨウムラサキ 2006 カラタネオガタマ 2005 スイセンノウ(フランネルソウ) 2004 ナツシロギク

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6月4日(金) ラムズイヤー(ワタチョロギ)

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もう消えてしまいそうなトウグミの毛(きのう)を見ていて思い出したのがコヤツでした。むふ、考えた以上の毛深さです。これだけ分厚いと、蒸すでしょうなあ。
いや、毛のせいかどうかは不明でも、夏越しは苦手だそうで、けっこうピークの毛深さをとらえることができたようです。至福の指触りです。
ただ、オヌシ、光合成はどうする気だ!? 葉の表面細胞に光が届かないじゃないかよぉ…という素朴な疑問に対する答えがどこにも見つかりません。
そこでジトッと考えてみました。この毛は細胞の突起なのだろうかと。それならばかなりの表面積を稼ぐことができて、効率よく光化学反応が得られます。
さあ、またも出ましたはた衛門珍説です。証明する手段を持たない素人は言いっ放しの逃げ放題です。奇特な先生の研究結果をそっと待ちましょう。

過去のきょう 2020 ホウレンソウ 2019 コムギ 2018 キソケイ 2017 コバノズイナ 2016 フウトウカズラ 2015 エンコウカエデ 2014 ルイヨウボタン 2013 センダン 2012 ジギタリス(キツネノテブクロ) 2011 ハルザキヤマガラシ 2010 ニワウルシ 2009 ヤマアジサイ 2008 ニンジン 2007 ムギワラギク 2006 イイギリ 2005 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ) 2004 アメリカノウゼンカズラ

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6月3日(木) トウグミ

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つきもついたり! トウグミ、偉大です。前に実の写真を載せたのは、時期が遅すぎでした。あそこまでいけば、味はとろけるように甘くても、数が寂しすぎます。
今回の写真は5月23日の撮影です。このときは色が真っ赤なものでもまだ甘酸っぱいではなく「酸っぱ甘い」でした。しかし、色合いが最高だったので画像はこちらにして、パクパクはおととい、しっかりやりました。大満足でした。
210603var_hortensis
さて、課題の星状毛です。なんと、実の時期には薄くなるのでした。なんだよ撮影者と同じかよ、とか嘆きながら、まだ星形っぽい毛が残る葉を見つけました。

過去のきょう 2020 エニシダ 2019 クロウメモドキ 2018 コメガヤ 2017 バイモ 2016 シナガワハギ 2015 トキワハゼ 2014 マタタビ 2013 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2012 セイヨウニワトコ 2011 ニシキウツギ 2010 ブラシノキ 2009 クリ(雌花) 2008 センダイハギ 2007 タチバナ 2006 シロバナシラン 2005 ハナザクロ 2004 カリフォルニアポピー

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6月2日(水) シュガーホワイト

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真冬の空の下に飛び出して行ってしまった彼女のサボテンが咲きました。いやいや、あの歌だと冬に咲くはずだし、「小さな花」とあるし、ちょっと違いますか。
でも、イメージは白ですよ。どなたかが描いたPVイラストもやっぱり白でした。黄色とかピンクとかじゃあ、シリアスな財津さんがピエロになってしまいそう…。
このサボテン、名前はシュガーホワイトです。あらま、名前的にもまずいなあ。あの歌をトレースするならソルティホワイトですよねえ。やっぱ無理ですか。
真面目に言うと、このシュガーホワイトはサボテン科エキノプシス属とする人とカマエロビビア属とする人がいて、ただし、いまのところサボテンの属というのは120とか130あるのだそうで、要はナツメロついでには踏み込めない世界なのです。
ん…と言うことは、冬に咲く小さな白い花のサボテンも、その深い世界のなかには存在するかもしれないわけです。あ、ひょっとして財津さん、お持ちですか。

<補注> エキノプシス・カマエセレウス(ビャクダン)が母種のようです。

過去のきょう 2020 シャスタデージー 2019 トラフアナナス 2018 ホップノキ 2017 マダケ 2016 エビヅル 2015 ベニサラサドウダン 2014 オウシュウマンネングサ(ヨーロッパタイトゴメ) 2013 サルトリイバラ(サンキライ) 2012 ホタルカズラ 2011 ツクバネソウ 2010 モモイロタンポポ 2009 ワニグチソウ 2008 セッコク 2007 ソヨゴ 2006 オリーブ 2005 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2004 ユリノキ

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6月1日(火) ホルトノキ

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ホルトノキの過去登場は4回で、実の様子をとらえた2月が2回、花を写し8月が2回でした。見事な偏り具合で、己の単細胞ぶりにしみじみ感心します。
そこで今回は大成長で、蕾です。開花前に着目しました。だがしかし、これ、撮影はきのうです。花が咲くのは8月です。あと丸2カ月あります。

そんなに待つのかい…と深~いため息です。じつはいま、長年の課題樹3種(注)の開花を待っていて、過去に見つけられなかった蕾を、3種とも初確認できたのです。なのでけっこうマメに樹下に通っているのに、蕾、どれも膨らんでいる気がしません。ハイポネックス撒いたろか!と思い始めたくらいでした。
そうか。2カ月ですか。待ちましょう。5年も10年も見ることができずにいた花を、もしかして3種一気に撮影できそうなのです。三日にあげずは無理としても、せめて週一くらい通ってやれば、気むずかしい花もきっと笑ってくれるはずです。

<補注> 本文中、思わせぶりに述べた3種の課題樹とは、a. ニッケイ b. チャンチン c. オキシデンドルム・アーボレウム(スズランノキ)のことで、すべてこの6月のうちに花を撮影することができました。

過去のきょう 2020 サイカチ 2019 ハナヒリノキ 2018 クスダマツメクサ 2017 オニスゲ 2016 フキタンポポ 2015 オオヤマフスマ 2014 クサイチゴ 2013 マツバギク 2012 シロモジ 2011 アズキナシ 2010 シライトソウ 2009 ナツハゼ 2008 ギンリョウソウ 2007 ムシトリナデシコ 2006 ユスラウメ 2005 カルミア 2004 ソメイヨシノ

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