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3月31日(水) コヤスドウダン(ホンコンドウダン)

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サラサドウダンの花の色合いをちょうどひっくり返したようで、萼側の濃いピンクと裾の白の取り合わせはやや反則気味のかわいさです。いや、配色の妙よりも目立つのは、そのピンク部分のポッコリとした膨らみです。
別名のホンコンドウダンは、このドウダンが彼の地に産することを示していても、標準和名であるコヤス(子安)の由来がどこにも見つかりません。思うに、この魅惑のポッコリを妊婦さんのお腹に見立てたのでしょう。さらに、ドウダン類に共通の長い花柄が臍の緒を連想させるのも、この名付けの後押しをしていそうです。
同じく子安を名乗るコヤスノキはややマニアックに過ぎて腰が引けても、こちらのかわいらしい子安なら近所のお庭をどんどん飾ってほしいものです。

過去のきょう 2020 オオヤマザクラ 2019 エリオステモン・ディフォルミス 2018 セイヨウオキナグサ 2017 ヒナギク(デージー) 2016 ソライロキキョウアヤメ(アリステア・エクロニー) 2015 スギナ 2014 ユリノキ 2013 オオムラサキ(オオムラサキツツジ) 2012 ジンチョウゲ 2011 エゾムラサキツツジ 2010 リビングストンデージー 2009 ヤブサンザシ(雌) 2008 サラサレンゲ 2007 オオシマザクラ 2006 クロモジ 2005 ヤマモモ

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3月30日(火) 原種系チューリップ(フミリス)

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この春はこんな小さなチューリップがやけに目立ちます。日本人の縮み志向とやらが再燃したのか、あるいはコロナでみんなの感性が萎縮したのか、あちこちの花壇にこういう寸足らずのチューリップが目立つのです。
いや、真面目に調べると、そんな小さな品種はだいたいが原種系(の園芸種)で、「いわゆるチューリップ」より少し早めに咲くことが目につく原因のようです。色合いも形(花びらと茎)もまるっきりワインを思わせるこの品種はフミリスでした。
フミリスのなかにもいろいろ園芸種があるので、そこから先は不問にし、ここは朗らかに楽しげに、カンパーイ!(グラスを連想)と参りましょう。

過去のきょう 2020 マキシラリア・サンデリアナ 2019 ボケ(金鵄殿) 2018 シダレヤナギ 2017 ドクウツギ 2016 アンズ 2015 ニワザクラ 2014 フリージア 2013 カミガヤツリ(パピルス) 2012 ヤエムグラ 2011 アジサイ 2010 モミジバスズカケノキ 2009 ミミガタテンナンショウ 2008 ヒサカキ 2007 ハナカイドウ 2006 ユキゲユリ(チオノドクサ・ルシリエ) 2005 ベニバナトキワマンサク

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3月29日(月) シダレハナズオウ

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垂れた枝を美しいと見る心性がどこから生ずるのか、思うに不思議です。枝は力感いっぱいに空を目指してこそ枝だろうに、地面に向かってどうする気だ!と独り憤る爺さんは、たぶん好事家という人々からは嘲笑されるのでしょう。
いや、桜や梅をご自分の庭で垂れさせておく分には、狭量爺さんだって特になにも申しません。あるいは、銀座の柳が垂れないと歌にもならんとは思います。
しかし、ハナズオウが枝垂れなければいけない理由がわかりません。もしや紐で下から引っ張っていないか、疑う始末です。花のつき具合も心なしショボイ(注1)ような気がして、ほーら、咲く方だって気持ち悪そうだ!と毒づいてやりました。
ただ、考えてみればシダレカツラなんてどうやら自然発生したらしくて、特に人間が捏ねくり回さなくても、下に向きたい枝はあるのでしょう。カエデが枝垂れると涼しげだし、カキノキが枝垂れてくれると収穫しやすいメリットがあります。
やれやれ、シダレハナズオウを出しにして、いままで収録した枝垂れモノを総出演させることができました。あ、シダレケヤキを撮り忘れ(注2)ています。そんな代表的な枝垂れモノを忘れていたなんて、悲しくて首が垂れてしまいます。

<補注1> 咲き具合がショボイという批判が一方的ではないように、「ほら、これがハナズオウの咲き方だよ」という一枚を追加しておきます。ただ、時期的にはあと4~5日は早く撮りたかったところです。(撮影:2021年4月3日)
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<補注2> 曇天の悲しい写真ながら、シダレケヤキを収録しました。(2021年7月13日

過去のきょう 2020 カランコエ・月兎耳 2019 ヤグルマギク 2018 ゲジゲジシダ 2017 フキ(ふきのとう) 2016 レリア・アンシバリナ(洋ラン) 2015 オオベニウチワ(アンスリウム・アンドレアナム) 2014 ハシバミ 2013 ニワウメ 2012 クヌギ(雄花の芽) 2011 コノテガシワ(センジュ) 2010 ヒアシンス 2009 アーモンド 2008 ニシキモクレン 2007 カラシナ 2006 アマナ 2005 キブシ

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3月28日(日) セロリ(スープセロリ)

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プロの畑でも素人の農園でも、セロリを見たことがありませんでした。わりと好きな野菜なので、「地に着いた」姿を初めて眺めてうっとりです。
ただ、自分がイメージするセロリとはちょっと違う感じがします。茎が細くて緑色が強いし、葉もやや間延びして頼りなさそうです。
種苗会社のサイトを調べたら、スープセロリという種類と判明しました。名前のとおりスープの具材に使うもので、「香りが強くてスープの味を引き立てる」とあります。風邪を引いたときに良さそうだから覚えておかなくては…。
ヨーロッパから中国に伝えられたセロリの原種で、長い間、手を加えられずに栽培されてきたと考えられています。これはいいものを撮影できたわい、とホクホクする一方で、あの白くてガッチリ頑丈そうな茎のセロリも畑で見てみたくて、どこかにふつうのセロリが好きな畑オーナーさん、いませんかねえ。

<備忘録> ☆ セロリ(オランダミツバ) : Apium graveolens var. dulce ☆ スープセロリ : Apium graveolens var. secalinum ☆ セルリアック : Apium graveolens var. rapaceum

過去のきょう 2020 カツラ 2019 ヒイロタケ 2018 マメザクラ 2017 シラハトツバキ 2016 ハコネウツギとニシキウツギ 2015 フユザンショウ 2014 アミメグサ(ベニアミメグサ) 2013 ミスミソウ(ユキワリソウ) 2012 ヒロハアマナ 2011 アケボノアセビ 2010 メタセコイア(雌花) 2009 オランダカイウ(カラー) 2008 ミズバショウ 2007 ヘビイチゴ 2006 ハナノキ 2005 モモ

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3月27日(土) コクサギ

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コクサギの雌花・完全版です。去年考えた「あと1週間から10日ほど早め」ではまた臍を噛むところでした。毎年の春の訪れ具合には差があるものの、単純にカレンダーで数えるなら、あの状態からじつに半月も前が開花どきでした。
そうわかってみると答えは簡単で、「染井吉野と開花時期が同じ」です。あーあ、こんな単純なことを知るのに10年以上かかりました。
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子房はもう最初から4室に膨らんでいます。初めて見るゼリー状の柱頭は、噴水がそのまま凍ったみたいに見えます。機能を失ったのに律儀に残る雄シベが少しばかり哀れです。花托(花床)がやけに広くて、その意味が不明です。
そして花びらです。雄花で知ってはいたものの、どうしてそこまで地味~な色合いなのでしょう。もう少し黄色くなるとか、いっそ真っ白になるとか、どっちかに振ることはできなかったもんですか…と言いつつ、ふふ、かわいいです。

<補注> 増補版に「コクサギの雌花アルバム」を設けました。

過去のきょう 2020 チランジア・カプトメドゥーサエ・ジャイアントフォーム 2019 グレビレア・ピグミーダンサー 2018 ヒロハハナヤスリ 2017 ツクシチャルメルソウ 2016 オオムギ(六条大麦) 2015 アマナとヒロハノアマナ 2014 タカトオコヒガン 2013 ジャボチカバ(キブドウ) 2012 モクレイシ 2011 ユキゲユリ(チオノドクサ・ルシリエ) 2010 メタセコイア(雄花) 2009 ヤブサンザシ 2008 キブシ 2007 ミツマタ 2006 ザゼンソウ 2005 ヒュウガミズキ

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3月26日(金) オオバキスミレとナエバキスミレ

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某植物園で保存育成されていた黄色い花のスミレ(↑)で、名札にはナエバキスミレとありました。実際の分布は名前ほどには限定されていないようでも、そんじょそこらでおいそれと眺められる品でないのは明らかで、ありがたくパシャリ…。
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とやりながら、記憶の片隅がモゾモゾしました。帰宅して古いファイルを探したら、ありました。黄色い花のスミレ(↑)です。13年も前、山形県の湿地で出会ったものの、珍品すぎて当時は扱いに困ったらしく、ここに出しそびれていました。
今回、晴れて仲間に恵まれて、これが黄色い花のスミレの代表(基本種)と言えるオオバキスミレ(Viola brevistipulata)だったと確認できました。葉が広めのハート形で、艶があまりありません。花茎の赤みはうっすら程度です。
対するにナエバキスミレ(オオバキスミレの変種、var. kishidae)の花茎ははっきりと赤く、葉の尖り具合もきつめです。二つ比べてようやくわかりました。
ただ、オオバキスミレの仲間は10種を超えるそうで、慣れない目には唐突に思える「黄色いスミレ」も、探せば山にはまだ埋もれているようです。

過去のきょう 2020 キリシマミズキ 2019 ヒメドクサ 2018 マルバマンサク 2017 ダンコウバイ 2016 マンサク 2015 ツノハシバミ 2014 ヒマラヤユキノシタ 2013 フラサバソウ 2012 シュンラン 2011 ハッカクレン 2010 ハチジョウキブシ(雌花) 2009 フッキソウ 2008 キュウリグサ 2007 ダイコン 2006 シンビジウム 2005 チューリップ

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追加編 : ハナズオウの冬芽~開花

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ひと月ほど前にはパッと見では正体がわからなかったハナズオウの冬芽(花芽)について、その後を追跡しました。(撮影:2021年3月19日)
まずは1枚目写真、ドレッドヘアのように固くまとまっていた鱗芽がほぐれて芽鱗が割れ、そこからうっすらと色づいた花芽が顔を覗かせています。
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その花芽はまるでカプセルのように艶やかで、プッと吹き出されたように一気に飛び出してきます。最初は萼に埋もれるようだった花びらが、見る間にグングンとサイズアップするのがわかります。
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あとはマメ科らしい蝶形花の展開です。2枚の翼弁を後ろに従えた旗弁にはモノトーンの模様が浮かび、この花の味わいを醸します。
竜骨弁のなかにはシベが潜んでいて、この雌雄が合体すると、夏には豆形の実がワサワサと繁ることになります。

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3月25日(木) ガビアオキ

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ガビアオキのガビはもちろん峨眉山=中国四川省にある3,000m級の山です。なのに峨眉山をフルに名乗らずガビでとどめたのは、山の上の寒い場所ではなく、麓あたりの峨眉「地域」に産するという意味…と勝手に解釈しました。
というのは、同じく峨眉山をその名に戴くガビサンハンショウヅルは峨眉山フル名乗りで、真冬にも花を咲かすくらい寒さに強いのです。それに比べると、このアオキの方は日本でも春になってから、日本のアオキとあまり変わらない(少しだけ早め)お気楽な季節になって花を開いているのでした。
その花、まずは去年の実を従えていて、これは雌花(雌株)です。ふつうのアオキのようにツートンカラーではなく地味で、とても写しにくい対象物でした。
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対するに雄株の花は雄シベが派手な分、花らしくは見えます。ただ、やはりアオキのように臙脂色がないのはいかにも寂しげです。
なので、この写真(左側)には葉の形質確認の意味も込めました。ポテッと下ぶくれで、やや艶がなく、これも日本のアオキとはハッキリと違うポイントです。

過去のきょう 2020 ムルチコーレ(コレオステフス・ミニコス、クリサンセマム・ムルチコーレ) 2019 ロドレイア・チャンピオニー 2018 ハクサイ 2017 ヒメウズ 2016 キクバオウレン 2015 マツバラン 2014 ウグイスカグラ 2013 オトコヨウゾメ 2012 カワヅザクラ 2011 フチベニベンケイ(カネノナルキ) 2010 ハオルチア・オブツーサ(雫石) 2009 カランコエ・ラクシフロラ 2008 ハナノキ(雄花) 2007 ナツグミ 2006 シュンラン 2005 フッキソウ

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3月24日(水) プルモナリア・ブルーエンサイン

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背丈は10cm少々というところでしょうか。決して目立つサイズではないのに、これ見よがしの真っ青の花は、周囲を圧して異彩を放っていました。
プルモナリアについては、その名前どおり「肺のように見え」て気持ち悪い葉の種類を2年前に収録してあります。属名からすると、その「気持ち悪さ」こそがプルモナリアの本質でしょうに、やはりそれを好んで花壇に植える人は少ないようです。
ブルーエンサイン(Blue Ensign)というお洒落な名前を持つこの園芸種には、あの不気味な白班がまったく見られません。これならよく売れそうです。
エンサインという聞き慣れないカタカナは、flagと同義のようです。プルモナリアの耐寒性はかなりのもので、早春の寒風にはためく「青い旗」というところでしょう。

過去のきょう 2020 クヌギ 2019 タマシダ 2018 ツゲ(ホンツゲ) 2017 イボタノキ 2016 モモ 2015 カラミザクラ(シナミザクラ) 2014 ハナニラ 2013 コバノオランダガラシ(クレソン) 2012 ノシラン 2011 サワラ 2010 スノーフレーク 2009 ヒサカキ 2008 キクラミネウス水仙・ジャンブリー 2007 ゼンマイ 2006 カツラ(雄花) 2005 ヒアシンス

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3月23日(火) ゲンカイツツジ

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久しぶりのゲンカイツツジです。ふくよかな丸顔が相変わらず優しげです。萌え出す若葉まで、同時期に咲くミツバツツジのそれと違って穏やかな形でした。
おっと、今回の発見は種の莢です。同じようなパーツをオオムラサキに見つけて怪訝に思ったのが懐かしい思い出です。この種(実)は、夏にはもっと豊満体型に、かつ色も芋虫みたいになるそうで、別の季節の見どころを知りました。
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そしてもう一つの新発見は花の裏側でした。おぉー、鍛えてますなぁ、お姉さん! 表側からだと全然気づかなかった「美」です。さらに、その隣に控えている蕾ちゃんは意外なグラマーで、今回はゲンカイツツジの多様な美貌にうっとりです。

過去のきょう 2020 ナウパカ・カハカイ 2019 ナイトライダー 2018 カイワレダイコン 2017 アルアウディア・アスケンデンス 2016 ソラマメ 2015 ヒロハノアマナ(ヒロハアマナ) 2014 コシノヒガン 2013 コブシ 2012 ウメ(西王母) 2011 クロッカス 2010 ハルニレ 2009 トキワイカリソウ 2008 フサアカシア 2007 セントウソウ 2006 カンスゲ 2005 ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)

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3月22日(月) インコアナナス

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インコの羽ってこんなに派手な色合いだったろうか?とバカを考えました。いえいえ、たしかに青やら緑やら色違いはいても、まさか真っ赤なインコはいなくて、この赤い苞の突端がインコの嘴(くちばし)に似るという名付けでした。
そして、この赤い苞には既視感がありました。トラフアナナスの苞です。インコとトラフは、インコアナナス属(Vriesea・フリーセア属)のメンバーでした。
Vrieseaならブリーセアと読むはずなのに、業界的には濁らないようです。そのフリーセアは世界に290種もあるそうで、いつもながら嘆息しかありません。
そのうちの代表的2種をこうして押さえたし、トラフではよくわからなかった花の構造がだいたい見えたので、フリーセアはこれで仮の卒業です。

過去のきょう 2020 サンセベリア・バキュラリス・ミカド 2019 ルリゴクラクチョウカ(ストレリチア・ニコライ) 2018 ヤマトレンギョウ 2017 マミラリア・ラウイ・ダシアカンサ 2016 シロモジ 2015 アマメシバ 2014 ローダンセマム・アフリカンアイズ 2013 セツブンソウ 2012 ヤマアイ(雄花) 2011 アカシデ 2010 パンノキ 2009 ヤドリギ 2008 ミニアイリス 2007 タアツァイ 2006 コノテガシワ 2005 ダンコウバイ

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番外編 : 自販機調べの「中締め」

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序論: 記事タイトルを「確定版」としたいのに、それだと嘘になるので、どうしようか、考えました。そうそう、「中締め」という便利な言い方がありました。
若いころ、飲み会で使うこの言葉の意味を知らなくて、「中」締めだもの、まだいいだろうとグダグダ呑んでいたら、先輩に蹴飛ばされました。ふーん、大人って嫌らしい言い方をするもんだ!と憤慨したものです。

本題: いや、話は宴会ではなくて自販機です。ダイドーの自販機にQR決済できるものがあることに気づいたのが1月中旬でした。さて、この機能を備えた自販機はどのくらい普及しているものかと興味が湧き、自宅から半径3~4kmの地域(上掲地図・注1)をテクテク歩いて調べ廻りました。
そうしてほぼ1カ月、だいたい調べ尽くしたろうと思った先月11日に「締め」の記事をあげたものです。ところが、早くもその日のうちに未チェックの自販機が見つかり、それ以降も歩けば歩くほど「おお、ここにも!」が止まりません。
そこで、その記事は「暫定版」に格下げし、さらに1カ月、まさかと思われる住宅街や裏道も含め、調査を続けました。そしてついに、未踏の道を歩いても新たにはダイドーのマシンが見つからない日が1週間も続いたので、やれやれ、ここらで「中締め」にしておこうというわけです。

<結果概要>
1. 調査地域(面積44.46㎢)内のダイドー自販機数 164台
2. うちQR決済ユニット搭載の自販機数       22台(13%)
1カ月前の記事では上記数字が15台/113台でした。上述したように、歩けば歩くほど未知のマシンが見つかったというのがこの数字差異の主因です。
ただ、「前はなかった場所を再訪すると新たに設置されている」とか、「前はQRではなかったマシンが、次に見るとQR化されていた」という事態が稀ではなく、状況は日々変化しています。これがこのレポートを「中締め」とする理由で、たぶん半年・1年後に同じことをやったら、上記の数字にはまた変化が出ているはずです。

<面白かったこと>
1. 商品(ブレンド ブラック 世界一のバリスタ監修)の価格 140円 ←→ 100円
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同じブラックコーヒーでも、自販機ごとの値段には40円もの差がありました。まったくの仮定ながら、たとえばこのコーヒーの原価(ベンダー卸価格)が48円、電気代(オーナー負担)が1本当たり2円だとすると、オーナーの取り分は90円 VS 50円、ずいぶんと開きが出てしまいます。オーナーとしてはこの粗利を大きく取りたいであろう一方で、高くて売れなくては元も子もありません。
そんななか、164台中たった1台とは言え、ワタシの大好きなブラックコーヒー(スクリューキャップ)が100円で買える場所があったのはうれしい発見でした。かなりの好立地なので薄利多売ができるのでしょう。ただ、もしワタシがオーナーなら、好立地だから強気の価格というセコイ考えで押すかもしれず、値付けには人間性が表れるものかと恐ろしくなります。

2. アプリへの掲載率はたった半分
ダイドーアプリ(DyDo Smile STAND)には自販機検索機能があるのに、そこに示される率はちょうど半分(164台中82台)でした。ダイドーの飲料じゃなきゃダメ!という熱烈ファンがそうそういるとも思えないし、わざわざダイドーの自販機を探してそこまで移動して買うという偏執狂はさらに少ないとは思います。
つまり、あまり活用されることのないアプリ機能なので、位置表示にそれほど熱が入らないという事情はありそうです。(ダイドーさん、失礼を言ってごめんなさい)
また、自販機管理者(ベンダー)が直(=ダイドービバレッジサービス)ではない(たとえば系列外ベンダーやオーナー直管理)マシンが1割はあって、それらはアプリに表示されない(しない?)という事情もありそうです。(注4)
とは言え、他社もやっていることなのでやめるわけにもいかないだろうし、上述したような熱烈ファンや偏執狂は案外に多いものかもしれず、この機能は今後の大幅な改善(位置表示のズレもままありました)に期待するところ大です。

中締めの締め: いやあ、楽しかったです。自販機を追いかけてほぼ2カ月、みっちりと遊ばせてもらいました。その成果としての第一は、「140円のコーヒーは絶対買わなくなった」ことです。ケチじゃーwww涙
あと、さすがコカとキリンは強いなあと感じ(注5)ました。関西資本のダイドーにはやや不本意な戦場かしれなくても、サントリーやポッカ、アサヒ、伊藤園あたりとの混線を抜け出して上位に進出してほしいと応援すること切です。フレー・フレーダイドー!!

<補注1> 地図上の黄色@マークはQR決済ユニット搭載機(アプリ非掲載:4台)、☆マークは未QR化機で、オレンジはアプリ掲載機、紫がアプリ非掲載機です。
<補注2> 上記のベンダーシェア順位は、今回のダイドー機調べの副産物として横目で感じたもので、あくまで主観です。また、この時点ではダイドー以外のマシンでQR決済ユニットを備えたものはまだないように感じました。(訂正↓)
※ さすが、コカコーラには「Coke ON」という素晴らしいアプリがありました。QRでもクレジットでも電子マネーでも自由に(複数)支払い方法の選択ができ、かつ自販機のボタンに触らないでスマホの画面上だけで品物を選ぶことができます。ただ、すべてのコカ機にその機能が備わっているわけではなく、いまのところ(ざっと見たところ)ダイドーの倍くらい(3割前後)の「新機能搭載率」と見ました。(2021年4月6日追記)⇒実際のCoke ON搭載率は36%でした。(2021年4月26日)
伊藤園の自販機には、コカと同じようにさまざまな支払い方法を選択できる画面があり、かなり使いやすいものでした。また、コカと違ってアプリがいらないことにも好感が持てます。(2021年4月9日追記)
<補注3> 事業所・施設の構内(屋外)にあった自販機はカウントできても、屋内に設置されたものはまったく調べることができていません。
<補注4> 系列外ベンダーやオーナー直管理の自販機がダイドーアプリに表示されるケースもあるので、掲載される・されないの理由や事情は想像がつきません。
<補注5> 横目でのシェア予測には若干の勘違いがありました。(2021年4月26日

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3月21日(日) センカクツツジ

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二日続きの尖閣ものです。あのカンアオイと同じく魚釣島にだけ分布し、絶滅危惧IA類であることも同様です。学名には多和田真淳 (たわだ・しんじゅん)さんという植物・考古学の先生の名字が織り込まれて(var. tawadae)います。
枝振りが這うようにくねっていて、さらに葉の毛深さが目立ちます。山頂のガレ場がテリトリーなのだそうで、保水とか耐風のための進化なのでしょう。
住宅が増えて、とか、悪い人が多くて、とかいう理由などあり得ない孤島で、見るからに逞しいこのツツジが絶滅しそうだという理由がわかりません。あの島がいまいったいどういう状況なのか、もっと勉強しなければなりません。

過去のきょう 2020 ナツメヤシ 2019 グレビレア・ロビンゴードン(ハゴロモノマツ) 2018 ゴボウ 2017 ミケリア・プラティペタラ 2016 ニガナ 2015 ヤマネコノメソウ 2014 キブシ 2013 オトメツバキ 2012 カジイチゴ 2011 オウバイモドキ(ウンナンオウバイ) 2010 チトセラン2種(サンセベリア) 2009 クサイチゴ 2008 アネモネ 2007 チンゲンサイ 2006 アブラナ 2005 ツクシ

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3月20日(土) センカクアオイ

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飛ばず弾けず、種の拡散は蟻に頼るだけという地味な性格のせいで、カンアオイ類はめちゃくちゃ細かく限定された地域ごとに種類が分かれます。比較的広域に分布するふつうのカンアオイ(Asarum nipponicum)とヒメカンアオイ(A. takaoi)を別にすれば、ここに収録できている局地版は、まだタマコシだけにとどまります。
そこにいきなりセンカクです。当然ながらこのセンカクは尖閣で、あーあ、その島嶼群になんの知識もないのに、面白がりだけで載せてしまいます。
その尖閣諸島のうち最大の魚釣島にだけ分布する絶滅危惧IA類がこれです。いつ、どうやって、このカンアオイが絶海の孤島に生えたものやら、採取する人はいないはずの自然のなかでなぜ絶滅が危惧されるのか、不思議は尽きません。

過去のきょう 2020 エスキナンサス・クリムゾンベル 2019 ストレプトカルパス・サクソルム 2018 バルサ 2017 ハッカクレン 2016 アブラチャン 2015 アカシデ 2014 熱帯スイレン 2013 バイモ 2012 フキ(ふきのとう) 2011 コノテガシワ 2010 ソシンカ 2009 クサボケ 2008 房咲き水仙・グランドモナーク 2007 カブ 2006 スズメノカタビラ 2005 ハクモクレン

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3月19日(金) ブルーベリー

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久しぶりに通った道で、面白い木を見つけました。背丈より少し高いくらいで、そこのお宅の塀が低かったおかげで、とっくりと見物できます。
はてさて、アセビドウダンとはどこか感じが違います。蕾の色合いからはナツハゼを連想しても、開いた花の口がややオチョボすぎます。花の形はむしろシャシャンボを思わせても、色合いがこんなにかわいくはないし…云々かんぬん。
ジトーッと眺めつつ、パシャパシャと撮影しました。その音に気づいて、このお宅の人が出てきてくれれば樹種を聞けるよね、などとズルを考えたのに、そういう幸運はなく、「ううう」と考えていたら「ブルーベリー?」と気づきました。
昔、白花種を収録していて、花の形がそっくりです。萼の色合いや混み具合もいい感じだし、何枚か見える葉も、形や葉脈の具合が符合します。
さあ、この見立てが正解かハズレか、夏になってこの木が実をつければ結果が判明します。そのときまで、ここに来るルートを忘れないようにしなくては!

<補注1> ブルーベリーにはいくつかの種類があり、昔の記事を含めてそこがまだよくわかりません。おいおいと学習することにします。
<補注2> 花から実への移行段階を収録したものの、それはまた別の場所でした。ブルーベリーの種類の学習はいっこうに進みません。(2021年5月16日

過去のきょう 2020 ヒメオニソテツ 2019 カエンボク 2018 オオシロショウジョウバカマ 2017 オオバベニガシワ 2016 リュウキュウベンケイ 2015 ミミガタテンナンショウ 2014 ヘンヨウボク(クロトンノキ) 2013 アメリカハナノキ(雄株) 2012 コリヤナギ 2011 オオイヌノフグリ 2010 コブシ 2009 モクレイシ 2008 ロドレイア・ヘンリー 2007 コマツナ 2006 ウグイスカグラ 2005 コブシ

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3月18日(木) キバナハナニラ

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仏に仕える身がこんなに珍しもの好きでいいのでしょうかwww。ここへ来ればなにかしら見たことのない植物に出会えるという、いつものお助け寺です。
この春の逸品はキバナハナニラでした。うーん、別にハナニラが黄色くなくてもいいんですけど…と思いつつ、小さな鉢のなかに1輪だけ咲いたこの花を、あーでもない・こーでもないと激写してみました。右隅にはフツー品の先がちょろり。
わざわざウルグアイから持ち込まれたもの(Ipheion sellowianum)で、属名はなるほどふつうのハナニラと同じ、つまりお仲間(注)です。しかし、こんなものが野辺のハナニラに混じって咲いたらドエラい景色になってしまいます。ご住職さま、もう飽きたとか言ってこの球根をそこらに捨てないでくださいませよ、南無阿弥陀仏。

<補注1> よくよく調べると、この黄花種は厄介者で、シノニムだらけでした。属レベルでは本文中の Ipheion(ハナニラ属)よりも Nothoscordum(ハタケニラ属)とする考えが主流で、ほかに Beauverdia(和名なし?)という分類先も出てきます。種小名も3種あり、それが属名と絡み合って7つのシノニムが並びます。(2022年3月)
<補注2> Nothoscordumの同属仲間ではハタケニラニラモドキが既収録です。(2023年4月)

過去のきょう 2020 ハナショウブ 2019 アグラオネマ・シルバークィーン(アグラオネマ・コンムタツム・シルバークィーン) 2018 アオギリ 2017 フキ(ふきのとう) 2016 ハルニレ 2015 シュゼンジカンザクラ 2014 ラショウモンカズラ 2013 ウケザキクンシラン 2012 クロッカス(クリームビューティ) 2011 フサザクラ 2010 ウグイスカグラ 2009 ユーカリ 2008 ヒメリュウキンカ 2007 ミズナ 2006 スギ 2005 バイカオウレン

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3月17日(水) サンゴジュ

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図鑑では「常緑樹」とされていても、やはり寒ければ落ちる葉もあるわけで、しかも同じ1本の木なのに、こうして緑の残り具合が違っていたりします。サンゴジュが20本近くも並んだこの垣根、いまはツートンカラーの斑模様でした。
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ただ、その枯れたような枝の先からはムックリと「春」が湧き出していて、大丈夫、あと2週間もすれば、ここは艶めいた緑で飾られることでしょう。
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そこで生き残りの葉に目を転じたら、「おやや?」でした。いままで、サンゴジュの葉にこんな瘤があるとは知りませんでした。主脈と側脈の付け根部分で、その葉先側がぷっくりと膨らんでいる葉(写真左)が何枚も見つかります。
その裏側(右)を見ると、瘤にあたる部分がえぐれて、その穴を毛がふさいでいます。これはダニ室と呼ばれるもので、この部屋の住人は小さなダニだそうです。ほかの虫が葉を食害しないよう、ダニが用心棒の役割をすると考えられています。
花がかわいいとか実が美しいとかばかり見てきたサンゴジュがこんな高度な知性を感じさせるシステムを持っていたとは、もはや最敬礼しかありません。

過去のきょう 2020 カツラ 2019 ソランドラ・マキシマ 2018 ミチノクフクジュソウ 2017 ウォールム・バンクシア 2016 ムラサキオモト 2015 ベニウチワ(アンスリウム・シェルツェリアナム) 2014 ナンテン 2013 ナギイカダ 2012 ウメ(鹿児島紅) 2011 ロニセラ・フラグランティシマ 2010 ソメイヨシノ 2009 ヤマアイ(雌花) 2008 マツバギク 2007 ソテツ 2006 アンズ 2005 トサミズキ

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3月16日(火) ハクサイ

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人間なら幼稚園か小学1年生くらいでしょうか。まだ双葉が残っています。頭を結ばれるのがハクサイと思いがちでも、幼少時は意外とフツーに平らでした。
遡ってみれば、花の時期やその後の葉はダラリと垂れるわけで、歳をとると子供に返るのは人間だけではないのかと、妙に納得します。元々は結球性が弱かったものが、3~4百年ほど前にいまの標準的なハクサイに改良(?)されたそうです。
そして、いつもいつも感心するのはアブラナ科の偉大さです。このハクサイはアブラナ科アブラナ属(Brassica)で、同じ属にはアブラナはもちろんのこと、ミズナコマツナノザワナからカブまで(その他は省略)います。
それぞれのBrassicaは際立った独自の用途を持っていて、これはアブラナ科がすごいのか、人間の食欲がすごいのか、考え込んでしまいます。

<追録> およそ1カ月後の同じ畑(↓)です。新しい葉が立ち上り始め、結球する兆候を見せていました。(撮影:2021年4月12日)
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過去のきょう 2020 ウケザキクンシラン 2019 シラユキゲシ 2018 ツルアジサイ 2017 タマツヅリ(セダム・モルガニアヌム) 2016 シュロ(ワジュロ) 2015 ホウカンボク 2014 イチリンソウ 2013 熱帯スイレン 2012 セツブンソウ 2011 バクチノキ 2010 タイリンミツマタ 2009 ヒュウガミズキ 2008 マメイヌツゲ 2007 キバナスズシロ 2006 キクザキイチゲ 2005 オオタチツボスミレ

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3月15日(月) リョウブ

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リョウブ科リョウブ属のリョウブくんです。このグループ(科&属)のメンバーは、日本ではリョウブくん一人だけだそうで、けっこう孤独なヤツです。
そんなロンリーボーイの雰囲気を出してみました。ちょっと拗ねたように剥けた樹皮がけっこう美的です。大人になるとこれが全部剥がれて幹がツルツルの茶色になってしまうので、賞味期限ありのリョウブの鑑賞ポイントです。
などと皮目を見つめると、この幹、ハッキリとねじれています。ねじれる幹と言えばその名もズバリのネジキがあります。しかし、ネジキとリョウブは分類的に無関係だし、調べてみても「リョウブの幹はねじれる」みたいな記述は見つかりません。
うーん、この写真の木だけ身をよじって寂しがっているのかと思ったら、よそのサイトでもねじれたリョウブの幹を見ました。よーし、この木だけではなくてリョウブの幹はねじれる「ことがある」ようで、今度からはスネ男とでも呼んでやりますか。

<リョウブの過去記事> ☆ 若葉 : 2015年4月17日 ☆ 花(蕾から実へ)と葉 : 2015年7月4日 ☆ 花と葉 : 2005年7月6日 ☆ 当年の花と前年の実 : 2020年7月9日

過去のきょう 2020 コヒガンザクラ 2019 アオモジ 2018 ノカラマツ 2017 コバノガマズミ 2016 ナツズイセン 2015 アオイスミレ 2014 エノキ 2013 アメリカハナノキ(雌株) 2012 カワヅザクラ 2011 カンノンチク 2010 ヒマラヤゴヨウ 2009 トサミズキ 2008 クサノオウ 2007 モミジイチゴ 2006 カタクリ 2005 ヒイラギナンテン

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3月14日(日) シバザクラ(ハナツメクサ)

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自己陶酔の世界です。そう、撮った奴もさりながら、植えた人もたぶんドップリ…。これだけの面積を白一色にするなんて、これはもうナルちゃんの仕業です。
寒いうちからポツリポツリとシバザクラの花は見続けていたものの、ここまで来たら、もう全開モードです。見上げる桜はあれよあれよと言ううちの楽しみなのに対し、足下の桜はのんびりゆっくりの味わいで、さあ爛漫の春ですよぉ。

<過去掲載のシバザクラ・掲載順>2005年3月11日・ピンク色 ☆ 2006年1月10日・白 ☆ 2015年9月7日・ピンク色(滝上公園)

過去のきょう 2020 ハボタン 2019 カツオナ 2018 ゴンズイ 2017 ユキワリイチゲ 2016 ドンケラリー(正義) 2015 シダレヤナギ 2014 デンドロビウム・ユキダルマ・キング 2013 ホトケノザ 2012 カタクリ 2011 カイヅカイブキ 2010 ハルニレ 2009 オオイヌノフグリ 2008 マツバギク 2007 ウチワノキ 2006 アセビ 2005 ユキツバキ

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3月13日(土) カラミザクラ(シナミザクラ)

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ソメイヨシノの蕾が膨らむころが満開どきだろうとした予想は当たりでした。早咲きとまでは言えなくても、ソメイが賑わい出す前に、しっとりと満開です。
つい「しっとり」などと形容してしまうほど、その色合いは穏やかです。先行して咲いている河津桜寒緋桜と比べてしまうせいで、ほぼ白に見えてしまいます。花のつき方も、それらと比べるとやや散漫というか地味な感じです。

おっと、せっかくの花に文句を言うよりは和名変更の弁です。この桜の標準和名はカラミザクラでした。絡み桜みたいでおかしい(注)よ、とか、Chinaをシナと呼ぶのは蔑称ではなくむしろ尊称だよ、と思ってシナミザクラを前面に立てていたのに、YListを確認したら「絡み・笑」が標準でした。うーん、古い忖度が残っていませんか。
という自分の確認ミスをごまかそうと持ち出すのが学名話題です。カラミザクラの学名はCerasus pseudocerasusで、前半はCherryに通じる属名です。面白いのは後半の種小名で、pseudoとcerasusが合体していて、それをはた衛門流に訳すと「なんちゃってサクランボ」となってしまいます。
セイヨウミザクラの実は紀元前からその味を愛されてきた歴史があり、あとから学名を与えられたカラミザクラは、悲しいことに学名的にはそのサクランボの疑似・類似品と位置づけられてしまったのでしょう。
そんな経緯がありがたいわけもなく、カラミザクラの花色は、この桜自身が「しらけるんだよなぁ」とボヤいているように見えてしまいます。

<補注> 絡み桜みたいとしたのはあくまで遊びで、漢字にすれば唐実桜です。
<追録> 別の場所での撮影ながら、花びらが散ったあと、早くも実の赤ちゃんが顔を覗かせていました。(撮影:2021年3月13日)
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過去のきょう 2020 マボケ 2019 オウゴチョウ 2018 ワサビナ 2017 ツゲ(ホンツゲ) 2016 コブラオーキッド(メガクリニウム・マキシマムとメガクリニウム・プラチラキス) 2015 ミチタネツケバナ 2014 カエデ類、ほか2種 2013 ハルサザンカ(絞笑顔) 2012 ワイヤープランツ 2011 ススキ 2010 レバノンスギ 2009 ヨシ(アシ) 2008 ヒメカンスゲ 2007 オガタマノキ 2006 ダンコウバイ 2005 シキミ

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3月12日(金) オカノリ

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あー、咲いてる~!と騒ぐほどの花ではなくて、思わず漏らした声は、この小さなショボクレ物体を見つけた自分を褒めるものだった気がします。
フユアオイの変種なのであれば、花も冬のうちに咲くのだろうと見張りを続けていたのにずっと変化はなくて、暦の春を待っていたような咲き出しです。あとはこれが結実して、そこから種を収穫できたら、めでたくひとまわりです。
あの海苔そっくりの風味を醸す葉は、残念ながら冬の間は収穫不能でした。サイズが大きくならないし、枚数も限られていては、千切るのは酷というものです。
ただ、ここまで育てて驚いたのは茎の頑丈さです。まるでカーボンパイプのようにガッチリで、何度も吹き荒れた北風も耐えきりました。たぶん根張りも丈夫なはずで、種の収穫が終わったら、その辺もしっかり確かめさせてもらいましょう。

<追録> 上に述べた「ショボクレ物体」発言の撤回を求めるように、オカノリの花(↓)がきれいに開いていました。夕方4時を回っていた(上の写真の撮影は午後1時半)し、フユアオイの花も2時半で半開きだったことからして、Malva verticillate系の花はお寝坊さんタイプと思われます(注1)。(撮影:2021年3月17日)
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<補注1> このあと、4月に入ると花はどんどん咲き出したものの、その開花時間にはかなりムラがありました。朝、一斉に開くわけでなく、昼から咲く花もあり、かつ何時に咲いたところで一日花だし、花はごく小さいし、鑑賞価値はほぼゼロに近いなぁというのは個人的感想です。(2021年4月10日)
<補注2> 花と実をジトッと見つめ、総括編としておきました。(2021年4月19日

過去のきょう 2020 オオバマルバマンネングサ 2019 ゴエッペルチア・ベラ 2018 カラタチ 2017 サボテン(金晃丸) 2016 アオモジ 2015 ポポー 2014 キジョラン(とアサギマダラの幼虫) 2013 アズマイチゲ 2012 セリバオウレン 2011 ムスカリ 2010 シシユズ(オニユズ) 2009 コブシ 2008 オオハナワラビ 2007 シロバナタンポポ 2006 サンシュユ 2005 オランダミミナグサ

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3月11日(木) ダイダイ

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ここには3度目の登場となるダイダイです。最初は正月次が真夏でした。そしていまが春の走りです。そのどれもがみんな同じ絵です。摩訶不思議です。
春だろうが夏だろうが真冬だろうが、コヤツはいつも橙色の大きな実がついていて、葉がワサワサなのです。いや、葉は常緑樹だから許せるとして、問題は実です。年がら年中、立派なサイズで食べごろの色です。どうなってんだ、おまえ!?
正解は波田先生のサイトにあって、「木に残しておくと2~3年は枝に付いている」のだそうです。で、橙色になったものが春にはまた緑色を帯びるそうで、道理でワタシが夏に撮ったものはそんな冴えない色合いだったわけです。
ユズリハなら「代々禅譲するから」みたいなめでたさがあっても、このダイダイは「爺さんがずっと身上を渡さない」みたいな代々ではありませんか。それを正月飾りにするなんて、煙たい爺さんを褒め殺しにしようという魂胆ですかねえ。

<補注> ダイダイの斑入り品種を収録しました。(2023年9月8日

過去のきょう 2020 コノテガシワ 2019 ヒゼンマユミ 2018 バビアナ・セダルベルゲンシス 2017 アカタコノキ(ビヨウタコノキ) 2016 クリスマスローズ・ピンクフロスト 2015 カラクサケマン 2014 バンペイユ(晩白柚) 2013 ヒスイカズラ 2012 オウバイ 2011 リンドウ 2010 ハチジョウキブシ(雄花) 2009 クリスマスローズ(フォエチダス) 2008 アセビ 2007 シラー・シベリカ・アルバ 2006 ネモフィラ・ペニーブラック 2005 シバザクラ

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3月10日(水) エリオケレウス・袖ヶ浦

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このサボテンがどうして袖ケ浦を名乗るのか、にわか調べでネットを探ってもわかりませんでした。袖ケ浦の市役所に聞いてみますかねえ。
じつは娘がそこに引っ越したせいで、袖ケ浦市の「ケ」は大きな「ケ」と知りました。ミツバツツジの記事で書いたように、この手の格助詞「が」には「ヶ」(小さい)が使われることが多いので、袖ケ浦市の「ケ」が大きいのはちょっとだけトリビアでした。
ただ、このサボテンのケが大きいか小さいかはイマイチ定かではありません。そもそも「そでがうら」という地名はいまの袖ケ浦市より広範な地域で使われていたようで、その場合の「が」には小さな「ヶ」が当てられていたようです。したがって、きょうのタイトルはその汎用的表記を当てています。
袖ケ浦の街並みがこのサボテンだらけ…ということはぜんぜんなかったので、市のシンボルとして各ご家庭が垣根にこれを使うというのはどうでしょう。これだけトゲトゲしければ防犯機能は十分だろうし、一斉に花(白くて大きな八重)が咲いたら、それはそれは見事な景観を作り出すはずです。

過去のきょう 2020 ハオルチア・コンプトニアナ 2019 モンステラ 2018 スキミア(ミヤマシキミ) 2017 ベンガルヤハズカズラ 2016 キンヨウボク 2015 トウカエデ 2014 ヤマルリソウ 2013 グズマニア・テレサ 2012 タネツケバナ 2011 ノハラアザミ 2010 ソラマメ 2009 啓翁桜 2008 ユリノキ 2007 ウズラバタンポポ 2006 フッキソウ 2005 ハナニラ

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3月9日(火) ハナコミカンボク

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あらためて二つを比べるなら、名前を借りているコミカンソウとはかなり(全体のサイズ、葉の形、花の色など)違います。ただ、細かいことを言わず、この写真だけ見せられたら、少し大ぶりなコミカンソウだと思いそうです。
実際、自分もムウゥ??と眉をしかめながら見つめ回し、枝が完全に木質であることを見つけて、ホホォオ!とうなずいたのでした。
沖縄の万座毛近くにしか国内では見られないそうで、あらま懐かし、むか~し昔、万座毛、行きましたよ。当時は景色にしか興味がなくて、まさかこんな珍品を踏みしめて歩いたんじゃあるまいかと足裏がむず痒くなります。
今回は温室でのご対面だったものの、いつかまたあの断崖絶壁を訪れて、現地でマジマジとこの「木」を眺め回してみたいものです。

過去のきょう 2020 マダケ 2019 ククイノキ 2018 サクラソウ 2017 サンシュユ 2016 ウンナンサクラソウ 2015 コゴメイヌノフグリ 2014 シラカシ 2013 オガタマノキ 2012 エレガンテシマ 2011 フクジュソウ 2010 ユリノキ 2009 モミジイチゴ 2008 ユキワリイチゲ 2007 ゲンカイツツジ 2006 カナメモチ 2005 オウバイモドキ(ウンナンオウバイ)

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3月8日(月) ペペロミア・ボニンシメンシス(シマゴショウ)

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おとといのフォレットに後押しされて、このペペロミアも掲載しておきます。これで5種類目、あと1,495種かぁ…という話はもうなしにしておきましょう。
本当は小笠原の父島とか母島に行って、「これがシマゴショウかぁ」と感動できれば良かったのに…という話もなしで、温室でのお気楽撮影です。
岩とか老木に着生して生きるそうで、茎や葉は水分を貯め込めるつくりです。運が良いことに花が咲いていました。クルシフォリアアルギレイアも同じタイプの花をつけていたので、ペペロミアの花というのはだいたいこんな感じなのでしょう。
種小名のboninsimensisは無人島(むにんしま)に発していて、小笠原の固有種によくつけられます。シマゴショウという簡明な和名があるので和名優先という自分ルールに困りながらも、いやいや、これはペペロミアであることが大事なのです。

<補注> 6種類目を収録しました。(2021年11月17日

過去のきょう 2020 ヨシ(アシ) 2019 ビロードモウズイカ 2018 モミジバスズカケノキ 2017 ロマネスコ 2016 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2015 ガジュマル 2014 ハボタン(珊瑚系) 2013 スイレン 2012 マルバマンネングサ 2011 クロベ 2010 メタセコイア(雄花) 2009 ハーデンベルギア 2008 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2007 ヒイラギナンテン 2006 フキ(ふきのとう) 2005 クリスマスローズ

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3月7日(日) トックリランとトックリヤシ

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幹の皮目に差し込んだカードがきっちりとホールドされています。それほど激しく表皮が割れるくらい、ぶっくりと膨らんだ幹の生え際がユーモラスです。
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トックリランの見どころはそこだけだと思っていたら、高~い位置に花(の痕跡?)がついていました。数十年に一度咲くもの(注1)だそうで、この花が新鮮な状態に出会えるのはたぶん来世のはずなので、仔細は不明ながらも載せておきます。
じつはトックリランはずいぶん昔に増補版で取り上げていて、そのときのメインタイトルは「ポニーテール」でした。細い葉が垂れる様子があの髪型に似ていて、そんな園芸的な流通名のことを、当時は本名だと思っていました。
210307hyophorbe_lagenicaulis1
さて、トックリランとくればトックリヤシを一緒に載せておきたくなります。名前がかぶるだけでぜんぜん別物なのに、ついうっかり呼び間違えそうで困ります。
3年前の沖縄旅行で撮りはしたものの、天気に恵まれなかったし、傾斜地に並んでいたので写真が微妙に不安定だし、ここには出せないでいました。きょうのような「特殊な」目的であれば、不出来な写真も許されることにしましょう。
210307hyophorbe_lagenicaulis2
見上げればこんな具合で、こちらも新鮮な花には恵まれませんでした。なので視点はいかにもヤシらしい葉ということにします。ポニーテールとは似ても似つかない形であることがわかったところで、きょうのトックリ勉強会を終わります。

<補注1> 旧分類では同じリュウゼツラン科だったアオノリュウゼツランも数十年に一度開花するタイプでした。ただし、APGではトックリランはAsparagaceae:キジカクシ科(クサスギカズラ科)とされています。
<補注2> ほかにトックリを名乗る植物として、ここにはトックリアブラギリ(サンゴアブラギリ)とトックリキワタを収録しています。
<補注3> 温室栽培(上の写真)ではなく、青空の下で気持ち良さげに育つトックリランを収録しました。(2024年2月23日

過去のきょう 2020 ビンロウ 2019 コラ(ヒメコラノキ) 2018 タマネギ 2017 ツノハシバミ 2016 フキタンポポ 2015 クンシラン 2014 シラカシ 2013 オクナ・キルキー(ミッキーマウスノキ) 2012 ヒメサザンカ・エリナ 2011 マンサク 2010 ジャノメエリカ 2009 キルタンサス 2008 バショウ 2007 エリカ・コロランス・ホワイトデライト 2006 クロッカス 2005 セツブンソウ

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3月6日(土) ペペロミア・フォレット

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ようやく、4種類目のペペロミアです。オブツシフォリアに始まり、クルシフォリアアルギレイアと続いて、今回はフォレットです。
はっきり浮き出る葉脈と、直線的にのびる茎が特徴です。葉肉も豊かで、ペペロミアのなかでもかなりの元気印で育てやすそうです。
さて、これでペペロミアの収録率が0.4%になったぞ!と喜んだら、0.27%に下がってしまいました。これまでは、サダソウ属(Peperomia)は約1,000種というデータを頼りにしていたのに、今回Wikiにあたったら、その母数が1.5倍に増えていました。
参りました。誰か自分の目でその1,000とか1,500を確かめたヤツはいるんかい!?と、あらぬ方向に毒づきながら、くそぉ、次(注)、行ってみましょう。

<補注> すぐに5種類目のペペロミアを続け(2021年3月8日)、さらに6種類目を収録しました。(2021年11月17日

過去のきょう 2020 シロザ 2019 ネリネ(ウンドゥラタおよびサルニエンシス系) 2018 サルナシ 2017 エゲリア・ナヤス 2016 ススキノキ 2015 シロバナオオベニゴウカン 2014 ムルチコーレ(コレオステフス・ミニコス、クリサンセマム・ムルチコーレ) 2013 ウラムラサキ(ストロビランテス・ディエリアナ) 2012 ガーデンシクラメン 2011 ヤマコウバシ 2010 キンギョバツバキ 2009 サヤエンドウ 2008 テンリンジガッコウ(椿) 2007 ネモフィラ・インシグニス 2006 ショウジョウバカマ 2005 ヨモギ

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3月5日(金) オリーブ

210305olive
まさかオリーブの木の断面を拝めるとは思ってみませんでした。風折れやら雪害やら、やや不幸な形で割れたり折れたりした木の材質はいろいろ見てきたものの、このオリーブの木はどうしたものでしょう。別に強剪定しなければいけない理由もない大きな公園に植えられているのに、ちょっと理不尽な切られようでした。
ただ、おかげでオリーブの材質が驚くほど美しいことを知りました。調べてみると家具などに使うそうでも、油分が多い材は塗装がしにくいようです。板目に割ると、目の濃淡のせいでマーブル模様が出て、ちょっと魅力的な風合いです。
ただ、そんな加工に使えるまで太くなったオリーブなど、見たことがありません。桐なら20年程度で箪笥が作れるわけで、さて何年育てたら、オリーブの無垢材(注)でテーブルセットを作るなんてことができるものでしょう。

<追録> テーブルセットは無理な話でも、カッティングボードを入手しました。ズッシリした重さがあって、使う楽しみが生まれます。(撮影:2023年2月24日)
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過去のきょう 2020 サワグルミ 2019 アオダモ 2018 ノウルシ 2017 コンシマダケ 2016 スハマソウ(ユキワリソウ) 2015 ハコネシダ 2014 ナツミカン(ナツダイダイ、ナツカン) 2013 ウバメガシ 2012 センダン 2011 ウメ(黄梅) 2010 サンシュユ 2009 タチカンツバキ 2008 シュロ(ワジュロ) 2007 ミツバツツジ 2006 オウバイ 2005 ネコヤナギ

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3月4日(木) ミニアイリス

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いかにもアイリスっぽい紫色の花が咲くものだけでなく、ミニアイリスには花のつくりをよくよく見ないとアイリスとは気づきにくい黄色系と、二つ種類があるようです。ずいぶん前に、その二種が並んでいるところを取り上げました。
そのときは黄花タイプを後ろ側の添え物扱いにしてしまったので、今回はググッと主役に持ち上げてみました。ただ、時期がまだ早すぎて葉がないし、やはり地面からいきなり黄色では、造花を挿したみたいな唐突さが拭えません。
こういう無理っくりなミニサイズ系は、黄色であれ紫であれ、園芸作出されたものと思いがちでした。しかし、出自としてはれっきとした原種(もちろん、それを母種にして改良はされているでしょうが)で、黄色い方はIris danfordiae、紫のものはIris reticulataという立派な学名を持っています。したがって、「ミニアイリス」というのは、それらをザクッとまとめた通称あるいは流通名という位置づけになります。

過去のきょう 2020 ゴエッペルチア・オルビフォリア 2019 エゾノギシギシ(ヒロハギシギシ) 2018 ウメ(小梅・信濃梅) 2017 ハマハタザオ 2016 キバナツルネラ 2015 オオカンザクラ 2014 トウロウソウ(セイロンベンケイ、ハカラメ) 2013 セツブンソウ 2012 ナズナ 2011 ウメ(月影枝垂) 2010 センダン 2009 スノードロップ 2008 イチョウ 2007 ヒメカンアオイ 2006 タギョウショウ 2005 スノードロップ

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3月3日(水) タロコキブシ

210303stachyurus_sigeyosii
今月の下旬になれば日本のキブシも咲き出すわけで、台湾産のこのキブシはそれより少し早く(温室なので、正確な比較は無理)花を見せていました。
面白い音感の「タロコ」は、思うに台湾八景の一つ・太魯閣のことでしょう。というのは、このキブシは台湾東部・花蓮付近だけに産するそうで、険しい断崖で有名な太魯閣渓谷はその花蓮(ふぁーりえん)にあるからです。
突き出る柱頭が見当たらないので、これは雄株(キブシは雌雄異株)でしょう。日本のキブシに比べると房がやや短く、花が白いのは雌雄共通のようです。若枝に毛がないのも特徴だそうで、え?日本のキブシのそこはどうだったかまるで思い出せなくて、やれやれ調べごとが増えてしまいました。

<補注> 台湾全島にはタイワンキブシ(Stachyurus chinensis・未収録)があり、かつてこのタロコキブシ(S. sigeyosii)はその別種とされていたものの、現在では同一種と考えられているようです。

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3月2日(火) アスプレニウム・エメラルドウェーブ

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ちょっとね~、ハマってしまいそうです=アスプレニウム! 2カ月前にもかなりグラッときていて、ああ、なんかこう、すごい吸引力です。
どう見たってプラスチック細工のくせに、頬を寄せればしっかりと植物の息づかいを感じることができます。展示品をなで回すわけにいかないのが悔しいほどに、この襞を指でずっとなぞっていたい衝動に駆られます。
名前がまたお上手です。日本で作出された園芸種だそうで、その辺の素性や名前の由来が謎だったアカキとは違って、すべてがスッキリです。
ただ、主脈の色合いが迫力を醸していたアカキと、このエメラルドウェーブのモノトーンと、これはなかなか甲乙をつけがたい対決です。両方を並べて育てればことは簡単なのに、現実というのはいろいろ制約にあふれているものです。

過去のきょう 2020 アカバナ 2019 ヤグルマギク 2018 モクレイシ 2017 アヤメ 2016 ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ) 2015 ナリヒラヒイラギナンテン 2014 ハボタン(高性種) 2013 ギシギシ 2012 オランダミミナグサ 2011 セイバンモロコシ 2010 ヒース・バンクシア 2009 クロチク 2008 ケンポナシ 2007 ラナンキュラス 2006 ヤマノイモ 2005 ギンヨウアカシア

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3月1日(月) ドドナエア

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やれやれ、ようやく2カ所目のドドナエアを見つけて、ほっとひと安心です。申し訳ないことながら、この樹種の存在を教えてくれたありがたい場所は、いろいろ「不安」にあふれているのです。できれば早めに控えの観察ポイントが必要でした。
ここは初めて歩いた住宅街で、まったくご縁のない場所でした。そんな土地のお庭に貴重な樹種を見つけられたのは、あの自販機探しのおかげです。
それにしても、これはいい色です。ここはものすごく陽当たりがいいお庭で、やはりドドナエアに日照は必須条件のようです。ただ、惜しいかな、ここはこれ一本だったので、花の季節にはまたあの「不安」な場所と併せてお邪魔してみましょう。

<補注> 上掲写真の場所を見つけたあと、もう1カ所、同じく環境のいいお庭の植栽を見つけました。ただ残念なことにその2カ所の木はどちらも雄株で、結局は最初の「発見地」で雌雄両方の花を撮影しました。(2021年4月10日

過去のきょう 2020 アセビ 2019 ギンマサキ 2018 ケール(カリーノケール) 2017 リュウケツジュ(ドラセナ・ドラコ) 2016 ミチタネツケバナ 2015 ベニモンヨウショウ 2014 カンツバキ 2013 カワヤナギ 2012 ネコヤナギ 2011 ヒガンバナ 2010 シラヌヒ 2009 フチベニベンケイ(カネノナルキ) 2008 カリン 2007 アリアケスミレ 2006 リキュウバイ 2005 フキ(ふきのとう)

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