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10月31日(土) ローゼルソウ

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食べ物・飲み物にとどまらず薬用にまで広く利用されるため、「作物」として畑で栽培されます。短日植物なので秋になって花が開くものの、残念ながらそれはほぼ「どうでもいい」存在です。大事なのはその後にできる赤い塊です。
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まっすぐにのびた枝にそれがボコボコついている姿はかなりの迫力です。単葉から5裂まで変化幅のある葉の色も深く、やや異風の眺めです。
2枚目写真の右側にそのボコボコができていく過程を示しました。咲いた花が萎むと萼と苞がムクムクと肥大・肥厚してくるのです。もちろんそのなかには実が入っていても、大事なのは外側のこの真っ赤な部分です。
ローゼル(Roselle)は英語圏の呼び名で、学名だとHibiscus sabdariffaです。先日のロバツスも「変なハイビスカス」だったし、フヨウ属は多彩です。
日本でもローゼルと呼ぶのがふつうでも、標準和名はローゼルソウでした。その和名どおり「草」とする考えが主流でも、低木とする分け方もあって、きょうが「木」の順番なのにその題材に窮したこの日記にはとても便利な存在です。

過去のきょう 2019 ニワウルシ(シンジュ) 2018 メハジキ  2017 オヤマボクチ 2016 ハヤトウリ 2015 ミツガシワ 2014 フジバカマ 2013 ダイズ 2012 サンゴジュ 2011 サボテン(金鯱) 2010 ヒキオコシ 2009 エノキ 2008 ゴマキ 2007 ノゲイトウ 2006 マルバフジバカマ 2005 ツワブキ 2004 ミゾソバ

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10月30日(金) タマスダレ

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先日掲載のAjaxのおかげで、タマスダレも立派に種をつけることを知りました。そうなると、我が目・我が手でそれを確かめてみたくなります。
ただし、他人さまのものに勝手はできないわけで、この写真は野原で撮りました。シマスズメノヒエメヒシバが我が物顔にのさばる空き地です。
最初はたぶん誰かが球根を一粒捨てたか植えたかしたものでしょう。そのタマスダレが案外に元気に殖えていました。雑草負けを心配する環境なのに、球根プラス種による繁殖力はなかなかにしたたかのようです。
プックリと三つ叉に膨らんだ莢だけ見ると、なかに入っているのはまん丸の種かと思いきや、その莢からこぼれ出すのはミカンの嚢(ふくろ・内果皮)みたいな形の種で、これがけっこうたくさん入っているのです。これだけの「次世代」がパラパラ拡散され続けたら、この野原がタマスダレ畑になる日も夢ではなさそうです。

過去のきょう 2019 ヤナギバルイラソウ 2018 カルミア  2017 コムラサキ 2016 タチバナモドキ 2015 サンゴノボタン 2014 アズキナシ 2013 マルバノキ 2012 キンエノコロ 2011 オウゴンカズラ(ポトス、ゴールデンポトス) 2010 ホソバタイサンボク 2009 ニワナナカマド(チンシバイ) 2008 ズミ 2007 マムシグサ 2006 キチジョウソウ 2005 ダンチク 2004 ツリバナ

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10月29日(木) キンカチャ

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おとといの学習(マルバインドゴムノキの托葉)が早速役に立って、キンカチャの新しい枝にも似たようなパーツを見つけました。
うれしや、キンカチャのおかげで、おとといの反省が空手形ではないことを証明できました。キンカチャ様々なのでいろいろ調べていたら、キンカチャ(金花茶)というのは Camellia chrysantha の和名でありながら、花が黄色いツバキの総称でもあると Wiki にありました。あらあら、この先、どう扱ったものでしょう。
とボヤキながら、その学名をYListであたってみたら、それはシノニムで、キンカチャの標準学名は Camellia petelotii だとあります。
ゲゲ、その petelotii は、Wikiには別種としてあげられています。これはもう迷路です。まして簡単に現物を比較検討することなど不可能です。
こうなると、救いは黄色いツバキなどそんじょそこらでは見ないことです。きょうの話も、覚えておく必要はかなり薄いトリビアだと思っておきましょう。

過去のきょう 2019 ルリマツリモドキ 2018 ウメガサソウ  2017 ノコンギク 2016 ダルマギク 2015 アブラススキ 2014 イヌコウジュ 2013 ノササゲ 2012 マテバシイ 2011 シマトネリコ 2010 ヒヨドリバナ 2009 アツバキミガヨラン 2008 コバノガマズミ 2007 マルメロ 2006 アッサムニオイザクラ(ルクリア) 2005 ミセバヤ 2004 ハクモクレン

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10月28日(水) ゴキヅル

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やれやれ、ようやく見つけました。ゴキヅルの雌花です。ゴキヅルそのものが稀少種である上に、見つめても見つめても、花は雄ばっかりでした。
その黒歴史にも終止符です。おお、なんとふてぶてしい花柱でしょう。隣の雄花がじつに可憐に見えてしまいます。そして、花びら(と萼)の下(付け根側)に緑の膨らみがあります。ゴキヅルは下位子房タイプでした。
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この雌花の「その後」も付け加えておきます。萼(花びらとそっくり)と花びらが儚く萎れると、子房がはっきりして目立つようになります。
それがプウッとサイズアップすると、いつの間にか萼&花びらの残骸は落ちてなくなります。これら一連のプロセスを時間軸で記録できたら…という夢がありはしても、絶滅危惧Ⅱ類を身近で観察できる境遇には程遠い現実です。

過去のきょう 2019 エゴノキ 2018 イヌエンジュ  2017 ホテイチク 2016 ケヤキ(品種不明) 2015 ハシバミ 2014 ムクゲ 2013 シリブカガシ 2012 ススキ 2011 マメヅタ 2010 ケナフ 2009 キミガヨラン 2008 イヌザンショウ 2007 ツルコケモモ 2006 クヌギ 2005 クコ 2004 ニラ

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10月27日(火) マルバインドゴムノキ

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久しぶりに登場するウチの古株です。半世紀近くの間、いろいろ変身を続けてきて、いまはビヨーンとまっすぐです。「味わいがない」と批判するワタシに、管理責任者の助手1号は「これがいいの」と動じる気配がありません。
そんな一直線の幹の先が、涼しくなっても勢い衰えず、また赤くなりました。そしてその赤いパーツが割れて、新しい葉の誕生です。
…というこの古株くんの営みを見つめていて、この赤いパーツをなんと呼ぶべきか確かめていないことに気づきました。こうして新芽を保護するものは苞(苞葉)ではあろうけれど、ゴムの場合は包まれているものが葉っぱだけ、花は枝に直接出るので、これは托葉と呼ぶべきでしょう。そして、このパーツが赤いのはデコラゴムノキ(Ficus elastica 'Decora')の特徴とわかりました。
さらに、そのDecoraくんの正式和名はマルバインドゴムノキでした。トホホ、三日連続で過去記事や「過去のきょう」までタイトル訂正が必要です。
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いや、それは楽屋のオチ話で、本題は托葉です。これは役目を終えるとやや萎びてハラリと枝を離れます。その痕跡はけっこうハッキリと残ります。左が枝の最上部、中央の写真がそれよりやや下の部分です。
マジマジこの痕跡を見つめていたら、托葉に包まれているのは葉だけではないと気づきました。3~4cmある節の最上部から葉柄は出ているので、「枝の節+葉柄と葉身」がその中身なのです。
しかもそれだけでなく、これが少し割れてきたらそのなかには「次のセット」もあり(右側写真)ました。つまりこれは無限托葉というか生長点(成長点)なのです。
わかってみれば当たり前のことを、半世紀近くボーッと眺めていたわけで、チコちゃんに叱られるまでもなく、激しく反省するのみでした。

<補注> 似たパーツをキンカチャアコウでも見ました。

過去のきょう 2019 ガマズミ 2018 チョコレートコスモス  2017 クワクサ 2016 トウガラシ(観賞用・品種名不明) 2015 ヤブソテツ 2014 センダングサ 2013 ヒガンバナ 2012 スダジイ 2011 モクゲンジ 2010 ノハラアザミ 2009 ツヅラフジ(オオツヅラフジ) 2008 原種シクラメン 2007 ニガウリ 2006 タウコギ 2005 ミゾソバ 2004 ヤマノイモ

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10月26日(月) セイヨウフウチョウソウ(クレオメ)

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夏の花だと思っていたクレオメがまだまだ元気でした。これは花色がやや濃いめで、開花後に褪色する性質からすれば、色彩差でお得感があります。
おっと、きのうに続いて自主規制にひっかかりました。属名で呼ぶだけでもマズイのに、その Cleome は旧属名でした。いまは Tarenaya という属に分けられていて、クレオメでは二重に差し障りが生じてしまいます。これからはセイヨウフウチョウソウという正しい和名を前面に押し立て、クレオメは別名に格下げします。
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という辛気くさい話を忘れさせるように爽やかな白花種もありました。ところが、これをシロバナフウチョウソウと呼ぶという話も一部にはあるようです。うーん、せっかく爽やかになったのだし、まったくの自己都合でこの話は却下としておきます。

<補注> たくさんの実をつけ、その莢が熟して割れると黒い小さな種がこぼれます。(撮影:2024年9月20日)
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過去のきょう 2019 レモンマリーゴールド 2018 ヤマコウバシ  2017 シセントキワガキ 2016 ヒイラギ 2015 エゴノキ 2014 コバノガマズミ 2013 カツラ 2012 ツルニンジン(ジイソブ) 2011 メキシカン・ブッシュ・セージ 2010 アキチョウジ 2009 ムクロジ 2008 ヤマラッキョウ 2007 フェイジョア 2006 ヤクシソウ 2005 ホンコンカポック(シェフレラ) 2004 ツワブキ

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10月25日(日) キリモドキ(ジャカランダ・ミモシフォリア、ジャカランダ)

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温室で育成中の若い(幼い)木で、鉢にはしっかり名札がありました。ジャカランダをこんなにマジマジと、見下ろす形で写せるなんて、じつに幸運でした。
案の定、過去記事には葉を意識した形跡が皆無です。このごろ、葉「だけ」で樹種がわからなくては!という強い動機が生まれていて、ほぼ観光写真だったジャカランダについて学び直すには最適の、花期を大きくはずした状態でした。
シダのようと形容されることもある羽状複葉は、じつに繊細な美しさです。葉軸が赤いのは、季節的なものというよりもたぶん幼木のためだと思います。
そして、もう一つ勉強になったのはジャカランダの詳しい名前です。件の名札にはJacaranda acutifolia という学名が示されていました。これをYListで確認するとシノニムとされていて、標準は J. mimosifolia でした。
ということで、属名(Jacaranda)では呼ばないようにしよう&和名を優先しようという自己ルールに照らし、過去記事のタイトルも修正が必要になりました。

<追録> 葉軸が赤いのは幼いからだと思うので、別の大きな成木の葉を、その幹を背景にして確認しました。(撮影:2020年10月5日)
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<補注> 葉の学習が役に立ちました。(2022年5月1日

過去のきょう 2019 モッコク 2018 ウワバミソウ  2017 アメリカイヌホオズキ 2016 ヤハズソウ 2015 ハナミョウガ 2014 ホトトギス 2013 サラシナショウマ 2012 キンモクセイ 2011 ヒメイタビ 2010 トラノオスズカケ 2009 カキノキ 2008 コウヤボウキ 2007 クロウエア・エクサラタ 2006 スプレー菊(イエギク) 2005 キヅタ 2004 コスモス

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10月24日(土) ゼフィランサス・エイジャックス

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Ajax(エイジャックス)は、ウェブブラウザ内で非同期通信を行いながらインターフェイスの構築を行うプログラミング手法である…とWikiにはあって、ワタシの頭脳内では認識の同期がさっぱり進まず、「なんのこっちゃ?」です。
原義はギリシャ神話の英雄のことらしくても、英語としては案外に好まれる言葉らしくて、カナダの地名とかサッカーチームの名前とか、軍艦とかミサイルとか、洗剤やら歌手グループまであって、なんか超売れっ子の名前なのでした。
さてそれではこのゼフィランサスのAjaxはなにをイメージすればいいのか、どんな意味があるのか、チョロッと調べただけではさっぱりつかめません。語呂の良さは抜群なので、面倒なことは考えずに「名前は記号説」に徹しましょう。
基本種を交配して19世紀に作られた園芸種で、その種のものでは嚆矢なのだそうです。ふつうのタマスダレをきれいと思う感性からすれば、淡い黄色がなにか薄汚く見えて、「別にこんなもの作ってくれんでも」と視線が冷たくなります。
画面中央→左端→右端と、緑に膨れた子房が枯れて破けるまでの歴史が示されていて、これだけは「ふつう」品で気づかなかったお勉強でした。

<補注> Ajaxが種をたくさんつけているのに触発され、ふつうのタマスダレの種を確認しました。(2020年10月30日

過去のきょう 2019 イヌタデ 2018 トサミズキ  2017 ヒゼンマユミ 2016 ヒイラギモクセイ 2015 ハナセンナ(アンデスの乙女) 2014 ウダイカンバ 2013 モミジバフウ 2012 ホウチャクソウ 2011 フウセントウワタ 2010 シュウブンソウ 2009 ゴマ 2008 キランソウ 2007 ホウキギ(コキア、ホウキグサ) 2006 オタカンサス 2005 オリーブ 2004 ニシキギ

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10月23日(金) キャッサバ

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おやおやぁ、キャッサバが露地植えされていました。今年の1月に撮影した株は温室のなかだったし、熱帯のものなので、「まさか!」の再会です。
分類的には「低木」とされても、直感的にはかなり「草」です。茎は見るからにしなやかだし、背は低くて腰丈ほどしかありません。
掘り起こして芋を収穫する場面に出くわしたらサイコーでしょうに、そうそう神様が甘い顔をするとも思えません。せめて花が咲いて実がつくあたりは見せていただきたいもので、亜熱帯化した日本の冬を、さあ乗り切ってくださいよ!!

過去のきょう 2019 フクロモチ 2018 ムカゴイラクサ  2017 イワオモダカ 2016 ヒナタイノコヅチ 2015 ナガボノワレモコウとワレモコウ 2014 シロヨメナ 2013 シロホトトギス 2012 ケンポナシ 2011 パキスタキス・ルテア 2010 アカバナ 2009 マユハケオモト 2008 マルバグミ 2007 ツリバナ 2006 チカラシバ 2005 ホウキギ(コキア、ホウキグサ) 2004 マユミ

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10月22日(木) 坊ちゃんカボチャ(セイヨウカボチャ)

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頭上に鋼線が井桁に張られていて、そこからカボチャがブランブランでした。3カ所でこんな育て方を見たので、いまどきの栽培法なのでしょう。カボチャも、まさか自分が空中浮遊をさせられるなんて思わずに生まれてきたことでしょう。
ただ、どの畑のカボチャも「手のひらサイズ」でした。まさかあのカボチャ選手権に並ぶような大型がここにブラ下がるわけはないし、レギュラーサイズでもちょっとむずかしそうです。宙づり栽培はこんな小型のカボチャにぴったりなのでしょう。
そんなミニサイズのカボチャにもいろいろ品種はあって、勝手な決めつけは禁物でも、たぶんこれは坊ちゃんカボチャと見ました。幾筋か、縦にくびれが入り、そこに白い斑がまとまって入ります。ネーミングがなかなか秀逸だし、レギュラーサイズの半分買いよりはこれ1個買う方が気分いい…のはおつかい爺さんの感想です。

<補注> 坊ちゃんとは逆のジャンボサイズを収録しました。(2023年9月3日

過去のきょう 2019 ヤクシソウ 2018 モミ  2017 ツルグミ 2016 トチュウ 2015 ジュウガツザクラ 2014 マルバノキ 2013 パパイア 2012 ホトトギス 2011 アメリカヅタ 2010 トリカブト 2009 オキナワスズメウリ 2008 ウラハグサ(フウチソウ) 2007 ケショウビユ(イレシネ・ヘルブスティー) 2006 ホソバアキノノゲシ 2005 シャクチリソバ 2004 ベニバナトキワマンサク

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10月21日(水) ロウバイ類(種類未詳)

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自虐ネタの続編です。トボトボ歩いていたら、抜け殻くんに誘われて目に入ったこのけっこうデカめの葉っぱに記憶がありません。うううぅぅぅ。
先の尖り方がまず第1ポイントですか。鋸歯のないことが次のポイントで、対生というのも忘れてはいけないでしょう。ツヤツヤしてはいても、触ると案外に固くてガサガサというところも大事そうです。しかし、うううぅぅぅ、答えが出ません。
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…と、立ち位置を変えつつ、ジトーと眺め回していたら、あーぁ、またカンニングしてしまいました。なんだよ、お前かよ!と言われたロウバイは困ったことでしょう。きれいに黄色くなった葉もここに登場しているし、大晦日にまだ緑色だと騒がれてもいます。
しかし、それらは皆、「花あってこそ」だったのでした。葉を葉としてしっかり見つめてはいませんでした。したがって、今回の葉がなにロウバイなのか、いやいや、ロウバイの種類によって葉が違うのかもぜんぜんわかりません。とりあえず新年が来てこの木についた花を見て、「ふーん、この花にあの葉か」とうなずくことにします。

<補注> ロウバイとソシンロウバイ、両者の葉には雰囲気的(笑)な違いが見られました。(2020年11月4日

過去のきょう 2019 シャムソケイ 2018 センウズモドキ  2017 シュウカイドウ 2016 エビスグサとカワラケツメイ 2015 ハグロソウ 2014 サツマイモ 2013 アマチャヅル 2012 キンメイモウソウチク 2011 コミカンソウ 2010 レイジンソウ 2009 ミゾソバ(白花) 2008 ハマトラノオ 2007 ウメバチソウ 2006 アキノキリンソウ 2005 サザンカ 2004 モッコク

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10月20日(火) オカノリ

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オカヒジキオカワカメに続く3番目の「陸地性海藻・笑」です。一般的な知名度もたぶんこの順で、オカノリの畑は見つけることができません。しかたなく自分で種を買い込んでプランター栽培することにしました。
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先月2日に種を播きました。バラ播きか筋播きでいいというので、テキトーにバラバラッと袋からこぼし、土は被せませんでした。そしたら二日後には芽が出始め、翌日には双葉が押しくら饅頭状態で、さっそく間引きが必要でした。
1週間後には本葉が出始め、それから10日もすると2枚目の本葉がそろい、一応これでオカノリの株らしい形になりました。
途中、間引きした葉を何度か生で食べました。ふわふわと柔らかな食感で、まったくクセというものがなく、かなり扱いやすい食材です。
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葉が手のひら程度に大きくなったので、水気を切ってから焼いてみました。これはすごい! まさに海苔です。パリパリと音がするほど張りがあり、ほんのりと磯の香りまでします。目隠しして食べさせたら、たいていの人は「海苔だ」というでしょう。
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さてここからはオカノリとはなんぞや?です。オカノリは「フユアオイの栽培変種」と説明されます。しかし、フユアオイの葉とオカノリの葉は形がかなり違います。一方、この季節にも元気なゼニアオイの葉(↑)は、フワフワ対ゴワゴワの質感差があるとは言え、形だけ見ればこちらの方がずっと似ています。
これらはみなMalva(アオイ科ゼニアオイ属)ではあって、しっかり学名で関連性を確認する必要があります。
オカノリ=Malva verticillata var. crispa 中国名:冬葵
フユアオイ=Malva verticillate 中国名:野葵
ゼニアオイ=Malva mauritiana
つまり、上述の一般説明は正しくて、葉の形に惑わされてはダメでした。さらにオカノリは中国では「冬葵」と呼ばれていることも興味ある事実です。

…ということで、オカノリについて残る課題は花と実です。フユアオイについてはそれらを幸運にも記録できているので、このあとの比較が楽しみです。

<補注1> 花は3月に入って咲きました。(2021年3月12日
<補注2> 花と実をジトッと見つめ、総括編としておきました。(2021年4月19日

過去のきょう 2019 ハチジョウアザミ 2018 ツクバネ  2017 アベマキ 2016 ホンカイドウ 2015 ユーカリ 2014 ネコノチチ 2013 ラクウショウ 2012 ヤクシソウ 2011 キクダイダイ 2010 サルビア(サルビア・スプレンデンス) 2009 アオノリュウゼツラン 2008 イワダレソウ 2007 アケビ 2006 アキギリ 2005 キダチチョウセンアサガオ(八重) 2004 ゴールデンピラミッド

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10月19日(月) クロウエア・エクサラタ(ホワイトサザンクロス)

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今年は近所の2カ所にこのクロウエアの白花が植えられていて、それなのにピンクは見かけません。ウチでピンクを育てたのはもう13年も前のことで、それを求めたホムセンでも、あるいはよそのお宅でも、当時は白を見ませんでした。
この樹種のオリジナルはピンクのはずで、白花種がどういう位置づけかはよくわかりません。お店ではホワイトサザンクロスという札がつけられています。時代の好みはピンクから白に移行したようで、なんとなくうなずける現象です。
問題は、この2カ所の白花種が屋外(ともにプランター栽培)で冬越しできたらどうしよう!?ということです。自分はかつてそれに失敗していて、それなのによその人が成功したら、それを花色違いのせいにしようか、13年間の温暖化のせいにしようか、まだ冬も来ないうちから言い訳を考えている、どうにも情けない爺さんです。

<補注> 2カ所のホワイトサザンクロスは、その後、「無事に」消失してくださいました。(2021年10月)

過去のきょう 2019 ムクゲ 2018 アカバナツユクサ  2017 バアソブ 2016 トダシバ 2015 カワミドリ 2014 原種シクラメン(ヘデリフォリウム) 2013 コナギ 2012 カンノンチクとシュロチク 2011 ヒシ 2010 タヌキマメ 2009 エノキウツギ(ウオトリギ) 2008 マツブサ 2007 ミヤマガマズミ 2006 ヨモギ 2005 イシミカワ 2004 ギシギシ

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10月18日(日) サンヘンプ(コヤシタヌキマメ、コブトリソウ)

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ここには二度目の登場となるCrotalaria junceaです。前回はそれをサンヘンプ(コヤシタヌキマメ)と訳したのに、今度の畑ではコブトリソウと呼ばれていました。
ん、小肥り? 瘤取り? どっちにしても笑える名前です。正解は後者で、しかしそれは民話の「こぶとりじいさん」ではなくて、土のなかにいる線虫の一種「ネコブセンチュウ」を駆除する力に着目した名前でした。病害防止だけでなく緑肥の効能もあって、そちら方面については前回記事でも触れています。
ということは、緑肥機能をアピールするときはコヤシタヌキマメで、害虫駆除機能に注目するときはコブトリソウという感じでしょうか。さて、こんな風に名前が輻輳しているときはYListの出番です。Crotalaria junceaの和名はサンヘンプでした。
そして、別名欄にはコブトリソウがありません。たぶん種苗会社の売り出しネームみたいな気がします。その代わり、クロタラリア(属名のカタカナ読み)とサンマが記載されています。トホホ、秋刀魚まで出てきたか…というのは早とちりで、これは前回触れたSunnに「麻」をくっつけたものでしょう。
ということで、サンヘンプの副題はYListに逆らう形でコヤシタヌキマメにコブトリソウをつけ加えてみました。植える人がどう呼んでいるかというはた衛門基準です。

過去のきょう 2019 ヒモサボテン(ドラゴンフルーツ) 2018 クロキ  2017 ハンノキ 2016 ウルシ 2015 エゴノキ 2014 ガマズミ 2013 アカガシ 2012 シマススキ 2011 アレカヤシ 2010 コウリンタンポポ イヌショウマ 2009 ヒメグルミ 2008 クスノキ 2007 スズラン 2006 サラシナショウマ 2005 タイワンホトトギス 2004 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)

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10月17日(土) シキミ

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先月、上の娘夫婦が引っ越しました。広めの庭はかなり放置状態だったようで、「これはなんだ?」「これは?」といろんな木の写真が送られてきます。
その写真が不得要領という言い訳はできても、これがけっこうムズイのです。不動産屋が幹は切ってくれたそうで、そこから出たひこばえの葉であることも判断しにくい理由です。4種尋ねられて、1本はまだ回答保留中です。
という情けない騒動をきっかけにして、枝先につく数枚の葉だけで樹種がわかるようにならなくちゃなぁ…と思い始めた矢先、これに出くわしました。基本は互生のくせに、枝先はこうして束生しています。うーん、なんだっけ、これ??
と目が泳いだとたん、実(写真左端)が見えてしまいました。カンニングと同じです。ダメだよ、そんなとこにあっちゃあ、とかブータレながら、「あーあ、シキミの葉も正確には覚えていなかったか」と自虐気分全開のお散歩でした。

過去のきょう 2019 トウチャ 2018 アサガオ 2017 ヤブツルアズキ 2016 ジョウロウホトトギスとキイジョウロウホトトギス 2015 ヒダカミセバヤ 2014 サイカク 2013 タイアザミ 2012 シマトネリコ 2011 アンゲロニア 2010 ヒイラギモクセイ 2009 キチジョウソウ 2008 ヨウシュイボタ 2007 トウガラシ(タカノツメ) 2006 スズメウリ 2005 クロマイ 2004 サザンカ

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10月16日(金) ソバ(高嶺ルビーNeo)

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うわ、ソバの花が赤い! 茎や葉にまで赤みが滲んでいます。このソバで作った蕎麦を食べたらホッペが赤く…という話は聞いたことがありません。
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高嶺ルビーという品種で、Webでも種がたくさん売られていました。その説明を読むと、なんとこれ、緑肥用でした。あるいは休耕地の土埃を防ぐ目的で植えるようで、道理で赤い蕎麦を食べることがなかったわけです。
例のヘテロが気になって、かなりしつこく眺めまわしたのに、花柱の長短はぜんぜん見つけられませんでした。「きれいだねー」でおしまいです。

過去のきょう 2019 イヌショウマ 2018 オオモクセイ 2017 ゴマキ 2016 ガマズミ 2015 ツクバネガシ 2014 ヒメザクロ 2013 ニッサボク 2012 ツルニンジン(ジイソブ) 2011 アラカシ 2010 ユーパトリウム・チョコレート 2009 キバナノツキヌキホトトギス 2008 エゾユズリハ 2007 アキカラマツ 2006 ツリフネソウ 2005 シュウメイギク(ピンク) 2004 タイワンホトトギス

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10月15日(木) サンタンカ(イクソラ・シネンシス)

201015santanka
屋外に植えられたサンタンカを見て驚いたのはもうひと昔も前のことです。それまでは温室で鑑賞するものと思い込んでいたので、夏の盛りの直射日光を浴びて美しく輝くその花色には新鮮な驚きを感じたものでした。
ただ、あの植栽は立派な公園にあったのに対し、なんと今年はごく近所(志木市柏町)の「いこいの小径」にサンタンカが植えられてしまいました。ここの花壇は、業者さんが定番品の草花を季節ごとに植え替えていたのに、今年からはその管理が地元にゆだねられたようで、コマゴマといろんなものが並ぶようになったのです。
Santanka20201016
そのなかに、少なからぬサンタンカがあるのを見て、ずいぶん唐突な選択だこと!と笑っていたのに、こんな「収穫」があったのですからありがたいことです。近くにあればこそ、花が終わってもじっくりと見入ることができました。
さて問題はこれからです。この花壇にも冬は霜が降りて、土が浮き上がっていることがしばしばです。そもそも熱帯・亜熱帯域の原産品がそれに耐えられるものか、もう笑ったりせず、期待と不安の目で見つめ続けることにします。

<補注> やはりサンタンカが志木の屋外で冬越しするのは無理な話でした。土をかけたり、藁でくるんだり、かなり手はかけていたものの、春にはすべての株が抜かれてしまいました。南無阿弥陀仏。(2021年5月)

過去のきょう 2019 イロハモミジ 2018 キイジョウロウホトトギス 2017 ツルギキョウ 2016 ノダケ 2015 コメナモミ 2014 マルバルコウ(マルバルコウソウ) 2013 ワレモコウ 2012 テイカカズラ 2011 トウネズミモチ 2010 オオオナモミ 2009 シロホトトギス 2008 ツルシキミ 2007 オオベンケイソウ 2006 クズ 2005 シュウメイギク 2004 ノブドウ

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10月14日(水) オカヒジキ

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砂浜にはふつうに自生している(注)というオカヒジキなのに、海なし県埼玉だと畑を探すしかありません。そしてそういう「農作物」の場合、収穫期が過ぎれば早々に抜去されてしまいます。かつて「次は花を」と狙った畑でも、再訪の結果は鋤き返された黒い土を虚しく見つめただけでした。
そんな悲しい過去からすれば、こんなヘナヘナ状態でも大感激です。もはや花とは言えず、かといって実でもなさそうなこんな姿でも、ありがたくて涙が出ます。
調べると、そもそも5枚の白い花びらは広がることがなく、とろけるように子房を包むらしいのです。したがって、「なにがなにやら」の今回の様子も、案外にオカヒジキの花と言ってかまわないのかと開き直っておきましょう。
自然状態だと、子房はこれから少し大きくなり、全体がこのままの姿でミイラ化し、乾いて割れた果実から種がこぼれるようです。今回、このヘナヘナを見せてくださった人にそこまでの「保存」を望むのも厚かましい話で、オカヒジキ追跡物語はとりあえずここで一件落着ということにしておきます。

<補注> 本当に「ふつうに自生して」いました。(2023年6月5日

過去のきょう 2019 タイアザミ 2018 ヒロハザミア(ザミア・フルフラセア) 2017 クマノミズキ 2016 アカシデ(ソロ) 2015 サワフタギ 2014 キミノクロガネモチ 2013 サネカズラ 2012 ナルコユリ 2011 ヨモギギク(タンジー) 2010 ヒルムシロ 2009 ヒシ 2008 ヒメマツバボタン 2007 ベンケイソウ 2006 ホトトギス 2005 ポポー 2004 キツネノマゴ

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10月13日(火) フヨウ

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覚悟していた「陰影なしの白ベタ」にはならず、一応は花の立体感を出せました。ただ、構図の自由がきかない場所だったので、情緒はゼロの写真です。
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本当は、白いフヨウをこんな風に撮りたいのに、徘徊範囲には白花種がなかなかありません。増補版に入れてある白いフヨウは、昔、早朝の近所散歩で撮ったものなのに、いつの間にかその株はなくなってしまいました。
で、その白と比べると、今回の白はなにやら潔さが不足に見えます。花びらが二重になっていて、すっきり一重ではありません。
そして、少し学習してみると、フヨウの元々の花は淡紅色の5弁でした。つまり2枚目写真が「本当のフヨウ」であり、白花は園芸種なのでした。さらにそれが半八重になっている1枚目写真は、どうにもコテコテなのであって、はた衛門の無駄の歴史にまた新しいページが加わったことになります。

<フヨウの過去記事・掲載順> ☆ ピンク一重の花A : 2004年8月5日 ☆ ピンク一重の花B : 2006年8月24日 ☆ 冬の蒴果A : 2008年2月29日 ☆ 冬の蒴果B : 2014年2月13日

過去のきょう 2019 ヤツデ 2018 シャクチリソバ 2017 キレンゲショウマ 2016 ホソバヒメミソハギ 2015 コバギボウシ 2014 カラスウリ 2013 ツマベニアナナス 2012 ヤマハンノキ 2011 ツリバナ 2010 デンジソウ 2009 センキュウ 2008 ハグマノキ 2007 ユキザサ 2006 ナワシログミ 2005 イヌサフラン 2004 ガマズミ

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10月12日(月) ホソミキンガヤツリ(要・再確認)

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路傍の草とは言え、なかなかに見応えがあります。お洒落っぽく決めたつもりの背景は東武東上線のコンクリート製防護柵で、胸丈ほどもあります。その柵と道路のわずかな隙間にビッシリと並んでいるのを初めて見つけました。
201012hosomikingayaturi2
特に咎められる場所でもないので、数株いただいて来ました。あらためて身長計測すると、花穂の先まで80cmはありました。しかし、それを支える根は意外に貧弱で、これだもの、あっさりとお持ち帰りができたわけです。
そして、カヤツリグサ類の常ではあっても、この苞が異様に長いのです。30~40cmはあって、花穂を食卓に飾ったら、食事の邪魔になって困りました。
また、三角断面の茎は角が丸くて優しい感触です。ただし、手で千切るのはむずかしいほどに丈夫で、これが高身長を支える「骨」なのでした。

<補注> 果実(種)の形が細ければホソミ、コロンとしていればホソミではないキンガヤツリであり、そこが未確認なので記事タイトルは暫定とします。(2023年10月12日)

過去のきょう 2019 ヤブラン 2018 タイワンアカマツ 2017 フシノハアワブキ 2016 ヤブツバキ 2015 カラコギカエデ 2014 ヤブツバキ 2013 サガリバナ 2012 ハマビシ 2011 モンテンボク(テリハハマボウ) 2010 カシワバハグマ 2009 ベニバナチャ 2008 ナツメ 2007 ジュウガツザクラ 2006 ヤブタバコ 2005 ダンギク 2004 コムラサキ

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10月11日(日) ツルウメモドキ

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ツルウメモドキの収録がついに10回目となったので、掲載日付順(暦年は無視)に過去9回のサムネイルを並べてみました。きょうの記事は、時系列でいくなら、この総覧で白いダイヤ形を入れた位置に嵌まることになります。
201011turuumemodoki
そして、その写真のテーマはと言えば、ほんのりの色づきです。「涼しい」を飛び越えていきなり「寒く」なったこのごろ、ツルウメモドキの実も夏の緑(仮種皮)から冬の赤(蒴果)への衣替えを急いでいました。
…というきょうの主旨だったのに、ありゃー、10月9日の写真がはた衛門の言い分を邪魔してくれます。この写真をきょうのものに入れ替えれば、次の11月5日の姿ともきれいにつながります。しかし、そういう辻褄合わせはいけないことでしょう。
個々別々の生長過程を見せるツルウメモドキに見習えば、いろんな人にそれぞれの意見があることは理の当然です。ただし、そこを統制するのはツルウメモドキとは違う話で、無理筋を通そうという某国宰相さんにはエールを送っておきましょう。

<補注> 本文末のおちゃらけは、日本学術会議の新会員のうち6人の任命を拒否した菅義偉首相のことです。(2022年秋)

過去のきょう 2019 コクサギ 2018 コブナグサ 2017 エノキグサ 2016 ツユクサ 2015 ミズカンナ 2014 ツルドクダミ 2013 ダリア(雪乃) 2012 ウンナンオガタマ 2011 ツヅラフジ(オオツヅラフジ) 2010 アメリカセンダングサ 2009 コンニャク 2008 クマノミズキ 2007 ハブソウ 2006 サンショウ 2005 ワタ 2004 ケープヒルムシロ

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番外編 : ミョウガの実と種

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新聞記事をそのまんま転載で、許可もいただかずにごめんなさいです。ただ、自分ではとても見ることができないものらしいし、かつて幸運にも花を収録したときさえ、「次は実」とは露ほども考えなかったわけで、盲点を突いていただいた読売新聞(埼玉版)さまには大・大・大感謝です。
それにしても、ものすごくわかりにくい写真で参りました。ネットで調べたら、ごく数例、記事がありました。しかしその写真もなかなかわかりにくくて、それは記事主さんのせいではなく、この実と種がずいぶん素っ頓狂な姿であることが原因です。
まずは真っ赤な実(果実・果肉)です。花が咲いて受粉してから50日もかかってこうなるそうで、位置的には花がついた場所にできるものの、なんかお芋のようなナマコのような変な姿なのです。
さらにそのなかから出て来る白い物体です。種を包む皮だそうで、その裂け目から黒い種が覗いています。これがけっこうハッキリした白と黒で、まるでプロレスラーのマスクみたいに目鼻がついているように見えたりします。
いやいや、実物を見ていない者が好き勝手に解説してはいけないわけで、いつかこの真っ赤な果実&ミョウガマスク氏(笑)とのご対面が叶い、この番外編がお役御免となる日が来ることを念じておきましょう。

<補注> この記事に先んじて、ホウレンソウに花が咲き、しかも雌雄異株であることを知ったし、秋の終わりになってレタスに花が咲きそうな現場を見つけました。今年は野菜に驚かされる年だったようです。(2020年11月17日

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10月10日(土) アカバナ

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衝撃的な美に遭遇したこの3月以降、ここにはよく通いました。ただ、夏になっても蕾さえ見つからず、どうにも「ただの草」でした。それが8月になると根もとの葉が色づいて、ほかの草が緑一色のなかでは異色の存在となってきました。
そしてようやく咲き始めです。なんと、終わった花にはもう長い莢ができていて、秋に入ってからの変化がかなり足早な性質だとわかります。
201010akabana2
しかし、「赤葉菜」説を支えるほどには葉の色づきが進んでいません。2枚目写真・左に無理に花を入れて秋の姿であることを証明したものの、葉の色具合は8月の初めとほとんど一緒です。色合いも、赤と言えば赤ですけれど、うーむむ…。
そして右嵌め込み写真が自分的には今回一番の収穫でした。スケールを当ててみて初めて認識した花の小ささです。大量のピンぼけ写真に泣いたわけがわかりました。ナマで見ている分には案外に気づきにくい事実でした。
そして、蕾から開花までの莢の生長もとらえています。かつての開花写真ではあたかも莢が初めから長いように見えていたので、観察課題が小さく一歩前進しました。

<補注> 種の飛ばし方は驚くほど芸術的でした。(2020年12月28日

過去のきょう 2019 サツマタデ(ホソバタデ) 2018 ヒメザクロ 2017 コバノチョウセンエノキ 2016 ヤナギバルイラソウ 2015 ウラジロモミ 2014 シラハギ 2013 ハマビワ 2012 キバナアキギリ 2011 バナナ 2010 ウナギツカミ 2009 ハゼノキ 2008 カラハナソウ 2007 アブラガヤ 2006 リンドウ 2005 ソバ 2004 シャリンバイ

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10月9日(金) マルバヤナギ(アカメヤナギ)

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加賀千代女の心持ちを味わいました。朝顔に釣瓶をとられた彼女に対し、はた衛門はスケバハゴロモに構図の自由を奪われました。
葉柄付け根の托葉だけではなく、葉柄と葉身の境目に生える付属品(葉状物)がもっと賑やかなところを写したかったのに、このチビちゃん、ぜんぜん動きません。おっと、チビちゃんとは言っても、スケールと比べると正常サイズです。グッと迫った画像が自分のなかで固定してしまい、勝手に大型化していました。ウバユリの茎にいる写真を見直したら、この蝶の本来サイズを再認識しました。
あれれ、話はマルバヤナギでした。気を取り直して付属品がわかりやすい枝を探しても、案外に写真にしたいものはありませんでした。春の花という撮影課題もあるし、これからも長~くお付き合いさせていただくことにします。

<補注> 冬芽と葉痕の様子を収録しました。(2021年1月6日

過去のきょう 2019 カジカエデ(オニモミジ) 2018 ツルギキョウ 2017 テンニンソウ 2016 ホソバアキノノゲシ 2015 熱帯スイレン(ブルーギガンティア) 2014 ミクリ 2013 サクラタデ 2012 シナノキ 2011 ツルウメモドキ 2010 アキニレ 2009 ツルドクダミ 2008 オケラ 2007 オヤマボクチ 2006 アロニア 2005 ギンモクセイ 2004 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)

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10月8日(木) ゴマナ

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ざっくり言えば、近い仲間のシラヤマギクやヨメナ(シロヨメナ)とかノコンギクとか、そういう類いと同じ雰囲気です…と言ってしまうと、それは「自分の目は節穴です」と白状することにつながります。この手のキクに出会ったら、じっくり確認です。
このゴマナの場合、まずは背丈があります。同じく高く育つ仲間にシオンがありはしても、まさかあれと間違えることはなくて、この特性のせいでヨメナやノコンギクあたりが候補からはずれていきます。
そして、シラヤマギクほど花の下が間延びしません。花と葉を一緒に写し込むことが、なんの苦労もなくできました。
最後はやはり「ゴマと似ている」とされる葉でしょう。大きくて長さもあり、かなりザラついているので、お嫁さんだけでなく爺さんだって食べません。
ただ、過去に載せているゴマの葉(2004年2005年、ともに写真は拡大可)の形が安定せず、ゴマナを眺めてゴマの葉の標準形を思う次第です。

<追録> 元気のいい株を陽光の下で撮ることができました。少し見上げるほどの高さがあります。(撮影:2024年9月20日)
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過去のきょう 2019 ハスノハカズラ 2018 オオカナメモチ 2017 ツルアジサイ 2016 ベニバナトキワマンサク 2015 ユーカリ 2014 ニンジンボク 2013 ネコノチチ 2012 ボタンヅル 2011 オクモミジハグマ 2010 ヤマハッカ 2009 ハネミギク 2008 ホソバヒメミソハギ 2007 マツカゼソウ 2006 ユウゼンギク 2005 カリガネソウ 2004 ギンモクセイ

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10月7日(水) ネズミサシ

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わかったぞぉー!です。去年悩んだ「チューリップ状に開いた物体」は、これが雌花でした。初めは胚珠が剥き出しで、それが「花」状態であり、そこから徐々に鱗片が肥厚して胚珠を包み込んで「実」になるのでした。
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その実は2~3年にわたって枝に残り、白っぽい緑色から黒紫色まで変化するわけで、「咲いた咲いた桜が咲いた」とはかなり異なる生態でした。実を齧ってみると、この変化の過程がギッシリと包み込まれていました。
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ところが、まだわからんぞぉー!です。なんですか、このウッドペッカーみたいなパーツは? 写真上部は自然状態で、それをこじ開けてみたのが下の嵌め込みです。さらに枯れたもの(右下)もあって、これらはみな雌株についていました。
ネズミサシ、なかなか楽しませてくれます。雌花でも実でもない、雄花でもない、この第3のパーツ、正体はいったいいつわかることでしょう。

<補注> セイヨウネズの実は少し感じが違いました。(2022年8月4日

過去のきょう 2019 サカキ 2018 タイヌビエ 2017 ゴキヅル 2016 トウガラシ(ブラックパール) 2015 チョウマメ(クリトリア) 2014 ペンタス 2013 シマスズメノヒエ 2012 コクテンギ 2011 オオミサンザシ 2010 ハッカ(ニホンハッカ) 2009 ヒメヒゴタイ 2008 ミヤギノハギ 2007 コガネバナ 2006 ヤマジノホトトギス 2005 オギ 2004 ハス

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10月6日(火) スズメノヒエ

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小穂が毛深くなくツルッとしていて、葯が黄色です。去年の「発見」は秋が少し深すぎて、もはや店仕舞い段階でした。今回の写真で一件落着です。
意外だったのは雌シベです。まるで鼻毛オヤジではありませんか。なにがどうあっても花粉を受け止めてやる~!という気合いが感じられます。ただ、それにしては小穂の稔り具合はささやかで、晩秋のあの状態が完熟状態だったようです。
201006paspalum_thunbergii2
ほかの草に紛れていても、この黄色い葯は目立ちました。なにげなく歩いていた野道で「お、在来種!」とわかったのはとてもうれしい体験でした。

<補注> きれいな枯れ姿を見ました。(2020年11月11日

過去のきょう 2019 イポメア・トリカラー、ほか 2018 セイタン 2017 ミズナラ 2016 イソフジ 2015 マーガレットコスモス 2014 シナユリノキ 2013 テイキンザクラ 2012 ツルボ 2011 キセルアザミ 2010 アンズ 2009 ヤマボウシ 2008 タラヨウ 2007 コメナモミ 2006 シラハギ 2005 コブシ 2004 ザクロ

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10月5日(月) クレロデンドルム・インキスム

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あの白い音符がどうやって「開花」するのかと思ったら、背中が割れるのでした。なにか昆虫の羽化を思わせはしても、なかから出るのは真っ赤なシベです。
日持ちはあまりしないらしく、のびたてと萎れたものの差がずいぶん目立ちます。そんな「終了品」でも雌シベはシャンとしたもので、こら旦那、しっかりせんか!
201005clerodendrum_incisum2
その旦那、元気なうちは真っ黄色の花粉を思い切り放出します。なのに自分の奥さんは、その花粉を浴びないよう、グィーンと突き出て、人間世界だったらこれはマズイ事態でも、植物界ではセオリーなので咎めることではありません。
その奥さん、うわわ、これじゃ、蛇の舌ですがな。ついこないだ、野道で出会った蛇がピロロピロロと動かしていた舌がちょうどこんな感じでしたっけ。

<補注1> この長い花筒がまるで無駄に思われるような、地味で無骨な実を見つけました。(2020年11月8日
<補注2> クレロデンドルム・クアドリロクラレを収録しました。(2023年3月14日

過去のきょう 2019 カラスザンショウ 2018 エノキグサ 2017 シロガネヨシ(パンパスグラス) 2016 アレチウリ 2015 オニヤブソテツ 2014 ホソバオケラ 2013 ガマ 2012 ナツハゼ 2011 コナラ 2010 タイワンレンギョウ(デュランタ) 2009 フジカンゾウ 2008 センブリ 2007 コバノガマズミ 2006 オオバショウマ 2005 ワラベノカンザシ 2004 キンモクセイ

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番外編 : ヒガンバナ

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目にはヒガンバナ、鼻にキンモクセイ、舌にマツタケ(これは無理)の季節がまた巡ってきて、やれやれ、束の間の過ごしやすさです。
で、毎度・毎度のこんな景色を眺めていたら、おやや、初めて気づきました。1本のヒガンバナにつく花の数、手前の蕾状態を見たら、明らかに差があります。
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そこで、手当たり次第に花を上から覗いてみました。まずは1本に5個です。この日探したなかでは一番少ない数でした。
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次いで6個または7個です。どうやらこのあたりが多数派だし、一輪の雄シベが6本ということを考えると、花茎1本に花6個を標準と考えていい感じです。
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そしてこの日の最高記録は8個でした。こういう多花性の鱗茎だけを選抜育成したら、毎度・毎度の景色はさらにパワーアップしそうです。
いやいや、賑やかならいいワケではなく、せっかく到来した涼しさが暑苦しい景色になっても困ります。ものごとはありのままが一番、いろいろ混じっているのが自然…という、可もなく不可もない結論と相成りました。
Kisetu
おっと、ものはついでなので、「らしい」写真を添えておきます。

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10月4日(日) タマブキ

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ここには初登場になるので、まずは全体の姿と生息環境の確認です。
花茎が長く、かなり間延びしているので、写真素材としては嫌なタイプです。山のなかの半日陰で、当然ながら湿気も十分という場所でした。
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そして名前(球蕗)の由来であるムカゴです。擬宝珠型でキュートです。
201004tamabuki3
花は、まあ、あの、その、こんなです。雌シベの先が羊さんみたいでかわいいのが救いでも、全体が毛深くて、うーんワイルドだぜい。
キク科コウモリソウ属という、わりと大きなグループの一員で、収録してある仲間にはモミジガサがあります。次は属名そのもののコウモリソウに迫り、返す刀でタイミンガサなどという不思議な名前を取り上げ…と構想だけは膨らみます。

過去のきょう 2019 ステルンベルギア 2018 ヒヨクヒバ 2017 アワブキ 2016 サザンカ 2015 ハンノウツツジ 2014 ホソバヒイラギナンテン 2013 シナサワグルミ 2012 クサヨシ 2011 ナガエコミカンソウ 2010 ギンミズヒキ 2009 アキグミ 2008 イノコヅチ 2007 キジョラン 2006 シラヤマギク 2005 ウスギモクセイ 2004 メキシカン・ブッシュ・セージ

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10月3日(土) フッキソウ

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おお、豊穣の稔りです。フッキソウの実については、7年前の記事とそれにつけた追録で、だいたいのところを学んだつもりでした。で、当時の写真には白い実が1株に3個ついていて、それでもけっこう豪華と思っていた節がありありです。
それが倍とはいかなくても5個です。最初、なにか別のものかと疑いました。しかし、葉の緑みはやや薄らいでいても、これは立派にフッキソウです。
脇に見えている株も、これから白く膨らみそうな粒まで数えれば4個ですから、これでさえ以前の記録は更新しています。
いくつが「ギネス」なんだろう?と調べたら、5個の写真はすぐ出てきました(涙)。ただし、6個は見つかりません。つまり、いまのところ1位タイ記録です。よーし、次の捜索目標は6個です。雌花が多い女系株から探さなくては!

過去のきょう 2019 クリ 2018 センニチコウ 2017 ナツエビネ 2016 ナンテンハギ 2015 コウホネ 2014 ビャクブ 2013 タカノハススキ 2012 ヤマコウバシ 2011 キャラボク 2010 アオハダ 2009 サイカチ 2008 エゴノキ 2007 ノブキ 2006 マルバハギ 2005 タケノコイモ 2004 クサギ

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10月2日(金) ツユクサと月草

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ん? ツユクサって1個の苞から2個同時に花が咲くんだっけ? とても普遍的な草の、とても基本的なことなのに、え? どうだった??
とりあえずこの場所の株は残らず見つめ尽くしたものの、「2個同時」はこの1株だけでした。ウチで勉強し直すと、「ツユクサは一日花で、1個ずつ咲く」のでした。「一緒に咲こうねー」という仲良しなのか、「ふん、順番なんか待ってらんないよ」という我が儘坊主の所業だったのか、面白い発見でした。
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ただ、翌日また別のところで2個咲きを見つけました。珍しい現象ではあるものの、一日の野歩きで1株は見つかる程度のことかもしれません。おっと、右側写真の花はノーマル咲きなのにオマケで載せます。ヒラタアブくんのおかげで、奥の雄シベが花粉を持たない客引き役であることを証明しています。
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さて、いきなり酒のラベルです。「わかむすめ」は蔵の代表銘柄で、「月草(つきくさ)」が個別の酒銘です。え、月草ってなに? あ、ツユクサのことか。たしかに、ラベルの絵柄には切り絵風にツユクサがあしらわれています。
花を染めに使ったので、「色がつく=つきくさ」と呼ぶそうです。風雅です。そして、このお酒は端正ながらも豊麗でした。というか、すごい!です。驚きました。
いい時代になりました。どんな小さな蔵でも、いや小さな蔵だからこそ、驚くしかない素晴らしい酒を醸すことができます。そして、コロナに負けそうというこの蔵の窮状がネットに流れたとたん、注文が殺到し、在庫が捌けてしまったそうです。
テレビでCMを流せば勝ち、という単純図式ではなくて、一人ひとりに話しかけることができるネットの力…プラスに活用していきたいものです。

過去のきょう 2019 サワギキョウ 2018 ハイビスカス・アーノッテアヌス 2017 ウバメガシ 2016 コウヤボウキ 2015 ナンテン 2014 ムクゲ(ルーシー) 2013 サザンカ 2012 オオケタデ 2011 ソリダスター 2010 ヤブマメ 2009 スイフヨウ 2008 ハナヅルソウ 2007 タマシロオニタケ 2006 ステルンベルギア 2005 ガマズミ 2004 クジャクソウ

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10月1日(木) ウラジロガシ

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前回は半分ズルだったウラジロガシのドングリです。今度はまっとうに樹上のものをとらえました。やれやれ、これで落着と思ったら、あれれ~、話が合いません。
風折れした枝を拾ったのは9月上旬のことでした。その写真のドングリは、いかにもウラジロガシらしく、すでに先が尖って砲弾型をしています。
対するに今回は9月の末、つまりズル写真よりは20日もあとのタイミングなのに体型が「おへちゃ」です。後ろに見えるものも、ほかの枝のものも、みんな寸足らずの発育不良でした。これではこの秋のうちに「成人」しきれません。
もしかして1年目状態(ウラジロガシは2年成)とも考えたものの、さすがにそれはないでしょう。明らかにこの秋にフィニッシュすべきドングリです。このあとを確認できない遠征先の木なのが無念であって、ここからの急生長を祈るばかりです。

過去のきょう 2019 カラタネオガタマ 2018 ホオズキ 2017 ラセイタソウ 2016 シカクマメ 2015 ナガボノワレモコウ 2014 ヒメジソ 2013 ジュズダマ 2012 サンショウ 2011 ハゼノキ 2010 ギンドロ(ウラジロハコヤナギ) 2009 チャノキ 2008 マルバプルメリア(プルメリア) 2007 アケボノソウ 2006 ゴンズイ 2005 ハゲイトウ 2004 シュウメイギク

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