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7月8日(水) キンコウカ

200708kinkouka
写っていたのに気づかない…なんてことは毎度のことで、このキンコウカ、10年以上前にここに載せたときは珍しさに目が眩み、そのスタイリッシュな「金の光」をとらえただけで大満足だったようです。
ここはあのとき駄作に詠んだと同じ高原(標高500m程度)の同じ場所です。それなのに、前よりもググッと迫ることができているのがミソで、群生が遊歩道の近くまで広がってきていたのはうれしいことでした。
そこで、葉や茎の様子は前回の写真に譲り、今回は花だけ堪能です。花柄の付け根には托葉があり、蕾はちょっとトンボソウを思わせます。いやいや、それは寄り道で、本題は雄シベです。クイッと曲がった葯が白からオレンジに変わっています。そしてその下がこんな毛むくじゃらであるのにようやく気づきました。
この手の毛はショウキウツギハグマノキにもあります。しかしあれらは花柄についているのに対し、こちらは花糸(雄シベの柄)です。ここがこんなブラシ状だと、せっかく訪花昆虫の体についた花粉をきれいに落としてしまいそうです。
もしかして、虫がつけてきたほかの植物の花粉はここで払い落とし、自分の花粉だけを雌シベにくっつけてほしいという装置でしょうか。毛には保温や撥水という機能もあるので、大事な雌シベをみんなで保護している可能性もあります。あれこれ考えるうちに、この毛は「金の光」よりもさらに眩しいものに見えてきました。

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