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6月30日(日) カラシナ(セイヨウカラシナ)

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季節を間違えた写真ではない証拠に、緑みを少しだけ入れました。毎年いまごろ、広い河原がこうして麦藁色の幾何学模様で埋め尽くされます。
ただ、ここのカラシナには悲しいことに発展性がなくて、いくらこれだけの種を作ったところで、この群生が勢力を広げることはないのです。その理由は、この川の両岸が高い護岸壁だからです。文字どおり、殖える「余地がない」のです。
もっと悲しいのは、川が一度増水すれば、これらの種は虚しく東京湾まで運ばれてしまうことです。それでもすべてが流されるわけではなく、また来年、芽吹いて花が咲き、この景色を作るはずです。この幾何学模様は無限の生命力の賛歌です。

過去のきょう 2018 ツタ(ナツヅタ) 2017 ピンオーク 2016 トキワマンサク 2015 モモ 2014 タイトゴメ 2013 クマヤナギ 2012 タチアオイ 2011 ネコノチチ 2010 フタリシズカ 2009 ルリヂシャ(ボリジ) 2008 モミジバゼラニウム 2007 ハマカンザシ 2006 ブーゲンビリア 2005 セイヨウノコギリソウ 2004 ヒョウタン

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6月29日(土) ヤマボウシ(シナヤマボウシ)・ウルフアイ

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街ではいま常緑ヤマボウシが満開で、ここ数年、あちこちの庭にずいぶん植えられたことがわかります。対して標準的なヤマボウシ類はこうして花が終わり、実が色づくにはまだ早く、どうにも見どころのない状態です。
なのにそちらのヤマボウシを取り上げました。ただし、これは正確にはシナヤマボウシであり、さらにこうして葉に白い覆輪があります。名前をウルフアイと言い、業界的にはわりと代表的な園芸品種だと言われています。
ところが見ません。公園でも住宅街でも、ちっとも見ることがないのです。「推し」だという業界と、ぜんぜん見かけない実態(注)の関係が理解不能です。ついでにこれのどこが狼の目なのかわからなくて、当面、自分には「不思議の木」です。

<補注> ようやく近所で見つけ、開花状態を記録しました。(2023年5月13日

過去のきょう 2018 ヒメアシボソ 2017 ボウフウ 2016 セレウスサボテン(鬼面角) 2015 コウオウソウ(フレンチ・マリーゴールド) 2014 カンボク 2013 イトラン 2012 ソテツ 2011 ウリカエデ 2010 カワラナデシコ 2009 イブキトラノオ 2008 チガヤ 2007 カラクサゲシ(チューリップポピー) 2006 ノカンゾウ 2005 ボケ 2004 ボタンクサギ

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6月28日(金) ヒメシダ

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シダ(羊歯)というと、自分のなかでは陰性植物の印象がメジャーです。タマシダとかヒトツバとか、あまりカンカン照りの場所は好まない性質です。
ところがこの姫さまは明るいところが大好きなのです。この写真も、たまたまこんな陽当たりの時間帯だったのではなく、一日中こんな様子の沼辺です。太陽光を避けようもない環境でこんな若緑色で、なかなかの美肌さんなのです。
そう言えばコウヤワラビも、色白餅肌(感触が柔らか)なのに陽光は嫌いません。あらら、またそれかいと呆れながら、♪人生いろいろ、シダもいろいろです。

<既収録のThelypteris(ヒメシダ属)・和名50音順>ゲジゲジシダ ☆ ハリガネワラビ ☆ ヒメシダ ☆ ホシダ ☆ ホソバショリマ ☆ ミドリヒメワラビ

過去のきょう 2018 ナンキンハゼ(斑入り) 2017 スズカケノキとモミジバスズカケノキ 2016 トネリコバノカエデ 2015 ギンヨウアカシア 2014 ホソイ 2013 ケンポナシ 2012 キケマン 2011 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2010 カジノキ 2009 オオバオオヤマレンゲ 2008 カタクリ 2007 ナツハゼ 2006 ノウゼンハレン(キンレンカ) 2005 ミズキ 2004 イングリッシュラベンダー

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6月27日(木) ハクウンボク

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「ハクウンボクのこんな写真は載せたことがあったなぁ」という淡い記憶は一応持っていたことがきょうの主題です。掲載してから、「ありゃー、同じ時期のもの、もうあるじゃん」となる事態だけは来ないでほしい…切なる願いです。
過去掲載を調べたら、「こんな写真」はここから40日ほどあとのものでした。両者を比べると、マスカットのような梅雨どきの瑞々しい実と、夏を越しながら円熟味を加えていく実の比較ができて、これがきょうのサブテーマになりました。
40日の時間経過は葉にもしっかり見られます。うう、ときの流れは容赦ないなぁというのは老人としての心細い感想だし、紫外線を40日浴び続けたらお肌も劣化しそうだなぁというのはまだまだ気が若い見栄っ張りの感想です。

過去のきょう 2018 コバンコナスビ 2017 クガイソウ 2016 トルコギキョウ 2015 ズッキーニ 2014 キリ 2013 アフリカナガバモウセンゴケ 2012 エノキウツギ(ウオトリギ) 2011 シチダンカ 2010 ヒメコウゾ 2009 ムラサキセンダイハギ 2008 ウチワサボテン 2007 クマツヅラ 2006 カリフォルニアローズ 2005 タイマツバナ 2004 ヤブカンゾウ

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6月26日(水) トマト

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トマトの花をようやく収録です。実をここに載せたのはもう12年も前で、それもビルの地下で育つ「最新型」をキワモノ的に取り上げたのでした。あれに比べると、今度はごくふつうにそこらの家庭菜園で育つものです。
トマトを丸ごとガブリとやるとき、そのヘタがつかみやすくて便利だったりします。あのヘタ、つまり萼は、花の時期から完成サイズに近いことに気づきます。
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1枚目写真の実(後方でボケている)はわりとふつう型なのに対し、2枚目の実はちょっといま風です。別に味が大違いのわけではなし、ふつうでいいやん…というのは「ワタシ、食べる人」の意見で、お料理する側には見場も大切なのでしょう。

過去のきょう 2018 コバンノキ 2017 アメリカスズカケノキ 2016 トサミズキ 2015 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)・ホットリップス 2014 コウホネ 2013 ハマナス 2012 ムラサキツメクサ 2011 ウチワサボテン 2010 イヌウメモドキ(雄株) 2009 シコタンソウ 2008 ヒメカイウ 2007 カクテル(つるバラ) 2006 ヤポンノキ 2005 ガクアジサイ 2004 モッコク

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6月25日(火) ヒトツバハギ

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「そのうちジワジワと名前の意味が知れ」ることを期待したのが6年前でした。そんな時間効果などはぜんぜんなくて、やっぱり「どこが萩?」です。
葉っぱが萩のように柔らかくなくて、それよりおかしいのはこの花です。さっぱり萩ではなくて…と同じことを繰り返すつもりはなくて、今回の掲載意義は季節です。前回の開花写真は9月でした。6月から9月まで、そんなに長く咲くの!?
じつは途中で休み休み咲くのだそうです。3回ぐらいは咲き出すらしく、だとすると、次の登場は来月下旬とか8月上旬あたりでしょうか。いやいや、もう雄花(雄株)は十分でして、早く雌花(雌株・注2)を見たいのです。
今回もこの木の周りをけっこう探したのに、「彼女」はいませんでした。名前ブーイングをやめないと(注1)出てきてくれないつもりのようです。

<補注1> 分類的にコミカンソウ科(Phyllanthaceae:APG)と知るとますます気分が滅入ります。ただ、雌株にできる実はたしかにコミカンソウを思わせる形のよう(by 牧野図鑑)だし、同書には「全体はハギに似ているが、葉はハギのように3小葉でなくみな単葉であるところからこの名」とあって、なーるほどでした。(2020年夏)
<補注2> 雌株を収録しました。(2023年12月11日

過去のきょう 2018 ゴシキドクダミ 2017 トチバニンジン 2016 オカヒジキ 2015 ハルシャギク 2014 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2013 キバナダンドクとダンドク 2012 キョウチクトウ(白八重) 2011 モミジイチゴ 2010 ウメモドキ(雄株) 2009 ナツユキカズラ 2008 ハナイカダ 2007 イソトマ・アネチフォリア 2006 ベニバナ 2005 シロミノコムラサキ 2004 シロバナハマナス

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6月24日(月) ハナショウブ(濡烏)

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色とりどりに並んだ花菖蒲のなかで、最高にグッときた一品です。前に選んだのはスッキリした白でした。自分は単純&短絡の質なのだと再認識です。
色だけでなく名前にも惚れました。濡烏(ぬれがらす)と来ました。ううーん、そこまで言うか!?と思わなくはなくても、パンチがあって、記憶には残ります。もちろん、「髪は烏の濡れ羽色」というあの言い回しが下敷になっているのでしょう。
江戸系の古典的品種で、外側の3枚の花びらが大きくて目立つこういうタイプを三英(さんえい)と呼ぶ…というのはいつもの俄学習です。来年、菖蒲園に行ったときに「ああ、江戸系・三英だね」とほざいてやろうという下心がアリアリです。

<補注> ハナショウブの芽吹きの様子を載せました。(2020年3月18日

過去のきょう 2018 カラマツ 2017 メダラ 2016 イイギリ 2015 ジョウリョクヤマボウシ 2014 ギョウジャニンニク 2013 ニッサボク 2012 ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ) 2011 ギシギシ 2010 モミジイチゴ 2009 レッドロビン 2008 フタリシズカ 2007 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2006 ナンキンマメ(ラッカセイ) 2005 セイヨウバクチノキ 2004 ムラサキツメクサ

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6月23日(日) キンギョバツバキ

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あぁ~ッ、金魚が卵!ではなくてキンギョバツバキに実がついていました。葉の先端に変異が起きた品種だからと言って、受精能力は無問題なわけです。花が咲けば実ができる…当たり前のことを確かめただけなのに、心がほんのりしました。
あの原発事故のあと、こういう変異種があたかもその影響みたいに騒がれたことがありました。自分でも、当時、双頭のムラサキツメクサを取り上げています。あのあとに目立った異常はなかったので、余計な騒ぎ立てをしたものと後悔しています。
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…ということで、「美しい変異」だけに注目できる写真(撮影:2018年5月27日)を追加掲載しておきます。じつに美しい艶めきとくびれ具合で、ぜひ記録しておきたいと願っていた写真を、ようやくここに持ち出すことができました。

<補注> キンギョバツバキの葉が最初から割れているわけではないことを知りました。(2020年8月14日

過去のきょう 2018 シロツメクサ(クローバー) 2017 フイリクサヨシ 2016 ヒルムシロ 2015 ルリニワゼキショウ(アイイロニワゼキショウ) 2014 キリモドキ(ジャカランダ・ミモシフォリア) 2013 タイマツバナ 2012 ヒメシャラ 2011 ビワ 2010 ネズミモチ 2009 エーデルワイス 2008 オオバナウツボグサ 2007 ホザキシモツケ 2006 シュッコンカスミソウ 2005 キョウチクトウ 2004 ヨウシュヤマゴボウ

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6月22日(土) トキソウ

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やや標高のある開けた場所に湿地があって、陽光が降り注いでいました。そこでこんな大物(かなり稀少種)に遭遇することができました。
3本咲いてはいたものの、ほかの株は時期を失していて、やむなく画面はこの一輪だけで作ることにしました。それでも十分に「座持ち」しているように思うのは、あながち撮った者の自己満足ではないはずで、凜とした美しさです。
その姿に見惚れながら、これがレッドリストに入るわけを考えました。この手の植物が減る理由としていつも槍玉に挙がるのは「開発行為」です。しかし、どんなにエグい業者でも、ここまで「不便」な場所には手をつけないでしょう。
トキソウ(など)が我々の視界から消えてゆく最大の理由は人間の「欲」であることをこうして確認すると、仏門がぐっと身近に感じられてしまいます。

過去のきょう 2018 テロペア 2017 マルメロとカリン 2016 サカキ 2015 ミズキ 2014 ホタルイ 2013 ジャボチカバ(キブドウ) 2012 アマリリス 2011 スカシユリ 2010 ハグマノキ 2009 シチダンカ 2008 メグスリノキ 2007 キキョウソウ 2006 ゴウダソウ 2005 スカシユリ 2004 ヤマモモ

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6月21日(金) キバナフジ(キングサリ)

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つい先月は金色の鎖だったものが、なにやら「枝にまとわりついたゴミ」状態になっていました。けっこうテンポの速い木です。
こうして豆をつけるキバナ「フジ」は、ふつうのフジと同じマメ科です。ただし、フジ類はフジ属、キングサリはキングサリ属、両者は属違いになります。
いまあらためてそうことわるのは、この豆が本来のフジよりずっと小さいし、葉は三出複葉なので、羽状複葉のフジとはまるで違うからです。
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さて、その豆の莢を開いてみました。アルカロイドを含んでいる危険物は、サイズがこんなに小さく、勾玉のようなかわいい形でした。学者さんだと「腎形」と簡単に片付けそうでも、親の目からは胎児に見えたりして、なかなか微妙な豆です。

過去のきょう 2018 ヒナマツヨイグサ 2017 ウチワゼニクサ 2016 ノビネチドリ 2015 サンカヨウ 2014 ホソバタイサンボク 2013 ドイツスズラン 2012 ヤマコウバシ 2011 マルバチシャノキ 2010 ルリミゾカクシ 2009 コアジサイ 2008 クリンソウ 2007 イトバハルシャギク 2006 ツキヌキニンドウ 2005 アンズ 2004 ハンゲショウ

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6月20日(木) ハマヒルガオ

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増補版の方に入れたきりで不義理していたハマヒルガオを収録です。いつもはヘタ写真をカバーするために使う助演者くんも、きょうはけっこう学術的な登場です。そう言えば、子供のころに泳いだ砂浜にはこういうアブがいて、怖かったものです。
と、勝手にアブにしたものの、種類が特定できません。背なかの色つやを手がかりにすぐ名前がわかると思ったのに、俄学習では手に負えませんでした。
ただ、この昆虫より興味を惹いたのは、コヤツが抱いているシベです。はみ出ているのが雄シベとはわかっても、体が邪魔して雌シベが見えません。(注)
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なのでほかの写真を確認すると、透明な雌シベの先は二裂しています。ただ、雄シベはアブの脇腹からはみ出たほどの長さもなければ鮮度もありません。これはたぶんキキョウで見たように雌雄異熟だなと小賢しく考えても、きのうのムクロジでその見立ての間違いを反省したばかりなので、きょうは「たぶん」に止めておきます。
念のため、昔がんばった「ヒルガオの観察」を見直すと、シベについてはまったく触れておらず、そもそもいまの老眼には写真が小さすぎて、ものの役に立ちません。15年の刻の流れを悲しく実感するばかりでした。
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さてもう一枚取り出したのは去年11月の写真です。沼津の海岸をぶらついたとき、ハマヒルガオがまだ元気なことに驚いて撮りました。
時期的なものに加えて意外だったのは、こうして蔓が空に向かうことでした。砂地や礫地では横に這うばかりでも、なにか手がかりがあればすぐ「ジャックと豆の木」を真似るなんて、じつにマメな生態です。

<補注> あとで確認すると、アブの体からはみ出ているのは雌シベの先(二股)のようです。そもそもハマヒルガオの雄シベは雌シベより短いはずです。どうもこの記事のころは雌雄異熟にとらわれていて、余計なことを考えすぎたようです。(2023年夏)

過去のきょう 2018 イソノキ 2017 ヤハズホオノキ 2016 アナベル(アジサイ) 2015 ゼラニウム 2014 ハンゲショウ 2013 サントリナ 2012 ノトカクタス(品種未詳) 2011 カワラマツバ 2010 ヤブムラサキ 2009 ウズアジサイ 2008 ササユリ 2007 クロバナフウロ 2006 マリアアザミ 2005 ムラサキシキブ 2004 アガパンサス

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6月19日(水) ムクロジ

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めちゃ高い場所、強い風、逆光気味、と、これだけ条件がそろっていたのだから、写真のマズさは自分的に不問です。ままあることとは言いながら、過去の観察の足りなさに鉄槌を下す「衝撃の一枚」を撮ることができました。
雌雄異熟などという知恵がついたばかりに、ムクロジもてっきりそのタイプだと思い、得意げに記録をしたのが5年前でした。それでけっこうムクロジはマスターしたつもりだったくせに、花を見るとまたぞろ撮ってみるしつこさが今回は役立ちました。
遠目にも派手な咲き具合で、どうせ雄性期だろうと思ったその写真をマジマジ見ると、あららー、立派な雌花がドンドンドーンと柱頭を突き出していました。雌雄異熟タイプなのだろうという「未熟」な見立てはあっさりと取り下げです。
こうなると、先年「誤解のもと」になってくれた木たちにも「お礼参り」に行かないとケジメがつかないか…と思いながら、そこまでのしつこさはないかもしれません。

<追録> 「お礼参り・その一」をやってしまいました。ここはお寺なので、マジにお礼参りです。(撮影:2020年6月15日)
蜜蜂も「おっとぉー」と思うものかどうか、その笑えるポーズはさておいて、この写真の見どころは、すでに形をなし始めた実です。雄花に混じってわりとたくさん見えています。また、蕾もまだ多くて、ムクロジの花のしつこさも窺えます。
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さらに樹下を埋める花の残骸(↓)です。雄花だけが虚しく散るのかと思ったら、雌花(未熟の子房)もいくつかは混じっているのが新鮮な発見でした。
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<過去のムクロジ記事(掲載順)> ☆ 実のついた枝(2004年4月21日) ☆ 実で遊び(2004年4月26日) ☆ 実で数珠、落ちた枝(2004年5月5日) ☆ 樹上で完熟した実(2006年12月18日) ☆ 青いまま落ちた実(2007年9月14日) ☆ モクゲンジと種を比較(2007年9月24日) ☆ 色づきかけた実、実の分解(2009年10月26日) ☆ 樹上の青い実(2012年9月25日) ☆ 黄葉(2013年11月23日) ☆ 雄花、雌花(2014年6月19日=文中リンク) ☆ 小葉を落とした葉柄(2017年12月25日

過去のきょう 2018 ミヤマオダマキとヤマオダマキ 2017 ドクゼリモドキ(ホワイトレースフラワー) 2016 ヒオウギアヤメ 2015 アフリカホウセンカ(インパチェンス) 2014 ムクロジ 2013 ササユリ 2012 ガクアジサイ 2011 ナナミノキ(雌株) 2010 キョウガノコ 2009 エゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー) 2008 ミヤマウグイスカグラ 2007 イチヤクソウ 2006 サクラ(染井吉野) 2005 コムラサキ 2004 コムラサキ

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6月18日(火) フタマタイチゲ

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梅雨とは名ばかりの強烈光線の下、あれれ、お前は!?と眉をしかめました。前回は名前の「フタマタ」をからかったのに、今度は「イチゲ」を糾弾です。
○○イチゲというのはだいたいが早春植物であって、いまごろは姿を消します。なのにこの勢いはなんとしたものですか。何階建てにも茎がのびて、4月に見たときよりは倍ぐらいの高さになっているではありませんか。
…という驚きは単に無知のさらけ出しでした。キンポウゲ科イチリンソウ属(Anemone)には、たしかに早春植物の一群があるものの、属名をそのまま名乗るアネモネもあればシュウメイギクも同属で、決して「フタマタ」だけが異常ではないのでした。
思わぬ事実を知って「知恵がついたなぁ」と喜ぶ気持ちの一方で、「属っていったいなんなんだよぉ」という怒りもフツフツで、始末の悪い素人です。

<「正常」なイチゲたち> ☆ イチリンソウ ☆ ニリンソウ ☆ キクザキイチゲ ☆ ユキワリイチゲ ☆ アズマイチゲ ☆ ヤブイチゲ
<追録> 上に載せた写真は花びらが平開していて、やや「らしく」なかったので、6月でも丸く梅花状に咲いているシーンを補完しておきます。(撮影:2024年6月6日)
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過去のきょう 2018 ウリノキ 2017 コルクガシ 2016 ベニバナヤマシャクヤク 2015 サワフタギ 2014 ワタナベソウ 2013 コクテンギ 2012 ヒルザキツキミソウ 2011 ハナショウブ(沖津白波) 2010 テイカカズラ 2009 ニオイロウバイ 2008 イワタバコ 2007 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ) 2006 ベニバナ 2005 マツバギク 2004 サルスベリ

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6月17日(月) ヤブニッケイ

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いったいなにを撮りたかったんだ!とも思うし、この木の自由奔放な特質をよく写し込んだな!と自惚れたくもなります。「藪に生えるから」という本義(注1)に逆らい、「この木自体が藪みたいに鬱陶しいから」と、また珍説を立てそうです。
初掲載のとき、コクサギ型葉序の部分もあることを見つけたこのワヤクチャぶりは、アカデミックに言うと亜対生(注1)というのだそうです。基本的には対生でも、若干左右がズレたり互生になったりコクサギ型になったり、要はテキトーなのです。
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花もこのショボさ(注3)なので、庭木にしたいと思う人はごく稀でしょう。葉を揉めば微かなニッキ香があるとは言っても、その線での利用には耐えません。唯一、幹だけは案外に太くてまっすぐなので建築材になるそうです。ちょっと安心しました。

<補注1> 藪の意味を「つまらないもの」とする解釈もあります。また亜対生と同じ意味で疑似対生という言い方もするようです。
<補注2> ふつうのニッケイをようやく掲載しました。(2019年11月16日
<補注3> ニッケイの花を曲がりなりにも写せたので、ヤブニッケイの花も、上の2枚目写真よりもう少し開く可能性はあります。(2021年6月9日
<補注4> セイロンニッケイ(シナモン)の開花を収録しました。(2022年5月21日

過去のきょう 2018 セッコク 2017 カボチャ(セイヨウカボチャ) 2016 ウラジロヨウラク 2015 ウキヤガラ 2014 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2013 ケマンソウ(タイツリソウ) 2012 ハグマノキ(スモークツリー) 2011 ラベンダー・デンタータ 2010 ヒメジョオン 2009 ギンバイカ 2008 アゼナルコ 2007 ワラビ 2006 ローズゼラニウム 2005 カツラ 2004 シロタエギク

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6月16日(日) ヒメコウホネ

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ふつうのコウホネよりはずっと稀少種です。環境省のレッドリストでは「絶滅の危険が増大している=Ⅱ類」に入れられています。
葉の形とサイズがスイレンにそっくりで、筋骨隆々タイプのコウホネの葉とはかなり違います。ただ、分類的にはスイレン科なので、おかしなことではありません。
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葉の違いに比べると花はいかにもコウホネです。もし両方が並んで咲いていれば大小の差は明白なはずでも、こうして迫って見れば構造は瓜二つです。カッパの頭のような雌シベが愉快で、本当のカッパがこの横に並んだらスクープ映像です。

<補注> コウホネのバリエーションには、このヒメコウホネのほかにオゼコウホネベニコウホネがあります。

過去のきょう 2018 ヤナギイチゴ 2017 アカガシワ 2016 マルバシモツケ 2015 カシグルミ 2014 ガマ 2013 サンショウ 2012 タイリンマツヨイグサ(ゴデチア) 2011 ナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ) 2010 イボタノキ 2009 バイカウツギ 2008 サンショウバラ 2007 フウリンソウ(カンパニュラ・メディウム) 2006 ハタザオギキョウ 2005 バショウ 2004 オシロイバナ

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6月15日(土) シロバナハマナス

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ハマナスのことを調べようと、昨晩ちょいとYListにあたったとき、そこにシロバナハマナスだけでなくキバナハマナスなども並んでいて、うわ!ハマナスも先が長いや…と気が重くなったのでした。
そして今朝、もう一度確認しようと検索したら、ヒットしません。念のためサクラで検索してもダメです。え、トラブルはココログだけでいいのに、YListさんまで?と思ったら、「現在、調整中」でした。来月末に復活予定だそうで、どうかよろしくお願いします。なんだったら、ささやかな献金くらいはいたしますんで(笑)。

さてシロバナハマナスのことで、これもまたハマナスの品種(f.)なのでした。チューリップが白くたってシロバナチューリップとは呼ばないのになぁというごく低次元の悩みは、このごろだとシロバナサクラソウのときもグダグダと述べました。
ちゃんと勉強してその辺の区別を理解しろよ!という自省の念はあっても、素人の日記なんだから、「へぇー・ほぉー」とダラダラ楽しむのが本筋だろうという思いも捨てきれません。Wikiでは「白花変種」という項を見つけました。この辺を手がかりに、のんびりジトーッとお勉強を続けることにします。

過去のきょう 2018 シュンギク 2017 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2016 イノデ 2015 ライムギ 2014 エゾアジサイ 2013 ベニバナ 2012 ヒメタイサンボク 2011 ノグルミ 2010 ニゲラ 2009 ヤマブキショウマ 2008 ベニバナイチヤクソウ 2007 ムラサキウマゴヤシ 2006 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2005 シャクヤク 2004 ハキダメギク

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6月14日(金) オニノヤガラ

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グサッ・グサッ・グサッと3本です。前は1本だけ見て大興奮したので、今回は失禁でもしたかと言えばそうでもなく、先々月、イボタノキで経験した気持ちに似て、「よぉーし、鬼の尻尾(あるか・笑)くらいはつかんだぞ」と意気軒昂になりました。
と言うのも、前は「出る」ことで有名な山に「出た」という情報を得て探したのです。対して今回はまったくいきなりの遭遇、しかも林内とは言えほとんど平地、小径をフラフラしていたら、おっと3本、今度は2本、そのまた先にまたまた…とオニノヤガラの大安売り状態でした。こんな「珍品度低下」の経験はギンリョウソウでもしています。
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そして、今回は興奮せずに見られたせいで、この植物の構造も少しわかりました。すでに花が終わっている茎(株)もあり、種ができているようでした。下位子房タイプで、萎れた花の下側が膨らんできています。多年性であるくせに年によって違う場所に出るのは、どうやらこの種が機能しているようなのです。
さらに、枯れてしまってはいても苞葉の存在が明らかです。キワモノとしか思っていなかったオニノヤガラが「ほーら、俺、ふつうだろ」と言っているようでした。

<追録> 1カ所に13本、自分的な最高記録です。
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過去のきょう 2018 ゲンペイシモツケ 2017 ツクバネガシ 2016 ホソバアオキ 2015 ボダイジュ 2014 タツナミソウ 2013 ネズミモチ 2012 ウワバミソウ 2011 ラムズイヤー 2010 ヤマグワ 2009 ジョウリョクヤマボウシ 2008 ムクノキ 2007 ナンテンハギ 2006 ヤエドクダミ 2005 ブナ 2004 ガクアジサイ

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6月13日(木) アセビ

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これ、本当にアセビの木でいいんだろうか…と、葉っぱや樹皮をなで回しながら悩みました。それだけ毎年毎年、このネックレスのような実を見落としていました。
とりあえず写真を撮るだけ撮り、ウチで確認して胸をなで下ろしました。けっこういい時期に気づけたようで、緑のこの球体はこれから枯れて黒茶色になり、上の方がパカッと割れて、種がこぼれるのだそうです。緑の宝石は「季節限定品」でした。
ただ、下向きに咲いていた花がいつ上を向いたのか、雌シベと子房が残る様子はどんななのか、当然ながら新たに生まれる課題はあります。さらに、実が緑から黒茶に変わる間には林檎のような色合い(注1・2)を見せるらしく、その写真だってゲットしたくなります。春の花( a. b. c. )だけで満足していた自分にイエローカードです。

<補注1> 「林檎のような色合い」は確認できず、翌年の花とのツーショットで枯れた実を掲載しておきました。(2020年3月1日
<補注2> 「林檎のような色合い」を確認しました。(2020年6月19日

過去のきょう 2018 テンジクスゲ 2017 ナガバミズアオイ(ポンテデリア・コルダタ) 2016 ムラサキミツバ 2015 イヌガラシ 2014 チョウセンキハギ 2013 ゲラニウム(Jolly Bee ) 2012 ヒメカジイチゴ 2011 アカモノ 2010 アオテンマ 2009 ベニヤマボウシ 2008 ニワトコ 2007 ナヨクサフジ 2006 カシワバアジサイ 2005 ウメモドキ 2004 ムクゲ

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6月12日(水) チョコレートコスモス

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こういう俗っぽいものを4回も登場させるか!?という自責の念はあります。ただ、そんなデカイ口を叩けない過去はあったわけです。(過去 a. 過去 b.
そこから立ち上がり、「上から目線」でチョコレートコスモス(注)を見られるようになったのは、あちこちの公園のおかげです。ずいぶん栽培されるようになりました。去年の「秋」には、「チョコモカ」などという品種名まで知ることができました。
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そう、チョコとは言えどもコスモス(秋桜)ですから、花期は「秋」だと思うのです。それがなぜ梅雨のいま、こうして咲いている!?===これがきょうのテーマです。チョコレートコスモスには、ふつうに秋咲きする一群以外に春から秋までずっと咲くヤツらもいる===これがチョココス4回目登場の理由=学習ポイントなのでした。
ついでのように品種名をメモしておくと、1枚目写真がホットチョコレート、2枚目がキャラメルチョコレートです。もうふざけているとしか思えません。こうなれば、あとはワタシがホワイトチョコレートなんて作ってやるか!と燃えそうになります。

<補注> チョコレートコスモスの標準和名はベニコスモスです。

過去のきょう 2018 ヤマアジサイ・乙女の舞 2017 フシノハアワブキ 2016 ヤマウコギ 2015 ドクウツギ 2014 クラマゴケ 2013 フェイジョア 2012 ムシャリンドウ 2011 アリウム・ギガンテウム 2010 オオテンニンギク 2009 ニワナナカマド(チンシバイ) 2008 シナノキ 2007 オオマツヨイグサ 2006 ムシトリナデシコ 2005 クリ 2004 クチナシ

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6月11日(火) マルバイワシモツケ(イワシモツケ)

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花はもうグチャグチャだし、実はまだまだだし、どうにもしょうがない時期に出会ってしまいました。ただ、これは先日、ムラサキの撮影のために出かけた秩父で見かけた一品で、おいそれと再会を狙うわけにいきません。
そこで、発想を切り替えることにしました。真っ白な花びらや賑やかな雄シベはたしかにシモツケを思わせるし、できかけた実(袋果)から5数性とわかります。葉っぱの丸さ(先端部に凹みがない)も明らかで、じつにお得な写真ではありませんか。
もちろん、手抜きされたイワシモツケは不満タラタラでしょう。お詫びとして、マルバイワシモツケとフルネームで掲載しておきます。イワシモツケには丸葉や長葉その他の変化型があり、すべてイワシモツケとしようという潮流があるらしいのです。そんななかであえて細かく呼び分けるのだから、不義理はチャラになるはずです。

過去のきょう 2018 シナノナデシコ(ミヤマナデシコ) 2017 ショウジョウバカマ 2016 ホンカンゾウ(シナカンゾウ) 2015 カミツレ(カモミール、カモマイル、ジャーマンカモミール) 2014 ツゲ(ホンツゲ) 2013 タカノハススキ 2012 ユリノキ(斑入り種) 2011 レンゲツツジ 2010 ウメガサソウ 2009 ナンテン 2008 マグワ 2007 キンギンボク(ヒョウタンボク) 2006 ホオズキ 2005 ハアザミ(アカンサス) 2004 ナツツバキ

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6月10日(月) ムラサキスズメノオゴケ

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ムラサキスズメノオゴケ、かなり面白い名前です。ムラサキはこの花色のことだろうし、スズメは雀でいいとして、残るオゴケがなんじゃらほいです。
これを漢字にすると麻小笥であって、「紡いだ麻糸を入れる容器。檜の薄板を曲げて作る」と辞書にありました。実の形がそれに似ていて、雀さんサイズだからスズメノオゴケ(=イヨカズラ:未収録・注2)で、これはその紫花バージョンなのでした。
そして、いまでは知る人とてない麻小笥の名を持ちだしたのが誰あろう牧野博士なのだから、ホント、お茶目が過ぎますよ、先生~。亡くなったのが1957年なので、そのころまでは麻小笥という言葉は生きていたものでしょうか。
分類的にはカモメヅル属なので、花はコバノカモメヅルを思わせます。そして、コバノカモメヅルの白バージョンにアズマカモメヅルがあるのに似て、ムラサキスズメノオゴケの白版がイヨカズラとなるわけです。さてそのイヨカズラに会えるのはいつになりますやら、いや、その前にまずはこの花が麻小笥となるのを見たいものです。

<補注1> 同じくオゴケを名乗る仲間がいました。(2022年5月20日
<補注2> 残念ながら裳抜けの「殻」ではあったものの、一応、イヨカズラを見ました。(2023年3月25日
そのイヨカズラが開花している姿は、茎の立ち方とか花の付き方とか、かなりムラサキスズメノオゴケと似ていました。(2023年4月30日

過去のきょう 2018 ガジュマル、ほかいろいろ 2017 セッコウガキ 2016 ネグンドカエデ・フラミンゴ 2015 アブラツツジ 2014 エキノプシス・カマエセレウス(ビャクダン、ピーナツカクタス) 2013 ニッサボク 2012 ヒメコバンソウ 2011 キショウブ 2010 アカショウマ 2009 ハタザクラ 2008 ラミウム・マクラツム 2007 オニノヤガラ 2006 ヨーロッパブドウ 2005 シャグマユリ 2004 タイサンボク

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6月9日(日) キュウリノキ(ナガバノゴレンシ)

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見上げた眼に映るのはプックリ膨らんでぶら下がる実です。下品に言えば小便袋の束みたいだし、畏まって喩えるなら緑の茄子というところでしょうか。
ところが英語圏の人にはこれが胡瓜に見えるらしく、英名Cucumber treeをそのままいただいたキュウリノキが標準和名とされています。ほかにナガバノゴレンシとも呼ばれ、これは同属のゴレンシよりも長さのある葉に着目した命名です。
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そのゴレンシの実はスターフルーツとして高級果実扱いなのに、こちらのキュウリは酸味が強すぎて生食には向かないそうです。うーむ、残念。
2枚目写真の左上方には花がまだ見えるし、実の先端にもその残骸があります。よく見れば1枚目写真(矢印先)にも一輪残っていました。作りはゴレンシと同じでも、色合いや花びらの形が違います。次は花盛りを写したいものです。

過去のきょう 2018 タチアワユキセンダングサ 2017 トウキ 2016 オオトウワタ 2015 マツモトセンノウ 2014 シリブカガシとマテバシイ 2013 アナガリス(ルリハコベ) 2012 イヌリンゴ 2011 キレンゲツツジ 2010 ナルコユリ 2009 ニワウルシ(雄株) 2008 コアジサイ 2007 ノリウツギ 2006 ヨウシュイボタ 2005 サルビア・グアラニチカ 2004 ネムノキ

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6月8日(土) ムラサキ

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あまりに悲しかったのはこれが室内展示品だったことです。秩父・武甲山でこれが保存栽培されていて、それを公開しているというので駆けつけました。
たしかに、百聞は一見に如かずで、前に「もしかしたらセイヨウムラサキか」と補注をつけた一品は、明らかに在来品とは違いました。両種の差を端的に示すのが最初の写真で、情けないほどにヒョローンと一本立ちでした。洋物は枝が元気よく横へのびて、ざっと見た感じがもうワサワサしているのです。
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そして花や葉の違いです。在来品の花は純白でやや大きめ(直径1cm程度)、洋物の花も白くはあっても、帯黄白色と言われてややミルキーなのです。サイズも両方見ると納得で、こちらはキュッと詰まり気味に感じます。葉は在来の方がずっと毛深く、そして葉脈もまるで平行脈に見えてしまうほどに縦に深く走ります。
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今回はヤッコラサッコラ出かけたわりには酷い写真しか得られない悲しい遠征だったものの、唯一の「やったね!」はこの一枚です。滅多矢鱈には見られない紫根はなるほど高貴なご様子で、情けない2枚の写真をカバーしてくれそうです。

過去のきょう 2018 フクギ 2017 ヒゼンマユミ 2016 オオバヤシャブシ 2015 ハマクサギ 2014 イグサ(イ) 2013 トネリコ 2012 カラスムギ 2011 ジャーマンアイリス 2010 カナウツギ 2009 ギンリョウソウ 2008 アケボノフウロ 2007 シロバナヤエウツギ 2006 ウラジロチチコグサ 2005 モミジルコウ(ハゴロモルコウソウ) 2004 ナンキンハゼ

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6月7日(金) センダン

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3日前のコムギの記事を書き終えて、さて「過去のきょう」をチェックしていたら、2013年に案外と大きな課題を残していたことを思い出しました。けっこう風変わり、かつ美しいセンダンの花の、どこがどうなればあの頓狂な実になるかという疑問です
その答えがこの写真で、思いのほか単純でした。雄シベの花糸10本が合着した紫色の筒が雌シベをくるんでいたわけで、その付け根が膨らみ始めています。花びらが1枚だけ残っていて、その上が膨らむこれは「上位子房」という形です。
それにしても、センダンを最初に取り上げたのは2004年でした。以来、花は3回、実は6回、その他を3回掲載していて、これでセンダンは13度目の登場です。それでようやく花と実がつながりました。15年の成果がこれ…実の苦みが甦ります。

<センダンの過去記事・被写体別暦順> [花] ☆ 2004年5月24日 ☆ 2005年5月25日 ☆ 2013年6月4日 [実] ☆ 2006年1月12日 ☆ 2011年1月13日 ☆ 2010年3月4日 ☆ 2012年3月5日 ☆ 2016年11月7日 ☆ 2004年12月26日 [その他] ☆ 2015年1月17日 ☆ 2016年12月23日 ☆ 2017年12月25日

過去のきょう 2018 ゲットウ 2017 ハナヤエムグラ 2016 シロバナニガナ 2015 ハンカイソウ 2014 ジューンベリー 2013 スズラン 2012 サツキ 2011 ナナカマド 2010 ネジキ 2009 ナガバオモダカ 2008 マルバストラム 2007 ウツギ・マギシエン 2006 タケニグサ 2005 ヒメシャラ 2004 オオカナダモ

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6月6日(木) チョウジソウ(広義)

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4年前、チョウジソウの大きな群生を見つけて喜んだのは4月の下旬でした。そして今回もまた満開の様子です。丸々と5月を挟み、40日以上も時期が離れていて、チョウジソウの花期はやたらと長いように思えてしまいます。
もちろん、野の草がそんなにダラダラ咲き続けるわけはありません。種明かしすれば、4年前の撮影は都下の平地、今回は山形県のやや高地というわけです。
ただ、以前よりはずっと自然っぽい場所で撮ったのに、どうも今回のチョウジソウはやや怪しいのです。花の中心部に濃い紫の陰りがなく、蕾の紫もやや薄めです。少し黒みを帯びるべき茎にもそういう気配がなく、なにせ葉に幅がなさすぎます。
これらの特徴は、在来のチョウジソウではなくて、北米原産のホソバチョウジソウに該当するものです。その辺がわかってからかつての写真を見ると、上記嫌疑は2005年掲載のものにも該当し、かろうじて本来のチョウジソウと思われるのは、花が終わって実をつけた5年前のものだけです。
実際、在来種の衰退ぶりと外来のホソバチョウジソウ(ほかにヤナギチョウジソウというのもあり)の跋扈ぶりは問題視すべき状態のようです。俄学習ではきょうのタイトルをホソバと断定しきれず、過去記事を訂正しきる自信もないので、いつものズルで「広い意味のチョウジソウ」と逃げ、見極めは継続課題としておきます。

<追録> これは在来種だろうと思えるチョウジソウを収録した機会に、上の写真を撮影した日のファイルから、課題部分を切り出してみました(↓)。
まず茎に黒みがまったくありません(写真右下部)。また、花びらのくびれた部分にあるべき紫の陰りがあるかなきかの薄さです。もう1点の見分けポイント=萼(写真左上部)は色がよくわかりません。ただ、少なくても赤紫の気配はなく、見方によって緑みを感じます。
そのような観点で、これはたぶん外来種、あるいはそれと在来種が混血してしまったもののように思われます。(2020年4月 注↓)
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<補注> 外来種の一つであるヤナギチョウジソウを確認したところ、在来種とはかなり感じが違うことがわかりました。そのため、ここに掲載した写真はほぼ在来種で間違いなく、「広義」としたのは余計な心配だったように思えてきました。
しかし、今後もう少し理解が進んで二度三度と訂正の羽目になるのも情けないので、本記事のタイトルからは当面の間「広義」をはずさないでおきます。(2021年5月17日

過去のきょう 2018 オカウコギ 2017 シラキ 2016 キササゲ 2015 メグスリノキ(雌株) 2014 ダイズ 2013 ギョリュウバイ 2012 ノミノフスマ 2011 サイハイラン 2010 ウスベニアオイ 2009 ナギ(雌株) 2008 マルバダケブキ 2007 シロバナサギゴケ(サギゴケ) 2006 シモツケ 2005 ホタルブクロ 2004 サンゴジュ

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6月5日(水) シルバープリベット

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1カ月前に悔しい思いをさせられた瀟洒なアパートに、またやられました。前庭というかエントランスはけっこうな広さで、件のヘミジギアの植え込みとは区画を別にして、ほぼ同じ感じの灌木を並べたブロックがあるのです。
腰丈までもない高さ、柔らかくて張りのない葉質と特徴のない葉形、それが対生についていること…などから、てっきりこちらもヘミジギアの別種だと思っていました。
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それなのに、ずいぶん気を持たせたあげくに咲き始めたその花は合弁花で4つに裂けていました。これでは逆立ちしてもシソ科ではなくて、ネズミモチイボタノキの仲間に思えます。園芸方面から調べたら、シルバープリベット(葉に白の斑=シルバー)と通称されるイボタノキ属であることがわかりました。

さてそうなると、またまたベvsペ、トvsド問題が復活しそうでも、これはもう軽やかに無視します。もっと高度な問題は流通名シルバープリベットの正体です。Ligustrum sinense(コミノネズミモチ)の斑入り種と見るのが妥当のよう(注)でも、L. robustumと思える点もあり、素人判断で種類を特定するのはあきらめることにしました。
しかし、いまはシルバープリベットで良くても、これが先祖返りしてただの緑の葉だけになってしまったら、プリベットになってしまいます。プリベット=ヨウシュイボタ(セイヨウイボタ)となると、それはL. vulgareのことになります。無限ループです。

ああ、このアパートの管理人がドジをして、早いうちにこの植え込みを枯らしてくれないものか…などと情けないことを考える毎日です。

<補注1> Ligustrum sinense 'Variegatum' 、流通名・シルバープリベットでほぼ間違いないようです。(2021年6月)
<補注2> 広い庭で豪快に咲く仲間がいました。(2023年5月15日

過去のきょう 2018 ミヤマヨメナ 2017 コムギとオオムギ 2016 ハマダイコン 2015 イトヒメハギ 2014 ビヨウヤナギ 2013 エケベリア・サブセシリス 2012 ウツギ 2011 スダジイ 2010 フレンチラベンダー 2009 イヌビワ 2008 ノハラワスレナグサ 2007 セイヨウムラサキ 2006 カラタネオガタマ 2005 スイセンノウ(フランネルソウ) 2004 ナツシロギク

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6月4日(火) コムギ

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先月、二条大麦を載せて、大麦にだけ肩入れした形なので、ここはバランス感覚で小麦を出しておきます。おととし取り上げたときと撮影時期に違いはないのに、天候のせいか、畑のせいか、品種のせいか、もうかなりいい色合いです。
大麦に六条種と二条種があると知ったので、小麦のそこもチェックです。畝が大麦のようには分かれておらず、交互というか螺旋状というか、ランダムです。細かい銘柄名は別として、小麦はどうやら単純に「小麦」と呼んで良さそうです。
調べていたら、小麦の世界生産量は穀物中で2位(6.8億トン)だと知りました。そうなると1位と3位も知りたくなります。へぇー、1位はダントツでトウモロコシ(11.2億トン)、そして3位は意外(個人的感想)にもコメ(4.8億トン)でした。
あれ~、我らが大麦はどうなのと思ったら、たったの1.5億トン(数値はいずれも概算)で4位でした。「えー、ビールの飲み方、まだ足らないのかぁ」って、こらこら、この記事は小麦が主役です。馬鹿を言うのは酔ったときだけにしておきなさい。

過去のきょう 2018 キソケイ 2017 コバノズイナ 2016 フウトウカズラ 2015 エンコウカエデ 2014 ルイヨウボタン 2013 センダン 2012 ジギタリス(キツネノテブクロ) 2011 ハルザキヤマガラシ 2010 ニワウルシ 2009 ヤマアジサイ 2008 ニンジン 2007 ムギワラギク 2006 イイギリ 2005 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ) 2004 アメリカノウゼンカズラ

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6月3日(月) クロウメモドキ

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花に間に合わなかったと悔しがったのか、青い実と若葉の美しい姿を見られたと喜んだのか、撮っていたときの自分の気持ちが思い出せません。たぶん、いいアングルを探すだけで精一杯だったような気がします。
もうこれで3回目の登場になるクロウメモドキなのに、花も見ていなければ、黄葉の時期もすっ飛ばしてしまいました。さらに雄株を見つける課題も残ったままです。この日のこの写真の掲載意義を考えるなら、やや厚めの葉質や細かい鋸歯、わりと長めの果柄などをもっとハッキリ写し込むべきでした。
と、いかにも反省を装いながら、不足している内容を文字で補うなんて、こんなズルイことばかりしているからダメなんだ…というのはホントの反省です。

<補注> 次の登場では黄葉しかけの葉と黒い実が短枝につくところに注目しました。(2024年10月26日

過去のきょう 2018 コメガヤ 2017 バイモ 2016 シナガワハギ 2015 トキワハゼ 2014 マタタビ 2013 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2012 セイヨウニワトコ 2011 ニシキウツギ 2010 ブラシノキ 2009 クリ(雌花) 2008 センダイハギ 2007 タチバナ 2006 シロバナシラン 2005 ハナザクロ 2004 カリフォルニアポピー

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6月2日(日) トラフアナナス

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ありゃ、せっかくの美貌が劣化してしまったかい?と焦りました。いえ、トラフアナナスの様子はだいたいこんなもので、容色が衰えたわけではありません。前の掲載のとき、逆光を利用して葉を明るくとらえていて、トラフアナナスのイメージを自分で勝手にその画像に固定してしまっていました。幻想を補正する一枚です。
そしてあのときに予告したように、「おっ、花穂だ!」と喜びました。しかし、そのトーンは低く、「なんでそんなに根性曲がりなの?」という呟きが続きます。トラフアナナスの花穂は標準的にはもっとまっすぐなハズなのに、ここのはみんなこうしてイジケたように中折れしているのです。あんまり状態がよろしくないみたいです。
苞から出るはずの黄色い花もまだだったし、それが飛び出してくる頃合いまでには、もう少し気持ち良く育っているトラフくんを見つけることにしておきます。

<追録> 赤い花穂はスッキリとまっすぐだったものの、花は「しらす」を着色したみたいで「なにがなにやら」です。この先端から雌シベ・雄シベが飛び出す状態があるようなので、再挑戦が必要です。(撮影:2020年6月17日)
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<補注> 気になる花の構造は、同属(フリーセア属)のインコアナナスでだいたいを見ることができました。(2021年3月22日

過去のきょう 2018 ホップノキ 2017 マダケ 2016 エビヅル 2015 ベニサラサドウダン 2014 オウシュウマンネングサ(ヨーロッパタイトゴメ) 2013 サルトリイバラ(サンキライ) 2012 ホタルカズラ 2011 ツクバネソウ 2010 モモイロタンポポ 2009 ワニグチソウ 2008 セッコク 2007 ソヨゴ 2006 オリーブ 2005 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2004 ユリノキ

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6月1日(土) ハナヒリノキ

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「ここらで載せておくか」とやや投げやりな掲載から暦は半年経過して、ハナヒリノキは瑞々しい姿に変貌していました。花も開いています。
ただ、去年の実がまだこうして残っているし、のびた枝はダラダラと横にのたうつし、庭木に選ばれることなどまずなかろうという風情です。名前も名前だし、姿もこれだし、便所に蛆がわくこともなくなったし、立つ瀬のない木です。
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となると、なんとなくかわいく見えてくるのはへそ曲がりの常で、俯いた花にググッと迫ってみました。花のなかは鼻毛!ビッシリで、コチョコチョしてやったら、人間ではなくてこの木がクシャミをしないかなぁと暇なことを考えました。

過去のきょう 2018 クスダマツメクサ 2017 オニスゲ 2016 フキタンポポ 2015 オオヤマフスマ 2014 クサイチゴ 2013 マツバギク 2012 シロモジ 2011 アズキナシ 2010 シライトソウ 2009 ナツハゼ 2008 ギンリョウソウ 2007 ムシトリナデシコ 2006 ユスラウメ 2005 カルミア 2004 ソメイヨシノ

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