4年前、
チョウジソウの大きな群生を見つけて喜んだのは4月の下旬でした。そして今回もまた満開の様子です。丸々と5月を挟み、40日以上も時期が離れていて、チョウジソウの花期はやたらと長いように思えてしまいます。
もちろん、野の草がそんなにダラダラ咲き続けるわけはありません。種明かしすれば、4年前の撮影は都下の平地、今回は山形県のやや高地というわけです。
ただ、以前よりはずっと自然っぽい場所で撮ったのに、どうも今回のチョウジソウはやや怪しいのです。花の中心部に濃い紫の陰りがなく、蕾の紫もやや薄めです。少し黒みを帯びるべき茎にもそういう気配がなく、なにせ葉に幅がなさすぎます。
これらの特徴は、在来のチョウジソウではなくて、北米原産のホソバチョウジソウに該当するものです。その辺がわかってからかつての写真を見ると、上記嫌疑は
2005年掲載のものにも該当し、かろうじて本来のチョウジソウと思われるのは、花が終わって実をつけた
5年前のものだけです。
実際、在来種の衰退ぶりと外来のホソバチョウジソウ(ほかにヤナギチョウジソウというのもあり)の跋扈ぶりは問題視すべき状態のようです。俄学習ではきょうのタイトルをホソバと断定しきれず、過去記事を訂正しきる自信もないので、いつものズルで「広い意味のチョウジソウ」と逃げ、見極めは継続課題としておきます。
<追録> これは在来種だろうと思えるチョウジソウを収録した機会に、上の写真を撮影した日のファイルから、課題部分を切り出してみました(↓)。
まず茎に黒みがまったくありません(写真右下部)。また、花びらのくびれた部分にあるべき紫の陰りがあるかなきかの薄さです。もう1点の見分けポイント=萼(写真左上部)は色がよくわかりません。ただ、少なくても赤紫の気配はなく、見方によって緑みを感じます。
そのような観点で、これはたぶん外来種、あるいはそれと在来種が混血してしまったもののように思われます。(2020年4月 注↓)
<補注> 外来種の一つであるヤナギチョウジソウを確認したところ、在来種とはかなり感じが違うことがわかりました。そのため、ここに掲載した写真はほぼ在来種で間違いなく、「広義」としたのは余計な心配だったように思えてきました。
しかし、今後もう少し理解が進んで二度三度と訂正の羽目になるのも情けないので、本記事のタイトルからは当面の間「広義」をはずさないでおきます。(2021年5月17日)
過去のきょう 2018 オカウコギ 2017 シラキ 2016 キササゲ 2015 メグスリノキ(雌株) 2014 ダイズ 2013 ギョリュウバイ 2012 ノミノフスマ 2011 サイハイラン 2010 ウスベニアオイ 2009 ナギ(雌株) 2008 マルバダケブキ 2007 シロバナサギゴケ(サギゴケ) 2006 シモツケ 2005 ホタルブクロ 2004 サンゴジュ