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9月30日(日) カシワバゴムノキ(フィクス・リラタ)

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葉の上に載せたカードとの対比からすると、大きな葉なら横幅は40cm前後ということになります。通販サイトは「室内観葉植物としてお薦め」などと安直に言ってくれるものの、こんなものを気軽に置けるお部屋なんてそうそうあるわけが…。
といういつもの僻(ひが)み節は脇に置くと、この葉はじつに魅力的です。部屋のサイズは別にすると(しつこい!)、やはり「大きいことはいいことだ(古い!)」的感覚は人間には備わっていると思わざるを得ません。
いつもの見慣れたゴムノキとは違う葉の形も、あるいはその色艶も、なにか新鮮に心に訴えかけます。葉の色合いの面白さということなら、以前、アルテッシマを取り上げてはいても、この雄大さとは比較になりません。さらに、軍配型の葉を持つフィクスということで言えばトリアングラスがあっても、性状がまるで違います。
などなど書き連ねているのは「これ、欲しい」のサインとは知りながら、我がリビングに目を戻しては深いため息を漏らすはた衛門でした。

<補注1> 同じフィクスで、葉の大きさがこのカシワバゴムノキと競るようなものにウンベラータがあります。(2022年1月11日
<補注2> 隠頭花序を見つけました。(2024年2月19日

過去のきょう 2017 アエスクルス・パルビフローラ(ボトルブラッシュバックアイ) 2016 ツピダンサス(インドヤツデ)・斑入り 2015 クサボタン 2014 ナナコバナ 2013 コブシ 2012 トウガラシ(八ツ房) 2011 ヨシ(アシ) 2010 ヒメムカシヨモギ 2009 シモバシラ 2008 ホソバヒイラギナンテン 2007 リンドウ 2006 ミドリマイ 2005 コスモス 2004 オオオナモミ

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9月29日(土) ネズミノオ

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去年の掲載よりは2カ月も早く、花穂にグッと迫ってみたのに、もう花は終わって、粟(アワ)の粒を思わせる実になっていました。花と言っても、どうせ例のイネ科の小穂(苞頴)なのだから…とは思いながら、かなりの悔しさです。
ただ、前回の写真は大雑把に過ぎたので、その補完くらいにはなるでしょう。単純な1本の穂だと思っていたこのネズミの尻尾は、じつはたくさんの小枝がビッシリと寄り添ったものとわかります。
などと書きながら、いまジワッと後悔しています。このアワ粒のような実をどうして試食してみなかったのでしょう。それはたぶんこうして拡大してみてこその後悔で、現場ではこれはまさにネズミの尻尾に見えたのだと思うことにします。

過去のきょう 2017 マルバハタケムシロ 2016 ミルトニア・スペクタビリス・モレリアナ 2015 ヤマホタルブクロ 2014 アオツヅラフジ 2013 マツヨイグサ 2012 ククイノキ 2011 ナツユキカズラ 2010 スズムシバナ 2009 オオハナワラビ 2008 クロサンドラ 2007 マイヅルソウ 2006 ハエドクソウ 2005 ヒガンバナ 2004 ハゼラン

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9月28日(金) シクンシ

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久しぶりにシクンシを見ました。お昼前、11時半の撮影です。前に10時45分午後2時ころの状態を撮影していて、花の色合いの変化(白から赤へ)具合を少しだけ小刻みに確認することができました。
ただ、今回は前と違う木なので、単純な時間比較だけではないのがミソだし困ったところでもあります。まず、花びらの反り返りの強さが今回の目立つ点です。また、赤く変化したその色味がわりと単純な紅で、以前の木の花色は赤く変化したあとでも、ベースにピンクを強く含んで見えたのと少し違います。
そして紅白の混じり具合も今回の方がまばらです。同じ枝でも、まだ白いものともう真っ赤なものが交じっています。さらには蕾もたくさんあります。
調べて見ると、シクンシの花は1日目の夕方に開き(白)、翌日はピンクで、3日日に赤くなって落ちるリズムなのだそうです。そういう目で見ると、この写真の中央下部には落ちた赤い花があって、これが4日目の姿なのでしょう。思いがけず写っていた花殻にも意味があるなんて、シクンシ恐るべしなのでした。

<補注1> 低い位置で咲いていた花に迫ることができました。(2019年11月20日
<補注2> シクンシ科というとてもレアなグループの仲間(モモタマナ)を収録しました。(2023年1月27日
<補注3> シクンシの八重タイプを収録しました。(2023年9月26日

過去のきょう 2017 アカガシワ 2016 ヤマボウシ 2015 クレロデンドルム・ウガンデンセ(ブルーエルフィン) 2014 ナンテンハギ 2013 ヒッコリー 2012 ツルマメ 2011 メヒシバとオヒシバ 2010 ホップ(セイヨウカラハナソウ) 2009 シオン 2008 チョウジタデ 2007 カンボク 2006 ヤマジノホトトギス 2005 ケイトウ 2004 セイタカアワダチソウ

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9月27日(木) ヤツマタオオバコ

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葉はいかにもオオバコなのに、花穂が全然違います。ヤツマタというくらいで、長くのびた穂がたくさん分岐して賑やかです。
例の八岐大蛇(やまたのおろち)と同じで、日本人はちょっと数が多いとすぐこの「八」を当ててしまいます。植物にはヤツデがあるし、サッカーファンには八咫烏が親しいし、如才なく振る舞えば八方美人と言われていまうという具合です。
ただ、このヤツマタオオバコはトウオオバコ(両種とも海岸部に多いらしい)の品種(f.)という位置づけです。いつもの中抜けは悔しくても、その欠けピースが見つかるときのうれしさに期待(注)しておきます。
おっと、収録すべきオオバコには、そのトウオオバコに姿が似るセイヨウオオバコもありました。うれしさ期待よりは道の遠さにややうんざり…の心境です。

<補注> トウオオバコを収録しました。(2022年9月28日

過去のきょう 2017 ステゴビル 2016 ヤブマメ 2015 コモチシダ 2014 ラクウショウ 2013 ヒガンバナ 2012 ダンコウバイ 2011 シラカシ 2010 イガオナモミ 2009 ヤブラン 2008 アメリカアゼナ 2007 ミズカンナ 2006 ヒデリコ 2005 ホオノキ 2004 ペンタス

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9月26日(水) リンボク

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前に見たリンボクも巨大だったし、今度の木もそれよりは劣るとしてもなかなかの貫禄でした。それがまっ白に飾られていて、見事な眺めです。
ただ、その一部がなにかモゾモゾとうごめいていて、なんだろうとレンズを向けたらこんなシーンが撮れました。「白と黒」とでも題しましょうか。かつて「黒と白」と題してカラスの食性に疑問を呈しています。今回はどうやらリンボクの花を食べていたようで、蜜がある分、ナンキンハゼの実よりは納得のいく行動でした。
いや、ことはカラスではなくリンボクです。リンボクの実が熟しきるまでまだ追跡していなくて、5月末の青い状態で記録が止まったままです。今度の木は少しだけアクセスのいいところにあるので、次の夏の楽しみとしておきます。

過去のきょう 2017 ヤブニッケイ 2016 ウラジロノキ 2015 イヌシデ 2014 ツノナス(フォックスフェイス) 2013 ホオノキ 2012 食用菊・料理菊・もってのほか(イエギク) 2011 キャットミント 2010 フウトウカズラ 2009 リンボク 2008 ヒメクグ 2007 ジャコウソウ 2006 ヌスビトハギ 2005 アレチヌスビトハギ 2004 コブシ

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9月25日(火) ホザキアサガオ(ミナ・ロバータ)

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これでも朝顔です。学名がIpomoea lobataですから、ふつうのアサガオ類と同じくヒルガオ科サツマイモ属(イポメア属)ということになります。
では、これからこの花がロート状にパッと開くのかというと、これでお仕舞いなのだから変な朝顔もあるものです。上の写真下部中央に脱落しかけの花とか、その左に花(と雄シベ)が抜け落ちて残った雌シベ(白い糸状)が見えています。
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オレンジの蕾が膨らんで黄色くなり、最後にお口をプッと開き、そこから雌シベ・雄シベを覗かせると、次の日は花冠が脱落する呆気なさです。
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種を播いたのは5月の末でした。半月ほどして芽が3本だけ出て、暑くなり出したら暴力的に蔓をのばし始めました。ただし出てくるのは蔓と葉だけで、ふつうのアサガオが夏らしく咲き誇っているのを尻目に、9月に入ってもウンでもスンでもありません。もしかしてこれはこのまま終わるのではないかと不安が湧いてきます。
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変化があったのは9月10日でした。葉の脇から花芽(らしきもの)が出てきました。発芽からじつに丸3カ月です。
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翌日には花冠部分に色がさし始めました。そしてここから冒頭の写真状態になるまではアレヨアレヨでした。この勢いならば、かなり秋遅くまで花を咲かせ続けそうな気がします(注)。待たせてくれた分、そのくらいはお勤めしてもらわないと間尺に合わんな…と、計算高いことを考えてしまうケチ衛門でした。

<補注> 「秋遅く」どころか、立派に「冬」までお勤めしてくれました。

過去のきょう 2017 ツルマメ 2016 ヤブタバコ 2015 イワシャジン 2014 オオモクゲンジ 2013 エゴマ 2012 ムクロジ 2011 スダジイ 2010 オニバス 2009 ヒオウギ 2008 クサネム 2007 オオモクゲンジ 2006 ハナセンナ 2005 シロミノコムラサキ 2004 フウセントウワタ

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9月24日(月) ハイビスカス・レモンフラミンゴ

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二段咲きタイプのハイビスカスです。ここ数年、面白いなと思って写してみてはボツにしてきました。姿がなんだかあざといし、そのわりに二段構造をわかりやすく撮れなくて、赤やらオレンジやらクリームやら、いろんな花色でボツ続きでした。
それならこの淡い黄色はよほどうまく撮れたのかと言えば赤面ではあっても、長いシベの先(柱頭)が花弁化しているのだと理解はできます。こういう咲き方を、業界ではフラミンゴタイプ(注3)というようで、これはレモンフラミンゴです。
じつはこのボンボンのなかには雌シベが隠れていて、つまり柱頭で花弁化したのはハタザクラと同じく雄シベなのだとわかります。それがわかってみると、いままであざといと思っていた姿が急に親しげに見えてくるから不思議です。

<補注1> 八重種も収録しました。(2019年11月8日
<補注2> 「紫音」を収録しました。(2020年7月11日
<補注3> このタイプのハイビスカスはフウリンブッソウゲの系統でした。(2021年秋)

過去のきょう 2017 ヒュウガミズキ 2016 アメリカニワトコ 2015 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ) 2014 オトコエシ 2013 ナンキンハゼ 2012 シュロソウ 2011 オカボ(イネ) 2010 ヌルデ 2009 ミズワラビ 2008 ダンドボロギク 2007 サンゴジュ 2006 カラスノゴマ 2005 アスパラガス 2004 シュウカイドウ

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番外編 : おフランス製スマホ

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2011年暮れ、iPhone 3GS(中古)を手に入れたのがスマホライフの始まりでした。以降、GALAXY SC-02B(中古)、Covia F4sFREETEL(現・MAYA SYSTEM) Priori2、そして2015年秋購入の同・Priori3と、ここまでは「スマホ(のハード価格)はせいぜい1万円」というのが自分の価値観でした。
ただ、さすがにこのグレードにはいろいろ不足点が見つかり始めました。そこで2016年秋に選んだのがZenFone 3でした。自分としてはずいぶん張り込んだ値段だったし、当然に機能にも満足で、助手1号にも色違いをあつらえたほどです。
そんな「はた衛門スマホ史」におフランス製(生産は中国)が加わりました。ことの起こりは使用中のMVNOの設備変更で、11月以降、LTE非対応のスマホが使えなくなるというのです。これに引っかかるのが助手2号(Priori2使用)で、遊んでいるPriori3に換える手があるにしても、それでは少しかわいそう(古すぎ&低機能すぎ)です。
ただ、彼女までZenFone 3にするのも芸がない(し、金もない)ので、もうちょい安くて気の利いたスマホが出ていないものか、探してみました。

写真手前の赤いボディがそれで、Wikoというフランスメーカーのものです。g08という機種で、ネットフリマで未開封品をかなりお得に入手しました。触ってみると、CPUがSnapdragon430なのに、まるでストレスなしの動きです。そして、画面がくっきり鮮明で、とても見やすいのです。写真は室内照明のせいでやや色がかぶってはいても、奥に置いたZenFone 3より画面が格段にきれいです。(両機種の輝度設定は同じ)
また、電池の持ちが良く、充電が速い(アダプターは1Aにもかかわらず)のも美点です。さらに18:9の画面がそこはかとなくオシャレなのです。これを使ってからZenFoneを握ると、なんとなく時代遅れを使っている気分になるのは困ったものです。
先日発売になった新iPhoneのようになんやかやで20万円超というスマホは買う気力も財力もないわけで、これからもその1/10くらいの「実用品」でしぶといスマホライフを楽しみ続けるつもりです。

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9月23日(日) コリウス・ジゼル

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ジゼルと言ったら白のイメージなのに、その名をつけられたコリウスはこんなちょっと気色悪い(でも美しい)葉色でした。血管のような葉脈は死者につながるのか、作出してネーミングした人の思考回路に全然ついていけません。
ただ、きれいはきれいで、つい逆光遊びをしてしまいました。そして、その逆光を逃れた葉が幾枚か見えているので、本来の葉色がわかるのがミソです。
しかし、たまたま公園の花壇で名札がついていたから助かったものの、いったいコリウス(注)にはどれだけの品種があるものやら…。そのそれぞれが生育過程で微妙に色味を変えるので、名前を覚えて正解するなんて、夢のまた夢です。

<補注> わりとオーソドックスなコリウスは過去2回登場しています。( ☆ 2004年8月18日 ☆ 2006年8月11日

過去のきょう 2017 ツルフジバカマ 2016 エゴマ 2015 タカサゴユリ 2014 タムシバ 2013 オオベンケイソウ 2012 サネブトナツメ 2011 アカメガシワ 2010 オオバチドメ 2009 ヤブマメ 2008 アゼナ 2007 オオアブラギリ(シナアブラギリ) 2006 コナギ 2005 ヤブツルアズキ 2004 ナナカマド

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9月22日(土) カイコウズ(アメリカデイゴ)

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いい色です。惚れ惚れします。しかし、この花の色に魅せられるのはなにもいまに始まることではありません。夏の初めにもう二度も取り上げています。
それがまたですから「しつこいぞ」とは思いながら、もう9月も下旬です。本当の咲き出しがいつかは記録していなくても、過去二度の花の写真がそろって6月の下旬ということは、たぶんそのころ目に付き出すのでしょう。そこからもう3カ月、ルックスだけではなく体力的にもかなりのスタミナ系の木(注1)と見ました。
花を引き立てている緑の葉さえ、冬さなかまで枯れ残って笑いを誘ってくれます。花と葉がそれぞれにここまで役者の木、ちょっとお気に入りです。

<補注1> カイコウズの花は夏を通して咲き続けるのではなく、いったん中休みすることを知りました。(2020年9月7日
<補注2> アメリカではない、本来のデイゴを収録しました。(2021年2月17日

過去のきょう 2017 ダンコウバイ 2016 シェフレラ・アルボリコラ・スターシャイン 2015 ホオノキ 2014 トレニア(ハナウリクサ) 2013 イタビカズラ 2012 ハブソウ 2011 アレチヌスビトハギ 2010 ノチドメ 2009 アカネ 2008 ツユクサ 2007 カワラケツメイ 2006 チヂミザサ 2005 オトコヨウゾメ 2004 ミヤギノハギ(ナツハギ)

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9月21日(金) ヘビウリ

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ヘチマキュウリが近縁ではあるまいかと考えてしまう実です。まっすぐに育つと1mは超えるというのに、つむじを曲げるとこうしてのたくってしまい、不用意にこれに出会うとヒヤッとします。いや、心の準備があったとしても、こりゃたまりません。
ところが、素性としてはヘチマやキュウリは無関係で、カラスウリの仲間(ウリ科カラスウリ属)であることは花の写真のときに触れました。あのとき、実の写真が撮れなくて、じつはかなり悔しかったのに、案外早めにリカバリーできました。
同科・同属のキカラスウリについては実のワタを試食していて、このヘビウリはもう少しまともに食材として使えるようです。もっとも、これが八百屋に並ぶことは考えにくく、「ヘビ料理」は育てた人だけが楽しめる「秘密の味」のようです。

過去のきょう 2017 スズメウリ 2016 プロステケア・コクレアタ・アルブム 2015 イワガネソウ 2014 ヒノキアスナロ 2013 ツルリンドウ 2012 ヤマグルマ 2011 カラスザンショウ 2010 ハダカホオズキ 2009 ケツユクサ 2008 ミズタマソウ 2007 ミズタマソウ 2006 ヤマハギ 2005 オトコエシ 2004 ナツメ

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9月20日(木) ヤブニッケイ

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去年の初掲載と時期的には大差ないのに、実のいくつかが黒くなっていました。その黒々した実を眺めながら悲しくなるのは、去年地面に落ちていた(その実のおかげでこの木の存在に気づいた)実が黒かったのかまだ緑のままだったのか、まったくもって思い出せないことです。手にとってマジマジ見たであろうに…。
こういうのは記憶(保持)力の薄れなのか、それとも記憶入力段階(記銘力)になにか問題があったのか、考え込みます。このごろ、仕事の肝心なこともスッポリ思い出せないことがあって、多少の肌寒さを覚えることが出てきました。
いやいや、自虐的に落ち込むよりはこの木をヤブニッケイだと覚えていたことを喜ぶ方が前向きです。もし、この実を見て、葉を見て、枝を見て、図鑑と引き比べて「そうか、これはヤブニッケイというのか」などとやるようになったら、そのときこそが年貢の納めどきでしょう。そんな日は迎えたくありませんけれど。

<補注> 花どきをとらえました。(2019年6月17日

過去のきょう 2017 クサギ 2016 クロモジ 2015 オオアブラギリ(シナアブラギリ) 2014 カラムシ 2013 ムラサキナツフジ(サッコウフジ) 2012 オトコエシ 2011 マコモ 2010 キセワタ 2009 マルバハッカ(アップルミント) 2008 ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ) 2007 ソテツ(雄株) 2006 アシタバ 2005 シロミノコムラサキ 2004 フジバカマ

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9月19日(水) コヤブラン

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一面の○○というのをウリにした公園はいくつかあっても、その○○はネモフィラだったりコスモスだったり、さすがに見目のいい花畑ではあるわけです。
そこへいくと、まさかコヤブランで家族連れを呼び込もうというところはないはずで、あんな広大なスペースに比べればごくささやかながら、これはもしかして日本最大のコヤブランの群落ではあるまいかと心躍ってしまいました。
ただ、気になるのはコヤブランの実です。ふつうのヤブランの場合、花よりも黒曜石のような実が目立つのに、コヤブランのそれを見た記憶がないのです。もしかして結実しないとか、あるいは緑や茶色で終わってしまうとか、不幸な結末を心配しながらも、また北風が吹き始めたらここに来てみる(注)ことにしました。

<補注> 2カ月後、不幸な実証結果が得られました。(2018年11月20日

過去のきょう 2017 ヤブツルアズキ 2016 ハエジゴク(ハエトリグサ、ハエトリソウ) 2015 カンガレイ 2014 マキエハギ 2013 シシオクマワラビ 2012 カシグルミ 2011 サンシュユ 2010 アオハダ 2009 フジマメ 2008 カラスウリ 2007 カゼクサ 2006 ミズキンバイ 2005 シロバナマンジュシャゲ 2004 ツリフネソウ

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9月18日(火) カラタチ

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カラタチというのはカラスアゲハの食草だったのだと知りました。そう言えばこの春、意外なほど早くに葉を失ったカラタチを見たのは、もしかしてこの蝶の幼虫のせいだったのかといまごろ気づくボンクラ頭です。
さらに腕はナマクラでくらくらしつつ、5年前の初の出会いよりは少しだけハッキリとカラスアゲハ(雄)の色合いをとらえました。相変わらずせわしいヤツで、枝に止まっているときでさえ、微妙に動いているようです。
さていまにして思うのは、先年の場所にはカラタチはもちろん、コクサギなどミカン科の木はなかったことです。調べてみると、カラスアゲハは湿地で水を飲むのが好きらしいとわかりました。たしかにそんな場所とそんな動きでした。
今度水気のある場所とかミカン科の木の根もとに立ったときはじっくりと待ち、尾に赤い模様の入ったカラスアゲハの雌をぜひ写してみたいものです。

<追録> カラタチはカラスアゲハだけではなくナミアゲハの食草でもありました。幼虫のナミアゲハとカラスアゲハはかなり似ているものの、模様がちょっとシンプルなので、これはナミアゲハだと思います。(撮影:2018年10月1日)
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親御さん(か、先輩?)も来ていました。(同上)
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<追々録> ナミアゲハの幼虫はこんな(↓)風に鳥のウンチに擬態している時期もあるのでした。(撮影:2020年10月5日)
3齢から4齢のときがこのような姿であり、上に載せている緑色状態はこのあとの終齢幼虫(蛹になる前段階)でした。
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<補注> この幼虫が食べていたのはネーブルオレンジの葉だったことが判明しました。(2023年11月7日

過去のきょう 2017 イタビカズラ 2016 アワブキ 2015 アワブキ 2014 オジギソウ 2013 シロバナヤマハギ 2012 センニンソウ 2011 オオバコ 2010 キレハノブドウ 2009 ボントクタデ 2008 ノダケ 2007 ヒトエスイフヨウ 2006 タカサブロウ 2005 ヒガンバナ 2004 シキミ

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9月17日(月) センナリヒョウタン

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あとは収穫するだけ、つまり花や葉はもうすっかり終わった状態です。あの恐ろしかった夏が懐かしく思えるほど、いい風が吹くようになりました。
千成瓢箪というのはふつうのヒョウタン(Lagenaria siceraria)の変種(var. microcarpa)です。ブログを始めた14年前に育てたのはその「ふつう」の方で、小さなプランターだったにもかかわらず、実は20cm近くになりました。
あれに比べると、千成は寸詰まりです。長さがせいぜい6~7cmで、その代わり「数で勝負」とばかりにたくさんぶら下がります。これが景気よく見えるので縁起物とされ、太閤さんが金色に塗って馬印にしたというわけです。
つまりはその時代からこの変種は存在したわけです。いったい、最初に「縮んだ」のはいつごろのことで、その変化がどうやって固定したものでしょう。それを考えると、戦国時代のロマンとはまた一種違った夢を見ることができます。

過去のきょう 2017 ユウガギク 2016 トキリマメ 2015 マウンテンミント 2014 キハギ 2013 ベニシダ 2012 ヒトエスイフヨウ 2011 キミガヨラン 2010 トウゴマ 2009 トウガン 2008 コバノカモメヅル 2007 ハシカグサ 2006 コウヤマキ 2005 ヌルデ 2004 ワレモコウ

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9月16日(日) シロモジ

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シロモジの実の謎が深まってしまいました。11月の10日過ぎには、黄葉はきれいだったものの実が一つもなくて、いつ、どんな具合に失われるものかを確認することが自分の課題になっていたのです。(花どきの様子はこちら
初夏、まだ実が小さいとコケシのように立っていたくせに、8月の末には青いスモモのようにお尻の割れ目を見せてうつむき始めていたのです。そのときは実の数はまだまだたくさんで、さあいったいこの先どう変わるか楽しみでした。
ところがこれ(↑)です。この半月、さしたる変化を見せないまま、数だけが著しく減っていました。青いまま落ちるとでも言うのでしょうか。あるいはこれでもう十分においしくて、鳥さんたちがパクパクやってしまうのでしょうか。
たった一つしか見つからなかったものを試食するのもはばかられるし、この木に近づいても逃げ出す鳥はいなかったし、いったい全体シロモジの実はいつどこへ行ってしまうのやら、けっこう難儀な課題を抱え込んでしまったようです。

<補注> 秋の深まりを待たずに実が消えるという「シロモジの謎」は解決の兆しを見せました。(2021年10月21日

過去のきょう 2017 ヤマグワ 2016 インドソケイ 2015 スネイルフラワー 2014 シュウブンソウ 2013 ミケリア・マウダイエ 2012 ママコノシリヌグイ 2011 マルバアメリカアサガオ 2010 ミズアオイ 2009 カンレンボク 2008 モミジガサ 2007 アオツヅラフジ 2006 サルスベリ 2005 ベニゴウカン(ヒネム) 2004 ツルボ

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9月15日(土) オオバナイトタヌキモ

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おととし、ムジナモにお熱をあげた副産物としてタヌキモを取り上げました。その記事に「タヌキモ科タヌキモ属は種が多く」と書いたことをいまあらためて調べ直し、その多さが「200種以上」と知って、完全降参、戦意喪失です。
ただし、前回掲載のものは「なに」タヌキモかさっぱり不明だったのに、今回は名札付きのものだったおかげで、ようやく200分の1ほどが明らかになりました。このオオバナイトタヌキモは埼大・金子教授の講座で知った名前です。同教授はイヌタヌキモの名前もあげていらしたので、せめてそのあたりまでは収録して、タヌキモ掲載率を100分の1まで高めたいというのがはた衛門のこのごろの願望です。

さて、もし100分の1になったら、これを氷山の一角と言って良いのかダメなのか考えました。水面上に現れる氷は物理学的に計算すると全体の10分の1なのだそうで、トホホ、我が願望はこんな決まり文句も使えない低レベルのものでした。

過去のきょう 2017 コカモメヅル 2016 タイワンツナソ(モロヘイヤ) 2015 センニチコウ 2014 ミツバウツギ 2013 ヒメガマ 2012 イイギリ 2011 エノキ 2010 マルバチシャノキ 2009 ソクズ 2008 ヤマジノホトトギス 2007 コボタンヅル 2006 トキリマメ 2005 ホワイトベルベット 2004 タラノキ

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9月14日(金) ミソナオシ

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見た感じはかなりクシャクシャーッとした花で、前回掲載のときはそこを解明する気などまったく起きなかったようです。いま、当時の写真を見ると、「全体をとらえている」というプラス評価の反面、「花の形がわからない」と酷評もできそうです。
そこで、撮影時期は前回とほぼ同じで、当然に様子も一緒のミソナオシをシゲシゲと見つめ直し、きれいに開いた花を一つだけようやく見つけました。おお、なんとも感動的にマメ科らしい姿です。いわゆる蝶形花です。
赤とか青とか、もう少し色味があればわかりやすいし撮りやすいのに…という不満は傍観者の勝手であって、ご本人は味噌直しに全力投球なのでしょう。

過去のきょう 2017 ヤマブキ(一重) 2016 ウスギコンロンカ 2015 エビヅル 2014 ツリガネニンジン 2013 サルトリイバラ(サンキライ) 2012 アキノエノコログサ 2011 アメリカアサガオ 2010 トウテイラン 2009 コヤブラン 2008 フユイチゴ 2007 ノアサガオ 2006 ガマズミ 2005 ニラ 2004 ハナゾノツクバネウツギ(アベリア)

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9月13日(木) クルマバナ

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このブログを始めた当初にイヌゴマをクルマバナと勘違い(後日タイトル修正)したまま、13年も経っていました。たぶんそのころは「早くクルマバナを載せよう」と思っていたはずで、それがいつの間にか「どこかでリベンジ掲載はしただろう」にすり替わったらしく、ここしばらくはクルマバナを撮ろうという気が失せていました。
それなのに、花もずいぶん終息期に来て、ちょっと気に入った画像が撮れました。これは載せておきたいと過去掲載を調べたら、ありません。うーん、自分ではあまり思い込みのない性格だと思っていたのに、これは危ない兆候です。
「ジョハリの窓」で言えば「盲点の窓」というヤツで、たまに家族から「こうだ」と言われる自分像にはとても反発を感じます。クルマバナを煎じて飲んだら、もう少し素直になって「解放の窓」が大きくなる…ことはないだろうなぁと開き直りです。

<補注> もう少し花つきのいい状態を明るく撮れました。(2024年8月22日

過去のきょう 2017 クサコアカソ 2016 スパティフィラム 2015 シロバナシナガワハギ(コゴメハギ) 2014 キササゲ 2013 ナンバンギセル 2012 ナツユキカズラ 2011 オウゴンニシキ(オウゴンカズラ) 2010 キバナキョウチクトウ 2009 マルバタマノカンザシ 2008 ノシラン 2007 オオブタクサ 2006 キツネノマゴ 2005 ウラハグサ(フウチソウ) 2004 フジ

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9月12日(水) ハクウンボク

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たしかにねー。芽がふつうに葉の脇から出るよりは、この葉柄内芽式の方が保護する部材が不要です。省エネというか、無駄のない賢い方法です。
ところが、この仕掛けをジッと見ていたら、賢いかどうかわからなくなりました。もし仮に落葉が12月だとして、冬の寒さはそこからのはずです。一番寒い時期を、カバーなしになった芽は裸で耐えるというのでしょうか。
やれやれ、先月のモミジバスズカケノキに続き、葉柄内芽の離層はもうできていることは確認できたものの、肝心の芽がどんな方式なのかを確かめていません。今度は無理にプチッと引きちぎるのはやめて自然の落葉を待ち、そこで現れた芽が薄着なのか厚着なのか、失礼ながら見せていただくことにします。

過去のきょう 2017 ヌルデ 2016 アンジェラ(つるバラ) 2015 ミソナオシ 2014 ハンゲショウ 2013 モクレイシ 2012 カナムグラ 2011 ハナウコン(クルクマ・ペティオラータ) 2010 タコノアシ 2009 シュウカイドウ 2008 マルバルコウ 2007 キツリフネ 2006 ツユクサ 2005 ハギ 2004 ヒガンバナ

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9月11日(火) ゴマノハグサ

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幸運というのはたまにはやってくるもので、一度は見失ったゴマノハグサの「その後」をとらえることができました。自分的にかなりのレアものだったこの草をようやく見つけたのが去年の7月初めでした。それからは定期的にそこを訪れたというのに、すぐに見失ってしまったのです。今年もダメで、ちょっとあきらめ気味でした。
それがまったく別の場所で、思いがけない再会です。盛夏を越して、花穂はびっしりの稔りで重そうでした。実の頭に雌シベがくず糸のように残っています。花の写真からは想像しにくいほどの実の数なので、かなり連続的に開花したようです。
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驚いたのは紅葉の早さです。今年のクソ暑さのせいが多少はあるにしても、周囲はまだまだ緑なので、ずいぶん気の早い質であることはたしかのようです。こんなに目立つ色合いのものを見失った恥ずかしさに、わが頬まで赤く染まりました。

過去のきょう 2017 コバノカモメヅル 2016 ダイサギソウ 2015 メリケンムグラ 2014 ナナコバナ 2013 ミズタマソウ 2012 ウラジロガシ 2011 カジカエデ(オニモミジ) 2010 カラムシ 2009 シオン 2008 ドイツトウヒ 2007 オオカメノキ(ムシカリ) 2006 イボクサ 2005 ダールベルグデージー 2004 ニラ

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9月10日(月) トケイソウ

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冗談でしょ…と言いたい草木はいろいろあっても、トケイソウにかなうモノはなかなか見つかりません。なにせ、花でも十分に奇態なのに、実までこれですから。
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地面に落ちていた実の中身を確かめてみました。両手の親指に力を込めたら、ポンと音を立てて割れました。オツユがドピュッとくるのを警戒していたので、完全に肩すかしです。なかにはオネバにくるまれたタネが数粒入っていました。
それを根もとにおいてみました。これは完全に木です。自分で育てている人から、「最初は草です」と教えてもらってはいても、ここまでくれば立派に木です。もっとも、この「幹」に年輪があればの話で、もし自分で育てたとしても、ここまで生長した「木」を切ってみる度胸はないので、きょうもまた「草または木」にしておきます。

<補注1> ベニバナトケイソウを収録しました。(2019年1月26日
<補注2> クダモノトケイソウを収録しました。(2020年12月14日

過去のきょう 2017 キレハノブドウ 2016 イヌビワ 2015 ギンコウボク 2014 アキカラマツ 2013 コクチナシ(ヒメクチナシ) 2012 イワガネゼンマイ 2011 カワラケツメイ 2010 ヤナギタンポポ 2009 メドハギ 2008 ノシバ 2007 ハネミギク 2006 ヤハズソウ 2005 イチイ 2004 ヤマボウシ

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9月9日(日) タイマツバナ(モナルダ、ベルガモット)

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暖簾をしまいかけたお店にあわてて駆け込んだ気持ちです。花がほとんど散り去って、緑の花床が饅頭のようです。一応は花壇なのに、ほかの草に押され、まじめな話、きょうあすにでも苗の入れ替え作業がありそうな様子です。
そこで有終の美を見せているのは白い苞葉です…と偉そうに言うのはあとづけの知識で、6月・7月に花を愛でているときは、こんなパーツに気づきませんでした。そんな過去写真を見返すと、たしかに満開どきから苞葉はちゃんと存在しています。
面白いのは、花が深紅の場合、朱色の場合、ピンクの場合とそれぞれに、苞葉も微妙に花色を写した色合いに見えることです。ということは、今回見つけたここには、自分的にはベルガモットと呼びたい白いタイマツバナが咲いていたはずで、そうわかってから見直すと、散り残りの花びらはたしかに白なのでした。

<補注> 真冬の幼生の姿を収録しました。(2019年1月11日

過去のきょう 2017 ナス 2016 ネコノシタ 2015 ノコギリソウとセイヨウノコギリソウ 2014 アキニレ 2013 ミドリヒメワラビ 2012 ゴンズイ 2011 イヌザクラ 2010 サジガンクビソウ 2009 シュロソウ 2008 ガンクビソウ 2007 キレンゲショウマ 2006 カラスウリ 2005 マメアサガオ 2004 マーガレットコスモス

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9月8日(土) オオバイヌツゲ

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どうにも半端な時期に出会ったもので、寒くなれば黒々として目立つ実なのに、まだ葉に紛れています…と書いておかないと、あとでこの写真を見直したとき、自分で実を見過ごしてしまいそうです。イヌツゲらしく、けっこうな数の稔りです。
ただ、イヌツゲにしては葉がふくよかです。イヌツゲの変種で、標準和名はオオバイヌツゲでも、別にマルバイヌツゲという呼び方もありました。自分だったらヒロハイヌツゲにしたのになぁというのは余計な付け足りです。
雌雄異株なので、雌株の所在はこうしてわかりました。花の時期にここで雌花を撮り、ほかの場所で雄花(雄株)を見つけ、その前にここで真っ黒クロスケを写しておけばオオバイヌツゲについては一応完結です。ことがそう簡単に運ばないことは百も承知の上で、計画だけはいつも簡単にできあがります。

過去のきょう 2017 ツブラジイ 2016 ドラセナ・レフレクサ 2015 イチイ 2014 ナンバンギセル 2013 アメリカノウゼンカズラ(黄花) 2012 ナガエコミカンソウ(ブラジルコミカンソウ) 2011 シラヤマギク 2010 ゴジカ 2009 キツリフネ 2008 ミヤコグサ 2007 ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ) 2006 キカラスウリ 2005 ナガボノワレモコウ 2004 ハナシュクシャ

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9月7日(金) コスツス・ルカヌシアヌス

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記憶の襞をコショコショとくすぐる葉のつくりでした。ショウガを思わせるおおらかな葉が螺旋状につき、背丈ほどにものび上がっています。
たぶんあれと同じ…と思い出したのは先月載せたコモスス・ベイケリです。花はまるで違う感じでも、それに惑わされずに仲間と判断できたのはうれしいことでした。根元には「コスツス・ルカヌシアヌス」という名札がありました。
それでさらにうれしかったのは、コモスス・ベイケリが正確にはCostus comosus var. bakeriであり、コスツス属であることを覚えていたことです。たかだか3週間ちょっと前の記事内容とその植物の印象を覚えていたことに舞い上がるのもどうかとは思いつつ、このごろとみに怪しさを増す記憶回路に少しだけ自信を取り戻しました。

<補注> コスツスの仲間だろうと思った植物は、なかなか手強い存在でした。(2021年10月16日

過去のきょう 2017 シロバナツユクサ 2016 スギモリケイトウ 2015 アッケシソウ 2014 ミズメ 2013 エビネ 2012 コマツナギ 2011 ウワミズザクラ 2010 ヒシ 2009 ヤマナシ 2008 ハグロソウ 2007 サラシナショウマ 2006 コブナグサ 2005 ウコン 2004 ママコノシリヌグイ

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9月6日(木) ヒヨクヒバ(イトヒバ)

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5月に悩んだイトヒバ&ヒヨクヒバ問題にひと区切りつけます。名標板に「ヒヨクヒバ」とあった木を、複数の植物園で眺めてみました。この間合いで見る限り、これがヒヨクヒバであってイトヒバではないことなどわかるはずがありません。
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なので、グッと近づいて葉を手にとってみました。いくら目を皿にしたところで、4カ月前の同趣旨の写真と区別することは自分には不可能です。
180906hiyoku_mi
ならば実は?と目を転じたところで結果は同じです。

そこで再度名標板に目をやると、そこにはChamaecyparis pisifera Endl. cv. Filiferaとありました。つまりサワラの園芸種ということです。そこでこの学名をYListであたると、標準和名はヒヨクヒバ、別名としてイトヒバとありました。なんのことはない、5月にこうしてちゃんと調べれば、四の五の悩む必要はなかったわけです。
ところがさらにヒヨクヒバをあたっていくと、C. pisifera Endl. var. filiferaというものも出てきて、前者は園芸品、こちらは変種ということになります。ただし、標準和名・ヒヨクヒバ、別名・イトヒバという呼び方は両者一緒です。
深い世界を勝手に括る失礼を許してもらうと、ヒヨクヒバないしイトヒバと呼んでいる木には変種と園芸種がある(注2)ものの、どちらであってもヒヨクヒバという名前の方を優先すべきだということのようです。先の記事もタイトルは修正しておきます。

さてこれで自分的に一件落着かというと、いつものことながらまたも余計な問題を抱えてしまうのです。YListで「イトヒバ」を検索すると、Thuja orientalis L. 'Flagelliformis'という木に行き当たるのです。和名がイトヒバ、別名はイトスギです。さらにこのThuja orientalisにはvar. pendulaとする種類も(和名・別名は園芸種に同じ)あり、なんとヒヨクヒバに変種と園芸種があるのと同じ構造なのです。
つまり、コノテガシワ(Thuja orientalis)に近い種類にもイトヒバはあるので、ヒヨクヒバのことを別名で呼ぶのはかなり地雷を踏む行為に思えてきました。
さらに別名イトスギであるイトヒバをここに収録するというノルマもできました。さてイトスギとはいつ会えるものやら、そのときまで、ここに書き連ねた面倒な話を覚えていられるものか、混迷と自虐を綯い交ぜにした楽しい旅は続きます。

<補注1> 大きな台風のおかげで、これまで樹種を特定できないでいた木がヒヨクヒバとわかり、その材質まで確認することができました。(2018年10月4日
<補注2> 「園芸品と変種がある」とした理解が間違いであることをご教示いただきました。とても詳しく、かつ優しくご説明いただいているので、この点の記事書き直しはせず、下のコメントを参照とさせていただきます。(2019年6月13日)

過去のきょう 2017 コウゾ 2016 ディジゴセカ(アラリア) 2015 エゾノコリンゴ 2014 ヒヨドリバナ 2013 ヒトツバハギ 2012 オニバス 2011 アマクリナム 2010 ツノナス(フォックスフェイス) 2009 イチヤクソウ 2008 ヤマシャクヤク 2007 ウワミズザクラ 2006 ギンドロ 2005 リコリス・オーレア 2004 イタドリ

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9月5日(水) ウコン

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13年も前の記事内容を補完する画像です。当時はたぶんシャッターを押すときには白い苞葉を花だと思っていた嫌疑が濃厚です。帰宅後の調べでそれを知り、あわてて写真を見直したら、黄色い蕾がどうにか見つかったという寸法です。
今回の撮影は過去のものより日にちが幾分早かったにもかかわらず、花はしっかり開いていました。そして苞葉の色づきも進み、まさに葉色(緑)を呈した上に赤みまで加えていました。ずいぶんきれいな苞葉もあるものです。
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さて、本当の花に迫ってみると、開いた口に2本の牙があります。ただ、ボーッと写しただけではそのつくりがさっぱりわかりません。牧野博士はかなりの字数を尽くしてそこを解説してくれているのに、何度読み返しても理解ができません。恥ずかしながら、今回は蕾から一歩前進ということだけで満足しておきます。

過去のきょう 2017 クマツヅラ 2016 ハゲイトウ 2015 ウンラン 2014 アベマキ 2013 モミジガサ 2012 シチヘンゲ(ランタナ) 2011 シマトネリコ 2010 ツリガネニンジン 2009 フジカンゾウ 2008 ムカゴイラクサ 2007 タムラソウ 2006 ナンバンギセル 2005 ヒメマツバボタン 2004 モクレン(類)

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9月4日(火) バラ(プリンセス・ドゥ・モナコ)

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これぞバラ、バラ中のバラという風情です。四季咲き性の大輪(HT)で、夏の暑さにもへこたれず凜として咲き誇ります。
プリンセス・ドゥ・モナコとは、モナコ王妃となったグレースケリーのことです。彼女が自動車事故で亡くなった1982年、このバラは発表されました。まるで美女がバラに転生したかのようなストーリーに、偶然とか不思議の凝縮を感じます。

過去のきょう 2017 エノキ 2016 キリ 2015 マテバシイ 2014 トクサ 2013 ムベ 2012 コンテリクラマゴケ 2011 ヒャクニチソウ(矮性) 2010 イチビ 2009 オオリキュウバイ 2008 アズマカモメヅル 2007 クロホウシ 2006 イトススキ 2005 アメリカノウゼンカズラ 2004 ウモウケイトウ

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9月3日(月) ノコギリシダ

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衒いのない直截な名前に好感が持てる羊歯です。鋭く切れ込んだ鋸歯がたしかに鋸状です。ただ、浮世絵などに出てくる鋸はすべて片刃なのに対し、この羊歯を鋸にたとえた人の念頭にあったのは明らかに両刃でしょう。
ということは、両刃鋸ができたのは明治以降とのこと(出典:竹中工務店のサイト)なので、このネーミングはそれ以降の可能性が高くなります。いわゆる本草学から近代的な植物分類学に切り替わる時代が想像されてワクワクします。
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その鋭い鋸歯を宿した小葉(1回羽状複葉)は左右非対称で、穂先側の耳がグイッと長めです。また、奥に写ったものの葉軸(本来の葉柄)は緑色なので、このパーツには緑から暗紫色までの変化幅があることがわかります。
葉の表側は艶めいて、そこに葉脈が深く刻まれています。さらに裏返すと、車のタイヤ跡のようなソーラス(胞子嚢群)があって、ちょっと個性の光る羊歯です。

過去のきょう 2017 バアソブ 2016 レックスベゴニア・シースプライト 2015 レモングラス 2014 オオモクゲンジ 2013 ダイコンソウ 2012 シマトネリコ 2011 ヘラノキ 2010 トレニア(ハナウリクサ) 2009 オオマルバノホロシ 2008 メボウキ 2007 ゲンノショウコ 2006 サワギキョウ 2005 ガガイモ 2004 ナンキンマメ(ラッカセイ)

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9月2日(日) オオバゲッキツ

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大葉ではないふつうのゲッキツはずいぶん前に見ています。属は違ってもミカン科同士なので、たぶんそのゲッキツ(月橘)とこの大葉ゲッキツはつながっているのでしょうが、言うほど葉が似ていなくて、ピンときません。
ナンヨウザンショウ(南洋山椒)という別名は自生地と葉の感じを示しています。また、英名のカレーノキ(Curry tree)とか中国名の「調料九里香」がこの木(葉)の用途を示していて、インドあたりでは広く用いられる香辛料だと言います。
本来は見上げるほどに大きくなる木なのに、写真のものは鉢植えです。花はすでに終わっていて、ちょっとそそられる実がついていました。ただし、この実の種には毒があるのだそうで、名前とともにしっかり覚えておかなくてはなりません。

過去のきょう 2017 アカマツ 2016 カゴノキ 2015 ウリハダカエデ 2014 キツネノマゴ 2013 ヤマボウシ 2012 カナムグラ 2011 ハナトラノオ(カクトラノオ) 2010 シロネ 2009 ツルガシワ 2008 ミズカンナ 2007 ヒメシロネ 2006 イヌタデ 2005 ハス 2004 ピンクノウゼンカズラ

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9月1日(土) ヌスビトハギ

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ヌスビトハギがこんなに「咲き誇って」いるのは初めて見る気がします。名前のせいでもあるまいに、大概が密やかな佇まいだったはずなのに、この場所では向こうが霞むほどに盛大な咲きっぷりでした。しばしゆったりと鑑賞です。
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ただ、それだけで終わらないのが困った性格です。ついググッと寄って、手ごろなひと枝を見上げてみました。花からサングラスへの変貌過程の確認です。
枝の右側下部にその回答がありました。花びらが落ちたあと、子房がそのサイズを増していこうとしています。「タネも仕掛けもありません」という手品師の口上が聞こえてきそうで、ハハァ、こういうタネと仕掛けになっていたのかと合点です。

過去のきょう 2017 ヒルムシロ 2016 イヌトウバナ 2015 ミズキンバイ 2014 ムクゲ 2013 シュウブンソウ 2012 ヤブデマリ 2011 ハリギリ 2010 トウワタ(アスクレピアス) 2009 キバナアキギリ 2008 ケンポナシ 2007 アゲラタム 2006 ヘクソカズラ 2005 センニンソウ 2004 マツムシソウ

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