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7月12日(木) ヘツカニガキ

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ヘツカは辺塚で、ヘツカランでも登場した大隅半島の東岸の地名です。ウミガメも来る美しい砂浜に恵まれた地で、この木はそこで最初に見つけられました。
中国中南部から四国南部が自生地なので、関東の地で育つこの大木はさぞや寂しいことだろうと同情します。ダニエル・チャモヴィッツという人が書いた『植物はそこまで知っている』によれば、植物にはいろいろな感覚(注)があるそうで、仲間と交信しているというのです。きっと、近くに誰かいないか知りたくて背のびしているうちにこんなに大きくなってしまったのだろうと思い、しみじみと見上げました。
さて、ヘツカの意味はわかっても「ニガキ」が不思議です。いわゆるニガキとは分類的に関係ないし、見た目も全然似ていません。単純に枝や葉が苦いという説があるようで、自分での味見はパスして、そう思っておくことにします。
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そして話は花です。これでもか!の満開状態に出会いました。ピンポン球くらいの頭状花序が巨木(推定15m以上)を覆い尽くしていました。
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その作りはと言うと、密集する長さ7~8mmの花筒から突き出た雌シベがまるで針山のようです。対する雄シベは個々の花びらの内側にへばりついています。
残念だったのはその雌雄を結びつける媒介者が現れなかったことです。蝶々だと大きな翅が邪魔でしょうから、この雌シベ群をかいくぐって花筒の底の蜜源に近づける蜂や虻が適任のはずです。さあ、勝手な推測の当否やいかに。

<補注> チューリップには重力センサー的な機能があるようです。(2021年2月4日

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