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6月30日(土) ツタ(ナツヅタ)

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近所のお屋敷の塀がズズズィーッとツタで覆われていて、今年こそツタの花を撮るのだと「決意」していたので、ここは第一の標的でした。
「ころはいま」とばかり出撃し、深々とした葉を掻き分けると、あれれ? 見えるのは雌性期になったものばかり、長い塀をズンズン掻き分け続けても雄シベと花びらは一つも出てきません。足下に目をやると、死屍累々とばかりに緑の小片と黄色の粉が降り積もっているではありませんか。え?遅かった?
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しかし、ちゃんとリザーブの撮影場所を持っているのです。昔、大きなケヤキに絡んだ紅葉をとらえ、「説明無用、ツタ」などとうそぶいたのがここでした。根もとの笹藪を漕ぎながら近づくと、あった!ありました。立派な雄性期の花です。
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ここはこうして雄性期のものとそれが終わった雌性期のものが共存しています。念のため第三の場所も確認したら、そこも同じく雌雄期混在でした。
となると、あの長い塀がすべて雌性期だったのが不思議です。蕾はまだたくさんあった(注)ので、大きなリズムであの塀全体は同調しているのでしょう。

<補注> カプセル状で蕾に見えたものは実でした。したがって、雌雄期が何度か繰り返すのではないかという予測はまったく的外れで、1カ所目はほかの場所に比べて開花時期が早かっただけのようです。(2018年7月20日)

過去のきょう 2017 ピンオーク 2016 トキワマンサク 2015 モモ 2014 タイトゴメ 2013 クマヤナギ 2012 タチアオイ 2011 ネコノチチ 2010 フタリシズカ 2009 ルリヂシャ(ボリジ) 2008 モミジバゼラニウム 2007 ハマカンザシ 2006 ブーゲンビリア 2005 セイヨウノコギリソウ 2004 ヒョウタン

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6月29日(金) ヒメアシボソ

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涼しくなったら花(と言ってもイネ科なので無愛想な小穂)を撮って、ふつうのアシボソのそれと比べなくてはなぁ…というメモ代わりの記事掲載です。
ふつうのアシボソのそこには長い芒があり、ヒメの方にはそれがほぼ見られないところが両種の違いです。ほかはあまり違いがなくて、ではどうしてこれをヒメとしたのかと言うと全体が横に這う感じで、「ふつう」ほどには立ち上がりがないのです。
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面白いことに、ヒメのくせに「ふつう」よりもむしろ根もとがしっかりして見えます。ただ、写真で下に向かって分岐した茎が「ふつう」と違うところで、これで横へ横へとのびるわけです。なんともお行儀の悪い姫さまがいたものです。

過去のきょう 2017 ボウフウ 2016 セレウスサボテン(鬼面角) 2015 コウオウソウ(フレンチ・マリーゴールド) 2014 カンボク 2013 イトラン 2012 ソテツ 2011 ウリカエデ 2010 カワラナデシコ 2009 イブキトラノオ 2008 チガヤ 2007 カラクサゲシ(チューリップポピー) 2006 ノカンゾウ 2005 ボケ 2004 ボタンクサギ

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6月28日(木) ナンキンハゼ(斑入り)

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斑入りに「させられてしまった」草木には白い目を向けてしまいがちな偏狭な人間ながら、これにはいささか興味をそそられました。
こんな「変な色」になってしまった葉っぱが、秋風に吹かれたらいったいどんな紅葉を見せてくれるのでしょう。あの重厚な赤色こそがナンキンハゼの存在価値であるからして、もし変な色目になったら許さんぞ!と気張ってしまいます。
そしてあの砂糖菓子だって、絶対にはずせないナンキンハゼ・アイテムです。この季節、ふつうのナンキンハゼと同じにあの「変な花」を咲かせていました。これで不稔なんて言ったら怒っちゃうからね!と、一人、木の下で息む爺さんでした。

<追録> 3年後に同じ木を確認しました。紅葉どきには少しタイミングが遅れたものの、葉は斑になることなく、無事、「重厚な赤」に染まっていました。さらに、「砂糖菓子」もたくさん認めることができました。(撮影:2021年11月25日)
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過去のきょう 2017 スズカケノキとモミジバスズカケノキ 2016 トネリコバノカエデ 2015 ギンヨウアカシア 2014 ホソイ 2013 ケンポナシ 2012 キケマン 2011 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2010 カジノキ 2009 オオバオオヤマレンゲ 2008 カタクリ 2007 ナツハゼ 2006 ノウゼンハレン(キンレンカ) 2005 ミズキ 2004 イングリッシュラベンダー

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6月27日(水) コバンコナスビ

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きのう、コバンノキを載せたことで、こっちの小判を忘れていたことに気づきました。モノサシ代わりに写し込んだガラケーが写真の古さを感じさせます。
これ、結構な僻地で見つけたのです。なので勝手に「渋い在来種」と思ったら、じつは洋種コナスビという別名もある外来種とわかりました。きっとその時点で「なぁーんだ」と掲載を見送ったものでしょう。あるいは夕暮れどきの撮影だったので、こんな冴えない写真を持ち出すこともあるまいと思ったのかもしれません。
ところが、図鑑的には「各地で帰化状態」とあるこの小判さんを、撮影から8年もの間、どこでも見ることがなかったのです。コバンノキに誘われて出しておかないと、これを撮ったことさえ思い出せなくなってしまいます。
この2月には瀕死状態のふつうのコナスビを載せていて、あのときはコバンコナスビのことをチラとも思い出しませんでした。どうやらワタシの記憶装置は物の姿よりもその名前に反応しやすくできているようです。

過去のきょう 2017 クガイソウ 2016 トルコギキョウ 2015 ズッキーニ 2014 キリ 2013 アフリカナガバモウセンゴケ 2012 エノキウツギ(ウオトリギ) 2011 シチダンカ 2010 ヒメコウゾ 2009 ムラサキセンダイハギ 2008 ウチワサボテン 2007 クマツヅラ 2006 カリフォルニアローズ 2005 タイマツバナ 2004 ヤブカンゾウ

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6月26日(火) コバンノキ

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小判型の葉っぱというのはそれほど特殊ではないでしょうに、この木だけがリッチな名前をもらってしまいました。名前の縁起良さそのものよりも、この木がそんな運を持っていたことにあやかりたいものです。
ところがコバンノキは西日本のもので、ここらでは植栽されたものを稀にしか見ることができません。花の時期は逃したし、この実が色づくのもうまくとらえられるかどうか、身近で見ていたい木なのにままなりません。
それも道理で、木の様子は名前ほどリッチではなく雑木なのです。庭木や公園樹とするにはいかにも半端で、やはり山道にヒョイと現れる風体です。分類的にはコミカンソウ(草本)の仲間でした。そうと知るととても合点がいく「木」です。

<補注1> 黄葉したらよほど小判に見えるかと期待したのに、かなり残念な眺めでした。(2018年12月5日
<補注2> 同じくコバンノキを名乗るオオシマコバンノキを収録してみたら、この二つは属違いの関係でした。(2024年1月2日

過去のきょう 2017 アメリカスズカケノキ 2016 トサミズキ 2015 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)・ホットリップス 2014 コウホネ 2013 ハマナス 2012 ムラサキツメクサ 2011 ウチワサボテン 2010 イヌウメモドキ(雄株) 2009 シコタンソウ 2008 ヒメカイウ 2007 カクテル(つるバラ) 2006 ヤポンノキ 2005 ガクアジサイ 2004 モッコク

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6月25日(月) ゴシキドクダミ

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本当はウチで咲かせなければいけなかったゴシキドクダミです。わざわざ福岡から数株持ち帰ったはずなのに、花どころか葉っぱさえ気息奄々です。やはり餅は餅屋ということで、これは都内某公園でプロが管理していたものです。
ただし、ウチではドクダミさえ育てられないのかというと、ふつうのドクダミは抜いても抜いても毎年たくさん生えます。近所の人に分けてあげるほどです。
ということで、やはり園芸もの・変わりものは気むずかしいのだと思うのです。派手な装いというのは、それなり、本人にも負担なのでしょう…と結論づけるにはこの花壇は豪華すぎました。なにごとにも腕の差は歴然としてあるものです。

過去のきょう 2017 トチバニンジン 2016 オカヒジキ 2015 ハルシャギク 2014 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2013 キバナダンドクとダンドク 2012 キョウチクトウ(白八重) 2011 モミジイチゴ 2010 ウメモドキ(雄株) 2009 ナツユキカズラ 2008 ハナイカダ 2007 イソトマ・アネチフォリア 2006 ベニバナ 2005 シロミノコムラサキ 2004 シロバナハマナス

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6月24日(日) カラマツ

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松ぼっくりにこんな色のものがあるのか、これはなにか珍しい木なのか…と半ばマジメに考えたのだから情けない話です。「カラマツが好きだ」とかほざいて、若葉黄葉にも飽き足らず、冬の松ぼっくりまでここに載せたのは、いったいどこのどなただったのか、久しぶりに穴があったら潜り込みたい気分です。
カラマツの雌花にはもう少し赤みの少ないものもあるよう(個体差)で、最初がこんなかわいい色との出会いだったのは幸運でした。このまま松ぼっくりに生長しそうでも、いまの時期の鱗片は苞鱗といい、球果になった鱗片は種鱗というのだそうで、花と果実はしっかりと別物なのでした。
さて、雌花があれば雄花を探します。写真のあちこちで小さなボロのモップがうつむいていました。こんな雄花にこと寄せて男の悲哀を嘆いてみるのが毎度のパターンのくせをして、今回はそれさえ面倒に思うほどの男女格差です。

<補注> カラマツの特殊な育ち方を見ました。(2018年6月24日

過去のきょう 2017 メダラ 2016 イイギリ 2015 ジョウリョクヤマボウシ 2014 ギョウジャニンニク 2013 ニッサボク 2012 ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ) 2011 ギシギシ 2010 モミジイチゴ 2009 レッドロビン 2008 フタリシズカ 2007 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2006 ナンキンマメ(ラッカセイ) 2005 セイヨウバクチノキ 2004 ムラサキツメクサ

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6月23日(土) シロツメクサ(クローバー)

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長年の不義理を詫びる気持ちでググッと迫ってみました。あまりにありふれすぎていて、そのうち・そのうちと思いながら十数年が経ってしまいました。
ちゃんと見てあげればいかにもマメ科らしい造形の花で、思いのほか美形です。
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ただ、こうして引いてしまうと、どうにも写真になりません。うしろで黒く潰れているところも、肉眼ではしっかり見えていたので、思惑としては「起伏のある野原一面がクローバー!」という狙いだったのに残念です。
ただ、このブログではムラサキツメクサの脇役としての登場しかなかったわけで、これでほかのツメクサ類を登場させるときの基本記事ができました。ホッとひと息です。

過去のきょう 2017 フイリクサヨシ 2016 ヒルムシロ 2015 ルリニワゼキショウ(アイイロニワゼキショウ) 2014 キリモドキ(ジャカランダ・ミモシフォリア) 2013 タイマツバナ 2012 ヒメシャラ 2011 ビワ 2010 ネズミモチ 2009 エーデルワイス 2008 オオバナウツボグサ 2007 ホザキシモツケ 2006 シュッコンカスミソウ 2005 キョウチクトウ 2004 ヨウシュヤマゴボウ

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6月22日(金) テロペア(ワラタ、テロペア・スペシオシッシマ)

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ニューサウスウェールズ州(オーストラリア)の州花はこのワラタ(注1)、州鳥はワライカワセミだそうで、もしかして明るいオッサンが多い土地柄でしょうか。
男の握り拳よりも大きいくらいの塊がこの色ですから、有無を言わせぬ力感にあふれています。部屋に1本置くと、そこがとたんに高級リビングに変貌です。
2本置けばどうなるかは未検証です。1本千円ほどするので、その検証は今後もかなり困難です。この辺の露地で咲き乱れるのを見ることもむずかしい(注2)ようですから、豪華な景色はもっぱら夢の世界で見ることにいたします。

<補注1> 標準和名はテロペアです。ただ、花屋ではワラタ(現地名)とかプロテア(科名)と呼ばれがちです。
<補注2> 伊豆にはこれが大量に植栽された場所があるようだし、神奈川某所で露地栽培されていたのを撮影できました。(2019年4月22日

過去のきょう 2017 マルメロとカリン 2016 サカキ 2015 ミズキ 2014 ホタルイ 2013 ジャボチカバ(キブドウ) 2012 アマリリス 2011 スカシユリ 2010 ハグマノキ 2009 シチダンカ 2008 メグスリノキ 2007 キキョウソウ 2006 ゴウダソウ 2005 スカシユリ 2004 ヤマモモ

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6月21日(木) ヒナマツヨイグサ

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萎れた花殻の様子がいかにもマツヨイグサです。ただ、背丈が15cmくらいしかなくて、マツヨイグサ類のなかでも小振りのコマツヨイグサよりもさらに小さいので、全体が地を這うような感じです。
残念ながら曇天の夕方に見つけたもので、かなり残念な写真になりました。マツヨイグサオオマツヨイグサと違い、別に暗くなってから咲くわけではないので、次の機会には陽光に輝く美人さんに撮ってあげなくてはいけません。

過去のきょう 2017 ウチワゼニクサ 2016 ノビネチドリ 2015 サンカヨウ 2014 ホソバタイサンボク 2013 ドイツスズラン 2012 ヤマコウバシ 2011 マルバチシャノキ 2010 ルリミゾカクシ 2009 コアジサイ 2008 クリンソウ 2007 イトバハルシャギク 2006 ツキヌキニンドウ 2005 アンズ 2004 ハンゲショウ

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6月20日(水) イソノキ

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つかみどころのない奴というのは人間にも木にもいるものです。葉・幹・枝、全体がさりげなくて、これで蕾がなかったら、完全に見過ごしたことでしょう。
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その蕾が「あと4~5日だったねー」とほざいていました。お出かけ先なので、「また来週!」とはいかないのです。ああ、くやしい…。
これが開くと、ネコノチチとかヨコグラノキの花の縦寸をのばして白くしたような花になります。これらはみなクロウメモドキ科の仲間なのです。
イソノキは磯の木、つまり水辺を好む性質を言っているようです。磯は海だけでなく湖にも使う言葉で、この木もたしかに沼のほとりにありました。

<追録> 秋、やはり沢にほど近い場所で会いました。赤くはなくても、葉がきれいに黄変する性質で目立ちます。(撮影:2022年11月9日)
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<補注> 開花をとらえることができました。(2023年6月28日

過去のきょう 2017 ヤハズホオノキ 2016 アナベル(アジサイ) 2015 ゼラニウム 2014 ハンゲショウ 2013 サントリナ 2012 サントリナ 2012 ノトカクタス(品種未詳) 2011 カワラマツバ 2010 ヤブムラサキ 2009 ウズアジサイ 2008 ササユリ 2007 クロバナフウロ 2006 マリアアザミ 2005 ムラサキシキブ 2004 アガパンサス

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6月19日(火) ミヤマオダマキとヤマオダマキ

日本のオダマキには、代表的なものとして、オダマキ、ヤマオダマキ、ミヤマオダマキの3種があります。もちろん、それ以外のマイナー種もたくさんあって、それらを全部見ようとしたら、あと2回は生まれ変わらなくてはなりません。
ただ基本3種のなかの第一歩と言えるオダマキがどうにもわかりません。素性的にはミヤマオダマキを園芸用に改良したもののように思えても、なかなか「これ!」と言えるものに会えないでいるうち、今年も開花時期が過ぎてしまいました。なので1カ月ほども時期遅れながら、とりあえずほかの2種を掲載しておきます。
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まずは上に述べた経緯で、ミヤマオダマキです。いつも過剰表現だなと思う「ミヤマ」なのに、オダマキの場合はわりと適切で、一応深山らしい場所で咲きます。
そんな環境に適応してヤマオダマキよりも背が低めです。花色も淡くて、かなり派手めの色合いであるヤマオダマキとはずいぶん雰囲気が違います。
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その派手めさんがこちらで、まずは背の高さがわかる画像です。
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そして花びらと萼の区別です。一見すると、臙脂色の萼から距が出ているように思えても、じつは黄色の花びらが裾濃になり萼の間からのび出して距となっているのがわかります。その先端は球になっていて、こういうつくりはミヤマも共通です。

<補注1> 花壇でセイヨウオダマキを写したのはずいぶん昔のことでした。
<補注2> クロバナオダマキを収録しました。(2024年3月21日

過去のきょう 2017 ドクゼリモドキ(ホワイトレースフラワー) 2016 ヒオウギアヤメ 2015 アフリカホウセンカ(インパチェンス) 2014 ムクロジ 2013 ササユリ 2012 ガクアジサイ 2011 ナナミノキ(雌株) 2010 キョウガノコ 2009 エゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー) 2008 ミヤマウグイスカグラ 2007 イチヤクソウ 2006 サクラ(染井吉野) 2005 コムラサキ 2004 コムラサキ

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6月18日(月) ウリノキ

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やや変わった形と質の薄さで、とても気になる葉です。それは先人も同じだったようで、これで瓜の葉を連想して、この木の名前としたのでした。
そして、この花です。何年もこの木を見てきて、ようやくグッドタイミングでした。いままでは棍棒みたいな蕾のときしか写せていなかったので、感激ひとしおです。
それにしては写真が1枚だけです。もっと花を接写したり、葉表を写したりしたくても、この木の生育環境がそれを阻むのです。谷筋で足下が悪く、周りの高木のために光線も制約を受けます。反面、低木のくせにそこそこの高さがあって、葉を俯瞰するとか花と鼻をくっつけるとかがむずかしいのです。
…などと言い訳を書き連ねていても仕方がないことで、この花が濃紺の実になるころまでには、もう少し写しやすい場所を探すことにしましょう。

過去のきょう 2017 コルクガシ 2016 ベニバナヤマシャクヤク 2015 サワフタギ 2014 ワタナベソウ 2013 コクテンギ 2012 ヒルザキツキミソウ 2011 ハナショウブ(沖津白波) 2010 テイカカズラ 2009 ニオイロウバイ 2008 イワタバコ 2007 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ) 2006 ベニバナ 2005 マツバギク 2004 サルスベリ

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6月17日(日) セッコク

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ほぼ図鑑どおりの色目です。初めは純白だと思って近づいたのに、よく見ると薄い紫(見ようによっては濃いピンク)が兆していました。
これまで掲載したセッコクは、完全な園芸品で花がほぼ赤紫のもの、そして瑞巌寺境内の杉に着生したかなりピンクが強いものの二つでした。時を経て、ようやく標準品らしいものを、かなり自然な環境で見ることができました。
ただ、図鑑では香りがいいとされるのに、望遠目一杯の高さで咲かれては、とてもとても太刀打ちできません。次は鼻の届く範囲で花を見つけたいものです。

過去のきょう 2017 カボチャ(セイヨウカボチャ) 2016 ウラジロヨウラク 2015 ウキヤガラ 2014 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2013 ケマンソウ(タイツリソウ) 2012 ハグマノキ(スモークツリー) 2011 ラベンダー・デンタータ 2010 ヒメジョオン 2009 ギンバイカ 2008 アゼナルコ 2007 ワラビ 2006 ローズゼラニウム 2005 カツラ 2004 シロタエギク

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番外編 : アゲハ2種(6月編)

Kuroageha
<クロアゲハ> アゲハ類というのは一日に2種類が目の前に現れてくれるもののようで、4月にもきょうと同じタイトルでナミアゲハとジャコウアゲハを取り上げました。
あのときからは季節がだいぶ変わって、今回写したのはまずクロアゲハです。ときどき見かけるので過去2回の登場はしていても、ヒラヒラしまくるのに手こずって、なかなかキチンと姿をとらえていません。
今回も「キチンと」にはほど遠い画像ながら、クロアゲハと推定できる最低限の内容がありました。吸密している花はクリンソウです。
Usubasirotyou
<ウスバシロチョウ> この姿からしててっきり蛾だと思って、そっち方面をかなり熱心に調べました。おかげで蛾の多彩さはイヤというほどわかったものの、肝心のコヤツの正体が割れません。
あきらめて、「蛾」という括りをはずし、素直に翅や胴体の様子から調べたら、わりとあっけなく名前がわかりました。これでもアゲハチョウ科だそうで、素人が変にアタリをつけることの無駄を思い知りました。
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過去ファイルを点検していたら、ヤブデマリとラブラブの姿を見つけました。(撮影:2015年5月28日)

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6月16日(土) ヤナギイチゴ

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葉が柳に似て実が苺状、それがそのマンマ、木の名前です。というか、花の時期ではなく、名前が飲み込みやすい時期に出会えたのは幸運でした。
海辺近くに育つそうで、道理で海なし県の埼玉では見かけません。今回、管理された植栽展示品でこの姿を覚えたので、これから沿岸部に出かけたときは、きっと自然状態の豊かな稔りを見つけることができるでしょう。
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甘くてジューシーという実を、今回は上記の理由で口にできませんでした。このもどかしさは、次の機会にこそ、イヤと言うほど晴らしてくれましょう。

<補注> まだ色づかない実を見ました。(2020年12月25日

過去のきょう 2017 アカガシワ 2016 マルバシモツケ 2015 カシグルミ 2014 ガマ 2013 サンショウ 2012 タイリンマツヨイグサ(ゴデチア) 2011 ナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ) 2010 イボタノキ 2009 バイカウツギ 2008 サンショウバラ 2007 フウリンソウ(カンパニュラ・メディウム) 2006 ハタザオギキョウ 2005 バショウ 2004 オシロイバナ

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6月15日(金) シュンギク

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奇特な畑オーナーさんが春菊の開花を放置してくれているのに感謝したのはもうひと昔以上前のことでした。畑をやる人は、プロでもアマでも厳格な人が多いようで、あのあとなかなか春菊の花を見る機会に恵まれませんでした。
それなのにこの畑、放置放任も極まれり!です。収穫すべき葉っぱはもうヘロヘロで、もはや野菜としての用は足しません。花が咲き放題です。
うれしくて夢中で撮った写真をシゲシゲ眺めたら、なかにすべて黄色のものが3輪ありました。本来の花とは花托部分のつくりが少し違うので、なにか別のものにも見えるし、花茎を見れば同じ株のものにも見えます。やれやれ、せっかく思いのままに見ることができた春菊の花から新たな宿題(注)をもらいました。

<補注> この記事の翌年5月、まったく別の場所でもっと盛大に花が咲き放題のシュンギク畑を見ました。そこの花も、上の写真と同じく2種類(花びらがすべて黄色&花びらの外側が白)に大別できました。
よく見ると全黄色の方が花は若く、雄シベが開ききっていません。逆に外側白バージョンは雄シベがくたびれ、花びらもやや長め(生長している)です。つまり、シュンギクの花は咲き始めの全黄色から外側白へと変化しながら萎れていくものでした。

過去のきょう 2017 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2016 イノデ 2015 ライムギ 2014 エゾアジサイ 2013 ベニバナ 2012 ヒメタイサンボク 2011 ノグルミ 2010 ニゲラ 2009 ヤマブキショウマ 2008 ベニバナイチヤクソウ 2007 ムラサキウマゴヤシ 2006 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2005 シャクヤク 2004 ハキダメギク

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6月14日(木) ゲンペイシモツケ(サキワケシモツケ)

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ふつうのシモツケシロバナシモツケの枝を引き寄せたイタズラみたいです。ただし、神に誓ってそんなズルはしていません。マジメな紅白合体です。
源平シモツケ(注)と呼ぶ人もいて、その方が風雅な名ではあるかと思いながら、そもそもYListにはどちらも収録されていなくて困ります。
どうやらふつうのシモツケの園芸種という位置づけのようです。

<補注> Spiraea japonica 'Genpei'とする学名を見つけたので、タイトルをゲンペイシモツケ優先に変更します。(2021年6月)

過去のきょう 2017 ツクバネガシ 2016 ホソバアオキ 2015 ボダイジュ 2014 タツナミソウ 2013 ネズミモチ 2012 ウワバミソウ 2011 ラムズイヤー 2010 ヤマグワ 2009 ジョウリョクヤマボウシ 2008 ムクノキ 2007 ナンテンハギ 2006 ヤエドクダミ 2005 ブナ 2004 ガクアジサイ

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6月13日(水) テンジクスゲ

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テンジクスゲは天竺(インド)菅なのに、実際は中国南部の産だと言います。名付けた人は、「だいたい『あっち』方向から来た」と見たのでしょう。
ちょっと、と言うか、あまり菅(カヤツリグサ科スゲ属)に見えないのが難点です。中国南部と言ってもやたらの広さで、だいたいに暖かい地域のものなのでしょう。カヤツリグサの仲間だというのに、まるで観葉植物のような優雅な葉です。
これで茎の先には花穂をつける(注)そうで、いくら亜熱帯化している関東近辺とは言え、そこまで故郷と同じ生態を見せるものか、この先、ちょっと楽しみです。

<補注> 知らなければまさかこれが花穂(だった)とは思わないであろう「痕跡」を見ました。(2020年9月22日

過去のきょう 2017 ナガバミズアオイ(ポンテデリア・コルダタ) 2016 ムラサキミツバ 2015 イヌガラシ 2014 チョウセンキハギ 2013 ゲラニウム(Jolly Bee ) 2012 ヒメカジイチゴ 2011 アカモノ 2010 アオテンマ 2009 ベニヤマボウシ 2008 ニワトコ 2007 ナヨクサフジ 2006 カシワバアジサイ 2005 ウメモドキ 2004 ムクゲ

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番外編 : 里山まるごとホテル

Kayabukian
甥が東京から能登・三井(みい)に移り住み、里山保存や町おこしに励んでいることをヒノキアスナロの記事に書いたのは4年前のことでした。そのあと、おととし結婚したことはウルシの記事に書きとめています。
その彼が、地域おこし協力隊を卒業し、いったいどうするのかと思っていたら、三井にとどまって「里山まるごとホテル」という事業(?)を始めました。
伯父の下手な説明よりは、立派なHPが雄弁に彼の構想を語り伝えてくれます。この冬は我が娘1号のビッグプロジェクトにドキドキさせられ、春には甥の新鮮な構想にワクワクさせられるなんて、なんともお騒がせな血筋があったものです。

<補注> 2年後、新たな宿を作るためのクラウドファンディングが行われました。(2020年3月2日

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6月12日(火) ヤマアジサイ・乙女の舞

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「乙女の舞」と聞くと、アジサイよりはお酒の銘柄を思い浮かべる困った人で、なにやらこの花も一杯機嫌ではあるまいかと疑いたくなる色合いです。
葉が細身というヤマアジサイの特性を残していながら、装飾花はこのように多弁化していて、株の上下がアンバランスなのが一つの見どころなのでしょう。
そう言えば、知り合いの娘さんが神社の巫女さんを務めたときがあり、小さな子がシャランシャランと鈴を振って踊るのはかわいいものでした。この花はそんな姿を思い出させてくれて、ア、「乙女の舞」って酒じゃなくてそっちだったかと反省です。

過去のきょう 2017 フシノハアワブキ 2016 ヤマウコギ 2015 ドクウツギ 2014 クラマゴケ 2013 フェイジョア 2012 ムシャリンドウ 2011 アリウム・ギガンテウム 2010 オオテンニンギク 2009 ニワナナカマド(チンシバイ) 2008 シナノキ 2007 オオマツヨイグサ 2006 ムシトリナデシコ 2005 クリ 2004 クチナシ

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6月11日(月) シナノナデシコ(ミヤマナデシコ)

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ふつうのナデシコよりも花の密集度が高く、さらに花びら間の隙間もないので、まるで園芸種かと思ってしまいます。ところがどっこい、これは名前のとおりに長野県を中心とした中部地方に自生する日本固有種なのです。
別名がミヤマナデシコです。このミヤマ(深山)○○という植物名はだいたいいつも過剰表現で、このナデシコもそれほどの深山(しんざん)ではなく、低い山の瓦礫地などに育ちます。もっと高い山に育つものにタカネナデシコがあるそうなので、それを取り上げることができたら、またこのミヤマ(深山)おちょくりネタを持ち出しましょう。

<ほかの「ナデシコ」・和名50音順>アメリカナデシコ ☆ カラナデシコ ☆ テマリソウ ☆ ナデシコ・ソーティ ☆ フクロナデシコ ☆ ムギナデシコ ☆ ムシトリナデシコ

過去のきょう 2017 ショウジョウバカマ 2016 ホンカンゾウ(シナカンゾウ) 2015 カミツレ(カモミール、カモマイル、ジャーマンカモミール) 2014 ツゲ(ホンツゲ) 2013 タカノハススキ 2012 ユリノキ(斑入り種) 2011 レンゲツツジ 2010 ウメガサソウ 2009 ナンテン 2008 マグワ 2007 キンギンボク(ヒョウタンボク) 2006 ホオズキ 2005 ハアザミ(アカンサス) 2004 ナツツバキ

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6月10日(日) ガジュマル、ほかいろいろ

今回の沖縄の旅では、着いた途端、見知らぬ草木に圧倒されました。ダメだ、こりゃ。2~3日でなんとかなるもんじゃないよ…戦意喪失です。
それでもメゲきりはせず、いくつかは健気に写してみたので、ここに一気に掲載しておきます。知床のときと同じで、あまりに異質の土地のものを一つひとつジックリ見て廻るには時間が足らなすぎます。180610gajumaru
<ガジュマル> 沖縄と言えばまずはこの木でしょう。某観光施設に車を止めるとき、駐車場のオジサンに「ガジュマル、どれ?」と聞いたら、「ぜんぶガジュマルさあ」とバカにされました。
「いや、この近くに大きなヤツがあるらしい」と言っても、「あれも大きいし、こっちの並木だっておっきいよぉ」と取り合ってくれません。たしかに、目が慣れてくるとそこら中がガジュマルだし、みんな奇々怪々として雄大です。180610gajumaru_mi
小学校の校庭にも大きなものが数本あって、よく見たら実(花)をつけていました。イチジク属なので、これは例の隠頭花序ということになります。
<補注> ガジュマルにはマルバガジュマルという品種がありました。(2023年2月4日
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<ホウオウボク> 街路樹にされていて、走る車からでもこの派手な花は目立ちます。本来はマダガスカルのもので、あのジャケツイバラの仲間でした。180610houhou_mi
たしかに、夕暮れどきに見かけた木には大きな実がぶら下がっていました。
<補注> 冬の西表でこの大きな莢の解体ショーを試みました。(2025年1月15日
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<ミフクラギ(オキナワキョウチクトウ)> これも車窓から気になってしかたがなかった木です。花はキョウチクトウに似てはいても、葉が全然違います。
写真の木の近くでお嬢さんに尋ねたら、「キョウチクトウ…」という答えでした。「いや、違うでしょ」と大人げなく返したワタシに、隣にいた同僚の若い男性が微笑んで「オキナワキョウチクトウです」と諭してくれました。
誰になにを尋ねても、沖縄はみんなほのぼのと優しいのです。ただ、埼玉の爺さんはそれで納得せず(罰当たりです)に調べたら、標準和名はミフクラギでした。
<補注1> 近い仲間だというビルマコプシアを収録しました。(2019年11月12日
<補注2> 実が青い状態を収録しました。(2025年1月22日
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<オオバナアリアケカズラ> ふつうのアリアケカズラには宮崎で出会っています。そこからさらに800kmも南へ飛ぶと、黄色の花が見るからに大型でした。
かつ、花のサイズだけではなく「カズラ」のくせをしてその姿はほぼ立木です。さすがに亜熱帯の沖縄のこと、カズラは蔓性という本分を忘れているようでした。
<補注> 関東ではオオバナアリアケカズラは温室のものです。
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<ムラサキアリアケカズラ> 同じアラマンダ(アリアケカズラ属)の花色違いです。花径が「オオバナ」よりは二回りほども小さく、「ふつう」に近い感じです。
その分、花色とも相俟って引き締まって見えます。見飽きるほど見かけた「オオバナ」が梅雨どきの沖縄そのもののボワーッとした感じだったのとは好対照でした。
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<ユスラヤシ> 沖縄では単に「ヤーシ」と呼ばれるほどポピュラーなヤシです。当然、庭木や街路樹とされる一方で、こういう密林状態も形成してくれていました。
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ただ、その名がどこから来ているのか、「ちょい調べ」程度では判明しません。こうして真っ赤な実をつけるのを見ると、ユスラウメにちなんだものかと考えたくはなるものの、両者はあまりにも風情が異なるので、これはあくまでもはた衛門珍説です。
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<ヤエヤマヤシ> 締めも南国情緒いっぱいにヤシです。そして、こちらは名前の由来も読んだとおりです。八重山諸島の石垣と西表が自生地なので、那覇・国際通りの街路樹とされていたこれは植栽品になります。
夕刻6時半に予約した島唄ライブのお店に行く直前の撮影なのに、まるで真昼のような光線はさすが南国です。もちろん、ヤエヤマヤシの葉鞘がこんな赤銅色なのは、決して夕陽のせいではないのです。
ユスラヤシのそこがまるでふつうの緑色なのと比べると、この色はヤシ類としてかなり際だった特徴で、見かけて一発で惚れてしまいました。
ということは、またここに来る大きな動機になるとしても、ヤエちゃんは「ワタシの故郷で会いましょうよ」とささやいてくれていて、ああ、悩ましいお誘いです。
<補注> 自生の地でヤエヤマヤシを撮りまくりました。(2024年12月27日

過去のきょう 2017 セッコウガキ 2016 ネグンドカエデ・フラミンゴ 2015 アブラツツジ 2014 エキノプシス・カマエセレウス(ビャクダン、ピーナツカクタス) 2013 ニッサボク 2012 ヒメコバンソウ 2011 キショウブ 2010 アカショウマ 2009 ハタザクラ 2008 ラミウム・マクラツム 2007 オニノヤガラ 2006 ヨーロッパブドウ 2005 シャグマユリ 2004 タイサンボク

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番外編 : 沖縄のヒラヒラもの

Bekkou
<ベッコウチョウトンボ(オキナワチョウトンボ)> これは調べるまでもなく名前に「鼈甲」とつくであろうことが推測できました。飛ぶ芸術品…造物主の依怙贔屓もここまで徹底すれば立派なものです。
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Oogomadara
<オオゴマダラ> これはなんとしても翅を開いたところを撮りたかった(↓)蝶です。差し渡しはたぶん15cmはあったはずで、まことに優雅にヒラリヒラリと舞うくせに、止まってしまうとずいぶん頑固に翅を開こうとしません。
我慢しきれずにチョッカイをかけたら、ふわりと飛び上がり、シャッターを押す間もなく、いなくなってしまいました。
<追録> フトボナガボソウの花に夢中でした。(撮影:2024年12月23日・西表島)
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<補注> サガリバナの花粉媒介をしていました。(2025年1月15日
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<ルリタテハ> 葉裏に逆さ吊り状態で止まっていて、閉じたこの翅はほぼ枯れ葉に見えました。ただ、ときどきコバルト色の筋が入った表側をヒラリヒラリと披露するのは、これは「我が美貌」を承知しているものの業なのでしょう。
いままで幼虫時代二度とらえていて、ようやく成虫を見ることができました。
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Siroobiageha
<シロオビアゲハ> わりとふつうのアゲハかと思ったのに、調べるとなかなか正体がわかりませんでした。南西諸島でしか見られない蝶だそうで、ここにあげたほかの皆さんと比べると、少し「通」っぽい種類を撮れたことにホクホクです。

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6月9日(土) タチアワユキセンダングサ(オオバナノセンダングサ)

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ゲットウと同じくらい、「どこ」にでも咲いていました。ただ、両者の「どこ」具合はかなり違って、ゲットウは花壇もしくはそれに準ずる場所で見たのに対し、このセンダングサは道端・空き地・砂浜・その他、早い話、非管理地がその生育場所でした。
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冬の間はさすがに開花は無理でも、それ以外はずっと開花し種をつけます。先端が鈎になったこのひっつき虫の特性から、沖縄ではこれをサシグサと呼ぶそうです。
ただし、ほかのセンダングサ類もそう呼ぶらしいので、サシグサをタチアワユキセンダングサ(注)の別名とするのは控えておきます。
そのサシグサの一つであるハイアワユキセンダングサはすでに収録してあり、今回の沖縄取材でめでたく淡雪栴檀草の這いと立ち、両タイプがそろいました。

<補注> YListでは標準和名をオオバナノセンダングサとしています。

過去のきょう 2017 トウキ 2016 オオトウワタ 2015 マツモトセンノウ 2014 シリブカガシとマテバシイ 2013 アナガリス(ルリハコベ) 2012 イヌリンゴ 2011 キレンゲツツジ 2010 ナルコユリ 2009 ニワウルシ(雄株) 2008 コアジサイ 2007 ノリウツギ 2006 ヨウシュイボタ 2005 サルビア・グアラニチカ 2004 ネムノキ

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6月8日(金) フクギ

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ずいぶん遠出をする割には無手勝流で臨んだ今回の沖縄草木編のなか、唯一「撮るぞ!」感いっぱいで向きあったのがこのフクギ(福木)です。
南国の植物でもなんなく近場の温室で見られるありがたい時代なのに、この木は見たことも聞いたこともありませんでした。それが、美ら海水族館を地図で調べていたら、すぐそばに「備瀬のフクギ並木」という表示を見つけたのです。
天啓と言えば大袈裟でも、これは「呼ばれて」いました。いかにも福々しい形の葉が美しいし、集落を貫く並木という存在感にもそそられます。
で、1枚目写真です。なにか異界への入り口とも思える雰囲気でした。
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そして、どこにでもありそうな形なのに、こんなに完全な小判型はないんじゃないかと見惚れてしまう葉です。その密集度と分厚さが防風や防火に最適です。
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樹齢300年・樹高19mだそうで、まさに緑の壁でした。
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根張りがすごいわりには小径に隆起はなく、こうやって地表でとぐろを巻いていながらも、じつは直根性であることが推測されました(調べたら正解でした)。
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備瀬の並木では花も実も見ることがなかったのに、翌日、別の場所でたまたま花が咲いているのを見つけました。フクギは雌雄異株で、これは雄株でした。じつは沖縄本島はフクギの自生地ではないそうで、次はもっと南の本来の生息テリトリーで、雄株よりは稀少な存在である雌株の花と実に出会いたいものです。

過去のきょう 2017 ヒゼンマユミ 2016 オオバヤシャブシ 2015 ハマクサギ 2014 イグサ(イ) 2013 トネリコ 2012 カラスムギ 2011 ジャーマンアイリス 2010 カナウツギ 2009 ギンリョウソウ 2008 アケボノフウロ 2007 シロバナヤエウツギ 2006 ウラジロチチコグサ 2005 モミジルコウ(ハゴロモルコウソウ) 2004 ナンキンハゼ

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差し込み編 : ツルアジサイ

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沖縄記事を続ける間にも地元素材は記録しておかなくてはなりません。気にしていたツルアジサイなのに、まんまと花の盛りを逃してしまいました。
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せっかく純白の4枚の花びら(装飾花の萼片)を見たというのに、それは盃を伏せたように裏返っていました。来年こそ(注)はドンピシャの日にここに来て、「差し込み編」などではなく、新規の記事をあげることにします。

<補注> 気合いを入れた「来年」もはずしてしまいました。(2019年5月28日

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6月7日(木) ゲットウ

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梅雨ただなかの沖縄に行ったのに、けっこう良い天気に恵まれて、こりゃーふだんの心がけじゃろう…とご機嫌で帰ってきました。ただし、このままでは渇水が心配されるわけで、さあどうぞ、もう思いっきり降ってくださいませ~。
そんな時期の沖縄はゲットウに囲まれる時期でした。どこに行ってもワサワサと茂り、ツヤツヤ輝く瀬戸物のようなこの花がパカパカと開いていました。
そう、今回は瀬戸物(沖縄言葉だとやちむん)探しも旅の目的だったので、ゲットウのお出迎えはちょっとうれしいものでした。ほかにも沖縄ガラスの器がほしいとか、島唄ライブに浸りたいとか、もちろんジンベエくんにも会いたいとか、いろいろ欲張りな旅のなか、少しだけチェックしてきた草木の登場第1号・ゲットウです。

<補注1> キフゲットウを載せました。(2018年12月16日
<補注2> ゲットウという名前はやや濫用されています。(2023年3月1日

過去のきょう 2017 ハナヤエムグラ 2016 シロバナニガナ 2015 ハンカイソウ 2014 ジューンベリー 2013 スズラン 2012 サツキ 2011 ナナカマド 2010 ネジキ 2009 ナガバオモダカ 2008 マルバストラム 2007 ウツギ・マギシエン 2006 タケニグサ 2005 ヒメシャラ 2004 オオカナダモ

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6月6日(水) オカウコギ

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先月25日の続編というか、おととし6月12日の補追というか、要はややこしいウコギ類についての理解をわずかずつでも進めようという記録です。
まずはどうやら一番の見分けポイントになりそうな花柄の長さです。ヤマウコギはこれが葉柄よりも短く、ヒメウコギは逆に花柄の方が長い…これらに対し、オカウコギはこのとおり、ほぼ同寸だというのです。
ついでにこの写真では5小葉のサイズの違いもわかります。頂部の1枚がほかより大きいかどうかはウコギ類の見分けでたいがい論じられるポイントです。
オカウコギはそれが大きく、ヤマウコギは同じというのが多数派意見でも、ヤマのときに触れたように、どうもこの判断基準には揺れや例外がつきまといます。それよりも、この写真ではオカの別名がマルバウコギだというその形に注目しました。
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さて花です。ウコギ類は雌雄異株であり、この株はこのとおり見事な雌株でした。ヤマウコギの写真を見直すと、柱頭が目立つ一方で雄シベもハッキリしており、この辺もヤマとオカの違いに思えてきます。
いずれにせよ、このあとにヤマとオカの雄をとらえ、ついでに「日本にはない」とされるヒメの雄まで見つけることができれば、だいぶ歩みが進みます。あれれ、要はぜんぶ男捜しではないですか。ちょっとテンションが下がりました。

過去のきょう 2017 シラキ 2016 キササゲ 2015 メグスリノキ(雌株) 2014 ダイズ 2013 ギョリュウバイ 2012 ノミノフスマ 2011 サイハイラン 2010 ウスベニアオイ 2009 ナギ(雌株) 2008 マルバダケブキ 2007 シロバナサギゴケ(サギゴケ) 2006 シモツケ 2005 ホタルブクロ 2004 サンゴジュ

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6月5日(火) ミヤマヨメナ

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ヨメナの深山版という一面と、ミヤコワスレの母種という一面があって、グリコというかジキル&ハイドというか、見て得した気分になる野草です。
野菊の類は秋に花を見せるわけで、ふつうのヨメナもその例外ではありません。それなのに、「深山」となると春に咲くわけで、もしや見かけは似ていてもまったくの素性違いかと疑わしくなります。ところがどちらもキク科シオン属ですから、いい加減な人間が多いのと変わらないくらい、草木も気まぐれだとしか言えません。
林床に育つので、それほど陽光は求めません。ただ、そこに陽が射し込めばなかなかの見応えになるので、これを庭に植えたくなった先人もいたわけでしょう。
このミヤマヨメナを園芸的に改良して作り出したミヤコワスレは、花びらの数が増え、葉の艶が増し、背丈がコンパクトになってはいても咲く時期が母種と一緒です。わかりにくい菊類の見分けにとって、この2種は本当にありがたい存在です。

<補注> 翌春、葉を試食しました。(2019年5月15日

過去のきょう 2017 コムギとオオムギ 2016 ハマダイコン 2015 イトヒメハギ 2014 ビヨウヤナギ 2013 エケベリア・サブセシリス 2012 ウツギ 2011 スダジイ 2010 フレンチラベンダー 2009 イヌビワ 2008 ノハラワスレナグサ 2007 セイヨウムラサキ 2006 カラタネオガタマ 2005 スイセンノウ(フランネルソウ) 2004 ナツシロギク

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6月4日(月) キソケイ

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キソケイのことを「黄」素馨とばかり思っていたり(注)、オウバイモドキと紛らわしいと嘆いたり、いまにしてみれば恥ずかしい過去でした。
…などと悟ったようなふりをするのはまだまだ先のことでした。ピントを当てた中央の花は花びらが4枚です。キソケイの花は5裂が本来の姿であり、写真の両サイドの花が「お馬鹿さん!」と撮影者をあざ笑っています。
ただし、羽状複葉というキソケイの特徴はラッキーにもちゃんと写っていて、小葉5枚の標準タイプだけでなく、後方には7枚のものも見えています。
じつはキソケイはずいぶん前に「変な時期」に取り上げています。しかし、その写真は葉の形がよくわからないし、花の裂数が妙に多いし、八重みたいなのもあるし…で、いまとなってはいっそ削除したい内容でした。時期的にも、写真内容的にも、今回のものを標準と考え、消えない過去はお笑いのネタとしておきましょう。

<補注> 花が黄色なので黄素馨とする解説が主流でも、ソケイ(素馨:Jasminum grandiflorum)より枝振りがしっかりしているので木素馨とする説もあるようです。

過去のきょう 2017 コバノズイナ 2016 フウトウカズラ 2015 エンコウカエデ 2014 ルイヨウボタン 2013 センダン 2012 ジギタリス(キツネノテブクロ) 2011 ハルザキヤマガラシ 2010 ニワウルシ 2009 ヤマアジサイ 2008 ニンジン 2007 ムギワラギク 2006 イイギリ 2005 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ) 2004 アメリカノウゼンカズラ

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6月3日(日) コメガヤ

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分類はもろにイネ科だし、見かけもお米が宙に舞っているようで笑えます。もう少し早い時期なら、イネと同じように花を咲かせていたようです。
そんな時期には油断してマジメに見ていなかったことを反省しつつ、じゃあ今回はお米を撮ろうかとこの実(苞穎)をいくつかいただいてみました。ところが、それはすでにもぬけの殻でした。花も実もない、じつに間抜けな収録となりました。
くやしいので、今回は生息環境のおさらいとします。本当のお米とは違い、潤沢な水は必要としません。森や林の裾のような、それほど陽当たりも良くないところになにげなく育ちます。そんな自然体に、今回はまんまと肩透かしを食わされたわけです。

過去のきょう 2017 バイモ 2016 シナガワハギ 2015 トキワハゼ 2014 マタタビ 2013 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2012 セイヨウニワトコ 2011 ニシキウツギ 2010 ブラシノキ 2009 クリ(雌花) 2008 センダイハギ 2007 タチバナ 2006 シロバナシラン 2005 ハナザクロ 2004 カリフォルニアポピー

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6月2日(土) ホップノキ

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ホップとホップノキ、紛らわしいったらありゃしません…と憤激するのは大人げなくて、どう見たってこの木を「あのホップ」と間違えることはありません。
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ではなぜそんなややこしい名付けをしたのかというと、この実が「あのホップ」の代用になるからなのだそうです。そうと聞いたところで、こんなヘンテコな実をモグモグしてみる気にはなれず、ことの真偽は藪のなかです。
いっそ、ゴウダソウモドキとでも改名したら!?と思って素性を調べると、これはミカン科で、いかにもそれらしい白の5弁花をつけるのでした。「惜しかったなぁ、もう少し早ければその花を写せたのに」と思うところがさもしいところで、きっと来春にはここでニヤニヤしながらその花を写していることでしょう。

<追録> かつて、別の場所でもこの木に出会っていました。上の写真よりも1.5カ月あとの状態です。(撮影:2016年7月18日)
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過去のきょう 2017 マダケ 2016 エビヅル 2015 ベニサラサドウダン 2014 オウシュウマンネングサ(ヨーロッパタイトゴメ) 2013 サルトリイバラ(サンキライ) 2012 ホタルカズラ 2011 ツクバネソウ 2010 モモイロタンポポ 2009 ワニグチソウ 2008 セッコク 2007 ソヨゴ 2006 オリーブ 2005 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2004 ユリノキ

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6月1日(金) クスダマツメクサ

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色目が同じコメツブツメクサ(コゴメツメクサ)を詰め草類(マメ科シャジクソウ属)のナンバー3としてかつて取り上げました。見かける頻度で勝手に序列をつけると、このクスダマツメクサはさらにその下に甘んじてしまいます。
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ただ、花穂はコメツブの5~6倍ほども大きく(体積比)て、ムラサキやシロほどの目立ち度はなくても、けっこうな見応えがあります。穂の下から順に生長して1個1個の花が大きくなるものの、色がだんだん抜けていくのが惜しいところです。
コメツブと同じような場所で群生するくせに、両者が一緒にいるところを見たことがありません。大小の黄色い詰め草で埋め尽くされた野原に寝転んだら、さぞかしいい夢を見そうなのに、そうそう簡単に共生できない事情があるのでしょう。

過去のきょう 2017 オニスゲ 2016 フキタンポポ 2015 オオヤマフスマ 2014 クサイチゴ 2013 マツバギク 2012 シロモジ 2011 アズキナシ 2010 シライトソウ 2009 ナツハゼ 2008 ギンリョウソウ 2007 ムシトリナデシコ 2006 ユスラウメ 2005 カルミア 2004 ソメイヨシノ

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