« 2018年4月 | トップページ | 2018年6月 »

5月31日(木) ニオイウツギ

180531nioiutugi
花のサイズと形、そして咲いた花が白から赤く色変わりしていく性質はハコネウツギとそっくりです。実際、ハコネウツギだと思って素通りしそうになりました。
ただ、ちょっと気にすると花筒の膨らみ方が急であるハコネよりもさらに過激かなと思えてきます。そこを確かめようと近づくと、かなりハッキリと白粉の香りがします。ハコネウツギがここまで匂うことはないので、なんじゃこれは!と色めき立ちました。
そこで改めて全体を眺めたのがこの写真で、たしかに幹と枝がハッキリするハコネと違い、株が叢生してワサワサしています。ハコネの変異種で、伊豆諸島に育つこれは、学名末尾に「var. fragrans」とついて、この香りが特徴なのでした。

過去のきょう 2017 コウモリカズラ  2016 クロヅル  2015 キハダ(雄株)  2014 コモチマンネングサ  2013 タチジャコウソウ(コモンタイム)  2012 コバンソウ  2011 アリウム・シュベルティ  2010 アーモンド  2009 ラカンマキ  2008 コウゾリナ  2007 サイカチ  2006 アスチルベ  2005 タチアオイ  2004 シロミミナグサ

| | コメント (0)

5月30日(水) カタヒバ

180530katahiba1
カタヒバの繁みから顔を覗かせたムラサキカタバミが立派に見えるほど、このシダは地を這うように育ちます。また、写真でわかるように陽光もそれほど厭わないので、シダのくせにヒバ(檜葉)を名乗ってもおこがましくは思えません。
180530katahiba2
細部を見るとじつに緻密なつくりです。これだけ鑑賞価値があり、コンパクトで性格が鷹揚とくれば、ウチで盆栽仕立てに…と考えてもおかしくありません。ネットではわりと手頃な値段も見つかるので、ちょっとグラッと来ています。

過去のきょう 2017 シシガシラ  2016 ゲジゲジシダ  2015 ナガエアオイ  2014 アカガシ  2013 アサギリソウ  2012 コアジサイ  2011 ウコギ  2010 セイヨウミザクラ  2009 キハダ(雌株)  2008 フデリンドウ  2007 ムギセンノウ  2006 コウホネ  2005 ヤナギハナガサ  2004 オオキンケイギク

| | コメント (0)

5月29日(火) オニシバリ

180529onisibari_2
寒さ厳しいころの勢いを失いつつある葉が、これが「夏坊主(オニシバリの異名)」であることを示しています。そして、その枝にルビーを発見しました。
130310_2
はっきりしない雌雄異株という困った性格で、春、この木に咲いた花はこんな具合(↑撮影:2013年3月10日)でした。オニシバリの花は、こことは別の場所のものも掲載していて、そこには白い葯と黄色い葯の花が並んで写っています。
それが雌雄の違いなのか、あるいは同じ性の花が葯の開き具合で違って見えるのか、いまとなっては判然としません。とにかく、今回載せた2枚の写真は同じ木なので、黄色く尖った4本の葯は雌花の特徴だったらしいことだけはわかります。
次の課題はその葯を掻き分けて、なかに雌シベが潜んでいるのを見つけること、そして白っぽい葯の花は実に変化しない(雄花である)ことを確かめることです。どうして男と女はこんなに面倒なんだろう…と愚痴の一つも言いたくなります。

過去のきょう 2017 アワブキ  2016 クロガネモチ  2015 ヘンルーダ(ルー)  2014 ツルマンネングサとメキシコマンネングサ  2013 ベニバナエゴノキ(アカバナエゴノキ)  2012 ナガミヒナゲシ  2011 ヒメシャガ  2010 イザヨイバラ  2009 カキネガラシ  2008 ヤマグルマ  2007 ハナミョウガ  2006 ガクウツギ  2005 ノビル  2004 ナツグミ

| | コメント (0)

5月28日(月) ハマボウフウ

180528hamabouhu1
生薬であるボウフウ(防風)が日本にないので、その代用品とされてきました。本来のボウフウはもっと繊細な感じで、こんな代用品でいいのか、心配になります。
製薬原料よりは、むしろおひたしや添え物としてよく使われます。ただ、写真のものくらいに育ってしまうと葉はかなりの硬さで、口に入れてみようという発想すら出てきません。へりの棘もけっこう痛くて、芽出しどきが勝負なのでしょう。
このハマボウフウは海岸の砂地に自生するというのに、食品としては海なし県の埼玉が一大生産地というのが笑えます。1枚目写真も、じつは同じように海にはほど遠い場所に植栽されていたものです。
Hamabouhu140622
このブログ的には、それだけだと情けないので、かつて沼津の海岸で撮った「ホンモノ」(↑)も載せておきます。かなり夕暮れが迫っていたのでボツにしていた写真なのに、もののついでで日の目を見ることができました。

過去のきょう 2017 シロアヤメ  2016 アリストロキア2種  2015 スターチス(リモニウム)  2014 シュロチク  2013 ヒシ  2012 ガマズミ  2011 アオハダ  2010 シャクヤク  2009 ノアザミ  2008 ミツガシワ  2007 オオバオオヤマレンゲ  2006 オモト  2005 サラサウツギ  2004 タイサンボク

| | コメント (0)

5月27日(日) ツタ(ナツヅタ)

180527tuta1
これがツタ(ナツヅタ)でいいのか、かなり及び腰の掲載です。
葉柄を残して葉身だけ先に散るというツタの生態に気づいたのは4年前でした。以来、そんな時間差離脱タイプの木に入れ込むことになった大きなきっかけです。
それほど自分にとっては意義深いツタなのに、その元々が3出複葉タイプだったという証拠写真が撮れないでいました。大きく3裂するその葉の付け根までしっかり分かれている若葉が見たいのに、探しても探しても会えませんでした。
それはどうやら街の塀を這うツタを見ていたからのようです。園芸的に育成されたものは、昔日の野生が薄れているのだろうと思い至りました。なので山に入ってみたら、しっかり付け根まで分かれている葉(↑)がありました。
180527tuta2
別の山で先月見つけたものも、これ、このとおり(↑)です。
ただ、冒頭に及び腰と書いたのは、これらがツタでいいのか不安だからです。2枚目の写真など、自分で撮るときは「ツタウルシか?」と思ったりしたものです。
しかし、ツタウルシならもう少し側脈が直線的で、しかも小葉にもはっきり柄があるはずなのです。ほかにも紛らわしいものがないか、かなり真剣に探した結果、消去法的ではあっても、これはツタなのだと思えてきました。
いずれ、これに実がついたり、真っ赤になって落葉することを確かめることができれば、そのときこそ心置きなく「ヤッター!」と独りごつことにしておきます。

<追録> 1本の蔓から出た2枚の葉(↓)です。右のものは間違いなくツタなので、ツタには3出複葉もあることがきちんと証明できました。
180527a
別の場所でも同じ蔓から違う形の葉が出ているのを確認(↓)です。ここでは「ふつう」タイプと3出複葉タイプだけでなく、中間的に2裂に進化?(片側だけ合着)した葉も見つけました。(撮影:2枚とも2018年5月28日)
180527b
<補注> ツタの花をとらえました。(2018年6月30日

過去のきょう 2017 タカノツメ  2016 ハゼノキ  2015 リンボク  2014 アルブカ・スピラリス 'フリズルシズル'  2013 ハグマノキ  2012 ムシトリナデシコ  2011 ギンラン  2010 ワニグチソウ  2009 テマリカンボク  2008 オヤブジラミ  2007 ヤグルマソウ  2006 クサイチゴ  2005 ツリバナ  2004 クリ

| | コメント (0)

5月26日(土) ヒナゲシ(ポピー)とシャーレーポピー

180526hinagesi
つい先日の新聞(地方版)に「秩父高原牧場でポピーが見ごろ」という記事を見つけ、グサッ! 先月、シベリアヒナゲシ(アイスランドポピー)を載せたとき、ふつうのヒナゲシ(ポピー)を収録し忘れたままだったことに気づいたのです。
「ヨーシ、秩父に行くか」と下調べを始めたら、そこに咲いているのはシャーレーポピーだとわかりました。知らない名前です。ポピーの園芸品種だそうで、ポピーではあってもポピーではないものを、わざわざ秩父まで…、意欲は萎みました。
で、1,500万本が乱れ咲く「天空のポピー」の代わりに、近場で「ちゃんとしたふつうの」ポピーを撮影(↑)です。たまたま真っ赤な一重でした。もちろん、ほかにオレンジや黄色や白もあるし、軽い八重咲きもあるはずです。
180526s_popy
そしてこちらが問題の(笑)シャーレーポピーです。英国で作出されたもので、件の牧場に限らず、いまやポピーと言えばこれ!という勢いです。
こちらも一重・八重ありの各色・覆輪咲きまでありで、「ふつう」との区別は「ちょっと派手かなぁ」くらいです。いまのところ、植えた人が添えてくれた名札が頼りという情けない状況で、なにか決定的見分けポイントがないか、模索中(注)です。

<補注1> シャーレーの花びらは、付け根に暗い沁みがない(ヒナゲシにはあり ↓ )という記述を見つけました。(2022年4月)
<補注2> ポピー類の見分けポイントを確認しました。(2022年5月18日
<追録> <補注1>の内容(ヒナゲシとシャーレーポピーの見分け)を証明する写真を載せておきます。(2022年5月24日)
Papaver_rhoeasShirley

過去のきょう 2017 ウワバミソウ  2016 カワラサイコ  2015 ウサギノオ(ラグラス)  2014 シナユリノキ  2013 オヤブジラミ  2012 ヤブデマリ  2011 アカマツ  2010 ギョリュウ  2009 マユミ  2008 イワカガミ  2007 ネメシア  2006 ワジュロ  2005 スイカズラ  2004 キョウチクトウ

| | コメント (0)

5月25日(金) ヤマウコギ

180525yamaukogi1
最初にウコギを取り上げたときはいろいろ種類があるとは知りませんでした。それから少しずつ知恵がつき、どうも単なる「ウコギ」というものはないようで、ふつうにウコギというとき、それはヒメウコギのことが多いらしいと気づいてきました。
厄介なのはヤマウコギをも単にウコギと称する人がいるらしいことで、要は「ウコギ」はヒメウコギとヤマウコギ、両方の別名と考えておくのがよさそうなのです。
で、これがそのヤマウコギだろうと思える木です。花柄が葉柄よりも短いというのがヤマウコギの一大特徴なので、そこを頼りにしてみました。
180525yamaukogi2
花が黄緑色というのはヤマウコギとオカウコギの特徴で、ヒメウコギはこれが白とされています。では黄緑のヤマとオカのうちこれをヤマとした根拠は?と言えば、目を1枚目写真に戻して鋸歯を見ます。オカは葉の先側の鋸歯が鋭いのに対し、ヤマはそれが目立たないそうで、まさしくこの木はヤマのようなのです。
ただ、気になる点がなきにしもあらずで、ヤマなら5枚の小葉が同じ大きさなのに対し、どうも頂点の葉が少しだけ大きいのです。
こういうときに使う便利言葉が「暫定」で、今後、ほかのウコギ類を見ることができてくれば、おいおいと区別もはっきりしてくることでしょう。
180525yamaukogi3
とりあえず今回は若葉があまりに食欲を誘ってくれたので、遠慮なくムシャムシャとやってみました。で、ここに「おいしかった!」と書くつもりだったのに、思惑はかなりハズレました。ジワーーーとくるほろ苦さ…、なかなかに通のお味でございます。

過去のきょう 2017 キウイフルーツ  2016 アジサイ・エンドレスサマー  2015 ウリハダカエデ(雌株)  2014 クマザサ  2013 シキザキアカシア  2012 アスパラガス  2011 エビネ  2010 ミツバウツギ  2009 ヒトリシズカ  2008 キハダ  2007 オオムラサキツユクサ  2006 ムラサキツユクサ  2005 センダン  2004 ハコネウツギ

| | コメント (0)

5月24日(木) ヤシャゼンマイ

Yasyazenmai0422
Yasyazenmai0517
上が4月22日、下が5月17日、それぞれまったく別の場所で撮りました。撮影環境が大きく異ったので写真の感じはだいぶ違っても、被写体のコンディションからは1カ月の時間差がそれほど感じられないところがポイントです。
つまり、この姿を安定して楽しめるということは、自宅に持ち帰る不心得者も出やすいわけで、どうにかして自然に留め置きたい美しいシダです。名前についたヤシャは夜叉(仏法の守護神の一)のことでしょうに、我と我が身を守る力がありません。
水辺が好きで、ふつうのゼンマイよりも葉が細身なのは流れが氾濫したときに水圧をかわすためと考えられています。ところが水辺を離れても暮らせる強さがあって、そのために野辺から消えて鉢植えにされる運命につながります。
きれいとか強いとか、人間だったらうらやましがられるであろう徳目も、野の草木にとっては逆に作用する不利な条件だなんて、考えたくはない話です。

過去のきょう 2017 カキツバタ(斑入り)  2016 アスパラガス  2015 ヤブヘビイチゴ  2014 クロジクアジサイ  2013 フランスギク  2012 カジイチゴ  2011 ノイバラ  2010 コウモリカズラ  2009 ヒメサユリ  2008 ネズミムギ  2007 ブラシノキ  2006 トキワツユクサ  2005 カルミア  2004 センダン

| | コメント (0)

5月23日(水) モミ

180523momi
モミの花ってこんなに盛大に咲く(?)んだなあ…と軽く感動しながらも、視線は落ち着かずにアチコチと動き回ります。雌花はどこじゃ? 雌花がない!
雄花ばっかり、こんなにブラブラしたって、相方がいなきゃどうすんだよ、とブツクサ言いながら、この日は少なくても10本以上のモミを見て回りました。なのに、捜し物は一つとして目の前に現れないのです。
モミの雌花、けっこう大きく(雄花の3~4倍)て、色も派手(薄紫)で、枝先に上向きにつくはずなのです。どんな節穴でも見落とすことはないでしょうに、なんなんだ、ここのモミどもは! 考えられるのは雌雄のズレでしょうし、もう一つ、「モミの雌花は毎年はつかない」という情報も気になります。根気の勝負でしょうか。

<補注> 同じ山で、モミの実生苗を見つけました。(2018年10月22日

過去のきょう 2017 ハンノウツツジとコアジサイ  2016 ハリグワ  2015 ハンショウヅル  2014 キンポウゲとウマノアシガタ(キンポウゲ)  2013 ツリガネカズラ  2012 スズメノエンドウ  2011 コウシンバラ  2010 シュロ(ワジュロ)  2009 キバナフジ  2008 ユキザサ  2007 コマツヨイグサ  2006 ジャガイモ  2005 オランダカイウ(カラー)  2004 トキワツユクサ

| | コメント (0)

5月22日(火) ミカワバイケイソウ(暫定)

180522mikawabaikei
望遠目一杯でも細部をとらえられません。邪魔しているのは足下のぬかるみで、歯ぎしりする思いの一枚です。お出かけ先で軽装備だったことが祟りました。
そして、撮るときも帰宅してからも、頭のなかは?マークの行進です。撮影地付近では、以前アオヤギソウを写しているので、最初はその線で考えました。しかし、大きなモニターで見れば、すぐにその可能性は消えます。もしやバイケイソウと疑ってみても、あの豪華ド・ドーン咲きとはあまりに佇まいが異なります。
それでも、その二者を考えたことが手がかりになり、ミカワバイケイソウという名前に辿り着きました。その前に候補となったコバイケイソウに比べると、「花柄が長くて花つきが散漫、葉が細い」などの特徴がミカワバイケイソウに該当します。
気になるのは撮影地が三河とはあまりにかけ離れた宮城県山中だったこと(注)です。あとで赤っ恥をかくことはしっかり覚悟の上で、エイヤッと掲載です。

<補注> ミカワバイケイソウは東海丘陵要素植物と知りました。特殊な土壌・環境に分布するものなので、上の写真の一品が自生品であることはありえず、やはりなにか別のもの(あるいは植栽品)である確率が高まりました。(2022年11月23日

過去のきょう 2017 サクラマンテマ(フクロナデシコ、シレネ・ペンデュラ)  2016 ウマノアシガタ  2015 イヌガラシ  2014 バリバリノキ(アオカゴノキ)  2013 ムラサキウンラン(ヒメキンギョソウ、リナリア)  2012 ハチク  2011 サクラバラ  2010 タチバナ  2009 ショウブ  2008 クヌギ  2007 ノースポールギク(クリサンセマム・パルドサム)  2006 ニオイシュロラン  2005 ニオイバンマツリ  2004 ユスラウメ

| | コメント (0)

5月21日(月) ベニバナニシキウツギ

180521benibananisikiutugi
「へー、こんな人里離れた場所にもベニウツギは生えるんだ」と軽く立ち去りかけた目の端で、その花筒が「ちゃう・ちゃう」と笑っていました。
180521benibananisikiutugi_z
シゲシゲ見つめ直すと、花筒の膨らみ方がなだらかで、花の開き具合も小さいこの花は、タニウツギ系統であるベニウツギではなく、ニシキウツギに近いように見えます。ベニバナニシキウツギというのがこの木の正体でした。
ふつうのニシキウツギの花が白から赤く変化していくのに対し、こちらは最初からこんなに派手な色合いです。ニシキウツギの変種なので、男の背丈よりもずっと高いわけで、どうにも山道には不似合いの賑々しい眺めでした。

過去のきょう 2017 コヤスノキ  2016 コウゾ  2015 ツルウメモドキ(雄株)  2014 チガヤ  2013 ニガキ(雄花)  2012 ノミノツヅリ  2011 オニタビラコ  2010 ケシ  2009 バッコヤナギ  2008 ザイフリボク  2007 クスノキ  2006 カスミソウ  2005 ユウゲショウ  2004 クレマチス

| | コメント (0)

5月20日(日) キバナカイウ(カラー・エリオッティアナ)

180520kibanakaiu
色合いがいいし、形がお洒落です。キバナカイウと呼ぶとちょっと興ざめなので、エリオッティアナという種小名をがんばって覚えてあげようと思います。
かつてふつうのお庭水辺と、性質の違う場所でそれぞれカラーを見かけてわけがわからなくなったことがありました。それがいまは余裕でエリオッティアナを眺められるのは、カラーには畑地性と湿地性の2タイプがあることを知ったからです。
もちろんこのエリオッティアナは前者で、鉢植えにしてふつうに育てられていました。どうやらこのエリオッティアナは葉に斑(ふ)が入る特性があるようで、葉脈に沿って白い点々が並びます。ふつう、斑と言えばそれこそ斑(まだら)模様のはずなのに、几帳面そうに並んだこの白点は理知的に見えるので気に入りました。

過去のきょう 2017 ホソバヒナウスユキソウ  2016 オヘビイチゴ  2015 ハタケニラ  2014 ホオベニエニシダ  2013 コチョウラン  2012 セイヨウサンザシ  2011 ケヤキ  2010 ハグマノキ  2009 アオダモ  2008 ヤブジラミ  2007 カルケオラリア  2006 ツルウメモドキ  2005 トベラ  2004 カキノキ

| | コメント (0)

5月19日(土) マルバシャリンバイ(シャリンバイ)

180519maruba_syarinbai_b
あちこちで植え込みにされている分には、シャリンバイというのはあまり変哲のない木なのです。ところが、調べていくとマルバシャリンバイとかタチシャリンバイ(注)とかいう名前が出てきて、その写真を見ると「ふつう」と区別をつけにくいのです。
試しに、このごろ頼りにすることの多いYListを見ると、マルバシャリンバイやタチシャリンバイ、あるいはアツバシャリンバイという名前はすべてシャリンバイの別名とされていました。ただ、マルバとかタチとかを別種と主張する学者さんもいるわけで、葉が心持ち丸っこくて(縦寸がない)鋸歯が控えめなこのシャリンバイを見かけた爺さんは、見も知らぬその学者さんをにわかに贔屓したくなるのでした。
こうなれば、あとはスッと立ち上がったヤツとか、葉がボッテリと厚ぼったいヤツを目撃しなければ済まないわけで、いやぁ、やっぱりこれ、「ふつう」でいいのかなぁ、とか急に怖じ気づいてしまって、その節操の無さに苦笑いです。

<補注> タチシャリンバイと思えるものを収録しました。(2020年5月28日

過去のきょう 2017 エルサレムセージ  2016 コバノハシドイ  2015 ツクバネウツギ  2014 アリウム・オストロスキアヌム(ベニオトメニラ)  2013 ツガ  2012 コウゾリナ  2011 カキツバタ  2010 ヒメグルミ  2009 ヒメツルニチニチソウ  2008 ヤマシャクヤク  2007 ツボサンゴ  2006 フランスギク  2005 チョウジソウ  2004 タチアオイ

| | コメント (0)

5月18日(金) オカタツナミソウ

180518okatatunamisou
ドクダミに覆われそうになりながらも、健気に咲いていました。茎の下の方に葉が見えないのは、こんな環境下で徒長したのではなく、もともとがこんなつき方(根もと側には小さな葉しかつかず、茎の上側で対生)なのです。
これがふつうのタツナミソウとの大きな違いです。あと、立浪トリオの末弟(注)と言えるコバノタツナミよりは草丈や葉のサイズが大きいので、迷うことはありません。
とは言え、これからのドクダミとの競争は心配です。ただ、こうしてここに育っているということは、多年草のしぶとさでもあるし、ひょっとしたらうまく種を稔らせ散布しているのかもしれません。今後の暮らしぶりに興味津々です。

<補注1> タツナミソウ属はこの3種に限りません。タツナミを名乗る草本は30種を超え、また、ナミキソウの仲間やコガネバナもこの属に含まれます。
<補注2> 4番目のタツナミとしてヤマタツナミソウを収録しました。(2022年5月24日

過去のきょう 2017 タテジマフトイ  2016 ケキツネノボタン  2015 キクノハアオイ  2014 バイカウツギ  2013 温帯スイレン  2012 ニガキ(雌花)  2011 ウラジロノキ  2010 コメツブツメクサ  2009 サンショウバラ  2008 チングルマ  2007 スノーキャップ  2006 オオバコ  2005 サラサドウダン  2004 アヤメ

| | コメント (0)

5月17日(木) キウイフルーツ

180517kiwi
ほぼ動物写真ではあるまいかと独り悦に入っています。柔らかく蔓を覆う新しい毛は、なんとその蔓の直径よりも深さがあるのでした。
こんなにいい陽気なのにこれだけ分厚い毛が必要だろうかとお節介なことを考えた矢先、気温がグンと下がり、シャツを1枚多く着込みました。調子に乗りがちなオジサンと違って、キウイフルーツは用心深い質(たち)なのでしょう。
花が開くころには葉の形がもっと丸いのに、出始めは意外に「ふつう型」だったこともささやかな驚きでした。実から花(雌雄異株)へと順を遡ってついにこんな渋いところに辿り着いたわけで、これからはキウイフルーツの味が深まりそうです。

過去のきょう 2017 サンザシ  2016 シマガマズミ  2015 カラミザクラ(シナミザクラ)とオオカンザクラ  2014 ギョウジャニンニク  2013 サルナシ  2012 ヤエムグラ  2011 トウバナ  2010 コゴメウツギ  2009 オオバナノエンレイソウ  2008 チゴユリ  2007 ユキノシタ  2006 ヘラオオバコ  2005 メキシコマンネングサ  2004 タイサンボク

| | コメント (0)

5月16日(水) コンロンソウ

180516konronsou
やや湿り気のある場所が好きな野草です。名前の由来は不明というのが図鑑的な見解でも、素人がパッと見で、「そりゃ崑崙山の雪でしょ」と思う姿です。
どだい、図鑑類だって漢字には崑崙を当てているわけで、そうかなとは思いながらも出典がないものは「不明」とせざるを得ないのが学者さんのつらさです。
190507konronsou
その「雪のような」花をよく見れば、これがアブラナ科タネツケバナ属であることを納得せざるを得ません。丈は膝を超えるほどあるし、葉はまるでキョウガノコを思わせる美しさのくせをして、道端の草の仲間というところに親しみを感じます。

<補注> 名前的に紛らわしいコンロンカはこちらです。

過去のきょう 2017 口紅シラン  2016 オオバウマノスズクサ  2015 キツネアザミ  2014 コハウチワカエデ  2013 コヒロハハナヤスリ  2012 カマツカ  2011 カジノキ  2010 ハクウンボク  2009 ジャケツイバラ  2008 コトネアスター  2007 ヒメヒオウギ  2006 カンボク  2005 ホオノキ  2004 ホオノキ

| | コメント (0)

5月15日(火) キンカン

180515kinkan
ナンジャモンジャも顔色を失いそうなほど、キンカンの花が満開でした。前に夏場の二番咲きを写して喜んでいたのが恥ずかしくなります。
そして、先週はナツミカンの花を載せたし、温州ミカンが豪華に花を咲かせているのもいまごろのことだったし…と柑橘類の開花の知識がつながってきます。そうそう、タチバナも5月だったし、レモンだってこのころに花を咲かせます。
爽やかに吹き渡る5月の風、涼やかに香る柑橘類の花、幸せな季節です。

過去のきょう 2017 ウメ(緑萼、リョクガクバイ)  2016 マメイヌツゲ  2015 ミツデカエデ(雌株)  2014 キクムグラ  2013 ガクウツギ  2012 ヒルザキツキミソウ(モモイロヒルザキツキミソウ)  2011 タチシオデ  2010 ヒメウツギ  2009 カッコソウ  2008 カマツカ  2007 キツネアザミ  2006 カラスビシャク  2005 シロミミナグサ  2004 エゴノキ

| | コメント (0)

5月14日(月) 野沢菜ほか

180514nozawana
信州飯山からどっさりの山菜が届きました。なかでも写真の4種は、おいしさへの期待もさりながら、ブログ素材としてうれしいものでした。
まずは野沢菜です。あのお漬け物は、こんな素朴なアブラナ科の一員から作られるのでした。葉身と葉柄が長くて、けっこうカラシナに似て(注1)います。
次席は根曲がり竹(注2)でしょう。これを素焼きにして3~4本載せたお皿が、飲み屋さんではいいお値段です。さて、ウチではどんな姿になることやら。
そしてヒラタケです。エリンギと同じ属になるので、傘よりは軸がポイント…ということはあとから知りました。無知とは悲しいことで、傘がヒラヒラ笑っています。
最後は独活で、袋には「山ウド」とありました。ウドと山ウドには区別がないそうで、これで過去記事の開花の様子と可食部の様子がつながりました。
ほかにはセリタラの芽クレソンが荷物に入っていて、天ぷらやお浸しだけでは食べ切れない量です。たぶん、おニューのタブレットでレシピを研究し、ウチの奥方が日持ちのするアテを作ってくれるのでは、と期待しています。

<補注1> 見かけはさておき、素性的にはカブ(蕪)の変種です。スキー客が「野沢菜」と呼び始めるまで、地元では蕪菜(かぶな)と言っていたそうです。
<補注2> 食品として根曲がり竹と称するものの植物的な名前はチシマザサ(千島笹)です。

過去のきょう 2017 メキャベツ  2016 トウダイグサ  2015 ベニバナダイコンソウ(ゲウム)  2014 ベニウツギとタニウツギ  2013 シライトソウ  2012 アメリカアサガラ  2011 アオハダ  2010 コンニャク  2009 ギシギシ  2008 オオカメノキ(ムシカリ)  2007 ヤセウツボ  2006 タラヨウ  2005 ゼニアオイ  2004 エゴノキ

| | コメント (0)

5月13日(日) ヒヨクヒバ(イトヒバ)

180513itohiba
<タイトル訂正> 本記事の当初のタイトルは単に「イトヒバ」でした。4カ月後、イトヒバは別名であり、標準和名はヒヨクヒバとわかったので、タイトルを上のように訂正します。なお、以下の記事は当初のままです。(2018年9月6日
----------------------------------------------
神社の境内にあった大木です。名札がついていたので、一応それを信じて調べると、イトヒバとはサワラの園芸品種でした。言われてみれば、たくさんついている小粒の実がサワラのそれで、科の代表であるヒノキの血筋ではないとわかります。
ならばイトサワラとしてくれれば…というのはいつもの悲憤慷慨ながら、ヒバ(檜葉)というのはヒノキもサワラも一括した呼び方なので、怒りは的外れになります。で、どこが糸なんだよ!と矛先を変えると、葉の先がピロピロ垂れてあざ笑っています。
さらにこいつが面倒なのは、ヒヨクヒバとは同じものだとか違うものだとかあやふやなことです。そのヒヨクヒバ、かつて近所の庭で不思議な針葉樹と思って撮影して、さんざん調べてその名前に行き着いた記憶があるのです。
ところが、ブログにも増補版にもその痕跡がなく、このごろあのお庭の木も見かけていない気がします。一期一会、いかにも身に滲みる言葉です。

<追録> 本文を抹香臭く締めてから、用足しに近くのお寺に行きました。そしたら、仏縁ってホントにあるんだなぁと、けっこう感動して帰ってきました。
そこの駐車場の脇にあった2本の木、これはイトヒバではありませんか。記事を書いた数時間後ですから、仏さま、すごいです。
180513itohiba2
庭木風に刈り込まれていたので、気になっていた葉裏も写せました(↓)。これはたしかにX型から転じた蝶ネクタイタイプで、サワラの系統に間違いありません。
ただ、通常の葉とは違い、「糸」になった葉の気孔帯は間延びしてしまって、何型とは言えない様相です。それが結局は「糸」部分がふつうの葉の異常生長であることを示していて、仏さまのおかげで糸の秘密にまで迫ることができました。ありがたや!
180513itohiba3

過去のきょう 2017 シナユリノキ(とユリノキ)  2016 ウンシュウミカン  2015 マロニエ(セイヨウトチノキ)  2014 マツバトウダイ(ユーフォルビア・キパリッシアス)  2013 ムレスズメ  2012 カイジンドウ  2011 キンラン  2010 ミツデカエデ  2009 スイバ  2008 アマドコロ  2007 サワフタギ  2006 ミヤコワスレ  2005 セイヨウオダマキ  2004 ソラマメ

| | コメント (0)

5月12日(土) ツメクサ

180512tumekusa1
継ぎ目の王者・ツメクサです。舗装の隙間を埋めている草の7割はこれなんじゃないかと思うくらいで、地味でも「自分の生活圏」をしっかり確保しています。
180512tumekusa2
ツメクサと聞いてふつうに思い出すのはいわゆるクローバーの方で、あちらは漢字だと詰草です。対してこちらは爪草で、葉の形が鳥の爪のようだからと一般には言われます。ただ、切った爪の屑みたいという異説もあって笑えます。
180512tumekusa3
もちろん、ふつうの地べたが嫌いなわけではなく、踏みつけに遭わなければ10cm前後には立ち上がります。ただ、そうしてヌクヌク育つ爪草はどことなく間が抜けて見えて、ギリギリの環境下で身を寄せ合う姿に美を感じてしまいます。

過去のきょう 2017 キエビネ  2016 コウヤワラビ  2015 ヘラオオバコ  2014 マルバウツギ  2013 セイヨウジュウニヒトエ(アジュガ・レプタンス)  2012 チャンチン  2011 ハクウンボク  2010 オオカワヂシャ  2009 タラヨウ(雌花)  2008 オトコヨウゾメ  2007 アメリカフウロ  2006 カラマツ  2005 ヤマボウシ  2004 カナメモチ

| | コメント (0)

番外編 : A97QT(ドスパラのタブレット)

A97qt_2
かつてリビングパソを作っていて、TVの大画面でPC機能を使うのはとても便利ではあるのです。ただ、ここまでスマホに馴染んでしまうと、PCを起動し、TVをつけて入力モードを換えて、しばし待つ…これがじれったいのです。かと言ってスマホの画面は、5.2インチ(写真右側)とは言えやっぱり見にくいし使いにくいのです。
こんな帯タスキ状態で考えることと言えば、当然にタブレットです。しかし、つい先日発売されたiPadがずいぶんリーズナブルになったと喧伝されても、軽い気持ちで買うには当方の財布が軽すぎました。
Zaikogire_2
そんなこんなで悶々たる日々を暮らすなか、ふと気づいたら、マイナーな存在ながらもスゲーものを見つけました。設定価格のほぼ半値という衝撃特価にグラッとしながら、ポチッの前に冷静にスペックの検討です。
Rockchiという聞き慣れないCPUでも、一応はクアッドコアです。メモリー4GB、ストレージ32GB、電池7,200mAhって、この値段でホントですか!?と思います。画面は9.7インチ、10に少し欠けるのも渋くていいじゃないですか(iPadと同じだし)! Androidが6.0なのがご愛敬でも、別に最新OSじゃなくても、6.0で十分だったし。。。
で、木曜の夜にポチッとしておいたら、今朝届いて、夕方帰宅してから、ウシシと開いてみて、なーんにも手間いらずで、あーらステキですよ。十分ですよ。これさえあればPCいらず、スマホいらず!! きれいです。速いです。スマホでやっていたこと(おもにネットサーフィン)は、これでなんのストレスもありません。
そして、「ヤッター感」が強いのは、きょうはすでに「在庫切れ」になっていたこと(ポチッしたとき、たしか在庫3台)です。ナイス判断、クレバーな衝動買いでした。中華タブでもこれくらいの機能と値段のものはあるにしても、やはり「国産」は安心です。ドスパラ、えらい! 日本、すごいぞ、チャッチャッチャ~!!!

<追録1> 「あれから1年」レポートです。バッテリーの7,200mAhは、やや眉唾でした。当初性能はそうかしれなくても劣化は早くて、このごろはマメな充電が欠かせません。あと、画面に赤い筋が1本入るようになりました。基本性能は問題ないので、「ドスパラ、えらい! 」評価はそのままにしておきます。(2019年5月12日)
<追録2> できれば書きたくなかった<追録2>です。<追録1>から1年7カ月、ドスパラ・A97QTはほぼ実用に耐えなくなってしまい、当家タブレットは二代目となりました。(2020年12月15日
<追録3> 恥の追録です。ほぼ使用不可状態になり、ストレージを破壊してから捨てようとシゲシゲと筐体を眺めていたら、「INPUT 5V/2A | MADE IN CHINA」という刻印を見つけました。よく調べもせず1A充電していて「遅いなあ」と非難していた自分がバカでした。てっきり国産と思い込んでいた自分はアホでした。(2020年12月28日)

| | コメント (0)

5月11日(金) ナツミカン(ナツダイダイ、ナツカン)

180511natumikan
やはり実のサイズが大きい分、花も堂々としたものでした。以前、ナツミカンはいつごろから食べられるものかわからなくて、農家のご主人におねだりして、木についたままの実を自分で収穫させてもらったことがありました。
あれが3月の初めだったので、2カ月して花の時期ということでした。写真左奥にしなびた実らしきものがあるので、柑橘類らしく、花と実のツーショットも不可能ではない(↓)ことが覗えます。それはまた次の楽しみとしておきましょう。

<追録> 狙いどおりのツーショットが撮れました。(撮影:2020年5月11日)
200511
<補注> 甘夏(カワノナツダイダイ)かなと思われる木が実を残したまま開花していました。(2023年5月1日

過去のきょう 2017 レモン  2016 カシグルミ  2015 タラヨウ(雌株)  2014 ニガナ  2013 サンショウ  2012 クサソテツ  2011 カマヤマショウブ  2010 ハナイバナ  2009 ネコノメソウ  2008 クマガイソウ  2007 ナニワイバラ  2006 セリバヒエンソウ  2005 ポポー  2004 スイカズラ

| | コメント (0)

5月10日(木) ヤガミスゲ

180510yagamisuge
牧野博士によると「あたかも金平糖」だそう(花穂の姿)で、図鑑にこういう記述があるととても親しみが湧くし、記憶しやすくなります。
ところが、その記憶したい名前の「ヤガミ」が問題で、「地名と考えられる」とはしていても、それが具体的にどこかの言及がありません。それどころか、ヤガミという音を充足する漢字には、矢上を筆頭に八神・矢神・弥上・八上などがあり、ちょっと特殊になると山神や岩神と書いても「やがみ」と読む始末です。
そんな「やがみ」が日本全国に点々と散らばっていて、このスゲの本拠地はさっぱり特定できません。水気を好むという特性も、分布は全国にわたるので、あまりにも茫漠としたプロフィールにしかなりません。
要は、自分にわかるのは「金平糖」だけという情けない話です。とは言いながら、この金平糖から白いヒゲ(柱頭)が出たり小さな葯がこぼれたりするのをこれから眺めているうちに、ヤガミスゲという名前を丸呑みしたいものと目論んでいます。

過去のきょう 2017 ヤマドリゼンマイ  2016 シラー・ペルビアナ(オオツルボ)  2015 トコナツ  2014 ジングウツツジ  2013 アレナリア・モンタナ  2012 トラフクロマツ  2011 マメヅタ  2010 モッコウバラ(白八重)  2009 エゾネギ(チャイブ)  2008 シャリンバイ  2007 ウスバサイシン  2006 セッコク  2005 ヤエコデマリ  2004 オオムラサキ

| | コメント (0)

5月9日(水) ウグイスカグラ

180509uguisukagura
「ない」ということを証明するのはわりと面倒なことで、小指の先より小さな実にここまで迫らざるを得ませんでした。これではウグイスカグラの実がまるで林檎かマンゴーに見えてしまいます。
なぜにそこまでデカク写さねばならぬのかと言えば、実の表面がツルツルだぞと主張したい、つまりミヤマウグイスカグラ、あるいはヤマウグイスカグラとは違うのだということを証明したいからなのです。
当然ながら、食べやすさはミヤマウグイスカグラの実よりもずっと上でした。ただ、なにか物足りないというか、ジュベッとぬるくて甘いだけでした。あの腺毛が案外に味のポイントなのかなぁ…と、10年前よりも余裕の感想を述べてしまいます。

過去のきょう 2017 ドクウツギ  2016 シャクナゲ  2015 ハンカチノキ  2014 ヤナギトラノオ  2013 ボタン  2012 ヤエムグラ  2011 スイバ  2010 オニグルミ  2009 コエンドロ(コリアンダー)  2008 クレマチス・モンタナ  2007 オオアブラギリ(シナアブラギリ)  2006 イチゴ(優香)  2005 オオデマリ  2004 ミズキ

| | コメント (0)

5月8日(火) ヒメイズイ

180508himeizui1
終わった花のなかには青い実が潜んでいて、アマドコロと同じしくみであることがわかります。ただ、茎が斜めに撓うアマドコロに対し、こちらは草丈が小さく(15~30cm)て直立するので、雰囲気にはずいぶん差があります。
葉が小判型であるところも、ほかのこういう系統の草類とは一線を画します。
180508himeizui2
こちらは花が開く前の様子です。なんて大きな手なんだと自分で呆れつつ、これの方がスケール写し込みよりもずっとわかりやすいと自画自賛です。
で、文字化け防止のためにこの写真に貼り付けた漢字が「いずい」です。アマドコロの漢名だそうで、どうしてこういう「ちょっと違うもの」にはわざわざむずかしい名前を持ち出すのか、やけに腹立たしいことです。
サンカヨウしかり、マルバオウセイしかり、ニオイカントウなんてのもありました。こういう教養の垂れ流しは、この世界の一種公害ではあるまいかと憤激するフリをしながら、「へへ、いっぱい覚えたぞ」と目尻を下げる爺さんでした。

<補注> 花が開いた様子はこちらです。

過去のきょう 2017 ペチコートスイセン  2016 トガクシソウ  2015 クジャクシダ  2014 モモイロハナエンジュ(バラアカシア)  2013 ツタバウンラン(ツタガラクサ)  2012 クレマチス・アーマンディ  2011 カジノキ  2010 ハイノキ  2009 ツボスミレ(ニョイスミレ)  2008 イヌガヤ  2007 ヒイラギソウ  2006 リムナンテス  2005 アサツキ  2004 ウツギ

| | コメント (0)

5月7日(月) カザンデマリ(ヒマラヤトキワサンザシ)

180507himarayatokiwasanzasi
冬に、この木の真っ赤な実が雪崩を打つようだったところをとらえています。そのときは、ヒマラヤトキワサンザシ(注)とふつうのトキワサンザシの見分けは微妙で、「自分の感動具合が尺度」などと勝手を言ったものです。
それは花も同じことで、これだ!という相違点が見当たりません。ただ、花びらがやや垂れ気味で、その1枚の寸法も「ふつう」より長めに見えます。
葉も、スラリと細長いのはトキワサンザシと区別しにくくても、こちらの方の中央部がわずかばかりふっくらしているように思えてきました。
というわけで、「なんとなく」といういい加減な感覚ではあっても、実・花・葉と繰り返し見てくると、だんだんに区別がついてきました。その積み重ねが砂上の楼閣となることもままあるのが悲しいところでも、いまは自分の目を信じておくことにします。

<補注> この木の標準和名はカザンデマリ(華山手毬、華山は原産地・中国陝西省の地名)でした。記事本文は元のまま、タイトルを修正します。(2018年冬)

過去のきょう 2017 シロヤシオ(ゴヨウツツジ)  2016 ヒメシャクナゲ  2015 エニシダ  2014 ツリガネズイセン(ヒヤシンソイデス・ヒスパニカ)  2013 ウラジロノキ  2012 サクラソウ  2011 ヒメハギ  2010 マルメロ  2009 アメリカイワナンテン  2008 ヒルガオ  2007 スイートピー  2006 ベニバナツメクサ  2005 モモイロヒルザキツキミソウ  2004 ハリエンジュ(ニセアカシア)

| | コメント (0)

5月6日(日) シロバナツタバウンラン

180506sirobanatutabaunran
住宅街で見つけました。塀をかいくぐり、道路にはみ出ていて、見るからに精力絶倫系の姿です。「う、スマホしかないのに白花かぁ」、一瞬ひるみました。
やはりこんな写りでした。いろいろ角度を変えてはみたのに、これで精一杯でした。まあ、花のつくりはツタバウンランと同じだから、潰れててもいいか…と撮影時点で考えていたのだから、正体にはアテがついていたものでしょう。
調べると、ズバリそのままの名前でした。ふつうのツタバウンランなら、花はもちろん、葉の縁とか茎に赤みが注すのと好対照に、まったくその気がありません。そして、その白い茎がかなり自由奔放で、ツタバウンランよりも目立ちます。
学名( Cymbararia muralis )はツタバウンランと区別がないので、同品種扱い(注)ということのようです。これだけ違うのにそりゃないよ!というシロバナツタバウンランの気持ちは、ワタシがしっかり代弁してあげることにします。

<補注> C. muralis f.albaとする考えもあるようで、これに従って和名もシロバナツタバウンランとしました。

過去のきょう 2017 コバノタツナミ  2016 ヤマガラシ  2015 セキチク(カラナデシコ)  2014 コバノガマズミ  2013 ハッカクレン  2012 ハイノキ  2011 チョウジガマズミ  2010 カンザン(関山)  2009 シュロ(ワジュロ)とトウジュロ  2008 オサバグサ  2007 ピラカンサ  2006 オーニソガラム  2005 キリ  2004 ヤマボウシ

| | コメント (0)

5月5日(土) クマイチゴ

180505kumaitigo
カジイチゴにせよ、モミジイチゴにせよ、クサイチゴにせよ、仲間はたいがい植物がらみの名前なのに、このイチゴはクマさん用とされてしまいました。
たしかに、熊でなければこの木には触りにくいほど、あちこちチクチクします。葉裏にまで立派な棘があって、油断して触って「イテテ!」とやってしまいました。その葉があちこち傷だらけなのは、たぶん「自損事故」だろうと推察します。
残念ながら花はすでに終わって、苺にはまだ早い時期でした。たぶんこの山に熊はいないはずなので、代わりに味見してあげる気が満々です。

<追録> 1カ月後、熊さんに邪魔をされずに味見をすることができました。甘くてジューシー、種は小さくて、飲み込んでも気になりません。(撮影:2018年6月7日)
180607kuma_mi

過去のきょう 2017 ショウキウツギ  2016 ヤチヤナギ  2015 キクザクラ  2014 ニワナズナ(アリッスム)  2013 トドマツ  2012 ムラサキカタバミ  2011 ジョウリョクヤマボウシ  2010 タブノキ  2009 ダイコン  2008 ナラガシワ  2007 イチハツ  2006 ハナイカダ  2005 ユリノキ  2004 ムクロジ

| | コメント (0)

5月4日(金) サンカヨウ

180504sankayou
ついにサンカヨウの花まで辿り着きました。なにせ、出会いは切手の絵柄であり、その生育環境からして、たぶん実物を見ることはないと諦めていました。
それが、3年前には実を見ることができ、そしてついに花です。この蟹のような蝶のような葉にも、なにか少し馴染んでしまいました。画面左側の大きな葉には花穂はつかず、形は同じでも小型の葉の方に花はつくしかけでした。
さてこうなると、あとは念願である花のガラス状態です。前の晩にしっとりじっとり雨が降ってくれた快晴の朝…なんていう都合のいい日に、この時期のこの場所に再び立つことができますように! 長生きすべき動機を花にいただきました。

<補注> カヨウは荷葉と書き、ハスの葉のことでした。「山に生えるハスの葉」だなんて、目がどうかしてんじゃないの!?というのは、ごく個人的な感想です。
<追録> 同じ場所を再訪したら、花はすでに終わり実になっていたものの、その色はまだ緑でした。(↓撮影:2018年5月17日)
180517

過去のきょう 2017 セキショウとショウブ  2016 ビオラ・つぶらなタヌキ  2015 ハハコグサ  2014 ダイオウグミ  2013 ゼンマイ  2012 イチハラトラノオ(市原虎の尾)  2011 セイヨウバクチノキ  2010 ベニシダ  2009 トウカエデ  2008 ニワトコとムベ  2007 キモクレン  2006 ヒメコウゾ  2005 スズラン  2004 ハルジオン

| | コメント (0)

5月3日(木) ウラジロウツギ

180503urajiroutugi
ふつうのウツギにしては咲くのが少し早くないかい?と呟きながら近づきました。開花時期的にはヒメウツギかもとは考えても、木が少し大きめです。
一枚だけ持ち上げた葉がこのウツギのポイントで、裏が白みがかっています。ウツギよりも大きめで先が長い形も、見分けの頼りになりそうです。

そう言えば、この○○ウツギという種類が多すぎたことが、増補版に「逆引き・植物名検索」を作った動機でした。いいアイデアだと自画自賛したものの、通常のリスト(エクセル)でフィルターをかければ済むことなので、いまは氷付けです。
久しぶりにその逆引きでウツギを引いたら、そこには11種類が載っていました。対してこのブログにはこれが23種類目の収録になります。逆引き凍結後ほぼ10年で倍増したことを喜ぶべきか、まだその程度?と焦るべきか、微妙です。

<草木365日過去掲載のウツギ・和名50音順> 1. ウツギ 2. ウツギ・マギシエン 3. ウメザキウツギ 4. ガクウツギ 5. カナウツギ 6. コゴメウツギ  7. サラサウツギ 8. ショウキウツギ 9. シロバナヤエウツギ 10. タニウツギ 11. ツクバネウツギ 12. ドクウツギ 13. ニシキウツギ 14. ノリウツギ 15. バイカウツギ 16. ハコネウツギ 17. ハナツクバネウツギ 18. ヒメウツギ  19. フサフジウツギ 20. ベニウツギ 21. マルバウツギ 22. ミツバウツギ

過去のきょう 2017 ウバメガシ  2016 ヤドリギ  2015 チリメンガシ  2014 サギゴケ(ムラサキサギゴケ)  2013 ニッサボク  2012 セイヨウタンポポ  2011 シライトソウ  2010 ヘビノボラズ  2009 ギンラン  2008 フサスグリ  2007 シュンギク  2006 ムクノキ  2005 ワスレナグサ  2004 カリフォルニアポピー

| | コメント (0)

5月2日(水) タマノカンアオイ

180504tamanokanaoi
180502tamanokanaoi
いままで掲載したカンアオイ類(↓)と比べると、茎があまり目立ちません。したがって、かなり地面に這う感じで、写真も撮りにくい被写体でした。
疎林の上空は緑が深くなったとは言え、足下はまだ落ち葉だらけです。こんな奇異な姿でも光合成は必要なのだろうし、それにしては邪魔者を掻き分けるほどの勢いはなさそうだし、じつに微妙な育ち方をするものです。
園芸種ではないのに葉に淡い斑紋があって、これもこのカンアオイの特徴です。

<収録済みカンアオイ類>カンアオイ( a.) ☆ カンアオイ( b.) ☆ ヒメカンアオイ ☆ コシノカンアオイ ☆ センカクアオイ

過去のきょう 2017 キバナオドリコソウ(ツルオドリコソウ)  2016 コイヌガラシ  2015 シャクヤク  2014 マルバアオダモ  2013 カントウタンポポ  2012 シロダモ  2011 カジカエデ(オニモミジ)  2010 クヌギ(雌花)  2009 キンラン  2008 マイヅルソウ  2007 ジュウニヒトエ  2006 カキドオシ  2005 シラー・ペルビアナ(オオツルボ)  2004 カリフォルニアポピー

| | コメント (0)

5月1日(火) ナギ

180501nagi_m
ナギの雄花を見つけました。時期的に早過ぎかと案じながらも、しつこく枝を眺め回した成果です。寸法的にあと2~3倍大きくなると葯の様子がもっとハッキリするでしょうから、このごろ多用している<追録>が、この記事には必須です。
180501nagi_f
雄花が出ていたことに意を強くして、別の木も探しまくってみました。その木には雄の花穂はまったく見つからず、代わりにこんな突起物がありました。雄株ではないから雌株だろうという消去法によって、これを雌花(の芽)と推定しました。(追録参照)
なにせ、今回写した木は両方ともお初なので、実をつけていたか・いなかったか、雌雄の別をそもそも知りません。雄株の方には疑いがなくても、この「雌花らしきもの」の後日検証は不可欠です。カレンダーにしっかりマークです。

<追録> 悪い癖で、上の写真を撮ったのとはまた別の場所で雌雄のナギをチェックしました。しかし、成果としては大収穫で、これぞ雌花です(↓)。
決してピンぼけではなく、なにかオブラートを1枚被ったような、しかし、これがあの実になるのだろうという塊はハッキリとわかります。
180506mebana
そして、雄株(↓)では葯がかなり盛り上がってきました。ここの雄株は接写が不可能な高みにしか花がついていなかったので、これが一杯一杯の画像です。
180506obana
さらに、これ(↓)は雄株と雌株、どちらでも見られた芽です。出方や形からして、どうやらこれは葉芽です。そして、1日の記事の2枚目写真は雌花ではなく、どうやらこの葉芽だったようです。
180506youga
自分の勘違いは早めに解消できたし、本当の雌花はすぐに見つけられたし、ことがずいぶんうまく捗っています。この調子で「追録2(雌花のその後) 」をここに続けられれば、ナギもおおよそマスターです。(2018年5月6日)

<補注> 「豊穣の稔り」に出会いました。(2019年7月25日

過去のきょう 2017 ダンコウバイ  2016 シマセンネンボク(ドラセナ・フラグランス・マッサンゲアーナ、幸福の木)  2015 タラヨウ(雄株)  2014 アツモリソウ  2013 チシャノキとマルバチシャノキ  2012 ヨウラクユリ(フリチラリア・インペリアリス)  2011 イヌリンゴ  2010 セイヨウシャクナゲ  2009 ユズリハ(雌花)  2008 ハシリドコロ  2007 チャボタイゲキ  2006 カシワ  2005 シラン  2004 ベニバナトチノキ

| | コメント (0)

« 2018年4月 | トップページ | 2018年6月 »