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4月30日(月) フタマタイチゲ

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うーん、名前がどうも…。別にこのイチゲさんがA男とB也の二股かけているわけではなくても、フタマタという響きとこの貞淑そうな花とがチグハグです。
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じつは深裂して360度の広がりを持つように見えるこの葉は2枚なのです。葉の下部で茎が分岐し、そのそれぞれから出た葉があたかも1枚に見えています。
なにも、そんな裏側を覗いて名前をつけなくてもよさそうなものなのに、学者さんの感覚はストレートなものです。「じゃあ、お前ならどうする?」と自問して出た答えは「八つ裂き一華」でした。せっかくのうららかな春がギュッと冷え込みます。

<補注> 早春植物だと思っていたら、夏に入っても元気でした。(2019年6月18日

過去のきょう 2017 キズイセン(イトバスイセン) 2016 キバナルリソウ(セリンセ・マヨール) 2015 カキドオシ 2014 アズキナシ 2013 クワガタソウ 2012 フゲンゾウ(普賢象) 2011 ヤマナシ 2010 フゲンゾウ(普賢象) 2009 イヌスギナ 2008 ツリガネズイセン(ヒヤシンソイデス・ヒスパニカ) 2007 ゴウダソウ 2006 ウンゼンツツジ 2005 ナガミヒナゲシ 2004 トチノキ

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番外編 : 虫の名前メモ(2018年4月)

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<ベニコメツキ> 翅の深いオレンジ色が魅力です。加えてこの触覚です。惚れてしまいました。脇にいる芋虫は正体不明です。
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<クロウリハムシ> ベニコメツキとは反対のカラーリングです。見かけてレンズを向けるとすぐ逃げるので、焦ってブレました。
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<ユウマダラエダシャク> これはゴージャスです。そして、落ち着いています。もしかして死んでる?と思って触ったら、ヒラヒラ飛んでいきました。名前からして夕方が活動時間帯らしく、お昼寝中だったのでしょう。

<補注> 同じエダシャクと思われる蛾を再掲しました。(2024年6月21日

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<スジベニコケガ> 冗談でしょ!と笑ってしまいました。色合いにも絶句だし、背なか(肩)にはなんと人面を背負っています。神様がヒマだったんでしょうか。
Agehamodoki
<アゲハモドキ> 笹の葉に綿ゴミ!と思ったら、ニュクッとそれが動きました。ウォッとビビるこちらを尻目に、ニニョッ、クニッと動いて、これでは擬態の意味がありません。
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<クロハネシロヒゲナガ・雄> 金色の翅に惹かれて近づいたら、ワ、なんですかそのヒゲは! そんなんで飛べるんかいとからかったら、ヨタヨタと飛んで行きました。
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<クロハネシロヒゲナガ・雌> 金ピカの翅は同じでも、雄よりひとまわり大きい雌です。触角も雄とはぜんぜん違って、 短くて先に細かい毛がたくさん生えていました。
Kibaraherikamemusi
<キバラヘリカメムシ> ほかのカメムシよりはグッとスマートで、カラーリングもシックです。こういう色使い、ちょっと真似てみようかなと誘われます。
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<オオチャバネセセリ> 前に掲載したのは単独行動だったのに、今度はラブラブ状態です…と言いたいところでも、お二人の関係は不明です。
左のお方があとからやってきて、最初は左手の花をチューチューしていたのに、だんだん移動して、右の花に移りました。ちょっかい出された感じの右側のお人は、プイッと飛んでいってしまいました。

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4月29日(日) マンゴー

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へー、マンゴーってこうやってできるのでした。これでいま指の先くらいだったので、全部の実が食べられるサイズまで大きくなったらすごいことです。1個500円として、ヒーフーミー…、うひょー、マンゴー農家、バンザイです。
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同じ木なのに、まだ結実していない枝もあります。雌雄同株ということはわかっても、拡大してみたところでなにがどうなっているのか判然としない花なので、だいたいの眺めだけにしておきます。細長い葉が特徴的な大きな木でした。

<追録> 6月はじめの沖縄に行ったら、露地でこんな風に実が大きくなっていました。(撮影:2018年6月3日)
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過去のきょう 2017 ヤマブドウ 2016 アズサ(ヨグソミネバリ) 2015 ナツグミ 2014 クサタチバナ 2013 アリドオシ 2012 ヒメオドリコソウ 2011 ヒノキ 2010 メグスリノキ(雄花) 2009 マムシグサ 2008 エンレイソウ 2007 サルトリイバラ(サンキライ) 2006 ムサシアブミ 2005 モチツツジ 2004 イトザクラ(シダレザクラ)

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番外編 : 金と銀

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相次ぐメダルに湧いたピョンチャンも、過ぎてみれば遠くになりにけりで、あのころの寒さはどこへやら、野ではキンランが花盛りの季節となりました。
初めてその存在を知ったころの貴重品扱いはどこへやら、撮り方に窮して、葉に花の影を映してみました。ツワブキやらハナイカダやら、ホソバタイサンボクやら、影絵遊びはわりと自分の趣味みたいです。
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さて、こちらはキンランよりもむしろ稀少と思えるギンラン…ゆえにふつうに撮ったのではありません。光線状態がまったくダメなのは大きな建物の陰だったからで、なんと、住宅地の斜面でこれを見つけてしまいました。
キンランは映像遊びの対象となり、ギンランはついに子供に踏みつけられそうな場所で見られるようになったとは、日本、ひょっとして再生がなりましたか?

<補注> 同属のササバギンランを収録しました。(2023年4月28日

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4月28日(土) キバナイカリソウ

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ほんのりとして心安らぐ色合いです。ふつうのイカリソウの花色だと、異形の姿がやたら強調されてクドクドしいのに、こちらはとても清純な感じです。
ただ、前にたくさんの株が寄り集まったところを撮影した記憶があります。それなのに、過去掲載リストにキバナイカリソウが出てきません。つい4日前にシラネアオイがない!と焦ったのと同じです。どうも、春は載せたいモノが目白押しで、後回しにしたまま過去ファイルに埋もれているものがこのほかにもあるようです。
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探したら、すぐに出てきました。それほど悪い写真でもないし、やはり上記の経緯で出しそびれてしまったものでしょう。あるいは、真んなかに写った花茎がチョン切れているのに心を痛めたものか、過去の自分に問いかけても答えは出てきません。

<補注1> 花色は同じ黄でも、洋物のイカリソウ(エピメディウム・ペラルデリアヌム)は雰囲気がずいぶん違いました。(2019年4月29日
<補注2> キバナイカリソウが種をつけていました。(2024年4月20日

過去のきょう 2017 ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ) 2016 マキノスミレ 2015 タンチョウソウ(イワヤツデ) 2014 ナニワイバラ 2013 キンギョソウ(矮性種) 2012 イチヨウ(一葉) 2011 チョウセンレンギョウ 2010 つがる(セイヨウリンゴ) 2009 キンギンボク(ヒョウタンボク) 2008 ベニバスモモ(ベニスモモ) 2007 カントウタンポポ 2006 リュウキンカ 2005 モミジバフウ 2004 コデマリ&オオデマリ

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4月27日(金) シダレヤナギ

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あれからほぼ1カ月、柳絮にはまだ早過ぎるだろうとは思いながら、なにせ存在の稀有な雌株ですから、念のために訪れてみました。うぉ、白く輝く穂があります。シダレヤナギの奥様は、やたらとせっかちなお方でした。
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もっとも、まだ実の熟していない穂もあって、この先まだ少し、この真っ白の綿毛はフワフワと空中を漂ってくれそうです。
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この写真の下部の目盛りは定規で、刻みは1mmです。したがって、拡大した写真は実物のほぼ10倍ですから、この綿毛の繊細さがわかります。毛についているであろう種は、この日はまったく確認できませんでした。
それでも、ジッと上を見上げていると、ポッと白いものが空を飛びます。それを撮ろうとはしたものの、どこから出るか、どっちへ流れるか、さっぱり予測不能で、綿毛の飛び交うシーンはまたの機会にしておきました。

過去のきょう 2017 ムラサキヤシオツツジ 2016 ブナ 2015 セイシカ 2014 ヒナソウ 2013 カイノキ 2012 ガザニア(クンショウギク) 2011 シナレンギョウ 2010 チドリノキ(雌花と雄花) 2009 ユズリハ 2008 ワサビ 2007 シロバナアケビ 2006 カブ 2005 ゲンゲ(レンゲソウ) 2004 ハナズオウ

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4月26日(木) マルバオウセイ

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花粉媒介者としての蜜蜂は写っているし、花やら茎やらにも当然ながら目は行くものの、この写真のキモは葉の形です。その幅がじつに福々しくて、ふつうのナルコユリとはちょっと違うものだろうということが推察できます。
おっと、比較物として「ふつうのナルコユリ」を出すには、その前段階として、やはり花に言及しないといけません。かつて、似た種類との見分けを下手な絵で書き留めていたのがここで役に立ちました。花と柄との接合部に小さな緑の膨らみがあるので、これがナルコユリの系統であることには自信が持てます。
で、漢方でナルコユリの根茎が黄精(オウセイ)なので、めでたくマルバオウセイの名前の要素分解(?)はできました。しかし、「マルバナルコユリではいけないんでしょうか」と、ついあの女性議員さんの真似をしたくなります。しかも、黄精のことを調べると、そこにはカギクルマバナルコユリという超レアもの(当然に未収録)の名前が登場してくるわけで、ズブズブと音を立てて深みにはまっていく気がします。

過去のきょう 2017 ペパーミントスティック 2016 タヌキラン 2015 クリンソウ 2014 オオデマリ 2013 ヤマブキソウ 2012 クヌギ 2011 ヤマシャクヤク 2010 サラサレンゲ 2009 トウグミ 2008 カラスムギ 2007 ルイヨウボタン 2006 イヌザクラ 2005 ホタルカズラ 2004 ムクロジ

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4月25日(水) チャンチンモドキ

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ふつうのチャンチンの花は毎年撮り損なっているというのに、この春は「モドキ」の花を見てしまいました。このチャンチンモドキ、「モドキ」どころか、背が高い本家よりもさらに大きくて、鬱蒼と空を覆ってくれていました。
その「モドキ」呼ばわりされた原因の羽状複葉は、別にチャンチンではなくてもセンダンの名を借りてもよかっただろうと思う風情です。特に、葉がこの季節には赤いというチャンチンの特性が「モドキ」にはないようなので、不満が募ります。
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と、ブータレながらも、せっかく見た花なので、望遠目一杯の写真から切り出してみました。本家の花は白いのに、こっちは赤かい!?とまたもや難癖をつけながら、モドキはモドキでけっこうかわいいじゃないかとニンマリです。

<補注> チャンチンはセンダン科、チャンチンモドキはウルシ科なので、分類的に両種はなんの繋がりもありません。

過去のきょう 2017 テンダイウヤク 2016 チョウジガマズミとオオチョウジガマズミ 2015 チョウセンゴミシ 2014 アルブカ・スピラリス・フリズルシズル 2013 クロモジ 2012 タチツボスミレ 2011 ハルリンドウ 2010 ギョイコウ 2009 オオカナメモチ 2008 キンギョソウ 2007 オオバベニガシワ(雌花) 2006 オオバベニガシワ 2005 ベニドウダン 2004 キングプロテア

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追加編 : シラネアオイ

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きょうの本編(シロバナシラネアオイ)に書いたようないきさつで、あわてて「ふつう」のシラネアオイを追加収録です。
ずいぶん昔、大型連休明けに東北の山で撮ったものです。
花のあと、二股に分かれて膨らむ実が面白くて、それもしつこく撮った記憶があるので、古いファイルから探し出せたら、それもあとでここに入れておこうと思います。

<追録1> 実ができた段階の写真を見つけました。しかし、これではまるで捕り物に使う刺股(さすまた)です。このあと、両側の種がグンと膨らんでフグリ状態になったはずなので、もう少し探してみます。(撮影:2008年6月13日)
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<追録2> めでたくフグリ状態の写真を見つけました。上の6月の写真もそうであるように、これもフラッシュを使っていて、夏にかけて森のなかがどんどん薄暗くなっていることがわかります。(撮影:2013年7月11日)
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4月24日(火) シロバナシラネアオイ

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へぇ~、シラネアオイの白花種? どうせ園芸品だろうなぁ…と思ったら、これはシロバナシラネアオイとして区別されるものでした。ふつうのシラネアオイの学名の後ろにf. leucanthumと続くので、シラネアオイの別品種であるとわかります。
さてそれでは「ふつう品」にリンクさせようとしたら、おや、リストに見つかりません。いやいや、もう何度も撮っているし、花後の実までここに載せたつもりだったのに、ブログにも蔵にも、シラネアオイは1回も登場していないようです。
キツネにつままれた思いだし、リストがなにかエラーを起こしているのかと不安になります。あとで「あったじゃーん!」となる確率が5割くらいとビビリながら、とりあえずきょうの「追加編」として「ふつう」も収録しておくことにします。

過去のきょう 2017 ナガハシスミレ 2016 コチャルメルソウ 2015 チョウジソウ 2014 トネリコ 2013 ジュウニヒトエ 2012 コナラ 2011 ヤマブキソウ 2010 フサザクラ 2009 ゴマキ 2008 マルバアオダモ 2007 ヒメウズ 2006 シラユキゲシ 2005 モッコウバラ 2004 モウソウチク

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4月23日(月) ホソバシャリンバイ

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あれだけたくさんの実をつけていたことが納得できる咲きっぷりです。自生地での様子を見ないで言うのは憚られても、沖縄諸島の植物がこれだけ不自由なく花を咲かせ実をつけるのだから、関東近辺の亜熱帯化は間違いないことなのでしょう。
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その花は5枚の花びらがスクリューのように巻いていて、シャリンバイそのものよりはキョウチクトウに似た感じがしました。丸々して賑やか(雄シベが派手)な感じの「ふつう」に比べ、スマートで涼やかな風情です。
ただ、沖縄現地の写真だと枝振りはもう少し密だし、花びらは巻かずに開き、シベはもっと赤くて数も多いのが主流です。この差が南の島を離れて無理に育つストレスだとしたら、まだ沖縄よりはここらの方が涼しいかと喜んでおくことにします。

過去のきょう 2017 ツタ(ナツヅタ) 2016 オオヤマザクラ 2015 ヒメカジイチゴ 2014 ヤブニンジン 2013 モミジバフウ 2012 ヤマエンゴサク 2011 ナガバモミジイチゴ 2010 チドリノキ(雄花) 2009 ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ) 2008 コモンセージ 2007 ウラシマソウ 2006 ヒメコウゾ(雌花) 2005 ライラック 2004 ムラサキツユクサ

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4月22日(日) トダスゲ

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オオバコの果穂を思わせる姿です。しかしこれは埼玉では絶滅危惧種なので、オオバコのように穂をしごいてママゴト遊びに使ってはいけません。
その果穂の最上部にある筆の穂先状のものが雄花です。全体が膝丈程度なので、この雄花はじつにささやかな存在ではあっても、雌花は直下で花粉を待ち受けているので、送粉の効率はいいのでしょう。
さて、このスゲにも戸田の名が冠されていて、前にトダシバのときも同じ疑問を抱いたように、なぜ戸田と特定されたのか、不思議です。志木から遠くはない町であるだけに、植物名に二度も登場するなんて!と妬んでしまいます。

過去のきょう 2017 ニリンソウ 2016 ホザキノイカリソウ 2015 ツボスミレ(ニョイスミレ) 2014 フジモドキ(チョウジザクラ、サツマフジ) 2013 オドリコソウ 2012 オウゴンカシワ 2011 トキワマンサク 2010 ウコン(鬱金桜) 2009 ゲッケイジュ 2008 ムベ 2007 オキナグサ 2006 ブルーベリー 2005 サクラソウ 2004 ナシ

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4月21日(土) ヌルデ

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ヌルデの過去掲載を調べたら、4回がすべて9月と10月でした。黄葉が始まるとたしかにこの木は目立つし、それとときを同じくして雌花・雄花が賑やかになるし、そのあとは実で塩分補給ができるし、どうもヌルデは秋の木なのでした。
ただ、それでは春はどうでもいいのかというと、いえいえ、この若葉や新枝の瑞々しさには心躍るものがありました。葉軸にはすでに翼が生えています。
となれば、あとは夏と冬のヌルデです。夏にこの木陰で休んだ記憶がないし、どんな冬芽だったかも思い出せなくて、季節の巡りが待ち遠しくなります。

<補注> 夏の木陰で休んだ記憶がないワケがわかったし、冬芽が白熊の赤ちゃんみたいであることも確認しました。

過去のきょう 2017 エゾノウワミズザクラ 2016 マルバノキ 2015 ウグイスカグラ 2014 シロヤブケマン 2013 コナラ 2012 クッカバラ(フィロデンドロン・クッカバラ) 2011 アブラチャン 2010 チューリップ(突然変異) 2009 ハラン 2008 ニワトコ 2007 オーニソガラム 2006 ヤマグワ 2005 ニワトコ 2004 ムクロジ

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4月20日(金) シベリアヒナゲシ(アイスランドポピー)

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この花畑を見て「ヒナゲシがきれいだねー」と語り合っているご夫婦がいて、うーむ、シベリアヒナゲシなんですけど、略してヒナゲシでもいいかと妥協です。
ただ、いまどきこれをシベリアヒナゲシと呼ぶ人はほぼ絶滅で、アイスランドポピーが主流です。なのでやっぱりあのご夫婦は種類を混同していたのか、それともそんな次元は超越してこの手はみんな「ヒナゲシ」としていたのか、思い出しては悩みます。
要はどちらの名前も地名絡みなのが問題で、シベリアであれアイスランドであれ、なにせ寒いところのものなのです。つまり、日本の夏は苦手です。見ごろはあと少しですから、面倒な呼び名なんてうっちゃって、この愛らしさを楽しむが勝ちです。

<補注1> シベリアではないヒナゲシ(=アイスランドではないポピー)およびシャーレーポピーの開花は翌月下旬に収録しました。(2018年5月26日
<補注2> シベリアヒナゲシの特徴を確認しました。(2022年5月18日

過去のきょう 2017 ナルコユリ 2016 エンコウソウ 2015 カテンソウ 2014 ミツバアケビ 2013 アケボノセンノウ 2012 ワビスケ(紺侘助) 2011 ヤマコウバシ 2010 サネカズラ 2009 フゲンゾウ 2008 ヤマフジ・昭和紅 2007 ヒメフウロ 2006 タチイヌノフグリ 2005 カロライナジャスミン 2004 ナノハナ

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4月19日(木) コウゾ

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高さが4mを超える木で、雄花が真っ盛りでした。似ているクワよりも花の付き方が派手だし、カジノキに比べれば花穂のシベが疎らで、葉が薄手です。
たぶんこれがコウゾの雄株…探し求めていた彼氏です!と言い切れれば幸せだったのに、うれしさと不満が綱引きです。気持ちのなかで探していたのは雌雄同株のコウゾだったのでした。ところがこの木は完全に雄オンリーです。
コウゾはカジノキヒメコウゾが交雑したもので、カジノキの血が濃いと雌雄異株になり、逆だと雌雄同株になるというのが定説です。つまり、今回見つけた木も、これまで雄花がないと嘆いてきた木も、みなカジノキ系なのでしょう。
ということで、ヒメコウゾ系コウゾが雌花と雄花を同居させている姿を見るまで、この話は完結しません。長い・長い物語になりそうです。

<補注> 長い・長い物語の「肩透かし編」を載せました。(2019年4月28日

過去のきょう 2017 ヘラノキ 2016 ザイフリボク 2015 トウゴクミツバツツジ 2014 ユキモチソウ 2013 ムレスズメ 2012 プリムラ・ブルガリス 2011 エイザンスミレ 2010 クスノキ 2009 フサザクラ 2008 トウモクレン 2007 マツバウンラン 2006 オニタビラコ 2005 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ) 2004 ハウチワカエデ

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4月18日(水) レンリソウ

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在地願爲連理枝という長恨歌の一節に出て来る、あの連理です。先月、「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」を見たとき、あの映画は長恨歌が鍵になっていて、悲しいかな、思い出すのはせいぜい比翼連理という言葉だけでした。
帰宅して長恨歌をおさらいしたら、ゲゲッ、800以上もの漢字がのたうっていて、こりゃー、「その長さが恨めしい歌」なのでした。
で、これは連理の枝ではなく、葉が連理(2枚の葉が1カ所から)なのでした。まだ株は幼くて、画面左側のやや育った葉でも、長さは6cmくらいです。
もちろん、スイートピーを思わせる花はまだ蕾もありません。此恨綿綿無盡期、この悲しみは綿々と続いて尽きるときなし…と嘆くのは早計というもので、こうして名前の由来をしっかり押さえておけば、次は心置きなく花に迫れることでしょう。

<追録> 葉の長さは10cmほどまでになり、開花していました。春の2週間というのは激速です。(撮影:2018年4月30日)
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花は次々と咲いてくるので、連休中なら十分に楽しめそうです。
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<補注> レンリソウの再掲にあたって、レンリソウ属がとんでもなく大所帯であることを知りました。(2021年5月3日

過去のきょう 2017 オクノカンスゲ 2016 ブルンネラ・ジャックフロスト 2015 イヌノフグリ 2014 カシワ 2013 キケマン 2012 シダレヤナギ 2011 シラカシ 2010 コクサギ 2009 ハボタン 2008 シモクレン 2007 ホオノキ 2006 イロハモミジ 2005 ツルニチニチソウ 2004 モクレンとコブシ

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4月17日(火) トチュウ

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杜仲のことは途中で忘れていたなぁ、とオヤジ的に反省しながら、オッサンの脇毛みたいな雄株の花に見入りました。この黒い紐状物体は雄シベの葯で、花粉を放出したあとの段階のようです。花びらは最初からありません。
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雄株がオッサンの脇毛なら、雌株は嫁さんのツノでした。尖った柱頭が2本目立つだけで、こちらにも花びらなどという余計(?)なものはありません。子房が最初から翼果の形を成していて、これなら秋までの途中(杜仲)観察は無用でしょう。
必要なのは雄花についての知識で、どうも本場中国ではこの花粉をなにかの薬にしているらしいのです。通販サイトには「男人云々」とあって、ちょっと怪しい雰囲気なのに、悲しいかな中国語は不案内です。薬事法の関係か、日本ではこの花粉は徹底的に無視されているので、来春は花粉の盛りに自分で試したいものです。

<追録> 杜仲の実や葉にはゴム状の成分があり、食害する虫への対抗策だろうと言われています。(2018年4月24日)
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過去のきょう 2017 ホウキモモ 2016 シロバナマンサク(フォザギラ) 2015 リョウブ 2014 キバナカタクリ 2013 オンツツジ 2012 ソラマメ 2011 ミツガシワ 2010 アズキナシ 2009 バッコヤナギ 2008 イスノキ 2007 ネギ 2006 エノキ 2005 アカメガシワ 2004 ハタザクラ

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番外編 : アゲハ2種

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<ナミアゲハ> アゲハ類はみな○○アゲハというのかと思っていたら、「ただのスミレ」と同じように「ただのアゲハ」がいるのでした。ただのスミレにただのアゲハが止まってくれたら絶好のオヤジギャグネタなのに、残念でした。
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(文中、「ただのアゲハ」としたのはナミアゲハの通称のことです)
Jakouageha
<ジャコウアゲハ> こちらは雄のお腹が麝香のような匂いを持つというアゲハです。もちろん、カメラでとらえるのが精一杯で、匂いなどとてもとても…。
去年の夏、このジャコウアゲハの幼虫をウマノスズクサの葉裏に見つけて驚いたものでした。今回の写真には、ジャコウアゲハの成虫に特徴的な胴体のオレンジ色の筋がかろうじて写っていたのが救いです。
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古いファイルのなかから、もう少し写りの良いジャコウアゲハ(↑)を見つけました。撮った当時(2014年春)は種類を調べきれなかったようです。

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4月16日(月) キャッツテール

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ハッと気づいてからもう4年、月日の流れは速いものです。ベニヒモノキを再掲載したときに「そう言えば」と思い出した「猫の尻尾」をようやく捕まえました。
もっとも、季節的にはやや早めに過ぎたのか、シベがまだこれからのび出そうという花穂が目立ちました。もう少し毛深い尻尾が次の課題です。
ところで、このキャッツテール(注)とベニヒモノキは草と木でありながら同属です。ときどき感じ入るように、草木の境は紙一重のこともあって、さらに、このエノキグサ属の盟主であるエノキグサなんて、草のくせに木の名前をもらっています。なんだかワヤクチャの世界だなぁと呟きながら、たぶん自分の頬はいま緩んでいます。

<補注> キャッツテールは英名が土台になっていると考えられます。しかし、その本家ではCattailと書き、これは猫の尻尾ではなく「ガマ(蒲)」のことです。
したがって、和名でキャッツテール(英語にすれば、たぶんcat's tail)とするのは誤訳というか飛躍というか、適切ではないことになります。実際、正しくキャットテールとする人も半分くらいはいらして、キャットかキャッツか迷います。
ただ、最初、こんなことを知らずに、「猫がたくさんいるように見えるから」とキャッツにしたし、これは直訳ではなく日本でつけたカタカナ名前なんだという立場で、当面はキャッツ派で行きます。(2022年1月)

過去のきょう 2017 コヤブレガサ 2016 ヒトリシズカ 2015 ゴウダソウ(ルナリア) 2014 ササベザクラ 2013 チゴユリ 2012 コブクザクラ 2011 キクモモ 2010 ウラシマソウ 2009 ザゼンソウ 2008 アオキ 2007 カーネーション 2006 ヒメツルニチニチソウ(斑入り) 2005 ハタザクラ 2004 ハタザクラ

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追加編 : ハナヤスリ2種比較

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ヒロハハナヤスリとコヒロハハナヤスリ、字面だけだとたった1文字の違いがわかりにくくて目がウロウロします。ただ、写真の栄養葉の福々しい形(葉の付け根が横広がり)を見ると、ヒロハ(広葉)という名づけには深く頷くことができます。
3月末にここに掲載したときは、まだこの部分が少し捲いていたのでヒロハらしさが薄かったわけで、3週間経って文字どおりのヒロハハナヤスリになりました。
180416kohiroha 問題はこちらのコヒロハハナヤスリです。上のヒロハと同日の撮影なので、生長状態に差はありません。未熟なのではなく、そもそも栄養葉の基部がほっそりとして、全体がふつうの「葉っぱ型」です。
なので、広葉に対比させたら狭葉と名付けるべきだったろうに、あろうことか小広葉とされてしまいました。広い葉なのに小さいとは自己撞着もいいところです。おまけにカタカナだと、どこが違うか、わかりにくいったらありゃしません。
という憤激はグッと腹に収め、これで二つの見分けをマスターできたことだけを喜んでおきます。この知識を土台に、同属のほかの面々にも早く出会いたいものです。

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4月15日(日) メグスリノキ(雌株)

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女性のことを「迫力の容貌」と評したら人間の場合は失礼でも、樹木が相手なら問題はないでしょう。いかにもノーマルでかわいらしい雄株の花に比べると、ついカマキリの雌を連想して、「食べちゃうぞ!」と吹き出しをつけたくなります。
すでに実のプロペラ部分も備えていて、できあがった実だとこの恐ろしげな柱頭がないので、受粉の役目を果たすと、早晩落ちてしまうようです。
違う年の比較なので、雄株と雌株の開花時期を単純には比較できなくても、若葉の開き加減を見れば、メグスリノキの雌花は決して「男焦らし型」ではなく、雌雄同時か雌花やや先行タイプに見えます。この点も、なにやら男を待ち受けて「食べちゃうぞ!」とニンマリしているように思えて、気弱な爺さんはブルってしまいました。

過去のきょう 2017 オオバベニガシワ 2016 ウコン(桜) 2015 コンロンコク 2014 センダイタイゲキ 2013 ココノエ 2012 アネモネ 2011 ハタザクラ 2010 ハシバミ 2009 ハリエニシダ 2008 ウスバサイシン(ミドリウスバサイシン) 2007 ラショウモンカズラ 2006 ヤブタビラコ 2005 シロバナハナズオウ

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4月14日(土) ワダソウ

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花の径はせいぜい1cmくらいのものだし、草丈もくるぶし程度です。その気で探さないと、のんびり野歩きでは見つかりそうにありません。
そもそもが積もった落ち葉やほかの草には負けやすいので、里山的な手入れされた環境でないと育ちにくいようです。ただ、中山道・和田峠に多かったからという名前からすると、昔の峠がそんなに手入れされていたかという疑問が残ります。山道でも人の通行が多ければ、都合のいい環境ができたものでしょうか。
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花は1茎に1個が標準なのに、ここのものはなかなかサービス良好でした。花びらが5枚でその先が割れるので、桜が地面で咲いているみたいです。

過去のきょう 2017 ツリガネズイセン(ヒヤシンソイデス・ヒスパニカ) 2016 ムサシアブミ 2015 カキドオシ 2014 ハシバミ 2013 コスミレ 2012 レンギョウ 2011 スギ 2010 サルトリイバラ(サンキライ・雌花) 2009 オオイワウチワ 2008 ハナノキ 2007 ムレスズメ 2006 コオニタビラコ 2005 アケビ

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4月13日(金) メギ

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次の春を待ってメギの花を撮影する…と言ったはずと思って確認したら、それは2013年の秋のことでした。このごろ時間がダマになってきて、5年もほったらかしていたという罪悪感は薄く、「おう、メギが咲いたか」と横柄なものです。
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花びらに貼り付いている雄シベは用済みのようで、花が開きかけのときに雌シベにチュッとやっています。いや、自家受粉は避けたいだろうし、そのタイミングだと葯はまだ割れていないかもしれません。その辺を解明しながら、ポリネーターまで写し込んだ写真は、また「次の春」の課題にしておきましょう。(注)
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オマケは1カ月前(3月15日撮影)のメギの様子です。まだ蕾が固いうちからメギをしっかりマークしていたわけで、横柄なわりに気が小さいオジサンです。

<補注> メギは自家受粉する性質であり、その雄シベは内曲運動(接触などの刺激で、自分で内側=雌シベに向かう)するのだそうです。2枚目写真で、いくつかの花にそんな行動の雄シベを見ることができます。(2019年4月)

過去のきょう 2017 ザイフリボク 2016 ミツバツツジ 2015 ニワザクラ 2014 レンプクソウ(ゴリンバナ) 2013 ミツバツツジ 2012 プリムラ・ジュリアン 2011 オウショウクン 2010 ニッコウネコノメ 2009 オオリキュウバイ 2008 タピアン 2007 ムラサキケマン 2006 スズメノテッポウ 2005 シロバナタンポポ

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4月12日(木) モモイロバイカイカリソウ

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全体の姿や葉の形からしてイカリソウの種類とは察しがついても、花の形がふつうのイカリソウよりはふっくらとしています。前に見たバイカイカリソウと同じで、イカリソウのくせに碇が目立たないタイプです。
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ただ、バイカイカリソウほどには梅の花っぽくなくて、ささやかながらも距はキュンと飛び出しています。つまり、この長ったらしい名前は「ふつうのイカリソウではなくてバイカイカリソウに近いのだけれど、やっぱり別種だからね」という言い訳らしくて、イカリソウトキワイカリソウに色変わりがあるのとは、少しわけが違います。

<補注> モモイロバイカイカリソウと通称されるこの種については学名を見つけることができません。一般にはバイカイカリソウがふつうのイカリソウ(またはトキワイカリソウ)と交雑したものとされています。
あるいはそのような交配で作出された園芸種とも考えられます。(2021年4月)

過去のきょう 2017 ツクシスミレ 2016 サルオガセ 2015 ヒイラギソウ 2014 クロモジ(雌花) 2013 ヒトリシズカ 2012 ユキヤナギ(ピンク) 2011 アマナ 2010 エンレイソウ 2009 ホソバアカメギ 2008 クレマチス・白万重(しろまんえ) 2007 プリムラ・マラコイデス 2006 オオベニウチワ(アンスリウム・アンドレアナム) 2005 ハナカイドウ

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4月11日(水) クロキ

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名前的には対になるシラキ(白木)の枝ならたしかに白っぽく感じたのに、このクロキ(黒木)の幹や枝はそこまで特徴的ではありません。むしろ、厚手で繁くつく葉が光を遮り、樹下がどことなく暗いので、クラキの間違いかと邪推してしまいます。
そのクラキ、いやクロキが花をつけていて、白い花がこんなにつくのだから、全体がもっと明るく見えても良さそうなのに、やはりクラキでした。ホームグラウンドは九州南部らしいので、そちら方面でならもっと見映えがするのでしょう。
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分類的にはシラキとはまったく無縁で、ハイノキと同じハイノキ属でした。
そうと知ってから眺めれば、固まって咲く白い花とか、革質の葉とかに共通点が見られます。そのハイノキと同じように、関東のお庭では見かけにくい木なので、今回撮ったこのクラキさん(しつこい!)には末永く元気でいてほしいものです。

<追録1> 2週間後、けっこうな確率で結実していました。(撮影:2018年4月24日)
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<追録2> 緑色のままずいぶんと焦らしてくれた実は、10月中旬、ようやく真っ黒になりました。(2018年10月18日

過去のきょう 2017 ウスガサネオオシマ 2016 クヌギ 2015 ジューンベリー 2014 ヒキノカサ 2013 ミカイドウ 2012 ヤブレガサ 2011 アオキ 2010 ヒメウズ 2009 タンチョウソウ(イワヤツデ) 2008 八重咲き水仙・エルリッチャー 2007 イカリソウ 2006 ゲンゲ(レンゲソウ) 2005 ハタザクラ

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4月10日(火) ヒゴスミレ

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見分けがわかりやすくて喜んだエイザンスミレよりもさらにうれしい葉です。「別にお前だけが丸くないやんけ!」とマルバスミレに毒づいたように、スミレ類の葉はどれもこれも同じように見える節穴の目にとって、じつに輝いて見える葉です。
そして、花があっさりと単純な色であることも美点です。たまにほんのり赤くなるものがあるようでも、色みが揺れて頼りにならない他種よりはずっと明確です。
問題はその生息域が特に肥後に限らないという名前です。きのうのレンギョウがまさに名前どおりの限定地域版だったのとは大違いです。ただ、これはエイザンスミレですでに納得した事柄で、きょうはあっさり「名前は記号」説に与します。

過去のきょう 2017 ハボタン 2016 イワウチワ 2015 ムサシアブミ 2014 アカシデ 2013 タチイヌノフグリ 2012 ヒカゲツツジ 2011 スギナ(ツクシ) 2010 カタクリ 2009 ベニコブシ 2008 ライラックワンダー 2007 ジロボウエンゴサク 2006 ヤハズエンドウ 2005 アオキ

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追加編 : ヒメサザンカ二態

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温室で開いた花を2月に載せました。やはり露地の開花を見たいと願っていたら、およそ1カ月半の時間差で、ヒメサザンカが花開きました。
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そしてこちらは園芸種のエリナ(エリナ・カスケード)です。そもそも近所にあるこのエリナがなかなか花開かず、ヒメサザンカには焦らされてきたわけです。
ずいぶん待たせてくれたわりには…などと不満は言わず、その慎ましやかな開き具合を堪能させていただきました。

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4月9日(月) ショウドシマレンギョウ

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レンギョウ5点セットの完成です。4点目だったヤマトレンギョウは展葉前で花だけというかなりの「とりあえず」だったのに対し、こちらはほぼ満点画像です。
ヤマトレンギョウの変種だとは言いながら、住む場所が違えば性格は大きく異なり、花が先行するヤマトに対し、こちらは葉が先行して花がいまごろでした。名前どおり小豆島、それも一部地域にしか自生しない品種で、写真のものは植栽品です。
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雌雄異株で、ここのものは雄株(注)でした。ふつうのレンギョウでずいぶん苦労して覚えた花柱の長さの違いを思い出すなら、この株の花は突き出た雄シベの奥に雌シベ(花柱)が慎ましやかに控えていました。
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葉の鋸歯が目立たない(あることはある)のがこのレンギョウの特徴だそうで、その点も展葉のタイミングと併せて、母種であるヤマトとの違いになります。ということは、やはりヤマトの葉を写すことは不可欠で、「5点セット完成」は取り消しです。

<補注> 雄株しかないと思ったこの場所で、実のついた枝を見つけてしまいました。(2024年5月29日

過去のきょう 2017 ヤブデマリ、イヌシデ、ボケ 2016 イヌブナ 2015 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2014 キジムシロ 2013 フウ 2012 スズメノヤリ 2011 ヒノキ 2010 イヌコリヤナギ 2009 ベニバナトキワマンサク 2008 ムラサキウンラン(ヒメキンギョソウ、リナリア) 2007 セイヨウジュウニヒトエ(アジュガ・レプタンス) 2006 チョウセンレンギョウ 2005 ドウダンツツジ

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4月8日(日) ニオイカントウ

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ニオイカントウは漢字だと匂款冬です。やたらとおごそかなお名前でいらっしゃるので、てっきり古来から由緒のあるお血筋かと思ったら、肩透かしでした。なんとはるばる地中海方面から、昭和の時代に持ち込まれたそうで、なんかこう、結婚詐欺師が綾小路とか名乗るのと一緒の感じです。
匂+款冬の最初のパーツ「匂」の素(花)は、残念ながらご用済みの体でした。ただ、盛りでも形はこんなものだし、色も左端の花は少し面影を残しています。
名前の後半パーツ「款冬」はフキ類のことを指す言葉で、初めて聞きました。フキとかツワブキとかノブキとかマルバダケブキとか、本邦諸先輩がみなあっさりと「フキ」を名乗るのに対し、なんたる思い上がりでしょう…と、自分の無知蒙昧を突かれた弱みから、遠来の客人にやたら冷たい視線を送るはた衛門でした。

過去のきょう 2017 ウラシマソウ 2016 ホウチャクソウ 2015 マルバスミレ 2014 リキュウバイ 2013 ユーフォルビア・ラクテア 2012 カツラ(雌株) 2011 ワビスケ(数寄屋)  2010 ジロボウエンゴサク 2009 シロバナアケビ 2008 ヤマザクラ 2007 バイモ 2006 ムシクサ 2005 ヒサカキ

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4月7日(土) アベマキ

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アベマキの完全ショットです。風に吹かれた一枚の若葉が煌めいています。写真全体がアンダーなのは決して暗がりでの撮影なのではなく、大木ゆえに自分で自分を暗くしていることがこれで示されています。うむ、完全な言い訳です。
で、花盛りです。花粉まき散らし真っ最中の雄花の先に雌花が写っています。大木であること、若葉の美しさ、雌雄の花、これだけのことを一枚に盛り込めば、うむ、やはりこれは完全ショットです。あとは光の回り込みさえ良ければ(涙)。
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で、雌花と雄花です。雄花の葯は全開後で、かなり黒ずんでいます。なのに雌花はまだ幼くて、上の写真のものよりさらに緑色です。これが赤みを増して開いて、柱頭が仔細に見える写真が撮れたら、今度こそ本当に完全ショットです。

<追録> 2週間後、柱頭が赤黒く変化した雌花をとらえました。(撮影:2018年4月22日)
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過去のきょう 2017 エゾニシキ 2016 ツクバネウツギ 2015 ロドレイア・ヘンリー 2014 センボンヤリ 2013 レンギョウ 2012 アオイスミレ 2011 ガマズミ 2010 アズマネザサ 2009 トキワイカリソウ(白花) 2008 ベニコブシ(ヒメシデコブシ) 2007 ノウルシ 2006 スモモ 2005 スギナ

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4月6日(金) フタバアオイ

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フタバアオイがものすごく元気よく葉を輝かせていました。
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と、それだけでは仕方ないので、「双葉」である証明写真です。たしかに、地中から上がってきた1本の茎がすぐに二股に分かれ、それぞれ葉をつけています。
ん、その股の部分から余計なものが…? 股からタマですか?
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花でした。作りはカンアオイに近くても、色合いがキュートです。ただ、こうして持ち上げてやらないと、うつむいてばかりのはにかみ屋さんだし、なにせ拙の指がこんな巨大に見えてしまうサイズなので、鑑賞には少しばかり不向きでした。

過去のきょう 2017 セントウソウ 2016 セリバオウレン 2015 ヤブカンゾウ 2014 ハナイカダ(雄株) 2013 グズマニア・ヒルダ 2012 シダレカツラ 2011 ラッパズイセン 2010 イチリンソウ 2009 カランコエ(八重) 2008 ノボロギク 2007 トウダイグサ 2006 センボンヤリ 2005 ボタン

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4月5日(木) ザクロ

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ザクロは春の目覚めがわりと遅いことに初めて気づきました。というより、過去掲載はだけで、それはつまりしか見ていなかったわけです。
染井吉野がそろそろ散り果てようというころ、小さくて尖った真っ赤な芽(たぶん葉芽)が噴き出すのでした。花芽らしきものを探しても、芽は1種類だけです。記憶では、花は5月のうちから見ているので、このあと一気呵成なのでしょう。
そして枝です。風変わりな花と実に比べると、なんとも「フツー」です。葉がものすごく密につくので、影の存在となる期間が長すぎて、拗ねたものでしょうか。そう言えば幹も、ゴツゴツして渋いというイメージがあるだけです。
ということで、次にザクロが登場するとすれば、幹と枝を地味ィ~に鑑賞させていただいて、あわよくば花芽も「見つけたーッ」といきたいものです。

<追録> 育つ場所が違えば生長度合いも異なるわけで、たった4日だけあとだというのに、ここまで葉が展開している1本(↓)に遭遇しました。幹の荒々しい感じは、記憶のとおりでした。(撮影:2018年4月9日)
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過去のきょう 2017 ネコヤナギ 2016 アケボノツツジ 2015 ミシマザクラ 2014 オキナグサ 2013 デンドロビウム・ピンクドール・エレガンス 2012 ウバユリ 2011 ニワトコ 2010 ノウルシ 2009 シナミズキ 2008 ヤマモモ 2007 キランソウ 2006 ミケリア・マウダイエ 2005 レンギョウ

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4月4日(水) イタドリ

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うぉっ、きれい!と撮ったまでは良くても、初めての場所だったので、ここにいつもなにが生えていたものか不明です。タデ科だろうとは思いながら、写したあとの野歩きの間、この真っ赤な若葉の正体が気になって仕方ありませんでした。
ただ、途中でどうかした拍子に「スカンポ?」とひらめきました。イタドリの名ではなく子供のころの味を思い出すところが記憶の不思議なところです。
思いついてからカメラのモニターで確認すると、葉脈に深い皺があり基部が切形であること、その葉が互生であること、さらに茎がもうこれだけ太いことなど、イタドリとしての要件はすべて満たしていました。やったね!の気分です。
あとはこの段階で株の雌雄がわかれば大満足というものです。ひょっとして茎の味に差があったりして(笑)。芽吹きでの雌雄判別は来世の課題です。

<補注> オオイタドリを収録しました。(2024年8月20日

過去のきょう 2017 ハナニラ 2016 オオミスミソウ(ユキワリソウ) 2015 ハラン 2014 アブラチャン 2013 ソシンカ 2012 オオカンザクラ 2011 キクザキイチゲ 2010 ハナニラ 2009 チョウジザクラ 2008 ノジスミレ 2007 アザレア 2006 ヤブレガサ 2005 カタクリ

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4月3日(火) ヨウコウ

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いろいろ作出される桜のなかで、わりと「有名ブランド」です。濃いピンクが華やかで、樹形もまとまりが良く、病害虫にも強いことが好まれているようです。
その色の派手さ加減を示すのに、後方の染井吉野がひと役買ってくれました。木々にあまり興味のない知人の言によれば「このごろ、桜が白っぽくなった」そうで、こういう派手め系が幅をきかすと、染井吉野あたりは肩身が狭くなることでしょう。
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面白いのは、この「陽光」を作り出した人が、あの「伯方の塩」の初代社長さんだということです。なんでも、数年前にはその人を描いた映画(主演:笹野高史)も作られたそうで、DVDレンタルの手続きをしました。届くのが楽しみです。

<補注1> ヨウコウ(陽光)の交配親はアマギヨシノカンヒザクラ(タイワンヒザクラとも)です。
<補注2> 映画「陽光桜」には桜極道とでも言うべき主人公の人生が濃厚に描かれていました。その人・高岡正明氏が亡くなった翌日、あの911事件が勃発したことを初めて知りました。
<追録> 結実性がいいようで、尖った形がすごく目立ちました。味見はまだできていません。(撮影:2018年4月26日)
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過去のきょう 2017 ハナノキ 2016 コナラ 2015 ヨコハマヒザクラ 2014 ツワブキ 2013 ミヤマカタバミ 2012 ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ) 2011 ミヤマウグイスカグラ 2010 ムスカリ 2009 イトザクラ(シダレザクラ) 2008 イトザクラ(シダレザクラ) 2007 スノーフレーク 2006 ムクゲアカシア 2005 ムスカリ

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4月2日(月) ノラボウナ

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いわゆる武蔵野地域の野菜です。江戸時代、五日市近辺で栽培が始まったそうで、天明・天保の飢饉を救った作物として、いまでもこの辺では親しまれています。
野良坊と漢字を当てることはあっても、「坊」の意味は不明のようです。野良生えの音便だとする説が最有力でも、農民が年貢逃れのため、「野良にボーッと生えているだけで、役に立たない」と言い訳したという異説もあります。かなりのコジツケに思える一方で、農民たちの苦心が偲ばれて、ちょっと惹かれます。
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上がってくる花茎を摘んでは食べ、摘んでは食べます。そのため、ひとさまの畑で蕾がこの先立派に開いた写真を得るのはむずかしいはずです。西洋アブラナの系統だというので、だいたいあの手の花だろうと思っておくことにします。

<追録> 奇特にも花を咲かせている畝がありました。花茎の徒長がすさまじいことに仰天です。(撮影:2018年4月8日)
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過去のきょう 2017 ラッパズイセン 2016 スミレ 2015 ヒメスミレ 2014 レンギョウ(雌花) 2013 ムユウジュ 2012 サルココッカ・コンフサ 2011 ヤマコウバシ 2010 ゴンズイ 2009 テンダイウヤク 2008 イチハツ 2007 ヤマエンゴサク 2006 ニリンソウ 2005 シデコブシ

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4月1日(日) オオバヤシャブシ

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女性上位が「オオバ」、男性上位が「ふつう」のヤシャブシ(注)なので、上から若葉・雌花・雄花の順に並ぶこれはオオバヤシャブシになります。いつも撮り損なっていた大葉さんの開花シーンをめでたくとらえることができました。
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まずは雄花序です。地面にボタボタ落ちているので、たやすく接写できました。花粉を出し切ってすでに用済みでも、なかなかに美的です。
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対して雌花序です。落ちないし、高いところにあるし、雌シベまでわかるように撮れるかなぁと心配したのに、どうにか赤いピロピロが写せました。余録で葉っぱが顕微鏡写真のように見えてくれて、大葉さんの美を堪能できました。

<追録> もう少し早い段階の様子です。(撮影:2020年2月23日)
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<補注> ヤシャブシの花序順を記録しました。(2024年4月29日

過去のきょう 2017 マダケ 2016 シロキンギョバツバキ 2015 アマギヨシノ 2014 ショウジョウバカマ 2013 レウイシア 2012 シャガ 2011 ヒイラギバツバキ 2010 クヌギ(雄花) 2009 イカリソウ 2008 アカシデ 2007 カテンソウ 2006 アブラチャン 2005 ユスラウメ

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