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10月9日(月) テンニンソウ

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なぜテンニンソウ(天人草)なのか定説が得られないという、困った名前の草です。牧野博士は素直に「何によるものかわからない」としているのに対し、ある人はハラハラと落ちる苞が天人の撒く天花みたいだからと言い、またある人は次々膨らんで咲き進む蕾を天人の親子の顔に見立てるという苦しい説を展開するほどです。
そこで「はた衛門珍説」です。このスーッとのびた葉、まさに平等院鳳凰堂の有名な飛天像を思わせるではありませんか。天人の乗るあの雲です。
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さて珍説は脇に置くとして、このショボイ景色からどうして「天人」を発想したものか、いままで「もっと美しいタイミングがあるだろう」と掲載を見送り、苦し紛れに冬枯れの花穂と茎から登場させたのは、まったく無駄な逡巡でした。いくら待っても花が豪華に咲き誇るわけでなし、葉はどんどん虫に食べられてゆくばかりです。
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これも無限花序と言っていいものか、際限なく天に向かって咲き上がる(これをもって、天人が昇天する様子という説もあり)花穂は、虫たちの貴重な蜜源です。ハラナガツチバチの類らしき蜂がずいぶんとしつこく穂を舐め回していました。

<補注> 蕾の姿にギョッとさせられ、天人のイメージはさらに遠ざかりました。(2019年9月10日

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