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6月30日(金) ピンオーク

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あ、この形は!?と、イヤ~な感じがしました。足下に小枝が落ちてはいないし、樹上のどこにもドングリは見えないけれど、この深い切れ込みを持つ葉は、近ごろ拾ったあの小枝のものとそっくりです。
そして、今回の木の幹には「ピンオーク」と書かれた名札がついていました。こんなに早く自分のドジが判明するとは、喜ぶべきことではあるでしょう(涙)。
幸運に感謝しつつ、「ピンってなんだよ」と思ったら、牧場の「杭」でした。かつ、別名がアメリカガシワとかアメリカナラです。彼の地には、広い牧場を囲うほどたくさん、この木が生えている(いた?)わけです。ちなみに「オーク」はカシワとかナラ類(つまりブナ科コナラ属)のことで、別名がカシワとナラに分かれたわけも了解です。

<補注> アメリカに産するオークはいろいろあるようです。(2022年9月25日

過去のきょう 2016 トキワマンサク 2015 モモ 2014 タイトゴメ 2013 クマヤナギ 2012 タチアオイ 2011 ネコノチチ 2010 フタリシズカ 2009 ルリヂシャ(ボリジ) 2008 モミジバゼラニウム 2007 ハマカンザシ 2006 ブーゲンビリア 2005 セイヨウノコギリソウ 2004 ヒョウタン

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6月29日(木) ボウフウ

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お腹の皮下脂肪を減らすという目的で、けっこう売れている(らしい)のがこのボウフウを配合した漢方薬です。そんな楽してカッコ良くなろうという根性自体が間違ってるぞ!と義憤に燃えながらも、「へー、これがボウフウか」と興味が湧きます。
もっとも、薬用になるのは根であって、花や葉を写したところでたいした役に立たないのは承知で、「一応記録しておくか」というところです。
ボウフウは漢名(防風)の音読みであり、古来、気象の急変がもたらす症状を彼の地では風病と言い、それを防ぐ効果をこの草の根に認めたのでした。

<補注> 姿にはほとんど共通性がなくても、その根茎がボウフウの代用とされるハマボウフウを収録しました。(2018年5月28日

過去のきょう 2016 セレウスサボテン(鬼面角) 2015 コウオウソウ(フレンチ・マリーゴールド) 2014 カンボク 2013 イトラン 2012 ソテツ 2011 ウリカエデ 2010 カワラナデシコ 2009 イブキトラノオ 2008 チガヤ 2007 カラクサゲシ(チューリップポピー) 2006 ノカンゾウ 2005 ボケ 2004 ボタンクサギ

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6月28日(水) スズカケノキとモミジバスズカケノキ

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おとといは、ここに初登場だったアメリカスズカケノキに敬意を表して、大きな写真はアメリカだけにしました。ただ、あとの2種も比較のために取材したわけで、この際、同時期の葉の様子を比較できるように、追っかけ掲載しておきます。
まずはスズカケノキ(↑)です。葉身のかなり深いところまで及ぶ切れ込みが特徴で、アメリカスズカケノキのシルエットがまるで奴凧だったのとは大違いです。
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そして、その二つの中間の裂け具合を示すのがモミジバスズカケノキです。おととい触れたように、スズカケノキとアメリカスズカケノキを掛け合わせたら、葉の切れ込みもその2種の中間におさまったというとても律儀な交配種です。
カエデバスズカケノキという別名もあり、モミジだと紅葉(=赤い葉)を連想するじゃないかと危惧する人がそちらを使うのかもしれません。公園などで「カエデバ~」という名札がついた木を見て「え、4種類目?」とビクついた過去からすると、「変なところにこだわらないでモミジで統一しようよ!」と言いたくなります。

<補注> モミジバスズカケノキの面白い観察場所ができました。(2021年8月28日

過去のきょう 2016 トネリコバノカエデ 2015 ギンヨウアカシア 2014 ホソイ 2013 ケンポナシ 2012 キケマン 2011 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2010 カジノキ(雌株) 2009 オオバオオヤマレンゲ 2008 カタクリ 2007 ナツハゼ 2006 ノウゼンハレン(キンレンカ) 2005 ミズキ 2004 イングリッシュラベンダー

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6月27日(火) クガイソウ

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この季節、とても目立つ(高さ1mほど)ので、つい写してはしまうのです。ただ、それがいつものことなので、「どうせ前に載せたよな」といままで思ってきました。
ところが、念のため確認したら、ブログには一度も出していませんでした。「蔵」の方に、似た時期の、しかし冴えない写真が1枚あるきりです。
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なので、お詫びがてらに花のアップも添えておきましょう。旧体系だとゴマノハグサ科(注)に分類されていて、花の感じがそうかなあと思っていたのに、APGによると、なんとオオバコ科になるのだそうで、DNA分析とはわからんものです。

<補注> 文中で触れたゴマノハグサ科の代表・ゴマノハグサを掲載することができました。(2017年7月5日

過去のきょう 2016 トルコギキョウ 2015 ズッキーニ 2014 キリ 2013 アフリカナガバモウセンゴケ 2012 エノキウツギ(ウオトリギ) 2011 シチダンカ 2010 ヒメコウゾ 2009 ムラサキセンダイハギ 2008 ウチワサボテン 2007 クマツヅラ 2006 カリフォルニアローズ 2005 タイマツバナ 2004 ヤブカンゾウ

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6月26日(月) アメリカスズカケノキ

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3種あるプラタナス類のなかで、最後の登場になったアメリカスズカケノキです。仲間のスズカケノキモミジバスズカケノキにずいぶん遅れをとりました。
そのわけは、3種の見分けポイントになる実にこだわっていたからです。1本の柄に3個以上つくスズカケ、2個のモミジバに対し、1個だけがアメリカなのに、その1個だけの証拠を押さえられないでここまできました。たぶんアメリカだ!と思っても、画面のどこかしらに実が2個ついた柄が写ってしまうのです。
そこで、実での区別はいったんあきらめ、もう一つの見分けポイントである葉にフォーカスしてみることにしました。アメリカの葉は切れ込みがほぼありません。
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3種を世界地図に嵌め込んでみました。オレンジ線が出身地を表します。水色の線はモミジバスズカケの出自を示していて、スズカケとアメリカをイギリスで交配して作られたのだそうです。いかにも上手に掛け合わせができたもので、葉の切れ込みも実の数(茶色の丸印)も、母種二つのちょうど真んなかになっています。
両家の間で、父親似だ・母親似だと一喜一憂する(ことの多い・笑)人間界とは大きな違いで、草木にはいつも範を示されるばかりです。

<補注1> スズカケノキとモミジバスズカケノキについても、拡大できる写真を掲載しました。(2017年6月28日
<補注2> アメリカスズカケノキの紅葉は少し風変わりです。(2023年12月5日

過去のきょう 2016 トサミズキ 2015 サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)・ホットリップス 2014 コウホネ 2013 ハマナス 2012 ムラサキツメクサ 2011 ウチワサボテン 2010 イヌウメモドキ(雄株) 2009 シコタンソウ 2008 ヒメカイウ 2007 カクテル(つるバラ) 2006 ヤポンノキ 2005 ガクアジサイ 2004 モッコク

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6月25日(日) トチバニンジン

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掲載4度目にしてようやくとらえたトチバニンジンの花は、ずいぶんとややこしい仕掛けを持つものでした。この写真(↑)で「花らしい」のは下側に見えるもので、5枚の花びら(薄緑色)と5本の雄シベを持っています。
では、上側に写ったものはなにかと言えば、雌性期に移り子房が充実し始めた「花(の痕)」です。つまり、トチバニンジンの花は雄性先熟なのです。

<過去記事=掲載順> 1. 赤い実、葉 : 2007年8月12日 2. 緑の実、葉 : 2012年7月14日 3. 赤い実、葉 : 2013年7月5日

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これ(↑写真上部)が雌性期に入った直後の散形花序です。半透明の白い花柱は、図鑑的には2本とされていても、実際はかなり気まぐれです。
そして、ややこしいのは散形花序の位置によって開花時期が違うし、分岐した茎につく花は雄の役目だけで終わることもあるらしい点です。このことが、いままで実の色づき時期が錯綜したり、真っ赤な実の近くに花の痕が残っていた原因でした。
こういう仕掛けを知ってから過去写真を見直すと、それぞれが上の説明に符合した姿を見せていて、撮影前に学習しようぜ!と自分に活を入れ直しです。

過去のきょう 2016 オカヒジキ 2015 ハルシャギク 2014 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2013 キバナダンドクとダンドク 2012 キョウチクトウ(白八重) 2011 モミジイチゴ 2010 ウメモドキ(雄株) 2009 ナツユキカズラ 2008 ハナイカダ 2007 イソトマ・アネチフォリア 2006 ベニバナ 2005 シロミノコムラサキ 2004 シロバナハマナス

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6月24日(土) メダラ

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タラノキなのに棘がない→優しい→女性的→雌タラノキ→メダラ…です。男が皆雄々しくはないように、女性がすべからく優しいわけじゃないさ!と噛みつきたくなりながらも、まあ、ここは波風立てずに先人の思考回路に従っておきましょう。
さて、実際に痛くないか、ふつうのタラノキで懲りているオジサンはこわごわと触りまくってみました。枝はもちろん、葉柄も主脈の裏表も、まるっきりツルツルです。
ふつうのタラノキ(Aralia elata)の品種(f. subinermis)であり、メダラは通称ではなく標準和名です。「タラの芽」用の栽培にはメダラが選ばれるという話には頷けても、果たしてふつうのタラノキとお味が変わらないものか、ちょっと気になります。

過去のきょう 2016 イイギリ 2015 ジョウリョクヤマボウシ 2014 ギョウジャニンニク 2013 ニッサボク 2012 ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ) 2011 ギシギシ 2010 モミジイチゴ 2009 レッドロビン 2008 フタリシズカ 2007 カイコウズ(アメリカデイゴ) 2006 ナンキンマメ(ラッカセイ) 2005 セイヨウバクチノキ 2004 ムラサキツメクサ

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6月23日(金) フイリクサヨシ

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ヨシ(アシ)よりも柔くて小型で草っぽいからクサヨシと名付けられはしたものの、それでも背丈は男の肩を超すほどはあります。そのクサヨシの園芸品種がこれで、そもそもが水辺の植物なのに、さらに清涼感アップというわけです。
そこで問題に思ったのは、こんな作出品に対する需要(背の高い草が見映えする広い水辺)などあるものかという、いかにも兎小屋の住人らしいことでした。そう思いつつ、こうして美しい植栽場所を写しているわけだから世話がいりません。
かつて、某美術館の広~い池を見て、ウチのメダカをこういうところで泳がせたいと憧れたものです。あれから年を経たいま、せめて斑入り草葦をほんの二・三株植えられるビオトープを作りたいなぁと、夢はごくささやかなものに縮みました。

<補注> 似た位置づけのシマヨシを収録しました。(2024年9月11日

過去のきょう 2016 ヒルムシロ 2015 ルリニワゼキショウ(アイイロニワゼキショウ) 2014 キリモドキ(ジャカランダ・ミモシフォリア) 2013 タイマツバナ 2012 ヒメシャラ 2011 ビワ 2010 ネズミモチ 2009 エーデルワイス 2008 オオバナウツボグサ 2007 ホザキシモツケ 2006 シュッコンカスミソウ 2005 キョウチクトウ 2004 ヨウシュヤマゴボウ

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6月22日(木) マルメロとカリン

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実の先に残った萼が、まるでプロペラみたいです。雷電(戦争末期の海軍戦闘機。おデブなフォルムがかわいかった)飛行隊の出撃だぞー!
花は上向きに咲き、そのまま実が膨らみ始め、それが充実すると下向きになるという「果実の法則(あるか、そんなん・笑)」の中間状態です。その横向きの姿のコミカルさに加え、緑から黄色に変わる間にこんな色合いを呈するとは驚きました。
マルメロの実を最初に載せたとき、その風貌を「まるで小言幸兵衛」と評したものだったのに、形だけでなく色づき具合まで、「ちょっとひと言」あるお人でした。
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そのマルメロとは大きさや固さで似た者同士のカリンもチェックしてみました。緑から黄色に変わる中間状態は、素直に黄緑色でした。

過去のきょう 2016 サカキ 2015 ミズキ 2014 ホタルイ 2013 ジャボチカバ(キブドウ) 2012 アマリリス 2011 スカシユリ 2010 ハグマノキ 2009 シチダンカ 2008 メグスリノキ 2007 キキョウソウ 2006 ゴウダソウ 2005 スカシユリ 2004 ヤマモモ

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6月21日(水) ウチワゼニクサ(タテバチドメグサ、ウォーターコイン)

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沼の岸辺がこんな光景でした。なんか異国風だなぁと思ったら、北米原産のウチワゼニクサで、アクアリウムに多用されているものでした。あえてここに植えたものか、だれか捨てたものが野生化したのか、けっこう我が物顔です。
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葉表には艶があって、ウォーターコインという流通名にうなずけます。抽水状態で葉を立てて育つ参考写真を見たら、昔の記憶が蘇りました。大阪で見つけたメダカ鉢にこの草があしらわれていたのです。13年後の正体判明です。
状態によって、葉は小さくも大きく(径4~5cm)もなり、またハスの葉のように横に開いたり、立って盾状になったりするので、「団扇」も「コイン」もどっちもありだと感じます。自分はチドメグサの仲間だろうと思って調べたので、タテバチドメグサという別名も気に入っていて、きょうのタイトル欄が長くなりました。

<補注> ウチワゼニクサの花を見ました。(2020年6月26日

過去のきょう 2016 ノビネチドリ 2015 サンカヨウ 2014 ホソバタイサンボク 2013 ドイツスズラン 2012 ヤマコウバシ 2011 マルバチシャノキ 2010 ルリミゾカクシ 2009 コアジサイ 2008 クリンソウ 2007 イトバハルシャギク 2006 ツキヌキニンドウ 2005 アンズ 2004 ハンゲショウ

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6月20日(火) ヤハズホオノキ

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長く生きていれば凹むときもあるとは言え、この葉っぱの場合、それがずっと続くのだから慰めようもありません。だれか、人生相談に乗ってあげたら…。
たぶん、葉の先端中央部だけ生長点が止まる現象なのでしょう。ただ、その理由もメリットも想像さえつきません。他人とちょっと違っていたい!というヤツは、こちらの世界にもたくさんいるので、生きとし生けるもの、みな同じようです。
兵庫県宍粟市には、葉がこれで、なおかつ花が赤いという変わり者がいるそうで、今回写した木がそこまで変人かどうか、来春まで気長に待ってみます。

ホオノキの葉の先端なんて、いままで気にしたこともなくて、過去掲載の写真はどれもが無意識そのもの(注)です。ただ、たしかに凹んではいないようです。
若葉> <開花A> <開花B> <実A> <実B> <実C

<補注> 葉を貫通した花穂が面白くて載せていた写真が、期せずして「ふつうのホオノキの葉は先端が尖る」ことを証明していました。

過去のきょう 2016 アナベル(アジサイ) 2015 ゼラニウム 2014 ハンゲショウ 2013 サントリナ 2012 ノトカクタス(品種未詳) 2011 カワラマツバ 2010 ヤブムラサキ 2009 ウズアジサイ 2008 ササユリ 2007 クロバナフウロ 2006 マリアアザミ 2005 ムラサキシキブ 2004 アガパンサス

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6月19日(月) ドクゼリモドキ(ホワイトレースフラワー)

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吸っても吸っても、ここは花の海なのだから、ベニシジミはさぞやご満悦でしょう。その周りで、蟻はもうこの幸せに埋没しきっています。
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一方、アカスジカメムシは終わった花が好きなようで、花びらが落ちたあとの花台をペロペロペロ…。そして蟻はなんでもござれで、こちらでも活躍中でした。
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さて、グッとカメラを引くと、こんな感じです。セリとそっくりで危ないのがドクゼリ(未収録)で、それに似ているという例の三段階命名で、このパターンはだいたい大元とはかけ離れた容貌であることが多いようです。
こんなアクの強い名前は園芸的にいかがなものか…ということで、一般にはホワイトレースフラワー(注)と呼ばれます。ふだんは横町の隠居よろしく、「なんでも横文字にしやがって」と毒づいているのに、これにはSo good!と膝を叩きます。

<補注> 俗称ホワイトレースフラワーはもう一つあります。(2024年5月10日

過去のきょう 2016 ヒオウギアヤメ 2015 アフリカホウセンカ(インパチェンス) 2014 ムクロジ 2013 ササユリ 2012 ガクアジサイ 2011 ナナミノキ(雌株) 2010 キョウガノコ 2009 エゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー) 2008 ミヤマウグイスカグラ 2007 イチヤクソウ 2006 サクラ(染井吉野) 2005 コムラサキ 2004 コムラサキ

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6月18日(日) コルクガシ

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さすがの迫力とフワフワ感で、代用品とされるアベマキの皮とは貫禄が違います。ただし、凸凹が強すぎて、これでは製品にするのに歩留まりが悪そうです。
調べたら、最初に剥ぐ(生涯に10回以上剥ぎ取られるのだそう)皮は亀裂が多くて凸凹も深すぎ、「加工には適さない」とあります。2回目からは質のいい皮が取れるそうで、そうやって200年以上もお務めするのだから偉いものです。
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さて、幹から目を移すと、楕円形で縁がカールした葉はウバメガシを思わせます。やはりドングリをつけるらしいのでかなり探したものの、結果は無念でした。
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全体はこんな感じで、陽樹という感じがします。ふるさとの地中海沿岸とは光も空気も違うとは知りつつ、今度はぜひドングリを見せてくれることを期待します。

過去のきょう 2016 ベニバナヤマシャクヤク 2015 サワフタギ 2014 ワタナベソウ 2013 コクテンギ 2012 ヒルザキツキミソウ 2011 ハナショウブ(沖津白波) 2010 テイカカズラ 2009 ニオイロウバイ 2008 イワタバコ 2007 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ) 2006 ベニバナ 2005 マツバギク 2004 サルスベリ

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番外編 : これかぁ(ゴマダラカミキリ)

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去年の秋、篠栗小学校4年・虫グループさんたちのけなげな看板でその存在を知ったゴマダラカミキリです。
なるほど胡麻斑で、あの絵がとても上手だったことがわかります。ただ、絵では想像できなかったのがこの翅の輝きです。まるで油で濡れているようです。
つかむと、けっこうな力であがきます。隣家のチビガキ(小2)が異様なカミキリムシファンなので、お持ち帰りを考えたものの、無事にウチまで運びきる自信もなく、未練がましくサヨナラしました。

<補注> ゴマダラという名前は蝶々にも使われます。
☆ アカボシゴマダラ  A.   B.  ☆ オオゴマダラ  A.   B.

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6月17日(土) カボチャ(セイヨウカボチャ)

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後日、この写真だけを見てカボチャとわかるかどうかは、全然自信がありません。たまたま知り合いが畑にいて、正体を教えてくれました。
そこでつくづく思うのは、ガサガサしたウリ科の面々のなかでも、カボチャ(カボチャ属)のこの毛の強(こわ)さは格別だということです。まるでガラス繊維です。
こういう毛は、ちゃんと言うと毛状突起(トライコーム)だそうです。過度の光線や極端な蒸散、あるいは害虫類から自分を守るという役割が考えられています。
たしかに、自分が芋虫だったら、こんな蔓や葉は敬遠しそうです。さらに、うかうかしているとこの巻きひげに絡め取られそうで、芋虫でなかった幸せを感じます。

<補注> カボチャの宙づり栽培を見かけました。(2020年10月22日

過去のきょう 2016 ウラジロヨウラク 2015 ウキヤガラ 2014 マロニエ(セイヨウトチノキ) 2013 ケマンソウ(タイツリソウ) 2012 ハグマノキ(スモークツリー) 2011 ラベンダー・デンタータ 2010 ヒメジョオン 2009 ギンバイカ 2008 アゼナルコ 2007 ワラビ 2006 ローズゼラニウム 2005 カツラ 2004 シロタエギク

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6月16日(金) アカガシワ(←ピンオークを訂正←アカガシワを訂正)

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<タイトル再訂正>勇み足というか、観察不足というか、タイトルは元に戻します。恥ずかしいいきさつを記録しておきました。(2017年7月12日
<タイトル訂正>これはアカガシワではなく、ピンオークだったようです。
元々、「アカガシワ(か、類似種)」としていたくらい、気持ちがあやふやでした。同じ月のうちに訂正できたことを喜んでおくことにします。
なお、当初記事(点線下)に書いた「落葉性」と「二年成」という特徴は、ピンオークも同じ性質であり、間違いではありません。(2017年6月30日
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風が吹き荒れた日、大きすぎてふだんは写せないアカガシワ(か、類似種)の枝先が千切られて足下に落ちていました。深い切れ込みを持つ葉はまだみずみずしく、その付け根にはドングリがついていました。
下側のドングリは、おりん布団のような殻斗に埋もれてはいても、その先についている赤ちゃんドングリよりは明らかに先輩です。ドングリには、花が咲いたその年に完成する一年成と、翌年に熟する二年成があり、アカガシワは後者なのでした。その証拠に、下側のドングリの下にはもう葉がなく(アカガシワは落葉性)、上側のドングリの上下には今年の葉がついています。
調べてみると、アカガシワのドングリはこのおりん布団の上にコロンと丸く乗って、なかなかかわいい姿です。秋にほどよい(?)台風が来てくれたら、急いでまたこの場所に来てみることにしましょう。

過去のきょう 2016 マルバシモツケ 2015 カシグルミ 2014 ガマ 2013 サンショウ 2012 タイリンマツヨイグサ(ゴデチア) 2011 ナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ) 2010 イボタノキ 2009 バイカウツギ 2008 サンショウバラ 2007 フウリンソウ(カンパニュラ・メディウム) 2006 ハタザオギキョウ 2005 バショウ 2004 オシロイバナ

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6月15日(木) アフリカハマユウ(インドハマユウ)

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通称インドハマユウ、じつはアフリカハマユウ、でもみんながインドハマユウと呼ぶからそれでいいか…だそうで、いまの自民党みたいに数の論理です。
そんなことを教えてもらったのが10年以上前なのに、いまだにこの花を見ると「お、インドハマユウだ」と呟いてしまうのだから、草木愛好家の名折れです。この圧倒的に長い花柄(インドはやや短い)と純白無垢な花びら(インドは紫の筋あり)に遭遇したときは、正しく「アフリカハマユウだ」と呟けるようになりたいものです。
と言うか、正しいインドハマユウを探すのが優先課題です。インドとアフリカ、両方の写真をここで引き比べない限り、ワタシの恥ずかしい呟きは治らないことでしょう。

過去のきょう 2016 イノデ 2015 ライムギ 2014 エゾアジサイ 2013 ベニバナ 2012 ヒメタイサンボク 2011 ノグルミ 2010 ニゲラ 2009 ヤマブキショウマ 2008 ベニバナイチヤクソウ 2007 ムラサキウマゴヤシ 2006 オオアメリカキササゲ(ハナキササゲ) 2005 シャクヤク 2004 ハキダメギク

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6月14日(水) ツクバネガシ

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花を見たぞ!と言うにはやや遅く、かと言ってもう実になって!とは言いにくい、そんな微妙な雌花(写真右上)に出会いました。
雄花は?と言うと、もうどこにもぶら下がっていなくて、その痕跡であろう「クズ」が写真左下で2年目ドングリに絡みついていました。あと2週間も早ければ、と残念に思う一方で、わりとグリコな時期の出会いが愉快でもあります。
このツクバネガシとは、足下に落ちていたドングリに始まるつきあいです。そのあと、殻斗をうまく写せないという泣きの寄り道があって、足かけ3年でようやく花の痕までたどりついたわけです。悠然とそびえる巨木ですから、学ばせていただくこちらも気長にそのお膝下に通うことにしました。

過去のきょう 2016 ホソバアオキ 2015 ボダイジュ 2014 タツナミソウ 2013 ネズミモチ 2012 ウワバミソウ 2011 ラムズイヤー 2010 ヤマグワ 2009 ジョウリョクヤマボウシ 2008 ムクノキ 2007 ナンテンハギ 2006 ヤエドクダミ 2005 ブナ 2004 ガクアジサイ

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6月13日(火) ナガバミズアオイ(ポンテデリア・コルダタ)

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ため池の岸辺が、照り輝く葉で覆われていました。去年もナガバミズアオイを載せてはいても、あれは某温室での撮影でした。それが今度は近所の露地というか、ごく自然な環境で育っていて、そのせいか葉の色艶が見違えるようです。
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しかも、温室では望むべくもないポリネーターが盛んに吸蜜中でした。上向きの花びらには蜜標らしき二つの黄色いスポットがあり、蜜蜂はそこを目指してせわしく頭を突っ込んで回ります。腹部が、ちょうど雄シベ・雌シベに触れるようです。
それにしても、去年はこの水草を少し冷たい目で見過ぎたことを反省です。外来の草木が無分別に殖えることは要注意でも、節度を保ち管理された状態で育ってくれるなら、それを眺める人間にも、吸蜜する蜂にも、うれしいことでした。

<補注> 変種のホソナガバミズアオイを収録しました。(2023年8月2日

過去のきょう 2016 ムラサキミツバ 2015 イヌガラシ 2014 チョウセンキハギ 2013 ゲラニウム(Jolly Bee ) 2012 ヒメカジイチゴ 2011 アカモノ 2010 アオテンマ 2009 ベニヤマボウシ 2008 ニワトコ 2007 ナヨクサフジ 2006 カシワバアジサイ 2005 ウメモドキ 2004 ムクゲ

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番外編 : 野生との接近遭遇

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小さな池の向こうで藪がゴソゴソとざわめいて、かなり重量感のある音でした。「猫じゃないな、犬ならけっこう大型?」と考えたのは、人家がほど近い場所で、藪を揺する動物として猫や犬くらいしか思いつかない場所だったからです。
ところが、音の方に向けた望遠レンズがとらえたものはタヌキでした。目を上げたまま、ガブガブ音を立てて池の水を飲むと、あっと言う間に立ち去りました。
うーん、蕗の葉にピントを当ててどうするんじゃ?と悔やんでもあとの祭りです。しかし、その奥で仔細はぼやけていても、決して彼の視線は外れていません。知床の熊(こちらなんて無視していると思ったのに、写真で確かめたら、きっちりとこちらをマークしていた)を思い出しました。野生、恐るべし。

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6月12日(月) フシノハアワブキ

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もう少し夏の盛りだと、この花を見て「ああ、ビール…」と喉が鳴りそうです。まさしく泡が吹いていて、ふつうのアワブキとは属を同じくする仲間です。
ただし、こちらはヤンバルアワブキとかリュウキュウアワブキという別名があるように、自生は西日本なので、関東で見るのは植栽ものに限られます。そして、もう一つの別名がヌルデアワブキで、葉が「ふつう」とはだいぶ違います。
そもそもフシ(ノハ)はヌルデのことで、たしかに奇数羽状複葉(「ふつう」は互生の単葉)です。個人的には、ヌルデよりもシマトネリコを連想します。
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同属だなんてほぼ思えない葉を見てから花に目を移すと、泡立ちそうな感じは似ていても、「ふつう」のような変則さがなくて、これもちょっと違って見えます。
わからんなぁと呟きつつ、この大木(10mほど)を見上げると、樹冠は泡で覆われていて、「まっ、アワブキですかねえ」と不承不承に呟くのでした。

過去のきょう 2016 ヤマウコギ 2015 ドクウツギ 2014 クラマゴケ 2013 フェイジョア 2012 ムシャリンドウ 2011 アリウム・ギガンテウム 2010 オオテンニンギク 2009 ニワナナカマド(チンシバイ) 2008 シナノキ 2007 オオマツヨイグサ 2006 ムシトリナデシコ 2005 クリ 2004 クチナシ

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6月11日(日) ショウジョウバカマ

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生気に満ちて凜とした様子はとても花後の姿とは見えません。さらに、背丈が花どきよりグンと高くて、ショウジョウバカマとわかるのに手間取りました。
この背丈は、種を散布するときの有利さを確保するためでしょう。こういうショウジョウバカマの性質がわかってから過去掲載の写真を見直すと、3月には花茎がずいぶん短かかったのに、4月にはグンと長くなっていることに気づきます。
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正体を見定めるのに役立ったのは、地面を埋める幼い株の群れでした。最初の出会いのときは貴重品に思えたショウジョウバカマなのに、このごろは数カ所の山でこうして路傍を埋めているのを見かけます。環境が良くなったのか、単に自分の目が慣れたのか、どちらであっても、うれしいことに変わりはありません。

過去のきょう 2016 ホンカンゾウ(シナカンゾウ) 2015 カミツレ(カモミール、カモマイル、ジャーマンカモミール) 2014 ツゲ(ホンツゲ) 2013 タカノハススキ 2012 ユリノキ(斑入り種) 2011 レンゲツツジ 2010 ウメガサソウ 2009 ナンテン 2008 マグワ 2007 キンギンボク(ヒョウタンボク) 2006 ホオズキ 2005 ハアザミ(アカンサス) 2004 ナツツバキ

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6月10日(土) セッコウガキ

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名前のセッコウは中国・浙江省に因んでいて、彼の地で観賞用に育てられている柿の木です。たしかに、鑑賞に値する花で、日本で見るふつうの柿の花の無愛想さに比べると、まるで別の種類の木に見えます。(実際は同属の仲間)
たしか、以前、実の写真も撮った気がして探したものの、目的は果たせません。ツクバネガキのように小さくて、さらにあれより寸詰まり、ただしリュウキュウマメガキよりは一回り大きい、そんな感じだったような…。
ところが、味の記憶がありません。ウゥゥとなってもニンマリしても、いずれ絶対に覚えているはずで、たぶん手を出したくなる時期に会えていないのでしょう。さて、今年の秋には苦悶に頬を歪めるか快哉の笑みを浮かべるか、運試し・味試しです。

過去のきょう 2016 ネグンドカエデ・フラミンゴ 2015 アブラツツジ 2014 エキノプシス・カマエセレウス(ビャクダン、ピーナツカクタス) 2013 ニッサボク 2012 ヒメコバンソウ 2011 キショウブ 2010 アカショウマ 2009 ハタザクラ 2008 ラミウム・マクラツム 2007 オニノヤガラ 2006 ヨーロッパブドウ 2005 シャグマユリ 2004 タイサンボク

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6月9日(金) トウキ

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かなり元気系の草であることは、のびやかな若葉やはち切れそうな苞の具合で推測できます。ご婦人に霊験あらたかな生薬の原料として有名です。
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そんな効能があるのは根なのに、コアオハナムグリは花粉と蜜にご執心でした。繊細な花の美しさなどお構いなしで、ムシャムシャペロペロとやりたい放題です。
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ただ、花粉を食べるだけの黄金虫はまだかわいくて、この芋虫は悪辣です。レンズを向けたとき、お尻(右側)から飽食の結果を排出してくれました。
トウキなどのセリ科を食草とする蝶を調べたら、この派手なボディの写真がたくさん出てきて、この大食漢がキアゲハの子供であることがわかりました。

過去のきょう 2016 オオトウワタ 2015 マツモトセンノウ 2014 シリブカガシとマテバシイ 2013 アナガリス(ルリハコベ) 2012 イヌリンゴ 2011 キレンゲツツジ 2010 ナルコユリ 2009 ニワウルシ(雄株) 2008 コアジサイ 2007 ノリウツギ 2006 ヨウシュイボタ 2005 サルビア・グアラニチカ 2004 ネムノキ

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6月8日(木) ヒゼンマユミ

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よーし、ヒゼンマユミの賑やかな花どきを押さえたぞぉ!で、この記事はめでたく終わるはずでした。ところが!なのです。
ヘテロスタイルってなんですかぁ。Heteroって異性愛、一部の人には顰蹙を買うかしれなくても、まあふつうの恋愛タイプのことですわなあ。で、Styleって、スタイルがいいとか悪いとか言うよねえと思ったら、それとは別義で花柱のことでした。
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つまり、ヘテロスタイル=異性を愛する花柱です。写真(↑)に短柱花・長柱花(この見分けが正しいかどうか不明)と書き入れました。花柱が花台にほぼ埋もれ、その代わりに雄シベの葯が目立つ花(写真中央)と、花柱がやや出っ張り、葯が退化している花(写真左端)がたしかにあります。
マユミの仲間なのだから雌雄異株かと思ったら、ヒゼンマユミはヘテロスタイリー(蕎麦の花がこれで有名らしい)なのでした。うーん、単純に雄花・雌花でいいのでは?と思う(注)一方で、ちょっとかっこいい言葉を覚えて得した気分でもあります。

<補注> いい加減な書き方をしたところを補足すると、ヘテロスタイルは雄花・雌花とは違い、短柱花は長柱花の花粉で受精し、長柱花はその逆、つまりどちらも「妊娠」するわけで、雌雄の役割分担ではないのでした。

過去のきょう 2016 オオバヤシャブシ 2015 ハマクサギ 2014 イグサ(イ) 2013 トネリコ 2012 カラスムギ 2011 ジャーマンアイリス 2010 カナウツギ 2009 ギンリョウソウ 2008 アケボノフウロ 2007 シロバナヤエウツギ 2006 ウラジロチチコグサ 2005 モミジルコウ(ハゴロモルコウソウ) 2004 ナンキンハゼ

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6月7日(水) ハナヤエムグラ

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帰化植物というのは、ものによっては危険視されるほどの繁殖力があって、目の敵にされがちです。ところが、このハナヤエムグラはそれほど精力絶倫ではないらしく、見つけるとちょっとうれしがるべき「舶来品」的な存在です。
ふつうのヤエムグラとはアカネ科の属違いで、わりと近縁だと言います。たしかに、輪生した葉はこちらがややグラマーでも、感じは似ています。
淡い紫の十字花が総苞に包まれているのが「ふつう」との大きな違いです。したがって花後の実の付き方もまた「ふつう」とは異なります。もう少し実の姿がはっきりしたら、そのあたりにググッと迫ってみようと思います。

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6月6日(火) シラキ

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髪飾りみたいな実と、濃く色づいた葉を見たのが10年前でした。その実を開いて、なかからウズラの卵が出てきて驚いてからでも9年経ちます。
その間、どうして花を見たいと思わなかったのか、自分が不思議です。面白い実や重厚な紅葉で満足してしまったのか、花を撮ろうとは考えもしませんでした。
さすがにシラキの方で業を煮やしたのか、「久しぶり~」と目の前に現れてくれました。どっしりと量感のある葉が立派です。
そして雌花の子房です。なんとなく3つに膨らみそうな気配はあるし、柱頭は3つに割れているし、なのに種は1個しか入っていないなんて、まだ信じられません。
さらに雄花が変です。こんな地味っぽい雄花、初めて見ました。
きっと、自分が珍品であることはわかっていて、早くここに登場したかったのだと思います。ずいぶんお待たせして、シラキさん、申し訳ありませんでした。

<追録> 4月下旬の段階では、雄花穂が立ち上がってはきたものの、その下部にあるべき雌花の芽は認められませんでした。(撮影:2018年4月22日)
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過去のきょう 2016 キササゲ 2015 メグスリノキ(雌株) 2014 ダイズ 2013 ギョリュウバイ 2012 ノミノフスマ 2011 サイハイラン 2010 ウスベニアオイ 2009 ナギ(雌株) 2008 マルバダケブキ 2007 シロバナサギゴケ(サギゴケ) 2006 シモツケ 2005 ホタルブクロ 2004 サンゴジュ

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6月5日(月) コムギとオオムギ

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小麦(↑)と大麦(↓)というのは名前的に対なので、てっきり草丈か実のサイズに大小があるのだと思っていました。ところがそうではなくて、芽生え後すぐの葉が大麦の方が広くて、小麦のそれと比べると大柄だという意味なのでした。
そして、名前的にはセットでも用途は全然違って、小麦はパンや小麦粉、大麦はビールや麦茶になります。そのわけはグルテンの有無(量の差)で、グルテンで粘る小麦は捏ねて使うのにむき、粘らない大麦は炊いて食べるのにむくのでした。
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1枚目の小麦の写真と比べると、この大麦の姿にはつい微笑みます。穂が寸詰まりだし、芒がぼうぼうで、なにか漫画的でカワイイのです。
背丈はどちらも自分の腰かお臍くらいで、たしかに差がありません。素人的な見分けはもっぱら穂の違いに頼るしかなく、いかにも実直そうな見かけの小麦に対し、「遊んでるでしょ?」とからかいたいのが大麦と覚えることにします。

<補注> 大麦は六条種が基本(上の写真も六条)で、その変化型として二条種があることを知りました。(2019年5月29日)

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6月4日(日) コバノズイナ

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はた衛門 : なんだよぉ。会いたかったのは「小葉の」さんじゃないんだよなあ。余計な冠のつかない、「ただの」ズイナさん、どっか、いないかなあ。
コバノズイナ : なによ、失礼ね。「ただの」さんは西日本の人だから、さっさとあっちの山を歩いてみたら。
はた : あ、ごめん、ごめん。「小葉の」さんも十分おきれいですから、きょうのところはとりあえず我慢しておきます。
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コバノ : ちょっと、なによ、その指! 触んないでよぉ。
はた : あ、いやちょっと、「小葉の」の小ささ具合をね。ふ-む、別にそんなに小さくないよねえ。大きさよりも、幅が狭くて先が尖らないって意味なんだね。
コバノ : ふん、わかってくれた? で、なんで「ただの」さんにご執心なの?
はた : いやあ、ズイナって名前が変だから、ご本人に直接聞いてみたくって。だって、「枝の髄が灯心になって、葉が食べられるから」って言うけど、もしそうだとして、日本語的にその特徴を二つ重ねて呼ぶと思う?
コバノ : は?
はた : ヨメナって柔らかい菜、ニガナって苦い菜…ふつう上の言葉は下の言葉を修飾するでしょ。髄+菜みたいな同列くっつけっておかしいと思って。
コバノ : その「髄が灯心」って誰が言ったの? 牧野博士なんて、「ズイの意味はわからない」って書いてるじゃない!
はた : え、そうなんですか。そうですよねえ。いやあ、「小葉の」さんに会えてよかったですよ。ほんと、おきれいですねえ。
コバノ : バカ。もう、早くあっち行って!

<補注> 冬の様子を確認しました。(2020年1月29日

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6月3日(土) バイモ

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タービンエンジンの部品みたいな緑の物体が空中浮揚していました。完璧に枯れ上がった茎や葉の色と形が、このマジックショーの引き立て役です。
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なんですか、これは?と迫ってみたら、実(蒴果)でした。波板構造の薄くて丈夫な6枚の羽に惑わされはしても、その軸部分は間違いなく種の莢です。
さてこの羽の役目はいったいなんでしょう。空を飛ぶためには、放射形に6枚並んでは意味をなさないように思います。愚考するに、地面に落ちたこの実が、風を受けてコロコロ転がるための車輪代わりではあるまいか、と。
根もとには球根があるので、種はできるだけそこから離れたい、しかし空を飛んで新天地を目指すような博打は避けたい…花もかなり渋い趣味だったし、実までこの推測が当たりなら、バイモの手堅い心根に惚れ直してしまいそうです。

<補注> バイモの葉の秘密に気づきました。(2019年5月3日

過去のきょう 2016 シナガワハギ 2015 トキワハゼ 2014 マタタビ 2013 ヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ) 2012 セイヨウニワトコ 2011 ニシキウツギ 2010 ブラシノキ 2009 クリ(雌花) 2008 センダイハギ 2007 タチバナ 2006 シロバナシラン 2005 ハナザクロ 2004 カリフォルニアポピー

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6月2日(金) マダケ

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ようやく撮れたマダケの写真(↑左側)は、ずいぶん不出来でした。それでも、触った指にはテロンとした感触が残っていて、こんな写真でも十分役立ちます。
なにせ2カ月前からこの竹の子を求めてうろつきました。その途中には、「あのスマートさは!」と勢い込んで藪を分け入ってみてガッカリしたこと数度、右側に並べたモウソウチクはその典型です。近づいたら、竹の子の皮は毛むくじゃらでした。
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それに比べると、マダケの皮(↑左側)のテロリン具合は格別です。今年の捜索途中には、あの火炎土器風のハチクの竹の子(↑右側)にも遭遇しました。前に掲載したものよりはずっと細身ではあっても、その毛深さは変わりません。
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そして、マダケの竹の子の先輩がこちらです。ここではコナラと競り合っていました。先日、TVの日本礼賛番組で、マダケは節間が長く柔らかいので編み笠の材料に好適と紹介していました。たしかに、のびやかで柔らかそうな姿です。

<補注> 「てんぐ巣病」症状のマダケを見ました。(2020年3月9日

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6月1日(木) オニスゲ

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ずいぶんと単純な名前(注)をつけられたものです。イガイガ→怖い→鬼、自分の感覚が先人のそれと同じであることに、妙な安心感を覚えてしまいました。
水辺の草(写真のものは抽水状態)なので、それなりに湿原とか沼とか沢とかいう環境が必要で、あまり人家の近くで目にする物ではありません。テクテク歩いて、きれいな空気を吸ったときのご褒美みたいな鬼さんです。
イガイガ(果胞)の先に糸くず状のものが見えていて、これが雌花の柱頭です。もう少し早いと花盛り(とは言っても柱頭が白くきれいなだけ)だったので、次はそんなタイミングで、足下に注意しながら、グッと迫ってみましょう。

<補注1> 別名にミクリスゲがあって、たしかにちょっとミクリを思わせます。
<補注2> オニスゲに似たカレクス・グライを収録しました。(2023年7月1日

過去のきょう 2016 フキタンポポ 2015 オオヤマフスマ 2014 クサイチゴ 2013 マツバギク 2012 シロモジ 2011 アズキナシ 2010 シライトソウ 2009 ナツハゼ 2008 ギンリョウソウ 2007 ムシトリナデシコ 2006 ユスラウメ 2005 カルミア 2004 ソメイヨシノ

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