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4月30日(土) カスマグサ

160430kasumagusa鄙(ひな)びた山里のバス停でドッコラショと腰を下ろしたら、道の向こうの丘がピンク色に見えました。久しぶりのカスマグサとの出会いでした。
山のなかでは見ないのに、人里に降りると見かける草です。カラスやスズメなどと同じで、植物にも人の匂いを好む種類があるようです。
おっと、ここで膝ポンでした。カスマという名は「カ」ラスノエンドウと「ス」ズメノエンドウの中「間」サイズというのが本来の意味であっても、その生息域までが本当のカラスやスズメとそっくりなのでした。
またまた「はた衛門珍説」だとは思いながらも、田舎のバスに揺られながらルンルン気分に浸ることができた楽しい思いつきでした。

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4月29日(金) アズサ(ヨグソミネバリ)

160429azusa
アズサとミズメの見分けに苦戦していて、写真の木をアズサとするのはかなりのドキドキものです。それでも無理にここに出すのは、ヨグソミネバリ(夜糞峰榛)というあまりにあんまりな別名を書き留めておきたかっただけかもしれません。
図鑑を引いても二種の区別は判然とせず、牧野博士も「両者の区別は非常にむずかしい」とつれない言い方です。ただ、詳細に二つの記述内容を比較すると、まず樹皮の色が違って、アズサには「赤土色」という表現が使われています。よしよし、写真の幹にはそんな色合いが見られます。
葉の鋸歯についても、アズサは「不規則の二重きょ歯」とあるのに対し、ミズメの説明には「鋭いきょ歯」としかありません。写真を拡大してみると、たしかに二重鋸歯と思われるところもあります。(今後の比較が必要)
決定的に違うのは、雌花(雌雄同株・異花)が苞鱗内に2個あるのがアズサ、3個ならミズメというところではあっても、これは来月の開花時に両種の雌花を接写できる幸運に恵まれるまでお預けのポイントです。
しかし、アズサには見分けのむずかしさ以外にも困った問題があります。いまの皇太子さまのお印が梓なのです。トホホ、プリンスが夜糞峰榛ですか?!
というのは不勉強の極みで、お印の梓はキササゲのことでした。中国から梓という樹名が伝わったとき、どうも混乱があったようです。
そうすると、枕詞で有名な梓弓はキササゲで作るのかというと、こちらは夜糞峰榛のことで、神事に使われる弓は多少「かぐわしい」方が霊験あらたかなのかなと、アズサとミズメで混乱してしまったオツムで愚考したのでした。

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4月28日(木) マキノスミレ

160428makinosumire牧野博士というお方は、笑顔がとてもかわいいし、お若いときの甘いマスクの写真も残されています。ただ、それにしても、こんなに愛くるしいスミレにご自分の名前を冠するとは、イケメンだっただけでなく、お茶目でもあったのでしょう。
シハイスミレ(未収録)の変種で、二つのスミレを見分ける境目はかなり微妙だと言います。それなのにこれをマキノスミレとしたのは、一つは全体の小ささです。拙の人差し指がまるで膝頭のように見えます。
また、ピンと立った葉もこのスミレの特徴だし、東北の地で出会った(シハイスミレは西日本に多い)という状況証拠もあります。
初めて見かけた珍しいスミレでしたが、もしまた出会ったときは「やあ、富ちゃん」とお茶目に呼びかけてあげることにします。

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4月27日(水) ブナ

160427buna草と木の境目が曖昧なことには泣かされるときがありますが、こういう写真を撮ってみると、植物と動物の境目も怪しいのかと妄想してしまいます。指でなでながら目をつむると、まるで子猫に触っているようです。
160427buna_fところが、同じ毛深い姿でもこちらは感触がちょっと強(こわ)くて、フサフサよりはガシガシという感じです。母は強し、ブナの雌花です。
160427buna_mで、か弱い男の子はどこにいるかと言えば、葉の裏でプランプランと揺れているのでした。足下には用済みの雄花が落ちていて、これからガッシリ充実していく雌花(果実)とは違った儚い人生です…と、つい己の立場を仮託して逃げを打とうとするのですが、俺らとお前らには境目があるんだぜ!とブナが言っております。

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4月26日(火) タヌキラン

160426tanukiran_aタヌキの尻尾がどんな形か思い出せなくて、近くの河原でタヌキを見つけたときの写真を確かめてみました。はいはい、それほどこじつけではない姿です。
160426tanukiran_f触ってみるとけっこうふんわりしていて、本物の尾の感触は知らなくても、だいたいこんな感じかなと納得してしまいます。ただ、このふんわり尾っぽは雌花で、茎の先につく雄花(↓)の方はまるでタヌキの○ンコみたい、グチャグチャです。
160426tanukiran_mというより、この写真で見るべきは茎の形です。このクッキリした三稜はカヤツリグサ科の証明で、タヌキガヤとも呼ばれる由縁です。ただ、萱と言ってしまえば味気なくて、ここは蘭と呼んであげた先人に肩入れしておくことにします。

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4月25日(月) チョウジガマズミとオオチョウジガマズミ

160425tyoujigamazumi
160425ootyoujigamazumi過去のファイルを見直していたら、ちょうどよい二種を見つけました。1枚目がチョウジガマズミで、2枚目がオオチョウジガマズミです。
撮影日はほんの数日しか違わないので、ほぼ同時に今ごろ開花期を迎えることがわかります。どちらも中国・四国以西に分布する木です。
名前からすると、チョウジガマズミがまずあって、それより花が大きい変種がオオチョウジガマズミかと思いそうです。しかし、学名からすると、Viburnum carlesii var. carlesii、つまり「カルレシイの変種のカルレシイ」である「オオ」の方が基本種で、V. carlesii var. bitchiuenseである「オオじゃない」方が亜流になります。
というようなことは知恵熱に犯されてちょっと書き付けただけで、自分的に大切なことはどちらもまるで香らなかったことです。「芳香がする」という図鑑記述の実体験はできないままですが、名前の丁字は花の形によるそうなので、花の香りは知らなくてもお構いなしとしておきます。

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4月24日(日) コチャルメルソウ

160424kotyarumeru1このおかしな名前は知っていたものの、実物を見るのは初めてでした。崖下のやや湿った場所で、畳2枚ほどの広さに群がって咲いていました。
そう言えば、チャルメラの音を聞いた最後はいつだったことやら。昔はたしかに屋台のオジサンがあのラッパ状の笛を吹いて、夜に食欲をそそってくれたものです。今では、この花を横から眺めても、チャルメラを思う人は稀でしょう。
160424kotyarumeru2さて、その花にグッと迫ってみました。左側に拙の左手人差し指を添えました。ガリバーになったような、変な気分です。そして、何が悲しくて花びらが魚の骨になるのか考えると、さらに変な気分度合いは増加します。
「小」がつかないチャルメルソウは、この花がこうは開かずに閉じた感じです。わりと広く分布するコチャルメルソウと違って、チャルメルソウは西日本のものらしいので、そっち方面に行く用事を算段できないか、悪だくみ中です。

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4月23日(土) オオヤマザクラ

160423ooyamazakuraいつの年も開花にはすれ違いしていたオオヤマザクラです。今年は志木よりも250kmほど北の地で、ギリギリセーフで花をとらえました。
ようやく会えたうれしさも手伝って、ものすごく美人さんに見えます。一重で細めの花弁が、濃い色合いでキリッと締まって、アスリートタイプです。
花も枝振りも、山桜に「大」がついた理由がよくわかります。一方で、葉は山桜とあまり差がなく思えます。今まで葉桜状態は何度か見ているものの、はっきりオオヤマザクラとはしにくくて遠慮してきたのは正解だったみたいです。

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4月22日(金) ホザキノイカリソウ

160422hozakinoikarisou葉がイカリソウっぽいかなあとは思うものの、花だけに目を奪われたらユキノシタの変種だろうかとか悩んでしまうところです。イカリソウ類に特有のあの距がなくてもれっきとしたメギ科イカリソウ属とは恐れ入ります。
で、その「変な」花が穂状につくので「穂咲き」はわかるのですが、どうして「の」がついてしまったかも理解できないところです。同じく「穂咲き」を名乗るホザキシモツケは「の」なしなのに、はずみでつけてくれたのなら恨めしいことです。
などなど、文句を並べてはみたものの、この草には一目おくべきようです。漢方で強壮・強精薬とする淫羊霍(いんようかく)はこの葉や茎から採るそうで、いままでふつうのイカリソウやトキワイカリソウが原料だと思っていた自分は認識をあらためなくてはいけません。それにしても「淫羊霍」、字面がホントにステキです。

2015年のきょうツボスミレ(ニョイスミレ)> 2014年のきょうフジモドキ(チョウジザクラ、サツマフジ)> 2013年のきょうオドリコソウ> 2012年のきょうオウゴンカシワ(ナラガシワ)> 2011年のきょうトキワマンサク> 2010年のきょうウコン(鬱金桜)> 2009年のきょうゲッケイジュ> 2008年のきょうムベ> 2007年のきょうオキナグサ> 2006年のきょうブルーベリー> 2005年のきょうサクラソウ> 2004年のきょうナシ

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4月21日(木) マルバノキ

160421marubanoki実のつく草木が大好きなイヤシンボのくせに、実がつくのを見てびっくりするというパターンがあります。ノーマークというか勉強不足というか、花にだけつられて、そのほかの季節には見向きもしていなかった証拠です。
先月取り上げたマンサクに続いて、このマルバノキの実にも虚を突かれました。考えてみればどちらもマンサク科で、口に入れにくい実にはあまり興味がわかないという我がさもしさが露呈してしまった形です。
心を入れ替えてよくよく見れば、豆型ないしお尻型の形がかわいいし、1年前の先輩と並んで実るなんて、なかなか気が利いています。黄葉の時期に花を咲かす臍曲がりさんは、春にぷっくりと頬を膨らませるひょうきん者でした。

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4月20日(水) エンコウソウ

160420enkousouエンコウソウというのはリュウキンカの変種(var.)です。リュウキンカが名前(立金花)のとおり立った茎の先に花を咲かすのに対し、エンコウソウはこうしてだらしなく横に這わせた茎の先で、ヨッコラショとばかり短い花茎を立てます。
「無理に背筋をのばさなくても、楽なのが一番さ」とほざいているようで、ちょっとむかつく姿です。駅や空港で、周囲の迷惑を考えずにゴロゴロ・ズルズルとキャスター付きバッグを引きずる輩とこの草が、どうも二重写しに見えてきました。
「まったくもぉ、シャッキリせんか」と野草相手に苦言を呈するのは、やはり歳のせいでしょう。お出かけ荷物がいくら増えてもコロコロバッグを毛嫌いし、どんなに重くても手持ちでガンバル爺さんを、エンコウソウは鼻で笑っていることでしょう。

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4月19日(火) ザイフリボク

160419zaihuri1デジイチで撮れなかったことを強く後悔する写真です。この写りの悪さを口で補えば、迫った花の花柱には5本の浅い筋が見えます。
見分けを勉強中のザイフリボクジューンベリーですが、花柱のこの筋(癒着した状態)がザイフリボクの証拠で、一方のジューンベリーのここには筋がなく、単純にツルンとした1本の雌シベ状態とわかってきました。
160419zaihuri2そして、そんな細部よりもわかりやすいのはやはり花と葉のシンクロ具合でした。以前に掲載したザイフリボクの開花状態もそうでしたが、今回も若葉が青々と茂ったところに白い花というコントラストがきれいです。
ジューンベリーの場合は、展葉を待たずに花が開くので、桜にたとえれば染井吉野でしょう。それに対してザイフリボクは、花と葉が同時の山桜、ひいてはその流れを汲むハタザクラと同タイプと言え、ちょっと肩入れしてしまいます。

<補注> ザイフリボク見分けの自分的結論を得ました。(2017年4月13日

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4月18日(月) ブルンネラ

160418brunneraどうでもいいと言ったら花が怒るでしょうから、ピョンピョン・パッパという咲き方がかわいいとしておきます。花のつき方や形がワスレナグサを思わせます。どちらもムラサキ科ですが、花の大きさはブルンネラの方が上です。
その花よりも目を惹くのは葉です。写真のものはブルンネラ(Brunnera=属名)のなかでもジャックフロストという名の園芸種で、網目の斑模様が鮮やかです。
グランドカバーに最適という触れ込みで売り出し中のようなので、これから公園の花壇などで目にすることが増えることでしょう。

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4月17日(日) シロバナマンサク(フォザギラ)

160417fothergillaきのう載せたヒトリシズカが、いきなり木になってしまいました…ということはなくて、これはちょっと珍しいフォザギラ(Fothergilla)という落葉低木です。
シロバナマンサクという和名があって、マンサク科です。そう思って見るとマンサクに近い気はするし、これから出る葉はもっとマンサクっぽい感じです。
フォザギラは属名で、この属にはいくつかの種類があります。そのなかではマヨール(major)とモンチコラ(monticola)の区別が自分にはつかなくて、写真のものはそのどちらかだと思います。逃げでフォザギラにしておきます。

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4月16日(土) ヒトリシズカ

160416hirtorisizuka試験管ブラシのように見える白い糸が雄シベであることはわかっていたのですが、その雄シベの付け根に葯があることに初めて気づきました。
雄シベのつくりというのは、ふつうは糸がのびたその先に葯をつけるのに、これでは糸の意味がまったくありません。さらに、1カ所から3本出ている雄シベのうち、真んなかのものには葯がなく、ただのダミーです。
考えるに、この白い糸は虫を集める集客装置なのでしょう。そうなると、この花に虫がとりついて花粉を媒介している現場を撮りたくなります。さらに、その受粉の結果である実の様子も、今まで見たような、見ていないような…。
まったくもぉ!と自分のうかつさに舌打ちしながらも、楽しみは尽きないものだと幸せな気分になってしまうのだから、オツムも春爛漫です。

2015年のきょうゴウダソウ(ルナリア)> 2014年のきょうササベザクラ(笹部桜)> 2013年のきょうチゴユリ> 2012年のきょうコブクザクラ> 2011年のきょうキクモモ> 2010年のきょうウラシマソウ> 2009年のきょうザゼンソウ> 2008年のきょうアオキ> 2007年のきょうカーネーション> 2006年のきょうツルニチニチソウ> 2005年のきょうハタザクラ> 2004年のきょうハタザクラ

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4月15日(金) ウコン(鬱金桜)

160415ukon朝日のための色被りがウコン(鬱金)らしさを増幅させてくれた気がします。前に載せたときは、せっかくの黄色みが逆光のために薄れていました。
また、半八重のような多弁の性質も、低い光線のおかげでコントラスト良くとらえることができました。というか、写したあとでつくづく眺めて、ウコンが八重種であることをあらためて認識したというのが恥ずかしい舞台裏です。
黄色っぽい桜と言えば、これとギョイコウですが、ギョイコウは御衣香か御衣黄か、迷ったままだったことを思い出しました。このウコンと同じように朝とか夕に撮れば、御衣「黄」表記を納得する色合いに撮れるのかもしれません。

2015年のきょうツバキ(崑崙黒)> 2014年のきょうセンダイタイゲキ> 2013年のきょうツバキ(九重)> 2012年のきょうアネモネ> 2011年のきょうハタザクラ> 2010年のきょうハシバミ> 2009年のきょうハリエニシダ> 2008年のきょうミドリウスバサイシン> 2007年のきょうラショウモンカズラ> 2006年のきょうヤブタビラコ> 2005年のきょうシロバナハナズオウ

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4月14日(木) ムサシアブミ

160414musasiabumi自分が「おかしな奴」だということには、おかしな奴本人は気づいていないことが多くて、一方で「美しい人」はたいがい自分のきれいさを自覚しているようです。さて、人間界はそんな具合でも、草木たちはいったいどうなのでしょう。
ことにムサシアブミの場合、自分のことを変だと思っているのか美しいと思っているのか、本当に聞いてみたくなります。ここはムサシアブミになりかわってはた衛門がつぶやけば、「おかしくてきれいで、なんか文句ある?」です。
去年の今ごろは葉が開く前の幼い姿をとらえましたが、あれよりは花(仏炎苞)がグッと迫力を増した状態です。そして、数日の差で葉は巨大なまでに開き、キラキラと春の陽射しを照り返しているのでした。

2015年のきょうカキドオシ> 2014年のきょうハシバミ> 2013年のきょうコスミレ> 2012年のきょうレンギョウ> 2011年のきょうスギ> 2010年のきょうサルトリイバラ(サンキライ・雌花)> 2009年のきょうオオイワウチワ> 2008年のきょうハナノキ> 2007年のきょうムレスズメ> 2006年のきょうコオニタビラコ> 2005年のきょうアケビ

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4月13日(水) ミツバツツジ

160413mitubatutujiつつじが丘という地名が全国各地にあります。そのなかには仙台の「榴岡」のような難読(?)パターンもあるものの、おおむねは「が」の音を「ケ」と書くか「ヶ」とするかぐらいの差で、「つつじ」はみんな平仮名表記です。
たしかに、「ツツジケ丘」では読みにくいし、「躑躅丘」では書きにくいし、平仮名を当てておくのが妥当なところなのでしょう。で、字のことはさておき、そういう場所へ行ってみると、案外にツツジの影は薄くて、小綺麗な住宅が密集していたりして、つつじが丘とはツツジを刈り倒してできた丘かいと毒づきたくなるのです。
そんな「つつじが丘」に比べると、ここはごくささやかな丘ではあっても、本当にミツバツツジに埋もれた場所でした。染井吉野が散ったら、次は私たちと言っているようで、こうして春の花リレーはしばらくの間、続いてくれることでしょう。

2015年のきょうニワザクラ> 2014年のきょうレンプクソウ(ゴリンバナ)> 2013年のきょうミツバツツジ> 2012年のきょうプリムラ・ジュリアン> 2011年のきょうツバキ(王昭君)> 2010年のきょうニッコウネコノメソウ> 2009年のきょうオオリキュウバイ> 2008年のきょうタピアン> 2007年のきょうムラサキケマン> 2006年のきょうスズメノテッポウ> 2005年のきょうシロバナタンポポ

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4月12日(火) サルオガセ

160412saruogase草・木・草・木というこのブログの順番からすれば、きょうは草の日なのですが、これが「草」かと問われれば押し黙るしかありません。ただ、枝から生えているわけではなく被さっているだけだし、触れば柔らかいし、木じゃあないな、と…。
真面目に言えばこれは地衣類で、通常の草木とはまた別の一分野を成すものなのですが、そういう堅苦しいことはなしにしておきます。
見かけと同じくらいおもしろいのが名前で、猿の麻桛(おがせ)というわけです。その麻桛を辞書にあたると、「麻をよって糸にし、枠にかけて巻き取ったもの」「乱れてもつれるさまのたとえ」とあります。説明を読めばなるほどとは思うものの、「おがせ」が死語になってしまった今は、森のなかで昔を偲ぶしかありません。

2015年のきょうヒイラギソウ> 2014年のきょうクロモジ(雌花)> 2013年のきょうヒトリシズカ> 2012年のきょうユキヤナギ(ピンク)> 2011年のきょうアマナ> 2010年のきょうエンレイソウ> 2009年のきょうホソバアカメギ> 2008年のきょうクレマチス・白万重(しろまんえ)> 2007年のきょうプリムラ・マラコイデス> 2006年のきょうアンスリウム> 2005年のきょうハナカイドウ

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4月11日(月) クヌギ

160411kunugiこのごろ「ヒートアイランド現象」という言葉を聞かなくなった気がします。アスファルトやコンクリートで固めた街の気温が、野山のそれよりもずっと高くなり、ひいては地球全体を暖めてしまうことへの警鐘となる言葉でした。
しかし、こうして木々の若葉や花の展開を見ていると、この「懐かしい」言葉を決して死語にしてはいけないと実感します。クヌギひとつとっても、これまで似たような段階の写真を何度か載せていますが、それらに結構な時期の差があるのです。
当然ながら、年によって気温の差はありますが、それよりも大きな要因は「どこで撮ったか」なのです。野歩きと街歩きの差です。
この写真は、東京都心で撮りました。ヒートアイランドのど真ん中なので、葉の展開が野山のものより半月も先行しています。
まさかアスファルトの道路を泥道に戻すわけにいかないのですが、新しい技術の舗装採用とか緑化推進とか、我々の世代が負っている実行課題はけっこう大きくて重いものだと考え直さずにはいられません。

<過去掲載のクヌギ> 1月13日 2月23日 3月29日 4月1日 4月26日 5月2日 5月22日 7月20日 10月28日 11月2日 11月13日 12月1日

2015年のきょうジューンベリー> 2014年のきょうヒキノカサ> 2013年のきょうミカイドウ> 2012年のきょうヤブレガサ> 2011年のきょうアオキ> 2010年のきょうヒメウズ> 2009年のきょうタンチョウソウ(イワヤツデ)> 2008年のきょう八重咲き水仙・エルリッチャー> 2007年のきょうイカリソウ> 2006年のきょうゲンゲ(レンゲソウ)> 2005年のきょうハタザクラ

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4月10日(日) イワウチワ

160410iwautiwa登山家がやや自慢げに紹介することが多い花です。あちこちの都府県でレッドリストにも入れられています。それなのに、それほどの標高でもないところで安直に撮影できたので、もしかしたら栽培種かもしれません。
同じく山の花であるイワカガミとは、名前だけでなく花や葉が似ています。ただ、花も葉もイワウチワの方が渋いので、二つを混同することはなさそうです。
まさに鏡のようにピカピカ光るイワカガミの葉に比べ、イワウチワの方はそれほど艶がなく、白い葉脈が団扇の骨のように見えます。この団扇がもっと大きいオオイワウチワもあって、かつて団扇には注目せずに花にだけ迫っていたので、あの記事を補正しておかなくてはと気づきました。

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4月9日(土) イヌブナ

160409inubuna犬呼ばわりされてガサツっぽく思ってしまうイヌブナですが、この若葉のフワッとした質感には見惚れます。おむつやティシューのCMに持ってこいだと思うのですが、やっぱり美男タレントが微笑む方が売れるのでしょうか。
風にそよぐ葉の側脈を勘定するのはかなり至難の業で、こういうときはデジカメの恩恵が身にしみます。モニターで拡大して「ヒー、フー、ミー…」とやると、たしかに12本とか13本まで数えられたので、イヌブナでOKでした。
というよりも、葉身がコロッと丸いブナよりも明らかにこちらがスマートです。世界遺産でブナの森ばかり有名になりましたが、イヌブナの森にももっとスポットライトが当たってほしいと贔屓してしまいます。

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4月8日(金) ホウチャクソウ

160408houtyakusouあのブランブランと垂れて目立つ花が、今はまだいくつも固まって葉にくるまれていて、子猫がフニャーと言いながら這い出て来る様子を連想します。
…などと、「あの」花にリンクさせようとしたら、こちら(ブログ)にはなくて、蔵(草木365日増補版)にあるきりでした。自分的に春のおなじみさんになってしまって、このごろはあらためてカメラを向けることがなかったようです。
今年は、せっかくこうして咲く前から写してみたことだし、花の内部とか実に移り変わっていく様子とか、まだ撮ったことのないシーンにも挑戦して、なじみ過ぎてしまったホウチャクソウを見直してみることにします。

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4月7日(木) ツクバネウツギ

160407tukubaneutugi幸運なんてそんなにホイホイやって来るものではなくて、3年前の暮れには「光線に恵まれた状態で花を撮りたい」と願い、去年はそれが成就しなかったツクバネウツギなのに、どうもそう易々と注文どおりの被写体になってくれません。
考えて見れば、ツクバネウツギは灌木であって、春が来れば上空をほかの喬木に遮られてしまうことが多いのでした。道理で、いつ撮ろうとしても、冴えた花の姿がカメラに収まることがなかったわけです。
ただ、図鑑的には「陽当たりを好む」とあるので、いつかはくっきりコントラストの効いた一枚を得ることはできるはずです。それまでの押さえとして、またも不本意ながらの掲載としておきます。ああ、回りくどい言い訳だこと…。

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4月6日(水) セリバオウレン

160406seribaouren先日、キクバオウレンを載せるときに調べていて、オウレン類は「雌雄異株または同株」というややこしい性格であることを初めて知りました。
そこで改めてセリバオウレンの花に目を凝らしてみたら、本当に雌花と雄花が存在していました。長い間、こんなことに気づかなかったとは情けない限りです。
そこで悔し紛れにジトッと見ていたら、単純に雌花・雄花と言い切れないものも目につきました。画面右端は、雌シベが目立つけれど雄シベも立派です。その左側のいくつかは、雌シベはあるもののかなり小さめです。
機能分化というのはたぶん花の発展形でしょうから、オウレン類は進化途上なのでしょう。役割があまり分化してしまうと退屈なのは人間も草木も同じはずで、「進化」という名の無聊に抵抗しているような花につい肩入れしてしまいます。

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4月5日(火) アケボノツツジ

160405akebonotutuji西日本の山の崖に育つというツツジを、関東の平地で楽して撮りました。その正体を知らなければ、開発された園芸品かと思うほど、花は色合いが愛らしく、しかも花冠が丸いフォルムで、オヤジ的に言えば妙齢の美人さんです。
前にアケボノフウロを取り上げたとき、その花がとても曙色には見えないとこき下ろしましたが、このツツジの花になら、その名乗りを許してしまいます。
このあとに出て来る葉は5枚の輪生だそうです。残念ながら葉芽はまだ硬く閉じたままなので、若緑の葉で曙色を浮き立たせることはむずかしいようです。

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4月4日(月) オオミスミソウ(ユキワリソウ)

160404oomisumisou仲間のミスミソウよりも花が一回りか二回り大型です。画面左下にある葉を頼りにすると、その裂片の一つよりも花(正確には萼)の差し渡しの方が大きくて、花が裂片の一つと同じか小さいくらいのミスミソウと違うのがわかります。
ただ、「直径何cm以上がオオミスミソウ」などという堅苦しい取り決めはないようなので、自分で大きいと思ったら「オオミスミソウだ」と言ってしまえば勝ちみたいです。また、もしそんな適当なことがイヤな気分のときは、「雪割草(ふつうのミスミソウとオオミスミソウに共通の別名)だ」と言えば間違いではありません。
ふだんは共通の別名なんて困るとか言いながら、こういうときは便利だなあと思ったりするのだから、オオミスミソウもあきれていることでしょう。

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4月3日(日) コナラ

160403konara街に育つコナラはもう若葉を開き始めていても、少し野山に行くと、まだようやく芽がほころび出したところです。このコナラと、もう一つクヌギが、武蔵野の二大雑木であるわけで、その芽吹きどきは、いつの年も心弾みます。
などとキザなことをほざきながら、じつはコナラの芽がずいぶん丸々しいことに今さらながら気づきました。クヌギの芽はけっこう尖っていて、コナラも似た感じだろうと勝手に考えていたのを大いに反省です。
見ようによっては桜の花芽と嘘をつけそうですが、エイプリルフールはもう2日も過ぎてしまいました。「俺のことをくだらないネタにするなよ!」とばかり、ドングリの袴がしっかりと正体を主張してくれていました。

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4月2日(土) スミレ

160402sumire頭に冠の載った○○スミレというのは、日本に50種くらいあるのだそうで、ここにはようやくその1/5を収録(下欄参照)できたばかりです。
そんなややこしいスミレの世界では、逆にその名前がシンプル過ぎて貴重な「ただの」スミレです。嘘か誠か、観察会で「ただのスミレです」と教えられた人が、それからずっとこれを「タダノスミレ」と呼んでいたという話がありまして…。
花色は「単純な菫色」などと邪険に紹介されますが、どっこい右側の株はやや薄めの色合いで、多少のバリエーションはあるようです。暗めの粉緑色で鏃型の葉はけっこう存在感があるし、「ただの」とは言い難い「スミレ」です。

<このブログに収録済みのスミレ>アオイスミレアリアケスミレエイザンスミレオオタチツボスミレコスミレタチツボスミレツボスミレ(ニョイスミレ)ノジスミレヒメスミレマルバスミレ

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4月1日(金) 白キンギョツバキ

160401sirokingyo金魚椿の花は赤(濃いピンク)がふつうなのに、この木は花が白です。しかも、その花が平開咲きではなく筒咲きというところがやや珍品です。
ここ数年、この状態からもっと開くのではないかと見守ってきたのですが、どうやらこれで開き終わりらしいのです。しかも花数をあまりつけないので、肝心の金(錦)魚葉がフレーム内にはやや寂しいまま、こらえきれずに掲載です。
この系統には、葉のくびれがさらに強烈なランチュウ椿というのもあることをこのごろ知りました。父親が金魚の飼育好きだったので、息子が金魚葉椿のいろいろを追いかけてみるのも供養になるかなと思っています。

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