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7月31日(金) ハツユキソウ

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このブログの初年度にもハツユキソウは載せていて、わりと珍しい草なのにあのころもう目をつけていた過去の自分を誉めたい気分です。
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ただし、いまの自分に対してはガッカリで、花を接写できて喜んで帰ってきたら、トウダイグサ科の特徴をさっぱり捉えていないことがわかりました。この科は雌性先熟なので、花から飛び出した子房があるはずなのに、わざわざ雄花だけの花序に迫り、キラキラする腺体を写すのに夢中になっていたのでした。
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そんなわけで、ハツユキソウとの再戦はまたの日とし、2週間ほど前に撮っていたタカトウダイの写真を引っ張り出します。これがトウダイグサ科の両性花で、先端が割れた柱頭を持つ子房(雌シベ)がプラプラと首を垂れています。
我が身の進歩のなさに、はた衛門も首を垂れてしまいはしても、こうやって補完写真を載せられるだけタメができたよね…と自分を慰めておくことにします。

<追録> 早めに自分のミスをカバーすることができました。かなり若い両性花で、横に飛び出た子房の先に、柱頭がまだきれいに残ったままです。
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また、その右手にはそれよりもさらに若い両性花(子房がまだのび出しておらず、6つに割れた柱頭が新鮮)が写っています。(撮影:2015年8月2日)

過去のきょう 2014 タブノキ 2013 ジュズダマ 2012 ユーフォルビア・ダイヤモンドフロスト 2011 オオイタビ 2010 トチカガミ 2009 ハナカンナ(カンナ) 2008 ヒツジグサ 2007 キハギ 2006 ナツズイセン 2005 マンリョウ 2004 サンゴジュ

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7月30日(木) シロバナブラシノキ

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5月後半から6月をブラシノキの開花時期と考え、8月の下旬に咲いているのを見つけたときは返り咲き扱いしていました。
ところが、花色が違うとは言え、休養期間だと思っていた7月にこうして咲いてくれるのだから、ブラシノキの花はどうかすればズーッと見ていられるもののようです(追録参照)。さすが変な一族・フトモモ科のメンバーです。
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さてこの白い花は、ふつうのブラシノキ(Callistemon speciosus)とは品種違いのサリグヌス種(C. salignus)で、和名をシロバナブラシノキといいます。
せっかくなのだから紅白2本を並べて植えればいい(↓)のに、それはまだ見かけたことがありません。ブラシノキのバタ臭さ加減と日本的な色合わせとは、どうにもこうにも相容れないわけで、見たいような見たくないような、ハムレットです。

<追録> しまった! 絞りを開放したまま撮っちゃった…という反省はあとの祭です。本文最後で望んだ紅白そろい踏みを見つけ(↓)て、心がはやりました。
この写真のもう一つの意味は撮影日です。ノーマルなブラシノキ(手前のボケ)と一緒に咲いていました。つまり、本文の写真は二番咲きの様子だったことを3年後に確認できたわけです。(撮影:2018年5月14日)
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7月29日(水) グロリオサ

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生け花でときどき見かけます。百合の種類だろうと思っていたら、いわゆるユリ類(ユリ属)ではなくて、グロリオサ属という独自グループでした。
実際、生態もふつうのユリとは違い、葉先の巻きひげであちこちに絡みます。切り花になって澄ました姿とは違い、地植えでは茎葉がワヤクチャで、それにこのハチャメチャの花ですから、かなり収拾をつけにくい様子です。
その姿以上に鬱陶しいのは例の分類方法に関わることです。従前のクロンキスト体系であればユリ科グロリオサ属だったものが、APGだとグロリオサ属はイヌサフラン科に入れられてしまいました。「百合ではない」のは渋々うなずくとしても、「イヌサフランの仲間だ」と言われると、俄には信じがたい気持ちです。

<追録> 翌年、同じ場所の花はこんな(↓)色でした。自分で変化したのか、違うものが植えられたのかは不明です。(撮影:2016年7月11日)
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<補注> 標題としたグロリオサは属名そのままであり、はた衛門ルールでは避けたい呼び方です。ところがグロリオサの種類の見分けがとてもむずかしく、種小名の特定ができないまま、新規の記事を収録しました。(2024年7月9日

過去のきょう 2014 ハナイカダ 2013 アマチャヅル(雌花) 2012 シマトネリコ 2011 トケイソウ 2010 ベニスジヤマユリ 2009 ヌマトラノオ 2008 ウマノスズクサ 2007 カライトソウ 2006 ママコノシリヌグイ 2005 オミナエシ 2004 ホウキギ(コキア、ホウキグサ)

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7月28日(火) ギンヨウアカシア

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あんなにたくさんついていた実がまるでなくなっていて、ときが移り変わる早さに驚いていたら、枝先が変な具合になっていて、驚き直しです。
こ、これはもしかして花芽では!? だがしかし、次の花の時期までにはまだ7カ月もあります。え、もしかしてギンヨウアカシアって二度咲き!?
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別の場所のものも調べてみました。花芽らしき蕾状のものとは別に、はっきりと葉の赤ちゃんとわかる芽もあって、両方の芽は夏に形成されるようです。
そうと知って先月の写真を見直したら、ぶら下がった実の後ろにすでにたくさんの花芽が見えていました。得意の「見えても見えず」、やっていました(涙)。
ということは8カ月前、いや、もっと仔細に観察すれば、花芽分化が始まる時期はさらに早いのかもしれません。それだけパワーを溜め込む期間があるんだもの、あれだけ爆発的に咲き狂うのは当然と言えば当然なのでした。

過去のきょう 2014 クサソテツ 2013 ミカイドウ 2012 ネジバナ 2011 アルカネット 2010 アメリカホド(アメリカホドイモ、アピオス) 2009 ギンパイソウ 2008 アオヤギソウ 2007 ソクズ 2006 ウマノスズクサ 2005 コガマ 2004 オオニシキソウとコニシキソウ

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7月27日(月) ルイヨウボタン

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6月初めには若緑色だった実がわずかに青みを帯び、そこから赤みを加えたあとに群青色を呈するというプロセスが見てとれます。
これがついには黒紫にまで変化するはずなのに、どうもこの場所で最後まで見届けるのは至難のようです。鳥に啄まれたのか虫に喰われたのか、色が濃くなったものはもうすでに形を全うしていません。
葉の傷みも、開花や結実のころから見ると、この先が大いに不安です。去年のいまごろは、ちょうどこの場所でルイヨウボタンそのものを見失ってしまいました。
一気に登ると、初夏のころでもいい汗をかいてしまう程度の標高はある場所なのに、それでもルイヨウボタンには不向きのようです。この場所のものの観察は続けつつ、もう少し高い山での出会いも考えなくてはいけません。

<追録> ようやく完熟色の実をとらえました。(撮影:2016年7月18日)
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色の進み具合というのは年によって違うようで、去年より時期的には早いのに、完熟どころかもう実がなくなりかけの穂もありました。葉の傷み具合も、去年の写真より一段と進んでいます。
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ならば一粒いただいてもよかろうと囓ってみました。いや、「囓って」みようとしただけで、歯が危険を察知し、途中でやめました。
ジューシーに見えた黒紫の実は、薄皮一枚の下は硬い種でした。知らないとは恐ろしいことで、危なく歯医者さんに大枚をお支払いするところでした。

過去のきょう 2014 キンカン 2013 スパティフィラム 2012 ハナカイドウ 2011 ムクゲ 2010 アズキ 2009 ギンバイソウ 2008 カリブラコア 2007 トウモロコシ 2006 オグルマ 2005 ゲッキツ(シルクジャスミン) 2004 タカノハススキ

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7月26日(日) コバノギンバイカ

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フトモモ科で~す!と言わんばかりの花が派手です。「あ、ギンバイカだ」と思ったものの、なんとはなしにちょっと違います。
まずは花の時期で、ギンバイカなら1カ月ほど前が花盛りでした。それと、雄シベの数が多いのは同じでも、ギンバイカはもう少しキリッとしていました。それに比べてこちらがだらしなく感じるのは、雄シベが傷みやすいからのようです。
そして、決定的な見分けポイントは葉の形とサイズでした。葉先がスーッとのびてサイズも大らかなギンバイカに対し、こちらの先端はのびに欠ける上、サイズがどうにもチマチマしているのです。和名はこの特徴をそのまま反映しています。
ギンバイカと同じ黒紫色で壺型の実をつけるようなので、寒くなったら(その前に早く涼しくなってほしい・笑)またここに来てみることにします。

<補注1> 11月中旬、黒くなった実を撮影しました。(2015年11月17日
<補注2> 花の撮影に再挑戦しました。(2021年8月8日
<補注3> 4度目の収録にあたり、この植物の正体(和名および学名)がかなりあやふやになりました。(2023年10月12日

過去のきょう 2014 ツチアケビ 2013 ミズナラ 2012 コミカンソウ 2011 アレチマツヨイグサ 2010 シカクヒマワリ 2009 ルドベキア・ニチダ 2008 クララ 2007 ルリタマアザミ 2006 セリ 2005 コンロンカ 2004 カクレミノ

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7月25日(土) ハエドクソウ

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雑木林の下生えとして見かけやすい草です。ずいぶん前に、初代コンデジで撮って「とりあえず」掲載したままだったので、仕切り直しです。
葉がもう少し長いナガバハエドクソウというのもある(注)ことを知ったいまは、花だけではなく、葉やとりとめのない全体の姿も押さえておきます。
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ただ、やたら長い穂にチマチマと咲く花にはどうしてもムキになってしまいます。かなりの枚数をバシャバシャやったものの、デジイチでもこの程度でした。なにやら返り討ちにあった感じです。
おまけに、ヒッツキ虫の代表選手である種(実)に迫るのも忘れてしまいました。種の先の爪をきれいに写したいし、ナガバも早く見つけたいし、路傍の草とは言え、なかなかに楽しませてくれるものです。

<補注1> 内容的に「とりあえずレベル」ではあるものの、ようやくナガバハエドクソウを掲載できました。(2017年7月3日
<補注2>「ふつう」と「ナガバ」の花の見分けがわかってみると、ここに掲げたものは「ナガバ」のように思えてきました。かなり甘い写真とは言え、2枚目を見ると肩の張り出しがないように見え、また1枚目写真でも葉の基部は楔形に思えます。ただ、もう少しキチンとした写真でないと「ナガバ」と決めにくいので、この記事はこのまま「ハエドクソウ」としておきます。(2018年7月17日

過去のきょう 2014 ヨコグラノキ 2013 ホウキモロコシ 2012 シャシャンボ 2011 ニワウルシ(シンジュ) 2010 キバナミソハギ 2009 フサザクラ 2008 マツブサ 2007 オニユリ 2006 オトギリソウ 2005 ヒレハリソウ(コンフリー) 2004 ブルーファンフラワー(スカエボラ)

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7月24日(金) ヤノネボンテンカ(タカサゴフヨウ)

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いかにもアオイ科らしい花がきれいです。そして、それと同じくらい、葉が目立ちます。厚い革質で深い緑が輝きます。鏃(やじり)を思わせる形も独特です。
名前のヤノネは「矢の根」であり、鏃のことです。この葉をネーミングの根拠にしたくなるのは、偉い先生方でも同じだったようです。
わかりにくいのはボンテンカの方です。ボンテンカ(未収録)そのものは九州南部から東南アジアに生息するアオイ科の植物です。そのボンテンはたぶん梵天とあてるはずでも、ボンテンカの場合の梵天は梵土天竺の略のようで、つまりインド方面からもたらされた植物という意味なのでしょう。
さらに書き留めておく必要があるのは、これが草本状低木だということです。そう知ってから見ると、枝がかなり木質化しています。見かけも名前も生態も、よくもまあこんなにヒネったね!と感心してしまうヤノネボンテンカでした。

<追録> あらためてヤノネボンテンカの花に迫ることができました。
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正面からもきれいだし、裏側はまた一段とお洒落です。(撮影:2015年7月28日)
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<補注> ヤノネボンテンカ(Pavonia hastata)と同じパボニア属の仲間(パボニア・インテルメディア:P. intermedia)を収録しました。(2018年1月11日

過去のきょう 2014 オニユリ 2013 ナンキンハゼ 2012 キリンソウ 2011 シオデ 2010 ショクダイオオコンニャク 2009 コクサギ 2008 ホテイアオイ 2007 ソバナ 2006 ツキヌキニンドウ 2005 ニワウメ 2004 ルリヤナギ

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7月23日(木) コマクサ

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たしかに花も葉も人目を惹きます。連れ帰りたくなる気持ちはわからないでもないとは言え、なかには販売目的の人もいたようです。
さらには痛み止めの薬にもなるそうで、製薬目的の採取もあったと言いますから、コマクサもたまったものではなかったでしょう。いまではあちこちで絶滅危惧種指定を受け、その採取は禁止されています。
そんな貴重品なので大事に増殖がはかられていて、本来の高山に登る苦労もせずにお気楽に撮影できました。ただ、コマクサの花びらは内外4枚だと学んではいても、その構造を自分の目で確かめることができません。
そこで思い出したのがタイツリソウです。すっかり忘れていたものの、あれを自分で育てて花を解剖してみようと目論んだことがありました。分類的にコマクサとは案外に近い関係だそうで、購入予約を入れようかどうか、考え中です。

過去のきょう 2014 マンリョウ 2013 シロギキョウ 2012 コマツナギ 2011 ガクアジサイ 2010 オオアワダチソウ 2009 エゴノキ 2008 クリ 2007 ミョウガ 2006 キヌタソウ 2005 ヒヨドリジョウゴ 2004 タブノキ

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7月22日(水) カシワ

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一年成ドングリの生長速度に驚いた!という写真です。前に「ドングリらしく」なったところを掲載したのは7月の2日(2013年)でした。たったの20日で、「らしく」から、もはや「押しも押されもしない」堂々たるお姿です。
このまま秋まで膨らみ続けたら、どれだけの巨漢ドングリに?と思って調べると、いまは大きさで言うと半分段階のようです。むしろ、ここからの変化が楽しみなのは殻斗の方で、クヌギのそれよりもさらに髭モジャになるようです。
そんなカシワのドングリの行く末をこの秋には見届け、返す刀で来春に「雌花問題」を解決…といつもながら予定ばかりが増えていきます。

過去のきょう 2014 メタカラコウ 2013 センジュラン 2012 キクイモモドキ(八重) 2011 ホシオモト(パイナップルリリー) 2010 ヒメヤブラン 2009 イヌヌマトラノオ 2008 オオダイコンソウ 2007 ヤブカラシ 2006 クリナム・パウエリー 2005 イヌゴマ 2004 ノブドウ

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7月21日(火) マルバアサガオ

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いまどきの建て売り住宅なら3~4軒はできてしまいそうな空き地を、赤い朝顔が埋め尽くしていました。かなり見事な眺めです。
そのものすごい繁殖力がいかにもバタ臭さを感じさせます。切れ込みのないくっきりハート型の葉を頼りに、当てずっぽうで「マルバアサガオ」という名前を調べたら、これが図星のピンポーンでした。
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こういう洋物系の朝顔はいろいろある(下欄参照)わけで、このマルバアサガオの特徴は葉の先が急に尖ることと種が下を向くことです。
朝顔の花は上向きに咲くのだから、種もそのまま上向きにできて当たり前なのに、結実するとこうしていきなり下を向きます。別に垂れ下がるほど種が重いわけではなく、俯くのが好きとしか思えない「変な朝顔」です。

<過去掲載の洋物系朝顔・和名50音順>アメリカアサガオ ☆ ノアサガオ A. B. (またはアメリカソライロアサガオ) ☆ マメアサガオ ☆ マルバアメリカアサガオ

過去のきょう 2014 オガタマノキ 2013 センコウハナビ(ハマエンサス、ハマエンサス・ムルティフロールス) 2012 ノウゼンカズラ 2011 サンタンカ(イクソラ・シネンシス) 2010 ジャノヒゲ 2009 エンジュ 2008 チングルマ 2007 ツボサンゴ・パレスパープル 2006 シロネ 2005 ハナヅルソウ 2004 アカメガシワ

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7月20日(月) アオギリ

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かつては「よくわからない」で片付けていたアオギリの花です。一昨年、少しだけ作りがわかったので、今度はさらにグッと迫ってみました。
今年の収穫は、まず花びらだと思っていたパーツが萼だとわかったことです。写真には逆さ瓢箪型の蕾が1個だけ写っていて、そのカプセル状の萼が5つに割れて寸法がのび、反り返ってカールしたものが花びらに見えるのでした。
その萼の内側は赤いのかと思うとさにあらずで、穂の先端にある雄花(飛び出た球体が葯の塊)のそこは黄色です。では雄花の萼が黄色で雌花は赤いのかと思うとこれもまた違い、雌雄ともに咲いた初日は黄色で、翌日は赤く変化するのです。つまり、この穂では雄花が当日開花したもので、雌花はそれ以前に咲いたものとわかります。雌花の一つはすでに萼が枯れ、実が開き始めています。
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その実がさらに熟すと、まるで獲物を狙う鷹の爪のようです。これも2年前に不完全なレポートをしていて、これが補完・修正バージョンになります。
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さて、その実を割ってみました。いきなりおつゆがジョジョッとこぼれてびっくりです。来月半ばにはもうこれが自分で割れ、青い種が露出するというのに、その種はまだまるでアコヤ貝のなかの真珠のような姿でした。
と冷静を装ってはいても、ジョジョッとこのおつゆがこぼれたとき、すかさずオオスズメバチが水を飲みに来たのには焦りました。いったいどこで見張っていたのか、割った実にオレンジのヘルメットくんが止まったのです。
あわてて実を地面に捨てたら、どこかに行ってしまいました。オオスズメバチのなかにも温厚な御仁がいるらしく、もし「なんで落とすんだよ!」とか絡むヤツだったら、いまごろワタシは病院のベッドか棺桶のなかにいたはずです。

過去のきょう 2014 ヤマシャクヤク 2013 ムラサキシキブ 2012 フシグロセンノウ 2011 キダチルリソウ(ヘリオトロープ) 2010 クヌギ 2009 スジギボウシ 2008 ゴウソ 2007 シダルケア 2006 ナンキンマメ(ラッカセイ) 2005 セイヨウハッカ 2004 サツマイモ

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7月19日(日) ジュウモンジシダ

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茎が斜めに立ち上がって、株全体はロゼットのように丸く茂ります。このシダを見分けることができなかったときは、株の上側だけ眺めていました。
慣れればその上側の羽片だけでも、まるでカイゼル髭のように先端が反り上がったり、鋸歯の先が異様に鋭かったり、などと特徴には気づきます。しかし、初めはそんなことは見えず、「シダってみんな一緒だよなあ」とスルーしていました。
そんなある日、株の下側まで目線を落として、ようやく十文字になったこの特殊な作りが目に入ったのです。こんな形のシダはたぶんほかにないので、まずここを見てから全体を見るようになり、ようやく「わかるシダ」が一つ増えました。

過去のきょう 2014 ヒペリクム・ヒドコート 2013 アマチャヅル(雄花) 2012 ボタンクサギ 2011 ヨロイグサ 2010 チチコグサ 2009 メハジキ 2008 オオツヅラフジ 2007 チゴザサ 2006 ベニクロバナキハギ(ヤクシマハギ) 2005 コバギボウシ(斑入り種) 2004 ヒメヒオウギズイセンとミズヒキ

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7月18日(土) イヌザクラ

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幹周りが2m70cmもある威風堂々のイヌザクラです。遠くからでも樹冠が赤く色づいているのがはっきりわかりました。ただし、今回はイヤシンボはなしです。もうそろそろという色合いの実は見えていても、高くて手が届きません。
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これが1カ月前はどうだったかというと(別の場所の木↑)、もうすでに実の赤さは目につく状態ながら、冗談にも口に入れようとは思いませんでした。似たような色合いでも、いまから1カ月の時間が加わるとまたグッと違ってきて、6月・7月・8月というこの時期は、イヌザクラにとってまさに充実の夏なのでした。
それにしても、この2本の大きなイヌザクラを見ると、その枝振りがまったくよろしくないことに気づきます。かつては樹皮の荒さを取り上げたこともあるし、同属であるウワミズザクラに比べると、ガサツさが目立つイヌザクラです。

過去のきょう 2014 タイマツバナ(モナルダ、ベルガモット) 2013 ウワミズザクラ 2012 スズカケソウ 2011 ニンジンボク 2010 ゴボウ 2009 マツカゼソウ 2008 アオツヅラフジ 2007 シオデ 2006 ノハナショウブ 2005 ヤツガシラ 2004 ジュズダマ

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7月17日(金) ヒエンソウ(チドリソウ)

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農家が畑の周りに植えているのをよく見かけます。自分的には「JA園芸品」と呼んでいる草花類の一つで、農協の売店とかに種袋が並んでいます。
同類にはタイリンマツヨイグサがあります。某街道を走っているとき、どの農家の庭先にもあの花が咲いていて、大流行のようでした。その晩、土地の温泉の売店でその種が売られているのを見つけました。袋には「ゴデチア」としか書かれておらず、それがタイリンマツヨイグサの別名を知った瞬間でした。
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おっと、話はヒエンソウです。花色には白もあり、ほかにピンクもあるようです。
イモやキュウリが植えられた畑とはものすごく不釣り合いなお洒落さんで、考えようによっては都市近郊農家の優れた心遣い(景観維持努力)かもしれません。

過去のきょう 2014 サワグルミ 2013 ミソハギ 2012 コンロンカ 2011 エンビセンノウ 2010 ヤナギハナガサ 2009 マサキ 2008 ヤナギラン 2007 チダケサシ 2006 トモエソウ 2005 クサキョウチクトウ(オイランソウ) 2004 ヤブツバキ

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7月16日(木) クリ

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去年の続きになる1枚です。栗の実は最初はむき出し(子房が外から見える状態)で、あとからイガにくるまれることを、去年、栗農家のHPで学びました。「ホントだ。頭に雌シベをつけた子房が総苞(のちのイガ)から飛び出てる!」と感動したのが去年のいまから3週間前のことでした。
3週間と言えば500時間少々です。自分が「なにげなく」費消してしまった500時間で、栗の実はここまでイガを被っていました。雌シベはかなりくたびれ、子房がまだ少し外から見えてはいても、これらがイガに完全に飲み込まれ隠れてしまうのは時間の問題であることが簡単に想像できます。
こうして見ると、落ちた栗を踏んだとき、イガが割れやすい場合とそうでない場合があったことにも納得がいきます。問題はこのふさぎ目をどう見つけるかであって、仕掛けを理解した今年は、「違いのわかる男」になりたいものです。

過去のきょう 2014 シモツケソウ 2013 アオギリ 2012 ワラビ 2011 ヒトツバカエデ 2010 ヒマラヤヤマボウシ 2009 ヤブマオ 2008 モクゲンジ 2007 セイヨウフウチョウソウ(クレオメ) 2006 アサザ 2005 ヒメヒオウギズイセン 2004 リアトリス

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7月15日(水) バイカモ(ミシマバイカモ)

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富士の雪解け水が三島(旧・清水町)にいきなり湧き出して川になり、たった1.2km流れて狩野川に吸収され、柿田川の名は失われてしまいます。
ただし、そのあっけなさとは裏腹に湧水の量はものすごく、一日110万トン…と聞いてもピンとこなくても、標準的な小学校のプール3,056杯分、ということは1分間でプール2杯分がゴボゴボ・ゴボゴボ、すご過ぎます。
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当然ながらこの水はきわめてクリーンで低温です。つまりバイカモが生息する条件にピッタリというわけで、柿田川見たさ60%・バイカモ撮りたさ40%の爺さまは、ワクワク度100%でノコノコ出かけてみたのでした。
全体の姿としては、これはほとんど金魚藻です。なおかつ、金魚藻の代表であるオオカナダモがウチで開花したとき、たしかこんな感じだった記憶があります。
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さてその花は、ついリムナンテスを思い出したほどにおどけたお顔でした。梅の花と見立てるには花びらの芯の黄色がやたら邪魔ではあっても、はるばる遠征して会えた憧れの君です。指先ほどの小顔を、ありがたく接写してきました。

過去のきょう 2014 キンシバイ 2013 ホウキモロコシ 2012 ワイヤープランツ 2011 コエンドロ(コリアンダー) 2010 アーティチョーク(チョウセンアザミ) 2009 イヌビワ 2008 ムラサキバレンギク 2007 イチジク 2006 ヒマワリ 2005 アキノエノコログサ 2004 ユリ(品種不詳・カノコユリ系)

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7月14日(火) ユリノキ

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ユリノキの翼果があれだけたくさん風に舞うわりには、実生苗を見たことがありませんでした。発芽はよほどしにくいものなのかと思い、「3億円を当てるのとユリノキの実生に遇うのはどっちが先か」などとバカを書いたこともありました。
そんな過去に照らせば、3億に匹敵する貴重な苗です。昔は山間の田か畑だったかとおぼしき場所で、周りの草に負けもせず育っていました。
20mほど先の小高い丘には親と想定されるユリノキが何本かあります。そういう環境なので、1本芽吹いたならたくさん苗があっても良さそうなのに、この日見つけたのはこれ1本きりでした。発芽率はやはり低いもののようです。
これからもここに来るたび、この苗の行く末を見守りながら、その兄弟もできるだけ早く見つけてあげたいと思います。

<補注> 実生は思っていたほど稀ではなくて、このあと、沼辺でたくさん、とか、野原でポチポチとか、ユリノキの苗を見ることがありました。

過去のきょう 2014 シマススキ 2013 クロモジ 2012 トチバニンジン 2011 ノウゼンカズラ 2010 ベニバスモモ(ベニスモモ) 2009 ミヤギノハギ(ナツハギ) 2008 ジュンサイ 2007 チョウセンシラベ・シルバーロック 2006 カランコエ 2005 マルバマンネングサ 2004 ホテイアオイ

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7月13日(月) ハラン

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サラセニア(アミメヘイシソウ)が若葉を出しているかのごとき姿です。ただ、雨滴で飛んだ砂が葉を汚していて、あまり上等な環境ではないことがわかります。
大きく生長してしまえばベロンと広いだけのハランの葉も、地面からのび出してくるときはこうしてクルリと巻いた形なのでした。
ハランについては、花が咲くこともけっこう意外だったし、タマネギに似た形の実にもかなり虚を突かれました。おまけに若葉の姿にも驚く始末で、お鮨の脇で切り刻まれているだけではない多彩な人生(?)に感動してしまいます。

過去のきょう 2014 アオジクユズリハ(イヌユズリハ) 2013 ハス(古代蓮) 2012 シマトネリコ 2011 ハナハッカ(オレガノ) 2010 タマゴタケ 2009 タカトウダイ 2008 チョウセンニンジン(オタネニンジン) 2007 セイヨウニンジンボク 2006 ヒエンソウ 2005 ヘメロカリス 2004 ヘクソカズラ

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7月12日(日) アカメガシワ

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アカメガシワの雌株が妙に彩り豊かで目を惹かれました。以前、雌花(雌株)を写したときの雌シベは地味なクリーム色だったので、こんなに赤い雌シベを見ると、まるで別の木と間違えているのかと思うほどの変わりようです。
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よく見ると子房の大きさも前回写真よりグンと大きく膨らんでいて、時期的にずいぶん進んでいることがわかります。アカメガシワの雌シベは受粉後にこうして色づくことがあるようで、結婚後に女ぶりを上げるタイプなのでしょう。
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さてその伴侶氏はと言うと、意外とまだお若いのに驚きました。別の場所ではもう満開を過ぎた雄株も見ているので、株により枝により、雄株の開花時期には大きな開きがあるようです。雌花に確実に送粉するため、時間差を持って花を開こうという意図が感じられて、その健気さに頭が下がります。

過去のきょう 2014 ペンステモン 2013 ハナゾノツクバネウツギ 2012 ハンゲショウ 2011 ヘラノキ 2010 ネジバナ 2009 ムラサキクンシラン(アガパンサス) 2008 キブシ 2007 ヘリアンサス・アトロルベンス 2006 カラスビシャク 2005 ヤブミョウガ 2004 アメリカフヨウ

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7月11日(土) キソウテンガイ(サバクオモト、ウェルウィッチア)

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ウルトラ植物博覧会みやげが続きます。きのうのアデニウムのように初めて知るものだけでなく、会場にはわりとおなじみさんも並んでいました。このキソウテンガイも、例によって枯れて死にそうな葉をのたうち回らせていました。
わりと太っ腹の展示で接写が可能だったので、キソウテンガイの「肝」部分である根もとにグッと迫ることができました。こうしてみると、たしかに葉の付け根はとても清新な緑色をしていて、果てしない生長力を感じます。
できればこの付け根から花穂(カヤツリグサ類の花を思わせる)が出ていてくれれば言うことがなかった(注)のに、それは無理な相談でした。キソウテンガイはなんと雌雄異株だそうで、めったに咲かない花の雌雄両方を生きているうちに見るなんてことは、まさに奇想天外な夢ということになりそうです。

<補注> 翌年、もっと新鮮な根もと、および雌花・雄花のツーショットまでできるという幸運が訪れました。(2016年1月25日

過去のきょう 2014 ムクゲ(白花笠) 2013 カラムシ(雄花) 2012 スモモ 2011 クサスギカズラ 2010 ギンバイソウ 2009 コバギボウシ 2008 イランイランノキ 2007 ラムズイヤー 2006 ゴシキドクダミ 2005 アガパンサス 2004 カラスウリ

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7月10日(金) アデニウム・アラビカム(砂漠のバラ)

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英名がデザートローズなので、日本でも「砂漠のバラ」と通称されています。アフリカやアラビアの砂漠に咲く花で、荒涼とした風景のなかにこれを見つけたら、うれしさのあまり、ついバラだと思ってしまうのかもしれません。
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根もとが目を引くわけで、これが砂漠で花を咲かせるスタミナ源でしょう。また、2枚目写真の中央には実(種の莢)が写っています。バラとは関係のないキョウチクトウ科であることは、この実が証明しています。
アデニウムは国内でも愛好家が多いようで、ただ一般に流通しているのはAdenium obesum(アデニウム・オベスム・注)です。それに対し、今回見たものはAdenium arabicumというイエメン原産のもので、このごろプラントハンターとしてマスコミにも登場する西畠清順氏が国内にもたらしたものでした。
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砂漠ではなく銀座のビルのなかでお気楽に写せたのはいいとして、照明を極端に落とした室内なので、写真的にはあきらめの境地です。そんななか、意外に気を吐いたのは例の超お得スマホの「困ったカメラ」でした(3枚目写真だけ)。
固定焦点の特性を知って、このくらいの距離で撮るならば、光量が不足していてもなんとか見られるものが撮れました。○○とハサミは使いよう、「困ったカメラ」もダメダ・ダメダと見捨てないで使えば、たまには役に立つものでした。

<補注> アデニウム・オベスム(ドワーフ)を収録しました。(2020年7月22日

過去のきょう 2014 アンゲロニア 2013 ナンテン 2012 クマツヅラ 2011 ノムラカエデ 2010 ヤハズアジサイ 2009 アブラチャン 2008 カラスビシャク 2007 カラタチバナ 2006 タイマツバナ 2005 サルスベリ 2004 メマツヨイグサ

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7月9日(木) ハマボッス

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多肉質の葉が、まるでワックスでも塗ったかのような光沢を誇ります(2015年5月6日・都内で撮影)。ロゼット状態のときはこの葉がさらに艶めきを増すので、盆栽仕立てにして楽しむ人がいるほどです。
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夏になってロゼットからグンと丈をのばした茎の先には、払子(ほっす)に見立てられた白い花が賑やかに咲いていました。蕾もまだある一方で、写真左端にはすでに膨らみかけた実も見えています。( ↑ 2015年6月26日・男鹿半島で撮影)
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さて唐突にオカトラノオ(↑)の写真を持ち出したのにはワケがあります。念のためハマボッスの分類的な扱いを確認したところ、オカトラノオと同属(Lysimachia)だったのです。たしかに、花のつくりは同じだし、茎に稜を持つのも一緒です。
さらにこの属名で思い出したのは、ずいぶん前にワケもわからず取り上げていたリシマキア・プンクタータです。あれから9年、ようやく小さな輪がつながり始めたように思えて、梅雨空からチラリとお陽さまの顔を覗いた気分です。

<補注1> オカトラノオの蜜を吸っているのはモンシロチョウです。
<補注2> ハマボッスの実は赤林檎タイプでした。(2020年6月20日
<補注3> 園芸的リシマキアのバリエーションには、這い性のものや赤葉タイプのものがあります。

過去のきょう 2014 アカガシ 2013 カラスビシャク 2012 ザクロ 2011 ラブパット(ギボウシ) 2010 タイトゴメ 2009 ニガウリ 2008 オオハンゲ 2007 グリーンローズ 2006 カラジューム 2005 ナンキンハゼ 2004 タイサンボク

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7月8日(水) キンギンボク(ヒョウタンボク)

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初めて知るキンギンボクの実態(の一面)でした。かつてこの赤い実(別名:ヒョウタンボク)を写したのは某庭園だったし、標準和名そのままに金銀の花を咲かせていたのは某寺院の境内で、当然ながら両方とも植栽品(たぶん)でした。
ところが男鹿の断崖の上で海風にさらされて育つ自然の群生は、低く這うように地面を覆っていました。かつて見たお庭やお寺のものが見上げる高さだったのとはまったく相を異にするもので、目を洗われる思いです。
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調べてみると、キンギンボクは山にも自生する一方で海沿いの土地も好むというフレキシブルな性格でした。育つ場所も選ばず、その姿にもこだわらないこの柔軟な態度は、とかく「こうでなければ、ああでなければ」と選り好みを言いがちな自分にとって、まさしく生きた教材として学ぶべきものです。

過去のきょう 2014 アカバナシモツケソウ 2013 アメリカハナノキ 2012 ムラサキクンシラン(アガパンサス) 2011 イヌリンゴ 2010 ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ) 2009 ヤブコウジ 2008 サンシュユ 2007 トリアシショウマ 2006 キュウリ 2005 トウネズミモチ 2004 ビヨウヤナギ

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7月7日(火) スナビキソウ

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かくかくしかじかで、男鹿の海辺で少しだけ激写小僧をしました。ふだんと勝手が違う草木が多くて腰が引けるものの、いくつか記録しておきます。
まずはスナビキソウです。名前からすれば、これは砂浜の植物なのでしょう。しかし、砂とは言えぬ砂礫の上でも逞しく花を咲かせていました。太い根や茎、そして深い毛に覆われた多肉質の葉がこの植物のしぶとさを如実に物語っています。
この花の色や形になんとなく見覚えがあると思ったら、ムラサキと同じムラサキ科でした。さらに調べてみると、このムラサキ科というのはとんでもなく巨大な一族であることがわかったのです。
ワスレナグサキュウリグサハナイバナあたりはまだ花の面影が似ています。しかしヘリオトロープヒレハリソウとなると「まあ、そう言われれば」となり、ボリジネモフィラチシャノキまで仲間だとなると「ホントかいな」になってしまいます。
要は、花だけ見ていてはダメで、この科の共通点は葉の毛深さにあるらしいとは言え、逆に毛深ければムラサキ科というわけでもありません。やはり、科とか属とかはあくまで付け足しの確認手段で、「きれいだね・かわいいね」が素人の歩むべき王道なのだと深く思い知らされたスナビキソウの身元調べでした。

過去のきょう 2014 ザイフリボク(とジューンベリー) 2013 アマドコロ 2012 ゴマキ 2011 ヤマユリ 2010 タケニグサ 2009 トモエソウ 2008 サルビア・インディゴスパイア(ラベンダーセージ) 2007 シャシャンボ 2006 ナス 2005 チヂミザサ 2004 シャグマユリ(トリトマ、トーチリリ-)

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7月6日(月) ウメ

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梅の雨と書いて「つゆ」ですから、毎日毎日が鬱陶しいこの季節に梅の実を愛でるのは、由緒正しい草木の道ということでしょう。
どうして梅の雨が「つゆ」なのか(語源)には諸説あるそうでも、がいまごろ収穫期を迎えることはおおいに関係しているはずです。
いかにも「おいしい梅干しになるよぉ」と言わんばかりに充実した実のせいで、枝がみんな地面に向かって引っ張られていました。

過去のきょう 2014 バイケイソウ 2013 サルナシ 2012 サフィニア 2011 カジカエデ(オニモミジ) 2010 イワガラミ 2009 ノカンゾウ 2008 ボッグセージ(サルビア・ウリギノサ) 2007 ハクロバイ 2006 ヤマモモ 2005 リョウブ 2004 モミジアオイ

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番外編 : 男鹿の夕陽

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東京・芝浦に上陸したはずのゴジラ(注)が、なにをどうしたのか、秋田は男鹿の海辺にいました。ここでのお約束はガォと吠えた口に夕陽を写し込むことだというのに、じつはその時間まで待てないワケがありました。
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日本海を見下ろす180度全面ガラス張りの窓辺で、おいしい晩ご飯をいただきながら夕陽を眺めることがこの日のメインイベントだったからです。
こんなに晴れた日ばかりではないというスタッフを言を信じれば、やはりはた衛門のふだんの行いは大変良好ということになります。
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じっと見ていたら、太陽が土星になりました。たぶん水平線の蒸気の作用でしょう。太陽にこんなグラデーション模様がつくのを見たのは初めてでした。

<補注> ゴジラはずいぶん神出鬼没でした。(2015年9月5日

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7月5日(日) タコノアシ

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春先から何度もこの場所に来てみて、ようやく見つけました。赤ちゃん状態をとらえたかったのに、もう幼稚園児くらいです。ママの足下で元気いっぱい、これが幼い苗の姿とわかってみると、周囲は園児であふれていました。
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若緑色の葉は細身の流線型で、中央を走る白い葉脈がとても目立ちます。こうしてスギナくんと仲良く遊ぶ姿はなかなか平和です。
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しかし、背後に忍び寄る魔の手もありました。セイタカアワダチソウです。タコノアシも茎は赤っぽいとは言え、セイタカのそれは紫です。葉の形も似てはいても、セイタカの中央葉脈は目立たず、葉全体もガサついています。
抽水状態(1枚目写真)やそれに近い具合(2枚目写真)だとセイタカの侵入は防げていても、少し乾いた土壌ではセイタカの我が物顔が止まりません。この場所はまだセイタカにとっての不可侵領域があるからいいようなものの、こうして在来の稀少種が抹殺されていくという恐ろしい光景を目の当たりにしてしまいました。

<補注> この年の開花までは確認したものの、翌年、この群落は消滅してしまいました。(2016年10月)

過去のきょう 2014 タラノキ 2013 トチバニンジン 2012 イワガラミ 2011 ノハナショウブ 2010 ビジョザクラ(バーベナ) 2009 オオバギボウシ 2008 ケショウサルビア(ブルーサルビア) 2007 リシマキア・プンクタータ 2006 アフリカハマユウ(インドハマユウ) 2005 ノブドウ 2004 アサガオ

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7月4日(土) リョウブ

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10年前の写真と似たり寄ったりの構図で、進歩がないのォと自省する一方で、いやいや、これは葉を見るべき一枚で、花は脇役なのだと言い繕ってみます。
実際、春にはつまんで食べられた葉がこんなにコワクなってしまいました。この時期にもし食べ物がなくなったとしても、これはちょっとスルーでしょう。
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おっと、脇役にされてはたまらんと花が怒っています。長い穂の付け根から先へと小さな花が咲き継いでいくので、写真上部が蕾状態、下方向のものは花びらと雄シベを落としたあとで萼と柱頭だけになった姿です。
この萼のなかで実が膨らむと、リョウブ独特の枝垂れた実の房(注)になります。秋から冬にかけ、葉が色づいて落ちる様子とともに「実のその後」も忘れずに記録しようと梅雨のさなかで思うことは、案外に長生き効果がありそうです。

<補注1> この記事と同じ季節に、前年の実がぶら下がったまま開花している木を見つけました。(2020年7月9日
<補注2> アメリカリョウブを収録しました。(2021年7月29日

過去のきょう 2014 ヒメアガパンサス(トリテレイア) 2013 クチナシ 2012 ナギナタソウ 2011 ニワフジ 2010 アカメガシワ 2009 クサフジ 2008 キミノニワトコ 2007 ヒツジグサ 2006 コンボルブルス 2005 ワルナスビ 2004 メタセコイア

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7月3日(金) シデシャジン

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撮りたい写真がきのうのイメージなら、その逆がきょうの写真です。手ブレと被写体ブレの合わせ技という感じで、情けないことこの上もありません。もし意図的にこんな画像が撮れたなら、これはこれでなかなかの芸術ではないかと思うほどです。
もちろん自分の場合は単なる失敗作に過ぎず、モデルとシチュエーションに恵まれた(?)結果です。シデシャジンの長い雌シベや花びらがブレ具合を最大限に演出してくれるし、林縁の薄暗がりという状況はボケ画像の創出にはとても向いています。
本当は、キキョウの仲間であることの証明として、雌性期と雄性期の花の違いを撮りたかったのに、それは持ち越し課題となってしまいました。

過去のきょう 2014 ヨコグラノキ 2013 エゾミソハギ 2012 アマチャ 2011 シロザ 2010 ストケシア(ルリギク) 2009 タマザキクサフジ(ツルレンゲ、クラウンベッチ) 2008 ウツボグサ 2007 イタチハギ 2006 オカトラノオ 2005 ボタンクサギ 2004 ユズリハ

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7月2日(木) サンゴシトウ(ヒシバデイゴ)

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サンゴシトウは過去に二度取り上げていて、しかも時期的(6月下旬8月中旬)に今回と大差ありません。それなのに敢えて重複掲載の理由は?と言えば、植物的な側面からは花穂の面目回復のためです。
過去の写真では、どちらも花穂が傾いたり横たわったりで、やや粗放な印象でした。それが今回はピンと直立で、こういう姿もあることを証明です。

そしてもう一つの理由は写真的な面です。そこにうるさい婿殿によれば、写真を撮るなら「撮りたい写真をイメージすべき」なのだそうです。言われてみれば自分はそこがまったくアヤフヤで、とりあえずきれいに撮れればという姿勢でした。
そこでこのごろは少し考えてシャッターを押すようになり、その一つの回答が今回のサンゴシトウというわけです。主役はきちんととらえた上で、別名の謂われである菱形の葉もギリギリわかる(証明できる)ようにし、あとの無用なものは黒く(暗く)抑える:このパターンが自分はどうやら好きなことがわかってきました。
ただ、問題はこのパターンをいつでも再現できるかどうかで、相も変わらずのお天道さま頼り…という腕はさておき、まずはイメージができかけたことの記録です。

<補注> ヒシバではない、本来のデイゴを収録しました。(2021年2月17日

過去のきょう 2014 オゼコウホネ 2013 カシワ 2012 ツノゲシ 2011 トウグミ 2010 ネムノキ 2009 キンコウカ 2008 モモノハギキョウ 2007 ヤマユリ 2006 テリハノイバラ 2005 ツルハナナス 2004 ノウゼンカズラ

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7月1日(水) ムラサキクンシラン(アガパンサス)

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白い紫君子蘭の奥手に紫の紫君子蘭を配したとき、たぶん自分の顔はニヤけていたことだろうと思います。かつてはアガパンサスという通称さえ知らなかったくせに、このごろは生意気に和名で呼んでいたのがニヤつきの原因です。
和名をつけたころにも白花種があることは知られていたことでしょうに、学者の方々というのは案外に大掴みな命名をするものです。「白い紫」が嫌なら、アガパンサス・アフリカヌスと呼べばいいでしょ!ということなのでしょう。
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さて、そのAgapanthus africanusの分類がまた厄介です。3日前のギンヨウアカシアで分類体系の話をしたら、そこからはわざとのように面倒な来歴を持つ草木が続きます。もういい加減、元の「きれいだね・かわいいね」に戻りたくなります。
そんな弱気を招いたアガパンサスの来歴とは…、新エングラー体系=ヒガンバナ科、クロンキスト体系=ユリ科、APG体系のⅡではアガパンサス科、Ⅲではヒガンバナ科というものなのです。グルッと回って元の鞘という感なきにしもながら、その周辺事情たるや、見て見ないふりが最適解と思わざるを得ません。

<補注> またもや「白い紫」を見つけました。(2020年7月14日

過去のきょう 2014 クマノミズキ 2013 オグルマ 2012 チシャノキ 2011 サジオモダカ 2010 オオバジャノヒゲ 2009 オニシモツケ 2008 マタタビ 2007 コナスビ 2006 アリアケカズラ 2005 ハルシャギク 2004 ザクロ

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