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5月31日(日) キハダ(雄株)

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長いこと探していたキハダの雄を見つけました。雌株の開花を写したあと、雄株・雄株!と血眼(?)で探してきたのに、「なぁ~んだ、こんなところに」と言いたいほど通い慣れた道端にありました。まさに灯台もと暗しです。
雌雄異株の雄花をとらえにくいワケは、先日のツルウメモドキでもくどくどしく書き立てたというのに、このキハダに実がつかないことには気づいていませんでした。というより、これがキハダだということを意識していなかったので、ツルウメモドキでは「葉で樹種がわかった」と威張ってみたのに、やっぱりまだまだ節穴の目です。
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気を取り直して花に迫れば、なんとも愛らしい雄シベです。退化した雌シベはほとんど痕跡しかなくて、その分、雄シベの葯は花粉に充ち満ちています。
キハダは5数性のはずなのに、ところどころに雄シベが4本しか出ていない花があって、ヤンチャ坊主たちがてんで勝手に遊んでいるみたいに見えます。

<補注1> キハダについて、花以外のことをおさらいしました。(2018年11月1日
<補注2> オオバキハダを収録しました。(2024年8月17日

過去のきょう 2014 コモチマンネングサ  2013 タチジャコウソウ(コモンタイム)  2012 コバンソウ  2011 アリウム・シュベルティ  2010 アーモンド  2009 ラカンマキ  2008 コウゾリナ  2007 サイカチ  2006 アスチルベ  2005 タチアオイ  2004 シロミミナグサ

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5月30日(土) ナガエアオイ

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おとといのスターチスを「盗撮」したのと同じ町で、これもふつうの民家の前に1本だけニョキッと生えていた草です。レア物が多い、ありがたい町です。
アオイ科で花が小さい(直径1cmに満たない)ものを探したら、ウサギアオイというかわいい名前が見つかったあと、ハイアオイとナガエアオイも候補として考えられることがわかりました。さらに、ハイアオイはウサギとナガエ両方の別名(として混乱を引き起こしている)らしいとも知りました。
そんなわけで、にわか勉強でこれを特定するのは無謀とは言え、葉先が尖っていないことや葉柄が長いことから、とりあえずナガエとしておきます。
種類の判断には実を仔細に調べることが必要のようです。しかし、背景の横断歩道から推察されるように、このレア物くんが育つ環境はじつに明日の運命を予測しにくいものがあるのです。彼の長命を祈ること切なものがあります。

過去のきょう 2014 アカガシ  2013 アサギリソウ  2012 コアジサイ  2011 ヒメウコギ  2010 セイヨウミザクラ  2009 キハダ(雌株)  2008 フデリンドウ  2007 ムギセンノウ  2006 コウホネ  2005 ヤナギハナガサ  2004 オオキンケイギク

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5月29日(金) ヘンルーダ(ルー)

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香りの表現が苦手で、このヘンルーダの葉をつまんで、さてどう言ったものか詰まりました。「かつては防虫剤に使われた」とか「グラッパの香り付けに使われる」という解説が、香り音痴の下手な叙述よりは理解がしやすいようです。
知らずにパッと見たら草だと思うのが自然です。しかし、多年草とも小低木とも分類され、写真に入れたように茶色い立派な枝(幹?)があります。まったく草木に境目をつけるのがナンセンスという一つの見本です。
かなり特徴的な形の葉に比べると、ミカン科でありながら黄色い花はあまり鑑賞価値がありません。と言いつつ、そこにピントをあてている自分の言行不一致というか節操のなさというか、その辺りにいささか自虐の念を覚える一枚です。

過去のきょう 2014 ツルマンネングサとメキシコマンネングサ  2013 ベニバナエゴノキ(アカバナエゴノキ)  2012 ナガミヒナゲシ  2011 ヒメシャガ  2010 イザヨイバラ  2009 カキネガラシ  2008 ヤマグルマ  2007 ハナミョウガ  2006 ガクウツギ  2005 ノビル  2004 ナツグミ

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5月28日(木) スターチス(リモニウム)

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ようやく写せたスターチスです。切り花やドライフラワーとしてはありきたりでも、「地に足をつけた」状態での撮影はたぶん初めてです。
公園の花壇などにあっても不思議ではないのに、そんな公共の場で見つからなかったわけの一つがこの「腰支え」でしょう。プランターのサイズの割に株間がなさ過ぎるという問題を無視すれば、自立性が低いのかも(注2)しれません。
じつは去年、業を煮やして自分で種を蒔いてみました。結果は見事に失敗で、まずは発芽率が極端に悪く、その貴重な苗もうまく育たず、3本残った苗も根生葉の状態から脱却することなく、ついにあきらめざるを得なかったのです。
そんなわけで、とあるお宅の玄関先を「盗撮」する羽目になりました。できればここまで育てるハウツーをお聞きしたかったし、気前のいいオーナーが2~3株恵んでくれることまで期待して派手にシャッター音を響かせたというのに、残念ながら外にはお出ましいただけませんでした。

<補注1> 欧州原産であるスターチスの標準和名はハナハマサジ(花浜匙)です。ただ、滑舌不良の人間には難度高過ぎだし、名前の元になったハマサジは見かけることがないので、標準和名優先の自分ルールは無視します。
また、分類変更によって「スターチス」は旧属名となり、現在はリモニウム(Limonium:イソマツ属)という呼び方(学名:Limonium sinuatum)の方が適切です。
<補注2> 「地に足をつけ」かつ「腰支え」のない写真が撮れました。本文中に記した「自立性が低いのかも」という見解は完全に取り下げです。(2021年7月8日

過去のきょう 2014 シュロチク  2013 ヒシ  2012 ガマズミ  2011 アオハダ  2010 シャクヤク  2009 ノアザミ  2008 ミツガシワ  2007 オオバオオヤマレンゲ  2006 オモト  2005 サラサウツギ  2004 タイサンボク

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5月27日(水) リンボク

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バラ科サクラ属(ただしバクチノキ亜属)のくせに、春ではなくて9月の末に花が咲くことに驚ろかされたのがリンボクとの最初の出会いでした。
その花が実を結んだのを確認したのは2月でした。それはまだまだ青く、鳥が啄むほどに熟すのはもっと先、つまりほかの食料が豊かになるころで、そんなことでは誰にも種を運んでもらえないだろうと心配したものでした。
そんな老婆(爺)心は、どうもリンボクにとって完全にお節介だったようです。季節がよくなっても、実はまだこんな色合いです。図鑑的にはそろそろ紫色を帯びてもよさそうな時期なのに、まったく慌てる素振りがありません。
木にも「孤高の人」がいたようです。平たく言えば「変な人」に過ぎなくても、ここまで徹底的に我が道を行ってもらうと、「憧れの人」に見えてきます。

過去のきょう 2014 アルブカ・スピラリス・フリズルシズル  2013 ハグマノキ  2012 ムシトリナデシコ  2011 ギンラン  2010 ワニグチソウ  2009 テマリカンボク  2008 オヤブジラミ  2007 ヤグルマソウ  2006 クサイチゴ  2005 ツリバナ  2004 クリ

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5月26日(火) ウサギノオ(ラグラス)

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背丈が30~40cmで、高からず低からず、なんともほどよい風情です。ガラス瓶に数本挿してテーブルに置けば、パンの焼けた香りと似合いそうです。
そのまんまの名前がまたステキです。このウサギノオのまま、あるいはもうすこしオシャレに属名のラグラスとして、ドライフラワーがお店に並ぶこともあるようです。ただ、乾燥させてしまうと穂先にこぼれたお砂糖(白い葯)が失われます。
梅雨前のせっかくのさわやかな季節ですから、朝露のしたたる新鮮な野の草の香りを、部屋のなかでも精一杯楽しみたいものです。

<補注> 園芸開発種を収録しました。(2022年4月14日

過去のきょう 2014 シナユリノキ  2013 オヤブジラミ  2012 ヤブデマリ  2011 アカマツ  2010 ギョリュウ  2009 マユミ  2008 イワカガミ  2007 ネメシア  2006 ワジュロ  2005 スイカズラ  2004 キョウチクトウ

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5月25日(月) ウリハダカエデ(雌株)

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ウリハダカエデの雌花(雌株↑)をとらえて、雄花はまだだったはずと過去掲載一覧を見たら、ウリハダカエデ自体がまだ一度も登場していませんでした。
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ここ(ブログ)に載せていたのは名前的に区別しにくいウリカエデだけで、それも一度きりでした。逆に増補版にはウリカエデは載せておらず、ウリハダカエデが一度だけ、かつ、その花が雌花であることに触れていませんでした。8年前の自分はウリハダカエデが雌雄異株であることを知らなかったわけで、照れ笑いしてしまいます。
などと偉そうなことを言っていると、たぶん8年後の自分にあざ笑われることは自明でも、それもまた楽しきことかな…と終わりなき旅は続きます。

過去のきょう 2014 クマザサ  2013 シキザキアカシア  2012 アスパラガス  2011 エビネ  2010 ミツバウツギ  2009 ヒトリシズカ  2008 キハダ  2007 オオムラサキツユクサ  2006 ムラサキツユクサ  2005 センダン  2004 ハコネウツギ

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5月24日(日) ヤブヘビイチゴ

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ヘビイチゴ類のおさらい第一歩でヤブヘビイチゴです。というか、増補版に実だけ載せたまま、ブログには一度も登場させずという冷遇ぶりでした。その割に、見分けにはいまひとつ自信が持てなかったので、ここで頭の整理です。
まずは実です。ヤブヘビイチゴの実はヘビイチゴより大きくてパンと張った感じで、一見おいしそうです。ただ、味はヘビイチゴと同じでほぼありません。
実を包む尖った萼の下に副萼片(先が丸く、3裂)が目立ちます。この副萼片の大きさがヘビイチゴとの違いです。
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花もヘビイチゴより一回り大きく、直径が2cmほどになります。ただ、大きさよりも実のところで触れた副萼片がポイントです。
また、葉がヘビイチゴより大きく、小葉の先が尖り気味です。ヘビイチゴと同じく菱形ではあっても、こちらは長さがあります。

過去のきょう 2014 クロジクアジサイ  2013 フランスギク  2012 カジイチゴ  2011 ノイバラ  2010 コウモリカズラ  2009 ヒメサユリ  2008 ネズミムギ  2007 ブラシノキ  2006 トキワツユクサ  2005 カルミア  2004 センダン

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5月23日(土) ハンショウヅル

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センニンソウ属とはつまりクレマチス(属名=Clematis)なので、いかにも花壇の女王的ないわゆるクレマチスから、ちょっと野の花系のセンニンソウとかボタンヅルとかクサボタンまで、なかなか変化に富んだメンバーがそろっています。
その野の花的一群のなかでClematis japonicaという学名を持つのがこのハンショウヅルです。日本代表みたいな存在なので、早くここに載せたかったものです。
同じ「ハンショウヅル」でも、その前に「ガビサン」がつくと真冬に花を咲かせます。それに対してこの正統ハンショウヅルは5~6月が開花期ですから、この属が多士済々という一つの典型例に思えます。
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センニンソウ属には花びらがなく、この分厚い4枚のパーツは萼です。時期がくればパラリ・パラリと1枚ずつ落ちるので、花びらと変わりありません。少なくとも、雄シベのなかに頭を突っ込んだ蜂にとって、それはどうでもいいことでしょう。

過去のきょう 2014 キンポウゲとウマノアシガタ(キンポウゲ)  2013 ツリガネカズラ  2012 スズメノエンドウ  2011 コウシンバラ  2010 シュロ(ワジュロ)  2009 キバナフジ  2008 ユキザサ  2007 コマツヨイグサ  2006 ジャガイモ  2005 オランダカイウ(カラー)  2004 トキワツユクサ

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5月22日(金) イヌガラシ

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スカシタゴボウとかイヌナズナ(両方とも未収録・注1)とか、ちょっと感じの似た路傍の草たちがあって、早く「違いのわかる男」にならねばと焦ります。
そこで、それらのなかでは少しだけ取っかかりが明確なイヌガラシから踏み込んでみることにしました。その差別化ポイントは細くて長い実です。
冒頭にあげた二者の実はかなり寸詰まりなのに対し、イヌガラシの実は上向きに弓のように反りながら長くのびます。一つの莢には種が優に30個は入っているので、1本の茎から恐ろしい数の「次世代」がこぼれることになります。

<補注1> 懸案だった「感じの似た路傍の草」のうち、スカシタゴボウは収録することができました。(2015年12月12日
<補注2> キレハイヌガラシ(外来種)を収録しました。(2024年3月17日

過去のきょう 2014 バリバリノキ(アオカゴノキ)  2013 ムラサキウンラン(ヒメキンギョソウ、リナリア)  2012 ハチク  2011 サクラバラ  2010 タチバナ  2009 ショウブ  2008 クヌギ  2007 ノースポールギク(クリサンセマム・パルドサム)  2006 ニオイシュロラン  2005 ニオイバンマツリ  2004 ユスラウメ

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5月21日(木) ツルウメモドキ(雄株)

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ツルウメモドキ8度目の掲載にして初めての雄株です。雌株ならば寒い季節に赤い実が目立ってその在り場所を覚えやすいのです。それが雄株となると、いまごろの季節にこうして地味に花を開くだけで、あとはひっそり葉っぱだけの姿ですから、冬に見つけておいて春に花を撮るという手が効きません。
雌花の撮影から9年が過ぎ去っていたことの弁解が長過ぎました。その間にはわずかながらも観察力に成長があって、この柔らかくて艶のある葉で樹種がわかるようになり、写真の木が毎年実をつけないことに気づいたのです。
そうして狙い澄まして雄花を写せたわけですから欣喜雀躍…かと思ったら、どうも気分は「やれやれ」なのです。あまりに長く引きずった課題というのは、それを成就しても達成感よりはくたびれ感だけが残るもののようです。

<過去掲載のツルウメモドキ・暦日順> 1月8日 : 真っ赤な蒴果 1月13日 : 仮種皮 1月14日 : 赤い実をつけた大枝 5月20日 : 雌株(雌花) 10月9日 : 柿色の蒴果 11月5日 : 幹の太さ 11月23日 : 割れた仮種皮

過去のきょう 2014 チガヤ  2013 ニガキ(雄花)  2012 ノミノツヅリ  2011 オニタビラコ  2010 ケシ  2009 バッコヤナギ  2008 ザイフリボク  2007 クスノキ  2006 カスミソウ  2005 ユウゲショウ  2004 クレマチス

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5月20日(水) ハタケニラ

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この時期、アオスジアゲハはあちこちに出没し、せわしなく飛び回ります。草でも木でもなんでもござれで、あきれるほどに精力的な動きです。
そのアオスジアゲハにも負けないほどタフなのがこのハタケニラです。名前こそ畑の韮でも、畑に入り込まれたら駆除には苦労するそうです。
そんな農家さんの悩みはさておき、空き地を占拠して瓦礫を目立たなくしていたりすると、なかなかにお役立ち度は高いのです。花びらに一筋入る赤紫も地味にオシャレで、青筋と赤筋の競演などという駄洒落も生み出してくれます。

<補注> 同属ではキバナハナニラニラモドキを収録しています。

過去のきょう 2014 ホオベニエニシダ  2013 コチョウラン  2012 セイヨウサンザシ  2011 ケヤキ  2010 ハグマノキ  2009 アオダモ  2008 ヤブジラミ  2007 カルケオラリア  2006 ツルウメモドキ  2005 トベラ  2004 カキノキ

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5月19日(火) ツクバネウツギ

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冬になると枝に萼だけが残って、それが逆光にきらめく様子に見惚れたのはおととしのことでした。あのシーンからカレンダーを5枚めくった姿です。
ほかの喬木の下生えとして生息するので、冬と違っていまの季節だと潤沢な光には恵まれにくい恨みがあります。同じことをカマツカの記事でも言い訳していたら、あとで燦々と光を浴びたシーンを撮れたので、ツクバネウツギの花どき写真にもリターンマッチの機会が訪れることを念じておきます。
その花にはようやくセーフでした。1カ所にだけこうして花が残っていてくれて、一つの枝先に二輪ずつ咲くというスイカズラ科の特徴がわかります。

<補注> 相変わらず陽射しはイマイチだったものの、もう少し花つきのいい写真が撮れました。(2016年4月7日

過去のきょう 2014 アリウム・オストロスキアヌム(ベニオトメニラ)  2013 ツガ  2012 コウゾリナ  2011 カキツバタ  2010 ヒメグルミ  2009 ヒメツルニチニチソウ  2008 ヤマシャクヤク  2007 ツボサンゴ  2006 フランスギク  2005 チョウジソウ  2004 タチアオイ

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5月18日(月) キクノハアオイ

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直径1cmほどの小さな花なのに、その色が派手なので、道端でよく目立ちます。雰囲気としてはマルバストラムを思わせても、比べれば葉の形も花色もはっきり違い、自分のなかではずっと「名無しの権兵衛さん」でした。
アオイ科ではあるらしいので、一念発起、しつこく調べたらキクノハアオイ属に辿り着きました。知らなかった属だし、そのなかでこれはたぶん1属1種の「みなしごハッチ」状態ではあるまいかと愚考しています。
菊の葉というにはややテカリ過ぎながら、葉の形が花に劣らずに魅力的です。それに比べると茎や萼は毛深くて、全体のアンバランスが少しコミカルです。

過去のきょう 2014 バイカウツギ  2013 温帯スイレン  2012 ニガキ(雌花)  2011 ウラジロノキ  2010 コメツブツメクサ  2009 サンショウバラ  2008 チングルマ  2007 スノーキャップ  2006 オオバコ  2005 サラサドウダン  2004 アヤメ

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5月17日(日) カラミザクラ(シナミザクラ)とオオカンザクラ

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早いうちからチェックせねば、という思いは正解でした。花からは50日ほど、5月もまだ中旬だというのに、シナミザクラ(注2)はもうこんな「可食」状態です。
試しに一粒だけ、赤色の強いものをいただいてみました。甘~い。こりゃー、鉢植えでいいからウチでも1本育てたい!と思うほどです。
やはり実桜というだけあって、実のなり具合がほかの桜とは段違いでした。ふつうの桜の実がどれだけ寂しいつき具合か、事例はなんでもいいわけで、たまたま通りかかったところで撮影したオオカンザクラ(↓)を取り上げてみます。
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してそのお味はいかに、と、完熟状態の実を食べてみました。駄目です。ソメイヨシノもそうだし、ハタザクラも同じで、どうしても苦みがあるのです。
というわけで、甘い実がどっさりとできるシナミザクラは、はた衛門の桜品種番付表ではいきなり西の横綱に抜擢してしまいます。あ、もちろん、不動の東の横綱はハタザクラに決まっている(味はマズくても)んですけど…。

<補注1> セイヨウミザクラの稔った様子はこちらです。
<補注2> あらためて確認したら、カラミザクラが標準和名でした。シナミザクラと呼んでいた自分の過去はこの記事の本文に残し、タイトルは標準和名優先に変更しておきます。(2021年3月13日

過去のきょう 2014 ギョウジャニンニク  2013 サルナシ  2012 ヤエムグラ  2011 トウバナ  2010 コゴメウツギ  2009 オオバナノエンレイソウ  2008 チゴユリ  2007 ユキノシタ  2006 ヘラオオバコ  2005 メキシコマンネングサ  2004 タイサンボク

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5月16日(土) キツネアザミ

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初めはひっそりと1・2本たたずむ様子に出会い、「ふーんこれが○○かぁ」とありがたく拝見し、それから数年後に「うわ、○○だらけぇ」という大きな群落に出会って舞い上がるというパターンがあります。思い出すだけでも、ギンリョウソウナンバンギセルタコノアシチョウジソウオニタビラコヒメハギなど、貴重(稀少)品だと思っていたものが足もとを埋め尽くすという幸せに遭遇したものです。
キツネアザミの場合、失礼ながらそれほどレアなものではないわけで、しかしこれだけの群落には少し驚かされました。放置された田んぼ2・3枚をうまく占拠できたようで、いつまでの「我が世の春」かは不明でも、いまを限りと咲く姿でした。

<追録1> 上の撮影場所から1kmも離れていない空き地でも大きな群生(↓)を見つけました。ただし、近くを大きな道路が通る予定地であり、数年後には確実に消失するであろう景色です。(撮影:2020年5月4日)
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<追録2> きれいな綿毛(注)を出していました。(撮影:2022年5月18日)
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<補注> 散布された綿毛(↑)が秋に発芽して冬を越した姿(根生葉)を見つけました。(2023年4月10日

過去のきょう 2014 コハウチワカエデ  2013 コヒロハハナヤスリ  2012 カマツカ  2011 カジノキ  2010 ハクウンボク  2009 ジャケツイバラ  2008 コトネアスター  2007 ヒメヒオウギ  2006 カンボク  2005 ホオノキ  2004 ホオノキ

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5月15日(金) ミツデカエデ(雌株)

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冬になれば、山の遠景を白く飾るミツデカエデの実が、もうこの時期からこんなに賑やかでした。この実をつけるための雌花を撮りたくて、ここ数年、雌株を追いかけていたので、すわ、今年も花の時期を逃したかと冷や汗です。
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ところが、この雌株はとても大きな木で、手の届くところにまだ花を残してくれていました。花といってもツノのような2本の雌シベだけなのに、5年越しでようやく雌花を写すことができた自分には眩しいほど輝いて見えました。
このハの字の羽がどうやって姿を現すのか疑問だったわけで、子房の1パーツとして最初から存在していたとは驚きでした。1本の花穂で、こうやって雌シベや萼が枯れて消滅していく様子もわかり、これまでの追いかけが報われました。

過去のきょう 2014 キクムグラ  2013 ガクウツギ  2012 ヒルザキツキミソウ(モモイロヒルザキツキミソウ)  2011 タチシオデ  2010 ヒメウツギ  2009 カッコソウ  2008 カマツカ  2007 キツネアザミ  2006 カラスビシャク  2005 シロミミナグサ  2004 エゴノキ

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5月14日(木) ベニバナダイコンソウ(ゲウム、セイヨウダイコンソウ)

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花壇を飾るこの派手な花がダイコンソウの親戚とは驚きました。きのうはトチノキの頭に西洋と二つ漢字が載るといかに派手になるかを見たわけで、きょうのダイコンソウもあれに輪をかけたほどに目覚ましい化けっぷりです。
根もとの葉がたしかに在来のダイコンソウに似ています。花は、写真のものは八重であり、別にシンプルな一重も売られていて、どちらも園芸品種です。
ダイコンソウでは冴えないと考えたか、お店では属名のゲウム(Geum)が使われています。標準和名はベニバナダイコンソウでも、花色は紅(赤)だけでなくオレンジや黄もあり、個人的には面倒がなくてゲウムでいいかと思います。

過去のきょう 2014 ベニウツギとタニウツギ  2013 シライトソウ  2012 アメリカアサガラ  2011 アオハダ  2010 コンニャク  2009 ギシギシ  2008 オオカメノキ(ムシカリ)  2007 ヤセウツボ  2006 タラヨウ  2005 ゼニアオイ  2004 エゴノキ

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5月13日(水) マロニエ(セイヨウトチノキ)

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花のころだと思って例の小学校に駆けつけたのに、花の位置が高過ぎ&角度悪過ぎの二重苦で、ガッカリでした。念のため、心当たりのあったほかの2カ所も訪ねてみたものの、状況は似たようなものでした。
今年はもうあきらめかと思った矢先、たまたま通った道路脇でこんなにド派手に咲いている1本(↑)を見つけました。手の届く低い枝にも花がついています。
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マジマジ見て納得です。なんと形容すべきか、要はグチャグチャで、これではナマクラな腕の望遠ではなにがなんだかわからなかったのは道理です。
雄シベの葯ばかり目立ちはしても、なかに葯のないらしいシベもあるので、仕掛け的にはふつうのトチノキと同じ雌雄混株だと思います。
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なんと、この土地のオーナーはよほどの栃好きらしく、隣(写真左方)にはふつうのトチノキも植わっていました。おかげで、トチノキと比べてマロニエ(セイヨウトチノキ)の花がいかに派手かということが、下手な説明なしでよくわかります。

過去のきょう 2014 マツバトウダイ(ユーフォルビア・キパリッシアス)  2013 ムレスズメ  2012 カイジンドウ  2011 キンラン  2010 ミツデカエデ  2009 スイバ  2008 アマドコロ  2007 サワフタギ  2006 ミヤコワスレ  2005 セイヨウオダマキ  2004 ソラマメ

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5月12日(火) ヘラオオバコ

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原産地のヨーロッパではハーブとして食べることもあると聞いても、試してみる気にはなれません。このヘラオオバコが生えている場所は、どうもワンちゃんが散歩の途中でチッチしそうなところばかりに思えるのです。
さて、ヘラオオバコは三度目の登場であっても、写真的には過去二度の合成的な意味合いです。最初はちょうどいまの季節に、花穂にだけ目を奪われてしまい、今年1月には地べたにへばり付いて冬をやり過ごす葉だけを取り上げました。
今回ようやく、全体をとらえたことにはなっても、やはり懸念していたようにとりとめのない絵になりました。とりとめのない日常のかたわらに展開されるとりとめのないヘラオオバコの世界を、とりとめなく日記にとどめておくことにします。

過去のきょう 2014 マルバウツギ  2013 セイヨウジュウニヒトエ(アジュガ・レプタンス)  2012 チャンチン  2011 ハクウンボク  2010 オオカワヂシャ  2009 タラヨウ(雌花)  2008 オトコヨウゾメ  2007 アメリカフウロ  2006 カラマツ  2005 ヤマボウシ  2004 カナメモチ

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番外編 : ちょっと褒めすぎました

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先日の番外編で褒めちぎった低価格SIMフリースマホCovia F4sについて、問題点が見つかったので追加レポートです。
まずはこの写真、助手1号がウチのゼラニウムを撮ったものです。という説明が必要なほど、ひどい画像です。そのうち、使い方にもう少し慣れるかもしれなくても、だいたいこんなものでしょう(手ぶれ・被写体ぶれでなく)。
前回は「緊急のメモ代わりと思えばいい」と強がりを言ったのは、真面目にそのとおりでした。これは画素数が足らない(200万)ことに加え、オートフォーカスが効かないらしい(固定焦点)ことも大きな原因です。
したがって、漠然とした風景写真ならまだしも、花とか虫を接写するのはまったく不適(固定焦点なので、1.5m以内はボケる)だし、あくまで「メモ代わり」として、撮った写真をスマホ画面で見る範囲の用途にとどめざるを得ません。

ということは、あえて追加記事を書く必要もない(上記内容は自分で納得していた)わけでも、じつはこの弱体カメラ機能がもたらす大きな落とし穴がありました。それはバーコード(やQRコード)の読み取りがほぼ不可能ということです。
どんなにしつこく狙ってもコードはぼんやり写るだけで、よほどはっきりした(大きな)ものでないと、永久にスマホを紙面にかざしていなくてはならないのです。ほかの性能は、電池の持ちも含めて、いまのところそれなりに納得の範囲なのに、これは思いがけない盲点でした(考えてみれば当たり前・汗)。
いまどきはお店の棚も、美術館の展示も、新聞のチラシも、なんでもかんでもQRコードで情報提供する時代です。次のモデルでは、画素数は欲張らなくていいから、コードが読める機能だけは確保してほしいと切望する次第です。

<追録> 固定焦点カメラにふさわしい使い方をしてみました。(2015年7月10日)

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5月11日(月) タラヨウ(雌株)

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少しだけ標高のある場所へ行ったら、タラヨウの花がまだ盛りでした。けっこう派手に咲いていたのでてっきり雄株かと思って近づいたら雌株でした。この花がすべてあの真っ赤な実に変わったら…とワクワクさせる木です。
かつて、一輪だけ残った雌花をかろうじてとらえたことに比べると、今度は文句なしに全開ドンピシャの開花の様子です。
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基本的に雄花と同じ作りとサイズではあるものの、雌花の場合はすでに実と呼んでいいほどの子房(花柱)が圧倒的な存在感を誇ります。またその先端の柱頭部分も、花粉を吸い尽くしそうにタフな面構えをしています。
逆に、雄シベは一応備わってはいるものの葯は最初から枯渇していました。ただ、その花糸は太くて目立つので、冒頭書いたようにけっこう派手な見かけを作り出しているのでした。つい「どうせなら花粉も出せば」と思うほどの立派さであっても、そこはそれ、しっかりと男を立ててくれる「いい女」ぶりなのでした。

<追録> 秋、盛大に実をつけた大木を見ました。(撮影:2017年11月26日)
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過去のきょう 2014 ニガナ  2013 サンショウ  2012 クサソテツ  2011 カマヤマショウブ  2010 ハナイバナ  2009 ネコノメソウ  2008 クマガイソウ  2007 ナニワイバラ  2006 セリバヒエンソウ  2005 ポポー  2004 スイカズラ

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5月10日(日) トコナツ

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先日のセキチクの記事で、「ナデシコ類はやたら紛らわし」いと言ったとき、頭にあったのはこのトコナツとか、あとは美女ナデシコ(注)のことでした。
特にトコナツは、セキチクの異名である一方で、セキチクのなかの一品種を指す場合もあるというややこしい事情があります。かつ園芸的にさまざま交配種が出回っていて(ダイアンサス・○○と称する品種群)、頭が痛いというワケです。
そんな背景のなか、「たぶんこれが…」と写した鉢植えです。ヒゲ(苞の先)がセキチクよりも目立ち、美女ナデシコほど多くはありません。なによりも、名前どおりに寒いうちから(セキチクが咲き出すずっと前から)きれいに花開いていました。
本当はこの鉢植えの出自をオーナーにお訊きできればいいと思いながら、インターホンを押して「これ、なんですか」とやる勇気はなかなか出ないものです。

<補注> 通称で美女ナデシコとされているものの標準和名はアメリカナデシコ(Dianthus barbatus)です。(2021年6月30日

過去のきょう 2014 ジングウツツジ  2013 アレナリア・モンタナ  2012 トラフクロマツ  2011 マメヅタ  2010 モッコウバラ(白八重)  2009 エゾネギ(チャイブ)  2008 シャリンバイ  2007 ウスバサイシン  2006 セッコク  2005 ヤエコデマリ  2004 オオムラサキ

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5月9日(土) ハンカチノキ

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ハンカチノキの収録についてはこのシーンが不可欠なのに、これまでは暑いさなかとか木枯らし吹くころとか、ちょっとハズした季節の姿ばかり取り上げてきました。そんな臍曲がりもウワァ~と驚いたハンカチ大特売会場の様子です。
ただ、正直に言うとハンカチというよりはティッシュに見えて仕方ありません。いまならば確実にティッシュノキと名付けられたでしょうに、この木が日本にやってきた1950年代はティッシュペーパーもようやく日本に登場したばかりのころで、まだまだ一般の生活に密着した存在ではありませんでした。
そういえば、自分が子供のころはちり紙や落とし紙を使っていたもので、それがティッシュやトレペに変わったのはいったいいくつのときだったのか…少し遠い日を思い起こさせてくれるティッシュノキ、いえ、ハンカチノキです。

<補注1> 実が充実した様子はこちらです。(2015年11月7日)
<追録> ハンカチの中身に迫ってみました(下2枚の写真)。その中身には立派な雌シベ1本と多くの雄シベを具えたタイプ(両性花・写真上)と、雄シベだけのタイプ(雄花・写真下)があります。
ただ、自分にはシベにしか見えないそれらが専門的には「花」とされているようだし、ハンカチを総苞と呼ぶからにはそのなかに複数の花があるわけで、シベにしか見えないそれらは花と思うのはとても苦しくて、現段階ではかなり「理解の外」の事柄です。(撮影:2019年5月9日)
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<補注2> 花や実に比べると、冬芽はとても地味でした。(2024年3月12日

過去のきょう 2014 ヤナギトラノオ  2013 ボタン  2012 ヤエムグラ  2011 スイバ  2010 オニグルミ  2009 コエンドロ(コリアンダー)  2008 クレマチス・モンタナ  2007 オオアブラギリ(シナアブラギリ)  2006 イチゴ(優香)  2005 オオデマリ  2004 ミズキ

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5月8日(金) クジャクシダ

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きのうはシダ類ではないシダ(笑)を載せたので、きょうは本当のシダにしました…と言うか、冬には消えていたクジャクシダがあっという間に生長し、針葉樹の緩斜面で気持ち良さそうに羽を大きく広げていました。
このクジャクシダとホウライシダ、それにハコネシダは、俗にアジアンタムと呼ばれるホウライシダ属(Adiantum)の仲間です。かつて、この3点をセットにしたミニ盆栽を枯らしたことがあり、つい懺悔の気持ちで眺めてしまいます。
牧野図鑑では「クジャクソウ(クジャクシダ)」となっていて、焦りました。ふつうクジャクソウと言えば、秋に白い小さな花を咲かすキク科植物です。さてきょうのタイトルをどうするか悩みながらも、ここは大先生に楯突いてみる(注1)ことにしました。

<補注1> クジャクソウの名はYListでは別名とされているので、タイトルに取り上げなくていいようです。
<補注2> 冬が来て消える前、ひと株の構造が少しだけわかりやすくなっていました。(2015年11月24日

過去のきょう 2014 モモイロハナエンジュ(バラアカシア)  2013 ツタバウンラン(ツタガラクサ)  2012 クレマチス・アーマンディ  2011 カジノキ  2010 ハイノキ  2009 ツボスミレ(ニョイスミレ)  2008 イヌガヤ  2007 ヒイラギソウ  2006 リムナンテス  2005 アサツキ  2004 ウツギ

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5月7日(木) エニシダ

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老いた母を散歩に連れ出すと、その壊れたレコードのような繰り返し発言を持て余したものです。ただ、たまに焦るような鋭いひと言もありました。このエニシダはその代表例で、「賑やかだね」「きれいだね」とやりとりしているうち、「これがどうしてシダ(羊歯)なの」とつぶやいたのです。去年のちょうどいまごろのことでした。
完全に盲点を突かれ、「ホントだね」とごまかしたものの、自分の不勉強が恥ずかしくてホオベニエニシダのように赤面してしまいました。
なるほど、旧属名のGenista(エニスタ)をそのままに呼んでいたものが次第に転訛したらしく、シとスの入れ替わり方はハマナスと逆パターンでした。
さて、この春こそエニシダの前でこれを説明してやろうと思っていたのに、肝心の母がもういなくなってしまいました。もっとも、そんな辛気くさい解説などどこ吹く風だったはずで、エニシダの前で苦笑いが浮かぶこの春です。

過去のきょう 2014 ツリガネズイセン(ヒヤシンソイデス・ヒスパニカ)  2013 ウラジロノキ  2012 サクラソウ  2011 ヒメハギ  2010 マルメロ  2009 アメリカイワナンテン  2008 ヒルガオ  2007 スイートピー  2006 ベニバナツメクサ  2005 モモイロヒルザキツキミソウ  2004 ハリエンジュ(ニセアカシア)

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番外編 : こんなスマホ、待っていました!

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3台目のスマホ(写真中央)です。もっとも、2台目はいつの間にか助手2号の手に渡っているし、この3台目は助手1号のスマホデビュー機になります。

さて、このスマホ(Covia F4s)、いままでの2台(どちらも型遅れの中古品を購入)とは違い、去年12月に発売されたバリバリの新鋭機・新品です。しかし、実際の入手価格は3台のなかでは最安で、税・送料込み8,061円でした。
当然ながら、「おもちゃ?」という疑念が湧きはしても、なんとCPUはクアッドコアですから動きは俊敏で、古いiPhoneやGALAXYを完全に上回ります。また、液晶はIPS方式なので、画素数はイマイチでもかなりきれいに見えます。
それと、F4sの基本メリットは軽く(107g)て小さい(4インチ)ということです。ポケットに入れても苦にならず、片手で楽に操作できます。この軽さは、いままで軽いことを選択基準に選んだ3GS(134g)やSC-02B(119g)に比べても、手に持ったとたんに感じることができるフェザーウエイトです。(当然、作りは簡素なので、スマホに高級感を求める人にはまったく向きません)
また、ストレージが小さい(4GB)のはコスト的に仕方ないところでも、SDカードを挿せるので、致命傷ではありません。カメラがチャチというのがもっぱらの悪評ではあっても、あくまで緊急のメモ代わりで使うなら不満とはなりません。

さらにミソはデュアルSIMという構造で、ガラケー(うちはドコモ)のSIMをそのままこちらに移し、もう1枚は例の格安SIMを挿すというわけです。そもそも、キャリアに縛られないSIMフリー機なので、どこのSIMでもOKです。
つまり、通話はドコモで989円(タイプSS)、通信はDTIで506円、毎月の合計1,495円でスマホが使える(従量課金なし)というわけです。
さらなる驚愕は、こんな格安スマホでテザリング設定がわりと簡単にできてしまったことです。外でパソを使わざるを得ないワタシは、いま携帯ルータを使っているわけで、これが月額2,800円ほどかかっています。それが、このCoviaを介してネット接続できるので、自分もこれにすれば丸々この費用がタダになります。
つまり、不安げな助手1号に無理矢理スマホを持たせたのは、自分の次のシステムを実験したかったのが本音でした。しかし、助手1号は被害者かというとそうでもなく、内心あこがれていたフリック操作を上機嫌で楽しんでいます。

というわけで、今回の実験は大成功、Covia万歳!でした。すでにF4s+という少しだけ上級機も出ていて、そろそろ年金生活突入というはた衛門にとって、このCoviaというメーカーは強い味方となってくれそうです。

<補注> このスマホのもう一つの悪評に、電池持ちが悪いというのがあります。たしかに軽量化とタフバッテリーは両立し得ない命題です。
しかし、いまのところは完全充電すれば丸一日は持っているので、まめに充電すればいいだけのことです。あるいは、替えの電池も1,500円ほどなので、最悪はこれを持ち歩けば済む話だと思っています。
<追録> カメラ性能がプアーであることによって、思わぬ障害に出くわしました。(2015年5月12日)

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5月6日(水) セキチク(カラナデシコ)

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道端の空き地に咲いていました。じつはセキチクを取り上げたいものの、ナデシコ類はやたら紛らわしく、「らしい」ものを撮っても掲載は控えて来ました。
しかし、今回のこれならかなり間違いない気がします。竹のような粉緑色という茎葉がまずピッタリで、その葉が細くて対生し、背丈が30cm内外という条件も外していません。もちろん、花の様子は図鑑の説明どおりです。
在来のナデシコと区別するため、カラナデシコ(唐撫子)という別名を持ちます。しかし、ナデシコのことをカワラナデシコと呼ぶので、音的にちょっと面倒です。もっとも、カラナデシコとかカワラナデシコとかいう別称まで覚える段階になれば、二つが音でまぜこぜになるわけもなく、こういうのを杞憂というのでしょう。

<補注> セキチクの一品種であるトコナツを収録しました。(2015年5月10日

過去のきょう 2014 コバノガマズミ  2013 ハッカクレン  2012 ハイノキ  2011 チョウジガマズミ  2010 カンザン(関山)  2009 シュロ(ワジュロ)とトウジュロ  2008 オサバグサ  2007 ピラカンサ  2006 オーニソガラム  2005 キリ  2004 ヤマボウシ

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番外編 : 今年はちょいヒネリの感動!

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また見つけてしまいました。8年前の正月には、同じくズラリと並んだ青いトラックのナンバープレートが9番・8番・7番…と連続しているのを見つけて驚いたのに、今度はさらにヒネリが加わっています。○○130の「あ」の108・208・308、とりあえず3台だけだったものの、もしかしてずっと続くのかも?
前の9番・8番・7番…は「4」が欠番でした。しかし、今度の08シリーズなら「408」でも決して不吉ではありません。もしかして、408や508はGWにも関わらず稼働中?
正月休みなら節句働きに出る無粋なトラックもいないでしょうから、いまから次の正月が楽しみになりました。

<補注> このシリーズ第3作はこちらです。(2016年8月1日)

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5月5日(火) キクザクラ

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つい先週まで、関山普賢象などの八重桜は花を残していました。しかし、さすがにそれらも散り果てたころに、まだまだ見ごろの花がありました。
菊桜といえば兼六園のそれが有名とは言え、あたかも菊のように花が重層多弁化するこのサトザクラは各地にあるようです。兼六園のものは花の中心部の紅が濃いのに対し、写真のものはそれほどでもないので、単に菊桜としておきます。
そう言えば、桃にも菊桃というのがあって、じつに豪華な眺めです。こうなれば、あとは菊「梅」があればいいのに、あいにくまだそんな品種に出会ったことがありません。桜・桃・梅、ボッテリ3点セットを見たいような、見たくないような…。

<追録> 「兼六園菊桜」と名札をつけた木に出会いました。たしかに、花の芯だけが紅をさしたように真っ赤です。(↓撮影:2019年4月19日)
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<補注> 菊桜(Cerasus serrulata 'Chrysanthemoides')と兼六園菊桜(C. serrulata 'Sphaerantha')は別物です。(2022年5月 参考:日本花の会)

過去のきょう 2014 ニワナズナ(アリッスム)  2013 トドマツ  2012 ムラサキカタバミ  2011 ジョウリョクヤマボウシ  2010 タブノキ  2009 ダイコン  2008 ナラガシワ  2007 イチハツ  2006 ハナイカダ  2005 ユリノキ  2004 ムクロジ

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5月4日(月) ハハコグサ

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母の日が近づいたこの時期、ハハコグサが目立ち出しました。天の配剤というべきか、こういう「できた話」は案外にあるものです。
ただし、ハハコグサの名前由来は諸説紛々で、どれもピンと来ません。この草の姿に母と子を映し重ねるのはかなりの難行だと思います。(注)
それどころか、花にグッと迫ってみると、まるで粘菌が這い回っているようにも見えてきて、ちょっと腰が引けるほどです。一つひとつの頭花の中央部にあるのが両性花で、その周りを雌花がビッシリと囲んでいます。
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花よりも、むしろ見るべきは茎と葉です。かつて、草餅にはヨモギではなくこのハハコグサを使っていたそうで、春の七草ではゴギョウとしても有名です。
ところが、そのゴギョウ(御形=仏の体)にしても、この茎葉からではイメージがまったくわきません。それほど名前が意味不明になってしまったこと自体、この草が我々の生活に長い間寄り添っていた証拠なのでしょう。

<補注> 牧野博士(植物記)によると、これはホウコグサであり、平安時代に編まれた書物によってハハコグサに改変(?)されてしまったのだそうです。また、ゴギョウもオギョウとするのが本来だということです。

過去のきょう 2014 ダイオウグミ  2013 ゼンマイ  2012 イチハラトラノオ(市原虎の尾)  2011 セイヨウバクチノキ  2010 ベニシダ  2009 トウカエデ  2008 ニワトコとムベ  2007 キモクレン  2006 ヒメコウゾ  2005 スズラン  2004 ハルジオン

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5月3日(日) チリメンガシ

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かなり太い幹は朽ち折れたものの、根もとの付近からヒコバエがのび出し、世代が更新されつつありました。名前どおりに細かく縮んだ若葉がきれいです。
そんな状態なので、ドングリを見ることは当分無理ではあっても、この葉だけでも、チリメンガシという樹種を鑑賞する価値は十分です。
牧野図鑑でも、「ウバメガシの変種で園芸品」だとあっさり触れている程度で、ちょっとした謎の木だと思っていました。ところが、京都で造園業を営む「うえしげ」さんが、ご自分のサイトでこの木のことをじつに詳しく解説なさっていました。
木の特徴はもちろん、歴史的な背景から扱い方まで、とてもわかりやすく書かれているので、ご許可を頂戴し、リンク(注)をさせていただきました。

<補注> 残念ながら、文中に示した「うえしげ」さんのサイトはいつの間にか閉鎖されていました。リンクなどと安直なことをせず、内容を記録しておくべきだったと大反省です。(2017年8月13日)⇒ 探していた記事を「救出サイト」で発見できたので、「蔵」のトピックス欄の一部として再現ページを参照できるようにしました。(2024年4月)

過去のきょう 2014 サギゴケ(ムラサキサギゴケ)  2013 ニッサボク  2012 セイヨウタンポポ  2011 シライトソウ  2010 ヘビノボラズ  2009 ギンラン  2008 フサスグリ  2007 シュンギク  2006 ムクノキ  2005 ワスレナグサ  2004 カリフォルニアポピー

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5月2日(土) シャクヤク

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「凜」という字をなにかの草木に当てよと言われたら、さしずめシャクヤクはその候補の最右翼に来そうです。なかでも、一重で小型のこの品種は、余計な衒(てら)いを持たず、葉の先まで瑞々しく張り詰めて、毅然としています。
古くはシャクヤクをエビスグスリ(夷薬)と呼んだそうで、舶来の医薬品だったことがわかります。婦人薬として、オールラウンドな薬効があるようです。
見てよし、服してよし、「一家に一株、芍薬を」と言いたいところでも、当然ながら薬は毒でもあります。シャクヤクは眺めて楽しむにしかず…です。

<補注> シャクヤクの芽吹きはなかなか味のあるものでした。(2024年3月13日

過去のきょう 2014 マルバアオダモ  2013 カントウタンポポ  2012 シロダモ  2011 カジカエデ(オニモミジ)  2010 クヌギ(雌花)  2009 キンラン  2008 マイヅルソウ  2007 ジュウニヒトエ  2006 カキドオシ  2005 シラー・ペルビアナ(オオツルボ)  2004 カリフォルニアポピー

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5月1日(金) タラヨウ(雄株)

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そろそろタラヨウの花の時期になったのに、今年は悔し涙の春です。ずいぶん前に取り上げたことのある巨大な雄株が、花開く前に伐採されていたのです。
去年、5月の中旬にそこへ行ったときは、花は終わっていたものの木はまだ健在で、オーナーに「初旬が見ごろ」と教えてもらったものでした。満を持していた今年なのに、あの木の訃報がもたらされたのは春まだ浅いころでした。
というわけで、写真の雄花は、こんな接写ができる程度にまだ若い(背が低い)雄株のものです。樹木に限らず、人にもまた寿命があり、いまの季節の花を見せてあげたくてもできない悲しみにもなるわけで、「いまここ」をしみじみ感じる春です。

<補注> すぐあとに雌株(雌花)を撮ることができました。(2015年5月11日)

過去のきょう 2014 アツモリソウ  2013 チシャノキとマルバチシャノキ  2012 ヨウラクユリ(フリチラリア・インペリアリス)  2011 イヌリンゴ  2010 セイヨウシャクナゲ  2009 ユズリハ(雌花)  2008 ハシリドコロ  2007 チャボタイゲキ  2006 カシワ  2005 シラン  2004 ベニバナトチノキ

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