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5月31日(土) コモチマンネングサ

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マンネングサの仲間は、パッと見ではどれも同じに見えて(あくまではた衛門の眼力での話です)、おとといもツルとメキシコのおさらいをしたばかりです。
ところが、これは悩みません。葉の付け根についた肉芽が、ほかのマンネングサ類と一線を画する違いです。これがポロリと落ちて発芽する仕掛けです。
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もっとも、写真をクリックして拡大したときのサイズで言えば、2枚目が実物のほぼ倍の大きさ、1枚目だと優に4~5倍にはなっています。要は、老眼の進んだ大きめの男が立ったまま見てわかる造作ではありません。
したがって、道端でこれに会うと、「ん、マンネングサ(類)だ」と足を止め、「ど~れ」と腰を折り、「お、コモチかな」と蹲(うずくま)るわけです。野道ならまだしも、街なかでこれをやるのは恥ずかしいもので、その意味できょうの写真は決死の作品です。

過去のきょう 2013 タチジャコウソウ(コモンタイム)  2012 コバンソウ  2011 アリウム・シュベルティ  2010 アーモンド  2009 ラカンマキ  2008 コウゾリナ  2007 サイカチ  2006 アスチルベ  2005 タチアオイ  2004 シロミミナグサ

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5月30日(金) アカガシ

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長い葉柄が特徴的なアカガシです。花の季節を迎えていました。雌花は新しい枝の先につき、それより根もと側で雄花が花粉を飛ばしています。
その後方に赤ちゃんドングリが見えてはいても、これは去年のものです。つまり、前に掲載した10月のドングリは、受粉後17カ月の姿というわけです。
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大きな木のため、望遠でしか撮れなかったのが少し心残りです。
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雌花は、よそのサイトで接写したのを見ると透明感があってとてもきれいです。手の届く枝振りのアカガシを見つけ、自分でも撮ってみたいものです。ただ、新しい枝や葉柄がとても毛深いことがわかったのは、この一枚の意外な収穫でした。

<補注> 夏の終わり、充実し出したドングリを記録しました。(2021年8月30日

過去のきょう 2013 アサギリソウ  2012 コアジサイ  2011 ヒメウコギ  2010 セイヨウミザクラ  2009 キハダ(雌株)  2008 フデリンドウ  2007 ムギセンノウ  2006 コウホネ  2005 ヤナギハナガサ  2004 オオキンケイギク

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5月29日(木) ツルマンネングサとメキシコマンネングサ

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マンネングサの仲間はいろいろあるから、少しずつでも取り上げていかなくては…と思ったのが4年前で、それっきり忘れていました。不真面目そのものです。
ところが先日、母が住む施設の庭にこのツルマンネングサを植え付けさせてもらいました。そこの敷地はずいぶん広くて、とてもスタッフの手が回らないので、ちょっとしたボランティアのまねごとです。真面目そのものです(笑)。
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これがそのツルマンネングサの供給源で、近所の護岸壁です。コンクリートの隙間にたまった土や埃に根を張り、大量に跋扈しています。これをバリバリ剥ぎ取り、元手ゼロでエエカッコをしてみました。狡猾そのものです(苦笑)。
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さて、ようやくツルマンネングサを掲載できたついでに、過去記事の写真では細部が不明瞭だったメキシコマンネングサ(↑)も載せ、見分けポイントをおさらいします。
ツルの茎はすぐ横に這うのに、メキシコはスックと立ち上がります。その茎の色は、ツルが強く赤みを帯びるのに対し、メキシコはうっすら赤い程度でほぼ緑です。
そこにつく葉は、ツルはへら型(木の葉型)で3輪生(1箇所に3枚)、メキシコは棒状で4輪生です。ただし、このメキシコの4輪生という特徴がハッキリ現れたものは案外に見つけにくく、この一枚が撮れたときは少しばかり胸をなで下ろしました。

過去のきょう 2013 ベニバナエゴノキ(アカバナエゴノキ)  2012 ナガミヒナゲシ  2011 ヒメシャガ  2010 イザヨイバラ  2009 カキネガラシ  2008 ヤマグルマ  2007 ハナミョウガ  2006 ガクウツギ  2005 ノビル  2004 ナツグミ

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5月28日(水) シュロチク

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ある意味の貴重映像です。シュロチクは、ふつう(順調)に育っている場合には花をつけません。事実、ウチでもう30年以上育てているもの(鉢植え)は、これまで一度も花をつけたことが(つけそうになったことも)ありません。
ところが、写真のシュロチクは花をつけています。助手1号の撮影なので、細部がまったく不明で大変残念ではあっても、盛大に咲いていることはわかります。
調べると、シュロチクの開花(と結実)というのはどうやら「環境が悪いので次世代を別の場所に移動させたい」という非常事態宣言のようです。写真のシュロチクは、半世紀以上も同じ場所(地植え)にあり、これまで一度も花をつけませんでした。
ということは、日照や灌水についてのご不満ではないわけで、たぶん根の周りの土が硬くなってしまったのでしょう。自然環境なら落ち葉や微生物で土壌が更新されるのに、きれいにしているお庭にはとんだ落とし穴があるものです。

<補注> 当家のカンノンチクも非常事態宣言をしてくれました。(2020年6月27日

過去のきょう 2013 ヒシ  2012 ガマズミ  2011 アオハダ  2010 シャクヤク  2009 ノアザミ  2008 ミツガシワ  2007 オオバオオヤマレンゲ  2006 オモト  2005 サラサウツギ  2004 タイサンボク

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追加編 : シュッコンカスミソウ

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以前、本来のカスミソウとシュッコンカスミソウの違いを取り上げたことがあります。そのときに載せたシュッコンカスミソウは八重タイプでした。今回、うまい具合に一重のものを見つけたので、補足として載せておきます。
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これは市民農園の隅で咲いていたもので、花は疎らだし、こうして茎も倒れやすくて、とてもまとまりが悪い状態でした。八重も一重も、身近ではシュッコンカスミソウをなかなか見かけないのは、こんな育てにくさのせいだと思います。

<補注> 旧分類では同属(Gypsophila)とされていたオノエマンテマ(流通名:カーペットカスミソウ)を収録しました。(2023年4月18日

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5月27日(火) アルブカ・スピラリス ‘フリズルシズル‘

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初めて育てる珍種ながらも、とりあえず開花・結実までは来ました。アスパラの穂先を思わせた花茎がこのひと月でグングンと50cmくらいまでにのび、10個ほどの花が下から順にパカリ・パカリと咲いては枯れていきます。
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ただ、パカリと開くのは3枚の萼で、本来の花びらはムッツリと口を綴じたまま、ニコリともしません。これでは虫も進入できないのではと心配します。
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無理矢理開いてみたら、なかはこんな感じでした。気がつかないうちに極小の虫が入り込んでいたのか、それとも自家受粉したのか、とりあえず雌シベの柱頭には花粉がまぶされているようです。
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終わった花は、間を置かずにポトリと落ちます。写真上方が花茎についていた側です。種は肉眼ではよくわかりません。とりあえず、自分で落ちたままに放置してみて、来春それが芽吹くかどうかを確認するつもりです。

<補注> 記事中に「結実」とは書いたものの、後日、莢を割ってみたら、なかに種はありませんでした。園芸的に作出された品種なので、一代限り(F1)の性質かもしれないと愚考しています。(2014年6月20日

過去のきょう 2013 ハグマノキ  2012 ムシトリナデシコ  2011 ギンラン  2010 ワニグチソウ  2009 テマリカンボク  2008 オヤブジラミ  2007 ヤグルマソウ  2006 クサイチゴ  2005 ツリバナ  2004 クリ

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5月26日(月) シナユリノキ

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ユリノキみたいだけれど、どこか違います。まず葉(の先半分)が長くて、これでは半纏木(ユリノキの別名その1)ではなく「Tシャツ木」になってしまいます。
幹を見ても、それなりにゴツゴツはしていても、ユリノキの特徴である樹皮の深い割れ目がありません。困って眺め回していると、花らしきもの(白○)を見つけました。
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一応、チューリップの木(ユリノキの別名その2)と言える形はしていても、カップが少し浅いような気がします。見つけた花のどれも色が悪いのは、時期的に枯れかかっているからでしょうか。また、花びらが5枚しかない(ユリノキは6枚)のは、1枚がもう枯れ落ちてしまったからかもしれません
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かなりの高みに、ようやく新鮮な花色を見つけました。これならユリノキの花色と同じ(→オレンジ斑なし)です。枝が邪魔になって花びらの枚数はわからなくても、組み合わせ的に6枚と見て良さそうです。ユリノキと同じ翼果の残骸もありました。

これまで何度もユリノキを取り上げていたのに勉強不足でした。氷河期にほかの仲間は死に絶え、北米大陸に残ったのがユリノキ、中国大陸に残ったのがこのシナユリノキ、世界にたった二人(種)しか存在しない、貴重なユリノキ属の兄弟でした。
日本では、北米出身の方だけがやたらに幅をきかせています。シナユリノキは発見そのものが遅く、数も少なくて稀少種だと言います。まだどこでも見られる木ではないので、翼果がたくさんの子孫を残してくれることを期待しましょう。

<補注> 花が盛りの状態を載せました。(2017年5月13日

過去のきょう 2013 オヤブジラミ  2012 ヤブデマリ  2011 アカマツ  2010 ギョリュウ  2009 マユミ  2008 イワカガミ  2007 ネメシア  2006 ワジュロ  2005 スイカズラ  2004 キョウチクトウ

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5月25日(日) クマザサ

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クマザサには最初から隈取りがあるわけじゃないよ…という写真を撮ろうとしたら、おぉ、見つけました! マシンガンホール! これ、ずっと探していたのです。
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笹の葉は、芽のときはこうして(↑)クルクルと丸まっているので、そのときに虫が1カ所を囓り進んだ痕がこれだそうです。囓っているところを現行犯逮捕した人はどうやらいないようなので、犯行は深夜なのでしょうか。
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一つ見つかると、あとは芋蔓式という法則は今回も生きていて、穴の形がちょっと細長いものも見つけました。1枚の葉に2カ所の弾痕(笑)があるものや、穴がつながって葉が千切れてしまうケースもあるようで、笹藪が見逃せなくなりました。

過去のきょう 2013 シキザキアカシア  2012 アスパラガス  2011 エビネ  2010 ミツバウツギ  2009 ヒトリシズカ  2008 キハダ  2007 オオムラサキツユクサ  2006 ムラサキツユクサ  2005 センダン  2004 ハコネウツギ

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5月24日(土) クロジクアジサイ

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アジサイはそろそろ咲き出しているのに、あえて花なし写真です。花に眼が眩んでは、この品種の良さがわかりにくいでしょう。(撮影日:5月12日 単に、もう一度この場所へ撮影に行くのが面倒だというウワサもあり)
初めて見かけて、ちょっとドキッとしました。黒々とした茎が迫力の美しさです。調べたら、古くからある黒軸紫陽花という品種(f.mandschurica)でした。
花は青が基本のようでも、紫陽花のことですから多少の変化幅があり、また白花のものが開発されたりもしています。果たして写真の株がどんな花をつけるのか、確かめてみたい気も少しだけ(注)湧いてきました。

<補注> やはり気になって、花も撮影しておきました。(2014年6月18日)

過去のきょう 2013 フランスギク  2012 カジイチゴ  2011 ノイバラ  2010 コウモリカズラ  2009 ヒメサユリ  2008 ネズミムギ  2007 ブラシノキ  2006 トキワツユクサ  2005 カルミア  2004 センダン

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5月23日(金) キンポウゲとウマノアシガタ(キンポウゲ)

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キンポウゲという名前は子供でも知っているのに、案外と実物が知られていない気がします。まして、その名前の込み入った事情など、好きな人だけの世界です。
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ふつうにキンポウゲと言えば、それはこの重層多弁の品種(↑)のことです。花径が1.5cm前後とサイズは小さくても、煌めく花びらがとても目立ちます。
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そして、こちら(↑)が本来のキンポウゲです。しかし、正式にはこれはウマノアシガタと呼び、キンポウゲという名は別名扱いです。
いつごろからこんな混乱が起きたのかは定かではありません。ウマノアシガタの八重咲き品種の方がキンポウゲという有名な名前を獲得してしまったわけで、古風に言えば分家が本家に取って代わった図式です。

なお、キンポウゲ科キンポウゲ属の仲間は多く、ここにあげた2種以外に次のものをこのブログに収録しています。(和名50音順)
キツネノボタン ☆ ケキツネノボタン ☆ タガラシ ☆ ヒキノカサ ☆ ラナンキュラス

過去のきょう 2013 ツリガネカズラ  2012 スズメノエンドウ  2011 コウシンバラ  2010 シュロ(ワジュロ)  2009 キバナフジ  2008 ユキザサ  2007 コマツヨイグサ  2006 ジャガイモ  2005 オランダカイウ(カラー)  2004 トキワツユクサ

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5月22日(木) バリバリノキ(アオカゴノキ)

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久しぶりにバリバリノキです。夏ならparipari程度の音がするくらい硬い葉が、この季節はまだしんなりとソフトでした。ほぼ、「ヘナヘナノキ」です(笑)。
前回の木も今回も、樹高は7~8m以上もありそうに大きいのに、どちらも手の届くところに枝が降りていました。ふつう、大きな木の枝葉は高い場所に繁るので、ちょっと変わった性質です。垂れた葉が横からの光を受けていて、この性質は高木が密集した林のなかで生き延びる隙間狙いのように思えます。
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さて、前回の木はアオカゴノキという別名にふさわしく、青色とも感じる樹皮だったのに比べ、今回は図鑑の記述どおりの灰褐色です。これでも光の加減では青みを帯びて見えるのかしれなくても、陽があたるときはこんな色目という記録です。

過去のきょう 2013 ムラサキウンラン(ヒメキンギョソウ、リナリア)  2012 ハチク  2011 サクラバラ  2010 タチバナ  2009 ショウブ  2008 クヌギ  2007 ノースポールギク(クリサンセマム・パルドサム)  2006 ニオイシュロラン  2005 ニオイバンマツリ  2004 ユスラウメ

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5月21日(水) チガヤ

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♪春なのに、春なのに…と切なく歌ったお嬢さんもすでに貫禄のオバサマ…という話ではなく、チガヤの白い穂を見ると、このメロディが口を衝(つ)くのです。
オギススキのイメージが強すぎて、白い穂=秋という思いが自分のなかにあるのでしょう。その観念に反し、芽吹いたチガヤの穂は、「春なのに」真っ白です。
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近づいてみれば、綿毛がすでに膨らんだ穂もあり、強い風を待っています。地下茎でどんどん勢力をのばしつつ、こうして盛大に種を飛ばすわけですから、油断しているとそこらじゅうがチガヤだらけになってしまいます。
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そんなチガヤがまだ若いときはこんな感じでした。花穂から飛び出した雄シベが初々しく見えます。まだ花茎がグンとのびる前なので、葉と花穂を一緒に写せます。
もう少し若いと、この花穂は食べられると言います。ただ、そのころだとまだチガヤと見切るのが怖く、残念ながら食味試験はできていません。

過去のきょう 2013 ニガキ(雄花)  2012 ノミノツヅリ  2011 オニタビラコ  2010 ケシ  2009 バッコヤナギ  2008 ザイフリボク  2007 クスノキ  2006 カスミソウ  2005 ユウゲショウ  2004 クレマチス

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5月20日(火) ホオベニエニシダ

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ほっぺが赤いのは、なにも子供に限らずかわいいものです。ふつうに黄色いだけのエニシダは、増補版で「暑苦しい感じ」としていたことを思い出しました。
その説明には「見かけにくく」なったとしてあって、これはあまりにも観察不足の発言でした。庭木から鉢植えまで、ふつうのエニシダはよく目立ちます。
そんな「ふつう」がまだこちら(ブログ)には出ていないのに、その園芸品種である頬紅タイプを取り上げました。理由は極めてワガママです。写しやすいから…。
黄色とか白の一色だけの花には未だに手こずるワタシです。そのヘボな腕を棚に上げて言えば、人間の眼とカメラの違いの一番はここのような気がします。どんな陽光の下でも、肉眼なら花びらの微妙な陰影がわかるのに、カメラではそこが写せません。眼で見たままに写るカメラ、欲しいものです。

<補注> 「ふつう」には翌年挑戦してみました。(2015年5月7日

過去のきょう 2013 コチョウラン  2012 セイヨウサンザシ  2011 ケヤキ  2010 ハグマノキ  2009 アオダモ  2008 ヤブジラミ  2007 カルケオラリア  2006 ツルウメモドキ  2005 トベラ  2004 カキノキ

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5月19日(月) アリウム・オストロスキアヌム(ベニオトメニラ)

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ネギ属(アリウム属)というのは、そこに入る植物数が400とも700とも言われるくらい巨大です。自分のトポトポ歩きでは、いったいその何%と出会えるやら…。
しかもその大きな属の上位概念(科)が、分類方法によってヒガンバナ科・ネギ科・ユリ科などと揺れてしまいます。
さて、そんな鬱陶しい話とは裏腹に、なんともかわいらしいアリウムを見つけました。小さな球根のくせに、こうしてボール状にたくさんの小花を咲かせます。その色と形がまるでお菓子のようで、茎や葉のくすんだ緑色と好対照です。

ところがやはり話は入り組んでいて、その名前が問題でした。オストロスキアヌムとオレオフィルム(Allium ostroskianumとA. oreophilum)、どちらが本名でどちらが別名なのか、はっきりしません(注)。外国のサイトではオレオフィルムを別名としているものが多いようなのに、日本ではその逆が目立ちます。
こういう場合、自分流では覚えやすい名前をメインにするのに、今回はその尺度でも大差はない感じです。やれやれ、こうなれば好き勝手に「アリウム・お菓子ちゃん」とでも呼んでおくことにしましょうか。

<補注> Allium ostroskianumの標準和名はベニオトメニラでした。ただ、その和名で検索しても画像はまだ得られないほどマイナーなので、記事タイトルでは補足名としておきます。なお、本文に取り上げた種小名: oreophilum は ostroskianum の異名(シノニム)とわかりました。(2021年5月)

過去のきょう 2013 ツガ  2012 コウゾリナ  2011 カキツバタ  2010 ヒメグルミ  2009 ヒメツルニチニチソウ  2008 ヤマシャクヤク  2007 ツボサンゴ  2006 フランスギク  2005 チョウジソウ  2004 タチアオイ

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5月18日(日) バイカウツギ

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先日、マルバウツギを載せた弾みに整理した「○○ウツギ」は、自分的になかなか役に立ちました。写真が冴えなかったものや掲載忘れしていたもの(ベニウツギとタニウツギ)を補充しながら、ついでにそれらの木々のおさらいもできます。
このバイカウツギもその一つです。かつての写真はどうにも無機的で、花を見る幸福感が表現できていません。などと大口を叩くと、今度の写真は前ボケを使ってごまかしただけじゃないかとセルフ突っ込みも出ます。ただ、少なくても撮影している本人は幸福でしたし、花にとりついたアブ君もかなり幸せそうでした。
また、前回掲載ではバイカウツギに恨みでもあるかのようにコキおろしていたことも反省です。花も少しは梅らしく見えます。枝振りが奔放であることは事実であっても、その非難は前の年にのびた枝に花がつくという性格を知らなかった故でした。
樹形をまとめようとしてのびた枝を切ると、それは事前に花を刈り取っていることになるわけです。花をたくさん咲かそうとすれば枝はのび放題にするのがよく、そうするとどうしても奔放な枝振りに…まるでハムレットのように悩ましい木なのでした。

過去のきょう 2013 温帯スイレン  2012 ニガキ(雌花)  2011 ウラジロノキ  2010 コメツブツメクサ  2009 サンショウバラ  2008 チングルマ  2007 スノーキャップ  2006 オオバコ  2005 サラサドウダン  2004 アヤメ

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5月17日(土) ギョウジャニンニク

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生育がとても遅い植物で、種がこぼれてから食べられるようになるまで、自然環境では5年から6年もかかると言います。それなのに、若い葉が栄養価の高い山菜として人気者なので、昔から乱獲の憂き目にあってきました。
ですから、こうして無事に咲いた花のことを野道のニラにも劣るなどとバカにしてはいけません。どんどん種を稔らせ、殖えてほしいものです。
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花が咲く前(5月初め)はこんな姿でした。いかにもネギの仲間らしい蕾です。(花や蕾の形は、同属のラッキョウヤマラッキョウと似ています)
山菜としては、ここまで葉が開いてしまうと価値は落ちます。2枚の写真はそれぞれ管理された場所のもので、途中で収穫されることなく撮影できました。

過去のきょう 2013 サルナシ  2012 ヤエムグラ  2011 トウバナ  2010 コゴメウツギ  2009 オオバナノエンレイソウ  2008 チゴユリ  2007 ユキノシタ  2006 ヘラオオバコ  2005 メキシコマンネングサ  2004 タイサンボク

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5月16日(金) コハウチワカエデ

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やや情緒的に過ぎたり、ちょっと図鑑のまねごとをしてみたり、コハウチワカエデについては撮影の姿勢が定まらない気がしていました。それが今回はその両方をうまく混ぜることができたかなと少しだけ自己満足です。
木に近づいて初めに着目したのは、葉柄の和毛(にこげ)です。撮影した木は4mほどの高さがあり、葉も大きくて(樹高と葉の大小の相関は不明)、パッと見ではハウチワカエデと間違いそうでした。そこで、まず和毛を確認(ハウチワは無毛)しました。
続いて、その葉柄の長さをチェックです。それが葉の長さとほぼ同じ(2/3程度のこともあり)なので、めでたくコハウチワカエデで確定です。
ハウチワカエデの場合、葉柄は葉身の半分以下なので、感じとして葉の外周をなぞった円形のなかに葉柄が収まってしまいます。それに対して、写真のようにコハウチワカエデの葉柄は葉の外周円から思い切り飛び出してしまうのです。

過去のきょう 2013 コヒロハハナヤスリ  2012 カマツカ  2011 カジノキ  2010 ハクウンボク  2009 ジャケツイバラ  2008 コトネアスター  2007 ヒメヒオウギ  2006 カンボク  2005 ホオノキ  2004 ホオノキ

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追加編 : タニウツギ

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さっそくながら、おとといは古くて冴えない写真でお茶を濁すしかなかったタニウツギに気持ち良く登場してもらいます。
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この時期に旅すると、このピンク色が車窓からよく目立ちます。思いがけないほどいろいろな場所に茂っていて、かなり丈夫な木であることがわかります。
庭木にしても、水や肥料がいらないので、管理がとても楽です。そのわりに住宅地であまり見ないのは、先日述べた言い伝えがまだ残っているのでしょう。いまの若い人たちはもうそんなことは気にしないはずなので、もしかしたら売る側の人たちが古い観念に縛られているのかもしれません。

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5月15日(木) キクムグラ

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四角い断面の茎とか全体の草丈や茎ののび方、また葉が輪生するなど、あのヤエムグラと感じが似ています。ただ、ヤエムグラは細い葉が1カ所に6~8枚輪生するのに対し、こちらの葉は形が丸々として幅があり、数も4(~5)枚と少なめです。
また、茎にはヤエムグラのようなヒッツキの毛がないので、子供の遊び道具にはなりません。そのためか、一般の認知度はやや低めです。
ただし、実には毛があってヒッツキ虫になります。すでに結実して、写真でも薄緑のかわいい丸い球が何カ所かに見えています。
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花もヤエムグラに劣らず撮影者泣かせです。こうしてひと房に2~3個の花がつき、その付け根には葉のような苞があります。
不思議なのは「菊葎」という名前で、どこが菊?と悩みます。牧野博士も、「古くからある名で、葉の感じを見立てたものという」と、やや投げやりです。

過去のきょう 2013 ガクウツギ  2012 ヒルザキツキミソウ(モモイロヒルザキツキミソウ)  2011 タチシオデ  2010 ヒメウツギ  2009 カッコソウ  2008 カマツカ  2007 キツネアザミ  2006 カラスビシャク  2005 シロミミナグサ  2004 エゴノキ

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5月14日(水) ベニウツギとタニウツギ

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おととい、マルバウツギを載せたついでにこのブログや増補版の「○○ウツギ」を整理したら、まだまだ載せていないものが多いことに気づきました。
そのなかで意外だったのは、タニウツギとベニウツギ(ともにスイカズラ科タニウツギ属)でした。野山では基本種ともいうべきタニウツギが収録洩れだし、その園芸種であるベニウツギも、ずいぶん昔のあまりパッとしない写真があるだけでした。
なにせ、このベニウツギは近所に古い垣根があり、いつでも撮り放題なのです。身近なものを軽視しがちな悪いクセを反省です。
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ただし、タニウツギ属にはこれと同じ赤い(濃いピンク)花のヤブウツギがあり、そちらはまだ目にしたことがありません。別名をケウツギというほど、花筒や葉柄が毛深く、葉もベニウツギより細いので、めでたくヤブウツギを収録したとき、その辺の差異がわかるよう、きょうはベニウツギ(↑)を2枚載せしておきます。
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さて、こちら(↑)は完全に収録忘れしていたタニウツギです。このごろは出会ってもレンズを向けない不謹慎ぶりで、この写真は9年前のものです。
しかも、このときは同行中だった母が「縁起が悪い」とうるさいので、ろくにポイントを押さえもせず、ほぼ観光写真(?)です。昔はこの木の枝を杖代わりに死者に持たせたそうで、ソウシキバナとかシビトバナと呼んだようです。
そう言えば、あのときは母も長時間のドライブがまだ可能でした。このごろは1時間ほどの乗車でもすぐにヘバります。人間の体力はつるべ落としという見本を目の当たりにして、動ける間の時間は大切にせねばと思いを新たにしています。

<補注> タニウツギを撮り直し、「追加編」として収録しました。(2014年5月16日

過去のきょう 2013 シライトソウ  2012 アメリカアサガラ  2011 アオハダ  2010 コンニャク  2009 ギシギシ  2008 オオカメノキ(ムシカリ)  2007 ヤセウツボ  2006 タラヨウ  2005 ゼニアオイ  2004 エゴノキ

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5月13日(火) マツバトウダイ(ユーフォルビア・キパリッシアス)

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こうして花だけ見れば、トウダイグサの仲間であることは明々白々です。吸蜜中のアリは中型(5~6mm)だったので、花(注)の大きさもごくふつうサイズです。
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ところが、目を下に移せば、そこには金魚藻が…。こんな葉っぱのトウダイグサ類って、いったいぜんたいアリですか!?
じつは、これを見つけたのが自然保全林の縁だったのが惑乱の元でした。もしそこが現代風のオウチのお庭とか公園の花壇とかなら、疑いもなく外国産ユーフォルビアの一品種だろうと想像がつくものを、場所が場所だけに、なにか在来の希少種でも見つけたかと、一人勝手に色めき立ってしまいました。

よくよく見れば、付近にはシバザクラとかアレナリア(モンタナ)とかもありました。保全林であることなどお構いなく、お庭代わりに使っているご近所さんがいるようです。
せっかく保護している生態系を壊しそうなマネは困ることだし、純真(?)なオジサンを弄(もてあそ)ぶのは、もっとイケナイ所業ではないでしょうか!!

<補注> トウダイグサ類の花の構造はかなり特別で、花びらはもちろん、萼や苞もありません。したがって、「花」と言った場合、どこをさすか不明確なわけで、ここでは花びら風の黄緑色をしたスペード形のヒラヒラから先の部分を「一輪」と見立てています。

過去のきょう 2013 ムレスズメ  2012 カイジンドウ  2011 キンラン  2010 ミツデカエデ  2009 スイバ  2008 アマドコロ  2007 サワフタギ  2006 ミヤコワスレ  2005 セイヨウオダマキ  2004 ソラマメ

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5月12日(月) マルバウツギ

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○○ウツギ(空木)と呼ばれる灌木類はわりと多くて、自分のブログやHPに収録できているものだけでも19種類ありました。ただ、そのなかには本来のウツギ属とは関係のないものもあるので、頭の整理は欠かせません。(下欄参照)
そういう見方からすれば、このマルバウツギは本家本元グループの一員です。いかにもウツギらしい純白の花がきれいです。
そして、ウツギ類にしては恰幅のいい葉が名前そのままで、ほかの仲間との見分けは一目瞭然です。もっとも、さらに踏み込めば葉の両面の毛とか雄シベの翼の形とか、特定ポイントはほかにもあるらしくて、それはまた次の機会に…。

<ウツギ属の仲間・和名50音順> ☆ ウツギ ☆ ウツギ・マギシエン ☆ ウラジロウツギ ☆ サラサウツギ ☆ シロバナヤエウツギ ☆ ヒメウツギ

<それ以外のウツギ・和名50音順> ☆ ウメザキウツギ(バラ科ヤナギザクラ属) ☆ ガクウツギ(ユキノシタ科アジサイ属 ) ☆ カナウツギ(バラ科コゴメウツギ属) ☆ キバナウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) ☆ コゴメウツギ(バラ科コゴメウツギ属) ☆ コフジウツギ(フジウツギ科フジウツギ属) ☆ ショウキウツギ(スイカズラ科ショウキウツギ属) ☆ タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) ☆ ツクバネウツギ<(スイカズラ科ツクバネウツギ属) ☆ トウフジウツギ(フジウツギ科フジウツギ属) ☆ ドクウツギ(ドクウツギ科ドクウツギ属) ☆ ニオイウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) ☆ ニシキウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) ☆ ノリウツギ(ユキノシタ科アジサイ属) ☆ バイカウツギ(ユキノシタ科バイカウツギ属 ) ☆ ハコネウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) ☆ ハナツクバネウツギ(スイカズラ科ツクバネウツギ属) ☆ フサフジウツギ(フジウツギ科フジウツギ属) ☆ ベニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) ☆ ベニバナニシキウツギ(スイカズラ科タニウツギ属) ☆ ミツバウツギ(ミツバウツギ科ミツバウツギ属)

過去のきょう 2013 セイヨウジュウニヒトエ(アジュガ・レプタンス)  2012 チャンチン  2011 ハクウンボク  2010 オオカワヂシャ  2009 タラヨウ(雌花)  2008 オトコヨウゾメ  2007 アメリカフウロ  2006 カラマツ  2005 ヤマボウシ  2004 カナメモチ

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追加編 : フジモドキ(チョウジザクラ、サツマフジ)

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名前がどうにもしっくりこなかった「あの木」が、葉を展開させていました。落葉性なので、花の時期にはほんのわずかしか葉がありませんでした。
それが今度は逆に花が申し訳程度に残っていて、これが「あの木」に間違いないことを証明しています。このわずかな花も散り果てると、葉ばかりでなんの変哲もない灌木と化してしまいます。
しかし、それはこの木に限らないことで、名前が厄介だからと言って木の様子にまでイチャモンをつけるのは可哀想というものです。スマートな形と柔らかな手触りが印象的なステキな葉!と持ち上げておくことにしましょう。

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5月11日(日) ニガナ

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野道に限らず、都会のアスファルトの継ぎ目にも生えたりして、目にはしやすいくせに写真にはしにくと言ったらありゃしません。
細い茎がだらしなくあちこちにのびてフレームがさっぱり決まりません。また、花の咲くあたりと根もとの葉の様子が違い、ピントの当て場所に困ります。
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そんなわけで、草木好きにとったらかなりの基本種にもかかわらず、ようやくの登場です。せめて増補版にはもっと下手な写真でも収録しているかと思ったらあちらにもなくて、はた衛門的にまったくのご新規さま扱いとなります。
そんなニガナへの不義理のわりには、イワニガナ(ジシバリ)とかキクニガナ(チコリ)とか、同じように「苦菜」と呼ばれるものはずいぶん前に掲載していて、我ながらなんとも脈絡なしの行き当たりバッタリで続けていることに「苦」笑いです。

<補注> ニガナと称するものは、このあとでシロバナニガナベニニガナを取り上げました。また、ニガナについては早春の根生葉も収録しました。(2016年3月21日

過去のきょう 2013 サンショウ  2012 クサソテツ  2011 カマヤマショウブ  2010 ハナイバナ  2009 ネコノメソウ  2008 クマガイソウ  2007 ナニワイバラ  2006 セリバヒエンソウ  2005 ポポー  2004 スイカズラ

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5月10日(土) ジングウツツジ

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ツツジとしては開花がやや遅めです。そして、花の色はあまり変哲のない躑躅色だし、その形や作りもごくふつうにしか見えない(直径3cmほど)のに比べ、あまりツツジ類らしくない菱形の葉が、とても目立つ特徴です。
名前のジングウはあのお伊勢さまの神宮で、あのあたりで発見されたそうです。蛇紋岩の地質にしか育たないという変わった性質はあとから知ったので、この場所の土は調べ損ないました。

過去のきょう 2013 アレナリア・モンタナ  2012 トラフクロマツ  2011 マメヅタ  2010 モッコウバラ(白八重)  2009 エゾネギ(チャイブ)  2008 シャリンバイ  2007 ウスバサイシン  2006 セッコク  2005 ヤエコデマリ  2004 オオムラサキ

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5月9日(金) ヤナギトラノオ

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「虎の尾」という表現は、草木の名前にはわりと便利(下欄参照)に使われます。ただ、それらのほとんどは花穂が長いことを形容したものです。
そういう固定観念からすると、この花穂はそう呼びにくいところがあります。猫のなかに、ときどき尾が極端に短いタイプがいて、せいぜいあの尻尾でしょうか。
分類的にまずオカトラノオありきで、その仲間で、葉がグッとスマートで柳に似るというのがネーミングの趣旨でしょう。あるいは、花色が同属のなかでは珍しくこんな黄色なので、その意味で虎っぽいと言えば言える気もします。
さて面白いのはそのオカトラノオ属の生態で、属代表のオカトラノオは陽光燦々の草原が好きなのに対し、このヤナギトラノオは湿地を好みます。写真の根もと部分が青黒いのはここがそんな環境であることの証拠で、それはまたこの花を接写できなかったことの弁解にもなるというワケです。

< ほかの「虎の尾」たち・和名50音順>  ☆ イチハラトラノオ  ☆ イヌヌマトラノオ  ☆ イブキトラノオ  ☆ トラノオ(サンセベリア) ☆ トラノオスズカケ  ☆ ヌマトラノオ  ☆ ハナトラノオ(カクトラノオ)  ☆ ハマトラノオ

過去のきょう 2013 ボタン  2012 ヤエムグラ  2011 スイバ  2010 オニグルミ  2009 コエンドロ(コリアンダー)  2008 クレマチス・モンタナ  2007 オオアブラギリ(シナアブラギリ)  2006 イチゴ(優香)  2005 オオデマリ  2004 ミズキ

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5月8日(木) モモイロハナエンジュ(バラアカシア)

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灌木とは言え見上げるほどに育つので、その枝がこんなに派手な薔薇色で飾られると、遠くからでもすごく目立ちます。そんな見目だけでなく丈夫で育てやすいので、庭木として普及してもいいのに、まだ見かけられないのは残念なことです。
もっとも、アメリカ原産だけあって、ややバタ臭い風貌ではあります。日本家屋への親和性という観点からだと、先日取り上げたトネリコ属にはひけをとりそうです。
バラアカシアという別名は、英名の「Rose acacia」の直訳でしょう。本来は「バライロアカシア」とすべきところを端折ったので、思慮に欠けるワタシなど、「どうしてアカシアがバラ(の木)?」と混乱してしまいます。
ただ、名付けというのはホトホトむずかしい問題だと思います。この木もハナアカシアとしたい(注)ところを、わざわざ別属のエンジュの名前を借りていて、ワタシの頭は混迷の淵へまっしぐらです。もちろん、その話の延長線上にはニセアカシアという薄幸の美女を登場させざるを得ず、せっかくの薔薇色の美しさも曇ってしまいます。

<補注> 「ハナアカシア」はギンヨウアカシアの別名なので使うことができません。
<タイトル訂正> 本来のハナエンジュを撮影して見ると、上の写真の花色があまりに「あからさま」に思われ、調べ直しとなりました。
結果、ハナエンジュ(Robinia hispida)には別種(R. fertilis)または変種(R. hispida var. fertilis)とされる1種があり、その解説写真の花色(ほかの特徴は両種に顕著な差なし)がまさに上の写真と同じでした。
和名がはっきりしないのですが、桃色ハナエンジュとするサイトがあったし、英名直訳のバラアカシアもこちらにこそふさわしいと考え、旧タイトル「ハナエンジュ(バラアカシア)」の頭にモモイロを付け加えます。(2023年5月21日

過去のきょう 2013 ツタバウンラン(ツタガラクサ)  2012 クレマチス・アーマンディ  2011 カジノキ  2010 ハイノキ  2009 ツボスミレ(ニョイスミレ)  2008 イヌガヤ  2007 ヒイラギソウ  2006 リムナンテス  2005 アサツキ  2004 ウツギ

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追加編 : タブノキ

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3月の末、今年の雪折れ被害レポートの4度目を掲載して、そのときはこれで打ち止めと思っていました。しかし、なんとGWも過ぎたというのに、こんなに「新鮮な」割れ目を見つけてしまいました。これで今年の雪折れ記録は総計12種になります。
タブノキというのはたいがいが巨木で、この木もかなりの立派さなのに、じつに痛々しい割れ方です。そもそも温暖な海岸地帯に多い木なので、雪には不慣れ(?)というハンディはあったかもしれません。
大きな木には不似合いなほどかわいらしい実をつけるくせに、割れて見えたその木目は、やはり巨木らしい荒々しい相を呈していました。

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5月7日(水) ツリガネズイセン(ヒヤシンソイデス・ヒスパニカ)

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地中海沿岸のご出身のくせをして、日本でも大きな群生を作ります。性質が強い上に植えっぱなしでオーケーなので、いったん場所を得るとどんどん増えます。
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淡い紫色が標準の花色でも、白もあります。
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さらにピンクも見つけたというのに、標準品の葉陰に隠れてしまい、いかにもはにかみ屋のお嬢さんのような写り具合になってしまいました。

<補注> ピンクは自宅でゆっくり鑑賞できました。(2017年4月14日

過去のきょう 2013 ウラジロノキ  2012 サクラソウ  2011 ヒメハギ  2010 マルメロ  2009 アメリカイワナンテン  2008 ヒルガオ  2007 スイートピー  2006 ベニバナツメクサ  2005 モモイロヒルザキツキミソウ  2004 ハリエンジュ(ニセアカシア)

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5月6日(火) コバノガマズミ

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いままで、ふつうのガマズミの花は「真っ白だぁ~」と全体を眺めて満足していたので、これではならじとコバノガマズミの花には肉薄してみました。1枚の花弁は2~3mmと小さくても、そこから飛び出した雄シベがじつに派手な様相です。
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少し引いてみました。花の様子はふつうのガマズミとそっくりでも、葉の感じがずいぶん違います。というか、ガマズミの葉が菱形っぽくてやや特殊なのであって、あれに比べるとこちらはごくふつうの木の葉形(?)です。
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もちろん、ガマズミと同じで葉の形は変異が大きいので、むしろこの「あるかなしか」の短い葉柄がコバノガマズミの特徴です。また、葉裏の毛も、ガマズミよりもコバノガマズミの方が一段とフカフカした感じです。

過去のきょう 2013 ハッカクレン  2012 ハイノキ  2011 チョウジガマズミ  2010 カンザン(関山)  2009 シュロ(ワジュロ)とトウジュロ  2008 オサバグサ  2007 ピラカンサ  2006 オーニソガラム  2005 キリ  2004 ヤマボウシ

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5月5日(月) ニワナズナ(アリッスム、スイートアリッスム)

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かつて「ほんのり」甘い香りとした記述を訂正です。植物が発する匂いは、季節や時間帯で変化することが多いわけで、アリッスムの場合、正午過ぎだと、冬は別名どおり「スイート」アリッスムでも、いまの季節は「ムハッ、たまらん」でした。
もちろん、匂いの元の総量が前回掲載とは格段に違います。いかに丈夫なアリッスムでも、そろそろ年が改まろうという季節では、花もかなり少なめでした。それに対し、いまはほぼベストシーズンで、しかも広い花壇を埋め尽くす株数でしたから、早くこの場を逃げ出したくなったのも仕方のないことでした。
ただ、園芸品種がいろいろ作られているので、もし自分でこれを植えようとするときは、「スイート」の度合いを事前にチェックすることが不可欠です。

<追録> カラフルな寄せ植え(↓)を見つけました。(撮影:2014年5月4日)
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過去のきょう 2013 トドマツ  2012 ムラサキカタバミ  2011 ジョウリョクヤマボウシ  2010 タブノキ  2009 ダイコン  2008 ナラガシワ  2007 イチハツ  2006 ハナイカダ  2005 ユリノキ  2004 ムクロジ

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5月4日(日) ダイオウグミ

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このような「実がおいしい」系の草木が、実ではなく花の写真からここに登場するなんて珍しいことです。この木が小指の先ほど(注)の真っ赤に熟した実で飾られたとき、味見に夢中になってしまい、どうやら撮影を忘れたようなのです。
ただ、花もこれ以外のグミに比べると大きめでかなり豪華です。トウグミ(あるいはナツグミ)の園芸種だそうで、まさに「♪大きいことはいいことだ」路線です。

<補注1> まだ赤くなる前の実を「とりあえず」収録しました。(2021年5月8日
<補注2> 真っ赤になった実のサイズを測ったら、小指の先ではなく薬指の先(先端から第一関節まで)とまったく同一寸法でした。(2021年5月28日

過去のきょう 2013 ゼンマイ  2012 イチハラトラノオ(市原虎の尾)  2011 セイヨウバクチノキ  2010 ベニシダ  2009 トウカエデ  2008 ニワトコとムベ  2007 キモクレン  2006 ヒメコウゾ  2005 スズラン  2004 ハルジオン

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5月3日(土) サギゴケ(ムラサキサギゴケ)

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ものごとには「標準」「基準」というものが大切だということはわかるのです。それはわかっていながら、たまたまバリエーションから入ってそのままに、なんと、もう7年が過ぎていました。きのうのマルバアオダモは6年ぶりのフォローだったし、6年・7年をほんの短期間に感じてしまって、これは立派な老人力なのでしょう。

いやいや、話は自分のボケ具合ではなく、ムラサキサギゴケです。「真っ白の紫」鷺苔を見つけて、本家だ、別家だとわけのわからないことを書いたのが2007年のことでした。あの白花品は、サギゴケ全体としてはかなり少数派で、路傍で見かけやすいのは圧倒的にこちらです。つまりこちらがサギゴケの「標準」です。
写真は、背景のパスモカードがやけにわざとらくて自分で苦笑です。「苔」と名づけられたくらいで、もっと地表を這っているはずなのに、こうして低い目線で撮ると、案外に花が立ち上がっていることがわかります。
こんなに立ちが強くてはトキワハゼと紛らわしいなぁ…と思ってリンクさせようとしたら、こちら(ブログ)にはそれも収録していなかったことを見つけました。やれやれ、10年も続けてきたブログだというのにこんなに穴だらけとは、このごろまた脆弱性を突かれて騒がれているIEを笑うことなどできない情けなさです。

<補注> ブログにもトキワハゼを収録しました。(2015年6月3日

過去のきょう 2013 ニッサボク  2012 セイヨウタンポポ  2011 シライトソウ  2010 ヘビノボラズ  2009 ギンラン  2008 フサスグリ  2007 シュンギク  2006 ムクノキ  2005 ワスレナグサ  2004 カリフォルニアポピー

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5月2日(金) マルバアオダモ

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近くのマンション脇で見つけた白い花をつける木がマルバアオダモだと知って、少しばかり訝しい思いをしてからもう6年も経ちました。あのころは、トネリコ属を植栽するなんて、なにか特別な理由があるとしか思えなかったものです。
それが、このごろは「玄関前にはシマトネリコ」が定番になった余波か、このマルバアオダモを植えるお家もチラホラ見かけるようになりました。たしかにいまどきの住宅の外観には、この涼しげな風情が似合います。
さて、写真の花をよく見ると、花びらの付け根あたりの黒い粒が気になります。先年、2枚載せた写真だと、1枚目が今回と同じくゴマ粒ありで、2枚目の花の方ではそれがあまり目立ちません。
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全部がそうかは未確認でも、トネリコ属は雌雄異株が多く、このマルバアオダモも株によって、雄花だけのものと両性花をつけるもの(雌株)とに分かれています。
その2種類の花穂を比較したのが2枚目の写真です。中央で白々しく澄ましているのが雄花(雄株)で、両脇の茶色に変色してしまったのが雌株の花穂です。
この両方の花穂は同じ場所で育つ2本(雌雄)の木から採取したので、マルバアオダモは雌性の方が先に熟すタイプの木のようです。
花の写真では黒いゴマ粒のように見えていた子房(写真左端、白い丸でマーク)が、この穂ではまだ焦げ茶色です。どうやらサイズはこのままで完熟に向かうようなので、いつか実生も試してみたいものです。

過去のきょう 2013 カントウタンポポ  2012 シロダモ  2011 カジカエデ(オニモミジ)  2010 クヌギ(雌花)  2009 キンラン  2008 マイヅルソウ  2007 ジュウニヒトエ  2006 カキドオシ  2005 シラー・ペルビアナ(オオツルボ)  2004 カリフォルニアポピー

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追加編 : タイワンキバナアツモリソウ

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源平合戦の紅白の旗指物のなかに黄色が混じったらマズかろうと思ったら、これは海外からの到来品でした。その花色と、ふつうのアツモリソウよりも茎が長くて背が高いこと以外は、だいたいがアツモリソウらしい姿です。
調べると、日本の在来種にキバナアツモリソウというものがあり、写真の「タイワン」種とはまた違いました。日本のものは黄花といっても紫のブチが入って、やや込み入った表情なのに対し、こちらタイワンさんは色合いがすっきりしてシンプルです。

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5月1日(木) アツモリソウ

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クマガイソウをここに載せている以上、セットでどうしても掲載しておきたかったのがこのアツモリソウです。稀少種のクマガイソウよりもさらに出会うのがむずかしく、たまたまランの展覧会に出ていた鉢植えを、ようやく撮影することができました。
花が白っぽい(源氏は白旗)クマガイソウに対し、敦盛くんはオシャレな赤紫(赤は平氏)です。また、葉が細長くてたおやかで、優男だった(らしい)ご本人の雰囲気を彷彿とさせてくれます。直実さんのガッシリした葉とはまるで違う形状です。
ただ、山で簡単に見られる状態でなく、栽培品・育種品がいろいろ出回っている関係で、写真のものが本来のアツモリソウかどうか、自分には判断ができません。いわゆるアツモリソウのだいたいの類型のつもりで、ここに記録しておきます。

<補注> タイワンキバナアツモリソウも収録しておきます。(2014年5月2日
<追録> 植栽品らしくても、一応は天然自然の環境下(林床)で育つアツモリソウを見ることができました。(撮影:2018年5月17日・宮城県)
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過去のきょう 2013 チシャノキとマルバチシャノキ  2012 ヨウラクユリ(フリチラリア・インペリアリス)  2011 イヌリンゴ  2010 セイヨウシャクナゲ  2009 ユズリハ(雌花)  2008 ハシリドコロ  2007 チャボタイゲキ  2006 カシワ  2005 シラン  2004 ベニバナトチノキ

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