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1月31日(木) アロカシア・グリーンベルベット

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深々とした緑色に映える真っ白な筋、みごとな芸術作品です。前にクワズイモを取り上げたとき、「これがアロカシアと呼ばれれば園芸品」みたいな言い方をしていて、まさにここにあげた写真はそれです。品種名はグリーンベルベット…なるほどたしかに、葉の表面はいくらかフワッとして柔らかです。
かなり大きい(1枚の葉の長さが50cmほど)ので、観葉植物として室内で楽しむにはやや難があります。もしウチの居間にこれを置いたら、狭くてグリーン色はほぼ見えない代わり、ベルベットの感触だけはたっぷり楽しむことになるでしょう。

<補注> 室内鑑賞向きのアロカシアを収録しました(2021年12月23日

過去のきょう 2012 モクセンナ  2011 ウメ 2010 ベニヒモノキ 2009 ネズミサシ 2008 サネカズラ 2007 ヤマアイ 2006 ヤダケ 2005 シナマンサク

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1月30日(水) ヒトツバヒイラギ

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こんな季節なのに、樹上になにか白いものがチラチラします。先日の雪の残り…は冗談で、どうもれっきとした花です。いまごろの花と言えばヒイラギ?
ところが、葉がヒイラギではありません。そもそもこの葉はふつうのヒイラギよりひと回りふた回り小さめです。そして、わずかな花を探すより必死に探しても、ヒイラギらしい棘のある葉は一枚たりと見つけることができません。
もっとも、かつてほぼ棘のない「円熟した」ヒイラギの古木に出会ったことがあります。ただ、それでも葉先のつぼまり方は今回見つけたものより鋭くて、しかも探せば棘のある葉はどこかに見つけることができました。
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そこでヒイラギの品種を探してみると、マルバヒイラギとかヒトツバヒイラギという園芸品種が見つかりました。マルバはもう少し葉が広いらしいので、小さくて細めに見えるこれはヒトツバということになります。古そうな樹皮をしていたわりに樹高は3mほどで、コンパクトに育てられそうなところがいかにも園芸品種です。

過去のきょう 2012 シモバシラ  2011 テイカカズラ 2010 シンビジウム(愛子さま) 2009 オオイタビ 2008 シロミノマンリョウ 2007 ノシラン 2006 マンサク 2005 ホトケノザ

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番外編 : ネット送料は過去の遺物?

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民主党ボロ負けの予測がついたときに上表のPCパーツを発注していれば、確実に1割は安く手当することができたのに、我が頭の回転の鈍さにがっかりします。
この表は、組む時間の目処も立たないのに、とりあえず先日の日曜にネットで発注だけかけたパーツの一覧です。じつは、いまメインに使っている自作機が、組んでから4年半以上経ち、そろそろ更新の時期かなと考えていました。その証拠に、去年の春に似たようなグレードのパーツ選定作業をしていました。
なんと、そのときよりも確実に1割は値段が上がっていました。なかにはまったく同じ品が2割以上高騰しているものも…。これで円安進行後の仕入れ品が市場に出てきたら、我がケチケチ自作の道はふさがれてしまいます。

そこで泥縄発注となったわけであっても、じつはこの記事のテーマはそんな自分の恥公開ではないのです。表を見れば一目瞭然、ネットショッピングの世界が激しく「送料無料」の波にさらされていることにあらためて感動してしまったのです。
たしかに、ネット価格は店頭よりもずっと安いけれど、それに支払い経費と送料を加えると、小さな買い物では価格メリットがほとんどないこともしばしばでした。それがおそらくはAmazonを震源として、大手量販のネット部門が送料無料に追随し、さらに中小業者までその波に飲み込まれつつあるというのが現状みたいです。
つい、「送料分は価格に乗っている」と疑いがちでも、送料別途の業者の価格より安いのだから、それがあまりに単純な素人考えであるのは明白です。
もちろん、送料無料のツケはどこかに回っているとは思いながら、ネットショッパーにはじつにありがたい潮流です。先日、エネループの電池ケース(税込み190円)を1個だけ送料無料で届けてもらったとき(ビックカメラさん、すみませんでした!)は、さすがに「こんなヤバイことしていいのかな」と反省しました。しかし、来年あたり、「送料」なんて言葉は死語になっているのかも…。

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1月29日(火) ビカクシダ

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ビカクを漢字にすれば麋角です。「麋」とはヘラジカとか大きな鹿の意味だそうで、大きく飛び出した葉(裏側が白い)が大鹿の角みたいということでしょう。
別名のコウモリランも、たぶんこの葉に着目したものでしょう。ただし、花の咲かない羊歯を蘭呼ばわりするのは混乱を招きそうでやや心配です。
さてもたしかに、40~50cmもあるこの葉は特徴的です。一方、木々に着床する部分の膨らみ(レタスの半切り状)もまた魅力的です。そのやさしい緑色の葉が、日数の経過で茶色に枯れていき、ちょっとアールデコ・オブジェのような雰囲気です。
温室の定番品で、かなりの人気者です。玄関の壁にこれを植え付けたらステキだろうとは思っても、狭い我が家の場合、それは見果てぬ夢にとどまります。
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大きく飛び出す葉も、最初はこうやって出てきます。まるで愛しい人を抱きしめる両手のようで、抱擁羊歯なんていう別名をプレゼントしたくなりました。

<補注1> ビカクシダの貯水葉に注目してみました。(2017年1月21日
<補注2> ビカクシダには仲間が多いと知りました。(2022年3月7日

過去のきょう 2012 カザンデマリ 2011 クリスマスローズ(ニゲル) 2010 ヒメアリアケカズラ 2009 イモカタバミ 2008 イスノキ 2007 シキミ 2006 ニシキギ 2005 花かんざし

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1月28日(月) イヌシデ

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花はおろか、葉さえも実さえも落としきった木々が多いこの季節、それでも「これはムクノキ、こっちはコナラ」などとわかるものが「少しだけ」あるようになって、そんな木に出会うと秘やかな自己満足に浸ることができます。
その見分けの多くは樹形や樹皮が頼りでも、きょうの写真のように冬芽がとても特徴的なこともあります。まるで工具の錐のよう、詳しく言えば三ツ目錐の穂先を四ツ目にした感じです。百聞は一見に如かず、二つの錐の比較写真(↓)を掲げます。
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ただ、仲間のアカシデ(やクマシデ)の冬芽もかなり似た感じです。それなのに、なぜこれがイヌシデかと言うと、その見分けは芽ではなく枝になります。イヌシデは葉が毛深くて、枝も、冬でもこのよう(写真は拡大できます)に毛が目立つのです。
さてこれでまた自己満足の種が一つ増えたわけです。ただ、それはなんとも氷山の一角(注)であり、実際の野歩きでは正体不明の木々の前で自己嫌悪に暮れることがほとんどです。それでも、若葉や花で正解を得やすい季節が来てしまうまで、残された日数はあとわずか、せっかくの学習強化期間を有効活用しようと焦ります。

<補注> 文中、なにげなく使ってしまった「氷山の一角」という表現は、この場合を含めて、じつは大変な「思い上がり」になってしまうのでした。

過去のきょう 2012 ブロッコリー(ミドリハナヤサイ)  2011 ワルナスビ 2010 アレッポマツ 2009 タガラシ 2008 タンキリマメ 2007 ガガイモ 2006 ダイオウマツ 2005 カンザキアヤメ

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番外編 : 我が家の「8」化第1号

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我が家のWindows8・導入第1号は、去年の春にこしらえたリビングパソになりました。Microsoftが「8化」を促進するために、旧OSからの変更版を3,300円というご奉仕価格で提供する期限が今月いっぱいなのです。いまの状態でなんの不都合もない助手1号・2号の白い目に耐えながら、コソコソと入れ替え作業をしてしまいました。
そして思ったこと。やっぱり受け身のユーザー用です…8は。なんにもしなくてもなんでもしてくれます。じつにお節介です。逆に、自分がしたいこと、つまり特定のファイルを探すなんてことにメチャ彷徨(さまよ)いました。さらに、シャットダウンできません。え、電源を切るのは「設定」から入るんですか? そんな無茶な…。
つまり、慣れるまではけっこうストレスありそうです。XP・Vista・7と来た流れとはかなり違う使い勝手です。いい悪い(好き嫌い)は別にして。

ただ、起動が速いのは正真正銘の事実です。いままで、Vistaや7で40秒ちょっとかかっていたのが30秒前後のレベルになりました。このパソがSSD仕立てというせいはあっても、HDDでも起動時間短縮の効果は高いというレポートをいくつか見かけます。リビングパソはPCではなく家電感覚(注)で使いたいので、この立ち上がりの速さはとてもいい感じです。あと、OSの入れ替えも、いままでのOSに比べると格段にイージーでした。逆に、やることがなくてつまんないぞ!みたいな。
いいにつけ悪いにつけ、Macが先導するお手軽感覚に世のなかが右ならえしてしまい、Microsoftも「イージー化」に必死なのでしょう。もと図工少年のささやかな楽しみなんて、どんどん奪われていくばかりです。

<補注> この記事から5年後には我が家にもタブレットが到来し、「家電感覚」をわざわざPCで追求する意味はガックリと失われました。
そうこうしているうち、どんどん重くなるWindows(更新)に追従することがむずかしくなり、ついに役割を終えることになりました。しかし、代わりの音楽再生機能を作るにあたっては新たな波乱がありました。(2021年1月25日

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1月27日(日) ミズカンナ

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先日、オオツワブキを取り上げたばかりなのに、葉の大きさ勝負ならばこれを忘れることができません。15cmのスケールをねじ込んでみたら、4本つないだとしてもまだ長さが足りないほどの雄大サイズでした。
花のころには柔らかだった葉も、枯れてしまうとゴワゴワ・バキバキです。うまく開いて平らなままに枯れたものがあれば、巨大団扇として使えそうです。
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根もとの水も凍りつきがちな季節なのに、開き始めた若葉を見つけました。気が早すぎないかい?と聞きたくなりはしても、たぶん余計なお節介なのでしょう。

過去のきょう 2012 カジイチゴ  2011 メリケンカルカヤ 2010 コウヤボウキ 2009 レモン 2008 アオキ 2007 パンジー 2006 ヒノキ 2005 オキザリス・バーシカラー

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1月26日(土) ソメイヨシノ(ほか3種)

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2週間前に関東を襲った「大雪」による被害は、交通網だけではありませんでした。枝振りのいいソメイヨシノがボッキリとやられて無残です。
とは言いながら、じつはふつうには見られない生木の「材質」を確認できて、内心ホクホクです。折れた木には手を合わせながら、貴重画像をゲットです。
桜材(主にヤマザクラ)は家具などに使われてオレンジっぽい雅な色を出してくれて、その色合いはソメイヨシノでもそんなに変わらないようです。折れた部分はクセのある部位だったのに、木質は柔らかくて加工しやすそうです。
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さて、被害は桜に限らず、今回の雪は暴力的でした。自分の墓標にしたいほど惚れ込んでいるタイサンボクでも、材を見るのは初めてです。意表をつく白さでした。この材は素直で柔らかく、なんと刀の鞘の素材として重用されたそうです。
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お次はトウネズミモチです。立木がパックリと割れて痛々しいとは言え、こんなに白くて素直そうな材だとは思いもしませんでした。
仲間のネズミモチは農具・工具の柄とか杖とか楊枝などに使われたそうで、それに比べるとトウネズミモチは日本での歴史が浅いので用途解説が見あたりません。野山には実生でどんどん生えるので、利用をまじめに検討してもいい木に思えます。
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最後はヒマラヤスギです。巨大な樹冠の上部から落下した太枝が、樹下のアオキやヤツデを押しつぶして、ヒマラヤ大変下生え迷惑の様相です。
これも材は思いの外に白くて、ただ、芯の部分が赤いのは松の仲間の証拠で、たぶん脂分が強いのでしょう。製材すれば赤と白のコントラストがおもしろそうです。
もちろん、木理がかなり荒い感じだし、どこにでも生えるものではないので、材木としての評価はスルーしておくのが無難でしょう。

過去のきょう 2012 イワガネソウ  2011 ソシンロウバイ 2010 ジャノヒゲ 2009 アカマツ 2008 ニワウルシ 2007 ビオラ 2006 チンゲンサイ 2005 ジャノヒゲ

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1月25日(金) オオツワブキ

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大きい分、馬力があるのでしょう。関東豪雪(?)のあとにもかかわらず、まだ花をこんなに咲かせていました。その花の高さは腰丈ほどだし、葉の差し渡しは30cmもあり、しかもふつうのツワブキの葉よりもさらにピカピカと輝いて、豪勢な姿です。
自生地は九州のようとはいうものの、ここらでもこんなに元気に大きくなるのなら、人気者になれそうです。花期がふつうのツワブキより1カ月くらいあとにズレるので、その点も庭の冬枯れ対策として有効です。
問題はこの巨大さを生かす広さが必要なことで、拙宅ではまず無理です。高知の牧野植物園には、このオオツワブキが延々と続く回廊があるそうで、願わくば、もっと小規模でいいので、東京の牧野記念庭園にもこの植え込みが欲しいものです。

<補注> ふつうのツワブキと花穂の形状を比べながら、オオツワブキを再掲しました。(2013年12月12日

過去のきょう 2012 ドイツトウヒ  2011 セツブンソウ 2010 カニクサ 2009 シロマツ 2008 イイギリ 2007 コバノタツナミ 2006 ウツギ 2005 フユザクラ

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1月24日(木) マチク

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中華そば(または支那そば)はもう死語で、あの食べ物の呼び名は「ラーメン」に統一された感があります。それに対し、その代表的トッピングであるシナチクは、まだ「メンマ」に蹂躙されてはいないように思うのは年寄りの贔屓目でしょうか。
いずれ呼び方がなんであろうと、あのコリコリ・ムグムグの食感とモワッとくる風味があってこその支那そば(拘ってます)です。そして、あのシナチクの原材料になるのがこのマチク(麻竹)の竹の子なのでした。
そういう目で見れば、太くなった稈(かん・竹の幹のこと)さえも、身近に見るモウソウチクマダケと違って、齧って齧れないことはなさそうです。ぜひパンダに食べさせたい趣をしてはいても、主産地は台湾と中国南部で、パンダが住む中国内陸部にこれが生えるものかどうか、定かではありません。

過去のきょう 2012 ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)  2011 ハクモクレン 2010 テイキンザクラ 2009 カボス 2008 キンシバイ 2007 ヒマラヤユキノシタ 2006 トキリマメ 2005 ヘクソカズラ

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1月23日(水) アカハナワラビ

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最初にフユノハナワラビを知り、次に葉先が「フユノ」より鋭いオオハナワラビと出会い、やれやれと思っていたら、今度のこれはどうやらアカハナワラビのようです。
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名前が「アカ」というわりには紅変の具合が不足すぎる気がしても、決め手は茎や葉裏に毛がないことです。葉先の尖鋭さは「オオ」より一段と複雑で、「オオ」の茎や葉裏がモサモサと毛深いのに比べてツルッとしています。
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小葉が立ち気味というのも、これを「アカ」としたい理由です。中心の葉軸から分かれる小葉が平べったく広がるオオハナワラビに対し、「アカ」はやや立体的です。
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ただ、「アカ」ならいまの時期には枯れて倒れるという胞子嚢穂が健在だったことが気がかりです。穂の軸もやけに緑色です。もしかしたら、「アカ」でも「フユ」でもない種類だったりして、いつか訂正記事を書く羽目になるかもしれません。
そんな自信のないきょうの内容のわりにうれしかったのは、この写真に光のスペクトルがきれいに入ったことです。なぜこう写ったのかさっぱりわからず、再現のすべもないくせに、なにかいいことがありそうな、得した気分です。

過去のきょう 2012 シロヤマブキ  2011 シマオオタニワタリ 2010 セイロンマンリョウ 2009 ケヤキ・むさしの1号 2008 ニワトコ 2007 マンサク 2006 モミジバフウ 2005 ハボタン

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1月22日(火) マテバシイ

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稔りの時期、ドングリをつける木の下を歩くには注意がいります。実際、去年の秋にはたかがコナラの実が手の甲に当たって痛い思いをしました。あれがもしこのマテバシイのドングリ(重さでコナラの2~3倍)だったらと思うとゾッとします。
そのドングリ界の巨人も、いまの時期はこんなに愛らしい姿です。去年の春に受粉・結実し、今度の秋にめでたく恐怖のドングリ(笑)となる候補生たちです。ただし、これだけの数がすべてあの「大物」になるかと言えばさにあらず、一つの軸でわずか2~3個が晴れて大人顔をできるという厳しい世界です。
おおむね軸の付け根に近いものが生長しやすい傾向はあるようでも、単に位置だけがその要因ではないようです。さてこの勝ち残りのメカニズム、このご時世ですから、それを解明したら、企業やそこの社員さんにはさぞやもてはやされることでしょう。

過去のきょう 2012 フモトシダ  2011 オヒルギ 2010 イクソラ・コッキネア 2009 ヒメリュウキンカ 2008 チョウセンゴミシ 2007 シュロチク 2006 サンシュユ 2005 イヌビワ

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1月21日(月) 房咲き水仙・ペーパーホワイト

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先週、関東を大混乱に陥れた雪が、降って丸1週間経ってもまだ消えません。おかげで雪の白さと水仙の花の白さを比べてみることができました。
この水仙は「ペーパーホワイト」という品種で、房咲きのなかでは代表的なものです。同じ房咲き・早咲きの日本水仙とよく似てはいても、花の中央にある副花冠まで白い(葯は黄色)ことが特徴です。雪の白さと、けっこうな勝負になっています。
たまたま風下で撮っていたら、甘い香りに包まれました。さて水仙の香りと言えば、思い出したことがあります。この正月、室内に水仙の切り花を飾ったら、助手2号が「この部屋、臭い」と騒ぎ立てたのです。
いったいなにが?とあちこち嗅ぎ回ったら、せっかくの水仙が異臭の元でした。そのことを思い出したら、漂う甘い香りに含まれる「臭さ」が強くなった気がして、撮影は早々に切り上げました。

過去のきょう 2012 フィクス・プミラ(オオイタビ)  2011 ジュズサンゴ 2010 クマシデ 2009 ワビスケ(太郎冠者) 2008 トベラ 2007 マルバインドゴムノキ 2006 ガマズミ 2005 コウヤボウキ

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1月20日(日) ヤマハンノキ

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おととい、ハンノキの様子を取り上げたので、秋に初めて出会ったヤマハンノキのその後の姿も忘れずに記録しておくことにします。
あの特徴ある葉は、まったく一枚も残っていませんでした。その代わり、赤い皮をかぶった芽(葉の冬芽)が、早くもスタンバイしています。
秋にはまだ緑色だった雄花(の素)も、そんな色だったことはおくびにも出さず、いかにも花粉を出す気満々の色合いで風に揺れていました。
そして、秋の記事の表現に少し注釈が必要かなと感じたのは、葉芽と雄花の間ですましている雌花です。前に「花の構造はハンノキと一緒」と書いたのに、小さくて上向きにつくハンノキの雌花に比べると、こちらは大きくて下向きでがさつな風貌です。雄花・雌花の作りや位置関係という意味で「構造は一緒」に間違いはなくても、「雌花のかわいらしさはハンノキに劣る」と自分的評価を補足しておきます。

過去のきょう 2012 木立性ベゴニア・オレンジルブラ 2011 カラテア・クロタリフェラ 2010 チンカピン 2009 ムベ 2008 シモバシラ 2007 バコパ・コピア・ガリバーライラック 2006 カンツバキ 2005 チョウセンレンギョウ

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1月19日(土) 球根ベゴニア(ハンギングタイプ)

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暮れにピコティ(覆輪)タイプの球根ベゴニアを取り上げたとき、球根ベゴニアの代表的種類として、このハンギングタイプの名前だけあげました。今回、ようやくそれらしい構図の写真をゲットできて、めでたくここにその美貌が登場です。
空から花が降ってくるというのは、極楽浄土もかくやと思わせる贅沢な眺めです。温室仕立てにした広いリビングの壁面で、色とりどりの球根ベゴニアが妍を競っている…という生活ができればと憧れます。しかし、ジャンボ宝くじに当たる人相ではなし、銀行強盗できるタマではなし、せめて一鉢、窓辺に置くことにしましょうか。
ただ、球根ベゴニアは全般に冬をやり過ごすより夏越しがむずかしいそうで、豪華な温室どころか、夏のエアコンさえケチケチの我が家にはたぶん不向きです。

過去のきょう 2012 シロミナンテン 2011 レッド・ジンジャー 2010 セイヨウヒイラギ 2009 シホウチク 2008 カリン 2007 チョウセンマキ 2006 ニホンスイセン 2005 オケラ

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1月18日(金) ハンノキ

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小さな池の水面がゴマだらけになっていました。なにかのまじないだろうかと上を見たら、ハンノキが数本ありました。もしかして、この散らかし犯人は君か!
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枝に残った実を千切って笠部分をこそぐと、たくさんの種が出てきました。小指側の2個が濡れていて、これが池からすくい上げたものです。こんな小さな種が荒れ地のフロンティアであるハンノキの素だと思うと、いささか感激です。
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その種を漁っている鳥(注)がいたのにもちょっと驚きました。大きさは雀くらいでも、きれいな黄色をしていて、10羽ほどの群れが枝から枝へ忙しく飛び回っていました。あまり黄色くないのもいたのは、たぶん雄雌の違いだったでしょうか。

<補注> 本文に書いた特徴がすべて合致するので、3枚目写真の鳥はカワラヒワ(右が雄、左が雌)と判断しました。(2019年冬)

過去のきょう 2012 サンジャクバナナ  2011 コバノナンヨウスギ 2010 キジョラン 2009 シロバナヤブツバキ 2008 サザンカ 2007 カクテル(つるバラ) 2006 ホトケノザ 2005 キソケイ

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1月17日(木) ネコヤナギ

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恥ずかしながらネコヤナギの葉を初めて意識しました。わりといい色を見せてくれるではないですか。しかも、意外にふつうの葉っぱ型なのでした。
いままではしつこいぐらいにネコ的部分ばかり、2月3月に2回ずつの掲載でしたから、まったく葉っぱはナシでした。そして、そのことになんの違和感も持たず、つまりネコヤナギの枝に葉がないことをあたりまえに思っていたわけです。
ひどいもんです。葉のない木なんて、そうそうあるものではありません。この葉が緑みどりして、かつ、ネコ的部分は皆無の季節に、「あ、ネコヤナギだ」となにげなく呟くことができたら、そのときはほんの少しだけ自分を褒めることにします。

<補注> 雄花と雌花にグッと迫ってみました。(2017年4月5日

過去のきょう 2012 ヒメユズリハ  2011 ハイビスカス(ブッソウゲ) 2010 ナンテン 2009 トウゴマ 2008 チゴカンチク 2007 フクジュソウ 2006 ヒメキンセンカ 2005 カラタチ

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1月16日(水) ウメモドキないしセイヨウウメモドキ(ウィンターベリー)

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これはまた見事な!と、自転車のブレーキを思い切りかけました。志木の付近はまだまだ昔の農家が広いお庭を持っていて、こういう立派な庭木が植えられています。
このウメモドキ、増補版の方にはごくふつうの実をつけた写真を入れてあるものの、こちら(ブログ)にはややおかしな実のつき方のものしかありませんでした。待てば海路の日和あり、遅ればせながら決定版(追録参照)の掲載です。

<ほかのウメモドキ記事・掲載順> ☆ 雌花(雌株) : 2005年6月13日 ☆ 雄花(雄株) : 2010年6月25日 ☆ 実・黄葉(アオハダとの比較) : 2010年11月27日 ☆ 青い実・葉・枝 : 2016年7月28日
<追録 & 樹種見誤り疑い & 新規樹種採録> 冬の花材として、お店にセイヨウウメモドキ(ウィンターベリー)がありました。北米大陸東部が原産地で、国内(福島県など)でも露地で園芸栽培されているようです。
ということは、上掲のあまりに豪華な写真はこれだった虞が出てきました。機会があれば、あのお庭の主さんにお伺いしてみたいものです。(撮影:2024年12月27日)
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過去のきょう 2012 キカラスウリ  2011 コチョウラン 2010 アッサムニオイザクラ(ルクリア) 2009 トボシガラ 2008 トウカエデ 2007 ユキワリソウ 2006 ウメ 2005 スズカケノキ

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1月15日(火) スズメノエンドウ

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やれやれ困ったぞ、の1枚です。おとといカスマグサ(後日、ナヨクサフジと判明)を載せたとき、そう言えばカラスとスズメのうちスズメノエンドウの冬姿をまだ撮っていないことに気づきました。と言うより、カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)が冬越しすることを知るまで、冬にこれらの草を探す発想がありませんでした。
勇んで駆けつけたのは、去年、花と豆をつけているショットをものした、まさにその場所です。小さな菓子店の向かい、車道と擁壁の間のごく狭いスペースなので、場所を間違えることはあり得ません。よしよし、それらしい草がありました。
ところが、おととい、「先が急に平たくカットされた感じ」とした葉の先は尖っています。12枚以上とした小葉も、1対(2枚)かせいぜい2対です。かろうじて葉の細さだけがスズメらしくても、さてこれがこのあとちゃんとあの毛深い豆をつけるのでしょうか。
なんとも心許ない記事ながら、きょうのところは暫定とするしかありません。いまごろはヤハズもカスマも春とは違う姿なので、スズメはその違いが激しいのだと勝手に考えています。はた衛門の恥の歴史に、また新たな1ページが加わるのでしょうか。

過去のきょう 2012 アメリカヒイラギモチ 2011 アンスリウム(ラベンダー・レディー) 2010 カミガヤツリ(パピルス) 2009 メキシコラクウショウ 2008 ウメ(八重寒紅) 2007 ホウキイヌツゲ 2006 ブラキカム・マウブディライト 2005 カリフラワー

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1月14日(月) フッキソウ

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このブログで初めてフッキソウを取り上げたとき(8年前の春)、「冬のうちは白い実をまれに見ることがあった」と書いています。ただ、その証拠写真はどこを探してもなくて、そのころはたぶんうまく撮れなかったのでしょう。
じゃあ、いまは?と自問すれば赤面の至りで、曇天の日陰だったという理由が逃げ口上です。フッキソウを広く植え付けた花壇で、もう少し光線具合のいいところもあったのに、残念ながら実はたったこの1個だけでした。
したがって、実を割って種を写すことは、あとから来る人のためにあきらめました。そんなこんなで、とても心残りな一枚です。いつかそのうち、陽光燦々とした空の下、あっちにもこっちにも白い実がた~くさん!という場所に立てますように…。

<補注> 実が複数ついた株を少しだけきれいに撮り、課題だった種もその記事に追録しておきました。(2019年1月4日)

過去のきょう 2012 ホトトギス  2011 カナリーヤシ(フェニックス) 2010 コクテンギ 2009 ラクウショウ 2008 ニホンスイセン 2007 チチコグサモドキ 2006 ツルウメモドキ 2005 カンツバキ

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1月13日(日) ナヨクサフジ(カスマグサを訂正)

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<2013年5月5日加筆> 春になって撮影場所を再訪したら、そこにはナヨクサフジが咲きほこっていました。カスマグサもナヨクサフジも(ヤハズエンドウもスズメノエンドウも)マメ科ソラマメ属ですから、冬の姿では間違えても仕方ないかな…というのは言い訳で、まったくのエラーです。
この手の失敗のときの自己ルールどおり、記事は当初のまま(点線下)にしておき、タイトルだけを修正します。

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ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)が秋に発芽してそのまま冬を越すことに気づいたのは1年前でした。なにもわざわざ寒のさなかを小さな苗で過ごさなくても…と思ったのはワタシの知恵の浅さであり、競合する草の少ないうちにしっかりと養分をため込み、春にいち早く花を咲かすという作戦にしみじみ感じ入ったものでした。

そこでこの冬に見つけたのは仲間のカスマグサです。と言っても、カラスノエンドウとカスマグサとスズメノエンドウの三つは、そもそもかなり似ています。花や果実の時分ならそれらの違いで見分けやすいのに、いまの時期は葉だけが頼りです。
これをカスマとしたのは、まずは葉(小葉)の数です。カラスはもう少し少なく(冬は6枚前後)、スズメはもっと多い(12枚以上)はずです。
また、小葉の幅も目のつけどころでした。カラスの幅は冬には春より狭いとは言え、それでもここまで細長くはありません。(スズメとは葉幅では区分不可)
さらに葉先の形が重要で、この写真のそこは次第にスムーズに細くなって尖っています。カラスだとここがそろそろ凹んでくる時期であり、スズメは先が急に平たくカットされた感じなので、どうやらこれはカスマということになります。

いずれ春にまたここへ来て(↑注)、花で証明できればいいわけでも、問題はここが畑の縁であることです。作物を植えるころには「除草」されてしまう危険性が大で、この畑のオーナーさんが寛容な心の持ち主であることを祈るばかりです。

過去のきょう 2012 ロウバイ  2011 センダン 2010 ハアザミ(アカンサス) 2009 ハアザミ(アカンサス) 2008 ヒヨドリジョウゴ 2007 ツルウメモドキ 2006 クヌギ 2005 房咲き水仙・ペーパーホワイト

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1月12日(土) サイカチ

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吹きすさぶ寒風に、ウナギの干物が揺れていました。本当にそう思うくらい、長さが20~30cm、幅が2cm近くあるこのサイカチの実(莢)の姿は壮観です。
あまりにもおもしろくて、熟し始めたころと、かなり黒くなったころと、二度もここに載せています。ただ、そのときはまだ葉がついていたのに、暮れから年明けにかけて、その葉はついに一枚もなくなってしまいました。
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自然状態だと、種は何年後に出てこられるのかと心配するほど、丈夫なウナギの干物でした。振ると種がカラカラ鳴ります。千切るのはひと苦労です。干からびたようでいて、まだ指先がベタベタするほどに油分を持っていました。
苦労して取り出した種は、拍子抜けするほどに小型でした。別にこんなに仰々しい莢でなくてもよさそうなのに、このトンチンカンなところがやはりサイカチです。

<補注> サイカチの莢で石鹸水を作ってみました。(2013年2月2日

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1月11日(金) ヤブレガサ

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いまはもう更新されていないものの、内容がとてもまじめで独特な植物サイトに「花図鑑のボロボロブログ!」がありました。独特というのはその視点で、ブログのサブタイトルに「花のうしろすがた、終わったすがた」とあるように、まさにボロボロになってしまった花のことを愛おしむような説明がとても勉強になったものでした。
あの作者(hanaboroさん)の境地にはほど遠いはた衛門とは言え、たしかにふつうに花を楽しみたい人には「終わった」時期でも、そこにはまたその植物の真実の一面があり、あだやおろそかに見過ごすわけにはいかないと思い始めています。
などというもっともらしい口上の陰には、「ひひ、材料不足なんだもーん」という逃げもあるのが情けないところです。ただ、ヤブレガサの冠毛のなんと美しい(注)ことでしょう。さらにまた、若葉のころには表向きだった葉が、いまはこうして風で盃になった傘のように裏返っているのも見逃してはならないところです。
おっと、マネっこボロボロしながら自分の過去記事を調べたら、花の盛りの時期を載せ忘れていました。「だって、あんまりきれいじゃなかったんだもーん」と言い訳をしつつ、今度の夏にはまじめに「花のうしろすがた」にも迫ってみようと思います。

<補注> 冠毛を撮り直すとともに、載せ忘れていた花どきの様子も取り上げました。(2018年1月8日

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番外編 : 変な虫(冬の池版)

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朝方はカチンカチンに池の水面を覆っている氷も日中にはとけて、メダカや虫が日光浴を楽しんで(たぶん)いる光景に出くわします。
ゲッ、なんだろうと思ってとりあえず2~3枚を写したものの、気配を感じたのか、この6本足の虫はすぐに左の葉の下に潜り込んでしまいました。あわてて葉をどけても、もう姿はなくて、なかなかの逃げ上手です。
トンボの子供(ヤゴ)ではないかとは思いながらも、尾の先がエビみたいで、ちょっと食指が動いたのが逃げられた理由でしょうか。
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一方こちらはタガメ(の種類)でしょうか。さすがこれに食い気は感じなくて、ご本人も安心らしく、プーワリプーワリ漂ったり、前方転回してみたり、のんきなものです。
さぞかし寒いのではないかと心配しながら考えてみたら、空気よりは水の方が温度の高低差は少ないはずです。そう、夏と冬で40度(北海道なら60度!)もの気温差を耐え抜いているワタシたちって、思えばずいぶんタフな存在なのでした。

<補注> タガメではなくゲンゴロウの仲間だろうというコメントをいただきました。

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1月10日(木) サネカズラ

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完熟をやや通り越した状態とは言え、この深紅の粒はまだまだ果肉がジューシーで、ほんのりした甘さがありました。味の評判はあまり芳しくないサネカズラの実でも、自分的にはそんなに捨てたものではない感じです。
もっとも、味よりも興味深いのはその種の形です。上品に表現すれば腎形となりはしても、世俗的に言わせてもらえば「あ、サネカズラのサネってこの形から来てる?」とニヤついてしまいます。(あくまではた衛門的解釈です)
もしかして、もっとダイレクトに「ボボカズラ」なんて呼ぶ人がいて、それが標準和名になっていたら、この美しくも奇妙な実のイメージは台無しでした。さらに、サネというきわどい言葉がほとんど通じなくなっているおかげで、きれいな音感だけがいまに残ったのはサネカズラにとってじつに幸運なことでした。

過去のきょう 2012 バンダ(洋ラン)  2011 ブータンルリマツリ 2010 カゴノキ 2009 ナツトウダイ 2008 ツバキ(詳細不明) 2007 トウガラシ(ゴシキトウガラシ) 2006 シバザクラ 2005 ダイコン

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1月9日(水) リュウノウギク

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気息奄々(えんえん)ではありながらまだまだ花を開いていて、なんとも見上げたしぶとさです。「多年草」に分類されるリュウノウギクですから、このまま地上部を残した姿で冬越しをしてしまうのでしょう。
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ところが、別の場所ではリュウノウギクがすでに完全にミイラ化していました。葉の一枚たりとも、緑みはまったく残していません。
これだと「地上部が常緑」という多年草の概念から外れて、根だけが残る「宿根草」に分類されてしまいます。多年草と宿根草の意味を調べると、「最近は宿根草も含めて多年草とする」みたいな記述を見かけるわけで、二つを厳密に分けられない(分けない方が便利)実際の例をリュウノウギクで体験してしまいました。
多年草と宿根草どころか、草か木かも判然としないものだってゴロゴロあります。おっと、ということは、このブログのタイトルだって「草木および草か木か不明のもの365日」と改題しなくてはいけないではありませんか。
うーむ、厳密な目と広い心を両立させないと、自分のブログの名前さえ意味「不明」のものになってしまいます。

<補注> 宿根草パターンのリュウノウギクを見ました。(2014年1月29日

過去のきょう 2012 ハナカイドウ  2011 マメキンカン(キンズ) 2010 カンボタン 2009 カンザクラ 2008 レモン 2007 ネメシア 2006 タマサンゴ 2005 ロウバイ

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1月8日(火) キンメイチク

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キンメイ(金明)という修飾は、黄色の稈(かん・竹の幹のこと)に緑の筋が入った状態を言います。芽溝だけに緑が残り、稈全体は黄変している品種です。
この「金明」を冠するキンメイモウソウチクはモウソウチクの品種だったのに、こちらキンメイチクの元はマダケだそうです。そう言われてみれば太さが違う(直径でキンメイモウソウチクの1/3以下)し、節の輪っかは2本あります。
さて、金明があれば銀明もあるのが世の常です。銀明というから稈が銀色かと思えばさにあらず、金明とは逆に、稈が緑で芽溝に黄色の筋が入るものが「銀」という、ちょいと苦し紛れの洒落でした。
写真には手前に2本、その銀明状態のものがあります。竹というのは一群すべてが一つの株という常識からすれば、この2本だけ銀明とは考えにくい事態です。
やれやれ、この2本の「その後」を注視しながら、問題なくギンメイチクと言えるもの(注)も探さなくてはなりません。この上「銅明」なんて品種、どうかありませんように。

<補注> 「問題なくギンメイチクと言えるもの」を掲載できました。(2017年2月13日

過去のきょう 2012 ヤマラッキョウ 2011 ハッサク 2010 クログワイ 2009 ウメ(寒紅梅) 2008 オニドコロ 2007 マーガレット 2006 イヌリンゴ 2005 マサキ

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1月7日(月) アマチャヅル

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アマチャヅルのリベンジ掲載です。11月にヤブカラシと間違えるという情けないエラーをしてしまいました。
そのとき、ヤブカラシにしては妙に柔らかいと思った葉は、もうすっかり枯れ上がっていました。しかし、白鉢巻きを締めた深緑色の実は、まだこんなに賑やかです。
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齧ってみると透明のおつゆが飛び出し、ほんのりした甘さがあります。ただ、後口としてジワッとした苦さ(悪い感じではない)がきます。
世に「アマチャヅル茶」としてもてはやされるのはもっぱら葉の方で、この実に薬効があるかは定かではありません。しかし、葉にはなんとあの高級品・高麗人参に比肩するような効力があるのだそうです。コスパ最高、アマチャヅル万歳です。
そうと知れば11月に1枚でも齧っておくべきでした。枯葉をモグモグではあまりに悲しいので、葉の試食(&花の撮影)は夏までお預けです。

過去のきょう 2012 サンシュユ  2011 カンレンボク 2010 イオノプシディウム(バイオレットクレス) 2009 ノリウツギ 2008 オオイヌノフグリ 2007 ニンジン 2006 ザボン 2005 ヒメキンセンカ

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1月6日(日) テイカカズラ

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あいにくの天気ながらも時期的にはドンピシャの訪問でした。志木からは遠いし、きつい登りだし、幾度も行くのは避けたい場所なので、うれしさ倍増です。
もちろん、近くの野山にもテイカカズラは生え放題です。3カ月前、ここであの極細ウインナ(または超ロング唐辛子)みたいな物体を見つけてからは、あちこちの樹上をキョロキョロし続けていました。ところがないのです。かなり大きく(高く)育った状態良好なテイカカズラでも、この場所以外のものに実を見つけることは不可能でした。
それなのに、この山では、撮影した場所以外でも複数の株にこの実がぶら下がっていました。結実する要件としてなにが違うか、まったく想像もつきません。たぶんもっと慣れてくればどこでも見つけられるようになるはずでも、「お近づき初年度」としては出会いの山で最終シーンを収録し、とりあえずのクロージングです。
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サイズが控えめな葉や花に比べると、意外なほどに実(莢)は「大物」です。さらに、そのなかで飛翔を待っている種も長さが1cm弱あり、さすが生命力旺盛なテイカカズラの素は種からして大物だと感心します。
一粒つまみ出し、折からの風に放つと、ゆっくりと谷間に流れていきました。♪飛んで飛んで飛んで飛んで、この結実可能性大の遺伝子が志木の近くに舞い降りてくれることを祈りながら、その綿毛の旅立ちを見送りました。

<補注> 当然のことながら、このあと、ほかの場所でも実を見ることはできました。また、莢が八の字になるワケも解明できました。(2015年8月15日

過去のきょう 2012 トキワイカリソウ  2011 ガガブタ 2010 シュロガヤツリ 2009 タラヨウ 2008 コナラ 2007 スギゴケ 2006 ノイバラ 2005 ヒヨドリジョウゴ

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番外編 : 黒と白

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カラスが鋭い目つきでレンズを睨みつけながら、それでもナンキンハゼの実を啄(ついば)むのをやめません。ガシガシとつついては呑み込んでいて、ときどき食べ損なった実が落ちてきます。もっとそばへと真下に踏み込んだら、さすがに危ないと思ったのか、嘴にひと枝くわえたまま飛び去ってしまいました。
いかに悪食のカラスとは言え、まさか鳥がナンキンハゼの実を食べるとは思いませんでした。それでも念のため、カラスが落とした実を口に入れてみました。殻はまったくどうしようもなく殻です(笑)。そのなかは、ごく薄い皮が剥けると、あとは固い種です。まさか、こんな薄い皮が好きでもあるまいし、そもそも鳥は丸呑みですから、この実はほとんど「食べ物」の意味をなさないと思います。
カラスのお腹のなかでナンキンハゼはなにか特殊な栄養素になるのか、あるいはカラスくらいの知能になると遊び食いみたいな行為をするものなのか、ハイジさん(動物と話せる「という」オバさん)、聞いてみてくれませんかねえ。
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さて、カラスが止まっていた木は実にまだ殻が残っていたというのに、隣の木はこんなにきれいに殻が剥けていました。
思えばこの色は不思議です。種を鳥に運んでもらうつもりなら、実はだいたい黒とか黄とか赤が適切らしく、こんなに真っ白な外見の種はすぐには思い浮かびません。
もし鳥を運び屋にしないのなら、樹上では目立たない茶色で完熟を待ち、そのまま地面に落ちて小動物に運んでもらうのがノーマルな作戦です。
つまり、樹上でこれ見よがしに(人間には)目立ちつつ、じつはその色は鳥にも小動物にもあまり歓迎されそうもない…じつに変なヤツがナンキンハゼなのです。
などとツラツラ考えてくると、先年、ワタシに声をかけてくださったご婦人のように、美しいものに魅了される美女がじつはナンキンハゼのターゲットなのだと思い至りました…などと「はた衛門珍説」を振り回しつつ、今年も絵日記は続きます。

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1月5日(土) ボタンヅル

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ボタンヅルのその後・パートⅡです。パートⅠ(10月初旬)のときはまだほんの出始めだった髭が、こんなにボウボウになっていました。
背景に見えている色味は絡まれているツツジの葉で、ボタンヅル自体の葉はもう見る影もなくボロボロです。
さて、髭の撮影も課題だったとは言え、より大きな問題は茎や根もとに冬芽が出ているかどうかでした。「ない」ことを証明するのはほぼ不可能(悪魔の証明?)であっても、この日、この株を見た限りでは、それらしい突起は皆無でした。
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他日、誰かに「除草」されたボタンヅルを見たので、幸運にも茎の切り口(↑)を確かめることができました。これも、はっきりはしなくても「年輪」と思うにはやや距離のある姿でした。どうも、自分のなかではボタンヅル草本説が有力になっています。

過去のきょう 2012 ヤマコウバシ  2011 カルドン 2010 キチジョウソウ 2009 サザンカ(白八重) 2008 ミミズバイ 2007 オオキバナカタバミ(オキザリス・セルヌア) 2006 ナンキンハゼ 2005 ノイバラ

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1月4日(金) エゾマツ

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きのうのコウリンタンポポで「北海道あたり」などと書いて、そう言えばこの「蝦夷」松をまだここに載せていなかったことを思い出しました。おまけに、エゾマツと並んで北海道代表の針葉樹であるトドマツも未掲載というオソマツでした。
トドマツの春の若葉は美しいので何度か撮っているのに、掲載のタイミングを失っていたのでしょう。またその季節が来たら、過去写真を引っ張り出すことにします。
さて、きょうの写真はいまの時期のエゾマツです。寒風をものともせず、陽光を受けて葉が緑白色に輝き、張り出した枝だけ見ると、とても明るい印象がします。
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一方、その幹はガラッと印象が違って、黒くてガサツな風貌です。ところが木質は素直で加工しやすいことから、家具や楽器に多用されているといいます。
いいヤツそうに見えたけど、口をきいたら冷たくて、でも話し込んだらやっぱり憎めないヤツだった…みたいな、ときどき出会うタイプの人間を思い出させてくれる木です。

<補注1> 同属でとても近い関係のトウヒを収録しました。(2021年11月8日
☆ エゾマツ : Picea jezoensis var. jesoensis
☆ トウヒ  : Picea jezoensis var. hondoensis
<補注2> 同属でもロッキー山脈に産するコロラドトウヒ、そしてその園芸種を同時収録しました。(2023年5月17日

過去のきょう 2012 オンシジューム(赤)  2011 ヒメコウジ(チェッカーベリー) 2010 ホンコンカポック(シェフレラ) 2009 アカザ(暫定) 2008 ハマアザミ 2007 ユーカリ 2006 ソシンロウバイ 2005 オタフクナンテン

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1月3日(木) コウリンタンポポ

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植物の毛というのは、植物それぞれ・部位それぞれでいろんな意味を持つらしくて、さてこのコウリンタンポポの葉の場合はと言うと、明らかに越冬対策でしょう。秋に花を撮影したとき、その根もと側の葉が毛深いことに気づきはしたものの、冬を越す葉はさらに毛の長さが増しているようです。(比較写真なしの印象評価)
こんなに長い毛なら、霜や風が葉の表面を傷めることを軽減できそうです。また、葉表に水分を滞留させないよう、水を弾くことにも役立ちそうです。厳寒期に濡れたままで風にさらされるのは、人間でなくても非常に危険なことでしょうから。
こんな機能に代表される強さのおかげで、北海道あたりではコウリンタンポポの殖え過ぎが警戒されているそうです。強いものが生き残るのは自然の摂理ではありながら、そこに節度・調和という基準をうまくあてはめる…そんな知恵や努力が我々に求められているようです。

過去のきょう 2012 オオバヤドリノボタン(メディニラ・マグニフィカ) 2011 チリマツ 2010 ブラジルマツ 2009 カクレミノ 2008 フウセントウワタ 2007 ギョリュウバイ 2006 シロミナンテン 2005 ウメ

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1月2日(水) ヒュウガミズキ

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お正月のせいか、ヒュウガミズキの枝が繭玉に見えました。そう言えば、こういう素朴な繭玉、とんと見かけなくなりました。
春、葉をさしおいて花だけ咲き出しますから、いまこうして赤みを帯びてぷっくりしているのは花芽でしょう。葉芽はもう少し尖った形です。
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芽だけではなく、わずかに残った枯葉もうっすらピンクを含んでいました。
春に葉が展開するときも赤く色づくことがありますから、ヒュウガミズキはどうやら赤が隠れキャラのようです。お料理が隠し味で引き立つように、こういう含みがあるからこそ、この木は庭に植えられて愛好されているのでしょう。

過去のきょう 2012 ミドリサンゴ(アオサンゴ)  2011 ダイオウマツ 2010 ハイマツ 2009 ロドレイア・ヘンリー 2008 ゴクラクチョウカ 2007 キンセンカ 2006 イイギリ 2005 モウソウチク

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1月1日(火) カンアオイ

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元日のブログはそれなりにめでたい写真で飾りたいもので、過去を振り返れば、クロマツ・ユズリハ・ハタザクラ・ダイダイ・ゴヨウマツ・アカマツ・アカマツ・センジュランと、まあまあそれらしいラインナップ(リンクは記事下欄)でした。
ところが、このごろはブログタイトル(草木365日)にこだわって、毎日の出し物を草・木・草・木…と続けているので、去年が木なら今年は草の順番です。うーむ、草でめでたいもの、しかもほとんどの草がボロボロに枯れているこの季節、うーむmumu。
だからと言って、苦し紛れにカンアオイを出したのではありません。かつて載せたカンアオイは花びら(萼)の色も葉色も悪かったし、両方がいい色だったのはこれより小型のヒメカンアオイでしたから、今回のカンアオイ完全版は自分にとってじつにめでたい出し物なのです。あっぱれ!
いやいや、元日のめでたさはそういう意味じゃなくて…と思わなくもないものの、人生そのものが誤解と勘違いの集大成かと思うこのごろですから、こんなわがまま勝手な年の始まりもまた、え~い、これでいいのだぁ!

<収録済みカンアオイ類・和名50音順>カンアオイ(2005年) ☆ コシノカンアオイ ☆ センカクアオイ ☆ タマノカンアオイ ☆ ヒメカンアオイ

過去のきょう 2012 センジュラン  2011 アカマツ 2010 アカマツ 2009 ヒメコマツ(ゴヨウマツ) 2008 ダイダイ 2007 ハタザクラ 2006 ユズリハ 2005 クロマツ

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