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10月31日(水) サンゴジュ

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ひと月ほども前だと、この赤い実が密集しすぎていて、まるでイクラみたいに見えていたものでした。それが秋風にさらされているうちに完熟し、ほどよくバラけました。この状態ならイクラではなく、名前どおりに珊瑚を連想(注)させてくれます。
味が上がった証拠に、鳥が二・三羽、この木のなかを飛び回っていました。雀よりも少し小さめで濃い茶色をしていたのに、とても素早い動きをする鳥で、ヘボな腕ではその姿を一度もとらえることができませんでした。
くやしいので、鳥に食べ尽くされる前に自分がすべて食べてやろうとしたのに、あまりに小さくて捗りません。甘くてねっとりしているので、案外と高カロリーかもしれません。鳥たちのために、「摂りすぎ注意!」とでも看板をつけてあげましょうか。

<補注1> 赤い実を珊瑚に見立てるという「固定観念」を覆す発見(!)をしました。(2019年7月17日
<補注2> サンゴジュの新芽とダニ室を取り上げました。(2021年3月17日

過去のきょう 2011 サボテン(金鯱) 2010 ヒキオコシ 2009 エノキ 2008 ゴマキ 2007 ノゲイトウ 2006 マルバフジバカマ 2005 ツワブキ 2004 ミゾソバ

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10月30日(火) キンエノコロ

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今年はエノコログサの種類を少し覚えよう…と思ってはいたものの、思いと行動はシンクロしないのが世の常です。
しかし、それにしてもアキノエノコログサを載せただけでシーズンを終えてしまうのはいかにも情けないので、エイヤッとキンエノコロです。
なぜエイヤッなのかと言うと、どのくらい金色ならキンエノコロでいいのか、まだその基準がよくわからないのです。光線の具合にもよるし、そもそも紛らわしい色合いのものがなかなか多いのです。あとはコツブキンエノコロというのもあるので、「ふつう」と「小粒」の境目もしっかり把握していません。(注1)
そんなわけで暫定とは言え、写真としては気に入ったのが撮れたので、一応載せておくことにします。光の加減ではなく、毛の先は本当に金色でした。

<補注1> コツブキンエノコロはキンエノコロの別名のようです。(2021年秋)
<補注2> キンエノコロを再掲しました。(2022年9月18日

過去のきょう 2011 オウゴンカズラ(ポトス、ゴールデンポトス) 2010 ホソバタイサンボク 2009 ニワナナカマド(チンシバイ) 2008 ズミ 2007 マムシグサ 2006 キチジョウソウ 2005 ダンチク 2004 ツリバナ

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10月29日(月) マテバシイ

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おとといのスダジイとは順番を変えて、マテバシイは手のひらに載せたドングリ画像からです。ついそうしたくなるほどに、このドングリは大きくて立派です。
これを茹でて、そのあと油をひいたフライパンで煎る(殻付きのまま)と、かなりピーナッツに似たおつまみができます。残念ながら、お伴のビールを「カーッ」とやるにはやや涼しくなりすぎましたけれど(笑)。
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さて、樹上です。浅い殻斗から飛び出しそうな砲弾型ドングリはとても目立ちます。1本の枝に、成熟した2年目ドングリと赤ちゃんドングリが並んでいます。
以前写した花どきの写真では、雌花序は年ごとに新しくできているので、同じ軸に年齢の違う堅果が並ぶはずはありません。残念ながら、結実したすべてのドングリが立派な貫禄の大人にはならないようで、これが自然の生存率なのでしょう。

<補注> マテバシイの成り年は豪快な稔りでした。(2024年9月22日

過去のきょう 2011 シマトネリコ 2010 ヒヨドリバナ 2009 アツバキミガヨラン 2008 コバノガマズミ 2007 マルメロ 2006 アッサムニオイザクラ(ルクリア) 2005 ミセバヤ 2004 ハクモクレン

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10月28日(日) ススキ

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なにをいまさらのススキです。しかし、先日、シマススキを載せたときにふつうのススキにリンクさせようとしたら、どうにも「ふつう」ではない写真ばかりでした。
枯れ上がった葉輝く小穂バッタが助演絡み合った綿毛、などなど。
ふつうの場所で、ふつうに「お、ススキだ」と感じる写真が一枚ないと、しかも手すさみにバッタを折ることのできる「新鮮」な葉の様子もとらえておこうと思いました。
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ところが、ふつうに歩いていて「あー、秋だなぁ」と思える景色がめっきり減りました。崖とも言えるこんな場所でないと、多少の勾配地ならすぐに家が建ってしまいます。
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ここも同じような傾斜のきつさです。こういう場所にしか自然が残らなくなってしまうと、そのうち「ふつう」の草木の観察にはザイルが必携品となってしまうことでしょう。

<追録> 過去写真を調べていたら、「急斜面にススキ」の景色があったので追加しておきます。(↓撮影:2012年11月14日)
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<補注> ススキが野山だけでなく水辺でも育つことを知りました。(2019年11月11日

過去のきょう 2011 マメヅタ 2010 ケナフ 2009 キミガヨラン 2008 イヌザンショウ 2007 ツルコケモモ 2006 クヌギ 2005 クコ 2004 ニラ

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10月27日(土) スダジイ

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去年よりも一歩前進した一枚です。スダジイのドングリは2年かけて完成するタイプで、去年9月末に写したときは殻斗がまだ青く、果たしてこれが秋の内に割れるものなのか、もしかしたらこれはまだ1年目の状態では…と不安でした。
なんと、しっかり色づいてから殻斗が割れる木もあれば、きょうの写真のようにまだ青いままでも殻斗はパックリと三つに割れるのでした。
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もちろん、落ちた殻斗はすぐに枯れ色になります。深く三つに裂けるものだから、ドングリは簡単に抜け落ち、殻斗付きの完全品はここでは見つかりませんでした。
ほかのドングリに比べずいぶん色黒でも、拾ううれしさはこれが一番です。なにせ生で食べられるドングリはスダジイ(とツブラジイ)だけで、歯で殻を割り、コリコリ齧りながら野道を行けば、いかにも秋が深まった気持ちがしてきます。

<補注1> 花の時期は5月から6月です。
<補注2> スダジイが潮に強い性質であることを知りました。(2019年9月15日

過去のきょう 2011 モクゲンジ 2010 ノハラアザミ 2009 ツヅラフジ(オオツヅラフジ) 2008 原種シクラメン 2007 ニガウリ 2006 タウコギ 2005 ミゾソバ 2004 ヤマノイモ

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10月26日(金) ツルニンジン(ジイソブ)

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「やったぜ!」と「ガックリ!」が綯い交ぜになった一枚です。目指した山のジイソブは、今年は完全に凶作(?)でした。先日見つけた貴重な蕾がようやく咲いてはいたものの、妙に色白でジイソブの名に値する老人斑がほとんどないのです。
そこで悔し紛れに隣の山へ登ったら、こうして立派にシミだらけの爺さんがいました。花どきには少し遅れたものの、まだまだいくつも咲いています。快哉です!

しかし、この写真、iPhoneでの撮影なのです。いや、愛用のK-xを忘れたわけではないのです。なんと、それまでふつうに撮れていたのに、山の真んなかで露出確認と合焦がいきなり効かなくなりました。愕然です!
帰りのその足でPENTAXのサービス窓口へ行ってみたら、どうやらボディ側に不具合が出たらしく、有償の預かり修理になってしまいました。しかもそのお代たるや、「え、コンデジ1台買えるじゃん…」という絶句もので、いやはや、k-xくん退院までに懸命に貯金しなければいけなくなりました。禍福は糾える縄の如し、ホントでした。

過去のきょう 2011 メキシカン・ブッシュ・セージ 2010 アキチョウジ 2009 ムクロジ 2008 ヤマラッキョウ 2007 フェイジョア 2006 ヤクシソウ 2005 ホンコンカポック(シェフレラ) 2004 ツワブキ

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10月25日(木) キンモクセイ

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今年も盛大に強い香りを放ってくれているキンモクセイの花に、息を止めながら(笑)グッと近づいてみました。そんなにがんばったのには理由があります。
一輪の花には2本の雄シベしかありません。雌シベがどこかに隠れているとかではなく、キンモクセイは雌雄異株なので、雄株には雌シベがないのです。
さらに、日本には雄株だけしか持ち込まれていない(昔、中国から)そうで、こっそり密輸入した好き者がいない限り、日本のキンモクセイに実生はないのです。
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つまり、すべてが挿し木で生産され植栽されているわけで、キンモクセイのあの香りは人里に特有のものということです。広い場所でこんな大木になったものを見ると自然のものと誤解しそうでも、これは本当の野山にはあり得ない景色なのです。

<補注1> ごくまれに、キンモクセイが実をつけたらしい写真を見るので、日本にキンモクセイの雌株が絶無ということではないかもしれません。
<補注2> 開花が異様に早い年があり、いったん終わった花が通常開花期にまた咲きました。(2021年10月4日

過去のきょう 2011 ヒメイタビ 2010 トラノオスズカケ 2009 カキノキ 2008 コウヤボウキ 2007 クロウエア・エクサラタ 2006 スプレー菊(イエギク) 2005 キヅタ 2004 コスモス

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10月24日(水) ホウチャクソウ

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この14日にナルコユリの実を載せたとき、似たもの同士のアマドコロとかホウチャクソウの実がここ(ブログ)にないことに気づきました。あれこれ目移りばかりしていて、落ち着いて基本的な種類を追いかけていないことを反省です。
などと言い訳に字数を費やせるほど、この実の見分けは余裕だと思います。ナルコユリやアマドコロよりはひとまわり大きいし、なによりもこの色が決め手です。
これでおいしければ言うことなしなのに、春の若芽が有毒だというので、この実の味見はスルーしっぱなしです。鳥類に種を散布させるには実を赤く彩るのが有利なはずで、この美しくも怪しい紺色はいったい誰へのアピールなのでしょう。

<追録> 意外に早い時期から実が目立ちました。(撮影:2014年7月16日)
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<補注> 開花時期の様子を載せました。(2018年4月8日

過去のきょう 2011 フウセントウワタ 2010 シュウブンソウ 2009 ゴマ 2008 キランソウ 2007 ホウキギ(コキア、ホウキグサ) 2006 オタカンサス 2005 オリーブ 2004 ニシキギ

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10月23日(火) ケンポナシ

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草の奇っ怪がきのうのホトトギスなら、木の奇っ怪はこのケンポナシです。いったいぜんたい、なにがどうなってこんな変な形の実ができるのか、不思議でした。
しかも、この異形の部位はカリカリして甘く、「梨」という名乗りに嘘はないのです。で、本当の梨のあの実を考えれば、あれは花床が膨らんだものでした。それに対してこのケンポナシが膨らますのは花柄なのです。
つまり、本当の梨で言えば俗に「ツル」と呼ぶ、あの部分です。したがって、よくよく見れば本来の種(を格納した子房)は夏の姿の丸いままで膨らみの先端に残っているのがわかります。
この「梨」、二日酔いの薬だとはいうものの、それならふつうの梨を食べた方が手っ取り早いし、そもそも春や夏に飲み過ぎたらどうするという基本問題が残ります。

<補注> 上の写真によって、ケンポナシの葉が「アカメガシワ型葉脈」であることに遅れ馳せながら気づきました。

過去のきょう 2011 パキスタキス・ルテア 2010 アカバナ 2009 マユハケオモト 2008 マルバグミ 2007 ツリバナ 2006 チカラシバ 2005 ホウキギ(コキア、ホウキグサ) 2004 マユミ

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10月22日(月) ホトトギス

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このキラキラの粒々、前から気にはなっていました。ただ、勝手にモウセンゴケのあのキラキラと同じ(腺毛の先の粘液)だろうくらいに思っていたのです。
しかし、それにしてはいつもキラキラです。花びらが終息気味になってきても、花粉やゴミや、まして虫などついている試しがないのです。それもそのはずで、触ってもベタベタはしません。まるで小さなガラス玉です。
どうやらモウセンゴケとは違う役割らしくても、ではなんのためにあるかが想像できません。自然のものはすべからく「用の美」であるはず!と思ってきたのに、果たしてこのホトトギスによって「無用の美」の存在を知らされることになるのでしょうか。

過去のきょう 2011 アメリカヅタ 2010 トリカブト 2009 オキナワスズメウリ 2008 ウラハグサ(フウチソウ) 2007 ケショウビユ(イレシネ・ヘルブスティー) 2006 ホソバアキノノゲシ 2005 シャクチリソバ 2004 ベニバナトキワマンサク

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10月21日(日) キンメイモウソウチク

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前に載せたこの竹は都会派で、植栽品だと思います。対して今回のこれは背後の鬱蒼とした闇が示すとおり、天然自然の自生というのがポイントです。
福岡・久留米の高良(こうら)大社に登る道の脇にあり、社務所による説明(注)では昭和9年に「発生」したそうです。ということは、それ以前はここはふつうの孟宗の竹林で、この竹たちはまさにいきなりオシャレに目覚めてしまったのでしょう。
おそらく最初は1本だけだったろうに、いまは300本あるそうで、さてこの先、全山の孟宗は金明になってしまうのでしょうか。あるいは再び突然変異してもとの孟宗に戻るとか…それを確かめられるのは千の風になってからのことでしょう。

<補注> 高良山ではこの竹をモウソウキンメイチクとしています。しかし、自分の過去記事はキンメイモウソウチクだし、それが標準和名なのでこう表記します。

過去のきょう 2011 コミカンソウ 2010 レイジンソウ 2009 ミゾソバ(白花) 2008 ハマトラノオ 2007 ウメバチソウ 2006 アキノキリンソウ 2005 サザンカ 2004 モッコク

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10月20日(土) ヤクシソウ

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ひと雨ごとに涼しさが増し、一気に晩秋モードです。せっかく花盛りのヤクシソウも、朝夕の冷えがこたえるのか、ちょっと葉が傷み始めていました。
その丸い葉には「薬師如来の光背に似ている」という名前起源説があり、由来の真偽は別として、特徴のある形です。前にこれを取り上げたときは、薬効がないのに薬師と名付けられたことを揶揄したのに対し、葉の形ならまだ納得できそうです。
また、盛りのあとには下を向いてしまう花もいまは立派に上(横)を向いていて、蜜などあまり期待できそうもないのに、大きなホシホウジャクを招いていました。

<補注> ヤクシソウの花を少しだけ美的に捉えてあげました。(2019年10月22日

過去のきょう 2011 キクダイダイ 2010 サルビア(サルビア・スプレンデンス) 2009 アオノリュウゼツラン 2008 イワダレソウ 2007 アケビ 2006 アキギリ 2005 キダチチョウセンアサガオ(八重) 2004 ゴールデンピラミッド

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10月19日(金) カンノンチクとシュロチク

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この二つはいままで別々に取り上げていて、両者の違いはカンノンチクの記事で言葉で説明したきりでした。今回たまたま、一目瞭然、同属の似たもの同士二つを比較してください!と言わんばかりの植栽を撮影できました。
画面左側でピントの合っている方がカンノンチクです。その右手で、カンノンチクよりも背が高いためにボケているのがシュロチクです。
まったく同じ条件で育っているのに、背丈も違えば葉色にも多少の差があります。もちろん、葉の長さ、葉幅と横方向のそり具合の違いは明らかです。
今度、このカンノンチクの一部が我が家に嫁入りしました。ずっと先輩格のシュロチクもいますから、これからはこの写真のように二つを並べて楽しむことができます。

<補注> この場所のシュロチクには2年後に花がつき、嫁入りしたカンノンチクは当家で8年後に花をつけました。

過去のきょう 2011 ヒシ 2010 タヌキマメ 2009 エノキウツギ(ウオトリギ) 2008 マツブサ 2007 ミヤマガマズミ 2006 ヨモギ 2005 イシミカワ 2004 ギシギシ

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10月18日(木) シマススキ

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きのうのシマトネリコに続けてシマススキと洒落てみました。ただし、トネリコのシマは「島」なのに対し、こちらは「縞」=ストライプです。
名前のとおり、草姿や性状はふつうのススキと同じなのに、葉に縦の白い(ごく淡いクリーム色)縞が入ります。この縞(斑)が横に入るタカノハススキもそうであるように、古くに作出された園芸品種だと言います。
菊や朝顔などをいじくり回したい気はわからなくはなくても、こんな地味な草にも手をかけてしまったご先祖様たちには恐れ入ります。そう言えば、同じ園芸品種仲間には葉が極端に細いイトススキもありました。

<補注> 縞がわかりやすい写真を再掲しました。(2014年7月14日

過去のきょう 2011 アレカヤシ 2010 コウリンタンポポ イヌショウマ 2009 ヒメグルミ 2008 クスノキ 2007 スズラン 2006 サラシナショウマ 2005 タイワンホトトギス 2004 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)

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10月17日(水) シマトネリコ

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去年のいまごろ、「志木では花をつけないのか」などとおバカな悩みを抱えていたりして、自分にとってはシマトネリコがいつも頭の片隅にある1年でした。
全体の姿、そして育苗の様子も、たくさんのシマトネリコを写してきたので、今回は思い切り実だけに迫ってみました。遠目に見ていると分銅型の大きな実だと思っていたのに、種は長さ3mmほどで、意外にささやかな存在でした。
果柄の付け根にあるその小さな種をヘラ型の羽が包んでいます。これからこの羽が枯れ上がって軽くなり、種は北風にちぎられてあちこちに飛び立つのでしょう。

過去のきょう 2011 アンゲロニア 2010 ヒイラギモクセイ 2009 キチジョウソウ 2008 ヨウシュイボタ 2007 トウガラシ(タカノツメ) 2006 スズメウリ 2005 クロマイ 2004 サザンカ

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10月16日(火) ツルニンジン(ジイソブ)

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8月の末からもうすでに3回、ツルニンジンが咲くというこの山へエッチラオッチラ登っています。今回、4度目でようやく花の「蕾」に会えました。
今年は春も遅かったくせに、秋も遅い感じです。なんせ、あの律儀なヒガンバナでさえ1週間以上もズレていました。これって温暖化とはちょっと違い、季節全体が遅れ遅れになっているということではないでしょうか。このままいけば、日本もそのうちサンタさんが水着でやってくる国になるかもしれません。( ̄□||||

おっと、なぜそんなにツルニンジンに執着するのかがきょうの主題です。ツルニンジンの別名はジイソブ、つまり8月7日に載せたバアソブのつれ合いさんです。
婆さまのために、ぜひ今年のうちに登場させてあげたいのです。爺さま、早くシミだらけのお顔を見せてくださいね。

<補注> 花は10日後に掲載できました。(2012年10月26日

過去のきょう 2011 アラカシ 2010 ユーパトリウム・チョコレート 2009 キバナノツキヌキホトトギス 2008 エゾユズリハ 2007 アキカラマツ 2006 ツリフネソウ 2005 シュウメイギク(ピンク) 2004 タイワンホトトギス

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10月15日(月) テイカカズラ

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山道で、鬱蒼とした木々の向こうに不思議な色合いを見つけました。どうやらこの物体は、ヤマザクラとかクヌギの木に絡みついた蔓からのび出ているようです。
その蔓は10mほどの高さにまで這い上がっていて、そのところどころにこの妙ちきりん物体をワサワサとぶら下げています。トウガラシ? あり得ません!
蔓と葉をよく見ると、それはテイカカズラでした。気根かとも疑ったこの赤色物体は、その蔓から柄がのび、その柄の先で二股(八の字)になった種の莢でした。
まさかあの白い可憐な花からこんな実ができるとは驚きです。調べたら、この莢が枯れて割れ、綿毛を持った種が飛び出るそうです。ぜひ手にとってその姿を確かめたいので、それまでにはもう少し足場のいい場所にこの実を見つけておきたいものです。

<補注1> 翌年1月、莢が割れたところをとらえました。(2013年1月6日
<補注2> もっと若い段階の実を載せました。(2015年8月15日

過去のきょう 2011 トウネズミモチ 2010 オオオナモミ 2009 シロホトトギス 2008 ツルシキミ 2007 オオベンケイソウ 2006 クズ 2005 シュウメイギク 2004 ノブドウ

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10月14日(日) ナルコユリ

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そう言えば春にナルコユリの花とほかの似たものとの比較をしたし、その続編で実を載せて置くのは悪くないなぁ…と過去記事を調べたら、なんとまあ、その春はもう2年も前のことでした。時間感覚がだんだん老人域に入っていることを実感します。
おっと、気を取り直してナルコユリです。ほとんどすべての花が実を結んだようで、花どきに劣らないほど賑やかな姿です。
花のときに見分け基準にした柄の付け根の小さな膨らみがまだ残ってはいても、アマドコロとは春ほど顕著な差ではなくなるようです。したがって、茎の稜の有無が頼りで、角がなく断面が丸いこれはナルコユリということになります。
さらにもう一つの似たものはホウチャクソウです。ただ、あの実はなぜか早い時期から紺色なので(サイズもやや大)、いまの時期なら見分けには悩みません。

<補注> 2カ月後の美をとらえました。(2014年12月20日

過去のきょう 2011 ヨモギギク(タンジー) 2010 ヒルムシロ 2009 ヒシ 2008 ヒメマツバボタン 2007 ベンケイソウ 2006 ホトトギス 2005 ポポー 2004 キツネノマゴ

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10月13日(土) ヤマハンノキ

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丘の斜面に立つ木を、運良く上の道から見下ろす形で眺めました。房状に下がった雄花の素(来春に咲く蕾)の形からして、いかにもハンノキっぽくても、あれは湿地を好むのに対し、ここは南向きの急斜面で水分には恵まれません。
それよりなによりこの葉です。長い葉柄、丸くも四角くも見える葉の形、彫りの深い葉脈、大きな重鋸歯、それらの特徴が相俟ってちょっと忘れにくい風貌です。
そんな面白い葉が手がかりになって、すぐにヤマハンノキと調べがつきました。ハンノキ属(Alnus)のメンバーなので、花の構造はハンノキと一緒であって、長い房である雄花の上に小さな雌花(の素)がついています。
となると、写真左手の緑色の塊はいったいなに?となるわけで、これはこの春に結実した雌花、つまり実でした。同じ木にはこの松ボックリが枯れて茶色になったものも残っていて、それは去年の実の残骸ということになります。

<補注> そろそろほころびそうな雌花・雄花をとらえました。(2013年1月20日

過去のきょう 2011 ツリバナ 2010 デンジソウ 2009 センキュウ 2008 ハグマノキ 2007 ユキザサ 2006 ナワシログミ 2005 イヌサフラン 2004 ガマズミ

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10月12日(金) ハマビシ

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びっくりしました。「ハマビシ」をググったら、Wikiの解説が2番目で、トップに出たのはサプリの広告ページでした。なんとそのキャッチには「男性のエイジングケアをサポート」とあります。ハマビシには男性ホルモンの一種であるテストステロンを保つ(増強ではないらしい)作用があるようです。
へー、じゃあたくさん集めて煎じてみようか…という考えはNGで、これは絶滅危惧種指定です。もちろん、「浜」のない埼玉では植栽品の撮影です。
しからば、このヒシもどきの実を1個だけいただいて、ウチで栽培!と思っても、このイガイガをつまむにはかなりの覚悟が必要です。ムキムキ・ムン!を目指すなら、ここは素直にサプリに頼り、ハマビシはもっぱら眺めて楽しむに限ります。

過去のきょう 2011 モンテンボク(テリハハマボウ) 2010 カシワバハグマ 2009 ベニバナチャ 2008 ナツメ 2007 ジュウガツザクラ 2006 ヤブタバコ 2005 ダンギク 2004 コムラサキ

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10月11日(木) ウンナンオガタマ

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この清楚な白い花びらとシベの形には見覚えがあります。オガタマノキです。あるいはカラタネオガタマもこんな感じでした。しかし、葉が違います。
知っている二つの木の葉は、ごくふつうに先が尖った楕円形でした。それに対し、今回出会ったこの葉の先はやさしい丸さで、植物用語的には倒卵形と言います。
この特徴からすればこれはウンナンオガタマなのに、面妖なのは花の時期です。ほかの2種がそうであることからして、本来は春から初夏の花のはずで、今回、花を撮影できたのは、日ごろの行いの良さ(?)に対するボーナスでしょう。
そんな幸運とは背なか合わせで不運もあり、オガタマ類に共通のバナナ香は楽しめませんでした。前はその原因がよくわからず、自分の鼻のせいにしていたのに、どうやら時間が主因らしいと思うようになりました。「ああ、いい香り」と感動するのは午前中のことで、「あれれ」と落胆するのは午後も2時を回っている時間(今回も)なのです。オガタマ類の観察は、どうやらお昼前にするのがポイントのようです。

<補注> 本来の開花期に撮影できました。(2020年4月30日
なお、上の本文でウンナンオガタマの葉は倒卵形としたものの、葉のなかには先が尖ったタイプも混在するようです。

過去のきょう 2011 ツヅラフジ(オオツヅラフジ) 2010 アメリカセンダングサ 2009 コンニャク 2008 クマノミズキ 2007 ハブソウ 2006 サンショウ 2005 ワタ 2004 ケープヒルムシロ

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10月10日(水) キバナアキギリ

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それぞれの草木と出会った場所はわりと記憶にすり込まれているもので、前にこのキバナアキギリを見たのは急な斜面をジグザグに昇る細い道の端でした。
そして今回は、下りながら「おっとっと」と思わず声が出る急な坂道の脇でした。どの図鑑を見たところで、この草の特性を「急な斜面を好む」などとは書いていないと思いながらも、自分のなかでは「急な坂」としっかりリンク(↓)してしまいました。
そんな環境なので、陽射し方向が違うとこんなアンダーな写真にしかならない(言い訳・笑)ものの、今回のポイントは先端が二つに裂けて長く飛び出た雌シベです。まるで蛇…と言ってもカナヘビくらいのものでしょうが、とてもチャーミーです。

<追録> 「急な坂道でばかり遇う」というおかしな呪縛からようやく逃れ、広い緩斜面で陽光を浴びる群生を見ました。(撮影:2024年9月20日)
Imgp7825

過去のきょう 2011 バナナ 2010 ウナギツカミ 2009 ハゼノキ 2008 カラハナソウ 2007 アブラガヤ 2006 リンドウ 2005 ソバ 2004 シャリンバイ

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10月9日(火) シナノキ

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できれば食べられる実がうれしくても、先日のムクロジのように、口には入れられないものでも至って幸せな気分にはなるものです。
このシナノキは、ヘラノキボダイジュなど、羽(総苞葉)つきの実をつける仲間(シナノキ科シナノキ属)の総大将です。初夏に白い花をたくさんつけ、それがそのままこんなに賑やかな稔りになりました。
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地面に落ちていた実です。齧ってみようなどとは毛ほども思わない姿です。腕を空にのばしてこの翼の効用を確かめてみたら、無風状態ではたいした横移動効果も落下減速効果もありませんでした。
どだい、遠くへ行きたいなら1枚の羽には実を一つだけにすればいいものを、我も我もと群がるから重くていけません。「馬鹿だな、お前ら」と嘲笑いながら、果たして自分が実の立場になったとき「俺はいいよ」と降りるかどうか、性根が試される気分です。

過去のきょう 2011 ツルウメモドキ 2010 アキニレ 2009 ツルドクダミ 2008 オケラ 2007 オヤマボクチ 2006 アロニア 2005 ギンモクセイ 2004 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)

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10月8日(月) ボタンヅル

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ボタンヅルのその後です。センニンソウの仲間らしく髭がのび出す準備の段階です。ただ、仲間ではあってもやはり別物で、センニンソウの種からのびる毛は巴型になるのに対し、ボタンヅルのそれはこのように直線的です。
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比較のために、別の場所でセンニンソウ(↑)を写しました。毛が左巻きに渦を描いてのびています。またボタンヅルの種が擬宝珠型なのに比べ、センニンソウの種は押しつぶしたように平べったい形です。
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さて、懸案の草か木かという問題です。これが根もとの茎で、かなりの硬さです。茎が木質化しているという意味では木本の基本要件にはかなっているようです。
この茎を輪切りにして年輪があれば木本と断定できるのに、いくら山のものではあっても、せっかくの大きな株を根絶やしにはできないので、この検証法は却下です。
あとは冬にこの地上部に冬芽がつくかどうかという判別法が残っています。直感的にはそれはないような気がしていても、ワタシの直感などものの役には立たないので、木枯しに吹かれながらまたここに来てみたいと思っています。

<補注> 「ボタンヅルのその後・パートⅡ」を載せました。(2013年1月5日

過去のきょう 2011 オクモミジハグマ 2010 ヤマハッカ 2009 ハネミギク 2008 ホソバヒメミソハギ 2007 マツカゼソウ 2006 ユウゼンギク 2005 カリガネソウ 2004 ギンモクセイ

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10月7日(日) コクテンギ

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紅葉を終えた木々が葉を落としきった冬のさなか(1月中旬)、深紅に色づいた葉が美しいこの木に出会って驚いたのは2年前のことでした。
先日、ひょいと思い出して再会したら、葉はまだ元気な緑のまま、こんな実を付けていました。形がマユミのそれとよく似ています。なるほど、紅葉の美しさといい、この実の形といい、この木はマユミと同じくニシキギ科ニシキギ属(注2)なのでした。
したがって、花はやや鑑賞価値が劣るとは言え、行きがかり上、ここに載せないわけにはいきません。関東ではどうやら梅雨のころが開花期らしい(注1)ので、晴れ間を見計らいながらまたここに出かけてみるつもりです。

<補注1> 花は翌年の夏に撮影できました。(2013年6月18日
<補注2> 本文中でコクテンギがニシキギ属だとは述べていても、その実がツリバナにまでつながっていたとは気づいていませんでした。(2022年12月8日

過去のきょう 2011 オオミサンザシ 2010 ハッカ(ニホンハッカ) 2009 ヒメヒゴタイ 2008 ミヤギノハギ 2007 コガネバナ 2006 ヤマジノホトトギス 2005 オギ 2004 ハス

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10月6日(土) ツルボ

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小さな土手の上がツルボだらけでした。
強い競合相手がなくて、我が世の「秋」を謳歌しています。ずいぶん前に掲載したツルボは、クズやキツネノマゴやエノコログサに囲まれた雑居状態で育っていました。それに比べれば、今回の環境はとても贅沢です。
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ツルボの開花期としてはかなり遅めなので、もうこんなに実を付けた穂もあります。これはどうやら動物にも風にも頼らない自然落下型の種のようです。ツルボがあちこちに広がりにくいのは、この性質のためなのでしょう。
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葉がとても貧弱なこともツルボの特徴です。名前からして「穂」にしか注目されにくく、気にかけて葉を探すと、こうして申し訳程度に根もとに存在しています。

過去のきょう 2011 キセルアザミ 2010 アンズ 2009 ヤマボウシ 2008 タラヨウ 2007 コメナモミ 2006 シラハギ 2005 コブシ 2004 ザクロ

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10月5日(金) ナツハゼ

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彼岸が過ぎ、台風が去り、ずいぶんと涼しくなったものの、近くの低山はまだまだ緑一色です。そんな山道でパッと目に入った赤色が新鮮でした。
ナツハゼは名前どおり夏のうちから葉が色づきはしても、その色合いは陽当たり具合に左右されます。今回はコナラやクヌギに空を覆われた半日陰で育つ1本なのに対し、以前、真夏にきれいに紅葉していたものは陽光燦々の傾斜地にありました。
また、実のつき具合も、植栽品でしっかり管理されたものと実生の自然生育状態のものではかなりの違いが出ます。そんなわけで、色づきも稔りも「やや残念」なこの木ではあっても、それでもやはり目立ってしまうナツハゼの存在感なのでした。

過去のきょう 2011 コナラ 2010 タイワンレンギョウ(デュランタ) 2009 フジカンゾウ 2008 センブリ 2007 コバノガマズミ 2006 オオバショウマ 2005 ワラベノカンザシ 2004 キンモクセイ

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10月4日(木) クサヨシ

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験の悪さだけでアシをヨシと呼び換えるなんてとんでもない!と頑固に思い込んで(注1)いました。しかしクサヨシまでクサアシと突っ張ると、なんだかオジサンの靴下を連想してしまいます。仕方ないのでクサヨシでいいことにします(笑)。
本来のヨシ、じゃない、アシの半分くらいの背丈で、なりもフニャフニャしています。アシも草本なのに、茎が硬く、葉もがっちりしているので、それに比べてこちらをあえて「クサ」とした気持ちがよくわかります。
水辺が好きという性質は両者同じでも、アシよりももっと水気を好むので、アシの勢いの強い場所ではその陰になって、岡の側からだとその存在に気づかないこともあるようです。実際、初夏の花の時期(注2)にまだこれを撮影できていません。
花の時期と言えば、本来のアシはいまごろが花盛り(?)です。見かけが大きく違うので迷うことはないはずでも、念のための見分けポイントです。

<補注1> かなり長い間、ヨシではなくアシとしていたものの、YListが標準和名をヨシとしているのを見つけ、あえなく腰が砕けました。ただ、この記事の本文では当時のままにアシを優先しています。(2020年12月12日
<補注2> 5月のうちに開花すると知りました。(2024年6月3日
<補注3> クサヨシには斑入り種があります。☆ フイリクサヨシ ☆ シマヨシ

過去のきょう 2011 ナガエコミカンソウ 2010 ギンミズヒキ 2009 アキグミ 2008 イノコヅチ 2007 キジョラン 2006 シラヤマギク 2005 ウスギモクセイ 2004 メキシカン・ブッシュ・セージ

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10月3日(水) ヤマコウバシ

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クスノキ科の面々というのは、ゴルフ好きが喜びそうにこうしてティーアップした実をつけます。しかし、シロモジのようにその実が充実してくるとティーが倒れてしまうものもあれば、このヤマコウバシのように実が黒熟し始めたのにまだ立派に花柄が空に向かったままというのもあります。似ているようでちょっと違う、微妙な世界です。
もっとも、「落ちない」枯葉で有名なヤマコウバシですから、実の特徴は二の次でいいのでしょう。とは言いながら、枝に葉だけが残るということは、この実はそのうち落ちるか鳥に食べられるか、その結末をまだ見ていないことに気づきました。さらに、雄株がないというヤマコウバシの種から実生ができるのかもまだ調べていません。
やれやれ、二の次のことでもこんなに課題があるのですから、あと2回か3回は人生が欲しいものだとまじめに考えてしまいます。

<補注1> たった一粒の播種実験だったとは言え、埋めた実は発芽しませんでした。
<補注2> 1本の枝だけではなく、木全体の実のつきが目立っていい年がありました。(2018年10月26日

過去のきょう 2011 キャラボク 2010 アオハダ 2009 サイカチ 2008 エゴノキ 2007 ノブキ 2006 マルバハギ 2005 タケノコイモ 2004 クサギ

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追加編 : シュロソウ

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ルーペをかざしてマジマジと眺め回すこと5分ほど、この濃い紫の小さなツノ(雄シベの葯より低い位置で、カタツムリのそれのように光っている)が雌シベ、その下の膨らみが子房であることがどうにか理解できました。
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同じ株の別の枝に咲く花です。ツノも子房もなく、雄シベだけ=雄花です。先月の掲載にあたってシュロソウが雌雄混株であることがわかったものの、撮っていた写真だけでは皆目区別がつきませんでした。
今回、雄花を見つけてそのわけがわかりました。全体に雄花はかなり少数派で、前に撮った写真はすべて両性花だったのです。
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そして、あれからの時間経過を教えてくれるように、すでにこんなに実が膨らんだ株もありました。花の写真では見つけにくい3本のツノの様子がよくわかります。
こうして見ただけでも両性花VS雄花の数量的優劣は明白です。両性花だけでことは足りるのに、いかにも付け足しの雄花の存在…毎度毎度のことながら、草木を眺めては男の悲哀をかみしめるはた衛門さんでした。

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10月2日(火) オオケタデ

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いまの時期、空き地や土手などでわりとふつうに見かけます。ここにはとっくに収録していると思ったら初登場で、「蔵」にやや暗い写真が1枚あるきりでした。
おおむね地味な姿の多いタデ類にしては、人の背丈を超えるほど大きく、これだけ派手に花を咲かせるので異色の存在(帰化植物)です。
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その花は蟻にとっては良い蜜源らしく、この房にも1匹貼り付いています。しかし、蟻のサイズで換算すれば、ここは人間だと500mを超える高所になる勘定です。
そんなところを易々と上り下りする体力がすごいし、高い所が苦手な自分にとっては、命綱もなくこんなところにへばりついていることが驚異です。

<補注1> オオ「ケ」タデである証拠写真を掲載しました。(2016年11月4日
<補注2> 地元・柳瀬川の河川敷がオオケタデに占拠される事件がありました。(2021年9月22日

過去のきょう 2011 ソリダスター 2010 ヤブマメ 2009 スイフヨウ 2008 ハナヅルソウ 2007 タマシロオニタケ 2006 ステルンベルギア 2005 ガマズミ 2004 クジャクソウ

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10月1日(月) サンショウ

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きのう(トウガラシ)に続いてピリリシリーズになりました。この実(赤い皮の部分)を齧ると、その後30分ほどは口がゆがんだような錯覚を楽しめます。
あと少しすればこの皮が破れて、なかから黒い種(無味)が覗いて、さらにチャーミングな姿になります。そのシーンは以前とらえてあるので、今回の注目点は棘です。山には仲間のイヌザンショウも生えていてやや紛らわしくはあっても、そちらの棘は互生なのに対し、サンショウの棘は対生です。
前にイヌザンショウを載せたときにそのことがわかり、あわててサンショウの写真を調べ直したものでした。今回はそのリベンジマッチの意味で写真中央にその棘を入れ、さらに縁が波打つ奇数羽状複葉の美しさも…と欲張ってみました。

<補注1> 開花の様子はこちら、花から実への変化過程はこちらです。
<補注2> 8月のウチから実が赤く色づき、黒い種が露出することもあるようです。(2020年8月26日

過去のきょう 2011 ハゼノキ 2010 ギンドロ(ウラジロハコヤナギ) 2009 チャノキ 2008 マルバプルメリア(プルメリア) 2007 アケボノソウ 2006 ゴンズイ 2005 ハゲイトウ 2004 シュウメイギク

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