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10月31日(月) サボテン(金鯱)

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見ました! 金鯱の花です。その見事なメタボボディと凄まじい棘に感動したのは1年と8カ月前だったのに、あのときは蕾の気配さえありませんでした。それがこんなにたくさんの蕾がついて、名前どおりの黄金色を輝かせていました。
もっとも今回の撮影は前とは別の場所で、なんとこれ、50年ものでした。したがってサイズも前のもの(30年もの)よりグッと大きく、直径で80㎝はありそうです。
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さて、名前のもう一つの要素である鯱(海にいるシャチではなく、名古屋のお城にいるアレの方)をイメージさせるのが、この尖った花びらです。なるほど、鯱の背なかにはこんな棘が…と見入ってしまう新鮮なフォルムは、頼りがいのなくなってきたワタシの記憶にしっかりと突き刺さってくれそうです。

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10月30日(日) オウゴンカズラ(ポトス、ゴールデンポトス)

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観葉植物の代表みたいなポトスがブログ8年目にして初登場です。いつも目新しいものにばかり心を奪われていて、基本がおろそかな証拠です。
これを収録していないことに気づいたのはオウゴンニシキ(オウゴンカズラ)を載せたときでした。黄金葛をググると、出てくるのはポトスばかりで焦ったものです。
さて今度はポトスを調べると、一般にポトスと言えばこの斑入り種であるゴールデンポトスをさすことがわかりました。したがって、ポトスの和名はオウゴンカズラ、つまり斑のないポトスも和名ではそう呼ぶわけで、これはまた頭の痛い話でした。
しかも、黄金の斑は葉が若いうちで、生長するとそれが白くなるのだそうで、なんとも看板に偽りありというか、込み入っています。ごくありふれた植物にもなかなかあなどれない背景があるもので、きょうのタイトルは長~いものになりました。

<補注> 現代的な園芸品種を収録しました。(2016年12月8日

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10月29日(土) シマトネリコ

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この9月にシマトネリコを載せたとき、近所の木は花をつけないことを嘆きました。それがどうやらワタシの観察力不足ではなかったらしく、いまの時期になっても志木の近辺ではどこの木も実をつけてくれません。
そんなガッカリの眼に飛び込んだのがこのワッサワサです。成りも成ったり、この木の花どきはさぞかし賑やかだったことでしょう。ところがこれ、マズイことに福岡・久留米での撮影なのです。ちょいと見上げれば済む高さの木だし、人通りもないし、前に花を写した銀座の並木よりはずっと撮影条件がいいというのに、いかんせん、花の時期にうまくここを再訪できる確率は極めて低いでしょう。
銀座で花が咲いていたのだから埼玉で咲かないはずはないのに、近所で花と実を見られないのがじつに不思議です。志木で実を見つけるのが先か、久留米で花を写すのが先か、自分のなかでのシマトネリコ・ダービーです。

<補注> シマトネリコ・ダービーは「志木で実」の勝ちでした。
また、シマトネリコは雌雄異株なので、実を見られる確率はざっくり言って花の半分であることにもいまごろ気づきました。(2011年12月4日

2010年のきょうヒヨドリバナ> 2009年のきょうアツバキミガヨラン> 2008年のきょうコバノガマズミ> 2007年のきょうマルメロ> 2006年のきょうアッサムニオイザクラ(ルクリア)> 2005年のきょうミセバヤ> 2004年のきょうハクモクレン

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10月28日(金) マメヅタ

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きのうのモクゲンジがお寺の境内にあったのに対し、こちらは古い由緒ある神社で見つけました。苔むした梅の古木の大枝で、亀と兎が大集会です。
じつは告白しなければいけないことがあって、この春に載せたマメヅタの写真は自分の撮影ではなかったのです。あろうことか(笑)、ワタシがまだ見ていないマメヅタを、助手3号(上の娘)が「これな~に?」と…。
自分でもここに早く載せたいと願っていたマメヅタだったので、いそいそと掲載はしたものの、いかにも悔しく、あれからずっと、この亀と兎に血眼だったので、いやはやスッキリ! しかも、兎ちゃんが娘の作品よりもいっぱいで元気そうです。
ただ、この日のカメラが「きみまろ」だったのは不運でした。敵は身にそぐわないニコンの高級デジイチを使っているので、生意気にもボケ味などかましてくれています。クソォ~、次のときにはこちらも愛用のペンタくんで巻き返してやるもんねー。

2010年のきょうケナフ> 2009年のきょうキミガヨラン> 2008年のきょうイヌザンショウ> 2007年のきょうツルコケモモ> 2006年のきょうクヌギ> 2005年のきょうクコ> 2004年のきょうニラ

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10月27日(木) モクゲンジ

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とあるお寺の境内で、すっかり枯れ上がったモクゲンジの実を見つけました。この実がまだ青い季節、初めてモクゲンジに出会ったのは小学校の門の脇だったし、料亭の庭でもこの木を見たことがあります。つまり、それぞれが意図を持って植栽されたものなので、次はぜひ野山で会いたいものです。
しかし、よくよくこの実を見ると、鳥さんが啄みたくなるような魅力には恵まれていないようです。この木の下には、袋をつけた枝が枯れ落ちていて、せいぜい嵐で吹き飛ばされるくらいが拡散の限度みたいです。もし自然環境のなかでこの木に出会ったら、それはそれで一生の運を使い果たしてしまうようなことなのかもしれません。

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10月26日(水) メキシカン・ブッシュ・セージ(メキシカンセージ、アメジストセージ、サルビア・レウカンサ)

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アメジストセージという別名をもらったほどに美しい赤紫の花…ではなくて、この濃い紫の部分は萼でした。いままでボンヤリ見過ごしていた花穂にグッと近づいてみたら、なるほど、いかにもシソ科らしい花のつくりです。
この白く飛び出した「本当の」花びらの付け根にはほんのりと蜜があり、花穂の上の方には小さな蟻さん2匹がしっかりしがみついていました。

さて、この植物はここには3回目の登場で、過去にこれをなんと呼んだか、少し不安になりました。タイトルはメキシカンセージとしかしておらず、文中でアメジストセージとかサルビア・レウカンサ(学名のローマ字読み)という名を紹介してはいても、メキシカン・ブッシュ・セージという言い方(これがどうやら標準和名らしい・注)には言及していません。もちろん、ベルベットセージという別名など「ベ」の字も出てきません。
ページ右肩でリンクさせているこれまでの「掲載植物名一覧」には、複数の名を持つ草木の場合、それらの名前をきちんと載せるように心がけ「つつ」あるというのに、ウームム、その思いがくじけそうになってしまう、嫌ァ~な紫色です。

<補注1> さらに面倒な仲間を見つけました。(2018年11月2日
<補注2> あとで確認したら、「標準和名らしい」とした出典が見つかりません。頼りにすべきYListにはこのサルビア自体が収録されていないようで、当該記述は取り下げにします。(2020年夏)

2010年のきょうアキチョウジ> 2009年のきょうムクロジ> 2008年のきょうヤマラッキョウ> 2007年のきょうフェイジョア> 2006年のきょうヤクシソウ> 2005年のきょうホンコンカポック(シェフレラ)> 2004年のきょうツワブキ

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10月25日(火) ヒメイタビ

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小さな亀の集団が木をよじ登る…みたいなかわいさです。ただ、もうそろそろヒメイタビの隠頭花序(イチジクのような花、というか実)にお目にかかってもいいころなのに、なかなか見つかりません…という残念レポートでもあります。オオイタビのそれにはこの夏に会えたのに、姫さまというのは気むずかしいものです。
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さて、そんな愚痴だけでは悲しいので、きょうの主題は「ヒメイタビの蔓延り方2態」ということにします。木の幹に這い上がる図は以前もよく似たものを撮ってはいても、岩を覆い尽くす姿は初めて見ました。よじ昇るときのまばらさとは打って変わり、岩をも締め割るほどの密な這い回り方に、姫さまの怖い一面を見る思いです。

2010年のきょうトラノオスズカケ> 2009年のきょうカキノキ> 2008年のきょうコウヤボウキ> 2007年のきょうクロウエア・エクサラタ> 2006年のきょうスプレー菊(イエギク)> 2005年のきょうキヅタ> 2004年のきょうコスモス

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10月24日(月) フウセントウワタ

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実ができているのに花が咲き続けるところがいかにもガガイモ科の一員らしいシブとさです。しかも、秋を迎えたからこのショットかと思うと、なんと初夏にはもう同じように「花も実もある」姿でしたから、その繁殖力の強さは容易に想像できます。
などと憎たらしそうに言いつつ、この実のひょうきんさにはいつも癒されます。そして、それとは正反対に、布をつまんでこしらえた造花のような花がシックです。
先日、電車の向かい側に座ったご婦人が、スカーフをこんな風に花の形に折ってはほどくことを飽きずに繰り返していました。それをまた飽きずに見ていたオジサンがいたことをご存じだったかどうかは知る由もありません。

2010年のきょうシュウブンソウ> 2009年のきょうゴマ> 2008年のきょうキランソウ> 2007年のきょうホウキギ(コキア、ホウキグサ)> 2006年のきょうオタカンサス> 2005年のきょうオリーブ> 2004年のきょうニシキギ

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10月23日(日) パキスタキス・ルテア(ウコンサンゴバナ)

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腰丈ほどの灌木で、蝋燭のように突き立った黄色の花穂が目立ちます。この黄色い部分は苞(花はそこから飛び出した白い筒状のもの)なので、まるで長いこと花が咲き続けているようで、植え込みにするとお得感があります。
難点はその名前で、舌を噛みそうです。ウコンサンゴバナという重厚な和名が与えられてはいても、ウ○コ珊瑚などと言いそうで危険です。ゴールデン・シュリンプ・プラント、これは長過ぎて却下です。ゴールデン・キャンドル、あ、これなら園芸店で名札を見た記憶があります。などといろいろ並べていると、本名を忘れそうです。
パキスタキスだからパキスタン出身かと思ったら、パキスはギリシャ語で「厚い・太い」だそうで、どうにもこうにも馴染み処のないパキスタキス・ルテアでした。

<補注> 「 Pachystachys=太い穂、lutea=黄色い」というラテン語とわかってみると、けっこう「見たまんま」の学名です。

2010年のきょうアカバナ> 2009年のきょうマユハケオモト> 2008年のきょうマルバグミ> 2007年のきょうツリバナ> 2006年のきょうチカラシバ> 2005年のきょうホウキギ(コキア、ホウキグサ)> 2004年のきょうマユミ

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10月22日(土) アメリカヅタ

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なにげなく通り過ぎようとした一軒のお宅の窓辺に、ググッと襟首をつかまれた気がしました。振り返ると、なんとまあ、かつてその見事な紅葉と黒紫色のつぶらな実に魅了されたアメリカヅタでした。
よそのお宅の窓にレンズを向けるというのはかなりドキドキする行為なので、写真はこれ一枚きりです。本当は葉裏に毛があるかどうかをしっかり撮りたかったのに、それはこのお宅の人とご挨拶してからの楽しみです。
今回の収穫は、硬くて丈夫そうな緑の葉の様子と、黒く熟していく過程を解説するかのような実の姿をとらえたことでした。

<補注> 冬芽はなかなかの愛嬌者でした。(2022年2月8日

2010年のきょうトリカブト(品種不明)> 2009年のきょうオキナワスズメウリ> 2008年のきょうウラハグサ(フウチソウ)> 2007年のきょうケショウビユ(イレシネ・ヘルブスティー)> 2006年のきょうホソバアキノノゲシ> 2005年のきょうシャクチリソバ> 2004年のきょうベニバナトキワマンサク

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10月21日(金) コミカンソウ

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今月初めにナガエコミカンソウを載せたとき、当然ながらコミカンソウにも話が及びました。そこでリンクさせた過去のコミカンソウの写真は、出会えたうれしさに逆上(のぼ)せたあまり、生態がよくわからないものでした。
そこで今度は冷静に全体をとらえました。林の縁にある、やや明るめの草藪のなかで、30cmほどスッと茎が立ち上がり、そこから横に枝がのびています。その枝の基部や先端にはまだ花が見えます。基部のものが雌花、先端が雄花です。(注)
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こうしてSuicaと比べると、実の小ささがわかります。

<補注> 花の様子がもう少しわかりやすい写真を載せました。(2012年8月25日

2010年のきょうレイジンソウ> 2009年のきょうミゾソバ(白花)> 2008年のきょうハマトラノオ> 2007年のきょうウメバチソウ> 2006年のきょうアキノキリンソウ> 2005年のきょうサザンカ> 2004年のきょうモッコク

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10月20日(木) キクダイダイ

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ちょっと珍品です。木の姿や実の大きさはふつうのダイダイと変わらなくても、どうしたってこの食い込みは目立ち過ぎます。
実を輪切りにしたら菊の花に見えそうだし、落ちていた実は皮が黄色だったので、キクダイダイという名前には素直にうなずくことができます。ただ、樹上で熟しても、残念ながらふつうのダイダイほどの橙色にはならないようです。
そして、鏡餅に載せるには色も形もやや不似合いです。味の想像もしにくくて、冬になってどこかの店先で再会できることを祈っておきます。

2010年のきょうサルビア(サルビア・スプレンデンス)> 2009年のきょうアオノリュウゼツラン> 2008年のきょうイワダレソウ> 2007年のきょうアケビ> 2006年のきょうアキギリ> 2005年のきょうキダチチョウセンアサガオ(八重)> 2004年のきょうゴールデンピラミッド

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10月19日(水) ヒシ

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インパクトのある形の実に比べ、その花はいかにも地味でした。しかし、ヒシには花のあとにこんなに艶(あで)やかな姿があることを初めて知りました。
この彩り鮮やかな水面の下にはおいしい実がどっさり…などという食い気は押し込めて、しばし池の端で「錦秋の候」を満喫させてもらいました。

2010年のきょうタヌキマメ> 2009年のきょうエノキウツギ(ウオトリギ)> 2008年のきょうマツブサ> 2007年のきょうミヤマガマズミ> 2006年のきょうヨモギ> 2005年のきょうイシミカワ> 2004年のきょうギシギシ

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10月18日(火) アレカヤシ

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室内観葉植物としてよく見かけます。「ああ、あれか」などとオヤジ丸出しの独り言を呟きつつ、じつはアレカってなんだろうと不思議でした。
きょうの掲載にあたって、宿年の課題を調査してみました。東南アジアでガムのようにみんなが噛んでいる、あのビンロウ(檳榔)の属名がアレカ(Areca)で、姿がそのビンロウに似ていることからつけられた、というのが正解でした。
おっと、今度はビンロウを撮影するという新しい課題(注2)ができました。やっとオヤジ卒業かと思ったら、次はビンロウ激写小僧にならなくてはいけません。

<補注1> 上の写真は鉢植え品だったのに対し、大温室で「現地サイズ」に育ったものは、とてものこと一般家庭向け観葉植物ではありませんでした。(2013年11月19日
<補注2> ビンロウを撮影することができました。(2020年3月7日

2010年のきょうコウリンタンポポ> <イヌショウマ> 2009年のきょうヒメグルミ> 2008年のきょうクスノキ> 2007年のきょうスズラン> 2006年のきょうサラシナショウマ> 2005年のきょうタイワンホトトギス> 2004年のきょうハナミズキ

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10月17日(月) アンゲロニア

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初夏に咲き出して、いまごろまでもしぶとく花を楽しませてくれます。写真のものは背丈が1mほどで、これとは別に矮性品種もあり、花壇にはとても重宝します。
花色は白と紫が代表的で、この二色の混じり合いみたいなピンクや薄いブルーも見かけます。ふつう、白と紫の組み合わせだと仏事を連想するはずなのに、花の形がバタ臭い(オオバコ科)ので、そんな気配が微塵もないのが愉快です。

<補注> 白一色の花壇がありました。(2014年7月10日

2010年のきょうヒイラギモクセイ> 2009年のきょうキチジョウソウ> 2008年のきょうヨウシュイボタ> 2007年のきょうトウガラシ(タカノツメ)> 2006年のきょうスズメウリ> 2005年のきょうクロマイ> 2004年のきょうサザンカ

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10月16日(日) アラカシ

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つい先日、知り合い数人と談笑していて、その場に出された茶菓子がクッキーの真んなかに一粒のアーモンドを埋めたものでした。それをつまんだ某女が「これ、ウチの子はドングリクッキーって呼ぶんだ」と言ったので、「ホントのドングリのクッキー、食べさせればいいじゃないの」と混ぜ返しました。
それに続いた会話…「え、ドングリって食べられるの?」「コナラは一晩あく抜きすればいいし、スダジイやマテバシイならそのままでいけるよ」「え、ドングリってドングリの木じゃないの」「クヌギやシラカシ、アラカシ、カシワ、、、、」「…シーン…」
調子に乗ってほかの場で、今度は無理矢理にドングリ談議を持ち出したら、なんと皆さん洩れなく「ドングリってドングリの木」派であって、かくいうワタシも以前はそうだったことに思い至りました。
どうやらこうやら、「これは葉が広いし、やや荒い鋸歯が先半分だけだし、帽子は段々模様だし…」などとアラカシの特徴がわかるようになったものの、まだまだ撮影できていないドングリもたくさんあります。「ドングリの木」派さんの前では大きな顔ができても、樹上のドングリさんたちには嘲笑を買っていることは必定で、これからも「ドングリやーい」のさすらい旅は続きます。

2010年のきょうユーパトリウム・チョコレート> 2009年のきょうキバナノツキヌキホトトギス> 2008年のきょうエゾユズリハ> 2007年のきょうアキカラマツ> 2006年のきょうツリフネソウ> 2005年のきょうシュウメイギク(ピンク)> 2004年のきょうタイワンホトトギス

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10月15日(土) トウネズミモチ

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満を持して、トウネズミモチの葉裏写真です。実が黒くなった冬の姿花どきの様子に加え、一度は葉裏を意識したショット(ネズミモチとの葉の比較)も載せてはいるものの、葉脈の美しさを称えるにはほど遠い一枚でした。
黒く熟してしまうとやたら目立つ実も、いまの時期は葉とモノトーンの薄緑なので、白く輝く葉脈の引き立て役に回っています。どんなに強い陽射しを受けても葉は無愛想に深緑のままのネズミモチに比べると、トウネズミモチの葉はまるでLEDでも組み込まれているかのようで、自然の造形力にため息をつくばかりです。

2010年のきょうオオオナモミ> 2009年のきょうシロホトトギス> 2008年のきょうツルシキミ> 2007年のきょうオオベンケイソウ> 2006年のきょうクズ> 2005年のきょうシュウメイギク> 2004年のきょうノブドウ

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10月14日(金) ヨモギギク(タンジー)

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ヨモギギクという和名よりは、ハーブとしてのタンジー(tansy:英名)という名前を目にする方が多く感じます。葉を揉んだ香りはいわゆる菊の範囲であって、あれをもっとすっきりさせ、かつ強めにした感じです。
毒と薬は紙一重であり、解熱や鎮痛の効能がある反面、昔は堕胎に使われた(西欧の話です)と言います。それだけでも怖いのに、精製すれば呼吸を止める劇薬にもなるそうです。呼吸って止まったらマズイでしょうに…。
トリカブトケシなら危険度は周知されていても、こんな風になに食わぬ顔をしてじつはコワ~イものに出会うと、やはり草木は侮れないと痛感します。

2010年のきょうヒルムシロ> 2009年のきょうヒシ> 2008年のきょうヒメマツバボタン> 2007年のきょうベンケイソウ> 2006年のきょうホトトギス> 2005年のきょうポポー> 2004年のきょうキツネノマゴ

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10月13日(木) ツリバナ

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このブログをはじめたころには、とにかくこの真っ赤な殻の美しさに度肝を抜かれたものでした。それがツリバナ追っかけのきっかけで、その後、初夏の花を撮ったり、恐ろしいほどに豊かな稔りを見た秋もあったりしたものでした。
そしていま、原点回帰とも言える一枚を写して、これでツリバナは卒業かと思いきや、5個あるべき種は足らず、5裂すべき殻も片方の実は4裂でした。
ええーい、腹が立つ! どうして完全品が目の前に現れてくれないのだぁ! …という嘆きは胸に秘め、ツリバナ追っかけの旅はまだ続きます(注1)。

<補注1> やはりと言うか、とうとうと言うか、1カ月後に「ほぼ」完全品の実に出会うことができました。(2011年11月10日
<補注2> 孤独な変わり種だと思っていたツリバナの実は、ニシキギ属のパターン範囲内なのでした。(2022年12月8日

2010年のきょうデンジソウ> 2009年のきょうセンキュウ> 2008年のきょうハグマノキ> 2007年のきょうユキザサ> 2006年のきょうナワシログミ> 2005年のきょうイヌサフラン> 2004年のきょうガマズミ

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10月12日(水) モンテンボク(テリハハマボウ)

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おや、この花はいつか見たはず…と記憶の糸をたぐれば、それは3年前の夏(ふつうのハマボウを掲載)のことでした。あれは東京・江戸川の海辺での出会いだったのに対し、今度のこれには都下の温室でお目にかかりました。
本来は小笠原諸島にしかない花なので、こうして関東で季節はずれの時期に拝むことができたのは、まさに温室の効用です。
照葉という冠が別名につくとおり葉が革質で、ふつうのハマボウの葉より硬質です。また、ハマボウが海辺に育つのに比べ、こちらは内陸部に生育(注)するそうで、自らは動けない植物でも、長い時間をかけて生息領域を変えたことがわかります。

<補注> 標準和名のモンテンボクのモンテンはMountainの音便のようです。

2010年のきょうカシワバハグマ> 2009年のきょうベニバナチャ> 2008年のきょうナツメ> 2007年のきょうジュウガツザクラ> 2006年のきょうヤブタバコ> 2005年のきょうダンギク> 2004年のきょうコムラサキ

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10月11日(火) ツヅラフジ(オオツヅラフジ)

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アオツヅラフジツヅラフジ、あるいはハスノハカズラコウモリカズラなど、どうにもこの手の野草にそそられる性質(たち)です。そのせいで、このツヅラフジもここには3度目の登場ではあっても、きょうはこれまでとは掲載趣旨が違います。
その今回注目点はというと、葉、しかも葉脈です。
先日、アカメガシワの葉脈が風変わりであることを得意げに語ったというのに、なんのことはない、オオツヅラフジのそこもアカメガシワとまったく同じでした。葉柄に近い側脈にだけ外側に走るハッキリした細脈があるつくりなのです。
自分としては一大発見だったのに、なんとまあ、まるで違う科の二つがそっくりの葉脈を持っていたとは驚きでした。この分では、これからもアカメガシワ型葉脈(はた衛門の勝手な命名)にはお目にかかりそうで、それらにどんな共通点があって、そのメリットはなんなのか、じっくり考えてみるつもりです。

2010年のきょうアメリカセンダングサ> 2009年のきょうコンニャク> 2008年のきょうクマノミズキ> 2007年のきょうハブソウ> 2006年のきょうサンショウ> 2005年のきょうワタ> 2004年のきょうケープヒルムシロ

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10月10日(月) バナナ

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DASH村があんなことになってしまって、番組ファンとしては東電恨み節のひとつも唸りたいところです。特に、どんどんのびて温室を改築(増築)させてしまったあのバナナもいまは枯れてしまったようなのが残念でなりません。
さてこちらはそんな悲運には遭わない東京の温室で育つバナナです。「バナナ」というのはバショウ科バショウ属のなかで実が食用になるものの総称だそうで、その意味ではきょうのタイトルはかなりアバウトということになります。
以前、「島バナナ」を載せたとき、その辺は解説してあります。なので、いまさら後戻りして「バナナ」という呼び名は情けないとは言え、こんなたわわな姿を見るとDASH村をはじめとする人災被災地のことを思い、やるせなさを噛みしめてしまうのです。

<既収録のバナナ類・和名50音順>アカバナナ ☆ サンジャクバナナ ☆ 島バナナ(本文中リンク) ☆ センナリバナナ ☆ 斑入りバナナ ☆ ベルチナバナナ

2010年のきょうウナギツカミ> 2009年のきょうハゼノキ> 2008年のきょうカラハナソウ> 2007年のきょうアブラガヤ> 2006年のきょうリンドウ> 2005年のきょうソバ> 2004年のきょうシャリンバイ

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10月9日(日) ツルウメモドキ

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かつては「撮りにくい場所にばかりある」などと嘆いたツルウメモドキも、数をあたっていたら、こうしてグッと迫れるところで出会うことができました。
そんな幸運を祝福するように、割れた実が陽光に照り輝いていました。さてこの種の色をなんと呼んだらいいものか、乏しい在庫の語彙を総ざらいしてみました。朱色というにはやや黄色が強すぎ、オレンジ色では和風の風情を壊します。
さて困ったぞ…と思ったら、そうか「柿色」がピッタリです。つい食べ物の名を借りるところがさもしくはあっても、この実の美しさに免じて勘弁してもらいましょう。

<補注> ツルウメモドキの種は柿色に限らないようです。(2014年1月8日

2010年のきょうアキニレ> 2009年のきょうツルドクダミ> 2008年のきょうオケラ> 2007年のきょうオヤマボクチ> 2006年のきょうアロニア> 2005年のきょうギンモクセイ> 2004年のきょうハナミズキ

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10月8日(土) オクモミジハグマ

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おォ、この花はカシワバハグマ!と思ったら、葉の形が違いました。調べたら、葉がこのようにモミジ型のハグマにはモミジハグマとオクモミジハグマがありました。
この二つの違いは葉の切れ込みの深い・浅いにあり、葉の長さの1/3から半分近くまで深い方がモミジハグマで、オクモミジハグマはそれより浅いと言います。両方を比較対照していないので断定はできなくても、写真の葉の切れ込みは全体に浅い感じがするので、オクモミジハグマとしました。
なお、「奥」という冠は深山をイメージさせても、特にそんな場所に行ったのではなく、ごくふつうのトレックコース(注)での出会いです。「奥」とか「深山」はこんな風にほぼ意味もなく頭に載せられることがあり、単なる記号と思わなくてはいけません。

<ミヤマの名を持つ草木たち> ☆ ミヤマウグイスカグラ ☆ ミヤマガマズミ ☆ ミヤマキリシマ ☆ ミヤマシキミ ☆ ミヤマフユイチゴ

<補注> オクモミジハグマの「奥」は「奥の細道」の奥でした(出典:「野草の名前」山と渓谷社)。たしかに撮影場所はそちら方面だったので、本文で「意味もなく」としたことは訂正しておきます。(2018年秋)

2010年のきょうヤマハッカ> 2009年のきょうハネミギク> 2008年のきょうホソバヒメミソハギ> 2007年のきょうマツカゼソウ> 2006年のきょうユウゼンギク> 2005年のきょうカリガネソウ> 2004年のきょうギンモクセイ

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10月7日(金) オオミサンザシ

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サンザシの実は酢っぱ甘くて(甘酸っぱいのではなく、あくまで「酸っぱ」が先)、ちょいと好物です。それがふつうの倍もあるサイズでぶら下がっていました。食べるには少し早いようなのに、ヒメリンゴも真っ青という豊かな稔りです。
中国で多く植えられている栽培品種だそうで、中国産の山査子(さんざし)のドライフルーツは、たぶんこれが原料になるのでしょう。今夜は、たわわに稔ったオオミサンザシ(注)が一面に並ぶ畑の夢を見そうです。

<補注> オオミサンザシの標準和名はミサンザシでした。ただ、語呂が良くないし紛らわしいので、自分的な呼び方はオオミサンザシのままとします。(2019年秋)

2010年のきょうハッカ(ニホンハッカ)> 2009年のきょうヒメヒゴタイ> 2008年のきょうミヤギノハギ> 2007年のきょうコガネバナ> 2006年のきょうヤマジノホトトギス> 2005年のきょうオギ> 2004年のきょうハス

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10月6日(木) キセルアザミ

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あれれ、水をもらい損ねた鉢植えじゃあるまいし、野原の薊(あざみ)がうなだれてしまうほど日照りが続いたっけ?と考え込んでしまいました。帰宅してアザミの仲間を調べたら、どうやらキセルアザミ(マアザミ)のようです。
しかし、うつむいて咲く薊は意外に多くて、本当は櫛の歯のような根生葉とか花後には上を向くところまで写しておかないと決めきれないようです。
したがって、きょうのお題は暫定です。ただ、ほかのうつむき型の薊がほとんど地名を冠した局地的種類だったのに比べ、キセルアザミは北海道以外ならどこにでもあるそうなので、とりあえずこれでOKということにしておきます。

<補注> この時期に咲くほかのアザミにはノハラアザミがあります。(花は上向き)

2010年のきょうアンズ> 2009年のきょうヤマボウシ> 2008年のきょうタラヨウ> 2007年のきょうコメナモミ> 2006年のきょうシラハギ> 2005年のきょうコブシ> 2004年のきょうザクロ

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10月5日(水) コナラ

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これから冬にかけて、野道に落ちているドングリのなかでは一番見かけやすい(あくまで関東南部の話)ものです。サイズは女児の小指の先ほどで、艶やかな表面と相俟って、かなりかわいらしい姿です。
ずいぶん前、「コナラのドングリ」を掲載したときの姿とは形がだんぜん違っていて、今回はそこのところも補完したいと思いました。あの姿からほぼ2カ月が経っていて、真ん丸型をしていた実はほっそりスマート体型になりました。
蔓細工のボウルを思わせる鱗状の殻斗が特徴で、この部分が横縞模様になるシラカシアラカシと見分けるための頼りになります。

<補注> 個々のドングリの色に微妙な差を見せるコナラの木がありました。(2019年9月23日

2010年のきょうタイワンレンギョウ(デュランタ)> 2009年のきょうフジカンゾウ> 2008年のきょうセンブリ> 2007年のきょうコバノガマズミ> 2006年のきょうオオバショウマ> 2005年のきょうワラベノカンザシ> 2004年のきょうキンモクセイ

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10月4日(火) ナガエコミカンソウ(ブラジルコミカンソウ)

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葉裏に置いた定規の1㎜がやたら巨大に見えます。以前も、暮れになったのに元気に花をつけている様子を載せていて、今回はさらに詳細に接写してみました。
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花の直径が2㎜少々、実の直径が3㎜程度ですから、知らないうちは見過ごしていた公算が大です。しかし、見慣れてきたら、車道と歩道を隔てる緑地帯などでも元気よく育っているのを見つけられるようになりました。
さて名前にミカンとあるので、実が蜜柑色になるのかと思ったら、どうも色はこのあとも大して変わりません。色ではなく形が蜜柑の実みたいということらしく、和種であるコミカンソウが赤く色づくのとはちょっとワケが違う命名でした。

<補注> 雌雄異花であることがわかりました。(2012年9月8日

2010年のきょうギンミズヒキ> 2009年のきょうアキグミ> 2008年のきょうイノコヅチ> 2007年のきょうキジョラン> 2006年のきょうシラヤマギク> 2005年のきょうウスギモクセイ> 2004年のきょうメキシカン・ブッシュ・セージ

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10月3日(月) キャラボク

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こういう写真に余計な解説は邪魔というものです。パクパクやってしまう(赤い部分がネットリ甘くておいしい)には惜しい、素っ頓狂な姿です。
キャラボクイチイは見分けに迷うのが常で、写真の木は葉のつき方が輪生なのでキャラボクとしました。なお、種は毒なので、間違っても噛んでしまわないよう…あ、やっぱり余計な解説をしています。これは死ななきゃ治らないオバカのようですから、いっそキャラボクの種を試してみることにしましょうか。

2010年のきょうアオハダ> 2009年のきょうサイカチ> 2008年のきょうエゴノキ> 2007年のきょうノブキ> 2006年のきょうマルバハギ> 2005年のきょうタケノコイモ> 2004年のきょうクサギ

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10月2日(日) ソリダスター

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この草の切り花を、何年も前に花屋さんで買ったことがあって、妙チキリンな名前をボンヤリと覚えていました。そのときは葉がほとんどついていなかったので、今回初めて全体の姿を確認することができました。
さて、この草の由来を調べたら、なんとまあ、ソリダゴ(未収録・注1)の一種とアスターの一種を掛け合わせて創り出した園芸種だそうです。妙チキリンに思えた名前だったのに、正体がわかれば、なんとも安直極まりないものでした。
などと批判っぽいことを言ってはソリダスターに失礼で、おかげでいままで縁のなかったソリダゴという名を知ることができました。こちらもそもそも園芸種で、アキノキリンソウを少しだけ見栄えよくした感じでした。
うーむむ、こんな種類があったなんて、これまでアキノキリンソウだと思っていたのがソリダゴだったなんてことがありませんように。

<補注1> ソリダゴ(Solidago)はアキノキリンソウ属の属名です。ただ、ふつうにソリダゴと言えば、流通的にゴールデンロッドと呼ばれるソリダゴ・タラを示すようです。
<補注2> ソリダスターにはアワダチギクという立派な和名があります。ただ、別にソリダスターで不自由ない気がします。(2020年秋)

2010年のきょうヤブマメ> 2009年のきょうスイフヨウ> 2008年のきょうハナヅルソウ> 2007年のきょうタマシロオニタケ> 2006年のきょうステルンベルギア> 2005年のきょうガマズミ> 2004年のきょうクジャクソウ

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10月1日(土) ハゼノキ

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急に「寒く」なって、それでも日中の陽射しは強くて、なにを着て出ようか、迷ってしまうこのごろです。しかし、この程度の異変では草木はあわてたり迷ったりすることはないらしく、ハゼノキも悠然として秋の装いに入り始めていました。
ここから暮れまでかけて、葉はゆっくり燃える赤色に変身し、実は薄茶色に成熟していくわけです。その微妙な変身具合には去年も注目しています。今年よりは10日あとの掲載であり、紅葉する箇所は微妙に増えていて、暦の進み具合としっかりシンクロしていることがわかると、なんだか妙にホッとした気分になります。

2010年のきょうギンドロ(ウラジロハコヤナギ)> 2009年のきょうチャノキ> 2008年のきょうマルバプルメリア(プルメリア)> 2007年のきょうアケボノソウ> 2006年のきょうゴンズイ> 2005年のきょうハゲイトウ> 2004年のきょうシュウメイギク

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