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6月30日(木) ネコノチチ

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猫の父ではなく、乳です。なにが乳かと言うと、盛夏のころから秋にかけて緑→黄→赤→黒と色を変えてゆく実の形が猫のオッパイの先みたいなのだそうで、どれどれ、いまから近所の野良のその部分をしっかり見ておこうなどと考えています。
その実の楽しみに加え、花も独特だし、特に蕾がお菓子っぽくて印象的です。この形からはアポロチョコを思い出すわけで、しかしそれだともっとそっくりなカルミアがあります。なので、ここは上品に、練り切りの和菓子と見たてておきましょう。

<補注> めでたく、「猫の乳」であることを確認できました。(2011年8月10日
<追録> 望遠300mm目一杯の高みで花が咲いている(↓)のを見つけました。目の位置での撮影(↑)はすでに済んでいるので、余裕で「ムード写真」に徹してみました。(撮影:2019年6月16日)
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2010年のきょうフタリシズカ> 2009年のきょうルリヂシャ(ボリジ)> 2008年のきょうモミジバゼラニウム> 2007年のきょうハマカンザシ> 2006年のきょうブーゲンビリア> 2005年のきょうセイヨウノコギリソウ> 2004年のきょうヒョウタン

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6月29日(水) ウリカエデ

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楓の仲間であることは赤く色づいた実の形(翼状)からわかるとして、それにしては葉の形が不思議なのです。もっとも、チドリノキとかメグスリノキとか、蛙手型ではないカエデの仲間はありますから、不思議がったらこの木に怒られます。
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本当に不思議なのは名前の方で、このウリカエデとは別にウリハダカエデがあることです。ここに掲げた(↑)のはウリカエデの木肌(瓜の皮のよう)です。しかし、たぶんウリハダカエデの写真を載せたところで、気づく人は少ないと思います。
どちらも木肌が名前の元だとして、ウリとウリハダ、なにが違って呼び分けをしたのだろうと気になります。ところが、気になるから二つを区別してしっかり覚えるという効果はあるようで、それが目的だったとしたら、先人の偉大さに脱帽です。

<補注1> 冬の雌株を収録しました。(2022年2月18日
<補注2> 雌雄両方の株で花を撮影しました。(2024年5月1日

2010年のきょうカワラナデシコ> 2009年のきょうイブキトラノオ> 2008年のきょうチガヤ> 2007年のきょうカラクサゲシ(チューリップポピー)> 2006年のきょうノカンゾウ> 2005年のきょうボケ> 2004年のきょうボタンクサギ

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6月28日(火) クサキョウチクトウ(オイランソウ)

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いまどきの花魁はすっかり洋風なんだなぁ、とあきれてしまいました。正式にはクサキョウチクトウでも、ふつうはこれ、オイランソウでしょう。
その通称は、見かけからではなくて、この花の白粉っぽい匂いからつけられたものだと言います。ただ、こんな当世ギャルのような姿では、匂いもどこかに吹き飛んで、もはや花魁のイメージは微塵もなくなってしまいます。
いっそ、学名のままにフロックス・パニキュラータ(注)としようかと思いはしても、頭がパニきゅりそうなのでやめておきます。

<補注1> 冬の姿はこちらです。(2019年1月13日)
<補注2> Phlox(フロックス属:ハナシノブ科=Polemoniaceae)の仲間で身近なものにシバザクラ(Phlox subulata)があります。

2010年のきょうカジノキ(雌株)> 2009年のきょうオオバオオヤマレンゲ> 2008年のきょうカタクリ> 2007年のきょうナツハゼ> 2006年のきょうノウゼンハレン(キンレンカ)> 2005年のきょうミズキ> 2004年のきょうイングリッシュラベンダー

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6月27日(月) シチダンカ

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前に取り上げたシチダンカは色がほぼなかったので、はかなげな薄紫の姿で再登場させました。アジサイというのは、たいがいの種類が豪華さを競う路線なので、これほどに侘び寂びに徹した姿には目を洗われる思いがします。
シチダンカである証明は、花房の中央にあるべき両性花が開花後に落ちてしまうことで、この花の装飾花の柄には茶色の痕跡が見えています。
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装飾花の作りがそっくりである「墨田の花火」(↑ ガクアジサイの園芸品種)を見ると、両性花はこれでもかというほどに密集しています。

2010年のきょうヒメコウゾ> 2009年のきょうムラサキセンダイハギ> 2008年のきょうウチワサボテン> 2007年のきょうクマツヅラ> 2006年のきょうカリフォルニアローズ> 2005年のきょうタイマツバナ> 2004年のきょうヤブカンゾウ

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6月26日(日) ウチワサボテン

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ようやく名前どおりに団扇(うちわ)らしいものを見つけました。前に「これじゃあ団扇じゃなくて杓文字(しゃもじ)だなぁ」と嘆いた株も、花はちょうどいまごろでした。
ウチワサボテンと総称するものの、いろいろなタイプがあるのだそうです。今回のタイプは、茎(団扇部分)が丸いわりに花びらの先が尖っています。前回のものは茎が細いわりには花が丸々と穏やかな形でした。「入れ違った方がイメージが統一されていいのにね」とささやいたら、サボテンに「大きなお世話」と言われました。

<補注1> 実の姿を収録しました。(2022年3月11日
<補注2> 実の実食試験ができました。(2022年9月6日

2010年のきょうイヌウメモドキ(雄株)> 2009年のきょうシコタンソウ> 2008年のきょうヒメカイウ> 2007年のきょうカクテル(つるバラ)> 2006年のきょうヤポンノキ> 2005年のきょうガクアジサイ> 2004年のきょうモッコク

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6月25日(土) モミジイチゴ

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たった1個の実を写して、なんとか肩の荷を降ろしたのが去年のいまごろでした。あれに比べれば、手前でボケているのも含めて一気に4個、しかも4個とも完品(去年の実はややほじくられた形跡あり)ですから「ヤッター!」です。
しかし、この実は本当に人気者で、帰りにここを通ったら、もうすでに「完売」状態でした。強欲な人間に見つかったのかしれなくても、雰囲気的にはどうも鳥さんの仕業に思えます。彼らの探索力と食欲さにはどうあがいても勝てませんから、見かけたらすぐお口に…というのがモミジイチゴとの正しい接し方かと思い始めました。

<追録> 古ぼけてきた脳味噌にも学習機能というのはまだ残っていて、山道で見かけたオレンジ色の実(↓)は速攻でお口に放り込みました。ジューシーです。というより、お汁が滴る感じです。甘さ控えめの上品味です。
ずいぶんと鳥密度の高い森のなかにもかかわらず、ヤツらを出し抜いた喜びも手伝い、モミジイチゴの実には100点満点をあげることにしました。(撮影:2016年6月2日)
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2010年のきょうウメモドキ(雄株)> 2009年のきょうナツユキカズラ> 2008年のきょうハナイカダ> 2007年のきょうイソトマ・アネチフォリア> 2006年のきょうベニバナ> 2005年のきょうシロミノコムラサキ> 2004年のきょうシロバナハマナス

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6月24日(金) ギシギシ

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もう少しいまどきの釣り人を写し込めばよかったと反省です。ただ、主役はあくまで土手のギシギシですから、気にしないことにしましょう。
草木の緑が深まるこの季節に、まるで大量の除草剤でも撒かれたかのように、野原に茶色が目立ちます。しかし、これはギシギシの完熟の姿であって、決して病気にかかったわけでも農薬のせいでもありません。
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草本にとっては、凍てつく冬が過ごしにくいのと同じで、酷暑の夏も鬼門ではあって、そんな厄介な期間は実(=種)というカプセルに命を閉じ込めてやり過ごそうとするのでしょう。さて今年の夏はどんな暑さになることやら、ギシギシのようにして夏をスルーできればいいのに…と思いたくなります。

2010年のきょうモミジイチゴ> 2009年のきょうレッドロビン> 2008年のきょうフタリシズカ> 2007年のきょうカイコウズ(アメリカデイゴ)> 2006年のきょうナンキンマメ(ラッカセイ)> 2005年のきょうセイヨウバクチノキ> 2004年のきょうムラサキツメクサ

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6月23日(木) ビワ

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ビワの実が緑・黄・橙のグラデーションに染まると、いかにも「夏が来たぞぉ~」という気分になります。それも、カラッと爽やか、気持ちのいい夏のイメージです。
実際のいまの季節は、そろそろ寝苦しくもなってきて、とてものこと「カラッと爽やか」ではありません。だからこそ、一服の清涼剤として、ビワの色合いは貴重です。
それほど好きなこの季節のビワの姿が、ここには初登場でした。ブログを始めた最初の年、寒さつのるころ(11月)に咲く花に気づき、つい面白がってそのあとも花ばかり(12月2月)載せてきました。
そしてあらためて考えてみたら、11月から2月まで、じつに長い間、ビワは花を咲かせ続けるのでした。その受粉時期の違いがこの素敵なグラデーションにつながっているはずで、過去のしつこい花追っかけも無駄ではなかったと自己満足です。

2010年のきょうネズミモチ> 2009年のきょうエーデルワイス> 2008年のきょうオオバナウツボグサ> 2007年のきょうホザキシモツケ> 2006年のきょうシュッコンカスミソウ> 2005年のきょうキョウチクトウ> 2004年のきょうヨウシュヤマゴボウ

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6月22日(水) スカシユリ

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百合のトップバッターとして、スカシユリがあちこちで咲き出しました。写真のものは、近所の人が食用として買った百合根を植えたら殖えたのだそうです。
その人に、「これってなんという百合?」と聞かれ、ちょっと困りました。ふつう、百合根として栽培するのはコオニユリ(やオニユリ)だと思っていたし、花びら同士の隙間がほとんどないので、その場でスカシユリとは断言しにくかったのです。
ところが、調べたらスカシユリも食用にするようだし、隙間の目立たない花も立派にスカシユリとして出回っています。なにせ、受け咲き(上向き咲き)はスカシユリの一大特徴だし、ほかの百合より早く咲くし、葉の表には艶があるし…ということで、育てているご本人と一緒に一件落着を喜び合いました。

<追録> この時期、いろいろな色のスカシユリを見かけます。(撮影:1・2枚目=2018年6月22日、3枚目=2022年6月19日)
Enji
Siropink
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<補注> 矮性・八重咲きの品種がありました。(2022年6月5日

2010年のきょうハグマノキ> 2009年のきょうシチダンカ> 2008年のきょうメグスリノキ> 2007年のきょうキキョウソウ> 2006年のきょうゴウダソウ> 2005年のきょうスカシユリ> 2004年のきょうヤマモモ

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6月21日(火) マルバチシャノキ

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実の色と形が面白かったので、花はいったいどんな素っ頓狂なものだろうと期待していたら、わりとオーソドックスで、ちょっと肩透かしを食いました。
ところが、撮った写真をじっくり見ていたら、個々の花には緑色の雌シベがあるものとそうではない(よく見えない)ものがあることに気づきました。あの豊かな実のつき具合からすると、トチノキのような雌雄混株というのではなく、雌シベがあとから発達する雄性先熟タイプなのかもしれません。
最初からここに問題意識(↓)を持っていれば、この木の上から下まで、仔細に花の具合を調べたものを…と悔やんだあとの祭り写真です。

<追録> 5年前の問題意識(マルバチシャノキは雄性先熟か?)は考え過ぎというか、的外れでした。咲き出しの時期に確認したら、雌シベも雄シベも同時に(↓)きれいに開いていました。(撮影:2016年5月22日)
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2010年のきょうルリミゾカクシ> 2009年のきょうコアジサイ> 2008年のきょうクリンソウ> 2007年のきょうイトバハルシャギク> 2006年のきょうツキヌキニンドウ> 2005年のきょうアンズ> 2004年のきょうハンゲショウ

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6月20日(月) カワラマツバ

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蜜を舐めている蟻と比べると、花の小ささがわかります。ただ、一つの花は小さくても、淡いクリーム色がこれだけ集まって開くと、かなりの賑やかさです。
アカネ科ヤエムグラ属であり、アカネとヤエムグラ、それぞれの感じを持っていて、なるほどとうなずいてしまいます。まず花びらを見ると、色だけでなく、反ったところもアカネとよく似ています(花弁数はこちらが4、アカネが5)。また、輪生する葉と四角い茎は、葉の細さを別にすればヤエムグラを彷彿とさせます。
そのアカネやヤエムグラよりはやや湿気の多い場所(土手下や畦)が好きそうとは言え、名前のような河原(の水際・注)ではまだ見たことがありません。

<補注> 後年、河原ではなく、海岸で見ることができました。(2015年9月9日

2010年のきょうヤブムラサキ> 2009年のきょうウズアジサイ> 2008年のきょうササユリ> 2007年のきょうクロバナフウロ> 2006年のきょうマリアアザミ> 2005年のきょうムラサキシキブ> 2004年のきょうアガパンサス

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番外編 : 続・梅雨時のヒラヒラ(&ブンブン)もの

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翅を広げても3cmくらいしかない小型のヒラヒラさんです。白いカワラナデシコが珍しくて写そうとしたら、「私も入れてよ」みたいな顔で蕾にとまりました。
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これも1枚目と同じ種類だと思います。蜜や花粉には飽きたのか、ギシギシの葉の上で微睡(まどろ)んでいるようでした。
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たぶん、このオレンジ色も同じ蝶です。休耕田に咲いたイヌゴマの花に熱心に絡みついていました。自分よりふた周りも大きな白い蝶が乱入してきても、我関せずです。
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蜂さんも、梅雨の合間に大わらわです。最近は蜜蜂が足りなくて受粉がうまく進まない果樹があると聞きます。こんなところでサンゴジュなんかにかまっていないで、君もどこかの果樹園に行ったらどう?
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蜜蜂が足りないならボクも手伝おうかな…と言われても、アシナガくんはちょっと危なっかしくて嫌われるでしょうね。君はオカトラノオと遊んでいてくれていいですよ!
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そのアシナガよりも一層剣呑な姿の蜂がいました。お腹がやたら長くて、身長(?)は3cmくらいありそうです。そのお腹で締め上げられたブルーサルビアの花が、「く・苦しい~ッ」と迷惑そうでした。

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6月19日(日) ナナミノキ(雌株)

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雌花の撮影だけではなく、雄花(雄株)の発見も狙っていたので、うれしさ半分、がっかり半分の1枚です。雌株は冬の派手な姿があるのでマークしやすいのに、その手がきかない雄株を探すのはなかなかに厄介です。
草木の花粉はいったいどのくらいの距離を飛ぶものか、知りたくなります。その距離がわかれば、それを半径にした範囲で雌株の周りを探せばいい話になります。しかし、目に見えない花粉のことだし、たぶんとんでもなく難儀なことになるのでしょう。
ということで、今年は雌花の撮影だけに終わりそうです。花びらの数は違っていても、仲間のクロガネモチ(花びら6枚)と似た感じの花でした。

<補注> 調べたら、スギの花粉で10km以上飛散するという記述を見つけました。上記のワタシの目論見はあえなく雲散霧消です。(2016年6月)

2010年のきょうキョウガノコ> 2009年のきょうエゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー)> 2008年のきょうミヤマウグイスカグラ> 2007年のきょうイチヤクソウ> 2006年のきょうサクラ(染井吉野)> 2005年のきょうコムラサキ> 2004年のきょうコムラサキ

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6月18日(土) ハナショウブ(沖津白波)

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花菖蒲の写真を載せようとしたら、派手なものが多くて目移りするばかりで、巡り巡ってこんなシンプルなものを選んでしまいました。
さてこの花のこと、ふつうはショウブと言うし、たくさん植えて見せ物にしているところは「菖蒲」園を名乗ります。しかし、植物的にショウブと言えば、それには花びらなどありません。ショウブとは、あの菖蒲湯に入れる葉をとる種類です。
もしかして二つをマゼコゼに考えている人がいて、花菖蒲の葉をお風呂に入れて「ぜんぜん匂わん!」なんて文句を言わないだろうか…と気になります。

<補注1> あっさりした白の次に取り上げた花菖蒲は濃厚な紫色(銘・濡烏)でした。(2019年6月24日
その濡烏を掲載するにあたっての調べで、こちらの白い花菖蒲の名前がわかったので、タイトルに追加しておきます。濡烏と同じく江戸系で、こちらは六英タイプでした。
<補注2> ハナショウブの芽吹きの様子を載せました。(2020年3月18日

2010年のきょうテイカカズラ> 2009年のきょうニオイロウバイ> 2008年のきょうイワタバコ> 2007年のきょうゼンテイカ(ニッコウキスゲ)> 2006年のきょうベニバナ> 2005年のきょうマツバギク> 2004年のきょうサルスベリ

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6月17日(金) ラベンダー・デンタータ

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イングリッシュラベンダーとかフレンチラベンダー、あるいはレースラベンダーあたりまでは「ラベンダー」の頭に冠が載っても違和感がないのに、このデンタータあたりになると、「デンタータラベンダー」とは呼びにくい(注)気がします。
自分だと「ラベンダーでね、デンタータだけど…」みたいな言い方をしそうです。おそらく、ちょっとマイナーな種類だという意識も手伝っているはずです。
ちなみにデンタータラベンダーでググると10,800件のヒット、対してデンタータ&ラベンダーだと15,500件で、上記の感覚はどうやら多数派のようです。
名前どおり、歯のような形の葉がキモカワ感覚です。そして左の花にはバッタ・デンタータ(笑)がいました。保護色&保護形で完璧に隠れている…つもりでしょうか。

<補注> 標準和名はさらに呼びにくく、キレハラベンダーです。

2010年のきょうヒメジョオン> 2009年のきょうギンバイカ> 2008年のきょうアゼナルコ> 2007年のきょうワラビ> 2006年のきょうローズゼラニウム> 2005年のきょうカツラ> 2004年のきょうシロタエギク

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6月16日(木) ナデシコ・ソーティ(黒花ナデシコ)

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花の芯にうっすらピンクを残すものの、ここまで深い赤は見応えがあります。ナデシコにもこんな色めがあるのかとうれしくなって調べたら、あれあれ、単にナデシコという植物は存在しないことがわかりました。
となると、「なでしこジャパン」のナデシコはいったいどんなナデシコか不明でも、ふつうにナデシコと言えばカワラナデシコのことになります。したがって、迫力ある色めのこの花はナデシコ・ソーティとかダイアンサス・ソーティ、あるいは黒花ナデシコと呼んであげなくてはならないのでした。

さて、ソーティってしょっぱいってこと? と思ったら、綴りはSootyです。これじゃ、「スーティ」でしょう(学名ではないので、ふつうに英語読み)し、こんな単語があるのだろうかと調べたら、ふーん、「煤けた」「煤だらけ」という意味でした。なんだか酷い形容なので、自分的には黒花ナデシコを支持しておきます。

<補注> このナデシコはアメリカナデシコの園芸種です。

2010年のきょうイボタノキ> 2009年のきょうバイカウツギ> 2008年のきょうサンショウバラ> 2007年のきょうフウリンソウ(カンパニュラ・メディウム)> 2006年のきょうハタザオギキョウ> 2005年のきょうバショウ> 2004年のきょうオシロイバナ

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6月15日(水) ノグルミ

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まだ雄花が開ききってはいなくても、2年前に「来年は花を撮る」と言いつつ、去年はうっかり忘れてしまったので、取りあえず載せておきます。
花(緑の柱)の中央で1本だけやや太めなのが雌花、周りにあるたくさんの紐状(これがホントのヒモ?)のものが雄花です。もう少しすると雄花の葯が開いて、黄色い紐になるはずです。
去年の実がまだしっかり残っています。右の枝のように、去年の実の先に新しい実をつけようとするものもあれば、左の実のようにそれで打ち止めという枝もあります。やたらどんどんのびて自滅してしまわないような自己統制のしくみかな、と眺めました。

<追録> 雄花の開き方に幅があることを見つけました。
写真(↓)で、もう花粉を撒き散らしきった感のある雄花はそれぞれ単独で枝からのびていたのに対し、若い雌花(白丸でマーク)を囲む形で同じ短枝から出た雄花(矢印マーク)の開花はまだ先の状態です。(2016年5月29日)
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2010年のきょうニゲラ> 2009年のきょうヤマブキショウマ> 2008年のきょうベニバナイチヤクソウ> 2007年のきょうムラサキウマゴヤシ> 2006年のきょうオオアメリカキササゲ(ハナキササゲ)> 2005年のきょうシャクヤク> 2004年のきょうハキダメギク

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6月14日(火) ラムズイヤー(ワタチョロギ)

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花をとるか葉をとるか、ふつうの草木ならもう少し待って蕾が咲きそろったところを写すのでしょうに、ラムズイヤーの場合は葉のコンディション優先です。
前に登場させたときは、取りあえず「見つけた! 載せた!」というだけで、その葉からヒツジさんの耳を連想するのはとても苦しい状態でした。今度は形も色合いもかなりイケテルのではないかと自画自賛です。
しかしカタカナというのは便利です。もしこれが「羊の耳草」なんて名だったら、身も蓋もありません。トワイライトスティとかアクションプログラムとか、あふれるお馬鹿カタカナに渋面だったのに、ラムズイヤー(注1)だけは例外といたしましょう。

<補注1> ラムズイヤーの標準和名はワタチョロギでした。(2013年2月16日
<補注2> 毛足が長い状態を取り上げました。(2021年6月4日

2010年のきょうヤマグワ> 2009年のきょうジョウリョクヤマボウシ> 2008年のきょうムクノキ> 2007年のきょうナンテンハギ> 2006年のきょうヤエドクダミ> 2005年のきょうブナ> 2004年のきょうガクアジサイ

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6月13日(月) アカモノ

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4~500m以上の山で見かけます。花は小指の先くらいだし、全体の丈は足首あたりと小柄です。そのわりにとても目立つのは、緑・白・赤の配色が愛らしくて、それなのに花茎や萼はとても毛深いというアンバランス加減のおかげです。
いままで何度か撮影したなかでは一番美人に撮れました。どうもこのアカモノと会うときは曇天が多くて、勝手に木陰の植物みたいに思い込んでいました。
今回は薄陽ながらもいい光線があり、あらためて空を見上げたら、まるっきりの青天井でした。つまり、山とは言っても鬱蒼とした森や林ではなく、岩場や切り通しのような痩せ地で陽光燦々という環境が好みらしいのです。このあとできる赤い実は、明るく輝くところを撮りたいものです。

<追録> 一発勝負の遠征撮影なので、せっかくたくさんついた実もややくすんで写ってしまいました。(撮影:2013年7月11日)
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<補注> アカモノと対にしてシロモノと呼ばれることもあるシラタマノキを収録しました。(2020年8月22日
なお、同属の洋ものにはチェッカーベリーシンジュノキがあります。

2010年のきょうアオテンマ> 2009年のきょうベニヤマボウシ> 2008年のきょうニワトコ> 2007年のきょうナヨクサフジ> 2006年のきょうカシワバアジサイ> 2005年のきょうウメモドキ> 2004年のきょうムクゲ

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番外編 : 梅雨時のヒラヒラもの

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動かない草木にさえ難儀しているのに、蝶たちの気ぜわしさには閉口します。それでもテキトーにシャッターを押していればなんとかなるからありがたいことです。
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一番目の蝶に突っかかるように飛んでいたので、もしかしたら同じ蝶の雄ではないかと思いました。一瞬たりとも静止してくれないので、写っていたのが不思議です。
(1・2枚目の花はノアザミです)
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この蝶は木立のなかを悠然と昇降していました。エノキの葉にご執心だったので、それが調べる手がかりかと思ったら、エノキを好む蝶は多いのだそうです。がっくり!

<追録> これらの蝶は、上からナミアゲハ、キアゲハ、アカボシゴマダラです。また、あとでキアゲハの子供を収録しました。(2017年6月9日

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6月12日(日) アリウム・ギガンテウム

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どうしてそう覚え込んでしまったものか、きょうこれを掲載するために調べ直すまで、ギガン「ジ」ウムと思っていました。ところが学名はAllium giganteumであり、「ジ」と思っていた部分(te)はどうあがいてもそう読めません。
学名はローマ字読みという慣例に従えば、ギガンテウムが正解です。ギガン「チ」ウムと呼ぶ人もあって、こうしてテ・チ・ジと並べてみると、発音しているうちにだんだんとテからジに変化したのではないか、などという憶測が生まれます。
なにはともあれ、自分としては記憶をギガンテウムで塗り直すことにします。(仲間のアリウム・シュベルティの記事でもこれを「ジ」としていました)

…という辛気くさいことで、いつもの字数が消費されてしまい、せっかくの花を褒めそやす余裕がなくなりました。1mほどの茎のテッペンに10cmもある花はじつに豪華です。もっとも、球根1個のお値段もじつに豪華(600円程度)ではあります。
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ただ、蕾の時点(半月ほど前)では葱坊主とほとんど変わらない姿でした。ネギがAllium fistulosum、アサツキがAllium schoenoprasum var. foliosum、ノビルだってAllium grayiなのですから、ウチの花壇はこれらの「アリウム」で間に合わせておきます。

<補注> 標準和名はオオハナニラと味気ないものなので、タイトルには出さないでおきます。

2010年のきょうオオテンニンギク> 2009年のきょうニワナナカマド(チンシバイ)> 2008年のきょうシナノキ> 2007年のきょうオオマツヨイグサ> 2006年のきょうムシトリナデシコ> 2005年のきょうクリ> 2004年のきょうクチナシ

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6月11日(土) レンゲツツジ

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話的にはおとといの続きであるものの、順序的にはこちらが先になるべきでした。レンゲツツジの標準バージョンです。
花一房のこんもりした感じが「れんげ(ハスの花)のごとし」と古書にあるそうです。あるいは、蕾のとき(↓)はその塊が蓮華座(仏様が座る台)に見えるので、信仰心の篤かった時代ならその方が自然な発想に思えます。
色も形も、山のなかの花としてはとても豪華です。同じ環境に咲く同色のツツジにヤマツツジがあっても、花のつき方がまるで違うので、見分けには迷いません。

<追録> レンゲツツジが開花まであと一歩で、つまり本文に述べた蕾状態=蓮華座説を見ることができました。(撮影:2024年4月17日)
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2010年のきょうウメガサソウ> 2009年のきょうナンテン> 2008年のきょうマグワ> 2007年のきょうキンギンボク(ヒョウタンボク)> 2006年のきょうホオズキ> 2005年のきょうハアザミ(アカンサス)> 2004年のきょうナツツバキ

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6月10日(金) キショウブ

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見分けにくい面々の多いアヤメ科アヤメ属のなかにあって、これだけわかりやすいものはないだろうという黄色一色の花です。
水辺が好きで、自分より背の高いアシに囲まれても負けずに育っていました。性質がこれだけ強い帰化植物のため、いまではかなり危険視されています。
写真ではアシの葉と紛らわしくても、根もとから立ち上がって先の尖った葉がキショウブのものです。花よりもやや高い位置までのび、葉の中央にはハッキリとした脈が走るのが特徴です。 <過去掲載では特徴がわかりにくかったので再掲>

<補注> このキショウブを交配親にしたキハナショウブという存在を知りました。(2020年6月24日

2010年のきょうアカショウマ> 2009年のきょうハタザクラ> 2008年のきょうラミウム・マクラツム> 2007年のきょうオニノヤガラ> 2006年のきょうヨーロッパブドウ> 2005年のきょうシャグマユリ> 2004年のきょうタイサンボク

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6月9日(木) キレンゲツツジ

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キャベツとブロッコリーとハボタンを区別して呼ぶ(注)のなら、このツツジもちゃんとキレンゲツツジと呼んでやろうと思うのです。
やや唐突な切り出しながら、話は変種(variety)・品種(form)をどう扱うかという問題です。過去に花色がピンクの山法師を取り上げたとき、一度は「ヤマボウシでいいや」としながら、あとで「やっぱり別物にしよう」と思い直した経緯がありました。ちなみに、このツツジは学名としてはふつうのレンゲツツジ(花がオレンジ色)の「品種」扱いです。
じつは遡ること30数年、初めての孫を得た父が、公園に記念植樹したのがこのツツジでした。その父はこれをキレンゲツツジと呼んでいたか、ただレンゲツツジと呼んでいたか、いまとなっては確かめる術もありません。たまには線香をあげながら、「キレンゲだよね」と念を押しておくことにします。

<補注> キャベツ、ブロッコリー、ハボタンは非常に近い関係(ほかにブロッコリーや芽キャベツも)で、すべてBrassica oleracea(ヤセイカンラン=キャベツの原種:未収録)の変種(↓)です。したがって、変種や品種についてはキャベツとブロッコリーを呼び分けるのと同じように個別名称を使うべきと思います。
キャベツ : Brassica oleracea var. capitata
ブロッコリー : Brassica oleracea var. italica
ハボタン : Brassica oleracea var. acephala f. tricolor

2010年のきょうナルコユリ> 2009年のきょうニワウルシ(雄株)> 2008年のきょうコアジサイ> 2007年のきょうノリウツギ> 2006年のきょうヨウシュイボタ> 2005年のきょうサルビア・グアラニチカ> 2004年のきょうネムノキ

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6月8日(水) ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)

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このようなアヤメの仲間を写すときは、大切な見分け情報になる葉の様子を入れることが必須条件です。ところがこの色、そんな掟など無視したくなるほどの迫力でした。
白・青紫・オレンジ・黄やそれらのツートンカラーなど、花色はじつに多彩なジャーマンアイリス(注1)ながらも、この紫の前ではみんな色褪せてしまいそうです。

<補注1> 標準和名はドイツアヤメです。
<補注2> 冬咲きのジャーマンアイリスがありました。(2019年12月21日

2010年のきょうカナウツギ> 2009年のきょうギンリョウソウ> 2008年のきょうアケボノフウロ> 2007年のきょうシロバナヤエウツギ> 2006年のきょうウラジロチチコグサ> 2005年のきょうモミジルコウ(ハゴロモルコウソウ)> 2004年のきょうナンキンハゼ

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6月7日(火) ナナカマド

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とっくに載せたと思っていたのに、ナナカマドは実が色づいた秋の姿を一度ここに出したきりで、花は初めてでした。これは先月下旬の撮影です。ほかのものに取り紛れて、あやうく出し損なってしまうところでした。
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満開(1枚目写真)の花はふんわりした白で、まるで木が綿を噴き出しているみたいでした。ところがナナカマドの花は足が速く、2枚目の写真のように、花台や葯がすぐにこうして色づいてしまいます。これはこれで賑やかできれいではあっても、真っ白く豪華に開いたシーンは、一瞬の美という意味での贅沢さがあります。
「増補版」には蕾が開きかけた時期の写真があって、開花の初期が純白であることを証明しています。

<補注> 本場・北海道の紅葉を収録しました。(2022年10月31日

2010年のきょうネジキ> 2009年のきょうナガバオモダカ> 2008年のきょうマルバストラム> 2007年のきょうウツギ・マギシエン> 2006年のきょうタケニグサ> 2005年のきょうヒメシャラ> 2004年のきょうオオカナダモ

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6月6日(月) サイハイラン

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会心の一枚です。いや、フラッシュ使用のこんな凡庸な写真がうれしいのではなく、舞い上がっているのはこの花が咲くここに辿り着いた経緯なのです。
この山にサイハイランが咲くと人づてに聞いたものの、時期も場所もかなり大雑把な情報でした。そこで、時期はいま、場所はここ、と自分なりに当て込んだ予想がズバリ的中したのです。見つけたときは、思わず「いた~ァ」と声を出してしまいました。
思ったとおりの暗がりに咲き、はっきり言えばかなり地味な風体ですから、フラッシュなしではなんとも見栄えがしません。次の課題は、わずかでも木漏れ陽が射す場所でこれを見つけ、自然光で、一つの花にグッと接近してみることとしておきます。

<追録> 後年、このよう(↓)にかなり日射条件のいい場所で、蕾があがってきたサイハイランに出会いました。しかし、残念ながらこのあとにここを再訪することができませんでした。(撮影:2018年5月4日)
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2010年のきょうウスベニアオイ> 2009年のきょうナギ(雌株)> 2008年のきょうマルバダケブキ> 2007年のきょうシロバナサギゴケ(サギゴケ)> 2006年のきょうシモツケ> 2005年のきょうホタルブクロ> 2004年のきょうサンゴジュ

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6月5日(日) スダジイ

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大きなスダジイが満開になると、木全体が黄色になってみごとです。その分、ムッとする香りも全開で、あれが苦手な人は「よりもヒドイ」と近づきたがりません。
「そんなにヒドイかなあ」と鈍感なワタシは、遠目では存在がわかりにくい雌花が写るところまでウンと近寄ってみました。黄色い穂状の雄花とは別に、姿は地味でも、たくさんの子房を並べた雌花の穂が空に向かってのびています。
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そう言えば、スダジイの実はおいしいだけでなく、こうして一つの穂にたくさん並んで稔るのも、ほかのドングリとは違う特徴でした。ツノのような雌シベの先が茶色くなると受粉完了のようです。
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ついでに雄花にも迫っておきましょう。脇に写っているのが今年の若葉です。古いと葉裏が茶(金)色になるのに対し、まだ若々しくて、白(銀)く輝いています。

<補注> スダジイと同じシイノキの仲間であるツブラジイも、完熟前のドングリと花どき写真を掲載しました。(2017年9月8日)

2010年のきょうフレンチラベンダー> 2009年のきょうイヌビワ> 2008年のきょうノハラワスレナグサ> 2007年のきょうセイヨウムラサキ> 2006年のきょうカラタネオガタマ> 2005年のきょうスイセンノウ> 2004年のきょうナツシロギク

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6月4日(土) ハルザキヤマガラシ

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ウチの近辺(埼玉南部)ではまるで見かけず、東北地方に足を踏み入れたらやたらに目立ちました。土手も畦も野原も、この花で真っ黄色です。
分布的には「全国区」だそうで、ほかの作物に紛れて国外から移入したと言いますから、埼玉にももちろん咲いているはずです。一見、アブラナとかカラシナを思わせるので、地元では単に見過ごしてきただけだと思います。
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それがちょっと違った土地に行くと、見るもの・聞くこと、みな新鮮で、見慣れた黄色にも目ざとくなるのだから、勝手なものです。
そんな目でよく見たら、個々の花のサイズがアブラナやカラシナの半分くらいでした。葉表にはやや艶があります。似たものには在来のヤマガラシがあって、そちらの方はハルザキより見かけにくいようです。

2010年のきょうニワウルシ> 2009年のきょうヤマアジサイ> 2008年のきょうニンジン> 2007年のきょうムギワラギク> 2006年のきょうイイギリ> 2005年のきょうサルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)> 2004年のきょうアメリカノウゼンカズラ

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6月3日(金) ニシキウツギとハコネウツギ

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ニシキウツギ(上の写真)とハコネウツギ(下の写真)、見分けが紛らわしいんだよね…と、何年も放り出したままでした。それが今年は両方の写真をしみじみ見比べ、まるで受験時代のようなこじつけ暗記法を編み出しました。
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♪箱根の山は天下の険==だからハコネの花筒は「急」に膨らみます。片やニシキウツギはと見ると、膨らみ方は天下の険とは比較にならない緩やかさです。
そんな基準に照らすと、ずっと前、単に「ウツギ」として載せていた2枚の写真(2004年5月8日5月25日)はどちらもハコネでよかったようです。したがって、きょうのタイトルは、ここに初登場となるニシキウツギをハコネより前に並べました。

2010年のきょうブラシノキ> 2009年のきょうクリ(雌花)> 2008年のきょうセンダイハギ> 2007年のきょうタチバナ> 2006年のきょうシロバナシラン> 2005年のきょうハナザクロ> 2004年のきょうカリフォルニアポピー

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6月2日(木) ツクバネソウ

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昨晩のペルー戦(サッカー・キリン杯)を見ていたら、10日ほど前に撮ったこの花を思い出しました。「行くわよぉ」「そぉ~れ」、正月の羽子板遊びです。サッカーってゴールを狙ってナンボでしょうに、パスの回し合いを90分見るのはツライものでした。
おかげで、お蔵入りになりそうだったツクバネソウが日の目をみました。この花が秋に黒紫色の丸い実になると、衝羽根そっくりになるのだそうです。
見かけた最初は、エンレイソウの葉が4枚に変異しているのかと疑いました。しかし、それにしては葉に艶がなく、なんと言っても花びら(緑色)と雌シベの数が4、雄シベも8、つまりすべて4の倍数なので、これはまさしくツクバネソウと判明しました。

<追録> 開花(上の写真の撮影:5月26日・山形)から20日ほどあとの状態を見ました(↓撮影:2017年6月17日・都下)。花びらが水平になってしまい、衝羽根のイメージがいったん薄まっています。
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2010年のきょうモモイロタンポポ> 2009年のきょうワニグチソウ> 2008年のきょうセッコク> 2007年のきょうソヨゴ> 2006年のきょうオリーブ> 2005年のきょうヤマモモソウ(ハクチョウソウ、ガウラ)> 2004年のきょうユリノキ

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6月1日(水) アズキナシ

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念願の「華々しいお付き合い」がようやく叶いました。前の年の枯れ残った実しか写せなかったアズキナシと、初めて花の時期にご面会です。
ただ、いつかあとでこの写真を自分で見たとき、「ゲッ、ウラジロノキと間違えたか!?」とあわてそうで不安です。実物を見れば、葉に毛のあるなしでずいぶんと雰囲気が違っていてわかりやすくても、こんな1枚の写真にそんな「一目瞭然さ」を盛り込めるようになるには、あと何万回シャッターを押せばいいやら…。
言い訳ついでにもうひとつ、アズキナシと言えばハカリノメという面白い別名が有名なのに、その「秤の目」は若木の樹皮の特徴(注)だそうで、この木はちょっと大きすぎ、幹(背景の黒い部分)にも枝にもその皮目が見られませんでした。
別名と言えばもうひとつ、この木はカタスギとも呼ばれるそうです。漢字だと「堅杉」のようで、広葉樹を針葉樹に見立てるとはどういうことか不思議に思いました。調べると、どうも木工材としての呼び名のようで、その名に納得するかどうかは、この木に何度か刃を入れてみなければわからないこととあきらめます。

<補注> 上の開花写真は仙台での撮影のため、時期が遅めです。地元・埼玉南部での開花はほぼ1カ月早めでした。また、上の本文中に記した「秤の目」はこの地元の木で見ることができました。(2014年4月30日

2010年のきょうシライトソウ> 2009年のきょうナツハゼ> 2008年のきょうギンリョウソウ> 2007年のきょうムシトリナデシコ> 2006年のきょうユスラウメ> 2005年のきょうカルミア> 2004年のきょうソメイヨシノ

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