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2月28日(月) オニシバリ

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萼筒が長くて葯の黄色が目立つ花もあれば、やや寸詰まりの体型で葯が白っぽい花も同じ枝についています。「はっきりしない雌雄異株」だそうで、夏になってこの木に赤い実がつけば雌株(注)、つかなければ雄株だと思うことにします。
仲間のナニワズよりは、花の色と付き方がやや地味です。6年前には恐れ気もなく「オニシバリの花は葉腋の下側につき、ナニワズは上に向く」などと偉そうに書いたものの、シミジミと草木の怖さを感じるいまならば、「オニシバリの花は横向きや下に向くものが多い」としたいところです。
ところでこのオニシバリ、別名が夏坊主です。秋に葉が出てきて、実がつく次の夏には葉がない(坊主)という意味で、落葉イコール冬枯れではない好例です。

<補注> 5月下旬、上の写真とは別の場所で、真っ赤な実をつけたオニシバリの木を見つけました。(2018年5月29日

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2月27日(日) キョウチクトウ

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キョウチクトウの苗が勝手に芽吹いているのを見たことがないので、種の繁殖力は弱いようです。緑色だった莢が割れて、綿毛が見えています。手が届かないところにしか実がなかったので、発芽実験は残念ながらあきらめました。
しかし、キョウチクトウの種が綿毛で飛行するタイプとは想像がつきませんでした。これじゃあガガイモフウセントウワタとお友達だ…と思って調べたら、分類体系によってはガガイモ科はキョウチクトウ科に含めるのだそうです。なんと、キョウチクトウの方が綿毛飛行方式の本家筋ということになります。
ついでにキョウチクトウ科の仲間(本来のキョウチクトウ科)を調べたら、「ああそうか」の連続でした。なんと、なかにはホントに「アアソウカイ」という名の植物がありました。マダガスカルの産で、ちょっと珍品らしく、未遭遇(注1)です。

<補注1> じつに運の良いことに、この記事の9カ月後にアアソウカイの実物を見ることができました。(2011年11月18日
<補注2> 上の写真には面白い秘密が隠れていました。(2022年4月17日

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2月26日(土) ラクウショウ(ヌマスギ)

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去年の春はメタセコイアを追いかけ、雄花だけであきらめずに雌花もどうにか写すことができました。そこで今年はラクウショウも雌花をとらえたいと狙っています。
しかし、メタセコイアもラクウショウも巨大なので困ります。はるか上空で揺れている緑の筋子は未開花の雄花です。メタセコイアのそれと、わりと似た感じです。
で、問題の雌花です。「かな~?」と思う部分に白丸をつけました。位置的に雌花の蕾らしくも思えるし、ただの葉芽でがっかりするのかもしれません。メタセコイアよりは花の時期が少しだけ早いはずなので、いまからしばらくは目が離せません。
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おっと、スジコとシャボン玉の絵だけでは寂しいので、中国は桂林の観光写真…に見えないかなァ~と加工してみました。ラクウショウ(注2)の気根です。

<補注1> このあとの雌花・雄花の様子は4月20日に「追加編」として載せました。
<補注2> ラクウショウの標準和名はヌマスギです。

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2月25日(金) エンジュ

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おやまあ、枝にドライフルーツが…とまでは思わなくても、あのかわいいプクプク豆がこんな季節まで枝に残っているのが今年は目につきます。
この実は人間には有害だというので、いくら姿がかわいくても自分の口には入れません。対して悪食のヒヨドリはけっこう真剣に啄んでいたはずです。ところが、写真の木以外にももっと賑やかに乾燥豆をぶら下げている木がありました。
タチバナ(19日)・クコ(22日)に続いて、どうも今シーズンは鳥さんの贅沢生活批判が続きます。人間さまが不景気にあえいでいるのに、まったく許せない奴らです。

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2月24日(木) ヒオウギ

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写真のタテヨコを間違えた…のではなく、茎が寝そべってしまった射干玉です。横には直立のままの株もまだあったものの、いずれ倒れることでしょう。
緑色に膨らんだ莢が割れてからすでに5カ月は経っています。途中の様子はいままでに何度かここに載せているのに、どの時期を見比べても、射干玉(ぬばたま)の数はどうもだれかに食べられたようには減っていません。
種は鳥や獣に運んでもらうものとばかり思っていると、こうやって自分の背丈の範囲に尺取り虫方式で広がっていく(カタクリも似た方式)種類もあるようです。こんな、他人に頼らない自立心の強いタイプのなかには、自分で種を飛ばす仕掛けを持つものもあるのに、ヒオウギにはそういう飛び道具もありません。最後に倒れることが自立の証とは、なんだか禅問答のようで、つい漆黒の実に見入ってしまいます。

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2月23日(水) ハイネズ

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ふつうは大きな木であるネズミサシが匍匐性に変わってしまったもので、膝丈ほどに低くまとまります。葉先が有刺鉄線にも負けない痛さなので、公園などで不心得者の進入を防止したい場所によく植えられています。
そんな身近な木なのに、きおねこさんに写真を見せてもらうまで、実がつくことに気づかないでいました。「どれどれ」と出かけてみたら、ホントに鈴なりでした。もっとも、雌雄異株ですから、一本だけの場所だと空振りの危険はあります。
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花は4月に咲くそうだし、この実は黒紫色まで変化するというし、いままでやや無視しがちだったハイネズにも、これからはもう少し温かな視線を注ぐことにします。

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番外編 : メジロが笑い、寒桜が泣く

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ふつうの人よりは草木にカメラを向けている時間が長いわけで、たまにはこういう幸運が訪れます。要はこんなシーンに出遭う確率の問題です。
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そんなラッキーの余韻にひたりながら乗った電車で、トンデモナイ吊り広告を見つけました(車内での撮影は憚られたので、上の写真はHPから転載)。
18本を3.3倍すれば、およそ60本です。「10口以上」には100枚とか1,000枚の大口購入も含まれます。つまり、購入口数による当選確率にはほとんど有意差がないのでは?
ほかにも当たりやすい「曜日=土曜」とか「年齢=30代」(写真右端)とかあって、それって母数を伏せたままではまったく意味のない(そもそも土曜に買う人が多いとか、30代が購入層のトップとか)データです。
こんなお馬鹿な宣伝が堂々と流れるなんて、これも政治のせいではあるまいか。ついにメジロに笑われ、寒桜には泣かれる…そんな低脳日本になってしまったようです。

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2月22日(火) クコ

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いまどきの鳥さんたちの贅沢さについては、先日、タチバナのところでも嘆いたばかりです。薬膳素材の定番として人間さまが大事にしているクコも、鳥さんにかかればこのとおり、干からびて種が飛び出すまで完璧に無視されるのでした。
そういえば、かつてこれを収穫して、自分で天日干しを試みたことがありました。そもそも市販品とは品種が違うのか、自家製は粒が小さめではあっても、味はけっこうしっかりしていたものです。鳥さんのために…なんて残してあげないで、これからは道端にクコの実を見つけたら、すべて口かポケットか、どちらかに入れることにします。

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2月21日(月) キツネノカミソリ

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きのうの姫さまのように綱渡りで冬をやり過ごす葉もあれば、大地を温(ぬる)ます春の息吹をとらえてから、「さあ出番!」と芽吹くこんな葉もあります。
さてもこの葉が狐さん用の剃刀に見えるのはこの時期だけで、すぐに先端は尖り、葉質は薄くなって、あまり特徴のない姿に変わってしまいます。さらに、花が咲く盛夏となればこの葉は消え失せてしまい、花と葉を一緒に見ることは叶わぬ夢なのです。
仲間の彼岸花も似たようなしくみで、「葉知らず花知らず」などという悲しくも風流な別名を持っています。ところが、こちらキツネノカミソリの場合はせいぜいドクバナと蔑まれるくらいで、ヒネリのきいた別名はどうも見当たりません。
あの炎暑のなかで蚊の羽音に怯えながら花を愛で、いまだ寒さ去らぬなかでこうして若葉を慈しむ…なかなかに数寄者好みの野草だとは思うのに、名前がいかにも直球なのです。あ、そうか、剃刀をあてるときにヒネったりしたら危ないですもんね。

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2月20日(日) ヒメムカシヨモギ

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どうやら冬を乗り越えて、「さあこれから背のびだぞぉ」と言っているヒメムカシヨモギの根生葉です。発芽するなら春を待てばいいものを、わざわざ秋に芽生えてしまうものだから、こうして地べたに貼りついて寒さを凌がなければなりません。
根生葉のタイプには、暖かくなってもずっとそのままの一生這い蹲り型(タンポポオオバコ)と、この姫さまのような越冬堪え忍び型があります。この二つのうち、一生型の方は踏みつけや刈り取りに耐えて自分の生命と生活の場を確保しようという姿勢で、その健気さにそっと涙をぬぐってしまうのです。
それに比べ、越冬型の根性にはちょっとムカつきます。他人が寝ているうちに準備万端整えておき、あとの競争でみんなを出し抜く作戦ですから…。いやいや、この利口さは見習わなくてはいけません。先んずれば人を制す=黄金原則です。

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2月19日(土) タチバナ

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空の色とのコントラストに見惚れて撮ったのはいいとして、他人の目で見直してみたら実の寸法(葉も)がさっぱりわかりません。ここでちゃんと反省すればいいのに、以前の記事(寸法説明あり)にリンクさせてごまかすからかわいくありません(笑)。
ただ、かわいくないのはこの辺の鳥さんも一緒で、食べごろの実をこんなに放置するとはけしからん限りです。生意気にも、この枝の下には食べかけの実を残していて、いかにも「こんな酸っぱいもの、いらんわ」という様子です。鳥も食べてくれないなんて、タチバナの立場ないじゃないか…実の酸っぱさでギャグも痺れてしまいました。

<補注1> 花の姿はこちらです。
<補注2> 3年後、ちょっとお味のよろしいタチバナに会いました。(2014年1月30日

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2月18日(金) ニワウルシ(シンジュ)

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先日の大雪(笑)で、枯れ木も雪化粧…ではなくて、ニワウルシの種がまだ吹き飛ばされずにこんなに残っていました。暮れには、もう枝がずいぶん寂しくなった木(きょうのものとは別の場所)を載せていて、種の飛び散り方も木によりけりでした。
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こちらの写真はさらに別の場所の木で、飛び散り方(枝の寂しさ)は中くらいといったところです。土地の水気、日照度合い、木の大きさ(樹齢)など、3本とも大差がないように見えるのに、散り方にはずいぶん差があるものです。
枝が少し低いところにまであって、種を大写しできました。子供のころに遊んだ鉄砲に詰める紙火薬にそっくりです。いまでもあんなオモチャ、あるのかどうか…。

2010年のきょうゴレンシ(スターフルーツ)> 2009年のきょうトウワタ(アスクレピアス)> 2008年のきょうハンノキ> 2007年のきょうカンヒザクラ> 2006年のきょうタネツケバナ> 2005年のきょうウメ

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2月17日(木) ネコヤナギ

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赤い皮のコートを脱ぎ捨て始めた猫柳です。過去2回(3/52/13)の掲載ではこの赤いコートをとらえていないので、今回が一番「走り」の姿ということになります。
そんな写真記録を比較し、ついでにきのうの河津桜の様子も併せ考えると、やはり今年は春が少しばかり遅めのようです。あの異様な夏のせいで冬も温暖化してしまうのかと心配したら、かえって厳しい冬だったのでひと安心です。
だが・しかし、春が遅いのを喜ぶなんて、変な時代になってしまったものです。

2010年のきょうスイセイラン(彗星蘭)> 2009年のきょうバニラ> 2008年のきょうフクジュソウ> 2007年のきょうイノモトソウ> 2006年のきょうウメ(白梅)> 2005年のきょうナズナ

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2月16日(水) カワヅザクラ

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せっかく開花しても誉められることの少ないハンノキ(きのう掲載)に比べると、みんなに首を長くして待ってもらえる桜とは得な存在です。そんな桜のなかでもこの河津桜は早咲き性が愛されて、伊豆ではなくてもあちこちで見られるようになりました。
年によっては2月に入ると開き始めた(埼玉県南部)こともあり、下旬には葉が展開している様子を載せたこともあります。そんな年に比べると、今年は開花がやや遅いようです。ここまで蕾が膨らんだらあと4~5日でしょうか。金曜夜の大雪(笑)もあっという間に消えて、桜に酔う季節ももうすぐです。

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2月15日(火) ハンノキ

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これを見て「花が咲いたよ~」と叫んでも、嘘つき爺と罵られるのが関の山です。しかし、カーマイン色の小さな(マッチ棒の頭くらい)雌花がじつに幼気(いたいけ)で愛らしいのです。きな粉餅のような雄花だって、健気で心震えます。
この季節のハンノキの様子は前も載せてはいても、今年の方が雌花も雄花も色合いがきれいに撮れました。さらに、去年の実も右端に入れ込むことができました。
あとは株元が湿った場所であることを表現できればと思いつつ、写真1枚ではそれは無理と言うもので、絵的な不足は言葉で補っておくことにします。

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2月14日(月) ノカンゾウ

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二日続いた降雪(大げさです・笑)のあと、きのうはすっきりと晴れました。これ幸いと久しぶりにそこらをうろついてみたら、もうノカンゾウが食べごろでした。
わざわざ寒さ募る2月に芽出しをしなくとも…と思い、あらためてこの辺のいまごろの気温変化を見てみました(↓)。自分では漠然と「2月が一番寒い」と思っていたのに、本当は2月に入ると春への助走が確実に始まっているのでした。
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さて、問題は山菜としての「カンゾウ」がノカンゾウなのかヤブカンゾウなのかということです。前に八百屋で求めたときは単に「カンゾウ」と札がついていて、二つの違いを気にもせず、お店のものだからと安心して食べました。しかし、自分で採取となると、どっちかに毒成分!なんてことがあってはなぁ、と不安になります。
OKでした。どちらもこの芽出し段階では大差がないらしく、ノカンゾウもヤブカンゾウも山菜としては「カンゾウ」と呼ぶようです。それほどに区別しない「カンゾウ」を、きょうの写真でどうしてノカンゾウと特定したかと言えば、ヒミツの見分け点…など自分にはなくて、この土手に去年咲いていたのはノカンゾウだったと思い出しただけのことです。

2010年のきょうヘンヨウボク(クロトンノキ)> 2009年のきょうリョウメンシダ> 2008年のきょうコバノカモメヅル> 2007年のきょうナギイカダ> 2006年のきょうアテツマンサク> 2005年のきょうヘンヨウボク(クロトンノキ)

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2月13日(日) オウギバショウ(タビビトノキ)

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今朝は志木でも道路が白く凍っていて、そろそろ外の様子を載せたくても、近場南国を出ることができません。大きな(6~7m)オウギバショウを仰ぎ見ながら、春よ来い来い、と夢を見ておくことにしておきます。
しかしこの葉柄の付け根の広さ・平らさはみごとです。夏の午後、これをお昼寝のマットにしたらいい夢が見られそうです。扇芭蕉というよりマット芭蕉…。
勝手な名付けはさておき、別名の「旅人の木」は扇芭蕉より有名かもしれません。葉柄に溜まった水を飲めるとか、木が方向を示すとかの由来説は眉唾だと言うものの、これだけ大きければ旅の目印になったろうし、案外にマット説だってありではなかろうか、などと楽しい空想の旅をしてしまいました。

<補注1> オウギバショウの種子は美しくも不思議なものでした。(2021年11月6日
<補注2> 花はストレリチア・ニコライを思わせる色目でした。(2022年12月10日

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2月12日(土) モンステラ(ホウライショウ)

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一般家庭でモンステラの花を咲かすのはむずかしいそうです。しかし、さすが冬でも汗ばむほどの近場南国では、こんな異様な物体が葉陰から姿を見せていました。
ただ、間が悪いことに花は終わり、ミズバショウのように白くあるべき仏炎苞はすでに葡萄茶色でした。かといって、熟せばおいしいという実はまだ緑(注)で、なんともどっちつかずの宙ぶらりん状態です。
いや、ものは考えようで、これなら花の様子も実の形も、どちらも「だいたい」わかるわけです。人生前向きに、明るく考えていこうとモンステラに教わりました。

<補注> 「まだ緑」ではなく、熟しても色はあがらないようです。生長した実の記事に可食状態の実を追録しました。(2014年1月13日

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2月11日(金) オンシジューム

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蘭のなかではわりとポピュラーで、そのうち載せようと思いながらここまで先延ばししてしまいました。で、つくづく見ると、これはまた不思議な形の花でした。
唇弁(舌弁)がやたら大きいのです。ですから、上部の小さな花弁を頭と両腕に見立てると、ベルバラ調の貴婦人に見えなくもありません。そのスカートの腰のあたりにゴツゴツした突起があって、これが名前のもと(ギリシャ語の「こぶ」=onkosに縮小辞がついてonkidion)だと言いますから、腰はやっぱり要です。
さてその名のカタカナ表記を「ジウム」とするか「ジューム」とするか=これは「いつか来た道」の悩みです。メランポジウムのときは多数派に与(くみ)するという安易な道を選びました。そのわりにシンビジウムではほぼ無意識に「ジウム」とし、一方でカラジュームなどと堂々とブレた表記(綴りはすべて~dium)を使っています。さしたる根拠もないままに、ここはブレついでに「ジューム」としておきました。

<補注> オンシジュームの根を見ました。(2011年11月25日

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2月10日(木) ナガバノモウセンゴケ

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長さ2~3㎝、幅4~5㎜の小さな葉です。縁に並ぶ腺毛の先で光るのは粘液で、ここについた小さな虫を動けなくします。まさに植物界の吸血鬼です。
本来は山の沢などに生えるもののようでも、まずは温々した場所の栽培品でその生態を勉強させてもらいました。夏には小さな白い花(注)をつけるらしいので、どこか涼しい山でそんなシーンを写せたらと夢見ておくことにします。
葉があり、花を咲かすことからわかるように、名前に反してこれは苔ではなくふつうの草本です。本人になりかわり、「コケにするな」と強く抗議しておきます。

<タイトル訂正> この記事のタイトルを、当初は単に「モウセンゴケ」としていたのに、だんだん葉の長さが気になり出しました。腺毛の色合いからも判断して、ナガバノモウセンゴケに訂正します。(2013年6月27日)
<補注> モウセンゴケ類の花を見ました。(2020年7月24日

2010年のきょうカトレア> 2009年のきょうムサシアブミ> 2008年のきょうハマボッス> 2007年のきょうナワシログミ> 2006年のきょうウメ(八重寒紅)> 2005年のきょうジャノメエリカ

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2月9日(水) グズマニア

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愚図が大好きグズマニア…、どうしてこんな酷い名前?と思ったら、グズマンというお人の名前が学名になっていて、ウ、愚図マン…、寒波が戻ります(笑)。
ここ1週間ほど、ずいぶん暖かではありながら、屋外の色味はさすがに乏しすぎて、また近場南国に戻りました。まずは真っ赤な花弁(じつは苞)が鮮やかな愚図、いえ、グズマニアです。本当の花(蕾)は頂部に見える黄色い部分のようです。
根からの吸水よりも葉からが中心という変な性質なので、ふつうの水遣りでは枯らします。なかなかいいお値段なので、涙で灌水とならないようにご注意です。

<補注> グズマニアは属名に過ぎず品種が多様ということがこの掲載のときはわかっていませんでした。いま調べ直すと、苞がこの色合いでわりと大型のものにはオスタラとかチェリーというものが該当しますが、過去写真では細部がわかりません。
ということで、この記事のタイトルはグズマニア属一般という意味になります。なお、あとになって「テレサ」と「ヒルダ」を収録しました。(2021年冬)

2010年のきょうセントポーリア> 2009年のきょうタチツボスミレ> 2008年のきょうカリン> 2007年のきょうハラン> 2006年のきょうツクバネガキ(ロウヤガキ)> 2005年のきょうコエビソウ

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2月8日(火) トチノキ

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去年は雌雄混株であることに初めて気づき、花と実の関係をしつこく追いかけたトチノキです。その賑やかだった花も実もいつの間にか落ち、美しい黄葉があっという間に終わると、しばらくの間は装飾を剥がれた梢が寒風に揺れるばかりです。
ところがこんな時期にも「美」は存在するのです。槍の穂先のように尖鋭な形だけでも見とれるのに、トチノキの芽はピカピカと濡れたように光るのです。この光る部分は芽を覆う鱗で、とてもネバネバしています。春先、樹下に散らかったこれを踏むと、靴から取れなくて困るほどに粘着性があります。
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ところが、仲間のベニバナトチノキ(↑)の芽はこのネバネバピカピカがなく、形もふっくらして、あまり見るべきところがありません。依怙贔屓だと言われようと、春先に迷惑をしようと、やはり冬の陽光には鋭く光るトチノキの芽が似合います。

<補注> 1枚目の写真、重なった枝の形が「YY」に見えます。ココログの偉大な先達であるwaiwaiさんへのオマージュのつもりで撮りました。

2010年のきょうサンタンカ> 2009年のきょうモミジバフウ> 2008年のきょうシシガシラ> 2007年のきょうキャラボク> 2006年のきょうナツミカン> 2005年のきょうオオイヌノフグリ

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2月7日(月) コセンダングサ

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ジュズダマの枯れ姿(きのう)に続いて、近所の野原の冬景色です。このなかを走り回ったら、さぞやヒッツキ虫だらけになることでしょう。
花も葉も失われているいまの時期にこれをコセンダングサと推定できるのは、そのヒッツキ虫のおかげです。この棘に包まれた痩果(黒く見える部分)は断面が四角で、アメリカセンダングサが扁平なのとは感じが違います。
元気なワンちゃんでもここに飛び込んできてくれないかと待っていたら、脇をイタチがすり抜けました。ちょっとビックリしたものの、ほのぼのとうれしくなりました。

<補注> このときのイタチはとても写せなかったものの、6年後、写真の現場のごく近くでかわいい姿を撮影することができました。(2016年2月15日

2010年のきょうロドデンドロン・クリスティアナエ> 2009年のきょうネモフィラ・スノーストーム> 2008年のきょうビワ> 2007年のきょうヤブソテツ> 2006年のきょうボケ> 2005年のきょうフクジュソウ

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2月6日(日) ジュズダマ

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用水の土手で、ジュズダマが完全に枯れ上がっていました。晩秋には黒く輝いていた実の色が真っ白に変わっていて、まるで「あしたのジョー」です。
秋のうちにこの実を摘んでネックレスなどにするといつまでも黒いままなのに、自然のなかでの寒晒しには黒白を反転させるほどの力があるようです。
…などと思いながら過去記事を調べてみたら、夏の花は載せているのに、緑から黒にまで実の色が変わっていく「見せ場」は無視していました。他人の嫌なところばかり突く意地悪爺にならないよう、今年の秋には必ず撮影するつもりです。

<補注> 決意よりは2年も遅れたものの、どうやら「見せ場」を撮ることができました。(2013年10月1日

2010年のきょうアイグロマツ> 2009年のきょうヒメシノ(コクマザサ)> 2008年のきょうシュロ(ワジュロ)> 2007年のきょうヤバイ> 2006年のきょうアリドオシ(実つき)> 2005年のきょうサンシュユ

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2月5日(土) チューリップ

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オランダに行ってきましたぁ~、なんて嘘をつきたくなるくらい、いかにもチューリップらしいチューリップが公園の花壇を華やかに飾っていました。
しかし、いくら週なかばからポカポカ陽気続きとは言え、露地植えのチューリップはまだまだですから、これは鉢植えにしていたものをハウスから持ち出したようです。
寒が戻ったらかわいそうとは思いつつ、こういう景色を見ると単純にうれしくなって元気が出ます。これだけ豪華に見せるには球根がどれほど必要なものか、一生懸命に本数を数え、その経費を考えました。ただ、お為ごかしの「子ども手当」(注1)なんかよりは、ずっと有効なお金の使い方(公共の花壇でした)に思えます。

<補注1> 「子ども手当」の表記は該当法の原文どおりです。ただ、このごろは政府刊行物も「子供」と書く(書物タイトルは「こども」でも、内容部分では「子供」)ようになっていて、いい方向だと思います。(2018年冬)
<補注2> 2月初めのチューリップに驚いていたら、なんと12月初旬に咲き出すものもありました。(2019年12月9日

2010年のきょうウラジロモミ> 2009年のきょうヒメアスナロ> 2008年のきょうスイカズラ> 2007年のきょうマンゲツロウバイ> 2006年のきょうアリドオシ> 2005年のきょうギンモクセイ

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2月4日(金) マンサク

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そろそろだろうかと定点観測場所に行ったら、案の定、マンサクの花がほころび始めていました。かつて(2007年)は1月23日に開花レポートしたことがあり、このときは「地球もいよいよ?」と心配したものでした。
それに比べると、2月初旬の開花は、まあまあ順調だと思います。お気楽に「さあ、いよいよ春が来るぞ」と喜ぶことにしましょう。
おっと、今年は咲き出した蕾にググッと寄ってみたのが新機軸です。右の蕾のなかに、展開する前の花びらが消防ホースのように丸くたたまれているのが見えます。左の蕾ではそれがすべて広がって、雄シベが顔を出しています。5㎜ほどの小さな蕾に仕込まれた精巧なメカニズムに、しばし見とれてしまいました。

2010年のきょうチュウテンカク(沖天閣:ユーフォルビア・インゲンス)> 2009年のきょうヒメノキシノブ> 2008年のきょうニシキマンサク> 2007年のきょうハカタシダ> 2006年のきょうコウヤボウキ> 2005年のきょうオウバイ

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2月3日(木) ゴンズイ

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節分なので、殻に残った二つの真っ黒な種を鬼の目玉に見立てましょう。秋には真紅の殻とこの種との対比が美しかったゴンズイの実が、目玉が二つとも飛び出てしまったり、一つだけ残ったり、殻も寒風に晒されてすっかり色褪せました。
そう言えば、ゴンズイの実を味見していませんでした。秋口ならば真っ赤な殻がまだ肉厚で、パプリカみたいに見えなくもありません。
ただ、鳥さんもこんな時期まで手を出さずにいたということは…、たぶん、眺めて笑っているのが無難ということなのでしょう。

2010年のきょうサボテン(金鯱)> 2009年のきょうノキシノブ> 2008年のきょうフェイジョア> 2007年のきょうモンステラ> 2006年のきょうソヨゴ> 2005年のきょうウメ

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2月2日(水) ヒョウタンウツボカズラ

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ウツボカズラの仲間は、属名そのままにネペンテス(Nepenthes)と呼ばれ、愛好家が多いようです。これはそのなかでもウツボがやや大振り(長さ10cmほど)です。
ただ、瓢箪なら蔓が上から下がるのに、この瓢箪は下からの蔓に上向きにつきます。また、ウツボの先端には蓋があり、まるで洋式トイレです。
なんと、ウツボカズラのなかにはシビン(溲瓶)ウツボカズラというのもあって、これはもうほとんどトイレそのままの形(だそう)です。そんなこんな物体がブラブラしている部屋でのコーヒーは絶妙味…、と少しだけファンの気持ちになってみました。

2010年のきょうリンボク> 2009年のきょうタチシノブ> 2008年のきょうニホンスイセン> 2007年のきょうイトラン> 2006年のきょうムラサキシキブ> 2005年のきょうヒナギク(デージー)

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2月1日(火) オオバギボウシ

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きのうのように梅の花を見上げている分には、「春はそこまで」などと思ったりはしても、いったん視線を下げれば野原にはまだまだ緑みが乏しくて、「さていま少しこの寒風のなかを生き延びねばならぬわい」と思いを新たにするわけです。
そんな厳しい季節にも、次の世代への橋渡しは堅実に行われています。夏にどんどん茎がのびて、高い場所に次々に花を咲かせていたのは、こうやって種を少しでも遠くに飛ばすための準備なのでした。
この種はとても発芽率が良く、翌年すぐに大きな株になります。花より団子のクチは、多めにプランターに播いておけば、春の山菜=ウルイを楽しむことができます。

2010年のきょうカモジゴケ> 2009年のきょうシノブ> 2008年のきょうガビサンハンショウヅル> 2007年のきょうキンポウラン> 2006年のきょうホウレンソウ> 2005年のきょうアセビ

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