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10月31日(日) ヒキオコシ

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仲間(シソ科ヤマハッカ属)のヤマハッカを今月8日に載せたときは、葉を摘んで「いっときの涼しさ」を味わったりしたものでした。あれから3週間、ヒキオコシの葉で「にが~」と顔をしかめ、体が暖まるのを快く感じます。気温が急転直下の10月でした。
病人を引き起こして直すとか、別名では延命草とか、かなり背負った名前ながら、現在でもいろいろな薬に配合されている実力派ではあるようです。
ヤマハッカの花も小さかったのに、こちらはさらに小振りです。草丈は逆にヒキオコシの方が倍(1mほど)もあるので、うっかりすると花を見逃しそうです。

<増補版掲載の近縁種> A. クロバナヒキオコシ B. カメバヒキオコシ
<追録> 最盛期と思われる時期に再会しました。ワサワサ・バオバオという擬音がピッタリの状態でした。(撮影:2024年9月20日)
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2009年のきょうエノキ> 2008年のきょうゴマキ> 2007年のきょうノゲイトウ> 2006年のきょうマルバフジバカマ> 2005年のきょうツワブキ> 2004年のきょうミゾソバ

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10月30日(土) ホソバタイサンボク

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泰山木はとても好きな木で、そのときが来たら、この木の下に埋もれたいというのが淡い夢でした。ところが、泰山木にはホソバタイサンボクという種類(変種)があることを何年か前に知り、夢はやや萎んでいるところです。
泰山木は樹形がまとまり良く、白い大きな花が香りまで優雅で、そして常緑の葉が艶めいて大きくて幅広だからこそ泰山木なのです。その肝心の葉が頼りなく細めでは困ります。しかもふつうに見かける泰山木はこちらであることが多いらしいのです。
なかには二つを厳密に分ける必要はないという意見もあって、学術的な境目はよくわからなくても、私的なあこがれの「あの木」とはちょっと違うと思うのです。ただ、赤い実がこんな風に美しく輝くと…細葉でもいいか、と揺れたりします。

2009年のきょうニワナナカマド(チンシバイ)> 2008年のきょうズミ> 2007年のきょうマムシグサ> 2006年のきょうキチジョウソウ> 2005年のきょうダンチク> 2004年のきょうツリバナ

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追加編 : しょっぱいヌルデ

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ヌルデの木に雌雄があることに気づいてからひと月あまり、あのチャーミングな雌花が塩まみれの実になっていました。
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手にとって実をつぶしてみると、塩気でベタつきます。舐めると、ややツンとはしているものの、これは紛れもなく塩の辛さです。
実際には塩とは違う成分なのだそうで、高血圧や癌の心配のない「塩」として人気が出ていいのかもしれません。鳥さんも、ほかの木の実に飽きてちょっとピリッとしたいとき、この実を啄みに来たりしているのかな…と微笑んでしまいます。

<補注> 同じこの木に実が一つもつかず、虫こぶがついた年がありました。(2021年10月3日

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番外編 : 10月のヒラヒラ、ブンブン、ケロッ

今月も草木以外のいろんなものと出会いました。思い切りまとめて掲載します。
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まずヒラ1号(↑)です。インカの金の置物にこんなジェット戦闘機のような形のものがあったはずで、V字垂直翼みたいな翅、カッコエエです。
Hira2
ヒラ2号(↑)、ルリシジミかと思って調べたら、ちょっと違うみたいです。翅の後ろに尖りがあるけれど、その用途が想像つきません。
Hira3
ヒラ3号(↑)、もっと開いたところが写せれば良かったのに、これが一番のできでした。大きな蝶のくせに、ものすごくせわしいヤツです。
Hira4
ヒラ4号(↑)、青の3号がなかなか写しにくいのに比べると、とても気っ風のいいヤツでした。蝶にもいろんな性格があるようです。
Hira5
ヒラ5号(↑)、ジミーに昼寝しているみたいでした。
Hira6
ヒラ6号(↑)、これはトンボの珍しさではなく、「君もサワギキョウの花粉媒介者なのか!」といううれしさで撮った一枚です。
Hira7
ヒラ7号(↑)、トンボってお金持ち? だって、こんなによく首が回るんだもの。「首が回らない」ってことはないんでしょうね。
Musi1
ムシ1号(↑)、こいつ、思い切りドジでした。せっかく蜂をつかまえていたのに、このあと逃げられてしまったのです。思わず、「あ、バカ」と声を出してしまいました。
Musi2
ムシ2号(↑)、足の先についた花粉が、白いソックスみたい。あ、お口にもついてます。
Musi3
ムシ3号(↑)、撮っててちょっと怖かったです。「ム?」とこちらを振り向いたらどうしよう、と、ちょっとドキドキしました。
Musi4
ムシ4号(↑)、3号と同じかな。ちょっとこちらが毛深いような気がします。「モスラ~ゃ」という歌声が流れてきそうです。
Musi5
ムシ5号(↑)、これは毛虫さんよりもクマザサの方が主役です。別に園芸種というわけではなく、たぶん自然にできた斑入りだと思います。
Kero
そして最後はケロくん(↑)。この池に彼らがいたとは気づかなかったのに、涼しくなったら、ものすごい数があらわれました。近づくと鳥のような鳴き声(ピーッ)を出して跳んで逃げます。

<補注> 最後のケロくんを除くそれぞれの名前はコメントで教えていただいています。

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10月29日(金) ヒヨドリバナ

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鵯(ひよどり)が鳴くころに咲き出すのが名前の由来だと聞いても、あの姦しいヒーヨ・ヒーヨの声は春から夏にかけてのはずです。一方、この花はせいぜい夏の終わりから咲き出すので、どうにも怪しい由来説ではあります。
ところが、そんなことよりもっと困るのがフジバカマとの見分けです。写真はもっともヒヨドリバナらしい1枚にしたものの、まず花色が問題です。写真のものはうっすら藤色を感じるし、これがもっと強いものもあって、花での見分けは頼りになりません。
ならば葉となっても、3裂するのがフジバカマというわりに、ヒヨドリバナでも3裂することがあるし、逆にフジバカマでまったく裂けた葉のないものも見るので、これもアテにはなりません。葉柄も、どちらもごく短くても存在します。
結論的には、葉の表側に艶があるかないかでした。ヒヨドリバナはそこがザラつき、フジバカマは表面が滑らかで光ります。
さらに私見を言えば、フジバカマの株は多少なりとまとまりがいいのに対し、ヒヨドリバナは鵯のあの鳴き声のように野放図にのびて撓垂れます。名前の本当の由来はここではないかと、またもや「はた衛門珍説」です。

<補注> どうしてこんな記事を上げたのだろうと赤面しています。ヒヨドリバナとフジバカマ、いまは一見して区別できるのに、この記事を書いたころは、本当に見分けができなかったのだろうと…過去の自分に同情します。(2016年秋)

2009年のきょうアツバキミガヨラン> 2008年のきょうコバノガマズミ> 2007年のきょうマルメロ> 2006年のきょうアッサムニオイザクラ(ルクリア)> 2005年のきょうミセバヤ> 2004年のきょうハクモクレン

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10月28日(木) ケナフ

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地球に優しい、いや逆だ、と喧(かまびす)しい(注1)人間にはおかまいなしに、グーンと高く(3m以上)のびて、ポーンと気持ちよく花をつけていました。
単純に計算すると一日に3~4㎝はのびる計算です。そんな話になるとすぐに思い出すのは忍者漫画に出てくる「麻を飛び越えるトレーニング」です。麻の生長速度はケナフ(注2)と同じ(葉もそっくり)だそうで、それを毎日飛び越えていたら、あれれ、ハイジャンプの世界新記録が出てしまいますけど…。
ところが、麻はあの大麻(マリファナ)の原料であって、気安く畑で見かけるものではありません。ここは見かけが似ていて花もきれいなケナフをみんなで植えて、エコ論争はともかく、子供や孫と忍者ごっこを楽しんだらいかがでしょう。

<補注1> 生長が速く繊維を収穫しやすいので木材の使用量を減らせるというプラス面、丈夫すぎて駆除しにくいマイナス面、などが論議されています。
<補注2> ケナフにはアオイツナソという標準和名があります。(2021年秋)

2009年のきょうキミガヨラン> 2008年のきょうイヌザンショウ> 2007年のきょうツルコケモモ> 2006年のきょうクヌギ> 2005年のきょうクコ> 2004年のきょうニラ

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10月27日(水) ノハラアザミ

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【野】 草や木の生えた広い平地。野原。原。
【野原】 人家のない、草などの生えた広い平地。野。のっぱら。
ノアザミを載せたときは「野と野原、どう違うんだ!」と怒っただけだったのに、今回はマジメに大辞林にあたってみました。「野」には人家があっていいのかぁ(笑)。
どうやら国語の世界よりは草木の世界がいくらか明快で、ノアザミのときの憤激は潮が引くように納まりました。総苞部分が尖らず粘るだけがノアザミ、総苞にまばらなイガイガがつくノハラアザミ、なんとすっきり見分けができることでしょう。

2009年のきょうツヅラフジ(オオツヅラフジ)> 2008年のきょう原種シクラメン> 2007年のきょうニガウリ> 2006年のきょうタウコギ> 2005年のきょうミゾソバ> 2004年のきょうヤマノイモ

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追加編 : キョウチクトウの実

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実がつきにくいと聞くと、意地になって探す…と威張るほど努力したわけでなく、ヒョコッと見つかりました。この木以外にも、バスのなかから見つけた(カメラ、間に合わず)こともあるので、「見つけましたァ!」と高らかに叫ぶものではなさそうです。
後景に花も入れてみました。咲き始めは5月下旬なのに、朝夕の冷え込みが厳しくなっても、まだ花をつけていました。漢字では夾竹桃とあてるほかに、半年紅とも書かれるこの木の面目躍如です。

<補注> 枯れた莢は面白い形になります。(2022年4月17日

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10月26日(火) アキチョウジ

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秋の花としては有名どころなのに、初めてお目にかかりました。チョウジは弔辞ではなくて丁子、つまりクローブです。
クローブというのは熱帯多雨地域の木だそうで、まだ見ていません。しかし、アキチョウジの丁子は木のことではなくて実のことです。香辛料としてのクローブなら、以前、ポマンダーを作って遊んだので懐かしいものです。
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たしかに、蕾はあの実とよく似た形です。さらに蕾が開くと動物の耳のようになり、まるで101匹ワンちゃんのように賑やかな眺めです。

<補注> 同属のセキヤノアキチョウジを収録しました。(2010年11月1日

2009年のきょうムクロジ> 2008年のきょうヤマラッキョウ> 2007年のきょうフェイジョア> 2006年のきょうヤクシソウ> 2005年のきょうホンコンカポック(シェフレラ)> 2004年のきょうツワブキ

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10月25日(月) トラノオスズカケ

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せっかく自然教育園(目黒)へ行ってきたのだから、記録しておくべきはこの葉です。本当は「この花です」と言いたいところでも、秋分草と同じく、ときを逸しました。
黒く枯れてしまった穂の本来の姿は、わずかに残っていた咲き遅れの花(↓)から想像するしかありませんでした。
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「秋刀魚は目黒に限る」みたいなトラノオスズカケ由緒はこちら(↑)です。きのうの記事に対し、ジモチーだったryoiさんから「白金の御料地と呼んでいた」とのコメントをいただいていて、なるほど、その経緯もこの説明には書かれていました。

2009年のきょうカキノキ> 2008年のきょうコウヤボウキ> 2007年のきょうクロウエア・エクサラタ> 2006年のきょうスプレー菊(イエギク)> 2005年のきょうキヅタ> 2004年のきょうコスモス

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10月24日(日) シュウブンソウ

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自分が見たことのないものを植物ブログ友達が載せているとき、反応は二つに分かれます。A:うむ、これはまあそのうち…、B:ぐぐ、これはぜひなんとしても!
この秋、ブリさんとwaiwaiさんにシュウブンソウを見せつけられ、なにやらBの反応がモゾモゾと…。名前がご大層なくせにまるで冴えない風貌とか、秋分草はあるのに春分草はない理不尽さとか、やや歪(いびつ)な興味が心を刺激したようです。
ところが、手近な場所をいくらうろついても見つからず、万策尽きて(笑)、waiwaiさんがお勧めの自然教育園(目黒)へ駆けつけたのがこの写真です。さすがに秋分から丸1カ月が過ぎ、花は終わっていました。ただ、花狙いではないので無問題です。
やや木質化した茎が地面から30~40㎝までのび、そこで枝が3~4本に分かれて長々と横にのたうちます。葉は戦闘機の後退翼のように枝の付け根になびきます。したがって、真んなかに写った枝は写真下方向にのびているわけです。
一度見覚えたものは見つけやすくなるはずなので、次の秋分には、できれば近所で、秘やかに咲く花の姿までとらえたいものです。

<追録> 当日のフォルダーをあとで見直したら、花びららしき残骸も写していたので、追加掲載しておきます。(2010年10月25日)
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<追々録> このあと、2013年にボケボケ状態で、その翌年にはそれよりややマシな状態で、花のクローズアップを載せました。(2014年9月16日

2009年のきょうゴマ> 2008年のきょうキランソウ> 2007年のきょうホウキギ(コキア、ホウキグサ)> 2006年のきょうオタカンサス> 2005年のきょうオリーブ> 2004年のきょうニシキギ

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追加編 : ヒシの実

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渋く咲き続けては鋭いツノを持つ実になる…その花どき稔りどきをつなぐ写真を追加掲載です。ヒシには申し訳ないことに、でんぐり返ってもらいました。
すでに5個、ヒシの実がついていました。古いもの(写真上方に向いている)から順に、株の下側についています。つまり、花が咲いて結実すると、その花茎が水中に没し、次の茎がその上側につき、順繰りに水に潜って熟していくのでした。
株同士は水中の根茎でつながっていました。赤ちゃんのへその緒を連想はしても、人間と違って植物のこの仕掛けはクローンによる増殖ということになります。

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10月23日(土) アカバナ

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大家族の長なのに、なかなか人前に出ないお方がいて、このアカバナはその代表に思えます。チョウジタデハクチョウソウフクシアミズタマソウヤナギランやたくさんのマツヨイグサ類など、いままでここに登場した多くのアカバナ科植物の科名になっている有名人なのに、ブログ7年目にしてようやく会うことができました。
アカバナのくせに花がピンクとはこれいかに!というのは言いがかりで、漢字では赤花と表記するものの、本来の意味は赤葉菜だそうです。つまり、秋には葉が真っ赤になるはずなのに、まだ早すぎたのか、あるいは環境によっては色づかないのか、残念ながら今回は赤葉菜説を証明することができませんでした。
同じように、科名になっているくせに見つけにくいクマツヅラのときも、ついうれしさが先に立って、写真の内容は二の次でした。今回は、赤い葉と同じくらいアカバナの特徴である長い子房(種の莢)と、棍棒のような雌シベに注目した…ことにします。

<補注1> 科名になっているのに出会いにくいものにはゴマノハグサもあります。(2017年7月5日
<補注2> 思いがけない「美」に出会いました。(2020年3月2日
<補注3> 蕾状態、開花、そして花が萎れるという流れにつれて、種の莢がグングンのびる様子がわかりました。(2020年10月10日

2009年のきょうマユハケオモト> 2008年のきょうマルバグミ> 2007年のきょうツリバナ> 2006年のきょうチカラシバ> 2005年のきょうホウキギ(コキア、ホウキグサ)> 2004年のきょうマユミ

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10月22日(金) トリカブト(類)

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きのう、トリカブトの話を出したくせに、いままで掲載は避けていました。葉1枚で人が死に、おまけに解毒剤はないという性悪さに腰が引けていたようです。
という理由はやや嘘で、毒性のあるものはここにたくさん登場しています。60前後もあるらしいトリカブト属の見分けをあきらめていたのが本当のところでしょう。
それなのに、風体と名前の可愛さに負けてきのうレイジンソウを載せてしまったので、ふつうのトリカブト類と比べられるよう、3年ほど前の写真を持ち出します。腰丈あたりの高さで、わさわさと茂っていました。細部写真がなくて詳しい種類がわからないので、トリカブト類の参考写真という位置づけ(注2)で掲載しておきます。

<追録> 「背丈があってわさわさ」などと書いたわりには、上の写真はややこぢんまりでした。そこで、別の日・別の場所で撮った、もう少し「らしい」もの(↓)を追加で載せておきます。(撮影:2010年10月26日)
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<補注1> エゾトリカブトかと思うトリカブト(類)を収録しました。(2015年9月9日
<補注2> 本文にも書いたように、この記事のタイトルはトリカブト「類」の参考という意味で「トリカブト」としていました。ただし、あとで花や葉を見直したら、ヤマトリカブトではないかと思えてきました。(2018年11月8日

2009年のきょうオキナワスズメウリ> 2008年のきょうウラハグサ(フウチソウ)> 2007年のきょうケショウビユ(イレシネ・ヘルブスティー)> 2006年のきょうホソバアキノノゲシ> 2005年のきょうシャクチリソバ> 2004年のきょうベニバナトキワマンサク

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10月21日(木) レイジンソウ

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林のなかの湿った窪地で、ほかの草に隠れるようにひっそりと咲いていました。あの「危ない」トリカブトと同属なので、花(萼)や葉の形はよく似ています。
ただし、花(萼)色は淡く、背も低い(写真のものは20㎝少々)ので、腰丈以上にのびあがって濃い紫色の花(萼)をつけるトリカブトとは第一印象が少し違います。
「れいじん」と聞くと「麗人」しか思い浮かばず、正解が「伶人」とは恐れ入りました。雅楽の奏者がこの花に似た形の烏帽子を被るわけで、彼らが伶人なのでした。

<補注> アズマレイジンソウの収録にあたり、上のレイジンソウの写真があまり要点を押さえていないことがわかりました。再挑戦必須です。(2024年10月3日

2009年のきょうミゾソバ(白花)> 2008年のきょうハマトラノオ> 2007年のきょうウメバチソウ> 2006年のきょうアキノキリンソウ> 2005年のきょうサザンカ> 2004年のきょうモッコク

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追加編 : パパイヤ、その後

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なんじゃこりゃ~!?の出会いから2カ月がたち、パパイヤの実がそれらしい形になってきました。ただし、2カ月前とは打って変わって寒ささえ感じるこの天気なのに、色づく気配がまるでないのが心配です。
101021papaya1
8月に花を撮った株は1枚目の写真です。ただ、そこに成っていた実は妙に丸くて、いわゆるパパイヤイメージと違います。そこで、「らしい」形の実を別の場所で見つけました。だがしかし、こちらもまだ青々です。
「霜枯れて落ちていました」という報告にならないよう、パパイヤさん、急げ急げ!

<補注> どちらの場所の実も、ついに黄色くはならずじまいでした。埼玉南部あたりの露地で完熟まで育てるのはむずかしいようで、色づいたパパイヤの実は温室での撮影となりました。(2010年10月22日

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10月20日(水) サルビア(サルビア・スプレンデンス)

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夏から秋の公園花壇の定番です。子供のころから単に「サルビア」と呼んできて、今回初めて本名(サルビア・スプレンデンス)を知りました。
子供のころは花を引っこ抜いて、その花の付け根部分の膨らみを吸いました。ほのかな甘い思い出です。そうして花びらを抜かれたところで、真っ赤な萼が花のような顔をして穂に残ります。まさに花壇向きの便利な構造です。
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それでもさすがに赤は見飽きたという人も多いのでしょう。こんな渋~い色目や淡いピンクなど、スプレンデンスにはいろいろな仲間ができているようです。

<補注> 似たようなサルビアにコッキネアがあります。(2019年12月13日

2009年のきょうアオノリュウゼツラン> 2008年のきょうイワダレソウ> 2007年のきょうアケビ> 2006年のきょうアキギリ> 2005年のきょうキダチチョウセンアサガオ(八重)> 2004年のきょうゴールデンピラミッド

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10月19日(火) タヌキマメ

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摩訶不思議などという軽々しい言い方は慎みたくても、予習なしでこんな姿に出会ったら、噴き出すか考え込むか、どちらかだと思います。誰かのイタズラではないかと訝しげにこれをつついているオジサンの姿はさぞや滑稽だったことでしょう。
茎の先端で咲く花は、たしかにマメ科特有の蝶型です。しかし、笹よりも細くて長い葉にマメ科のイメージは欠片もありません。そして一度見たら忘れられないこの毛むくじゃらの実です。さしずめタヌキの組み体操でしょうか。(高さ30㎝ほど)
林の縁の薄暗がりに、ポンポコポンポコと賑やかに並んでいました。

<補注1> 完熟した実(種)の姿を収録しました。(2011年12月13日
<補注2> 花の咲き出しは案外に早い時期でした。(2013年8月16日
<補注3> マメ科タヌキマメ属の仲間には花が黄色いサンヘンプがあります。(2018年8月26日

2009年のきょうエノキウツギ(ウオトリギ)> 2008年のきょうマツブサ> 2007年のきょうミヤマガマズミ> 2006年のきょうヨモギ> 2005年のきょうイシミカワ> 2004年のきょうギシギシ

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10月18日(月) イヌショウマ

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花はオオバショウマ風(花柄がない)で、葉はサラシナショウマ風(切れ込みのある複葉)という主体性のなさが犬呼ばわりされる原因に思えます。
もっとも、通説では解熱・解毒の薬になる晒菜升麻と違って有用性がないから犬だそうです。ただ、この犬=無用説にはほかの植物でもいつも「犬は役に立つ」という反論が出ます。たぶん愛犬家の皆さまを中心としたご意見でしょう。
一方、「イヌはイナ(否)で、升麻にあらずのこと」なのだと唱える人もいます。しかしこれだと「升麻でないならなんなのさ?」という突っ込みも来そうです。
「幕府の犬め!」みたいな言い方で、我々はどっちつかずを罵ってきた(時代劇のなかだけ?)のですから、植物名にポピュラーな「イヌ」呼ばわり問題は、ことイヌショウマに限れば「はた衛門説=どっちつかず」が意外といけそうな気がします。
101018inusyouma2
おっと、これがそのどっちつかずの一方の原因である葉です。晒菜よりは切れ込みが浅くは見えても、これだけ見せられたら口をつぐみそうです。

2009年のきょうヒメグルミ> 2008年のきょうクスノキ> 2007年のきょうスズラン> 2006年のきょうサラシナショウマ> 2005年のきょうタイワンホトトギス> 2004年のきょうハナミズキ(アメリカヤマボウシ)

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10月18日(月) コウリンタンポポ

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陽当たりの良い斜面で、ポツポツと咲いていました。北海道では夏にふつうに見られる花だそうで、季節外れの関東に「降臨」してくれたみたいです。
おっと、降臨はダジャレで、正しくは紅輪です。言われてみれば、花の中心は黄色なので、オレンジ色(紅はやや過剰表現?)の輪ではあります。
ヘラ型の葉は地べたに貼りつき、飛び出した20㎝ほどの茎の先に3~5個の花がついています。北の地では殖えすぎが問題にもなっているようで、見つけてうれしがるのは憚られても、初対面の印象は「芯の強い明るいお嬢さん」でした。

<補注> 冬の葉に注目してみました。(2013年1月3日

2009年のきょうヒメグルミ> 2008年のきょうクスノキ> 2007年のきょうスズラン> 2006年のきょうサラシナショウマ> 2005年のきょうタイワンホトトギス> 2004年のきょうハナミズキ(アメリカヤマボウシ)

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10月17日(日) ヒイラギモクセイ

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ヒイラギとモクセイが交雑してできたからヒイラギモクセイ…名前はいともお気軽ながら、このブログ開設以来、花を写せたのは初めてのことです。
生け垣用途が主で、強く刈り込まれるせいで、いままでは葉を知っていても花を見ることのない悲しい木でした。ところがこの木は道路の法面に単独に育っていて、誰に遠慮することなく気持ちよく枝をのばし、優しい香りをふりまいていました。
こんな場所に生えている場合、ふつうは鳥さんのおかげです。ところが、この木は雌雄異株なのに雄株しかないのですから、どなたかの手植えということになります。ホントはこういう場所に木を植えてはいけないはずなのに、このヒイラギモクセイに限っては、そんな犯人さんに小声でありがとうと言っておきます。

<補注1> 後日、ヒイラギモクセイの開花期間はかなり長めであることがわかりました。(2010年11月6日
<補注2> 年数が経って、この木はだいぶ立派になりました。(2016年10月24日

2009年のきょうキチジョウソウ> 2008年のきょうヨウシュイボタ> 2007年のきょうトウガラシ(タカノツメ)> 2006年のきょうスズメウリ> 2005年のきょうクロマイ> 2004年のきょうサザンカ

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追加編 : カラハナソウの味見

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先月の末、運良くホップの味見ができたので、それよりも味が劣るというこちらも、ぜひ旬のときにその「不味さ」を確かめたいと願っていました。おととし、とりあえず不味いことは理解したにしても、すでに枯れていて公平を欠く状態でした。
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さて、新鮮な毬果をモグモグしてみると、おお、目が覚める苦さです。しかし、やっぱり深みというか旨みみたいなものがなく、ただただ不快な苦さなのです。ホップのときに感じた爽快感がないので、これではビール造りは無理だと実感します。
この差は、苞の付け根に見えているホップ腺の違いだそうで、カラハナソウのそれにも薬効はあるらしいとは言え、量がホップに比べて明らかに不足でした。

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10月16日(土) ユーパトリウム・チョコレート

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フジバカマかな、と思って近づくと、花が賑やかすぎました。茎が奔放に枝分かれしてワサワサと繁る姿や大きさはヒヨドリバナを思わせます。
そのヒヨドリバナもフジバカマも、どちらもキク科ヒヨドリバナ属(Eupatorium)です。その属名をそのまま名乗ってしまう(注)のだから、図々しいというか厚かましいというか、盛大に蔓延(はびこ)る強健さとともに、なかなか侮れない存在です。
2209chocolate接写してみると、花が賑やかなのは二股に割れた雌シベのせいでした。しかし雄シベが見つかりません。たいがいで諦めることにしました。
葉の表側の緑が深いのは、たぶん裏の臙脂色が効いていそうです。チョコレートという軽薄な園芸名のわりに渋い存在です。

<補注> 現在は Eupatorium(ヒヨドリバナ属)が細分され、このユーパトリウム・チョコレートは Ageratina(アゲラティナ属)とされています。
そのアゲラティナ属の代表的なものがマルバフジバカマ(Ageratina altissima)であり、チョコレート(チョコラータとも)はその園芸品種になります。(2021年秋)

2009年のきょうキバナノツキヌキホトトギス> 2008年のきょうエゾユズリハ> 2007年のきょうアキカラマツ> 2006年のきょうツリフネソウ> 2005年のきょうシュウメイギク(ピンク)> 2004年のきょうタイワンホトトギス

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追加編 : イチビの種

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近所の廃屋の玄関脇にイチビを見つけました。もう葉は枯れきっているのに、まだしぶとく花を咲かせているところは、さすがに強害草とされる所以です。
不法家宅侵入を咎める眼がないのをいいことに、種をつけた茎を1本いただくことにしました。ところが、その茎は硬くて強く、とても手では千切れません。
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やむなく茎についたままの莢を指で開いてみました。茎と違い、莢はあっけなく花床からはずれます。莢の先についたフックが「ひっつき虫」になるのでしょう。
ひとつの莢にはたくさんの種が入っていました。かわいいハート型にも見えるし、風合いからは芋虫の佃煮を想像したりして、イチビは種もなかなかに個性的でした。

<補注> この種は簡単に育ち、その茎から繊維を取る実験ができました。(2011年9月11日

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10月15日(金) オオオナモミ

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先月、イガオナモミに出会ったせいで、しばらく忘れていたオナモミに目が向くようになりました。大きな用水の土手に、ガサッとした葉の草むらが続いています。
葉の付け根がワチャワチャしていて、上側に丸い塊、下側には無数の棘を突き出した房があります。丸い塊をつつくと白い粉が指につくので、これが雄花であることがわかります。そして、棘の房はもちろん雌花です。
さて、これがオナモミオオオナモミかが問題です。見分けの根拠になる実が未熟な段階でも、葉の形で二つの違いがわかることがきょうの新知識です。オナモミは三角形であるのに対し、オオオナモミはこんな五角形になりやすいのでした。

2009年のきょうシロホトトギス> 2008年のきょうツルシキミ> 2007年のきょうオオベンケイソウ> 2006年のきょうクズ> 2005年のきょうシュウメイギク> 2004年のきょうノブドウ

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10月14日(木) ヒルムシロ

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見つけてうれしかったものはいろいろあるなかで、これはかなり上位ランクです。きのうのデンジソウなんて、花を待とうという迷いから大ボケをかましたというのに、このヒルムシロは葉を写せただけで大喜び、花なんて待たずに速攻で掲載です。
この笹みたいな葉を見つけたとき、「もしかしてこれは!」とピーンと来ました。撮ったあとで正体探しに苦労することが多いなかで、初めて見る「葉だけ」で正解だったのですから、もう「うれしい×10」状態です。
もっとも、以前、ケープヒルムシロを撮るという予習がありました。はてさて、どうしてこんなにきれいな葉を「蛭筵(ヒルムシロ)」などと呼んだものでしょう。ママコノシリヌグイとかヘクソカズラとかが「酷い名前」の代表っぽく言われても、なんの、気色悪さということだったら、「蛭筵」は間違いなくランキングトップに君臨しそうです。

<補注1> 花が咲いた(?)様子を収録しました。(2016年6月23日
<補注2> 同属のフトヒルムシロを収録したことで、補注1でリンクしたもの(とそれ以降の写真)はフトヒルムシロだった疑いが濃厚になりました。(2021年8月27日

2009年のきょうヒシ> 2008年のきょうヒメマツバボタン> 2007年のきょうベンケイソウ> 2006年のきょうホトトギス> 2005年のきょうポポー> 2004年のきょうキツネノマゴ

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10月13日(水) デンジソウ

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この春にも別の池でこのデンジソウを見つけ、せっかくの珍種だから花がつくのを待とうと、そのときは掲載を見送りました。夏が過ぎて、今度はこの水辺でこれを見つけたのに、不思議なことに花をつけた様子もつく気配も、微塵もありません。
帰宅後にちゃんと調べて赤面です。これはふつうの水草ではなく、羊歯植物、つまりいくら待っても花は咲かないのでした。それならそうと「田の字シダ」とか呼べばいいのに、とんだ肩スカシを食わせてくれる名前です。
しかし、まるで四つ葉のクローバみたい(サイズはやや大)で、花を見ようなどという欲さえ出さなければ、なかなかにチャーミングな存在ではあります。

<補注1> 冬の枯れた様子や、夏の烈日で見せる変化を収録しました。
<補注2> 水草なのにシダという仲間を収録しました。(2023年4月6日

2009年のきょうセンキュウ> 2008年のきょうハグマノキ> 2007年のきょうユキザサ> 2006年のきょうナワシログミ> 2005年のきょうイヌサフラン> 2004年のきょうガマズミ

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10月12日(火) カシワバハグマ

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林のなかの薄暗がりに、なんだか親しみある形の花が浮き上がっていました。記憶の襞をまさぐるまでもなく、削り節のようなこの花弁はコウヤボウキと瓜二つ(ともにキク科コウヤボウキ属で、同科オケラ属のオケラの花も似た感じ)です。
ただし、枝がしどけなく横に倒れかかるコウヤボウキと違い、カシワバハグマの草姿は小さくともシャッキリと自立しています。
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残念ながら、葉はカシワというほどには本尊に似ていません。たぶん、堂々とした作りと大きく波打つ鋸歯が、命名者の感性にガシッと食い込んだのでしょう。

2009年のきょうベニバナチャ> 2008年のきょうナツメ> 2007年のきょうジュウガツザクラ> 2006年のきょうヤブタバコ> 2005年のきょうダンギク> 2004年のきょうコムラサキ

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10月11日(月) アメリカセンダングサ

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ふつうは野原で見るこのアメリカセンダングサを池で見つけ、少し驚きました。池の縁の湿地というなら「驚く」とまで大げさなことは言わないでいるのに、これは根もと15㎝ほどはたっぷり水に漬かった状態なのです。
ところが、ほかのセンダングサ類との違いの一つが、その抽水状態を好むところだというから、これは結果的に「いい発見」でした。
さて、「ほかのセンダングサ類」などと知ったかぶりしたくせに、過去にはコセンダングサコシロノセンダングサハイアワユキセンダングサの3つしか見ていません。いつまでも逃げ回っていないで、そろそろズブーッと泥沼に入り込まなくては…。

<文中リンク以外のセンダングサ類・和名50音順>アイノコセンダングサ ☆ センダングサ ☆ タウコギ  ☆ タチアワユキセンダングサ ☆ ハイアワユキセンダングサ

2009年のきょうコンニャク> 2008年のきょうクマノミズキ> 2007年のきょうハブソウ> 2006年のきょうサンショウ> 2005年のきょうワタ> 2004年のきょうケープヒルムシロ

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番外編 : 10月上旬のヒラヒラもの

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先月に続いて、「ついで撮り」のヒラヒラものです。1枚目はキアゲハ(コメントでナミアゲハと教えていただきました)でしょうか。蝶自体よりも、彼岸花から吸蜜しているシーンの珍しさ(自分的に)で掲載しました。(後日追記:彼岸花+ナミアゲハは、特に珍しいシーンではありませんでした)
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次は「おや、お尻合い」なんてオヤジネタが口から出そうなシーンです。このあとで実際にお尻がぶつかったらツマグロヒョウモン(雄・右)が逃げ出しました。勝った蝶(ヒメアカタテハ)が、翅の後ろにも目を持っていたからでしょうか。
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2枚目と同じシオンの花に貼りついていた蝶(キタテハ)です。ただ、ほかのヒラヒラと違ってこの人は滅茶苦茶に粘着質で、この花房から動くことはありませんでした。
蜜を吸うスピードが虫の種類で違うのか、それとも性格の違いなのか、ヒラヒラものもまた深い深い世界のようです。

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10月10日(日) ウナギツカミ(アキノウナギツカミを訂正)

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ブログ最初の年にこれを載せたのは11月の下旬でした。あのころは、こんなポピュラーな草を見つけるのにも手間取ったんだなァ、と懐かしい思いです。
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などと余裕ありげに茎の逆さ棘にピントを合わせていて、ふと疑問が湧きました。どうしてこの草は「秋の」なんだろう。もしかして、秋じゃないのもある?
調べたら、ありました。姿は似ていても、花の時期が春から初夏あたりの「ただの」ウナギツカミが立派に存在する(注)のでした。「秋の」と違って、「ただの」は簡単には見つからないのだそうで、気づかないままでいた方が幸せだったようです。

<補注> 文中に述べた「秋の・ただの」問題は、素人がウロウロしている間に「学術的」に解決され(2017年)ました。両種は生態的な型の違いに過ぎないとして「ウナギツカミ」に統一となったので、タイトルも訂正します。(2020年秋)

2009年のきょうハゼノキ> 2008年のきょうカラハナソウ> 2007年のきょうアブラガヤ> 2006年のきょうリンドウ> 2005年のきょうソバ> 2004年のきょうシャリンバイ

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10月9日(土) アキニレ

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アキニレの木を見上げたら、葉の付け根がなんだかゴチャゴチャしています。去年撮影した種にしては姿が小さいので、どうやら花の時期に間に合ったようです。
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高い木についた5㎜ほどの小さな花です。雌シベの先が二つに割れ、雄シベの葯が4本、それを取り巻いているのがわかります。
名前的に対になるハルニレの花もなかなか風変わりであっても、アキニレはまた秘(ひそ)やかさが際立ちます。樹皮のゴツさも貫禄があって、渋め中年の魅力です。

<補注> 花の葯や萼が赤いタイプのアキニレを見ました。(2014年9月9日

2009年のきょうツルドクダミ> 2008年のきょうオケラ> 2007年のきょうオヤマボクチ> 2006年のきょうアロニア> 2005年のきょうギンモクセイ> 2004年のきょうハナミズキ(アメリカヤマボウシ)

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追加編 : 続・カリガネソウ

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先日、追加編でカリガネソウに触れたら、種をまだ見ていないことに気づいたり、あるいは「匂いはしたか」とお尋ねをいただいたりで、再追加編が必要になりました。
まだ熟してはいなかったものの、種はこんな感じでした。一つの萼のなかに1~4個入っています。これが風に揺れてばらまかれたら、どんどん殖える計算なのに、そんな繁殖力よりも盗掘力が勝るのかと思うと暗澹とした気持ちになります。
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この種を結ばせる花粉媒介者は、想像していたよりもずっと大型でした。この花の形からして、ごく軽い蜂の類がそっと蜜を吸うのかと思ったのに、なんとこんな大きな蜂がガバーッと上から花を鷲づかみにし、垂れた花が二度ほど揺れる間に蜜を吸ってしまうのでした。蜂に倣って花の付け根を吸ってみたら、かすかな甘さがありました。
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なかにはこんな来訪者(↑)もいて、これは花粉の授受にはまったく寄与しない、単なる「蜜盗人」でしょう。来る者拒まず、カリガネソウは広い心の持ち主です。

さて、懸案の匂いです。今回は午前10時30分ごろで、はっきりわかりました。摺り胡麻のような匂いで、芳香とは言いづらくても、不快臭でもない微妙なものでした。

<補注> 2~3枚目写真の虫の名前はコメントで教えていただいたいます。

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10月8日(金) ヤマハッカ

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きのうが田んぼ脇のハッカだったのに対し、きょうは山のハッカです。もっとも山というほどの場所ではなくて、これには野道程度のところで出会えました。
ただし、5㎜ほどのこの花を細部までわかるように撮り直すため、日を変えて同じ道を歩いたので、汗は山道ほどに流しました。そんな苦労をしたわけは、この縦に並んだ紫斑点がないとイヌヤマハッカで、最初の写真ではそこが不明瞭でした。
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これ(↑)がその下調べ不足の写真です。葉を摘んで、メンソールの香りでいっとき涼しさは味わったものの、まさか花にそんな大事が隠されていようとは…。知らぬが仏、知ったら二度手間、ついでに今度はイヌヤマハッカを探す楽しみができました。

2009年のきょうハネミギク> 2008年のきょうホソバヒメミソハギ> 2007年のきょうマツカゼソウ> 2006年のきょうユウゼンギク> 2005年のきょうカリガネソウ> 2004年のきょうギンモクセイ

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10月7日(木) ハッカ(ニホンハッカ)

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放置された田んぼ脇の草むらで、薄紫色が目立っていました。
葉を摘むと、爽やかなメンソールが香ります。ときどき見る栽培品のハッカは花が白いものが多いのに、こうして野に咲く方がシブい色というのは愉快です。
セイヨウハッカと区別するために、あえて日本薄荷と呼ぶこともあるそうです。しかし、そんな重々しい言い方はこの草のさりげなさにはあまり似合いません。

<追録> 小さな用水の脇で元気に蔓延っていました。(撮影:2024年10月2日)
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2009年のきょうヒメヒゴタイ> 2008年のきょうミヤギノハギ> 2007年のきょうコガネバナ> 2006年のきょうヤマジノホトトギス> 2005年のきょうオギ> 2004年のきょうハス

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10月6日(水) アンズ

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不思議だなぁー、の記録です。初夏の味だと思っていたアンズの実がいまごろまだこんなに青くて、しかも足下にボタボタと落ちていたのです。
市内の小公園に最近植えられた木なので、まだ本来のリズムをつかめないのか、あるいは今年の異様な暑さと水涸れのせいでしょうか。せっかく勝手に食べても良さそうな場所に見つけた木ですから、来年はぜひふつうのペースで願いたいものです。
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これが間違いなくアンズである証拠写真です。梅と違って指で簡単に割れ、種もあっさりと実から離れます。その種には網状の皺があり、密に小穴のある梅のそれとはまったく違います。それになんといってもこの香りと味…記録できないのが残念です。

<補注> あとで花の時期に確認した結果、この木がある場所には枝垂れ桃が何本かあるだけでした。アンズと認められる木は一本もなかったので、どうやらこれは間違い記事のようです。ただ、もう一度これらの木が実をつけるまで観察してから記事訂正をするつもりです。(2016年3月30日)

2009年のきょうヤマボウシ> 2008年のきょうタラヨウ> 2007年のきょうコメナモミ> 2006年のきょうシラハギ> 2005年のきょうコブシ> 2004年のきょうザクロ

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追加編 : ヘンだなんて言わずに

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きのうの追加編のように、素直に「きれいだぁ~」と思える花もあれば、「どーしてそんな形なのぉ」と話しかけたいものもありまして…。
野原がいきなり深海の底になってしまって、カリガネソウ(↑)なんて名前はやめてアンコウソウにすればとか思いつつ、この和の風情はわりと好きだったりします。
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ツリフネソウ(↑)を見るたびに痒くなるのは、悲惨だった初の出会いのトラウマです。ただ志木では稀少種でも、野山を歩けばまだ「これでもか」とあふれていて、いまは「あんたもアンコウかい」と毒づく余裕ができました。
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最後は和のテイストからグッとムードを変えてカイコウズです。怪鳥がケーッと口を開けたようで、飛び出たシベが獲物を巻き込む舌のようです。

<補注> この記事にいただいたコメント2件への回答のつもりで、再度の「追加編」を上げておきました。(2010年10月9日

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10月5日(火) タイワンレンギョウ(デュランタ)

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南アメリカの暑い地方が原産地で、日本では夏が花期だというのに、まだ元気に花をつけていました。少し渋い草木が続いたので、近所のお庭をパシャリです。
もうひとつ、きょうこれを載せる不純な理由があります。このブログにこれまで掲載した草木の名前を一覧にしていて(右コラム上部にリンク)、そのアイウエオ順を数えたら、「テ」が9個と異様に少ないのです。これより少ないのは「ヌ=5」「ヨ=8」しかなくて、ヌとヨは仕方ない気はしても、テがこれじゃあ情けなくてメゲます。
ところが、あらためて調べたら、ゲゲッ、標準和名はタイワンレンギョウでした。そんな呼び方は聞いたことがありませんでした。南アメリカが台湾とはこれいかに!という公憤もあるし、「テ」で始まれよ!という私憤もあるし、そんなこんなできょうのタイトルはデュランタを前面に押し立てることにします。(注1)

<補注1> いまでは「テ」項の草木は26種となり、タイトルを属名(かつ園芸的呼び名)優先にする理由は薄くなりました。自分のブログの原則は守ることにしてタイトルの順番は変更します。(2020年秋)
<補注2>まさかこんな実がつくとは思いもしませんでした。(2024年4月1日

2009年のきょうフジカンゾウ> 2008年のきょうセンブリ> 2007年のきょうコバノガマズミ> 2006年のきょうオオバショウマ> 2005年のきょうワラベノカンザシ> 2004年のきょうキンモクセイ

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追加編 : 見飽きたなんて言わずに

もうブログには載せたし、どこにでもあるし、とは思いつつも、またまた性懲りなしに撮ってしまった花たちを並べてみました。
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1枚目はイヌサフランには違いなくても、イヌ呼ばわりするにはあまりにもきれいな色(補正なし)に惚れました。なにか園芸種なのでしょう。こんなにきれいだと、コルチカムという呼び名の方がぴったりします。
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あまりにもありふれているからというかわいそうな理由で、これまでコスモスは雨のなかとか冬の花とか、ヘンな咲きかけの姿とかばかり載せてお茶を濁してきました。いえ、一度だけは真っ赤な花をマジメに載せています。
そんな流れからして、今回は蕾(雫のおまけつき)です。あとはどんな写し方があるか、コスモスを見るたび考えることにします。
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誰しもが考える紅白セット植えです。ずっと前には鉢ものを写しています。
数年の間に、あちこちで立派な地植えの紅白を見られるようになりました。ここまできたら、あとはもう大きな日章旗を作るしかないでしょう。いやいや、そんな陳腐な思いつきは、もうどこかで実現しているでしょうか。

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10月4日(月) ギンミズヒキ

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陽当たりの悪いジメッとした野道が好きなのはミズヒキと同じで、草姿も同じなのに、花(萼)に赤みがありません。学名を見ると、ミズヒキのそれの後ろにf. albiflorum(albiは白の意)とつくので、別種扱いでギンミズヒキとしました。

<f.=品種の考え方については、先月のキレハノブドウを参照>
キンミズヒキは、本来のミズヒキ(タデ科)とは科違い(バラ科)>

しかし酷い写真です。木漏れ陽でもあればもう少しなんとかなるのに、どうやら完璧な北向き斜面らしく、今回はこれであきらめることにしました。
その代わりというか悔し紛れに、陽射しに恵まれたミズヒキの写真をそえておきます。5年前からすれば多少はマシになっても、まだまだ甘いのはご愛敬です。
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2009年のきょうアキグミ> 2008年のきょうイノコヅチ> 2007年のきょうキジョラン> 2006年のきょうシラヤマギク> 2005年のきょうウスギモクセイ> 2004年のきょうメキシカン・ブッシュ・セージ

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追加編 : サジガンクビソウの付箋紙作戦

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花を撮ってからおよそひと月が過ぎ、サジガンクビソウの実が枯れ上がりました。根もとに葉を残している場所があるものの、ほとんどは葉も落ちています。昔、郵便局員さんがこんな形のスタンプをパタトン・パタトンと押していたような…。
そんなスタンプ面にそっと触ってみたら、種は脆くも崩れ、指先でこんな具合に盛り上がりました。種や指がテラテラしているのは実に備わっていた油です。粘りのある油で、指を軽くふるったくらいでは種は落ちません。
種の先に小さな棘らしきものもあり、油だけで媒介者にまとわりつくのではなさそうとは言え、種にも付箋紙作戦があることを初めて知りました。

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10月3日(日) アオハダ

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はるか高い空を覆う枝に赤い実が散らばっていて、300mm望遠ではこんな風景写真しか撮れません。500円玉貯金・第2セットのペースをあげなくては!
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そう嘆きながら歩いていると、ちゃんと手が届く高さの木を見つけました。財布の軽さは軽いフットワークでカバーです。なるほど、こんな実なんだ…あ、これ見たことあります。葉が落ちたあとのアオハダを冬に撮っていました。
よしよし、ここに来れば来年は花が撮れるぞ、と頬が弛んだのも束の間、冷や汗が出てきました。先月、ウメモドキだと載せたあの木の葉もこれでした。ウメモドキよりも透明感があり、葉柄が長くて瑞々しいのです。あー、やってしまいました。エラーです。
しかし、あの記事を信じてくれたぴょんぴょんさんが、しっかり本当のウメモドキの実が色変わりする様子を写してくださっています。ぴょんぴょんさん、ありがとうございます。そして本当に申し訳ありませんでした。

2009年のきょうサイカチ> 2008年のきょうエゴノキ> 2007年のきょうノブキ> 2006年のきょうマルバハギ> 2005年のきょうタケノコイモ> 2004年のきょうクサギ

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番外編 : 続・ネコな二人

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土手の桜の根方で、暖かく見つめ合う二人。
なんだか見たことのある構図だと過去記事をさぐったら、4年前にもよく似た二人をこことごく近い場所で撮っていました。
同じカップルなのかなあ。微妙に模様が違うみたいだから、もしかして前の二人の子供世代? 生まれ変わってもあなたと添いたい…、うーん妬けちゃいます。

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10月2日(土) ヤブマメ

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この季節、ついついレンズが引き寄せられます。紫の誘惑です。花弁がまだ固く締まっているものもあれば、竜骨弁が降りてシベが覗いているのもありました。
さて、この小粋な色の花よりも気になるのはじつは葉です。上の写真の右奥でボヤケてはいても、頂小葉が裏返っているのがわかります。(去年の記事
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そしてこちらでは頂小葉は表を空に向けていました。2枚の写真の具合で明らかなように、頂小葉は日向では裏返り、日陰では展開するのです。
つまり、ヤブマメの場合は光合成に必要な太陽光線の量がそれほど大きくなく、光線が必要量以上の場合には自分で受光をセーブしているらしいのです。「足るを知る」、このごろの我々が忘れている美徳を、野道の藪に見出しました。

<補注1> 完熟した実(豆)と黄葉の様子を収録しました。(2012年12月8日
<補注2> 畑の豆の葉もヤブマメと同じ動作をします。(2023年5月26日
<補注3> 葉質と葉先の形が違うヤブマメを見つけました。(2023年12月22日

2009年のきょうスイフヨウ> 2008年のきょうハナヅルソウ> 2007年のきょうタマシロオニタケ> 2006年のきょうステルンベルギア> 2005年のきょうガマズミ> 2004年のきょうクジャクソウ

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10月1日(金) ギンドロ(ウラジロハコヤナギ)

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きのう・きょうはぐずついているものの、いったん晴れれば空はすっかり秋めき、もはや10月となりました。ギンドロの葉裏がさやさやと風にそよぎます。
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ふつうの草木なら花とか実がついた姿を撮りたいものなのに、この木はそんな虚飾を必要としません。葉を表裏に翻すだけで人を惹きつけてしまいます。
…などと持ち上げるのは、春先に花を撮り忘れ、秋にも実を撮り損なっている(雌雄異株で雌株に会えない)言い訳に過ぎません。来春、猫の尻尾のような花をここに出せたらおなぐさみです。

<補注1> このあと何年も花を追いかけたものの、ついに見つけられず仕舞いで、そうこうしているうち、在来のハコヤナギ(ヤマナラシ)とかドロノキとか、それぞれに名前つながりである同属メンバーを収録しました。
<補注2> 蘖(ひこばえ)または実生の若い枝を見ました。(2021年7月31日

2009年のきょうチャノキ> 2008年のきょうマルバプルメリア(プルメリア)> 2007年のきょうアケボノソウ> 2006年のきょうゴンズイ> 2005年のきょうハゲイトウ> 2004年のきょうシュウメイギク

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