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8月31日(火) トウゴマ(アカトウゴマ)

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実が完熟した冬の姿と、晩秋の咲き残りの花を過去にとらえてあります。そしてついに本丸と言うべき雌花(花穂の先に赤い舌がペロンチョ)を見つけました。
しかし、いかにもまだ早すぎでした。トゲトゲの子房はまだ目立たず、とりあえず雌雄の花が咲き出した確認写真になってしまいました。それでもあえて掲出するのは、(注)若いトウゴマの茎や葉のこんな美しさも記録しておきたいからです。
という言いぐさが悔し紛れに終わらないように、今年こそイガイガ&ペロンチョを写さなければ! あとひと月もして涼しくなったら、またこの場所に出撃です。

<補注> 茎や葉が赤いこの品種は「アカトウゴマ(別名:ベニヒマ、ミズマ)」である(学名上はトウゴマと区別がないが、呼び分ける)ことがわかりました。上に「若いから赤い」としたのは完全な間違いなので削除扱いにします。(2010年9月17日)

2009年のきょうシシウド> 2008年のきょうソテツ(雄株)> 2007年のきょうカクレミノ(斑入り)> 2006年のきょうヒオウギ> 2005年のきょうサフランモドキ> 2004年のきょうタイワンホトトギス

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8月30日(月) ヘラオモダカ

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ふつうのオモダカの花と比べようとするからいけないとはわかっていても、なんとも小さくて散漫な花です。池の岸辺にあり、うっすらピンクがかわいいから見つけられたものの、少し離れたところなら見過ごしてしまいそうにささやかな存在です。
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花をつける茎の根もとはこんな具合で、グンと立ち上がった茎が四方に分かれ、のびた先でまた分かれを繰り返します。その先で密やかに咲く花と根もとを一緒に写すのは、なんとも無理な話でした。
それでも色気のない写真を載せたのは、「ヘラ」オモダカを証明するためです。仲間にはサジオモダカもあって、ヘラとサジの形の違いをしっかりと覚えなくてはなりません。ヘラはのっぺりと長く、サジは名前のとおりスプーン状のくびれが入ります。

2009年のきょうホツツジ> 2008年のきょうマツカサアザミ> 2007年のきょうヤマホタルブクロ> 2006年のきょうホウセンカ> 2005年のきょうメランポジウム> 2004年のきょうトロロアオイ

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8月29日(日) カジノキ(雌株)

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かくかくしかじかというわけで、今年はとても気になる存在のカジノキです。もう葉が枯れるしか芸がない雄株とは違って、雌株では大変化の発見です。
じつは、いつまでも緑のまま固くて、無愛想な実だと思っていたのです。なんとも突拍子な熟し方です。まさかひと晩で緑から真っ赤に変わるとは思いにくいのに、大きな木のどこにも中間状態の実がないのだから不思議です。
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期待の試食は、ちょっと大きな落胆でした。実を転がした手のひらがベッチョリするほどジューシーなのに、そして甘酸っぱい味はイケルというのに、なんとも量が不満足なのです。小袋のなかは僅少のおつゆだけで、あとは種粒だけです。柱頭の残骸らしき毛も邪魔で、残念ながら、野歩きおやつには不採用としました。

<追記> この記事で、「中間状態の実がない」としたのは完全な観察不足でした。訂正記事を載せておきます。(2014年8月24日

2009年のきょうギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)> 2008年のきょうハネミギク> 2007年のきょうスズメウリ> 2006年のきょうシシトウ> 2005年のきょうソラヌム・ラントネッティ> 2004年のきょうガガイモ

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追加編 : シクンシ

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先日、このシクンシを載せたら、意外にもオジサマ族(ryoiさん、ぴょんぴょんさん、ごめんなさい・笑)に受けてしまいました。
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そこで図に乗って、花がまだ白いという午前中に再訪してみました。これが10時45分の状態で、先日の写真からは3時間少々早めです。この様子なら、咲き始めは本当に真っ白かもしれません。

<補注1> 別の場所で、花の感じが少しだけ違うシクンシを見ました。また、花色が白から赤に変じるのは開花翌日のことと知りました。(2018年9月28日
<補注2> シクンシの八重タイプを収録しました。(2023年9月26日

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8月28日(土) ミッキーマウスノキ(オクナ・セルラタ)

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初めてこの木のことを知ったミッキーファンは、どんな反応をするのでしょう。たぶん、「わ、かわい~!」という素直派と、「なにこれ? ぜんぜんミッキーじゃないじゃん!」というシビア派に分かれそうな気がします。
ただ、ディズニー趣味のないワタシでも、これを見るたび、「ミニーノキならまだしも…」とつぶやくほどで、かなりアバウトな名前だと思います。これでカリフォルニア生まれだというならまだしも、原産地がアフリカでは洒落にもなりません。それでもこの名前は一発で擦り込まれてしまいましたから、これはネーミングの勝利です。

<補注1> 開花シーンを収録しました。(2013年3月3日
<補注2> 二人目のミッキーを収録しました。(2013年3月7日

2009年のきょうヒメキンミズヒキ> 2008年のきょうクララ> 2007年のきょうミツバアケビ> 2006年のきょうヘチマ> 2005年のきょうヤブラン> 2004年のきょうケイトウ

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番外編 : あっついよぉ~(ヒマワリ)

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『とても暑かったです。おわり』とやってからもう4年、あのときのヒマワリの写真に不足していた入道雲をようやく写し込むことができました。
ただ、肝心のヒマワリさんがメチャクチャくたびれ果てています。そりゃーそうです。もう何日も雨が降っていません。
ヒマワリさんに比べたら、クーラーや冷たい麦茶があるんだから贅沢を言ってはいけません…と理性が諭してはくれても、やはり『とても暑いです。くそ~』です。

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8月27日(金) アワ

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「濡れ手で粟」と言いはしても、濡れ手でコウリャンともコメとも言わないのは、それほど粟の実は軽いのでしょう。しかしそんな軽量級でも、まるで組紐のようにギッシリと穂を作れば、茎は見事なしなりを見せて頭(こうべ)を垂れていました。
いまでは細々としか栽培されていなくても、米と同じく粳(うるち)と糯の種類があるそうで、昔は人間の食生活でもっと重要な位置を占めていたようです。

<追録> 秋・冬を越しても姿は保持されていました。(撮影:2022年3月8日)
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<補注> アワと並ぶ代表的雑穀=キビを収録しました。(2022年10月30日

2009年のきょうイヌトウバナ> 2008年のきょうアキグミ> 2007年のきょうアキノタムラソウ> 2006年のきょうキクイモ> 2005年のきょうハゲイトウ> 2004年のきょうモミジルコウ(ハゴロモルコウソウ)

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8月26日(木) コウリャン

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実の重さでしなっていたので、ようやく手が届いたほどの高さです。届いた手でなにをしたかと言うと、すみません、一粒だけ試食させていただきました。
もちもちっとして、しみじみとコクのある味です。これだから高粱酒は旨いのか…などとヨダレを流すヒマがあれば弁明が必要で、これがコウリャンでいいのか、またはモロコシと呼ぶべきものか、小手先の学習では頭が酩酊状態になるだけです。
どこかの試験場で明確に品種を区分して植えていてくれるといいと思いつつ、そんな夢の機会に恵まれるまでは、これは暫定でコウリャンとしておきます。

<補注> ほかの雑穀類として、アワキビを収録しています。

2009年のきょうコシアブラ> 2008年のきょうヨルガオ> 2007年のきょうハンゴンソウ> 2006年のきょうサンゴバナ> 2005年のきょうタマスダレ> 2004年のきょうリコリス・オーレア

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8月25日(水) ミズオオバコ

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花も葉も、かなり派手め加減で、初めて見たときは外来種の水草かと思いました。ところがこれは歴とした日本自生のもので、各地で絶滅が危惧されています。
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縦に走る葉脈が美しい葉は薄くて透けていて、本来のオオバコを3~4倍に拡大したほどの大きさです。緑から紫まで、微妙な色変化をしていました。
花弁(3枚)も葉に似て質が薄く、一日で萎みます。先日見つけたトチカガミとは仲間同士(トチカガミ科)だそうで、花の作りや真っ黄色のシベが似ています。ただし、こちらの花は差し渡しが4㎝前後とおおらかであり、トチカガミを美少女にたとえるなら、ミズオオバコは匂い立つような麗人を思わせます。

<補注1> 果実が充実している様子を確認しました。(2021年10月6日
<補注2> 同属のオッテリア・コルダタを収録しました。(2023年3月21日

2009年のきょうクサアジサイ> 2008年のきょうタチフウロ> 2007年のきょうキオン> 2006年のきょうセイバンモロコシ> 2005年のきょうルコウソウ> 2004年のきょうコブシ

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8月24日(火) ウリクサ

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足下が薄紫の花で埋められていて、踏んだらかわいそうだし、踏まなきゃ前に進めないし、どうしたもんだのハムレットでした。結局、踏みましたが…。
初めはムラサキサギゴケかと思いました。しかし、しゃがんで見ると花がやや小さめだし、茎や葉の作りが繊細です。あるいはトキワハゼも感じが近くはあっても、やはりこのウリクサのやさしい佇まいはそれらとは一線を画しています。
スケール代わりの1円玉の右にあるのが名前の由来の「瓜に似た実」です。これからどう熟しても、瓜には遠いと思うのに、こんな小さな実でも瓜に見立てるほど食べ物に窮していたのでしょうか。むしろ、葉をつぶすと瓜のような青い香りがして、一昨日のヒツジグサに続いて、またも勝手に「瓜(の香りのする)草」説を唱えてしまいます。

<補注> ウリクサを名乗る同属種にはツルウリクサハナウリクサ(俗称 : トレニア)があります。(2018年11月26日)

2009年のきょうオオモクゲンジ> 2008年のきょうヤバネヒイラギモチ> 2007年のきょうフウセンカズラ> 2006年のきょうフヨウ> 2005年のきょうキンミズヒキ> 2004年のきょうブラシノキ

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8月23日(月) シクンシ

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空から降ってくるような花です。4~5mの高さまでのびた(這い上がった)蔓の一部が垂れ下がり、その先にこのような花の房が開いていました。
シクンシは使君子で、この木の実から作る生薬名であり、そのまま木の名前にもなっています。使君子=皇帝の使いで、貴重な薬であったことを思わせます。
これは午後2時ころの撮影で、この花は咲き始めには白くて、だんだんに色濃くなるのだそうです。まさか朝からずーっと眺めているわけにもいかないので、次の面会は朝早くが狙い目です。良薬が採れる実の姿も、忘れずに撮りたいものです。

<補注1> 午前中、まだ花が白っぽい姿をとらえました。(2010年8月29日
<補注2> 別の場所で、花の感じが少しだけ違うシクンシを見ました。また、花色が白から赤に変じるのは開花翌日のことと知りました。(2018年9月28日
<補注3> シクンシの八重タイプを収録しました。(2023年9月26日

2009年のきょうチチタケ> 2008年のきょうテッポウユリ> 2007年のきょうヒャクニチソウ> 2006年のきょうタカサゴユリ> 2005年のきょうミズヒキ> 2004年のきょうハナトラノオ

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8月22日(日) パパイヤ

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ついにこの暑さは南の島レベルになったようで、市民農園でパパイヤが花を咲かせていました。発見!の経緯を正確に言うと、まず風変わり(掌状に深い切れ込みあり)で巨大(長さ30㎝ほど)な葉に引き寄せられました。いったいなんじゃこれ?と近づいたら、茎に妙チキリンなものがボコボコと…。
茎の下側では実がもうそれらしい形になっています。パパイヤは一部の両性花種を除いて雌雄異株だそうで、広い畑に1本だけだったこれには雄シベが見当たりません。無事に受精して、あの黄色い実を撮影できることを祈ります。

<これ以降収録のパパイヤ・掲載順> ☆ 露地で大きくなった実 : (2010年10月21日) ☆ 温室で黄色く色づいた実 : (2013年10月22日

2009年のきょうタマガワホトトギス> 2008年のきょうヤナギラン> 2007年のきょうキハダ> 2006年のきょうオオボウシバナ> 2005年のきょうクコ> 2004年のきょうハシラサボテン

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追加編 : ヒツジグサの真実(かな?)

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こんな風にモネを気取ってみたり、
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こんな風にお医者さんごっこしてみたり、そんなことをしているから、チョー単純なことに気づかなかったのです。
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なんちゅうことはない、これってヒツジの足跡そのものでした。未の刻に咲くなんて誰が言い出したんだか知らないけれど、それに振り回された自分がバカでした。
いえ、偉い先生たちに楯突く気はさらさらございません。定説は定説として拝聴した上で、誰がなんと言ったって、こりゃーヒツジ(の足跡)グサですわなあ。

<補注> 上2枚の写真はヒツジグサではなく洋種(温帯睡蓮の園芸種)、3枚目写真が在来のヒツジグサです。
なお、上に述べた「ヒツジの足跡」説はまんざらデタラメではなく、葉が温帯睡蓮よりも一~二回り小さいこと、その切れ込みも深いことがヒツジグサの特徴です。さらに花も、葉と同じように、両種には大きさの差があります。

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番外編 : 祝・興南

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どっちにも勝ってほしかったけど、強かったねー、興南!!
文句なしのチャンピオンです。おめでとぉーお!! (興南13:1東海大相模)

<補注> 写真の花はナツズイセンです。

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8月21日(土) タカサゴユリ

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大変に繁殖力の強い百合で、わずかな空き地とか道路の法面とか、あまり環境のよろしくないところでも背丈をぐんぐんのばして花を咲かせます。見分けを知らなかったときは、これを鉄砲百合と間違えました。しかし、あいにく鉄砲百合はその名前ほどには威勢が良くなく、高砂百合に比べるとグッと貴重品です。
とは言うものの、両者の違いはハッキリとしておきたいものです。まずは花の筒部外側の色合いが違い、鉄砲百合はここが真っ白なのに比べ、高砂は稜の部分がこのように薄紫色を帯びます(特に蕾のとき)。
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もっとわかりやすいのは葉の幅で、鉄砲百合は2cmほどとたっぷりしているのに対し、高砂は5~6mmしかないので糸のような感じがします。

2009年のきょうツルリンドウ> 2008年のきょうペチュニア> 2007年のきょうオタカラコウ> 2006年のきょうオトコエシ> 2005年のきょうシロガネヨシ> 2004年のきょうガガイモ

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8月20日(金) カラミンサ

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ハーブのなかでは知名度がやや低い方でしょうか。ハーブティにしたりお風呂に入れたり、要はスッキリ効果があるみたいです。
夏から秋まで咲き続けてくれる(注1)ので、ハーブとしてだけでなく花壇でも実用性に富んでいます。うっすらと紫を含んだ花がやや小さすぎるきらいはあるものの、こうしてたくさん植え込むと花壇が白く霞んだ風情になってきれいなものです。
おまけにヒラヒラさんの栄養補給にも役立つようです。そう言えば、先日は赤・青・黄色のトンボさんを一挙掲載したことだし、この夏、どうにか写せたヒラヒラさん(トンボよりはるかにせわしない)もここに載せておきましょう。
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黒くて大きくて重そうに見えはしても、スカビオサ(注2)の細い茎が曲がらないのだから、やはり軽いのだろうと感心します。

<補注1> 12月に入っても花を見ました。(2011年12月5日
<補注2> スカビオサを個別には取り上げていなかったことに気づき、かなり「とりあえず」の登場をしてもらいました。(2022年8月21日

<追録1> 2枚目写真の黒い蝶(↑)はメスグロヒョウモンとコメントいただきました。雌が黒いからメスグロで、雄はオレンジ色…雌雄でぜんぜん色が違います。
そのオレンジ色の雄は依然見つけられないまま、また黒々した雌(↓)に会いました。(撮影:2014年7月3日)
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これ(↓)も雌で、翅裏はこんな感じでした。
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<追録2> メスグロヒョウモンの雄をどこかで見たはずと思い、古いファイルを探したら、ありました(↓)。ただし、昔の小さな画面サイズから切り出したので、画像は冴えません。(撮影:2007年7月27日)
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ミソハギの群生のなかでランデブー中のお二人は、白と黄色のカップルでした。こういう組み合わせもありなのでしょうか。
<追録3> これ(↑)がモンキチョウ(白は雌)のカップルだと教えていただいてから、単独行動の雄(↓)を見かけました。(撮影:2014年7月3日)
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こちらもカップルのはずです。二人で仲良く翅のうら表をご披露してくれました。

2009年のきょうコマツナギ> 2008年のきょうアルストロメリア> 2007年のきょうモクゲンジ> 2006年のきょうハナキリン> 2005年のきょうトクサ> 2004年のきょうモッコク

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8月19日(木) ヒメチドメ

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血止めシリーズ、3番目は姫さまの登場です。いかにも姫っぽく、深い切れ込みを持つやや薄手の葉が繊細な美しさです。
ちょうど光線が当たる時間ではあったものの、ここはすぐに日陰になります。ほの暗くて湿り気のある場所を好むのは、この仲間の共通点です。

さて今回の血止めシリーズは、これでいったん終えます(注)。残りの代表的な仲間にはオオバチドメとノチドメがあっても、まだ見分けがアヤフヤです。地を這うような小さな草も多士済々で、血止めよりも記憶止めの薬草が欲しいところです。

<補注> 血止めシリーズ4番目収録はオオバチドメ、5番目はノチドメ、6番目がタテバチドメグサ(ウチワゼニクサ)となります。

2009年のきょうサルナシ> 2008年のきょうアオツヅラフジ(雌株) > 2007年のきょうマツブサ> 2006年のきょうミニトマト> 2005年のきょうシロバナサクラタデ> 2004年のきょうムラサキゴテン

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8月18日(水) オオチドメ

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きのう、名前だけ登場したオオチドメです。チドメグサと同じように、半日陰で湿り気の多い場所を好みます。写真が冴えない言い訳です。
ふつうのチドメグサに比べると葉が明らかに大きく(1.5~2㎝)て、切れ込みはやや浅く感じます。また、花の茎が長く、葉よりも高く飛び出します。
きのうのチドメグサの記事に対し、実際に血止めとして使ったというコメントをお寄せいただきました。効用はこのオオチドメも同じなのか、使い比べをしてみたいとは思うものの、わざわざそのために傷を2カ所も作る勇気はわいてきません。

<補注> 同属のタテバチドメグサ(ウチワゼニクサ)の花はもう少し「豪華」でした。(2020年6月26日

2009年のきょうシロバナサルスベリ> 2008年のきょうキカラスウリ(雌株)> 2007年のきょうクルマユリ> 2006年のきょうゲンペイクサギ> 2005年のきょうカラタチ> 2004年のきょうコリウス

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8月17日(火) チドメグサ

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葉の汁が止血剤になるからという名前がとても印象深い草です。ただ、こうやって地表を這うように生えていて、このまま使ったら雑菌の方が心配なので、その効果のほどはまだ試したことがありません。一応、「伝承」ということで…。
葉の大きなオオチドメが目立ちすぎるようになってしまって、本来のチドメグサはやや稀少です。葉の切れ込みが浅く、直径で1.5㎝を超えない、あるいは花の茎が葉の高さ程度にとどまる、などがほかの仲間(↓)との区別点になります。

<チドメを名乗る仲間(和名50音順)>タテバチドメグサ ☆ オオチドメ(リンクは本文中) ☆ オオバチドメ ☆ チドメグサ ☆ ノチドメ ☆ ヒメチドメ

2009年のきょうバリバリノキ> 2008年のきょうオオダイコンソウ> 2007年のきょうフシグロセンノウ> 2006年のきょうサボテン(緋牡丹)> 2005年のきょうルドベキア・タカオ> 2004年のきょうツルムラサキ

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8月16日(月) キブシ

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きのうのイイギリとは対照的に、ドッチャリコと実をつけたキブシです。はじめはなにか知らない別の木かと迷うほどの豪華さでした。
前にもこの時期のキブシの実は掲載した記憶があります。探してみると、色合いやひと房の姿は同じであっても、連なる房の数で今度の写真が圧倒しています。
ところが前の記事を見てみると、この実がこれから何色に変わるのか(注1)を自分の観察課題にしています。そして、まったく忘れていました。2年も放ったらかしとは、キブシがふてくされそうです。今年はゼッタイ忘れませんから許してください。

<補注1> 事例はハチジョウキブシながら、キブシ類の実は特に色づくことがなく、黄褐色を経過(注2)してミイラ状態になることがわかりました。(2023年12月17日
<補注2> 少し持ち上げて言うなら、いったん「葡萄茶色」を見せてから枯れ色に向かうようです。(2024年6月4日

2009年のきょうオニグルミ> 2008年のきょうダイコンソウ> 2007年のきょうウバユリ> 2006年のきょうセンジュギク(アフリカン・マリーゴールド)> 2005年のきょうゴマ> 2004年のきょうコナラ

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8月15日(日) イイギリ

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木立のなかを歩くと、黄色くなったイイギリの葉がハラハラと落ちてきて、流れる汗は止まらなくても、そろそろ夏が終わりであることを告げてくれます。
誘われて見上げると、実はまだ緑でした。真っ赤に熟した姿を堪能できた去年に比べると、今年はどうも実のつきが少ない(まばら)ように感じます。
さすがの大樹であるイイギリも毎年豊作では身が持たないようだということに、去年の記事にいただいたコメントで気づきました。我が身の限度を心得て、虚勢は張らないこと…年寄りの冷や水と笑われないように、見習わなくてはいけません。

2009年のきょうサワグルミ> 2008年のきょうコバノカモメヅル> 2007年のきょうクサボタン> 2006年のきょうホシオモト(パイナップルリリー)> 2005年のきょうオオハンゴンソウ> 2004年のきょうルリマツリ

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8月14日(土) ミクリ

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流れが緩やかな池のほとりで花と実をつけていました。草丈は胸の高さほどもあり、岸辺から2~3mくらいまでの浅瀬を占める群生です。
こういう場所でなく、流れの豊かなせせらぎのなかに育つ場合、この葉が倒れて水面を覆うように浮かんで揺らめきます。ただ、花のない時期、揺らめく葉だけでは見分けをあきらめていました。ようやく「わかりやすい」場面に出会いました。
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名前の元になった「栗のような実」が雌花で、穂の上を白く飾っているのが雄花です。左下隅に葉先が写っていて、ここが尖らないのがミクリの特徴だそうです。

<補注> 2カ月後、実が濃茶色になっていました。(2014年10月9日
<追録> ミクリが雌性先熟であることを理解しました。(撮影:2023年6月21日)
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2009年のきょうコスモス> 2008年のきょうキツネノカミソリ> 2007年のきょうキバナコスモス> 2006年のきょうハイビスカス(ブッソウゲ)> 2005年のきょうサネカズラ> 2004年のきょうエンジュ

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8月13日(金) ダンゴギク

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なるほど、団子だねー…という一輪にピントをあててみました。ところがこれは毒団子だそうで、すぐにパクリとやるクセのあるお子さんやペットには要注意です。
もっとシンプルな黄一色とかオレンジ一色とかが標準のようなのに、これは園芸種なのか自然に交雑してしまったのか、なかなか華やかな色合いです。
腰上ほどの高さはあったくせに、元々はさらに大きなものだったようです。茎に翼があるところはハネミギクを思い出させてくれます。調べたら、両方とも北米大陸から持ち込まれた外来植物同士でした。

2009年のきょうハス(八重)> 2008年のきょうレンゲショウマ> 2007年のきょうレンゲショウマ> 2006年のきょうヌスビトハギ> 2005年のきょうニガウリ> 2004年のきょうオモダカ

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8月12日(木) タバコ

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町内会活動として、早朝にパトロールをしていて、見回りだけではヒマなので、ついでにゴミ拾いをします。そのゴミのなかで目立つのはタバコの吸い殻で、拾っても拾っても、毎朝コンスタントに30本以上あります。
うちの町内会はたった100世帯のごく狭い区域なのに、そして人通りもそれほどではない場所なのにこの始末なのです。タバコの花ってこんなにきれいなのに、どうしてタバコ吸いはポイ捨てをするのですか!(怒)
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などとここで怒ってみても仕方ない話で、冷静に毎朝の収穫ブツをJTに送りつけてやろうかなどとさらに仕方ないことを考えています。おっと、話は生のタバコでした。タバコは葉があってこそタバコです。
さすがにデカイです。根もと方向にはもう少し大きなものもありました。ただ、手ごろな位置にあったこれでも長さ30㎝はありました。

<補注1> この記事のタバコは葉タバコ(Nicotiana tabacum)であり、同じ属には花タバコと称される一群もあります。(2016年8月26日
<補注2> 同属にはキダチタバコという木本もあります。(2019年7月23日

2009年のきょうカノコユリ> 2008年のきょうキキョウ> 2007年のきょうトチバニンジン> 2006年のきょうカンガレイ> 2005年のきょうニチニチソウ> 2004年のきょうミソハギ

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8月11日(水) カンレンボク

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モンキーバナナのような実が星形につくこの木を知ったのが去年の9月でした。あれからじつに11カ月、ようやく待ちに待った花に会えました。大きな木の枝が花の重さでたわむほどに賑やかです。
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遠目にも、花には白いものと緑っぽいものがあるのがわかります。白い方が雄花、緑っぽい方が雌花です。
雌花の軸のその下に、こうして2個から5個ほどの雄花がつきます。まるで下僕を従えた女王様…みたいな決まり切った発想の貧困さはさておき、自然界ではおおむねこういう図式がメジャーだなぁとうら悲しいオジサンです。

<補注> 雄花の一つで吸蜜している蝶はイチモンジセセリです。

2009年のきょうニガウリ> 2008年のきょうシデシャジン> 2007年のきょうメタカラコウ> 2006年のきょうコリウス> 2005年のきょうタマガヤツリ> 2004年のきょうハツユキソウ

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8月10日(火) オオグルマ

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きのう、さんざんオグルマの八重に毒づいておきながら、オグルマ→オオグルマとつなげるのだから、我ながら良くない性格です。
しかし、古色ゆかしい小車にかこつけてこれを大車とは、名づけた人もかなり悪ノリ…と思ったら、こちらはこちらで由緒正しい薬草で、別名が土木香でした。木香はあのモッコウバラも名前を借りた生薬で、それだけ香りがいいのでしょう。その木香の代用を務めたのがこの草の根で、いまでもいろいろな薬に使われているようです。
草丈は胸ほどもあり、葉はガサガサと大きく、花もこのように盃状ですから、この姿からオグルマと関連づけるのはむずかしいと思います。自分では、ヒマワリの仲間と思い違いしないように気をつけないといけません。

<補注1> もう少し「オグルマ属の一員(Inula)」らしい様子を載せました。(2019年7月14日
<補注2> 新しい視点でオオグルマを取り上げました。(2024年7月17日

2009年のきょうホオズキ> 2008年のきょうゲッケイジュ> 2007年のきょうヤマホトトギス> 2006年のきょうマルバタマノカンザシ> 2005年のきょうベニバナサワギキョウ> 2004年のきょうゴンズイ

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8月9日(月) オグルマ(八重)

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名札がなかったら、たぶん「なんかの菊」で片付けて通り過ぎたことでしょう。え、どうしてこれがオグルマ? 豪華ならいいってもんじゃないでしょ!
たしかに、言われてみれば葉や茎はそう見えても、名前の元であるあの可憐な花びらがこんなでは、自己否定そのものです。そもそも、本来のオグルマは湿り気のある場所に咲くのに、これってカンカン照りの花壇で平気な顔です。
園芸種だと知り、ホッとしました。野歩きの沼辺にこんなのがあったら、頭をかきむしってしまいます。モォ、オグルマを八重にする必要…、ありますかねえ。

2009年のきょうムサシアブミ> 2008年のきょうキカラスウリ(雄花)> 2007年のきょうサンショウバラ> 2006年のきょうカボチャ(セイヨウカボチャ)> 2005年のきょうシコンノボタン> 2004年のきょうヒルガオ

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8月8日(日) カラスザンショウ

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カラスザンショウの森がありました。羽状複葉の濃い緑でこんもりした樹冠に、ピザパイがいっぱいです。このピザ、黄色みを帯びた5mmほどの小さな花が直径15cm前後のロート型(散房花序)に集まったもので、木を覆うように賑やかです。
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そんな花盛りの森で、目当てはこの雌花(雌株)でした。去年の冬に、カラスザンショウが雌雄異株であることにようやく気づき、この夏はどうしても雌株を見上げてその花を撮りたかったのです。
ちょっとした誤算は、熟した実の重さで房が垂れ下がる冬と違い、花は木の上方ですましていることでした。この木は生長が早いことで有名な上に、花は高いところにばかりつくのです。そんなわけでこれが精一杯のクローズアップです。ただ、うまい具合に緑色の実も混じって、いかにも雌株らしい一枚を撮ることができました。
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そして雄花(雄株)もあらためての登場です。去年、雌雄を知らない段階で撮ったのが雄株でした。そして、いま思えばその写真は盛りを過ぎて茶色く枯れていました。男の名誉挽回とばかりに、葯が黄色くほころんでいました。

<補注> 1枚目写真は雄株です。
<これ以降のカラスザンショウ記事・掲載順>緑色の実:2011年9月21日 ☆ 樹冠いっぱいの実:2013年12月23日 ☆ 雄花詳細と枝の棘:2014年8月8日 ☆ 小葉を落とした葉柄(葉軸):2017年12月25日 ☆ 割れた枝:2019年10月5日 ☆ 枯れた実をつつくカラス:2019年11月30日

2009年のきょうノグルミ> 2008年のきょうアオノリュウゼツラン> 2007年のきょうコケモモ> 2006年のきょうウド> 2005年のきょうイネ> 2004年のきょうクサギ

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番外編 : トンボたち(三色そろい踏み)

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見かけてびっくり。黄色いトンボっているのでした。
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黄色に比べると、赤はまあふつうに見るとは言え、今回見入ったのは金色に輝く翅の付け根です。あと、倒立ポーズもこのトンボの得意技です。
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そして青です。体はなんとなく青いかな…くらいでも、お目々が!

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8月7日(土) ミツバ

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いまごろの野山でときどき見かけるこの小さな花がなにかわからなくて、しかも小さすぎてうまく写せなくて、これまでずっと「見て見ないふり」をしてきました。
くそー、またコイツだ!と思いつつ、花だけでなく葉も写るように…と葉をマジマジ見たら、なにか見覚えのある形です。囓ってみたら、ア、お清ましのアレでした。
考えてみれば、ミツバだって最初から八百屋や畑に生まれたわけもなく、立派な野山の草でした。もっとも茎葉は栽培品よりグッと歯ごたえがあるし、味もそれなりに野性的で、夕餉の足しに持ち帰っても、家人に叱られるのが関の山です。

<補注> ミツバの色変わり品種を見つけました。(2016年6月13日)

2009年のきょうリキュウバイ> 2008年のきょうタンキリマメ> 2007年のきょうミヤコグサ> 2006年のきょうオモダカ> 2005年のきょうツユクサ> 2004年のきょうナツズイセン

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追加編 : レンゲショウマ

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一日のうちに追加編を二つ載せます。これもウバユリと同じで、特に目新しいことはないのに、ただ、前よりもきれいに撮れた、それだけです。
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強いて言えばポリネーター(花粉媒介者)を写し込むことができたのが今年の収穫でしょうか。軽量級でないと、この姿勢で吸蜜するのはむずかしそうです。

<補注> 後年、もっと純白のレンゲショウマを見ました。(2017年8月28日

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追加編 : ウバユリ

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前に載せたときは本当にお婆さんになって枯れかけだったので、名誉回復の一枚です。姥とは言われても、じつはなかなかの美人です。
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少し山に入ればいまが見ごろのウバユリも、平地ではもう種をつけています。スケバハゴロモがお一人さまで休憩中(写真中央)でした。

<補注1> 種のその後を掲載しました。(2014年11月20日
<補注2> 総苞に包まれ垂直にセットされた花が水平に開くまでの手順をとらえました。(2019年7月26日

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8月6日(金) ヤマホタルブクロ

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象さんが団体で空を飛んでいるような、なんじゃこれは? いったいなんの花が窄めばこんな姿に? えーと、えーと…と野道で立ち尽くしてしまいました。
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思いつかないのであきらめて歩き出したら、少し離れたところにまだ花を残した株がありました。アッハー、あなた(ヤマホタルブクロ)でしたか!
♪花咲き花散る宵もぉ~、という古い歌(東京ラプソディ)にあるように、花は散るものと思っていると、こういう残り方もありでした。もしかしたらこの萎れカスのなかに蛍のミイラも…って、そんな間抜けはあんたぐらいだよ!と蛍が笑うことでしょう。

2009年のきょうセイヨウトラノオ(ベロニカ・ロンギフローラ)> 2008年のきょうホルトノキ> 2007年のきょうタマアジサイ> 2006年のきょうウイキョウ(フェンネル)> 2005年のきょうフサフジウツギ(ブッドレア)> 2004年のきょうイヌキクイモ

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追加編 : ヒマラヤヤマボウシ

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先月の半ばに花の様子を載せました。この暑さにもかかわらず、まだまだがんばっていました。ただ、あのとき「これから多少白く変化する」と書いたのはやや誤報で、どうやらあの辺が白さのピークだったようです。
花がしぶとい系ですから、実もこのままたくさんつきそうです。ふつうの山法師や常緑山法師(ホンコンエンシス)よりも大きくなりそうで、試食できる日が楽しみです。

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8月5日(木) ガガブタ

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広めの池をびっしりと覆う葉がありました。ヒツジグサにしては小さいし、アサザにしては大きいし、ずっと、花が咲くのを楽しみに待っていました。ようやく咲いたその花は、白くて小さくて(直径1.5㎝くらい)、控えめなかわいいものでした。
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ところが寄ってみると、あれま、そのお姿に絶句です。この毛深さは、あのミツガシワそのものではありませんか。なるほど、ミツガシワ科アサザ属、これまで見てきたものがパズルを解くようにつながってきました。
そして名前にまた絶句です。迫力ありすぎです。で、考えました。これはきっと毛深さつながりでガガイモが関係するのではないか、と…。みごとにハズレでした。
鏡蓋(葉を鏡の蓋と見る=先日のトチカガミに近い発想?)が訛ってガガブタでした。毛むくじゃらの花が、「へたな考え、休むに似たり」とあざ笑っているようです。

2009年のきょうカラスザンショウ> 2008年のきょうハマオモト(ハマユウ)> 2007年のきょうクサレダマ> 2006年のきょうサボンソウ> 2005年のきょうベゴニア> 2004年のきょうフヨウ

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追加編 : ヤブミョウガの両性花

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3日前に取り上げたヤブミョウガについて補足します。
「両性花と雄花が混在するタイプ」と書きながら、先日の写真には雄花(と思われるもの)だけしか写っていませんでした。きょうのこれが両性花で、白い雌シベの先が雄シベの葯よりも飛び出し、その付け根ではすでに子房が膨みはじめています。
これに対して先日の写真(特に右側の花)は、雌シベは雄シベに隠れて見えず、子房は茶色に萎んでいます。雌性を失った「不完全」体が雄花とは、男の身としては受け入れがたくても、世のなか「まずは女性ありき」が理の当然のようです。

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8月4日(水) キキョウ

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暑いぞ、くそ~とか呟きながらも、おぉ、秋はもうすぐなのだとホッとします。桔梗女郎花(おみなえし)、秋のイメージを代表する花が競演していました。
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きょうのタイトルをどちらにするか迷いながらも、近づいたら桔梗の花の方に目をとられました。咲き始めが左側で、このあと雌シベは閉じたまま雄シベが開き、そして雄シベが枯れたあと雌シベが開く右の段階になります。
ひとつの花が最初は雄で後半は雌…自家受粉を避けるための巧妙なしかけです。
…などと小難しいことを書くと、また暑苦しくなります。
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そこで、紫より涼しげな白の桔梗で口直しです。ところが、白花の桔梗らしいものはかつて取り上げていて、それをいま見直すと「こんなの桔梗じゃないよ!」とは思うものの、いったいなんなのか調べがつきません(注1)。
白い花に涼しさを求めようと思ったのに、これでは油汗が出るばかりです。

<補注1> 記事の紛らわしい表現を補足します。3枚目写真の白い桔梗はシロギキョウ(Platycodon grandiflorum f. albiflora)であり、文中で「かつて取り上げ」た「白花の桔梗らしいもの」としているのは、その後、モモノハギキョウであることが判明しています。(2011年7月2日
<補注2> 一つの花が性転換するというしくみはキキョウと同じなのに、キッコウハグマの場合はその現場を目撃するのにずいぶんと苦労しました。(2019年11月9日
<補注3> キキョウの草姿全体を確認しました。(2020年6月18日

2009年のきょうサギソウ> 2008年のきょうハマゴウ> 2007年のきょうナツハゼ> 2006年のきょうセンノウ> 2005年のきょうブルーベリー> 2004年のきょうタラノキ

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8月3日(火) キツネノカミソリ

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谷戸というか、小さな狭間にある湿地です。この場所を知っている人は少ないようで、怪しい狐火が揺らめくさまを心ゆくまで楽しむことができます。
だがしかし、その至福の時間を邪魔するヤツがいます。虫除けスプレーも電池式携帯蚊取りも、ほとんど役には立ちません。うわ、こら、ペシ!
というわけで、木漏れ陽がもう少しうまく入る時間まで待ちきれませんでした。それでも、この花はいままでクローズアップばかり(2008年2005年)だったので、このブログには初登場となるキツネノカミソリ群生の図です。

2009年のきょうアーティチョーク> 2008年のきょうハマボウ> 2007年のきょうコオニユリ> 2006年のきょうオニドコロ> 2005年のきょうキツネノカミソリ> 2004年のきょうスベリヒユ

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8月2日(月) ヤブミョウガ

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秋が深まれば黒々と美しく並ぶ実も、いまは少しずつ変身中です。すでに真っ黒になったものから、茶、薄茶、緑、白…色とりどりの玉が並んでいました。
白い玉にはまだ雌シベの柱や雄シベの残骸がついたままです。これだけ長い雌シベがあったのは、これが両性花だった証拠で、それに対していま咲いている花の雌シベは雄シベに埋もれて姿が見えません。
つまりヤブミョウガは、この春に気づいたトチノキと同じように、両性花と雄花が混在するタイプでした。「いまごろ気づいたの?」とトチノキやヤブミョウガが苦笑いしています。髪型を変えた家人を誉めたときもこのセリフを言われた気がします。

<補注> 両性花を収録しました。(2010年8月5日

2009年のきょうマルバチシャノキ> 2008年のきょうノトカクタス(品種不明)> 2007年のきょうキンロバイ> 2006年のきょうモミジアオイ> 2005年のきょうカナムグラ> 2004年のきょうタマサンゴ(フユサンゴ)

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8月1日(日) ハンカチノキ

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春の連休のころはみんなが寄ってたかってカメラを向けてくれるのに、ほかの季節はこの木の下は静かなものです。葉が紅くなるまでぶら下がっているこの実、なかなか味わいのある形なのに、もったいないことです。
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根もとには前の年の実が落ちていました。梨の実をもっと色濃くしたような風合いの肌で、虫に食われるわけでなく、自然に腐食するわけでなく、かなり硬質です。(右側はナイフで削って核を出したもの)
この木にとって日本の気候は暑すぎるようで、自然には発芽しないようです。それでもこの木を見かける場所が増えた裏には、やはり育苗家の努力があるのでしょう。

<補注1> この実が樹上で充実した姿をとらえました。(2015年11月7日
<補注2> 実や花に比べると、冬芽はとても地味でした。(2024年3月12日

2009年のきょうオオリキュウバイ> 2008年のきょうカキラン> 2007年のきょうハナハッカ(オレガノ)> 2006年のきょうミゾカクシ> 2005年のきょうシマサルスベリ> 2004年のきょうコナラ

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