5月30日(日) セイヨウミザクラ
そろそろ店先に並ぶ佐藤錦などのサクランボの銘柄品も、このセイヨウミザクラの改良品種という位置づけだそうです。
さて、花は?というと白っぽくて雑な感じで、いままで一度も撮ったことがありませんでした。来春の撮影予定には、この木の花もしっかり入れておくことにします。
<補注> 同じく可食品種であるカラミザクラ(シナミザクラ)が稔った様子を収録しました。(2015年5月17日)
2009年のきょう<キハダ(雌株)> 2008年のきょう<フデリンドウ> 2007年のきょう<ムギセンノウ> 2006年のきょう<コウホネ> 2005年のきょう<ヤナギハナガサ> 2004年のきょう<オオキンケイギク>
5月29日(土) イザヨイバラ
そのイザヨイバラにようやく会えました。十六夜は満月の次の日…つまり月がちょい欠けているわけで、このバラが花びらの欠けを持ちやすいことにかけています。
なんと、この八重は原種イザヨイバラを改良した園芸品で、本来のものではありませんでした。一重ならば、サンショウバラのそれよりもっと大きな実をつけ、それには豊富なビタミンCが含まれているのだそうです。
残念無念、今回は目的達成率50%で終了です。ひと夜の夢でいいから、一重のイザヨイバラ(↓)に会いたいものです。
<追録> 一重のイザヨイバラに会えました。(撮影:2022年5月9日)
2009年のきょう<カキネガラシ> 2008年のきょう<ヤマグルマ> 2007年のきょう<ハナミョウガ> 2006年のきょう<ガクウツギ> 2005年のきょう<ノビル> 2004年のきょう<ナツグミ>
追加編 : ハタザクラの実生苗?
5個蒔いて1本ですから貴重品です。蒔いたときの記事には「正しい蒔き方」のコメント(洗って、冷蔵庫保存して、翌春に…)をいただいていたのに、そのまま天然自然状態で土に浅く埋めただけにしていました。
さてこのあと元気に育つものか、育ったとしていつごろ植え替えをしていいものか、不安はつきまといながらも楽しみができました。ただ、実生ハタザクラには先輩がいまして、その木は旗弁もつけず、花色も白いのです。取り木のハタザクラさえ旗のつきやすさには差があるのに、実生で親の性質を引き継ぐのはむずかしいようです。
まあ、そんな心配は無事に育ったあとのこととして、いまはまず枯らしてしまうことだけはないように、大事に見守ることにいたします。
<補注> 上の記事で「双葉がケヤキ云々」としたのは間違いでした。本当の双葉の様子をあらためて載せました。(2010年6月7日)
5月28日(金) シャクヤク
…と、白の八重咲きだけできょうはやめておけばいいのに、赤の一重も載せてしまいました。なぜなら、雄シベが花びら化してしまった八重と違い、黄色の葯が演出する賑やかさが捨てがたかったからです。
…ん、これじゃどこかの誰かさんと同じでした。「これもいいけど、あれもいい」というのは趣味の世界だけにして、仕事はキリッと「一点突破」で行きたい(注)ものです。
<補注1> 趣味の世界も一点突破してみました。(2015年5月2日)
<補注2> シャクヤクの芽吹きはなかなか味のあるものでした。(2024年3月13日)
2009年のきょう<ノアザミ> 2008年のきょう<ミツガシワ> 2007年のきょう<オオバオオヤマレンゲ> 2006年のきょう<オモト> 2005年のきょう<サラサウツギ> 2004年のきょう<タイサンボク>
5月27日(木) ワニグチソウ
ただし、去年のワニグチソウの写真と比べると、現場の気分は今年の方がぐっとよく出ていると思います。もちろん、下手な写真談議より大切なのは被写体の姿で、去年よりふくよかな花盛りの時期をとらえることができました。
ただ、どう四つん這いになっても花のなかは写せないので、ちょっと指で持ち上げてみたのはご勘弁です。上の写真で花弁から飛び出ていた雌シベの生長時間差がわかるし、その付け根方向には雄シベ(葯)がしっかり控えています。
2009年のきょう<テマリカンボク> 2008年のきょう<オヤブジラミ> 2007年のきょう<ヤグルマソウ> 2006年のきょう<クサイチゴ> 2005年のきょう<ツリバナ> 2004年のきょう<クリ>
5月26日(水) ギョリュウ
庭木でこれを見かけることがないのは、そのまとまりの悪い姿(背は4~5mにはのびるし)のせいだと思います。しかし、この奔放さを許せる度量があれば、花の時期には薄紅色の簪をつけた舞妓さんの群舞を見る風情が楽しめます。
かつて、ギョリュウバイを取り上げたときに、どうしてギョリュウに名を借りたのか合点がいかなかったものでした。ところが、こうやって花の時期にぼんやり眺めると、なんとなくハハーンとなるのだから、感覚というのはアバウトなものです。
<補注> ギョリュウモドキを収録しました。(2019年2月9日)
2009年のきょう<マユミ> 2008年のきょう<イワカガミ> 2007年のきょう<ネメシア> 2006年のきょう<ワジュロ> 2005年のきょう<スイカズラ> 2004年のきょう<キョウチクトウ>
5月25日(火) ミツバウツギ
そんな花とか葉よりも、山のなかでずっと存在感があるのはこの実です。いまの時期から冬になるまで、ずっとこの宇宙人のオツムみたいな形が目立ちます。
あまりにこれに目をとられ、最初のころは3小葉から調べることができなくて、名前を知るのに苦労しました。そんなほろ苦い思い出につながるかわいいツノです。
<補注> 秋には実がだいぶくたびれます。(2014年9月15日)
2009年のきょう<ヒトリシズカ> 2008年のきょう<キハダ> 2007年のきょう<オオムラサキツユクサ> 2006年のきょう<ムラサキツユクサ> 2005年のきょう<センダン> 2004年のきょう<ハコネウツギ>
5月24日(月) コウモリカズラ
科名であるツヅラフジ(オオツヅラフジ)に似た葉ながら、あちらの葉柄はふつうに葉の端につくのに対し、こちらは葉のなかに少しだけ入り込んでいます。
せっかくの花を差し置いて葉の話を先にしたのは、じつはこれが雄株で少し落胆したからです。男の性(さが)なのか、雌雄異株や雌雄異花の場合にはどうしても雌花に燃え(萌え?)てしまいます。
しかし、残念ながら、ここには雌株がないようです。またどこか別の場所で、緑の子房が目立つ雌花やそれが熟した黒い実に会えることを祈っておきましょう。
<オオツヅラフジ以外の仲間> ☆ この仲間に興味を持たせてくれた最初の功労者であるアオツヅラフジ ☆ 藪のなかに実を見つけたハスノハカズラ
<補注> コウモリカズラの雌株が花をつけた様子を収録しました。(2015年5月31日)
2009年のきょう<ヒメサユリ> 2008年のきょう<ネズミムギ> 2007年のきょう<ブラシノキ> 2006年のきょう<トキワツユクサ> 2005年のきょう<カルミア> 2004年のきょう<センダン>
5月23日(日) シュロ(ワジュロ)
300mm望遠ではこれが限度かとあきらめかけたら、足下にタラコからのプレゼントがありました。右に並べて置いた鍵と比べると、雌花(子房)の直径は3mm、飛び出た雌シベの長さは1~1.5mmということになります。
おっと、雄花(雄株)も一応は撮らなくてはいけません。タラコ状態までは雌雄の区別がつかないのに、開いたらタラコが粉吹き芋になっていました。さらに「おっと」と、トウジュロの撮影を目指したものの、これはどうやら来年回し(注)になりそうです。
<補注> 来年どころか12年後にはなったものの、トウジュロの雄花は新鮮な状態で収録でき、上の粉吹き芋状態をリカバリーしました。(2022年5月29日)
2009年のきょう<キバナフジ> 2008年のきょう<ユキザサ> 2007年のきょう<コマツヨイグサ> 2006年のきょう<ジャガイモ> 2005年のきょう<オランダカイウ(カラー)> 2004年のきょう<トキワツユクサ>
5月22日(土) タチバナ
3年前に、得々として「橘の花です」とやったところ、後日、「橘が6弁では変?」というコメントをいただきました。たしかに柑橘類は5弁がふつうなので、あまりに恥ずかしいミスでした。当時は、そのうちに写真を差し替えようと画策したものの、それではいささか狡猾に過ぎるので、汚点は晒したままに「正しい姿」を掲載です。
ただ、ちょいと言い訳をしておくと、この木(3年前と同じ)は今年も6弁の花だらけで、「正しい」枚数の花を探すのに苦労しました。同じように5弁であるべきエゴノキで6弁だらけの木に遭遇し、大調査(?)をしたことがなつかしく思い出されます。
2009年のきょう<ショウブ> 2008年のきょう<クヌギ> 2007年のきょう<ノースポールギク(クリサンセマム・パルドサム)> 2006年のきょう<ニオイシュロラン> 2005年のきょう<ニオイバンマツリ> 2004年のきょう<ユスラウメ>
5月21日(金) ケシ
おっと、これはそういう危ない出自ではなく、東京都薬用植物園で学術的に栽培されているものです。ふだんは二重の鉄柵で近寄れないところを、この時期だけ外側のフェンスを解放してくれるというので、押っ取り刀で出かけました。
キャベツのような風合いの葉が茎を抱くところにGメンは着目するのでしょう。そのほかに、平らな頭がカッパそっくりの実も危ないケシの特徴だそうです。
派手な八重もあれば、真っ白の花もありました。草丈も男の背ほどには育って立派だし、なるほどちょっと植えてみたくなる…ブルブル、見るだけです。
<補注> 同じく栽培禁止品であるアツミゲシを収録しました。(2024年5月18日)
2009年のきょう<バッコヤナギ> 2008年のきょう<ザイフリボク> 2007年のきょう<クスノキ> 2006年のきょう<カスミソウ> 2005年のきょう<ユウゲショウ> 2004年のきょう<クレマチス>
5月20日(木) ハグマノキ(ケムリノキ)
煙状態になったあと、糸の先にときどき実がついているのを見かけるわけで、そのための雌シベが3本、花の中心で噴水のようです。それに対して、5個の雄シベは花びらに埋もれるようにして、とてもささやかな姿です。
<補注1> もう少し花が花らしく見える品種がありました。(2013年5月27日)
<補注2> ハグマノキの標準和名はケムリノキです。
2009年のきょう<アオダモ> 2008年のきょう<ヤブジラミ> 2007年のきょう<カルケオラリア> 2006年のきょう<ツルウメモドキ> 2005年のきょう<トベラ> 2004年のきょう<カキノキ>
5月19日(水) ヒメグルミ
鬼と同じつくりで真っ赤な雌花(雌シベ)は少し終わり気味で、もう実が膨らんできていました。去年、オニグルミとの比較をした実はここのものです。
こちらが雄花で、オニグルミのそれに比べると長さは半分の10cm程度でした。ただ、本来の雄花の花穂はもう少し長く、またこの写真のように1本だけということはなくてもっと賑やかにぶら下がるもののようです。
結論として、木の姿・花の様子・実の外見では鬼と姫の見分けには自信が持てない(自分の場合)こと、やはり核果を割ってみるのが一番早いことがわかりました。
<補注> 胡桃類の雄花は前年枝から出るのに対し、雌花は当年枝につくことに気づきました。(2022年4月27日)
2009年のきょう<ヒメツルニチニチソウ> 2008年のきょう<ヤマシャクヤク> 2007年のきょう<ツボサンゴ> 2006年のきょう<フランスギク> 2005年のきょう<チョウジソウ> 2004年のきょう<タチアオイ>
5月18日(火) コメツブツメクサ
じつは、きのうコゴメウツギを載せたとき、これを思い出しました。コメツブツメクサのほかに、これはコゴメツメクサとも呼ばれるからです。さらにキバナツメクサとずばり花色を冠した名前も持っていて、小粒のわりにはなかなかぜいたく者です。
写真左上に枯れた花が入っていて、絵的には邪魔であっても、じつはこれがツメクサの仲間(上記3種はすべてマメ科シャジクソウ属)である証拠です。
<補注> 花穂が同じ黄色で、そのサイズがこれより大きいツメクサにクスダマツメクサがあります。(2018年6月1日)
2009年のきょう<サンショウバラ> 2008年のきょう<チングルマ> 2007年のきょう<スノーキャップ> 2006年のきょう<オオバコ> 2005年のきょう<サラサドウダン> 2004年のきょう<アヤメ>
5月17日(月) コゴメウツギ
グッと寄ると、長短が混じった複雑な花びらがなかなか凝っています。実際は、短い5枚は萼のくせをして、狡いというか巧いというか、たいしたテクニシャンです。
あわせて見事なのは葉です。菊の葉のように深く切れ込んで、技巧派の花に優るとも劣らないアピール力です。
せいぜいが男の背丈ほどの灌木(低い木)なのに、いまの時期の野山では人の目を惹きつけてやまない存在感にあふれています。
<補注> 感じが似たものにカナウツギがあります。(2010年6月8日)
2009年のきょう<オオバナノエンレイソウ> 2008年のきょう<チゴユリ> 2007年のきょう<ユキノシタ> 2006年のきょう<ヘラオオバコ> 2005年のきょう<メキシコマンネングサ> 2004年のきょう<タイサンボク>
5月16日(日) ハクウンボク
振り返ると、「来春は花を見たい」と書いてからもう3年経っていました。ここらで開花の「感じ」だけでも記録しておかないと、狼少年ブログになってしまいます。
もっとも、この木の見どころは花だけでなく、大らかな形の葉も魅力です。厚めの質にもかかわらず、花の影を映して透けた様子がこの季節ならではの美です。仲間のエゴノキと花の感じはよく似ていても、葉がこれだけ違うのだから自然は愉快です。
<補注> 翌年は立派に満開の様子をとらえました。(2011年5月12日)
2009年のきょう<ジャケツイバラ> 2008年のきょう<コトネアスター> 2007年のきょう<ヒメヒオウギ> 2006年のきょう<カンボク> 2005年のきょう<ホオノキ> 2004年のきょう<ホオノキ>
5月15日(土) ヒメウツギ
枝ぶりも、奔放にワサワサするウツギに対して、こちらは背の低さに加えて姿全体もコンパクトで、いかにもお行儀の良い姫さまの風情です。
…などと、ふつうのウツギを対比させようと過去を調べたら、こちら(ブログ)には実の姿しかなく、花は「増補版」にかろうじて収録していました。その花の写真が、いやあ、我ながら冴えません。こういう基本種だけは撮り直しておきたい気もするし、それは放っておいて前へ進まなければとも思うし、悩みというのは尽きないものです。
<補注> ふつうのウツギの花は、2年後に収録しました。(2012年6月5日)
2009年のきょう<カッコソウ> 2008年のきょう<カマツカ> 2007年のきょう<キツネアザミ> 2006年のきょう<カラスビシャク> 2005年のきょう<シロミミナグサ> 2004年のきょう<エゴノキ>
追加編 : 白モッコウバラの香りの出どころ
自分では「蜜に香りがあるのでは」と予測してみたのに、それはみごとにハズレでした。こうして花びらをはずした花托をいくらクンクンしても、まるっきり香りゼロです。そして花びらを手のひらにくるんでそこに鼻を近づけると、うん、これです。ここでした。
虫にアピールしやすい黄色を捨てた花びら(白八重)は、香りを持つことで集客機能を補完しようとしたのでしょう。自分の役目は自分で全うする…見習いたい精神です。
5月14日(金) コンニャク
ただ、咲くまで5年前後かかるコンニャクを自分で育てるのは難儀だし、とりあえず奇っ怪な姿をこの目で見たのだから満足しておくことにします。サトイモ科の仲間であるミズバショウやタケノコイモとは正反対におどろおどろしい色合いのこの仏炎苞には、美醜の枠を超えた存在感があふれていました。
<補注> 茎がのび、葉が開いた様子はすでに収録しています。(2009年10月11日)
2009年のきょう<ギシギシ> 2008年のきょう<オオカメノキ(ムシカリ)> 2007年のきょう<ヤセウツボ> 2006年のきょう<タラヨウ> 2005年のきょう<ゼニアオイ> 2004年のきょう<エゴノキ>
5月13日(木) ミツデカエデ(雄株)
カエデらしくないカエデといえば、このミツデカエデとメグスリノキ、それにチドリノキが有名です。なかでもミツデとメグスリは3枚つく葉が似てはいても、ミツデの方がややふっくらシェイプなので間違えることはなさそうです。
さて、これらの木はみな雌雄異株です。チドリノキだけはこの春のうちに雌雄の株両方を写すことができたものの、メグスリノキとこのミツデカエデは、残念ながら雄株(雄花)だけにとどまりそうです。
何本かのミツデカエデが地べたに落としていた花穂を仔細に見てまわっても、賑やかに目立つ雄シベがうらめしいだけでした。
<補注> 雌株の開花の様子を収録しました。(2015年5月15日)
2009年のきょう<スイバ> 2008年のきょう<アマドコロ> 2007年のきょう<サワフタギ> 2006年のきょう<ミヤコワスレ> 2005年のきょう<セイヨウオダマキ> 2004年のきょう<ソラマメ>
番外編 : 貧乏草
「ねえねえ、バアちゃん、どうしてあの人、ビンボウグサなんか写してるの!?」
ガーン。そうです。つい小賢しく標準和名でばかり呼んでいたけれど、この辺ではたしかにこれ、「貧乏草」なのでした。白いのを摘むと貧乏になるとか、ピンクなら金持ちだとか、よくわからんことを言って、子供は遊びます。
旧・武蔵国の範囲ではこの呼び名は通用しそうでも、はたしてどの辺までこんな酷い名前が使われているものでしょう。
5月12日(水) オオカワヂシャ
ところがその程度のズームでは、せいぜい紫の点が散らばる写真にしかなりません。仕方がないのでピット内清掃と称して金網を越え、1cmほどの小さな花のなかのクワガタソウ属らしい2本の雄シベまで、ようやく写すことができました。
おっと、苦労話よりはこの草のことです。チシャはレタスのことですから、名前の意味は「川岸にあるチシャっぽい草の大型版」です。ところが大きくない「ふつう版」のカワヂシャは絶滅危惧状態で、
オオカワヂシャの姿を見る限り、「どこがレタス?」と不思議でも、ふつう版を見るまでブーイングは控えておくことにします。
<補注1> まだ寸詰まりな若葉の状態を見ました。(2020年2月17日)
<補注2> 在来のカワヂシャを発見しました。(2020年5月1日)
2009年のきょう<タラヨウ(雌花)> 2008年のきょう<オトコヨウゾメ> 2007年のきょう<アメリカフウロ> 2006年のきょう<カラマツ> 2005年のきょう<ヤマボウシ> 2004年のきょう<カナメモチ>
5月11日(火) ハナイバナ
花びらはどちらも似たような空色で、直径3mmくらいと同じサイズです。しかし、茎の先端で花穂が渦巻きになるのがキュウリグサ、葉と葉の中間に花が一つずつつく(名前はここから)のがハナイバナと、形態が明らかに違います。
もう一つ、キュウリグサの花芯はハッキリと黄色いのに対し、ハナイバナのそこは無愛想なほどに虚ろ(注)です。
<補注1> 久しぶりにハナイバナを見つけ、花中央部の白っぽさを再確認しました。(2022年6月1日)
<補注2> コメント(↓)でryoiさんに写真の甘さをご指摘いただいて、ずっと気になっていました。これでどうだ!とはまだ言えないにしても、かつての恥ずかしいものを新作2枚(↑)に差し替えました。(2022年11月)
2009年のきょう<ネコノメソウ> 2008年のきょう<クマガイソウ> 2007年のきょう<ナニワイバラ> 2006年のきょう<セリバヒエンソウ> 2005年のきょう<ポポー> 2004年のきょう<スイカズラ>
5月10日(月) モッコウバラ(白モッコウバラ・八重)
そのモッコウバラ全体を見ると、勢力図的には黄花種が多数派で、この白い方はややマイナーです。黄モッコウバラをお印にする眞子さまの誕生が1991年でしたから、そこから黄と白のシェアに差がつき始めた気がします。
しかし、黄色種(八重)はほとんど香りがしないので、「木香」の名前が「看板に偽りあり」なのに対し、白の八重は本当にきれいな香りです。なににたとえようか考えて、ローズヒップティーを思い出しました。スーッと抜ける甘い香りはいかにも春めいて、テーブルにこれを一枝置けば、お茶の時間が盛り上がりそうです。
<補注> この香りの発生箇所を確かめてみました。(2010年5月15日)
2009年のきょう<エゾネギ(チャイブ)> 2008年のきょう<シャリンバイ> 2007年のきょう<ウスバサイシン> 2006年のきょう<セッコク> 2005年のきょう<ヤエコデマリ> 2004年のきょう<オオムラサキ>
5月9日(日) オニグルミ
この川は川越あたりに発していて、志木と川越の間はほぼ宅地化されているはずなのに、それでもまだ川岸にこの木のお母さんが暮らす環境は残っていたようです。
うまい具合に斜面の上から花に迫ることができました。ウサギの耳のような雌花(雌シベ)は片側の長さが1cmほどと大きく、派手な色なのですごく目立ちます。
一方、まるで鳩時計の錘(おもり)のように固かった雄花は花粉を出し尽くしてしまい、情けない姿になり出しました。
ただ、待ちぼうけの雄が多いほかの雌雄異花の木に比べると、オニグルミは雌花・雄花の開花時期がほぼ一緒(注)なので、この枯れ姿も幸せそうに見えてきます。
<補注> 雌雄の開花を「ほぼ一緒」としたのは大雑把に過ぎました。雄花は前年枝で咲くのに対し、胡桃類の雌花は当年枝につくことに気づきました。(2022年4月27日)
2009年のきょう<コエンドロ(コリアンダー)> 2008年のきょう<クレマチス・モンタナ> 2007年のきょう<オオアブラギリ(シナアブラギリ)> 2006年のきょう<イチゴ(優香)> 2005年のきょう<オオデマリ> 2004年のきょう<ミズキ>
5月8日(土) ハイノキ
名前がいいと思うのです。漢字にすれば「灰の木」で、この木を燃やして、その灰を染色用の媒染剤にした名残です。前に、同じハイノキ科のミミズバイが実をつけた姿を和歌山でとらえたことがありました。
日持ちの悪い花のようで、離れて見ると否が応でも萎れた花が視野に入ります。いいとこ取りでややズルでも、きれいな花(合弁花)だけの穂に迫ってみました。
<補注> ハイノキの性質について考えました。(2012年5月6日)
2009年のきょう<ツボスミレ(ニョイスミレ)> 2008年のきょう<イヌガヤ> 2007年のきょう<ヒイラギソウ> 2006年のきょう<リムナンテス> 2005年のきょう<アサツキ> 2004年のきょう<ウツギ>
追加編 : トチノキの花の観察
しかし、今年は見とれるだけでなく、大きな課題がありました。秋にはつい拾ってしまう、あの「魅惑の実」は、並んだすべての木に稔るわけではないのです。
何年か前までは「雌雄異株だろう」と思っていました。しかし、実がつかない木には花もつきません。実がならない=雄株ならば、雄花をつけなくてはいけないのに、花もつけないのではなんの役にも立たないではありませんか。
そんな問題意識から、今年は徹底的に花を調べてみました。ブログに載せるにはやや重いテーマなので、「増補版」に新たにページを設けました。
トチノキの結実メカニズムをようやく理解できました。(写真 ↑ は両性花)
<補注> 続編として「実の観察」を載せました。(2010年6月12日)
5月7日(金) マルメロ
花も実もこれに似た感じのカリンに比べると、マルメロの花びらは薄手で色合いもほんのりしています。カリンの花は、今年は10日ほど前によく見たので、開花時期はマルメロが少しだけ遅めのようです。
それにしても、リンクした2005年のカリンは4月上旬にはもう咲いていました。今年は多くの花の咲き出しがいつもより1週間ほど遅れ気味です。
2009年のきょう<アメリカイワナンテン(セイヨウイワナンテン)> 2008年のきょう<ヒルガオ> 2007年のきょう<スイートピー> 2006年のきょう<ベニバナツメクサ> 2005年のきょう<モモイロヒルザキツキミソウ> 2004年のきょう<ハリエンジュ(ニセアカシア)>
5月6日(木) カンザン(関山)
シーズン遅くまで咲いてくれるこの特性が「関山」の大きな特徴です。また、花びらの縁に牡丹のような切り欠きが目立ち、一枚一枚が軽く波打っているので、同じ八重の普賢象よりは微妙に賑やかに見えます。色も明らかに濃いめです。
加えて、なにより「関山」の見分けに役立つのがこの枝振りです。横へ張った枝が内側に湾曲する癖があるので、樹形が大きな盃になります。桜と盃、なんと言うか、できすぎた組み合わせです。もっとも、きのうは酒よりビールが欲しい暑さでした。
<補注1> 「普賢象」に似て、葉化した雌シベが1~2本ありはしても、こちらのくねり具合がやや少なく見えました。
<補注2> 「関山」は「カンザン」と読むのがメジャーです。ただし、シノニムに cv. Sekiyamaとあるのが悩ましく、「セキヤマ」と読むこともアリのようです。
2009年のきょう<シュロ(ワジュロ)とトウジュロ> 2008年のきょう<オサバグサ> 2007年のきょう<ピラカンサ> 2006年のきょう<オーニソガラム> 2005年のきょう<キリ> 2004年のきょう<ヤマボウシ>
5月5日(水) タブノキ
この木を知った当初は、かなり夢中になって「増補版」の方に5回(↓)も取り上げたのに、こちら(ブログ)には花は初めての掲載になります。
<増補版に掲載したタブノキ> ☆ 花 : 4月16日 ☆ 花から実へ : 5月4日 ☆ 全体樹形 : 6月24日 ☆ 新鮮な実 : 7月3日 ☆ ミイラ状の実 : 7月25日
<補注> タブノキの樹皮について触れました。(2022年8月20日)
2009年のきょう<ダイコン> 2008年のきょう<ナラガシワ> 2007年のきょう<イチハツ> 2006年のきょう<ハナイカダ> 2005年のきょう<ユリノキ> 2004年のきょう<ムクロジ>
5月4日(火) ベニシダ
繁殖の仕方も名前と同じくシンプル路線で、精子がなくても子供ができてしまう(不穏当かつやや不適切な表現をしました。正確には無融合生殖)のだそうです。当然ながらお気楽に殖えやすく、荒れ地や野山で見かけやすい羊歯です。
などとワタシまでお気楽に取り上げたものの、本当はベニシダにはかなりの仲間があるようです。今回のベニシダがどういう位置づけのそれかまではとても判断できないので、大きな意味でのベニシダとしておきます。
2009年のきょう<トウカエデ> 2008年のきょう<ニワトコとムベ> 2007年のきょう<キモクレン> 2006年のきょう<ヒメコウゾ(雄花)> 2005年のきょう<スズラン> 2004年のきょう<ハルジオン>
5月3日(月) ヘビノボラズ
しかし、花粉の交配は棘を厭わない虫や蜂に頼るとして、心配なのはその後です。夏には緑の実ができて、秋にはそれが赤く熟します。その実を運ぶのは虫や蜂では無理なので、トリトマラズ(別名)の棘は自分の首を絞める愚挙としか思えません。
ところが秋になると、二つずつ下がっていた実がちゃんと片方がなくなってきます。誰に啄(ついば)んでもらわなくても、完熟して自然落下する手でしょうか。それにしては実の赤さの目立ち具合がまるで無駄に思えます。この凶悪な棘は、蛇や鳥を刺すためのものではなく、浅学な観察者の心に刺さるものだったと、いま、気づきました。
<補注> この年の秋は実がきれいに残っていました。(2010年11月15日)
2009年のきょう<ギンラン> 2008年のきょう<フサスグリ> 2007年のきょう<シュンギク> 2006年のきょう<ムクノキ> 2005年のきょう<ワスレナグサ> 2004年のきょう<カリフォルニアポピー>
5月2日(日) クヌギ(雌花)
若葉の付け根にある、やや艶めいた赤緑色?の物体がそれです。長さも太さも3mmあるかなしだし、色がこんな具合なので往生します。(垂れた穂は雄花)
もう子房が膨らんできているのもあります。これが来年の秋までかかって、あの丸いドングリに育つのです。そのドングリはと言えば、こんなに厄介をかけてくれる雌花のくせに、無事にあの姿まで生長するのは百に一つといいます。
うまく写らないと嘆いているオジサンよりははるかに厳しい試練に晒される雌花と知って、少しだけ愛しくなりました。
2009年のきょう<キンラン> 2008年のきょう<マイヅルソウ> 2007年のきょう<ジュウニヒトエ> 2006年のきょう<カキドオシ> 2005年のきょう<シラー・ペルビアナ(オオツルボ)> 2004年のきょう<カリフォルニアポピー>
5月1日(土) セイヨウシャクナゲ
そんな経緯で、自生のものよりはずっと育てやすくなっているはずでも、イギリスより高温多湿気候の日本で、ここまで大きな株はかなり珍しい部類でしょう。
直径が10cmを超える5~6本の幹が株立ちになり、目の前がまるでピンクの壁のようでした。こういう圧倒的な偉観には、まさにキングの風格が漂います。
2009年のきょう<ユズリハ(雌花)> 2008年のきょう<ハシリドコロ> 2007年のきょう<チャボタイゲキ> 2006年のきょう<カシワ> 2005年のきょう<シラン> 2004年のきょう<ベニバナトチノキ>