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2月28日(日) ナギ

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えっ、どうして!?と思わず声を漏らしてしまいました。同じような黒紫色の実は、人間が食べてもおいしいシャシャンボはもちろん、悪食のワタシも口に入れようと思わないネズミモチまで、すべからく鳥さん御用達とばかり考えていました。
こんなにミイラ化するまで無視されるとは、ナギの実とはいったいどんな味と成分なのでしょう。まるで手が届かない高さなので現物調査ができません。
あわてて調べたら、こういう状況はあまり珍しくないようです。樹下に若芽を出すという記述もありました。遠征は望まず、足下を固める堅実な性格なのでしょう。

<補注> 「豊穣の稔り」に出会いました。(2019年7月25日

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番外編 : 誤報の反省(OSシェア)

先日のOSとブラウザーのシェア結果(当ブログへの訪問者数分析)に間違いがあり、「Windows 7」の使用者率はゼロではなく5.5%でした。「7」ユーザーの皆さま、並びにマイクロソフトさま、大変に失礼いたしました。
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waiwaiさんからのご指摘で判明したことで、生ログでVistaはVistaと表示されるのに対し、「7」はどうもWindows NT(Ver.No.なし)となっているようです。素人の勘違いで、先日はこれをサーバー系にカウントしてしまいました。
さらに、じつはあのころのニフティさんはアクセス表示に不具合が発生しており、ワタシもその被害者でした。そこで回復後の過去30日を再集計した結果が上の表です。
「7」のことを除けば(いや、それが大問題ですって!)、先日と結果に大差はないようでも、とんでもない誤報をしてしまったことを反省です。

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2月27日(土) コナラ

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隣の仲間をねじ伏せてでも自分の行きたい方にのびているように見えます。これを「俺が俺が」の暑苦しさと見るか、「切磋琢磨」による組織繁栄と見るか、そのときどきの自分の心持ちを映し出すリトマス試験紙みたいな姿です。
1本1本の根は人間の太ももよりもまだ太くて、樹高たかだか10mほどのコナラでこれなのだから、地中のせめぎ合いというのは想像を絶するところがあります。
ところで、二日続けて同じような写真になったのは、「根で樹種がわかるの?」というきのうのご質問に答える意味です。根はふつうには見えないので、樹皮が見分けの手がかりです。もちろんそれ以前に土地の環境とか枝振りが基本情報です。
ムクノキは白茶色の樹皮と、それが縦に短冊形に裂けて剥ける(のでムクノキ)ところが独特です。一方で、コナラはこの根もとでもわかるように灰色の表皮が縦にひび割れ、「よろけ縞」のようなきれいな模様を作っています。

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番外編 : 生姜糖・色白美人タイプ

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へたくそなワタシの生姜糖作りを憐れんだ人が恵んでくれました。しっとり色白の美人タイプです。お味も、生姜風味がレアで、辛さと甘さがクッキリしています。
一口に生姜糖とはいうものの、じっくり煮・あっさり煮の違いに止まらず「干してから砂糖をまぶす」方法まで、作り方はいろいろあるようです。おいしくて簡単なのが一番ですから、自分でもあれこれ試して、「はた衛門型」を完成しようと思います。

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2月26日(金) ムクノキ

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幹と称し、根と呼ぶことで、私たちは木の部位を認識したつもりになってはいても、さて写真の木が「私の幹と根の境目に線を引け」と言ったらどうしましょう。
左にのびている根(かな、幹かな)は板状で、その垂直方向の寸法は50cm以上ありました。それらが空に駆け上がるように筋骨隆々と上にのびて、筋同士がしごき合うように合体すると、そこはもはや幹と呼ぶしかない姿ではあるのです。
ふだんは呼び分けの頼りにしている土が少しだけ崩れてしまえば、とたんにうろたえる始末です。これまで、むき出しになった根(と呼んでおく)からは自然物の逞しさを教わったのに対し、この大きなムクノキには我が知識のひ弱さを突かれました。

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2月25日(木) ヤタイヤシ

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ウインドウズの壁紙(Vistaのだったか?)を真似たみたいで、少し照れます。庭木なのにかなり大きくて、葉の端から端で5mほどもありました。
「やたいやし」で変換すると、さすがのATOKも「屋台や死」ときました。自分でも和名を調べたときに「どうして屋台?」と思ったので、ATOKを笑えません。
学名がButia yataiであって、お祭りの屋台とは関係ないようです。一般にココスヤシと呼ばれがちなのは、紛らわしい「ヤタイ」を避けたいからかもしれません。

<補注> 夏、花と実を見ました。(2020年8月8日

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2月24日(水) ウラジロモミ

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モミとウラジロモミの区別に初めて気づいて、けっこうマイブームになっています。しつこいようでも、見たような写真がまた登場です。
弘前でウラジロモミを撮影したときはまだ細部の違いがわからずにいたので、暗い天気も手伝って、両者の比較は望みにくい写真でした。そこで今回、近所であらためてウラジロモミを探し出し、グーンと迫ってみました。
先日のモミの細部と比べて葉先の二つ割れが小さく、枝に毛がなくて縦皺があり、葉裏の気孔帯は太めではっきりしています。ついでにもう一つ、モミの説明で触れていない違いは冬芽で、モミと比べるとヤニで覆われ、こちらは白く見えます。

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2月23日(火) プリムラ・シネンシス

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露地植えだと開花はまだ少し先でしょうに、鉢植えのプリムラを庭先に出しているお宅がありました。春の先取りに、気持ちがホノボノしてしまいます。
同じプリムラでも、霞たなびくようなマラコイデスと違って、大型の花が一つひとつクッキリ際立ちます。茎や葉裏の深紅も見どころです。
あらためて和名(注)を調べて驚きました。なんとカンザクラだそうで、原種の花が薄紅色ということから仕方ない名前とは思っても、本来の寒桜さんが怒りそう…という理由で、「和名優先」という当ブログルールは、いとも簡単に臨時変更です。

<補注> YListは標準和名をカンコザクラ(寒小桜)とし、別名にカンザクラとチュウカザクラをあげています。(2022年2月)

2009年のきょうギンヨウヒマラヤスギ> 2008年のきょうサザンカ、カンツバキ> 2007年のきょうスズランエリカ> 2006年のきょうカラタチ> 2005年のきょうクマザサ

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番外編 : 22222

Mizuho_2銀行で押してもらった受領印の日付を見て「おっと~」と気づきました。きょうはかなり「記念度」の高い日だったようです。
いつも西暦しか意識していないせいで、せっかくの貴重な並び数字を、悲しい納税記録(今回も確定申告は納税だった)でしか残すことができませんでした。
もっとも、素敵な美術館などで入場券に日付印をもらおうとしても、生憎の月曜日でしたが…。
100222tibitatiそして、2月22日は猫の日(にゃんにゃんにゃん)なのでした。今年は鳴き声が2回も増えて、賑やか・賑やか(笑)。
ここを始めた最初の年には、ブログの方向が定まらなくて、猫ちゃんもときどき出演していました。上の写真もその年のもので、うちの玄関先は町内のノラちゃんのカフェ状態でした。おかげで面白い写真を撮ることもできました。
ただ、諸般の事情とブログ内容が固まったせいで、とんと猫っけが消え失せました。せめてきょうだけは、ちょっと昔の気分にひたることにします。

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2月22日(月) ピレア・モリス

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温室めぐりで見かけて、強烈に惹かれはしたものの、下草扱いで正体がわからなかった観葉植物です。まるでコリウスを鹿の子絞りにしたみたいな姿です。
その「忘れ得ぬ彼女」を、なんと、フラリと寄ったホムセンで見つけました。名札もついていました。衝動買いです(298円・笑)。ジャマイカの産だそうで、ボブスレーが苦手な国出身とあらば、冬の間は部屋のなかで大切にしてあげることにします。
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立派な温室(での姿=2枚目写真)では見つけることができなかった花がついていたのも、購入決定の大きな原因です。暖かくなれば、わりと簡単に挿し芽ができるそうで、それまでうまく育てられるかという問題はとりあえず無視して、この縮緬感触に包み込まれる夢にひたっておきます。

<補注1> 悲しいことに、買い込んだ株は挿し芽する前にとろけてしまいました。
<補注2> ピレア・モリスには自生品がなく、流通品のほとんどは栽培種のムーンバレーだと知りました。しかし、いまになるとこの記事のピレア・モリスを確実にムーンバレーだとする根拠がないので、タイトルは従前どおりとしておきます。(2021年1月31日
<補注3> その後、ムーンバレーの花穂を見たら、それはピンク色でした。対してこの記事の写真(1枚目)に見る花穂は色味がありあません。それがムーンバレーと母種の差とする資料はまだ得られないものの、この記事をピレア・モリス(母種)として残しておく意義はあろうかと考えています。(2024年6月)
<この記事後に収録したピレア・掲載順>ヌムラリフォリア ☆ ジャポニカ(ヤマミズ) ☆ カディエレイ(アルミニウムプラント) ☆ モリス・ムーンバレー(リンクは補注2に) ☆ デプレッサ

2009年のきょうギンヨウアカシア> 2008年のきょうフィクス・アルテッシマ> 2007年のきょうヨウシュクモマグサ> 2006年のきょうナガバジャノヒゲ> 2005年のきょうミヤマウグイスカグラ

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2月21日(日) フラサバソウ

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まだ本葉が展開し切れていないほど幼い苗なのに、この毛深さは異彩を放ちます。仲間(オオバコ科クワガタソウ属)のオオイヌノフグリが正月ごろから賑やかに花を咲かせているのと違い、いまごろが芽吹きどきのようです。
もっとも、まだ双葉(毛がない)が目立つ幼さのくせに花を咲かせるところが野草のしたたかさです。高速道路の下の緑地帯で見つけました。あまりコンディションの良くないだろう場所なのに、こんなところで好き勝手に生きていくのでしょう。
これもやはりフグリ型の実をつけるので、またの登場をお願いするつもりです。

2009年のきょうキヅタ> 2008年のきょうユキワリイチゲ> 2007年のきょうヒメイタビ> 2006年のきょうナギイカダ> 2005年のきょうクロッカス

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番外編 : 恒例・OSとブラウザーの勢力図(7、苦戦?)

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意外な事実を発見です。マイクロソフトさんからはクレームが来そうでも、新OS「7(セブン)」の使用者は、驚くことにまだゼロ!でした。(注)
もっとも、今回使用したデータは、去年と同じく「草木365日」への訪問者数(過去1カ月)に過ぎず、世のなか全部の傾向でないことは断るまでもありません。7もどこかで売れてはいるとはしても、「どうしてOSを替えなきゃならないの?」と素朴に考える人がまだかなりメジャーだというのは事実のようです。
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一方で、「無料だったら新しいのがいいんじゃない?」という現金な人が多いのには思わずうなずいてしまいます。新バージョンIE8.0の勢力拡大は急激です。
いずれにせよ、IE全体で87%という超絶的なシェアは去年とまったく変わらず、MSがビビッた(であろう)クロームも案外にのび悩んでいました。ネット上の各種アプリケーションフォームがほとんどIEを基準にしている以上、ブラウザーのシェアが動きにくいのは仕方ないところなのでしょう。

<補注> この記事のOSシェアについては間違いがありました。1週間後、訂正記事を載せました。(2010年2月28日

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2月20日(土) ユーカリ(ユーカリノキ)

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最初は犬の毛でも木にからまっているのかと思いました。なんだか妙にひょろ長い葉だなあ、なにこれ? エッ、ユーカリじゃん、ゲゲッ、ユーカリの花だ、これ!
こんな寒い時期の屋外で見つけてしまっていいものなのか、頭のなかを疑問符が走り回りはしても、見てしまったものは仕方ありません。調べると、夏に咲くともあり、寒い時期に咲くともあります。原産地オーストラリアの気候とはワケが違うでしょうから、ユーカリだってどうしていいものか困っているのでしょう。
そう言えば、去年の3月には固い実をつけた枝を拾いました。あの実はまだ若い色をしていましたから、ものの順序として大狂いしていることはなさそうです。
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そう思って目を凝らすと、あのときの実に近い形のものがもうできていました。さらに、子房が膨らむ前はカップ型の状態であることも見てとれます。ユカリさん(?)と少しだけお近づきになれた気がします。

2009年のきょうショカツサイ(ムラサキハナナ)> 2008年のきょうウグイスカグラ> 2007年のきょうエリカ・ファイアーヒース> 2006年のきょうナニワズ> 2005年のきょうイチゴノキ

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番外編 : はからずも鼈甲飴

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事情を知らない人には、この写真がいったいなにに見えることやら。生姜糖、二度目の失敗です。焦げて鼈甲飴になってしまいました。カチンカチンです。
去年秋、最初の試みは失敗したものの、その後の2回はうまくできていました。もう作り方はマスターしたと安心していたのに、手痛いダメージです。
材料・分量に問題はないので、成功パターンと違ったのは手順です。最後に白く粉をふくまで煮詰めるところで外出の時間が迫り、今回は中断してしまいました。帰宅後に再開したらこの惨状です。一気呵成の煮詰めがポイントだったのでしょう。
鼈甲飴だと思って舐めれば、それなりです。しかし、ほのかに苦いのは、単に焦げ味のせいだけではないようです。仕事は段取りよく&慌てずに…。反省です。

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2月19日(金) タコノキ

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熟せば食べられるそうでも、登るにはやや心もとない木だし、下からだと届かないし、こういう実は自然と落ちてくるのを待つのが南国風なのでしょう。
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陸にあるのにどうして蛸?という疑問は、根もとを見るとすぐに了解です。まるで作り付けの添え木のように見えても、その正体は気根でした。
実がつくなら、当然に花も咲いたはず(注)です。もっぱらこの時期の待避場所としてきた近場南国なのに、陽気が良くなってからもときどきは通う必要ができました。

<補注1> 上の記事を書いた時点では、タコノキ類の雌雄とか花の性質を理解していませんでした。このあと、いくつかあるタコノキの仲間のうち、アカタコノキ(ビヨウタコノキ)の雄株の花雌株の花(と言うにはやや遅い状態)をとらえました。
<補注2> タコノキ科の仲間を一挙に2種収録しました。(2023年5月29日
<補注3> フイリタコノキを収録しました。(2023年9月18日

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2月18日(木) ゴレンシ(スターフルーツ)

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ブルブルの寒さが戻ったので、あわてて近場南国に再避難です。おお、これはまたなんとトロピカルなフルーツが食べごろではありませんか。
スターフルーツという名前と形に惹かれ、かつて一度買い求めたものの、ウチでは二度と食卓に上りません。果物というよりはサラダの素材あたりが適役のようです。
和名のゴレンシは、漢字なら五連子かと思ったら五斂子でした。収斂(しゅうれん)のレンで、化粧水のCMで見かける字です。なるほど、断面の星形を言う前に、全体の形が五筋、「引き締まっている」姿に着目したのは自然なことに思えます。

<補注1> かつてリキュウバイの実の形について「スターフルーツみたい」と記したことがあります。性状や大きさはまるで違うものの、クッキリと引き締まった五稜形は、どちらもとてもきれいです。
<補注2> 同属のキュウリノキを収録しました。(2019年6月9日
<補注3> ゴレンシの葉に注目してみました。(2021年7月5日

2009年のきょうトウワタ(アスクレピアス)> 2008年のきょうハンノキ> 2007年のきょうカンヒザクラ> 2006年のきょうタネツケバナ> 2005年のきょうウメ

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2月17日(水) スイセイラン(彗星蘭)

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せっかく出かけた世界らん展なので、サンデリアナム以外にグッときた花をひとつだけ取り上げます。もちろん初めて知る蘭の種類で、フルネームはOdontoglossum Koushu Sally 'Allemande'、タイトルのスイセイラン(彗星蘭)は和名です。
星形の花が一つの花柄に連なるところからのネーミングです。ひときわ渋い色目の花を写したので星に見えにくいのが泣きどころで、もう少しノーマルな白や黄色やピンクなら、この名前も飲み込みやすいはずです。

2009年のきょうバニラ> 2008年のきょうフクジュソウ> 2007年のきょうイノモトソウ> 2006年のきょうウメ(白梅)> 2005年のきょうナズナ

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2月16日(火) パフィオペディルム・サンデリアヌム

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恥ずかしながら、「世界らん展」に行ってきました。蘭の数よりも人間の数に圧倒されました。東京ドームで芋の子洗いです。ショルダーアタックしてくるオバサマに負けない心がないと、見たいモノを見ることなど叶いません。
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なぜそんな恐ろしい場所に出向いたかと言うと、表向きは嫁さんのエスコートでも、ホントはこのビラビラが見たかったのです。まるで尾長鶏です。尻尾の端まで写そうとすると、オバサマたちの頭が並ぶだけになるので言葉で補えば、この妙ちきりんな尾っぽの全長は、きっと60cm以上もあったと思います。
19世紀後半に見つかったあと100年近くも行方知れずになり、30年ほど前に再発見されたそうです。こんなものを山のなかで見つけたら心臓が止まってしまいそうです。ただ、そこらの野歩きがせいぜいのワタシにはそれは余計な心配というものです。

<補注> パフィオペディルムは、このあと、リーミアヌムオリビアを収録しています。

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2月15日(月) モミ

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久しぶりにお陽さまに恵まれたきのう、満を持して出かけました。10日前にウラジロモミを載せてから、撮りたくて撮りたくてたまらなかった「ふつうの」モミです。
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「ふつう」の証明、その1 : 葉先の二つ割れがはっきり大きめです(ウラジロは割れてはいても小さい)。
その2 : 枝が荒い毛で覆われています(ウラジロは毛がなく、縦皺が入る)。
その3 : 葉裏の気孔帯は細めです(ウラジロは太い)。
じつは、先日のウラジロモミ掲載にあたって両種の違いを確認していたら、かつて増補版に収録していた「モミ」はどうやらウラジロの間違いであることがわかりました(名前は訂正済)。過去の恥はさておき、やれやれ、これで肩の荷が降りました。

<補注> 「お陽さまに恵まれた」と書いているわりに写真はずいぶん暗くて、モミノキの日光遮りぶりがよくわかります。そこで、モミにもこんな明るい季節があるんだよという1枚を追加しておきます。(撮影:2018年5月6日)
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<これ以降のモミの記事・掲載順> ☆ 見上げた全体と樹皮 : 2012年12月25日 ☆ 折れた幹 : 2014年8月12日 ☆ 遠景(幹折れ) : 2016年11月21日 ☆ 雄花 : 2018年5月23日 ☆ 実生苗 : 2018年10月22日

2009年のきょうイトススキ> 2008年のきょうホルトノキ> 2007年のきょうオニヤブソテツ> 2006年のきょうオオイヌノフグリ> 2005年のきょうマンサク

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番外編 : うらうらと、春はそこまで

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大切な捜し物があったせいで、とくと眺める気にはなれなかったものの、横目に幸せな色合いが写り込む一日でした。まずは梅の海…お相撲さんかいな(笑)。
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寒桜はすでに花びらがかなり風に運ばれた様子でした。
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最後はメジロを写し込んだ河津桜でキメ…と思ったら、メジロがカラスになってしまって、お粗末さまでした。

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2月14日(日) ヘンヨウボク(クロトンノキ)

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もっぱら葉の色・形の美しさを楽しむ木だと思っていたクロトンに、白い花がついているのを見つけました。あいにく花びらのない地味な姿ではあっても、大きな拾いモノをしたみたいに得した気分です。
前に載せたときは、葉が緑・黄・赤の三色でさまざまに彩られるということを書いたのに、それは訂正が必要でした。今回のように葉に赤みがないもの(時期?)もあり、ほかの温室でもこの二色タイプが花をつけていました。葉の形・葉の色・花の時期、これからもいろいろ驚きをもたらしてくれそうなクロトンです。

2009年のきょうリョウメンシダ> 2008年のきょうコバノカモメヅル> 2007年のきょうナギイカダ> 2006年のきょうアテツマンサク> 2005年のきょうヘンヨウボク(クロトンノキ)

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2月13日(土) ドンベヤ・ワリッキー

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「おいでやす」という声が聞こえそうな風情で、温室の花にしておくのはもったいなく思ってしまいます。ところが名前を聞くと腰がグイッと引けます。
両手でくるみきれないほどの大きさのピンクの手鞠が、枝ごとに二つ三つ、30~40cmもある花柄に垂れ下がります。蕾のうちは葉の上側(表面)で揺れていても、開花しきって重さが増すと、こうして葉の裏に入ってしまいやすいのが残念です。

<補注> ドンベヤの園芸品種を見ました。(2016年12月27日

2009年のきょうマツザカシダ> 2008年のきょうカマツカ> 2007年のきょうアブラナ> 2006年のきょうネコヤナギ> 2005年のきょうユキヤナギ

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2月12日(金) レッド・ジンジャー

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あまりにも「いかにも」な花が続きました。照れくさくなってきたので、ちょっとだけ渋い路線に切り替えることにします。
と、取り出したこの真っ赤な物体が花ではなくて苞というところがひとヒネリです。もっとも、このヒネリはあとで調べてわかったことで、苞のなかにあるという白い花を写し損なってしまいました。
そんなひねくれものの花と違って、葉はいかにもショウガ科らしく直線的な葉脈がきれいで大らかな姿です。ふつうの生姜と同じく食用にもなるとは言いながら、観賞用として十分な存在価値を感じます。

<補注1> 二度目掲載もほとんど進歩がありませんでした。(2011年1月19日
<補注2> あまり使われないものの、レッド・ジンジャーにはアカボゲットウ(赤穂月桃)という標準和名があります。(2019年1月)

2009年のきょうアブラチャン> 2008年のきょうオーブリエチア> 2007年のきょうアリドオシ> 2006年のきょうミドリハコベ> 2005年のきょうミツマタ

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2月11日(木) コチョウラン

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セントポーリア(9日)、カトレア(10日)と来たら、きょうは胡蝶蘭で決まりです。お祝いにつきものなのでよく見かけても、それらはほとんど白花だった気がします。流通量からすれば白が本流でも、ピンクの蝶もなかなか見応えがありました。
一度花が終わっても、室温で育てるとまた次の花が咲くので、見かけによらず丈夫な性質です。それもそのはず、属名のphalaenopsisは「蛾」という意味だそうです。虫屋さんに言わせれば、蛾と蝶の境目は微妙であっても、蝶と思って眺めるのと、蛾と思って見るのとでは、ありがたみがずいぶん違う気がします。

<補注> このあと、定番の白とややゲテモノ趣味のピンクを併載し、そのあと、我が家の胡蝶蘭も掲載しています。

2009年のきょうマリアアザミ> 2008年のきょうタチヤナギ> 2007年のきょうオキザリス・華恋(かれん)> 2006年のきょうシナマンサク> 2005年のきょうヤブツバキ

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2月10日(水) カトレア

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セントポーリアを出したら、次はカトレア…温室のお約束みたいな花たちです。ん、カトレアが好きな人には、順番が逆だと叱られるでしょうか。
1本の茎に、直径が10cmもある花が5つもついて、誠に豪華きわまりない姿です。花屋さんではいったいいくらの値札がつくものか、想像すらつきません。

2009年のきょうムサシアブミ> 2008年のきょうハマボッス> 2007年のきょうナワシログミ> 2006年のきょうウメ(八重寒紅)> 2005年のきょうジャノメエリカ

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2月9日(火) セントポーリア

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遙かな谷の向こうに霞んで見えたセントポーリア…と言いたいところでも、寒い屋外から急に温室に入ったせいで、カメラのレンズが曇ってしまいました。
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15分ほど待って、レンズフィルターを拭いたあとで別の株を撮りました。岩組のなかに植え込まれていて、まるで造りもののようです。美し過ぎる女性がお人形さんに見えるのと同じかなとつまらないことを考えてしまいました。

2009年のきょうタチツボスミレ> 2008年のきょうカリン> 2007年のきょうハラン> 2006年のきょうツクバネガキ(ロウヤガキ)> 2005年のきょうコエビソウ

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2月8日(月) サンタンカ(イクソラ・シネンシス)

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丸い花びらの山丹花(Ixora chinensis)です。先月、同じ山丹花の仲間でも、尖った花びらの品種(I. coccinea)を載せました。両方を比べると、花びらだけでなく葉の形まで、こちらはゆったりふくよかなのに対し、先月のものはシャープなシルエットです。
草木趣味にハマリ始めたころは、学名なんて煩わしいだけと思っていたのに、この山丹花のように和名だけでは二つを区別しにくいときは便利な道具です。もっとも、便利ということと自分がそれを使えるかどうかは別の話です。こちらがシネンシス、あちらがコッキネア、こちらがシネン…、あ、肝心のイクソラを忘れてしまいそうです。

2009年のきょうモミジバフウ> 2008年のきょうシシガシラ> 2007年のきょうキャラボク> 2006年のきょうナツミカン> 2005年のきょうオオイヌノフグリ

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2月7日(日) ロドデンドロン・クリスティアナエ

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華やかさに欠ける写真が続いてしまったので、また近場の南国に戻りました。学名そのままの名前は近寄りがたい雰囲気でも、姿にはどことなく親しみを覚えます。
ロドデンドロン(Rhododendron)、つまりツツジ科ツツジ属というのは世界に850種くらいはあるのだそうで、それだけ変化の幅も大きくなる理屈です。ふつうに見るツツジと違って、花筒がお尻まで同じ太さで、いかにも蜜がたっぷりそうです。
陽気なオレンジと黄色のグラデーションに臙脂色の葯の取り合わせはシャクナゲの感じかなと思ったら、クリスティアナエ・シャクナゲという和名がついていました。

<補注> 近い仲間を収録しています。(収録順)
ロドデンドロン・ロキアエ ☆ ロドデンドロン・ビレヤ・ピンクデライト

2009年のきょうネモフィラ・スノーストーム> 2008年のきょうビワ> 2007年のきょうヤブソテツ> 2006年のきょうボケ> 2005年のきょうフクジュソウ

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2月6日(土) アイグロマツ

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きのうと同じ、弘前土産です。お城のなかで一番の名木で、幹が丹頂の首のように曲がった姿から「鶴の松」と呼ばれています。
もちろんこの名前は愛称であって、樹種としてはアイグロマツであることが説明板でわかりました。生憎の天候ではっきりしない写真ではあっても、左にのびた太枝の色が赤みを帯びているのが見て取れます。アイグロマツとは黒松赤松の自然雑種で、濃緑・剛直な葉に黒松の性質が残り、樹皮は赤松に似るのだそうです。
黒松の質が強いものをアイグロ、赤松の質が近いものをアイアカ、まったくの中間をアイノコとするという説も見かけるし、アイ○○という三つの名は交雑種の別名に過ぎないという解釈もありそう(注)です。この分でいくと、黒松と白松のハーフで灰松なんていうのも飛び出してくるのではないかと恐ろしくなってしまいます。

<補注> YListはアイグロマツ(Pinus x densithunbergii)を収録しています。

2009年のきょうヒメシノ(コクマザサ)> 2008年のきょうシュロ(ワジュロ)> 2007年のきょうヤバイ> 2006年のきょうアリドオシ(実つき)> 2005年のきょうサンシュユ

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2月5日(金) ウラジロモミ

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デカイのです…と、連日バカの一つ覚えみたいです。じつはデカイデカイと言っていたら、この木を載せ忘れていたことに気づきました。先日の弘前土産です。
お城の敷地内に、立派な説明板付きでそびえていました。樹齢180年以上、樹高23mという立派さです。この木は福島が北限だとも書かれていて、「おいおい、ここは福島より300kmも北だろう」と思ったら、それは自生の話でした。
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名前のとおり、葉裏にクッキリと2本走る白い気孔帯が鮮やかで目立ちます。X’masツリーに重宝されるふつうのモミもこのウラジロモミも、両方とも日本固有種ということを今回初めて知りました。

2009年のきょうヒメアスナロ> 2008年のきょうスイカズラ> 2007年のきょうマンゲツロウバイ> 2006年のきょうアリドオシ> 2005年のきょうギンモクセイ

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2月4日(木) チュウテンカク(沖天閣:ユーフォルビア・インゲンス)

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デカイのです。きのうの金鯱は丸々と大きかったのに対し、きょうのこちらは5~6mの上空で花を咲かせていました。なにしろ高くて、開花している頂部までの幹はこんな(↓)様子で、まるで工事現場に打たれたH形鋼みたいです。
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柱サボテンと誤解してしまう風貌のくせに、これはサボテンではなくてトウダイグサ科のユーフォルビア(ハナキリンなど)の種類でした。そう言われるとみると、幹の締まり具合がなかなか筋肉質でいらっしゃいます。
面白さでは名前も負けていません。沖(冲)天とは空高く昇ることだそうで、まさにぴったりの命名です。ただ、「沖」の字と「空」とが結びつきません。「岸から遠い水面」を示す沖がなぜ空の上を指すのか、漢和辞典にあたってみました。
結果、遠い水面という「沖」の意味は日本で与えられたもので、漢字本来の意味は垂直方向(高い・深い)にあることがわかりました。この先の人生にはたぶんまったく役に立たないであろう小ネタなのに、なんだかとても幸せな気分です。

2009年のきょうヒメノキシノブ> 2008年のきょうニシキマンサク> 2007年のきょうハカタシダ> 2006年のきょうコウヤボウキ> 2005年のきょうオウバイ

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番外編 : 雪に想う

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お堀が凍って邪魔なものはないし、めいめい行きたいところは別なのだから、足跡はてんでバラバラになるのが自然というものです。
Asiato2
なのに、人間と来たらどうしてこうなのでしょう。しかも、せっかく三方から歩き始めたのに、収束点は同じだなんて、まったく不自然な生き物です。「この不自然さが知性の証さ」と狐や狸に説明したところで、コンコン・ポコポンと笑われるだけでしょう。

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2月3日(水) サボテン(金鯱)

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デカイのです。頭に置いた愛用のスケール(15cm)から換算するに、腹囲は完全にメタボ…ではなくて、直径は60cmに達しそうです。
そのスケールが宙に浮いています。この棘は、棘などというかわいいものではなく、1本1本が爪楊枝のように硬く、アルミの重量ではこのありさまです。
さて面白いのはこのサボテンの名前で、どこが鯱?、どこが金色?と思います。その謎は初夏の花を見れば解けるはずで、頂部に威勢のいい形の黄金色の花をつける(注)のでした。ただし、開花するまでには30年!かかるということです。
幸いにもこの金鯱は30年ものだそうで、さすが堂々の巨体なのでした。頂部が白い毛に覆われていることも花がつく条件に思えるので、この夏の激写予定表にはしっかりとマークしておくことにします。

<補注> 翌年秋に、別の場所で花を撮影できました。(2010年10月31日

2009年のきょうノキシノブ> 2008年のきょうフェイジョア> 2007年のきょうモンステラ> 2006年のきょうソヨゴ> 2005年のきょうウメ

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2月2日(火) リンボク

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いまごろ実がまだこんなに青くては、いかに悪食のヒヨドリでも手は出さないようです。たしかに、花盛りそのものがふつうのサクラ属とは半年ズレていたので、その実の食べごろが春になってしまいそうなのは道理というものです。
心配するのは、季節が良くなりほかの食べ物が豊富になったら、こんな実を啄む奇特な鳥がいてくれるかどうかです。熟す時期をほかの木とずらして自分だけ目立とうとしたら、木の実以外のおいしいものがあふれて…「下手の考え休むに似たり」という警句を思い出しました。さてリンボクのこの作戦、どんな結果になるのでしょう。

<補注1> 5月が終わりそうになっても、この実はいっこうにおいしそうにならないのでした。(2015年5月27日
<補注2> 実ではなく、花がカラスのご馳走のようです。(2018年9月26日

2009年のきょうタチシノブ> 2008年のきょうニホンスイセン> 2007年のきょうイトラン> 2006年のきょうムラサキシキブ> 2005年のきょうヒナギク(デージー)

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2月1日(月) カモジゴケ

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写真の隅に見える岩がこの苔の生育環境を示しています。冬のさなかの岩場でもこんなにフサフサで、サイズ比較に入れたカードがなければ、夏の牧草と間違えそうです。土中の水分が不要という苔の性質からすれば驚くにはあたらない姿でも、まわりに緑がなくなる季節には、その強さにあらためて感動です。
名前の渋さにも惹かれます。髪や入れ毛をカモジと呼ぶお婆さんがいなくなってしまい、苔に宮中(女官)文化が託される時代になりました。そういえば、フタモジ(ニラの意)という女房詞はルリフタモジで覚えたものでした。

<補注> 同じくカモジ(髢)の名を戴くカモジグサを収録しました。(2020年5月25日

2009年のきょうシノブ> 2008年のきょうガビサンハンショウヅル> 2007年のきょうキンポウラン> 2006年のきょうホウレンソウ> 2005年のきょうアセビ

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