8月23日(日) チチタケ
草木ブログのくせに、いきなりお皿に載ったキノコです。本来は、土に根を生やしたものを載せるべきなのに、素人が簡単に見つけられるものではないようです。今回は栃木の旅の途中、思いがけずに見つけたお店で買ったものです。
そんな「商品」をなぜここに持ち出すかというと、これ、ピンクの花が美しいチダケサシの名前の元になったキノコだからです。山でチチタケを採ったとき、その軸に刺し通して持ち歩いた草がチダケサシ(↓)というわけです。
ただ、この由来説には疑問を呈する人もいて、曰く「チチタケの生える広葉樹林にはチダケサシは生えない」のだそうです。なので、実際にチチタケを採る人にこの辺の状況をお伺いしてみたいと、ずっと思っていました。
そんな背景のなか、たまたま通った宇都宮郊外で「ちたけ」(地元での呼び方)と大書きした旗が翻っているのを見つけました。栃木県民にとって「ちたけ」はソウルフードらしいのです。この店のご主人は、夏になるとこの「ちたけ」を採りに地元からだんだんと北上し、今回は青森の山でこれを収穫してきたそうです。
そんなプロに「チチタケとチダケサシは一緒の場所に生えるか」をお伺いすると、いかにも当然に「あるよ~、咲くよ~」というお答えでした。すっきりです。
ただ、チチタケ(乳茸)というくらいで、茸を傷つけると出る白い液が貴重です(手前中央:折ってみた軸に液=舐めると甘い)。茸自体はボソボソで旨みはなく、この乳こそが栃木県民の「ちたけ狂い」の元なので、調理も茸をまな板で切ることはせず、鍋のなかで押しつぶすように細かく砕きます。したがって、軸に穴を開けてしまうチダケサシの利用は、本当にこの茸を愛する人が取る手段でないことはたしかです。
さて、ご主人に教えてもらったように「ちたけ」に火を通しながら砕いたあと、茄子を加え、醤油で味つけした汁でうどんをいただきました。ハァ~、豊穣な山の味です。粗雑な舌にはやや贅沢すぎるほどに、どっしりと複雑で玄妙なお味でした。
そんな「商品」をなぜここに持ち出すかというと、これ、ピンクの花が美しいチダケサシの名前の元になったキノコだからです。山でチチタケを採ったとき、その軸に刺し通して持ち歩いた草がチダケサシ(↓)というわけです。
ただ、この由来説には疑問を呈する人もいて、曰く「チチタケの生える広葉樹林にはチダケサシは生えない」のだそうです。なので、実際にチチタケを採る人にこの辺の状況をお伺いしてみたいと、ずっと思っていました。
そんな背景のなか、たまたま通った宇都宮郊外で「ちたけ」(地元での呼び方)と大書きした旗が翻っているのを見つけました。栃木県民にとって「ちたけ」はソウルフードらしいのです。この店のご主人は、夏になるとこの「ちたけ」を採りに地元からだんだんと北上し、今回は青森の山でこれを収穫してきたそうです。
そんなプロに「チチタケとチダケサシは一緒の場所に生えるか」をお伺いすると、いかにも当然に「あるよ~、咲くよ~」というお答えでした。すっきりです。
ただ、チチタケ(乳茸)というくらいで、茸を傷つけると出る白い液が貴重です(手前中央:折ってみた軸に液=舐めると甘い)。茸自体はボソボソで旨みはなく、この乳こそが栃木県民の「ちたけ狂い」の元なので、調理も茸をまな板で切ることはせず、鍋のなかで押しつぶすように細かく砕きます。したがって、軸に穴を開けてしまうチダケサシの利用は、本当にこの茸を愛する人が取る手段でないことはたしかです。
さて、ご主人に教えてもらったように「ちたけ」に火を通しながら砕いたあと、茄子を加え、醤油で味つけした汁でうどんをいただきました。ハァ~、豊穣な山の味です。粗雑な舌にはやや贅沢すぎるほどに、どっしりと複雑で玄妙なお味でした。
<追録> チチタケの生えている現場写真(↓)をあとからいただきました。自分の撮影ではないのは残念でも、一応、「生」の姿も載せることができました。
<補注> この記事の直前、チチタケが所属するベニタケ科の仲間:アイタケを収録していました。
2008年のきょう<テッポウユリ> 2007年のきょう<ヒャクニチソウ> 2006年のきょう<タカサゴユリ> 2005年のきょう<ミズヒキ> 2004年のきょう<ハナトラノオ>
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コメント
。o@(^-^)@o。ニコッ♪
”ちたけ”食べてくれたのですねえ
出汁 香りいいでしょう~
小さい頃より今の私の方が有難く季節を感じて
頂いていますね
ちょっと甘めの 油も多めの ちたけうどんのもと みたいな冷凍品も売ってますぅ
斎場でいただく精進落としのしめが ちたけうどんだったりします ウマー また栃木に来てね~
投稿: マジョ | 2009-08-23 19:24
マジョさんへ:
そうでしたァ~、マジョさんは「ちたけ狂い」の栃木県民だったァ~。
おいしかったヨォ~。
しかし、皆さんがあれだけ熱狂するせいか、値段もなかなかですねー。
おっと、季節のものにそんな無粋なことを言っちゃあいけませんね。
投稿: はた衛門 | 2009-08-24 08:14
こちらでは「雑キノコ」の邪険な扱い受けてるのに、そんなにおいしかったとは…目からウロコがぽろぽろ。
お盆に県外の人がこちらの山で遭難したのは、このキノコを採りに来てたと聞きました。
私も体験してみたい味です。
でも、キノコ採りは難しいですものね。
栃木に食べに行きますか。(笑)
あ、高速道路のSAでも食べられる?
だったらちたけうどんも夢じゃないのですが。
投稿: ちとせ | 2009-08-24 08:34
ちとせさんへ:
お帰りなさいませ~。
おっほー、さっそく貴重な情報(=山形では雑キノコ)をありがとうございます。
そう、あの店のご主人も、山形・秋田と渡って、先だっては青森だと言ってました。
地元の人と競合はしないみたい(栃木の人専用?)だったけど、
そういうワケだったんですね。
なんともったいないことを!!
投稿: はた衛門 | 2009-08-24 09:07
びっくり、そういう食べ物があるんですねぇ。
全然知らない無知です。
また、勉強させていただきました。
栃木県民が食べて美味しいなら他の県民だって美味しい
と感じるはずですから、この時期行く機会があったら
是非、食することにします。これはしっかりメモしてお
かなくちゃぁ。
投稿: zenpeichan | 2009-08-24 10:50
zenpeichanさんへ:
うーん、味覚の問題ですからね~。
たぶん「食べ慣れ」というのもあると思うんですよ。
たしかに「複雑・玄妙」ではあるんです。
ただ、桃ケーキみたいに(笑)絶ウマー!とお勧めできるもので
ないことはお断りしておきますね。
ワタシの場合は、チダケサシの謎が解けたうれしさという
調味料が効いていたと思います。
投稿: はた衛門 | 2009-08-25 06:25