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4月30日(木) イヌスギナ

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スギナの先に土筆の穂先が合体しています。ふつうのスギナなら、スギナ(栄養葉)はスギナだけ、土筆(胞子葉)は土筆だけと別々なので、見分けは簡単です。
簡単でないのはこれを見つけることの方で、初めての撮影です。もっとも、いままでも目に入っていたのに、ただのスギナと思って見過ごしていただけかもしれません。ふつうのスギナよりもはるかに湿り気が好きで、これは田んぼの脇にありました。
あらためてこの存在に気づいてみると、色合いはスギナよりも黒々(特に節付近)としているし、葉もまばらで横広がりです。酒の肴になる土筆と違い、このイヌスギナは下痢や食欲不振という中毒症状を起こす(乳牛の事例あり)そうです。土筆摘みのときに間違えてしまうとは思えなくても、覚えておいて損はない姿でしょう。

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4月29日(水) マムシグサ

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真っ赤な実をつけた秋の姿ばかり先行していたマムシグサです。ようやく「花のある」時期の登場です。名前のいわれである茎や、見分けのポイントとなる葉の形は、一昨年秋の写真で明らかなので、今回は仏炎苞のツヤに迫ってみました。
こうして見ると、ウラシマソウのようなギャグ路線ではなし、ムサシアブミのような迫力路線でもなし、ミミガタテンナンショウのようなダンボ路線でもなく、じつに楚々として控えめな姿です…というのはあくまで比較級の問題で、大人の手ほどのこういう花がニョロニョロしているのは、やはり不気味かつユーモラスな眺めではあります。

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4月28日(火) キンギンボク(ヒョウタンボク)

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仲間であるスイカズラとよく似た、白と黄色の花が咲きます。実際には、最初白いものが黄色く変化するわけでも、それを老化現象とは見ずに「金銀」と称えるところがやさしいというか前向きというか、幸せを感じます。
花は似ていても、蔓が目立つスイカズラと違い、こちらは木立性です。また、2個合着した形は一緒でも、スイカズラの実は黒くなるのに、こちらは赤くなります。
その2個セットの実の形からはヒョウタンボクという名がつけられ、花の時期にはキンギンボクの名をもらったわけで、どちらもなかなか頷ける命名(注)です。ただ、仲間にはハナヒョウタンボクもあるし、スイカズラのことを金銀花と言ったりもして、人間の頭もPCのようにハードディスクやメモリーを増設できたらと考えてしまいます。

<補注> 標準和名はキンギンボクです。

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4月27日(月) ユズリハ

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年がら年中、悠然と艶やかな葉を茂らせているだけと思われがちなユズリハにも、交配のために花開く季節が訪れました。まるで溜まっていたエネルギーが吹きこぼれるように、ふだんのユズリハの慎ましやかさが嘘のような開花の姿です。
雌雄異株で、これは雄花です。吹きこぼれる前のボンボリのような赤い蕾もかなり派手だし、こうして黒い葯が花粉をまき散らす姿は豪快です。
一緒に雌花もとらえたかったのに、この場所には雄株だけでした。黒い実をつけた木があるところに近々行ければいいけれど、雌花さん、待っててくださいよ。

<補注> 雌花はこの4日あとに掲載できました。(2009年5月1日

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4月26日(日) トウグミ

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淡い黄色みを帯びて見えやすいグミ類の花のなかでも、このトウグミは一段と黄色が鮮やかです。ほかの種類のようにグミらしいあのブツブツもあまり目立たないし、グミ仲間では一番の「美人さん」かもしれません。
ナツグミの変種(園芸作出か?)なのに、ご本家よりも大きな実なので外来ものと誤解した(じつは純国産)のが名前の由来だそうです。舶来コンプレックス丸出しの話で赤面してしまいます。
ということで、花どきの写真に加えて実の姿(注)をとらえない限り、トウグミの見分けは暫定としておい方がよさそうです。

<補注> 実はたしかに大きめに感じました。(2011年7月2日

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4月25日(土) オオカナメモチ

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樹冠が霞んで写るほどに大きな木でした。花や葉の感じは同属のカナメモチとよく似ています。そのカナメモチも自然に育てばかなりの大木になるにしても、幹の太さや高さがここまでにはやはりなりにくいでしょう。
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花の房も大きく、へたなアジサイのそれは軽く上回ります。その大きな花の塊がこれだけドッサリと咲いた姿には、ただただ圧倒されてしまいます。
カナメモチよりは下ぶくれ(先端側が幅広い)で照りのある葉が堂々としていて(長さ20㎝ほど)、もしこれだけ大きく育ったオオカナメモチでなくとも、葉の大きさと形でふつうのカナメモチとは区別できそうです。

<補注> 花が咲けば実ができることにやっと気づきました。(2018年10月8日

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4月24日(金) ゴマキ(ゴマギ)

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去年の秋、生意気にも「ガマズミに似ている」と書いたことをいささか反省しつつ、「でも、花も似ているしィ」と食い下がってみます。
反省したのは葉の様子の違いで、ゴマキの方が厚手でしっかりしていて、ガマズミよりも丸々しい感じがすることがわかってきたからです。一方で食い下がったのは花の真っ白さで、ガマズミを彷彿とさせると思ったのです。
しかし、二つの花を比べると、ガマズミの雄シベがずっと派手で、どうも花の「似ている」発言も却下です。そもそも勝手に「似ている」とするのは片方を先に知っていただけの話です。ゴマキはなにに比べるものでもなくゴマキなのだと自分を戒めながら、そう言えばゴマキは最近テレビに出ないなあ、とごまかすオジサンでした。

<補注> 夏、深紅の実がきれいです。(2012年7月7日

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4月23日(木) ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャ)

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10年以上も前に初めてこの木を見たときは、たしかに「ナンジャモンジャ?」と思わないでもありませんでした。この繊細な花びらが木全体を真っ白に覆っているさまを見て、昔の人がつぶやいたというひょうきんな別名に、かなりうなずけたものです。
そんな「珍しかった」この木も、最近は見かけやすくなりました。名古屋では街路樹にされ(注3)ていて、排気ガスまみれの白い花はかなり哀れな様相でした。
国内に自生地がいくつかあり、海べりのそれを船から見ると白い崖のようだと言います。そこではこの木を「海照らし」と呼ぶそうで、いささか誇大表現とは思えるものの、なかなかにソソッてくれる名前です。さていつの日かそんな夢の光景に会えることを願いつつ、当分は街なかで「ナンジャモンジャ?」と呟いていることにします。

<補注1> 5年後、これぞ「海照らし」という絶句ものの開花状態を撮ることができました。(2013年4月29日)
<補注2> 実(まだ青い)をつけた様子はこちら、冬芽と葉痕の写真はこちらです。
<補注3> ヒトツバタゴが名古屋で街路樹に選ばれていた理由(東海丘陵要素)がわかりました。(2022年11月23日

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4月22日(水) ゲッケイジュ

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モチャッと黄色く咲いて、すぐに葯や花びらが茶色くなるので、観賞用途にはやや難のあるのがこの月桂樹です。もっとも月桂冠になったりお料理に役立ったり、主役はどうやら葉の方なので、花は脇役に甘んじているのでしょう。
それでも今年は蕾からしっかり観察し、1個の蕾から4つの花が咲き出すことがわかりました。ただし近所の何カ所かで見かけるこの花は雄花(雄株)です。日本ではわりとレアものとされる雌株を載せないことには草木ブログの面目が立ちません。
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そこで、去年の夏に悶絶級の味を確かめておいた雌株のところまでイソイソと出かけてみました。おっと、これはまた素っ気ない花です。天は二物を与えずとはよく言ったものとシミジミ思う帰り道でした。

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4月21日(火) ハラン

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ハランの花です。2年前からこの時期を狙っていて、ようやく写せました。
もともと葉がワサワサ茂るハランですから、その株元には目が行きにくく、したがって花が意識されることはマレです。また、見ようと意識したとて株元にはヤブ蚊がいるわ、長年の枯葉が積もっているわで、極端に人目を嫌う根性曲がりなのです。
しかしいい色です。いい形です。そして、意外な大きさ(直径3㎝ほど)があります。カンアオイと甲乙つけがたい面白さです。これが茎の先に咲いたら…と惜しい気はしても、いやいや、秘するが花とはまさにこのことなのでしょう。

<補注> 花が咲けば実ができる道理で、その実もまた花に負けない素っ頓狂な姿でした。(2015年4月4日

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4月20日(月) フゲンゾウ(普賢象:サトザクラから改題)

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きのう、やたらに景気の悪い桜(?)を載せてしまったので、ここは口直しでパーッといくことにします。いよいよ八重の桜が満開時期になりました。
ところが、きょうの話は「口直しのお味も苦かった」というオチです。こういう豪華ボッテリ系の桜にいろいろ品種名があることは知っていたものの、自分では見分けがつかず、一括して八重桜と呼んでいました。
しかしそれでは俗称に過ぎず、あえて呼ぶなら「サトザクラ」が正解のようです。そしてさらにそこを分ければ、一重の染井吉野があり、こんなボッテリ系には普賢象(ふげんぞう)とか関山(かんざん)とか一葉(いちよう)とかさまざまあるというのが今年のお勉強の成果です。で、これはそのうちのどれ?と言われるとムググ…でして(注)、「来年また、雌シベの様子をしっかり写してみます」とお茶を濁すのでした。

<補注> よく見ると花の中心に鼻(牙)が2本見えているので、これは普賢象だったようです。(2012年4月30日

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4月19日(日) フサザクラ

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フサ「ザクラ」という名前からすると、上の写真、桜があの華麗な花びらを散らしてしまったあとの姿と思われそうです。ところがこれは立派な開花シーンで、赤紫の雄シベがまだかろうじて残っているところをとらえました。
桜という名ではあっても本来の桜(バラ科)とは関係がなく(フサザクラ科)、このように花びらのない花を咲かせます。もっと早ければ、イソギンチャクを思わせる派手な姿を写せたはずで、その撮影は来年以降の楽しみ(注)です。
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多くの説明では「カツラに似る」とされているものの、飛ばずに残っていた去年の実(種)を見るとカエデに近いイメージです。個人的にはハナノキの雌シベを思い出しました。ただし、そろい出した葉は桜の若葉に似て、光沢があって柔らかでした。
と、こうして「○○似」と表現するのは人間の勝手というもので、フサザクラはフサザクラ以外の何者でもありません。その愉快な姿、しっかり記憶に刻みました。

<補注> 開花から結実まで詳しく見ました。(2010年4月24日

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4月18日(土) ハボタン

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固定観念というのは邪魔なものです。ふつうは花が咲いたら見ごろとして喜ぶものを、葉牡丹が花を開くと、間抜けで情けない姿と見てしまいます。
じつはこれ、我が家の玄関先であって、葉牡丹(種類不明)をここまで持ち越してしまって、抜くに抜けずに困っています。なかば開き直って、「春らしい黄色い花がいいねえ」なんて自己弁護してはいても、元々観賞用ではない花部分はだらしなくのびあがり、締まりがないことこの上もありません。
となりに作ったビオラの植え込みも、この1週間でグンと背をのばし、まとまりをつけにくくなりました。春真っ盛りはうれしくても、花壇の植え替えには悩む時期です。

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4月17日(金) バッコヤナギ

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この時期、山の斜面や丘の一部が黄色っぽく霞んで見えることがあり、その犯人(?)を追及するとこの木の下にたどりつきます。
ネコヤナギに似た花からヤマネコヤナギという別名を持ってはいても、木がネコヤナギよりずっと大型です。水辺を好むネコヤナギと違い、山の斜面に「跋扈」するところからこう呼ばれたと言います。
ただ、この木はまな板や裁ち板(裁縫用)に重用される木(したがって、幹も30~40cmの太さあり)で、それほど生活に密着した木をこんな漢語で呼んだとは思いにくいところがあります。
そこで、もうひとつの説明である「婆っこ」の方に肩入れするために、今度はこの花が白髪のようになった場面をとらえる必要が出てきました。今度会うときまで、お婆ちゃん、元気でいてください。

<補注> 「婆っこ」ヤナギ説をサポートする写真を載せました。(2009年5月21日

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4月16日(木) ザゼンソウ

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きょうは自分としての「大物」を載せることにしました。このブログの5回目の誕生日であって、ささやかに自前のお祝いです。
この座禅草は、3年前にとりあえず掲載したものの、その情けない写真はまさに「ドゲンカセントイカン」でした。まずはこれでひと安心です。
座禅と言えば達磨大師、達磨大師とくれば面壁九年です。草木の写真にあと4年向き合えば、いったいどんな悟りが開けるものでしょう。七転び八起きの根性はつくかしれなくても、手も足も出ないダルマになったら写真が撮れなくて困ります。

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4月15日(水) ハリエニシダ

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三日続けて「オオッ」とやるのもなんだかなぁでも、きょうの「オオッ」は驚きの声です。花に目を奪われて近づき過ぎ、恐ろしい棘に思わず腰を引きました。
いかにも学習効果のないオツムであることが見え見えで、この1月にはまさにこの強烈な針だけの姿を撮影していました。あれから季節が変わり、美しい花を装いはしたものの、この針の鋭さ・硬さには一切の妥協がありません。
前回、「垣根にいいのでは」と無責任なことを言ったものの、手入れすることを考えたら、こんな木を選ぶのは無謀に思えます。街でこれを見かけないのも道理です。

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4月14日(火) オオイワウチワ

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きのうオオリキュウバイを載せて「オオッ」と思い出したのがオオイワウチワで、あまりのくだらなさにせっかくの春の陽気がぐっと冷え込んだようです。
そもそも「オオ」がつかないイワウチワを出してからでなければ、これを見て「オオッ」とは言えない道理でも、そういう理屈はもっと学術的なページに任せます。花を持ち上げた人差し指が馬鹿でかく見えてしまうサイズではありながら、山の花としてこれはきっとかなり大振りなもののはずです。
それにしても、桜を思わせる淡いピンク色や細かく裂けた花びらの先が華麗です。その美しさの裏に、かすかに儚(はかな)さが漂って、いかにも春らしい風情の花です。

<追録> 後年、課題だったふつうのイワウチワを収録してわかったのは、当初のオオイワウチワの写真(↑)では「団扇」のサイズがわかりにくいことでした。そこで、別の写真(↓)を追加しておきます。(2016年4月10日)
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<補注> イワウチワの仲間であるコイワウチワを収録しました。(2019年4月11日

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4月13日(月) オオリキュウバイ

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天空を目指してまっすぐのびる枝もあれば、身をもてあましたように地面に向かって垂れる枝もあり、正体のわからない木です。ふつうの利休梅の枝もそういう傾向があるとは言え、全体の大きさと奔放さはこちらがかなり勝ります。
花にもその締まりのなさがありありです。利休梅よりふた回りも大きなくせに花弁の厚みに差がないので、弱い風にもすぐ煽られて、撮影がしにくくてかないません。
利休梅の実は紙鉄砲を思わせる愉快な形だったので、大利休梅のこの大型ぶりからすると、実の大きさにもかなり期待できます。仕事の予定よりも撮影備忘録で先が賑やかになってゆく手帳は、家人には絶対に見られないようにしないといけません。

<補注> オオリキュウバイとふつうのリキュウバイの実を比べたら、形はよく似ているのに、性格がずいぶんと違っていました。(2009年9月4日
<追録> 蕾がとてもかわいい姿でした。(↓撮影:2020年3月25日)
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4月12日(日) ホソバアカメギ

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遠目の感じではホソバヒイラギナンテンかと思いつつ近づきました。しかし、そばに寄ると自分の背丈ほどもあって大きい(前記候補は腰丈程度)し、花の時期がまるで違うので、先入観はあっさり捨ててじっくり観察することにしました。
節々にかなりの長さの鋭い棘があり、どうやらメギの仲間のようです。葉が長いところはヘビノボラズに似ていても、写真の右端で赤くなっている葉がある(春なのに)ところなどが見分けのポイントでした。
別名を細葉天竺目木といい、戦後に中国から渡来(注)したそうです。まだあまり見かけなくても、密生する棘が生け垣需要に向きそうな気がします。

<補注> 同じく中国産のテンガイメギを収録しました。(2024年8月31日

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4月11日(土) タンチョウソウ(イワヤツデ)

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単調なブログになっているから、きょうのタイトルまでタンチョウになってしまいました…などと自虐のギャグで始めてみます。
本当は丹頂鶴のタンチョウで、スッとのびた茎の先の白い花を称えた名だそうです。シベの赤みも、その連想に加勢しているかもしれません。
ただ、別名のイワヤツデの由来である大きな葉がまだぜんぜん出ていなかった(追録参照)し、鶴の首(茎)もまだこれからズイィーッと長くなる(注)ようです。掲載には早すぎるタイミングでありながら、きのうと同じでこれも心覚えとして、そのうちベストの一枚が「撮れたァ!」となるのを待つことにします。

<補注> ベストの写真かどうかは定かではなくても、タンチョウソウの名前にふさわしい姿を「タイミング」的にはベストで撮ることができました。(2015年4月28日
<追録> 近所で鉢植え品を見ました。(撮影:2022年4月17日)
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4月10日(金) ベニコブシ

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きのうとはベニつながりで、きょうはベニコブシです。…と、これで済めば、「白もいいけど赤もいいねえ」で良かったのに、また勝手に宿題を抱え込みます。
ふつう、ベニコブシの別名はヒメシデコブシであり、自分でもまさにその別名に恥じない派手な様子の花を写していました。しかし、今回のものは花びらが余分にはまったく割れていません。本当にふつうの辛夷がピンクに染まっただけに思えます。
これも別名が姫四手辛夷の紅辛夷でいいのか、それとも別名なしのシンプルな紅辛夷というのがあるものなのか、調べがつきません。とりあえず、「こんなのもあった」という心覚えをここにおき、そのうち「わかったァ」となる(注)のを待つことにします。

<補注> シデコブシ(Magnolia stellata)の変種であるヒメシデコブシ(別名:ベニコブシ M. stellata var. keiskei)に対して、この記事で取り上げたベニコブシはふつうのコブシ(Magnolia kobus)の園芸品(cv.Rosea)、つまり「ベニコブシ」という木は2種類あるらしい…というのが10年後の理解です。(2019年4月)

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4月9日(木) ベニバナトキワマンサク

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一段目が中国製で二段目は自国製、三段目はロシア製というツギハギロケットが我が国を騒がせてくれました。
あのロケットとは正反対に平和でのどかな存在ながら、このベニバナトキワマンサクも、マンサクの上にトキワとベニバナを載せたツギハギ三段構造です。
このブログを始めたころに比べれば、植えているところがあちこち増えたと感じます。きれいな色と豪華な花つきに加え、赤い若葉も楽しいし、大きさも手ごろとくれば、人気が出るのは当然かと思えます。

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4月8日(水) シロバナアケビ

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おとといのカランコエでは園芸品種に毒づき、きのうのトキワイカリソウでは自然の白花を称えました。さてきょうのアケビの白花はどうしたものか確認したら、学名には「cv.」がつくので、人為的に作出されたものということになります。
しかし、これは素直にきれいです。なにがなんでも自然でなければ!ではなく、こういう節度ある美しさは受け入れてしまいます…要は自分勝手なだけです(笑)。
左端のひときわ大きなものが雌花です。これが実を結ぶと白いアケビになる…わけはないと思いながら、秋までこの木のことを覚えていたらレポートしたいと思います。

<参照> ☆ ふつうのアケビの花 ☆ ミツバアケビの花

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4月7日(火) トキワイカリソウ(白花)

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きのうの「人造もの」=カランコエ(八重)に対し、トキワイカリソウの白花は天然自然のものです。こういうのを見つけたときは、なにか心に安堵が広がります。
先月載せたピンクの花よりも、白の方が少し珍しいはずです。
そう言えば、このトキワイカリソウは強精・強壮の効き目がある薬草でした。可憐な見かけの内側には逞しいボディが…とくれば、なにやらアニメ主人公っぽい話になってしまうわけで、まさにそんなスーパーヒロインを思わせる華麗な姿です。

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4月6日(月) カランコエ(八重)

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これもカランコエ!?というラクシフロラを先月25日に収録したばかりで、次は八重の品種です。全体の姿はいかにもふつうのカランコエなのに、なんだか賑々しいので近づいてみたら、花びらがやたらと重なり合っていました。
人間の欲望というのはとどまることがないようで、草木の品種はどんどん増えるばかりです。つきあうのを野の草木だけにしておけば、せいぜい外来種が増加するくらいでしょうに、「嫌だ、嫌だ」と言いながら新しい園芸品にも目移りがしてしまいます。人間の欲望は…などと講釈を垂れる前に、己の自制心を養うことこそ肝要です。

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4月5日(日) シナミズキ

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遠くから見たら、桜の花がなにかのハズミで真っ黄色になったみたいでした。つまり木そのものが大きく、花つきが豊か、ただし徹底的に黄色なのです。
近づくにしたがい桜説は消え、花房がプラプラ下がっているのがわかりました。飛び出た雄シベが黄色なのはヒュウガミズキ的でも、ひと房の花数が多いのはトサミズキ風です。そしてこの圧倒的な大きさはシナミズキという珍しいものでした。
この時期、公園や土手がどこもかしこも桜色というのはあまりに芸なしです。どこか、このシナミズキで並木を作ろうという奇特な町はないものでしょうか。

<補注> 実をつけたところはこちら、その実が割れている様子はこちらです。

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4月4日(土) チョウジザクラ

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いままでもときどき出会うことはあったのに、どこで見かけてもその姿がさびしくて、ずっと撮りそびれてきました。ついに今回、マジマジと残りの蕾を調べたら、どうやらこんな状態が「撮りごろ」であるらしいのに気づきました。
桜といえば染井吉野を思う心を捨てないといけません。フラットな気持ちでじっくりとこの花を眺めると…、やっぱりさびしいです。修行が足りません。
筒の先で花が平に開くのを丁の字に見たわけであって、こう名付けた人は男性脳の持ち主だったはずです。地図をクルクル回して見る女性脳の人なら、いったいなにを連想したか、タコザクラにされなかったのはこの桜の幸運というものです。

<補注1> 日本固有の野生種なので、心して眺めないといけません。
<補注2> 近縁種のオクチョウジザクラを収録しました。(2023年3月12日

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番外編 : 飛翔体?

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K国飛翔体と空しく交差するJ国迎撃飛翔体…なーんちゃって、エイプリルフールを過ぎてからの悪ふざけはいけません(単なる旅客機の飛行機雲です)。
いやー、飛翔体とは珍なる呼び方を考えたものです。飛行体とはニュアンス違うんでしょうねえ。そんな名前も用意してお待ちしていたのに、K国さん、じらし作戦ですか。こちらは早くすっきりしたいんですけど、急いでドジられても困りますか。
なになに、J国迎撃飛翔体を載せた車が秋田で道を間違えて交通事故ですと…。きょう出た発射誤情報はA国さん…。なんか、泥試合というか草野球というか、もぉ。

<5日追記> 無事に飛んでくれてヤレヤレ。K国さんはちゃんと飛ばしたみたいだし、きのうの誤情報はA国さんのせいではなく、まったくJ国さんのなかの問題だったそうで…。なんか、頼りないのはJ国さんだけですか?

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号外 : 今朝のハタザクラ

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低い枝の花が開き始めて、肉眼でも旗を見つけることができます。

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4月3日(金) イトザクラ(シダレザクラ)

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桜の具合がなにやら妙なのは、異常気象のせいかこの不景気のせいか、先月26日に開いた近所の染井吉野の並木が1週間経ってもまだ三分咲きの体です。桜だけは一気にパァーッと豪勢に行ってくれないと、こうチマチマされると気が滅入ります。
そこへ行くと、イトザクラ(下欄にリンクあり)の方は常と変わらない咲き方に見えます。ウロウロしている染井吉野を尻目に、気持ちよく全開模様です。
外側からの眺めに飽きて、花の天蓋の下に入ってみました。枝垂れる様子がまるで地中を這う根のようでおごそかです。本物の根もこのように広く深く地中を這っているのだと思うと、やはりこういう大樹は神なのだと思わずにいられません。

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4月2日(木) テンダイウヤク

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秦の時代、不老不死の妙薬を求めて徐福という人が海を渡って日本に来たことは、たしか中学か高校の歴史の授業で習ったはずです。
その徐福が日本で見つけた霊薬がこれだ、とか、いや彼がこれを日本に持ち込んだのだ、とか、なにせ弥生時代の話らしいので、誰も正解は出せません。
先年、南紀に旅したとき、新宮市で天台烏薬茶というのを飲みました。徐福は新宮に上陸し、そこで亡くなったそうで、彼に因んだ町おこし商品でした。飲んだとたん、即・元気に…というわけはなくて、ゆるりとした健胃効果があるとのことでした。

<補注> この時点ではテンダイウヤクが雌雄異株であることには気づいていなくて、ここからじつに8年後、雌雄の株の開花状態を収録しました。ちなみに、上の写真は雄株です。(2017年4月25日

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4月1日(水) イカリソウ

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地上10~15㎝のところでうつむいて咲いてくれるので、仕方なく強引に上を向いてもらいました。なかにはきちんと雌雄のシベがありました。
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トキワイカリソウのときに「花では見分けできない」と書いたもので、今回つくづく見てもやっぱりそっくりです。それでも両者が絶対に違って見えるのは、もっぱら葉のたたずまいのせいで、イカリソウのそれが新鮮でかわいいのがわかるはずです。
愛らしいハート型はホワイトディのプレゼントにどうでしょう。添えたカードには「この碇でずっとここに停泊してください」…、半月後に思いついてもあとの祭りでした。

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