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6月30日(月) モミジバゼラニウム

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久しぶりにお外で天麩羅などいただいたら、天つゆにトマトオロシというのが添えられてきました。紅葉オロシの人参はほぼ色づけ役に過ぎないのに対し、トマトは色だけでなく味もかなり自己主張してくれます。
紅葉(もみじ)に行き着きたいばかりに話は回り道しました。どうやら漕ぎ着けた「モミジバ」は、花の陰でそれらしい形をしています。
ただ、その形からの名前とばかり思っていたら、いまごろのモミジ(本物)を見てみると、ちょうどこんな塩梅に色づいていました。サーモンピンクがきれいな花は無視された形で、主役は完全に葉の方です。

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6月29日(日) チガヤ

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茎や葉で屋根を葺き、根を薬用に煎じ、花は甘味とし、姿は和歌に詠い、じつにご先祖さまたちはこの植物とともに生活をしてきたようです。
そんなチガヤもいまではほぼ役立たずで、野原でむなしく綿毛を風に散らすばかりです。栄枯盛衰は世の習い、あすは我が身かと背筋が冷えます(おや、君はいまが栄とか盛の状態だとでも言いたいのかい…とセルフ突っ込み・笑)。
しかし、本当にきれいな姿です。この綿毛はタンポポのようには簡単に飛び立たず、風に吹かれては絡まりあって穂が次第に広がって膨らみます。緑のなかで、白い絹布が煌めいているようです。

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6月28日(土) カタクリ

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花のころには観光バスを仕立ててカタクリ見物に出かける人々も、そのカタクリのこんな姿はたぶんご存じないでしょう。
…などと偉そうに言っている自分が初めてこの姿に気づきました。花が咲いあとには実ができるのは当たり前であって、カタクリの場合はこういう状態になるのでした。なんとも慎ましやかな佇まいです。
これが熟してそのまま地に倒れると、元の株から15cmほど離れたところ(注)に次の世代が生まれるという仕組みです。その新世代が花開くのはなんと10年後です。大事に、大事にしたい自然です。

<補注> カタクリは多年草なので、親株は翌年以降も花をつけます。また「片栗」の名の元になった鱗茎が地中にはあるものの、これは分球しない(つまり鱗茎で株が殖えることはない)そうです。
なお、記事中で触れなかったのはアリの存在で、エライオソームが付着したカタクリの種を巣まで運ぶことで、種の移動距離を「若干」延ばすことに貢献しているそうです。(2020年夏)

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6月27日(金) ウチワサボテン

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サボテンの花としてはあまり気むずかしいタイプではなくて、暑くなり出すとあちこちで黄色く照り輝き始めます。
写真のものは団扇(うちわ)というよりはほぼ杓文字ながら、本来ならば名前にたがわない葉の形です。おっと、つい「葉」と書いてしまいました。サボテンの場合、ここ(杓文字部分)は葉ではなくて茎でした。
江戸時代のなかごろには我が国に渡来していたそうで、団扇仙人掌(ウチワサボテン)はサボテン界一番の古参兵のようです。薄甘いとかおいしくないとか、評価の分かれる実の試食が今後の課題(注1・2)です。

<補注1> 見るだけで十分な実の姿でした。(2022年3月11日
<補注2> 実の試食ができました。(2022年9月6日

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6月26日(木) ヒメカイウ

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尾瀬に行ってきた人が「きれいだったァ」と水芭蕉の報告をくれました。しかし、尾瀬のように標高がないこのあたりの野山では、水芭蕉の花はもうとっくに終わっていて、いかにもただの芭蕉みたいに葉が盛りの時期です。
なのに、おや、咲き残りがチンマリと…と思ったらどうも違います。白い仏炎苞が茎を包む部分がほぼありません。水芭蕉はここがたっぷりと長めのはずです。
さらに葉も長楕円形の水芭蕉と違い丸型です。そんな違いがあるので芭蕉とは言わずに、カラーの和名である海芋(分類的にも水芭蕉と違ってヒメカイウ属)を称します。なりは小さくても、こちらの方が水芭蕉よりずっと稀少だそうです。

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番外編 : 驚異の技術

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いただいてから4日が経ち、もう鑑賞に値しない姿になったので、虹のアリスさんを分解してみました。
これはすごい。花びらは1枚ごと専用の導管を持っているということでしょうか。
だとしても、その導管ごとに違う色を吸わせるのは可能なことなのでしょうか。さすがにお高いわけです。

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6月25日(水) ハナイカダ

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ツキヌキニンドウというのがあって、葉の真んなかに花(と実)をつけます。ただ、あれは茎の両側の葉が合着したものですから、ちょっとズルということになります。
その点、このホオノキは本当に一枚の葉のなかから花芯が突き出ているわけで、これがホントの芯発見、森の不思議です。
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というお馬鹿はほどほどにして、こちらは合着でもなければ偶然でもない、正真正銘のハナイカダ(花筏)、きょうの本題です。
雌雄異株であり、花が少し賑やかな雄株は2年前に掲載しました。対するこの雌株は花どきから少し経った状態で、小さな青林檎が葉に載っています。
この林檎くん、本当に赤く色づいてくれればいいのに、自然はそこまでサービスが良くはありません。来月半ばにはこれが黒く熟します。花も可憐だし、黒い実も美しくて、さらに青林檎の姿もかわいいぞ!とほめあげておきます。

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6月24日(火) フタリシズカ

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名前にふさわしく花穂が二本のものを探すのに手間取りました。いくら静さんでも三人では姦しくてなりません。
もっとも、由来となった同名の能では二人は亡霊で、他界の人なら三人でも五人でも出るだろうという説もあります。それほどに花穂の数は一定しないようです。
美人だったであろう静御前がむくれそうに素っ気ない花ながら、目を凝らすと蛤の貝殻を伏せたような構造です。貝合わせはお姫さまの遊び道具で、白拍子ににはやや不似合いでも、ちょっと無理をしてこじつけたくなりました。

<補注> 属が同じ(Chloranthas=チャラン属)で名前的にも対になるヒトリシズカは翌春に収録しました。(2009年5月25日

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番外編 : 美しくも哀れ

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ケバイお姉さまに出会い、オオッと注目したらその厚塗り具合に腰が引けて、でも怖いもの見たさに負けて目を奪われているうちに、その芸術的な変身技術に感動してしまい…というきのうの己を反省しつつ、こんな因果な目に遭う花にまた同情を禁じえず、そっと瞑目するばかりです。

<補注> 分解してみました。(2008年6月26日

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6月23日(月) オオバナウツボグサ(ウツボグサを訂正)

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画面右端が咲き始めで、左・中央という順に花が進みます。
咲き進んでも開いている花の数は変わらない(咲いては順に枯れていく)のだから、花殻の少ない若いうちがきれいには見えます。ところがこの草は真んなかのものでもまだ見ごろとは言えず、花が終わり、穂が茶に色づくころが真骨頂です。
その姿が靫(空穂=矢を入れる武具)を思わせるところからの名付けであって、枯れてからが見ごろとは、熟年(老年?)組としては秘かに憧れる存在です。あやかれるように、ドライフラワーにして身近に飾ろうと思います。

<補注1> 花がやや派手に過ぎ、花穂も妙に緑っぽいので、オオバナウツボグサかとも思い始めました。継続調査中扱いとします。(2008年6月24日)
<補注2> 本来のウツボグサと思われるものを見つけ、二つを比較した結果、やはりこちらはオオバナウツボグサ(欧州~コーカサス原産)と判断しました。本文は当初のまま、記事タイトルを変更します。(2008年7月3日
<補注3> セイヨウウツボグサを収録しました。(2023年10月11日

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6月22日(日) メグスリノキ

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できれば花の写真を載せたくて、何カ所かこの木をマークしていたのに、その時期はむなしく過ぎてしまいました。
ならば葉だけでいいからここに載せたかった強い動機があります。この木のおかげで、辞書を読むときに拡大鏡を使う煩わしさから解放されたのです。
去年の暮れから煎じ薬を飲み始め、1カ月もしたら効果が現れました。肝臓にも効くそうで、内心ではそちらの薬効にもご利益を感じています(お酒、止めればいいのに・笑)。こういう昔の知恵には驚くしかありません。

<補注> 花(雄花)は2年後に撮ることができました。(2010年4月29日

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6月21日(土) クリンソウ

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咲き始めからひと月以上もたって、ようやく合点のいく姿になってきました。
5月上旬に初段が花開いたときには、サクラソウの茎が徒長した程度に見えたのに、最後の段の出番となって、まさに九輪のように草原に屹立しています。
これで全段一斉に開花するなら言うことなしではあっても、種の輪がかえって九輪っぽくも見えます。ならば本当に9段になればと思うのに、どうやらこの辺(5段)で打ち止めのようです。追肥をあげたくなってしまいました。

<補注> この記事の写真は東北地方の低山でのもので、関東南部での開花はこれより2カ月ほど早い時期でした。(2015年4月26日

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6月20日(金) ササユリ

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見るに堪えない画像であるのは百も承知です。きれいに咲いた花は、またいつの日か載せることもできるでしょう。
憧れの笹百合を撮ろうとせっかく関西まで出向いたのに、今年はずいぶん早い終息のようです。どうにか花の色合いだけを、最後の一本が教えてくれました。
くやしいので、この百合の見どころは名前どおりに笹のような葉なのだと思うことにします。周囲の本物の笹に紛れて見分けにくいほど似ています。ただその葉が茎から出る付け根を見れば、それはまさにユリ科の姿です。

<補注> まだ満足レベルには届かなくても、一応、まともに咲いているシーンをとらえることができました。(2013年6月19日)

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6月19日(木) ミヤマウグイスカグラ

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うろ覚えの知識というのはへっぴり腰を誘発します。食べてよかったはずと思う一方で、スイカズラ科には危ないものがあるし…と生半可な知識が頭をよぎります。
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ブレーキとアクセルを一緒に踏んだような気持ちのままで、たった一つだけを口に入れてみました。甘~い。汁が舌の上にあふれます。
ただ、刺さるような刺激も感じ、ビビってそれ以上はやめました。帰宅して調べたら、これはサガリンコという愛称もある「子供のおやつ」だったそうです。無念です。

<補注> 2枚の写真とも、ミヤマウグイスカグラの特徴である腺毛が実を覆っています。2月後半に咲く花の萼にも毛があります。

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6月18日(水) イワタバコ

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イワタバコと言えば鎌倉の某お寺が有名でも、あんな風に「るるぶ」化してしまうと、気後れして足が向きません。
隣の人のカメラなど気にせず、心静かに眺めてこそのイワタバコです。独り占めのうれしさがあって、透明感のある紫の花びらがなにかしら神々しく見えてきます。もちろん、葉の艶は言うまでもなく、初夏の陽を照り返します。
ところで、この撮影のために新しい手を発見しました。岩の上から腕をのばし、逆さまに撮った画像をあとで回転させるのです。単純な思いつきが愉快でした。

<補注> イワタバコ科のレアものを収録できたので、これまで掲載した同科のメンバーを並べてリンクしておきました。(2023年11月10日
<追録> もう少し開花写真らしい1枚を補足しておきます。(撮影:2024年5月29日)
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6月17日(火) アゼナルコ(アゼナルコスゲ)

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奥に見える灰色は池の水面です。つまり、この草の生息環境を映したかったのに、曇天のせいでつまらぬ説明が必要な悲しい絵になりました。
ついでに弁解を重ねると、葉がなにやら不自然な黄緑に見えはしても、これがこの草の特徴(注)です。深い緑色をした仲間が多いなかで、見分けに役立ちます。
しかし、とりわけ目立つのはまさに鳴子を思わせる雌花です。そのかわいい穂の上部にある汚いヒモが雄性花序で、ヒモというのはこれが語源だったりして…。

<補注> この草の特徴とは言い切ったものの、いかにも不自然な色だったので、撮影に再挑戦してみました。(2020年5月17日

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6月16日(月) サンショウバラ

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まだ固い蕾だったり、すでに爆雷のような実になっていたり、どうもこのバラの開花とは毎年タイミングが合いませんでした。
そんな初の晴れ姿にしてはひねったポーズです。もっと開いた花もないわけではなかったのに、持ちの悪い花びらで、開くとすぐくたびれたように見えるのです。
どうも園芸品種と違ってこれ見よがしな咲き方はしないようです。ついでに山椒そっくりの葉をつまんでも、なんの香りもしません。つくづく愛想に欠けるヤツです。

<補注> 満開状態をようやく写すことができました。(2009年5月18日

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6月15日(日) ベニバナイチヤクソウ

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娘二人の我が家で下の方がいつもボヤきます。姉に比べると、親に軽視されているそうで、その証拠の一つが小さいときの写真の量なのだと言います。
たしかに、上の子のときはやることなすことみな新鮮で、撮りまくりでした。それが二人目になると、つい見慣れてしまい…。
去年、白のイチヤクソウ(一薬草)を見つけたときは20枚も撮ったのに、今回の紅花バージョンは10枚もありませんでした。感動が半減したのかと自問自省したあと、カメラを替えたせいだと思うことにしました。

<追録> 久しぶりに見た紅花バージョンは、紅色度合いがかなり派手めでした。(撮影:2024年6月6日)
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6月14日(土) ムクノキ

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せわしなく熟していくニワトコの実(きのう掲載)に比べると、こちらはいかにもスローモーでおっとりとしたムクノキの実です。
連休のころに花をつけてから、ジーックリと半年かけて食べごろになります。ただ、サイズはもう完熟のころにかなり近いので、ここから先はあのとろけるような味をただただ練り上げていく期間のようです。
夏を越せばヤスリに使えるほど表面が荒くなる葉も、いまはまだ若葉の柔らかさが残ります。じっくり・ゆっくり、マイペースのムクノキがまぶしく見える一日です。

<補注> 9月下旬には、実のサイズがあらかた「完成品」になり、日向のものはすでに黒く色づきます。(2019年9月29日

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6月13日(金) ニワトコ

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花が咲いてから実までのスピードが速いことは知っていても、いざ梅雨どきに真っ赤な実に出会うと、やっぱり感動です。
秋になれば珍しくもなんともない色なのに、他人に先んじるだけで注目されてしまう…、なにやらいまどきのあざといマーケティング手法を連想してしまうところでも、それは決してニワトコの罪ではありません。
スイカズラ科にはヒョウタンボクのように危ない木もあり、ニワトコの実は果実酒になりはしても、種類によってはアルカロイドを含むそうです。ロシアンルーレットには興味がないので、味見はパスとします。

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6月12日(木) シナノキ

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漢字では「科の木」とか「級の木」とか当てます。古くからシナと呼ばれ、人々の暮らしを支えてきた木です。
樹皮からとれる繊維で布を織るそうで、さっくりした風合いでしょうから、これからの季節に重宝したはずです。白くてキメの通った材は製図板とか引出しの側板として我々にはなじみのものです。
大きな木の上で、一つ1cmほどの花が盛りでした。集散花序の付け根に細長いヘラ形(やや白っぽい)の苞葉があり、実を飛ばすときに翼の役割をします。

<補注> 花が実になった様子を収録しました。(2012年10月9日
<追録> 花に見とれるその前の季節、若葉に気を取られてみました。6月よりも葉質がずっと繊細です。(撮影:2018年4月29日)
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6月11日(水) マグワ

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「こんなのを食べると長生きするんだァ」と言いながら、この実をバクバクやっているオジサンがいて、傍らで仲間が「大丈夫かよォ」と心配していました。
もし山桑真桑のどちらか一方が有毒だったら、この人、新聞沙汰になる虞ありなのに、それはあり得ないので、お仲間さんたち、安心してください。
ただ、二つの見分けをしたいこちらは桑に出会うたび、いつも悩みます。葉先の尖りが寸詰まりであること、花柱が短いので実のイガイガが少ないことを頼りに、これは真桑と判断したものの、いっそ真桑の実が毒であったなら…\(;゚∇゚)/。

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6月10日(火) ラミウム・マクラツム(ツルオドリコソウ)

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先日のマルバストラムと同じで、長い本名をフルに呼ぶ必要は少なくて、たいがいがラミウムだけで通るようです。(注)
ただし、園芸的に作出されたラミウムの種類はかなり多いですから、脳トレだと思ってマクラツムまでがんばってみます。三浦さんが枕積む…なんじゃそれ?
早い話がオドリコソウではあっても、素っ気ない国産と違ってアチャラものは多種多彩です。こんな銀葉タイプにはビーコンシルバーとスターリングシルバーという品種があるらしく、これがどちらかは不明です。

<補注> 恐ろしいことを平気で書いていて、13年後に冷や汗をかきました。以下のように内容訂正します。(2021年12月)
☆ 削除した本文部分の1カ所目:ラミウムはオドリコソウ属全般のことです。したがって、園芸界でこの草をラミウムと呼び習わしていることはあっても、それでラミウム・マクラツムを特定できるとは思えません。
☆ 2カ所目:ラミウム・マクラツムはツルオドリコソウ(匍匐する性質あり)という和名を持ち、これ自体は園芸品ではなく、欧州や西アジアに広く分布するものです。ただし、キバナオドリコソウにもツルオドリコソウの別名があるので要注意です。

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6月9日(月) コアジサイ

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葉の感じはいかにもアジサイなのに、その寸法がどうにも不足です。鋸歯だけが不似合いに目立って、まるで兄貴の上着を借りたヤンチャ坊主のようです。
花もアジサイっぽいのです。ピンポン玉よりは大きいけれど、テニスボールまではない、そんなサイズの花の塊です。
なにか似ているのにどこか違う…、そのわけをとくと考えたら、アジサイにつきものの装飾花がありません。地味なせいで、庭で愛好されることは少なく、山のなかの陽のさす林縁で見かけます。

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6月8日(日) アケボノフウロ

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夜更かし型の社会になってしまって、明け方の空が曙に染まるときの色あいを知っている人は少ないような気がします。かく言う自分も、色を文字で説明するには語彙が貧困過ぎるので、下に実際に空が明るみ始めた頃合いの写真を貼りつけました。
さて、この花に曙を冠した理由がもし花色に由来するのならば、「ちょっと待ってくださいよ」と言いたいところです。
曙色のポイントである黄色みがほとんど感じられません。ほとんど赤紫に近い、こんな脳天気なピンクを曙とは困ったものです。しかし、ついた名前に毒づいても仕方なく、まあかわいい花なのでよしとしておきます。
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6月7日(土) マルバストラム

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マルバダケブキに続いてマルバストラムです。きのうは「丸葉」で屋上屋の名前だったのに対し、きょうのマルバは葉が丸くありません。
それもそのはず、こちらはMalvastrum、ラテン語です。正式な名前はこのあとにlateritium(ラテリチウム)と続いても、一般には属名だけで呼ぶようです。
柱状のシベと薄手の花びらがいかにもアオイ科の風情で夏向きです。花のサイズが小ぶり(4cmほど)だし、茎も横に這うので、鉢植えで懸崖にすると面白そうです。

<補注> 感じがやや似たものにキクノハアオイがあります。(2015年5月18日

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6月6日(金) マルバダケブキ

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ふつうは花びらのきれいさに引き寄せられるものなのに、これは違いました。蕾とその茎の紫色のインパクトがあまりにも強いのです。
もっとも、花びらの黄色はその紫をさらに際立たせています。この花びらは開きすぎると垂れてだらしなくて、この時期くらいが見ごろに思います。
おっと、名前からすれば本来の主役は蕾でも花でもなく葉のようです。ただ、フキと言えば葉は丸いわけで、なにやらクドい名前…、というのは個人的感想です。

<補注> マルバダケブキがお洒落に変身していました。(2024年6月27日

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6月5日(木) ノハラワスレナグサ

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淡いブルーの花色がピンクに変化するので、グリコ的なお得感があります。あまり立ち上がらず、横に広がって、花壇を覆う効果もあります。
ふつうのワスレナグサ(勿忘草)よりは茎が毛深くて紫がかっています。葉の長さはこちらがやや短めに感じます。
と言ってはいても、並べて比べればわかるかなと思うくらいで、とても確信など持てません。さらに、属違いなのに勿忘草を名乗るシナワスレナグサ(未収録)というのもあって、忘れないどころか頭のなかは勿忘草だらけになりそうです。

<追録> 別の場所での開花状態です。(撮影:2022年5月9日)
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6月4日(水) ニンジン

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オレンジ色の肩を土からのぞかせたニンジンを見てしまうとセリ科の植物だとは思いにくくても、こうして咲いた白い花を見ると、そう言えば葉っぱもまさにセリと似ていたなと一人で得心しています。
野菜は本来の旬のものを食すべきとは聞いても、さて人参の旬はどう考えたらいいものやら…。花がいまなら、種はいつできて、根が一番充実するのはいつ??
と考えて調べたら、春夏秋冬、いろんな時期に播く(=いろんな時期に収穫する)品種がたくさんありました。四季すべてが旬とは、人参は野菜の優等生です。

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6月3日(火) センダイハギ

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石斛に続いての仙台土産でセンダイハギです。当然ながら「仙台」萩かと思うと、そうも書くらしくても、どうやら本来は「千代」萩のようです。
音だけ聞けば、歌舞伎の「先代」萩を思うし、そう当てる解説もある始末で、遊び心で引っかけたらしい命名者は「してやったり」と笑っていることでしょう。

だがしかし、萩にはセンダイハギより有名な宮城野萩(判別困難なので未収録・注1)もあるわけで、こりゃー、宮城や仙台は鬼門です…などと嘆かずに、黄色い萩もいいもんじゃ、と楽しむことにします。

<補注1> この記事の4カ月後、ミヤギノハギの見分け方がわかり、収録しました。
<補注2> 属違いながら、ムラサキセンダイハギという「お名前拝借」の種類がありました。(2009年6月27日
<追録> 暑くなってから撮影する記憶があったのに、4月中旬に咲き出していて、かなり意外な思いをしました。(撮影:2024年4月17日)
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6月2日(月) セッコク

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20mはあろうかという杉の巨木の中段に、その花束はありました。大人の両腕に余るほどの株が満開なのを喜びながらも、あいにくの天気に歯ぎしりです。
近所なら出直したところでも、ここが松島・瑞巌寺とあってはそうもいきません。石斛の「本来」の生態を学習できたのがこの旅の収穫です。
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などと書くと、「鉢植えで育てている石斛は本来の姿じゃあないとでも言うのかい」、と愛好家の皆さんにはネジ込まれそうです。いえいえ、この姿もあの姿も、みんなそれぞれ美しいものです。
あまりに高所で、困っていたら、隣の木にはもう少し低いところに小さな株ができていました。こういう盆栽、欲しいかも(笑)。

<補注> もう少し標準的な花色のセッコクを掲載しました。(2018年6月17日

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6月1日(日) ギンリョウソウ

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透明ビニール細工のおもちゃか、はたまた季節はずれのツララか、なにに見立てるかは気分次第です。しかし、もしこれ(銀龍草)を銀の龍と見る人がいたら、そりゃちょっと視力に問題があるか、あるいは誇大妄想癖があるか…。
あまりのうれしさに筆が滑りました。ようやくのことで探し物を見つけたのです。モドキ版よりは、やはりこちらがきれいです。
湿った薄暗がりではあっても、10cmほどの背丈でこんなものがニョキニョキ生えていて、けっこう目立ちました。これでも実をつけるそうで、次の楽しみができました。

<補注> 土から出たばかりの様子を収録しました。(2024年5月30日

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