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4月30日(水) ツリガネズイセン(ヒヤシンソイデス・ヒスパニカ)

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膝下ほどにのびた茎に鈴なりについた花が賑やかです。
長くのびる茎というのは倒れやすくて、育てるのに往生することが多いのに対し、ツリガネズイセンの花茎は太くてしっかりしていて、その点は安心です。また、和名にその名を借りた水仙に似る葉も丈夫で艶やかで、花だけではない楽しみがあります。
紫がもう少し強いものやピンクに近い色合いのもの、あるいは白の花もあります。旧属名のシラーがまだ生きていて、シラー・ヒスパニカとかシラー・カンパニュラータと呼ばれ、すっかり日本の春のおなじみさんになりました。

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4月29日(火) エンレイソウ

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これを見つけたら「齢」が「延」びる=縁起がいい…ということはなくて、どうやら昔は薬草利用(薬効で延齢)されていたようです。ほかにアイヌ語説もありはしても、この草の分布は全国ワイドなので、そちらはやや疑問です。
花が咲くまでには15年もかかると言います。ただ、性質はいたって丈夫で、林辺でしたたかに生息します。
フライパンほどの大きさに広がる3枚の葉の中心からこんな花(紫部分は萼)が突き出す姿はちょっと道化ています。変化型もいくつかあるよう(注)です。

<補注> オオバナノエンレイソウはこちら、ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)はこちら、ふつうのエンレイソウの再掲記事はこちらです。

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4月28日(月) ベニバスモモ(ベニスモモ)

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公園にあって、「ベニスモモ」と名札がついていたので楽ができたものの、ベニスはイタリアだったか?などと一人ボケしてしまいました。「ベニス(の)桃」でなく、「紅李(すもも)」であることに気づくまで、10秒ほどかかった気がします。
花を追って出始めた葉はかなり紫色の強い赤で、夏にはこれがもう少しきれいな赤になるようです。実を食べるよりも、この葉の色を楽しむ品種なのでしょう。
しかし、誤解を招く名前とは言え、この名札がなかったら、「山桜かなあ」などと恥ずかしい独り言をしたはずです。ふつうのスモモのように樹皮がゴツゴツしておらず、ホウキモモのように枝がまっすぐなところが特徴と言えば言えそうです。

<追録> ベニスモモはベニバスモモとも言い、そちらが標準和名のようなので、タイトルを補完・修正しました。(2010年7月14日:リンクは本文中)

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4月27日(日) ワサビ

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アブラナ科の偉大なバラエティには薄々気づいていたものの、山葵(わさび)までがその仲間だったとは、いまのいままで思ってもみませんでした。
大根や蕪とお友達だと思うと、勝手に抱いていた粋なイメージが音を立てて崩れて…、いえ、あくまで自分の偏向した価値観と知識不足の問題です。
たしかに、初めて見たワサビの花は、これは誰がなんと言ってもアブラナ科!という十字形でした。救いはこれが純白だったことで、もし黄色だったら、こんな湿地の上で笑い転げていたかもしれません。

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4月26日(土) カラスムギ

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カラスムギでも麦秋と言えるのかどうか、あとひと月もすればこの苞頴(ほうえい)は白くなり、完熟した黒い種が顔を覗かせます。
2月の内から、もう穂はできていました。同じ穀物でも、お米とは収穫時期が半年ズレています。もっとも、いまやカラスムギは穀物ではなく、道端の雑草ですけれど…。
そもそもこれはオートミールの材料(注)ではあるものの、あれはどうも日本人の美意識では受け入れがたいところがあります。納豆を前にした欧米人と同じです。

<補注> 正確に言えば現在のオートミールの材料は燕麦であり、これはカラスムギの改良種と考えられています。
<追録> 志木近辺だとカラスムギはGW前後に咲きます。ただしその「花」に花びらはなく、黄色い雄シベの葯が見えるだけです。
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4月25日(金) キンギョソウ

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5年目になるこのブログに、金魚草が初めて登場です。こんなに身近なものを置き去りにするほど、春は花に追われていたようです。
じつは半月前に姫金魚草を載せたとき、ふつうの金魚草にリンクさせようとして「欠品」に気づきました。あの記事には、あとづけでここをリンクさせましょう。
さてあらためて眺めていたら、これ、金魚ではなくドナルドダックの彼女に見えてきました。ミニーだとミッキーの彼女だし、あれれ、ドナルドの彼女の名前…、ふーん、あの子はデイジーダックちゃんというのでした。

<補注1> 矮性のキンギョソウを育てました。(2013年4月28日
<補注2> 色とりどりのキンギョソウが植えられた花壇を見ました。(2021年4月27日

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4月24日(木) マルバアオダモ

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この木を初めて見つけたのは雨あがりの日で、花はまるで濡れモップみたいなみすぼらしさでした。しかし、ちょいとそこらで見かける木でないのは明らかです。
念入りに予習した上で、晴れた日に再撮影に出かけました。ありがたいことに、この木は市内のマンションの敷地にあるのです。
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丸葉と呼ぶには抵抗のあるスマートな葉ではあっても、この場合の「丸」はふつうのアオダモに比べて鋸歯が穏やかという意味でした。

さて、前にリョウブの記事でも触れたように、マンションの植栽にこういう変わった木が選ばれる経緯が不思議です。
個人宅と違い、無難なものが選ばれそうなのに、こんな「特殊」な木を植えて差別化をはかる作戦でしょうか。あるいは、この物件の企画担当者がたまたま野球好き(アオダモはバットの材料として有名)だったとか…。

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4月23日(水) セージ(コモンセージ)

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Commonというくらいなので、こういうもの(セージやサルビア類)のなかではスタンダードなのでしょう。(コモンセージは英名、標準和名はセージ)
葉を揉むと、メンソール系の青い香りがして、いかにもハーブです。お料理素材や入浴剤のほか、薬用としても有名な万能選手です。
そして、そんな実用性よりもさらに見過ごせないのは、灰色を帯びた柔らかな手触りです。あのラムズイヤーには少しかなわないものの、似た感じのするモコつき&シワシワのタッチです。

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4月22日(火) ムベ

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これを撮影していたら、「去年初めて実をつけましてね」と声をかけられました。この垣根のオーナーさんのようです。「アケビの実を初めて見ました」と続いたので、アケビとムベの違いを説明する破目になりました。
たしかに葉のつき方や実の姿は似た感じでも、ムベの葉やはアケビよりも明らかにゴツイ作りです。
なによりも花の姿がまるで別で、アケビほどには雌雄の違いが明確ではありません。筒型の花のなかを覗き込むと、3本の雌シベがはっきり見える雌花(上)とそうでない雄花(下)があることに気づきます。

<補注> おとといの記事に関連して言えば、ムベの蔓は「Z巻き」です。

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4月21日(月) ニワトコ

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チョコだったかクッキーだったか、こんなお菓子があったような…、しかしてその実態はソフトクリームです。
なんのこっちゃ?の意味を言えば、離れて眺めたこの花はいかにもソフトクリームみたいに見えるのです。ところが接写して一つの花を見つめると、今度はかわいいお菓子に見えてきました。
夏の赤い実もきれいだし、冬はモンチッチ風の葉痕で笑いを誘います。おっと、早春の芽吹きのかわいい姿も忘れてはいけません。じつに芸達者な木です。

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4月20日(日) ヤマフジ・昭和紅

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かつてはお庭だったところが藤の藪と化していて、ふつうの紫や白の株に交じって、少し珍しいピンクが咲き始めていました。母屋は放置されて荒れ放題なのに、藤はわが世の春とばかりに勢力拡大しています。
そんなわけで持ち主に尋ねるわけにいかず、この藤の名前は自分で探しました。
ピンク色の花を手がかりにして「ノダフジ・本紅」と「ヤマフジ・昭和紅」に絞り、蔓の巻き方を決め手にこれをヤマフジの品種と判定しました。

さて、その蔓についての勉強内容は補足説明編として別記事にしておきました。

<補注> 10年後、思い出したようにフジ(ノダフジ)がS巻きであることを確認しました。(2018年11月19日

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補足説明編 : 蔓の巻き方

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紐を棒に斜めに巻きつけていくとき、その紐を回す方向は時計回り(緑軸)とその反対(ベージュ軸)の二通りがあります。このように巻いた状態を、一般には右巻きとか左巻きとか言い表しはしても、さて上の写真のどっちをどう呼ぶかが問題です。
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たとえばベージュの軸に巻きつけた黒ビニールテープを蔓と考え、それを上から見る(上写真左)と、蔓は左回転(反時計回り)してのびてきているように見えます。
これに対し、今度は同じ軸を下から見上げる(上写真中央)と、蔓は右へ回りながら上へのびていることになります。もちろん、蔓の巻きつき方そのものに変化はなく(同じ軸)、軸の見方を変えただけです。

さて、これを左巻きと呼ぶか右巻きとすべきか、視点によって違うことになるわけで、植物界ではこの巻き方を左巻きと称するのがオーソドックスです。つまり、のびてくる蔓を上から眺め、その先端が目指す方向を「巻き」の呼称としています。
ところが、同じ方向に巻いているネジ(上写真右)のことは右ネジと呼び、特殊用途の左ネジとは区別します。どうやら、植物界以外では呼び方が左右逆のようなのです。そして、これだけなら「そういうもの」として覚えればいいとしても、問題は植物の場合には上下が分かりにくいケースがあることです。
ヤマフジの写真で「A」の箇所の蔓は両端が折損していて、先端方向を判別できません。また「B」の箇所でも、果たして蔓は右手に走っているのか左に行こうとしているのか、つまりどちらが先端かは簡単にはわかりません。
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ところが、ここでZ巻き・S巻きという便利な判断法があることを知りました。つまり、自分に見えている蔓が右上→左下方向なのか、または左上→右下なのかでZとSの字に見分けられることに着目した方法です。これなら下から見ようと裏から見ようと、見える字の形に変化はありません。

このZ巻き・S巻きをそれぞれ左右どっち巻きと呼ぶかは「業界」基準に従うことであっても、植物の世界ではZ巻きを「左巻き」としてきたようです。その代表が朝顔であり、今回のヤマフジというわけです。
同じフジでもノダフジは右巻き、つまりS巻きで、ほかにはヘクソカズラもこの巻き方です。植物の解説では複雑になることを恐れてか、簡単に「左巻き・右巻き」としか言わず、Z巻き・S巻きという言葉はあまり見かけません。
しかし、今回のヤマフジの写真のように悩ましいケースもあり得るので、便利な判定法として覚えておくことにしました。

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4月19日(土) トウモクレン

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きのうの記事で「紫木蓮と同じような時期に咲く」として触れた唐木蓮です。
シモクレンとの一番の違いは、花びらの内側が白い(白っぽい)ことです。そして、その花びらの先端がツンと尖っていることも、きのうのシモクレンの緩やかなカーブと比較すると明らかに見分けできる点です。
また、シモクレンがしっかりした幹を持ち大きな木になるのに比べ、トウモクレンは株立ちか、あるいは主幹があっても細い(5~6cm)ように思います。公園の名札が混乱していることもあり、罪なお二人です。

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番外編 : 春の食卓

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近所の八百屋さんに春の山菜が並んでいました。お店に並んだものでも中毒した例があるそうで、ここは運試しと参りましょう。
ウルイとカンゾウは、茹でて酢味噌あえにしました。ウルイの爽やかさとカンゾウのシャキシャキした歯ごたえはいかにも春です。
そして、ちょっとクセのあるギョウジャニンニクは、お肉と一緒に炒めたらいい味になりました。さて、食後の体調のほどは…。爽やかで、シャキッとして、そしてムニッと元気になった…、気がします。

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4月18日(金) シモクレン

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あれこれ目移りばかりしがちな陽気のなか、うかうかしているとシモクレンが盛りを過ぎそうです。ハクモクレンの開花からひと月ほども経って春の感激が薄れ、地味な花色もあって、周りの草木の華やかさに紛れてしまいそうです。
木蓮類の開花順をおさらいすると、この辺ではまず3月中旬にハクモクレンがトップを切り、次にニシキモクレンが咲きます。次いでサラサレンゲ、やや間が空いてシモクレンとトウモクレンが絡まるように花を開きます。
開花時期の違いに加え、「紫」木蓮は花びらの裏まで紫色なので「錦」とは楽に区別できます。また、萼が細くて小さく、すぐに反転して垂れるところが「白」系との違いです。さらに、時期と花色が似ている「唐」の幹が株立ちするのに比べ、「紫」は主幹がはっきりしているので全体の印象が大きく違います。

<補注> コメントに記したように、木蓮類のしんがりとしてキモクレンが咲きます。

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4月17日(木) イスノキ

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きのう、「雌雄異株の花に気を奪われる」と言ったばかりなのに、きょうは雌雄同株でも花が雌と雄で違うイスノキを出してしまいます。
正確に言うと、雌シベ(2本の舌状)を持つ両性花が花穂の先端につき、その下に雄花(赤い米粒状)が並ぶという構成です。真っ赤な葯が艶々ときれいです。
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こちら(↑)はやや咲き進んだ状態で、ピロピロ雌シベの具合がよくわかります。
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別名のヒョンノキの由来である虫こぶ(↑)は大きさと怪奇さで目立ちます。しかし、花の方は不思議さ度合いでそれと競り、色具合では圧倒的に勝ります。花びらなしでも美しい好事例に思えます。

<補注> 花が咲いたら次は実ができるという道理をわきまえず、虫こぶだけで満足していたことを強く反省しました。(2024年2月17日

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4月16日(水) アオキ

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おとといのハナノキと同じように、アオキの花も染井吉野と同じころに咲きます。
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この春は、雌雄異株の花に少し執心です。雌花(1枚目写真)の逞しさに感心する一方で、雄花(2枚目写真)の繊細可憐な美しさに目を洗われる思いがして、人間の男女とは逆…いやこれぞ男女の真実…などと余計なことを考える始末です。

さて、きょうから下の「○年のきょう」欄が4年分になりました。思わず知らずダラダラと無計画にここまで来たわけで、こうやって並べてみると、「ああ、これが咲くころなんだよね」と便利だったり、その日を思い出したり、わりと自分受けしています。

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4月15日(火) ウスバサイシン(ミドリウスバサイシン)

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この妙な花の形と色から、もしやカンアオイ類のアルビノ(白変種)を見つけてしまったのかと、心が躍りました。
いやいや、開きかけのこの葉の様子からすれば、ウマノスズクサ科のなかでもウスバサイシンの仲間かもしれません。しかし、帰宅後に手元の図鑑を調べても、それらしいものが見つかりません。
ある植物サイトで、「ウスバサイシンの花には白と濃臙脂がある」という記述(注)を見つけました。自分で調べ足りなくて横着ではあっても、今回はこの情報にすがることにしました。もう少し大きな図鑑が欲しくなりました。

<補注> 本文末尾でも述べたように、この花が白い株はウスバサイシンの別種ではなく一形態(したがって学名の区別もなし)のようです。
ミドリウスバサイシンという呼称は正式ではなくあくまで便法のようなので、記事タイトルでもそのような扱いに格下げしておきます。(2022年4月)

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4月14日(月) ハナノキ

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いまが染井吉野の開花時期という地にお出かけしたら、思わぬ収穫がありました。ハナノキが雌雄仲良く並んで、しかも手の届く高さで咲いていたのです。
先月、近場で撮った雄花の写真は、一応写っただけの情けない出来だったのに、今度は雄シベまでしっかり見えます。少しだけ汚名返上です。
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そして、2年前に撮った雌花の写真も、あれ1枚だけだと、じつは問題を含んだ画像であることがわかりました。
今回の雌花と先年の写真は全然違って見えます。ハナノキ、特に雌花は、開花してから柄がぐんぐんのびるのでした。最初は雌シベの先っぽだけ舌のように見えていたのに、もう種をつけているのがわかります。

<補注> 雌花のその後を追いかけてみました。(2017年4月3日

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4月13日(日) タピアン

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芝桜(ハナツメクサ)にしてはやけに強い紫色だなあ、と思って近づいて見たら、花も葉も少なからず造作が違います。
植え込まれて間のない花壇らしく、脇に名札が落ちていたので助かりました。某洋酒メーカーが開発したバーベナの改良種でした。この色に限らず、いろんな花色(濃いピンク、淡いピンク、淡い紫など)があるようです。
匍匐性なので芝桜と同じようにグランドカバーとして使えそうだし、厚みと艶のある葉はたしかにバーベナの雰囲気があって鑑賞価値があります。花びらの切れ込みが芝桜ほどには深くなくて、どちらかと言えば洋風花壇に似合いそうです。

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番外編 : イタチの味

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いただきものをした蜂蜜のきれいな味に感動したので、その養蜂場に直接連絡してみました。個人営業のようだし、HPはなくて、価格表は手書きのものをFAXで送ってくるという素朴さがたまりません。
うれしいことに、3種類選べるなかに「いたちはぎ」がありました。あの濃紫色の怪奇な姿の花の蜜がどんな味か、興味津々です。
いただいたアカシアは「特選」だったし、色でわかるように淡麗で繊細な味です。そして、いたちはぎはそれと比べてきれいさが劣るわけでなく、しかし、ちょいと一癖あるところがいかにも「らしくて」愉快です。また、単価的に一番お得な商品である「野の花」は、名前どおりにいろいろ混ざっているらしく、骨太でどっしりした味わいです。
輸入品やスーパーの定番品に比べれば結構なお値段であるものの、安全や本物のおいしさにはそれなりの支払いをしなくてはいけないはずです。誠実そのもののようなご主人と電話で話すと(ガチの秋田弁なので、かなり聞き取りにくいです・笑)、そんなことも納得できる気がしました。

<販売種類> ☆ 野の花(500g)1,200円 ☆ いたちはぎ(500g)1,500円 ☆ アカシア(500g)1,700円 ☆ アカシア(特選800g)3,000円  ※容量は100~2,400gまでいろいろ(送料別途)
牧野養蜂場 〒018-2407 秋田県山本郡三種町浜田字砂崎103-8 電話 (0185)85-2741 FAX (0185)85-2115
<補注> ケンポナシとカラスザンショウの蜜を手に入れました。(2021年11月5日

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4月12日(土) クレマチス・白万重(しろまんえ)

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十重二十重(とえはたえ)という言い方はあっても、途中の百・千を一気に通り越し(注)て、「万重(まんえ)」ときました。
花屋で買ったときについていた名札をシゲシゲと見直しても、白万重という漢字にふりがながありません。シロマンジュウでは食べてしまいそうだし、ハクマンエではなにか害獣のような響きになります。
と悩んだのは素人の証で、ふりがななしでも通用するほど、これはクレマチス界の有名品種のようです。たくさんの蕾が次から次へと開くのに加え、咲いた花の持ちが良くて、まことに豪華な眺めです。

<補注> 国語的に「百重・千重」とは言わなくても、植物の世界には「千重」咲きがあります。(☆ 例1 : 2013年3月21日 ☆ 例2 : 2015年1月19日

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4月11日(金) 八重咲き水仙・エルリッチャー

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ぽっちゃり型の小柄な花が、数で勝負とばかりに房咲きです。撮影のために近づくと、賑やかな香りにむせました。
若い女の子が大人数でチャラチャラ歌う…、なんと言ったか(知らないフリ・笑)、あのグループのイメージです。これを植える人は結構多くて、あの女性たちが売れているのと一脈通じるかとニヤついてしまいます。
水仙の分類では房咲きに属すと思ったら、正解は八重咲きグループでした。房咲きのなかにも八重はあるので、こういう境目が理解しにくいところです。

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4月10日(木) ライラックワンダー(原種系チューリップ)

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こらこら、花壇にポーチドエッグを並べた悪い子は誰だァ…。
原種系チューリップというだけで品種名はわからなくても(コメント参照)、わりとスタンダードなもののようです。かなり前に手に入れて、花壇に植えっ放しなのに、毎年元気に咲くから健気なものです。
シクラメンの原種がかなり寂しい姿なのに比べたら、チューリップは背丈が低いとは言え、それなりに華やかです。卵の連想からリムナンテスを思い出しました。並べて植えたら面白そうです。

<補注> 同じく原種系チューリップであるペパーミントスティック(2017年4月26日)、ブロンズチャーム(2024年4月24日)を収録しました。

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4月9日(水) ムラサキウンラン(ヒメキンギョソウ、リナリア)

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親指の先ほどの花が次から次と開いて、とても賑やかな姿です。
姫ではないふつうの金魚草と同じでピンクや紫が標準色のようでも、この黄色はいかにも春らしく、見る者の心を弾ませます。ゴマノハグサ科(注2)特有の花の形は金魚草と一緒である一方、草丈がずっと小柄だし、茎や葉の作りが繊細です。
姫金魚草のほかに、ミニ金魚草とかリナリアなどと呼ばれます。ミニでは軽率に過ぎるし、リナリアではルナリアと間違えそうなので、自分的にはやさしい響きの姫金魚草で覚えたい(注1)と思います。

<補注1> ヒメキンギョソウも別名であることをあとから知ったので、メインタイトルをムラサキウンラン(標準和名)に変更しました。(2013年5月22日
<補注2> ゴマノハグサ科だったのは旧分類であり、APGではオオバコ科です。

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4月8日(火) ヤマザクラ

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今朝はあいにくの雨で、せっかく満開を迎えたハタザクラがかわいそうです。
などと言いながら、この写真は雨が来る前の曇天下のヤマザクラです。志木の長勝院旗桜はヤマザクラが変化したものと言われているので、旗桜がきっかけだったこのブログとしては、ご先祖様の登場ということになります。
たしかに、葉が赤く展開してくるところや、葉の先端が長いところは旗桜にも性格が受け継がれています。ただ、花が小ぶりで赤みが強いところは母種に限る特徴で、旗桜よりも素朴な美しさを感じます。

<補注1> ヤマザクラ単体の蜂蜜がありました。(2023年1月12日
<補注2> ヤマザクラの冬芽を取り上げました。(2023年2月24日

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4月7日(月) ベニコブシ(ヒメシデコブシ)

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あいにくのドンヨリ背景ではあっても、それを補って余りある迫力を感じます。花が大きいのに加え、過密とも言える花つきが圧倒的です。
ベニコブシ(ヒメシデコブシ)はふつうの辛夷に比べればそもそも派手に見えるのに、これはたぶんそのなかでも特別な名を持つ品種ではないかと思います。
そう言えば、この時期にはキクモモ(菊桃)というとてもハデハデしい咲き方をする桃があります。それにならって、これをキクヒメシデコブシとでも呼ぼうかと思ったものの、舌を噛みそうでいけませんでした。

<補注> 同じベニコブシという名前でも、シデコブシの変種ではなく、コブシの園芸種というややこしい存在の木もあります。(2009年4月10日

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4月6日(日) ノボロギク

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道端とか畑の畦とかでしぶとく生きます。雑草という言い方は慎むようにしているというのに、スズメノカタビラと並んで、ついこの二文字が脳裏をよぎります。
ボロと呼ばれる(注)のは、主に花後の綿毛のせいだと思います。しかし、タンポポだってノゲシだって綿毛はあるのに、少し不公平です。
そう思ってシゲシゲ見たら、いまの時期には葉が毛むくじゃらで、とても汚らしい(まるで病気持ちみたいな)姿でした。もし、こんな最悪の時期に名づけられたのなら、哀れな運命としか言えなくて同情してしまいます。

<補注> ボロギクと名付けられたキク科の仲間(すべて属違い)として、ほかにダンドボロギクベニバナボロギクがあります。

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4月5日(土) ヤマモモ

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やれやれ、ようやく山桃くんのご妻女を見つけました。3年前、撮影したものが雄花であることはわかったものの、その相方に出会えないままだったのです。
雄花は風合いがモコモコしている上に寸法(長さ2cm以上)も大きくて目立つのに対し、雌花は小さく(長さ1cm程度)、赤い柱頭が2本飛び出すだけで、かなり地味です。束生状の葉に埋もれるように、ひそかに咲いていました。
ところで、自分が見つけにくかった恨みではなく、どうも山桃の世界は不当に女性比率が低いように思います。公園などに植栽するときは雌株にしてくれれば、夏には実がかわいいし、その上食べることもできてうれしいのに、残念なこと(注2)です。

<補注1> まだ青い段階の実の様子を収録しました。(2020年5月14日
<補注2> 公園はともかく、街路樹にされた場合、雌株の下は実が踏みつぶされてグチャグチャに汚くなることに気づきました。自分の食い気だけで不満を述べたものの、その場所を管理する側にすれば雌株は敬遠すべき存在のようです。(2023年春)

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4月4日(金) ノジスミレ

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読んで字の如し∴説明無用…なんて思うのは、たぶんこんな時代だからでしょう。道路の舗装など稀だったつい半世紀前まで、野路董と言われてもそこらすべてが野路なのだから、さぞ困ったことと思います。
たしかに、いかにも素っ気なく、ふつうの董よりさらにふつうっぽく道端に育つところが「野路」なのでしょう。
ただ、そんな説明では自分があとでわからなくなります。やや詳しく「ふつう」との違いを見れば、花色が淡く(色がカスレ気味)、葉の長さが少し短めです。
さらに、もしそんな相対比較だけでは心もとないときには、葉柄のヒレ(ごく狭いのが野路)を見るようです。

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4月3日(木) イトザクラ(シダレザクラ)

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さて、赤・白・ピンク、主役はどれでしょう…などという設問は、まるで自分の写真のマズさ自慢みたいです。
本当はどれを中心にしても良かったのに、赤とピンクの花は桃ではあっても詳しい種類がわからないので、イトザクラ(糸桜)にピントをあてることにしました。どうにも締まりのない舞台裏の事情です。
ついでにもう少し内情を晒すと、「糸桜と枝垂桜とはどう違う?」という話であちこち調べてみました。結論は、どうも二つは同じもののようです。そこで、ちょっとカッコいい糸桜の方をメインタイトル(注)にしてみました。

<補注> 「カッコいい・悪い」の話ではなく、YListではイトザクラが標準和名、シダレザクラは別名とされていました。(2020年春)
<追録> 上の写真があまりにも見にくいので、補足する意味でやや皮肉っぽいイトザクラの図を載せておきます。(撮影:2022年3月24日)
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4月2日(水) イチハツ

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畑地のなかに紫色の花びらを見つけました。その花びらの上に白く飛び出した鶏冠(とさか)はイチハツの証です。
まだ一輪だけの開花でしたから、たぶん特別に気の早い御仁かもしれません。ただ、それにしても去年イチハツを載せたのは端午の節句の日だったので、開花時期の認識をかなり改めようと思います。
前回は「アヤメ類のなかではシャガの方が早く咲くのでは?」と、「一初」の名に疑問を呈したというのに、今年はシャガがまだウンでもスンでもありません。行司差し違えだったようです。

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番外編 : ハタザクラそろそろ

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昼前から吹き荒れ始めた風がまだ穏やかだった朝、抜けるような青空を背景に、志木中学校の脇のハタザクラが開花していました。
下の花のなかに、余分な3枚(旗弁)が見えます。
若木の花が咲き出すと、ご本家もそろそろお出ましの準備でしょう。
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こちらは柳瀬川の土手の染井吉野です。
決して枝垂桜ではないのに、土手を包むように枝がのびて、桜のトンネルです。
この先の高橋(橋の名)から上流のふれあい橋まで、片道およそ3km近くがズズーッと桜並木です。いまや、この沿線ではかなり有名な花見処となりました。

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4月1日(火) アカシデ

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かつて「アカシデの花」だと思っていたのは、じつは雄花に過ぎず、この雌花(葉芽の先端)とセットで撮影しなければいけないのでした。
雄花がブラブラしているのを今年も眺めながら、「あれぇ、これじゃ雌シベがないぞぉ」と気づくようになったのは、進歩と喜ぶべきかノロマと恥ずべきなのか…。
いまさらながら図鑑を見たら、これもまた不思議な形の雌花でした。ワクワクして待つこと1週間、ついに雌花がお目見えです。雄花はもう待ちくたびれて顎が出ていて、さて、ものの役に立つのでしょうか。

<補注> もう少し若い段階の雌花(雌花序)をとらえました。(2014年4月10日
<追録> アカシデの雌花(雌花序)は混芽で、付け根側にはこれから展開する葉芽が潜んでいます。その先に10個ほどの苞があり、それぞれの苞には二股に裂けた花柱が2本ずつ入っています。(撮影:2021年3月26日)
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