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11月30日(金) キヅタ

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きのうに続いて「ビッシリ」シリーズになりました。うまくスケール感が出ているかどうか、10mをゆうに超えるクヌギの木に覆いかぶさるキヅタです。
明るい広場の一隅にそびえるその姿は、まるでそこに遊ぶ子供たちを見守っているかのような神々しさでした。
これほど蔓延(はびこ)ったキヅタなのに、地面から出た元々の蔓は直径3㎝ほどに過ぎない細いものでした。ここまでのびたキヅタが偉いのか、支えるクヌギが偉いのか、真剣に考えてしまいます。

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11月29日(木) ヒサカキ

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これでもかっ!という声が聞こえそうなヒサカキです。なりもなったり、つきもつきたり、これでこの実がおいしければいいのに、うまい話はそうそうありません。
これだけ実がつくには、花も当然にビッシリ密集して咲くわけで、その姿はおととしの春に取り上げました。
ウチの玄関先に、厄除けの意味でこの木を一本植えてあるのに、それは残念ながら雄株です。盛大についていた実をいくつか戴いて、その横に埋めてみました。雌雄がそろって花開くには、あと何年かかることやら(注1)。

<補注1> この雌雄セットプランは実現しませんでした。
種の芽吹きを待ちきれないまま、カイガラムシがどうにもしつこくて、雄株は悲しくも廃棄処分とあいなりました。(2013年11月)
<補注2> 人里で剪定された木ではなく、自然状態の木の場合、実はもう少し散漫なつき方でした。(2019年1月4日

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11月28日(水) ウンリュウヤナギ

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白鵬が不知火型なので、雲竜型の土俵入りが見られなくなってしまいました(朝青龍が出場停止処分)。もっともそれは雲竜違いの話です。
このクネクネした枝や葉を、雲に乗って天に昇る竜に見立てたわけでしょう。浪漫にあふれた発想にシビレます。ところが、枝にはあまりロマンチックではない物体がプラプラ下がっています。
日曜日、カワヤナギで正体を知ったあの虫こぶです。片やまっすぐ、こなたクネクネで枝は違っても、虫は外見に惑わされないようです。見習わなくてはいけません。

<補注> このあとで、ウンリュウヤナギの込み入った枝振りを取り上げ、さらに若葉と花(雄花)の様子を収録しました。

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11月27日(火) オキザリス・バーシカラー

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赤い縁取り模様がかわいくて、ここには二度目の登場です。
前のときは「アールデコのランプ」などと言い訳する手ぶれ写真だったので、今度はしっかりと捉えました。そして、花のきれいさだけに目を奪われることなく、じつはきょうは葉もしっかりと鑑賞してみました。
こうして見ると、先日のフラバだけでなく、これもカタバミらしい三つ葉型からははずれた葉の形です。一枚の葉は3小葉であっても極端に細長くなっていて、フラバまでの道のり途中かと思ったりします。

<補注> 同じように葉が細いタイプのカタバミ類にはオキザリス・グラブラがありました。(2020年2月3日

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11月26日(月) ジョウリョクヤマボウシ

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この特徴ある総苞片は、どう見てもヤマボウシのそれに見えます。だがしかし、この寒空に屈せず青々としたままの葉はいったいなに?
おやおや、「ヤマボウシ&常緑」で検索したら、なんと3万件以上がヒットです。珍品を見つけたと思ったのに、こんなにポピュラーなものとはがっかりです。
さらにもう一つのがっかりは、もう実がついていなかったことです。ふつうのヤマボウシ以上においしいという記述も見かけたので、なんとも悔しい出会いでした。

<補注> ジョウリョクヤマボウシには惚れ込んでしまい、花を追いかけるに飽き足らず、ついには自宅に植えてしまいました。

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11月25日(日) カワヤナギ

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このところ続いている急な寒気はまだ去らないものの、暖かな陽射しのおかげで川辺の散歩も苦になりません。のんびりと木々を眺めながら歩いていたら、カワヤナギの枝に妙な物体発見です。
春には花が咲くのだから、実がなってもおかしくないかと考えながらも、はてこれはいったいなんなのやら…。
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割ってみたら、小さな白い虫が入っていたので、どうやら虫こぶです。左上のこぶでは葉を巻き込んだ作りがわかり、右上のこぶには出口の小さな穴が見えています。

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11月24日(土) マンデビラ(ディプラデニア)

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スクリューを思わせる5裂した合弁花で、差し渡しは10㎝近くもあります。近所のお宅の玄関先で、鉢植えの行灯仕立てで育てられています。
そもそもは南米の産らしいので、この寒風は苦手でしょうに、しぶとく咲いていました。もしかしたら、夜間は室内に取り込んでいるのかもしれません。
属名そのままで大雑把に呼ぶものの、本当は種類が多く、白や黄色のものも見かけます。姿の派手さに加え、名前もちょっと風変わりなので、記憶に残る花です。

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11月23日(金) シロウメモドキ

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鬼太郎パパと呼べなくはなくても、どちらかと言うと脱色イクラでしょうか。全身真っ白になればよかったのに、残った黒ポツが妙にうるさく感じます。
それでも、赤があれば白が欲しくなる気持ちをこうして実現させてしまう好事家には感動するばかりです。
園芸品種らしく(注)、実のサイズがスタンダードの赤よりはひと周り大きめです。また、葉の落ちるのが赤より遅く感じます。ただし、これは横に並んだ二つを比べたわけではないので、継続観察事項です。

<補注> この記事掲載当時はよくワケも知らないで勝手に園芸品種(cv.)だと考えたものの、後年、学名を確認すると、Ilex serrata f. leucocarpaとなっていて、園芸種ではなく「品種」でした。(2022年秋)

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11月22日(木) ギンバイカ(マートル)

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フェイジョアに代表されるように、フトモモ科の木々というのは変わった花とか実をつけるものが多いように見受けます。
この木は、名前(銀梅花)のように白い梅を思わせる花をつけます。たくさんの長い雄シベが花びらよりも目立ち、いかにもフトモモ科らしい花なのに、残念ながらその撮影どきは逸してしまいました。(花は2年後に掲載
ただ、このひと癖ありそうな面構えの実は、花どきにも増して賑やかな眺めを作り出しています。サイズは小指の先ほどでも、数で勝負とばかりの稔り具合です。

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11月21日(水) カタバミ

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きのう、お洒落なカタバミ仲間を紹介したら、本家(ふつうの)カタバミをズーッと載せ忘れていたことに気づきました。
尖った実に触ると、パパパパと弾けて四方八方に種が飛ぶ(注)のが愉快で、子供のころは飽きもせずにパパパパ言わせて回りました。少し未熟な莢が思いがけずに割れると、なにか得した気分だったものです。
などと懐旧の情に浸って路傍を這い回っていたら、あらら、変な花に出会いました。ドクダミの八重は別種なのに、カタバミのこの花はまだ「出来心」の範囲のようです。

<補注> カタバミの種が飛び出す様子をとらえました。(2014年11月24日

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11月20日(火) オキザリス・フラバ

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近所の人が育てているのに、その名前を聞いたら「忘れたァ」だそうで、この人、いろんなお花を育てているのに、名前にはとことん関心がないので困ります。
しかし、ネットで「オキザリス」「鳥の足」と入れたら、簡単に正体がわかりました。さっそく名札を作って、この場所にさしてあげました。
ただ、「鳥の足」で検索はできたものの、このオキザリスの葉は本当は棕櫚のそれとそっくりと言いたいほど鑑賞に値する形です。カタバミ類のあの三つ葉型がここまで変形するとは、メンデルさんもさぞやびっくりでしょう。

<補注1> 葉の形がもっと「鳥の足」を思わせるオキザリス(オキザリス・グラブラ)がありました。(2020年2月3日
<補注2> 葉が極限まで細いオキザリスを収録しました。(2023年11月14日

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11月19日(月) ドウダンツツジ

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先日、アブラツツジの紅葉を載せ、実のつき方がドウダンと違うと書きました。
しかし、書いてはみたものの、ドウダンの実ってどんなだっけ?と不安がムクムク…。おお、いい具合のサンプルを見つけました。ホッ、ドウダンの実はツンと上向きで、アブラツツジのプラプラうつむきとは正反対でした。
花は内気に下を向いて咲くくせに、稔ったあとに空を向くとは猪口才な…というのは冗談です。来春の芽と並んだ姿は、命のつながりを示して鋭く天を衝きます。

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11月18日(日) エアーポテト(ニガカシュウ)

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右側に写っている拙の指と比べてわかるとおり、この奇怪なお芋の差し渡しは10㎝をゆうに超えています。
ただし、お芋とは言ってもこれはじつはムカゴです。ヤマノイモの仲間ではあっても、本家のムカゴがせいぜい薬指の先ぐらいなのと比べるとじつに巨大です。
あるお寺の庫裏の庭先で育てられていて、そこの大黒さんに「宇宙イモよ」と教えていただきました。ただし、その名はどうも流通名らしいので、英名をそのままにエアーポテトと呼ぶこと(注1)にします。

<補注1> 標準和名はニガカシュウ、別名がマルバトコロでした。ただ、それらの名前が使われる場面に出会ったことがないので、タイトルはエアーポテトのまま、ニガカシュウを補足しておくことにします。(2021年秋)
<補注2> エアーポテト以降も、このお寺さんにはときどきお世話になっています。(掲載順) ☆ ネリネ(詳細不明) ☆ オオバシコンノボタン ☆ ビレヤ・シャクナゲ ☆ アコレード ☆ キバナハナニラ

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11月17日(土) チョコレートコスモス

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なんじゃこりゃ!の情けない姿には深いわけがあります。
チョコレートコスモスをきれいに撮りたいと願いつつ、どうもその機会に恵まれませんでした。今年はいっそ自分で育てようと二株植えてみたというのに、これがなかなかどうしての気むずかし屋さんなのです。
株の育ちがとてもゆっくりだし、せっかくついた花蕾も急にしおれたりします。先日少し雨が続いたあとで、ついに一株はダウンしました。そんなわけで、とりあえずいま現在の情けないお姿でございます。

<補注1> 結局、自分ではきれいに咲かせ切れず、3年後、よその花壇を写させてもらいました。(2010年12月12日
<補注2> チョコモカという園芸品種を載せました。(2018年10月27日

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11月16日(金) フユザクラ

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桜の花イコール春の景色…という短絡思考を戒めてくれる桜たちがいます。寒ざむとする眺めは決して褒められたものではないものの、自分を押し通す意思を見るようで、ささやかな快哉を感じます。
そんな贔屓目で、冬桜(注2)はもう三度目の掲載(初回二度目)です。ただし、今回はその様子に少しばかりの異変(注1)がありました。
いままでの冬は花だけだったのに、もう若葉が展開しているのです。これからの季節をこの葉が生き残るとは考えにくくても、頑固に押し切ってほしいものです。

<補注1> このような二期咲き性のサクラは、秋咲きのとき、葉の状態が一定しないようです。(2019年11月10日
<補注2> 標準和名はコバザクラとされています。

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11月15日(木) イヌマキ

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イヌマキとラカンマキの境目がいま一つはっきりしなくて悩ましくても、これは長さ10㎝以上の葉が目立つので「犬」としておきます。
もう一つの判断基準は、枝に残っていた実です。赤と緑のこけし型は両方とも同じでも、羅漢の実はもう枯れている(注1)のに、犬はまだ瑞々しさがありました。
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赤い部分は女性の小指先端ほどのサイズで、食べ応えがあります。噛み心地はキウイの芯近くに似て、十分な甘さです。新しい果物として売り出したら面白そうです。

<補注1> 実の枯れ具合はイヌマキとラカンマキの差ではなく個体差かもしれないので、種の判別には不適切に思えてきました。(2020年秋)
<補注2> 薬師堂のマキ(さいたま市)を収録しました。(2020年12月15日

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11月14日(水) ハツカダイコン

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畑の隅に真っ赤なお顔が並んでいました。「ボク、オイシイんだよぉー」と言わんばかりに土から飛び出しています。
最近はお洒落にラディッシュと呼んでしまう(周りも自分も)ものの、植物的には廿日(二十日)大根が正式名称です。20~30日で収穫できるのが名前の由来で、素人でもわりと簡単に育てられると言います。
ラディッシュと言えば赤と思いがちでも、白や黄に加えて紫まであるそうです。カラフルなサラダを楽しむために、いまから種を蒔いても遅くはないかもしれません。

<補注> 花は少し極端な蝶々型でした。(2021年4月15日

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11月13日(火) コミカンソウ

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ナガエコミカンソウ(長柄小蜜柑草)を見つけてからほぼ1年が経ち、ようやく本来のコミカンソウに出会うことができました。
しゃがむだけで楽に撮れる草丈の長柄に対し、今度はグッとミニサイズです。地面に這い蹲(つくば)って、どうにか写すことができました。実のサイズは長柄と同じか、あるいはひと周り大きい(2㎜少々)くらいです。
しかしこれ、1個の実に注目すると、蜜柑というよりは苺(きのうのイチゴノキの実と似た感じ)をイメージします。とは言いながら、左方にのびた枝に実が並ぶ感じは、やはり蜜柑です。ん~む、全体の姿で蜜柑に軍配です。

<補注> 花と実が連なる様子をとらえました。(2012年8月25日

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11月12日(月) イチゴノキ

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3年近くも反故(ほご)にしていた宿題を、半分ほど提出する気分です。
ドウダンの花が狂い咲きしたみたいなこの木の名前を教えてもらったのはいいものの、「秋に成るという実を追跡で~す」なんてお調子を言ったまま忘れていました。なるほど、たしかに苺に見えなくもありません。
ただ、色づきがまだまだです。これからオレンジ、赤と変わるはずで、苺らしくなるには年を越すかもしれません。とすると、いま咲いている花が苺になるのは再来年…、なかなか気の長い苺もあるものです。

<補注> ヒメイチゴノキではあるものの、「苺」を確認できました。(2013年11月21日

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11月11日(日) セイオウボ(西王母・早咲きツバキ)

<タイトル訂正記録> この記事本文では西王母を侘助としています。しかし後日、西王母には花粉がドッサリあることを確認できました。したがって、分類的には侘助ではなく椿(早咲き)だと考えられます。自分の迷いの記録として記事はそのままにしておきながら、タイトルは早咲きツバキに訂正します。(2015年1月15日
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間違いではなかったものの、自分の理解の浅さを発見しました。3年前、「早咲き椿」としてここに載せた西王母(注)は、椿とは言っても侘助の仲間のようです
侘助は椿の一種類ですから、前の言い方でも間違いではないとしても、舌足らずだったことは否めません。では侘助ってナニ?と言うと、a. 猪口型の花 b. 花粉のない雄シベ c. 幅が狭く尖った葉…というところが特徴で、椿を一重椿・八重椿などを呼び分けるのと同じ水準の区分けのようです。

<補注&追録> 西王母とは中国神話に出てくる美女(魔女?)で、三千年に一度成るという仙桃を皇帝にあげた話が有名です。
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そして、この椿がなぜ西王母かと言えば、蕾の形が桃そっくり(↑)なのでした。花が開く前の姿形に着目するとは、趣味人というのはまったくコワイ人たちです。(上の写真よりもう少し桃らしく見える蕾を撮りました。⇒2011年12月2日

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番外編 : 囚われの身

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なにもアータ、んなところに嵌まり込んでなくったって…。好きだね、まったく。
まあ、世のなかには巡りの悪さやら、予期せぬ不幸やら、そんな理不尽が渦巻いておるのでして、ワタシらの人生はそれらをたまたまスルーしているだけ…というおごそかな事実を教えてくれるハヤトウリくんです。

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11月10日(土) トウゴマ

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きのう、トウダイグサ科としてシラキとオオニシキソウの実の形が似ていることを言ったばかりなのに、ことはそう簡単ではありません。
こんな変な実だって同じ科だよ!と言わんばかりのトウゴマです。しかも、まだ花が咲いているし、艶やかな若葉まで展開する始末で、精力絶倫系と見ました。
種から採れるのがヒマシ油で、これはかつて下剤として体内寄生虫駆除に活躍しました。しかし、その威力は強烈で、服用量には注意が必要だったようです。

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11月9日(金) シラキ

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白木屋と聞いて、駅前の居酒屋を思うか、あるいはいまはなき日本橋の百貨店を思うか、ちょいとしたリトマス試験紙…なんていう話はこの木には無関係です。
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木が白い(灰白色)からという単純なネーミングであって、もしこんな紅葉どきに名づけたなら紅白木とでもなったでしょうか。
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手のひらほどもある大きな葉が濃い赤に染まるので、遠くからでも目立ちます。近づくと、いかにもトウダイグサ科らしい形の実がかわいいのもこの木の特徴です。

<補注1> 実の中身に驚かされました。(2008年12月1日
<補注2> 花を撮影しました。(2017年6月6日
<補注3> 材も白いことが確認できました。(2018年10月7日

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11月8日(木) オナモミ

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おととい、オナモミの種類のことを取り上げました。グダグダ言ったわりには肝心かなめの棘の密度差がハッキリしませんでした。
くやしいので近所を探し回ったら、以前撮ったオナモミ(←あとでオオオナモミと判明)よりも少しは棘の少なさがわかりやすいものに出会いました。
頭に2本あるツノも、やや内側に湾曲ぎみなのがオナモミの特徴です。一方、オオオナモミのそれはあまり閉じずに平行っぽくのびているのがわかります。やれやれ、少しだけスッキリした思いです。

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11月7日(水) ノアサガオ

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秋に入って咲き出し、花盛りを迎えたノアサガオです。前にウチで育てたときは、X’masまで咲き続けて、なんとも奇妙な風景になったので撤去しました。
そのときはホームセンターで買った種を播きました。その袋では西洋朝顔を名乗っていたので、ブログにもそう書きました。
その後、いろいろ調べると、琉球朝顔とか西洋朝顔とか呼んでいるものは野朝顔と総称するらしいことがわかりました。

<補注> これはたぶん04年掲載のものと同じアサガオではないかと思います。
もしそうならアメリカソライロアサガオとするのが正しくても、その上位概念らしいノアサガオとするのも間違いではないだろうということで、記事内容もタイトルも変更せずにおきます。(2021年秋)

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11月6日(火) オオオナモミ

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オナモミとメナモミしか知らないときは平和だったなと、懐かしく思います。今年はメナモミに「」があることを知ってしまいました。
やれやれ面倒な…と溜息をつく暇もなく、今度はオナモミにもいろいろな種類があることがわかってきました。ドキッ、以前にオナモミとしたものは、いったいなんだったのやら…。(問題の記事はオオオナモミに訂正しました:2014年9月)
実の棘が密なのが「大」、ややまばらなのが「ふつう」のオナモミで、超密生なのが「イガ」という関係のようです。この写真の棘密度がどうやら「大」の基準で、先端のツノも内側に閉じないで平行気味です。

<補注> 棘やツノ以外にも、葉の形でオナモミとの区別ができると知りました。(2010年10月15日

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11月5日(月) コバレンギク(ヒメバレンギク)

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新宿の大きな本屋さんで、偶然に友達を見つけたことがあります。驚かせてやろうと思い、そっと隣に立ち、ニヤついて顔を覗き込んだらものすごく怪訝な表情をされました。あ、ごめんなさい、人違いでした。
…と、そんなことを思い出したのは、近くに寄るまで、この草をてっきりハルシャギクだと思っていたからです。
花びらの色合いはそっくりでも、こちらは垂れ下がるので大違いです。そして、お菓子のように子房が突出する姿も独特です。バレンの意味を勘違いしていた昔の話は蔵の10月に収録してあります。

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11月4日(日) キャラボク

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姿だけでなく、そのおいしさも、イチイとキャラボクの実は超そっくりです。ねっとりとした甘みは、スウィーツが少なかった時代には貴重な存在だったはずです。
おいしいからどっちがどっちでもいいとは言っても、やはり見分けは気になります。さて、きょうの写真はイチイかキャラボクか…。
これは葉が輪生状なのでキャラボクとしたのに対し、おととしイチイとした木の葉は羽状に展開しています。もっとも、どちらとも言えない木も多くて、悩みは尽きません。

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番外編 : シンガポール・スリング

071104singapore_sling友達からいただいたシンガポール土産。かの地の夕陽をイメージしたというカクテル(の素)が小瓶になっていて、それをパインジュースで割れば、はた衛門も立派なバーテンダー!
夕焼けを待ちきれずに朝からチビリ、旨っ。嫁さんには「これ、朝焼けの色なんだよ~ォ」とウソツキマクリーノ!!

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11月3日(土) ハイアワユキセンダングサ

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草の姿からセンダングサの種類らしいというのはわかります。写真中央上に見える実(ひっつき虫)も、いかにもセンダングサ類です。
ただ、花びらがやけに大きすぎます。コシロノセンダングサの花びらが大振りとは言え、それよりさらに大型です。どうやらアワユキセンダングサ(注)のようです。
で、一件落着かと思いきや、淡雪には「立ち」「這い」がありまして…。このように手で起こすほど這っていたし、3枚の小葉がはっきりしていたので、めでたくハイ!

<補注> YListでは標準和名がハイシロノセンダングサとなっています。

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番外編 : アサギマダラ

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まさかこんな大物を近所で撮影できるとは思いませんでした。先月、キジョランのところで触れた、あのアサギマダラがこれです。
差し渡しは12~3㎝ありました。優雅にヒラヒラ舞い、人を恐れる様子がありません。渡りをする蝶だそうで、いったいどこにそんなスタミナがあるのでしょう。

<補注1> アサギマダラの食草として有名なキジョランの葉裏に、その卵を見つけました。(2012年12月14日
<補注2> 上掲写真のアサギマダラは雌でした。このあと、偶然に雄のアサギマダラも撮影することができました。(2013年9月10日
<追録> ずいぶん久しぶりにアサギマダラの雌を見ました。フジバカマがブッシュ状の場所だったのに、この1頭もやはり単独行動でした。(撮影:2024年9月20日)
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<補注3> リュウキュウアサギマダラを収録しました。(2025年1月3日

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11月2日(金) ルリフタモジ

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畑の縁どりによく植えられていて、葉をつまむとニラの匂いがします。ユリ科(注3)だろうとアタリはつけたものの、この2年間、名前を見つけるに至りませんでした。
忘れたころに出てくる探し物のように、今年はヒョイと名前が判明しました。わかってみたら、なんともお洒落な名前ですこと…。
しかし、瑠璃はいいとして、二文字の方の意味解明には少し手間取りました。なんと、ニラのことを女房詞でフタモジと言ったのでした。なかなかに高雅な名付けです。

<補注1> ニラの漢字表記は、現代では韮の一文字でも、古くは彌良(みら、後ににらに転訛)と二文字で表記したそうです。
<補注2> 花が白いタイプを収録しました。(2008年11月15日
<補注3> 記事中ではユリ科としているものの、APG分類体系(Ⅲ)ではヒガンバナ科であることがわかりました。(ルリフタモジ再掲 : 2015年8月6日
<補注4> 同属の別種を収録しました。(2019年12月23日

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11月1日(木) アブラツツジ

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昼などまだTシャツ一枚でうろつくことができる気象状況からして、今年は紅葉なんてムリかと思えばさにあらず、どうだと言わんばかりに燃える緋色です。
この見事な色合いと葉のつき具合はドウダンツツジかと思いきや、なにやら見慣れないアクセサリー状物体がプラプラしています。
ドウダンと同属のアブラツツジと見ました。壷型の花はドウダンとそっくりなのに、房状についた花が結実してそのまま下向きに残るのがこの木の特徴です。

<補注1> ふつうのドウダンの実は空を向きます。(2007年11月19日
<補注2> 暮れに咲いているアブラツツジを見つけ、開花のしくみを考えてみました。(2019年12月24日

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