11月29日(木) ヒサカキ

これだけ実がつくには、花も当然にビッシリ密集して咲くわけで、その姿はおととしの春に取り上げました。
ウチの玄関先に、厄除けの意味でこの木を一本植えてあるのに、それは残念ながら雄株です。盛大についていた実をいくつか戴いて、その横に埋めてみました。雌雄がそろって花開くには、あと何年かかることやら(注1)。
<補注1> この雌雄セットプランは実現しませんでした。
種の芽吹きを待ちきれないまま、カイガラムシがどうにもしつこくて、雄株は悲しくも廃棄処分とあいなりました。(2013年11月)
<補注2> 人里で剪定された木ではなく、自然状態の木の場合、実はもう少し散漫なつき方でした。(2019年1月4日)
11月28日(水) ウンリュウヤナギ
11月27日(火) オキザリス・バーシカラー
11月26日(月) ジョウリョクヤマボウシ
11月23日(金) シロウメモドキ

それでも、赤があれば白が欲しくなる気持ちをこうして実現させてしまう好事家には感動するばかりです。
<補注> この記事掲載当時はよくワケも知らないで勝手に園芸品種(cv.)だと考えたものの、後年、学名を確認すると、Ilex serrata f. leucocarpaとなっていて、園芸種ではなく「品種」でした。(2022年秋)
11月21日(水) カタバミ

尖った実に触ると、パパパパと弾けて四方八方に種が飛ぶ(注)のが愉快で、子供のころは飽きもせずにパパパパ言わせて回りました。少し未熟な莢が思いがけずに割れると、なにか得した気分だったものです。
などと懐旧の情に浸って路傍を這い回っていたら、あらら、変な花に出会いました。ドクダミの八重は別種なのに、カタバミのこの花はまだ「出来心」の範囲のようです。
<補注> カタバミの種が飛び出す様子をとらえました。(2014年11月24日)
11月20日(火) オキザリス・フラバ

しかし、ネットで「オキザリス」「鳥の足」と入れたら、簡単に正体がわかりました。さっそく名札を作って、この場所にさしてあげました。
ただ、「鳥の足」で検索はできたものの、このオキザリスの葉は本当は棕櫚のそれとそっくりと言いたいほど鑑賞に値する形です。カタバミ類のあの三つ葉型がここまで変形するとは、メンデルさんもさぞやびっくりでしょう。
<補注1> 葉の形がもっと「鳥の足」を思わせるオキザリス(オキザリス・グラブラ)がありました。(2020年2月3日)
<補注2> 葉が極限まで細いオキザリスを収録しました。(2023年11月14日)
11月19日(月) ドウダンツツジ

しかし、書いてはみたものの、ドウダンの実ってどんなだっけ?と不安がムクムク…。おお、いい具合のサンプルを見つけました。ホッ、ドウダンの実はツンと上向きで、アブラツツジのプラプラうつむきとは正反対でした。
花は内気に下を向いて咲くくせに、稔ったあとに空を向くとは猪口才な…というのは冗談です。来春の芽と並んだ姿は、命のつながりを示して鋭く天を衝きます。
2006年のきょう<カザリナス(ヒラナス、アカナス)> 2005年のきょう<シロヨメナ> 2004年のきょう<ビワ>
11月18日(日) エアーポテト(ニガカシュウ)

ただし、お芋とは言ってもこれはじつはムカゴです。ヤマノイモの仲間ではあっても、本家のムカゴがせいぜい薬指の先ぐらいなのと比べるとじつに巨大です。
あるお寺の庫裏の庭先で育てられていて、そこの大黒さんに「宇宙イモよ」と教えていただきました。ただし、その名はどうも流通名らしいので、英名をそのままにエアーポテトと呼ぶこと(注1)にします。
<補注1> 標準和名はニガカシュウ、別名がマルバトコロでした。ただ、それらの名前が使われる場面に出会ったことがないので、タイトルはエアーポテトのまま、ニガカシュウを補足しておくことにします。(2021年秋)
<補注2> エアーポテト以降も、このお寺さんにはときどきお世話になっています。(掲載順) ☆ ネリネ(詳細不明) ☆ オオバシコンノボタン ☆ ビレヤ・シャクナゲ ☆ アコレード ☆ キバナハナニラ
11月17日(土) チョコレートコスモス

チョコレートコスモスをきれいに撮りたいと願いつつ、どうもその機会に恵まれませんでした。今年はいっそ自分で育てようと二株植えてみたというのに、これがなかなかどうしての気むずかし屋さんなのです。
株の育ちがとてもゆっくりだし、せっかくついた花蕾も急にしおれたりします。先日少し雨が続いたあとで、ついに一株はダウンしました。そんなわけで、とりあえずいま現在の情けないお姿でございます。
<補注1> 結局、自分ではきれいに咲かせ切れず、3年後、よその花壇を写させてもらいました。(2010年12月12日)
<補注2> チョコモカという園芸品種を載せました。(2018年10月27日)
11月16日(金) フユザクラ

そんな贔屓目で、冬桜(注2)はもう三度目の掲載(初回、二度目)です。ただし、今回はその様子に少しばかりの異変(注1)がありました。
いままでの冬は花だけだったのに、もう若葉が展開しているのです。これからの季節をこの葉が生き残るとは考えにくくても、頑固に押し切ってほしいものです。
<補注1> このような二期咲き性のサクラは、秋咲きのとき、葉の状態が一定しないようです。(2019年11月10日)
<補注2> 標準和名はコバザクラとされています。
11月15日(木) イヌマキ


赤い部分は女性の小指先端ほどのサイズで、食べ応えがあります。噛み心地はキウイの芯近くに似て、十分な甘さです。新しい果物として売り出したら面白そうです。
<補注1> 実の枯れ具合はイヌマキとラカンマキの差ではなく個体差かもしれないので、種の判別には不適切に思えてきました。(2020年秋)
<補注2> 薬師堂のマキ(さいたま市)を収録しました。(2020年12月15日)
11月14日(水) ハツカダイコン

最近はお洒落にラディッシュと呼んでしまう(周りも自分も)ものの、植物的には廿日(二十日)大根が正式名称です。20~30日で収穫できるのが名前の由来で、素人でもわりと簡単に育てられると言います。
ラディッシュと言えば赤と思いがちでも、白や黄に加えて紫まであるそうです。カラフルなサラダを楽しむために、いまから種を蒔いても遅くはないかもしれません。
<補注> 花は少し極端な蝶々型でした。(2021年4月15日)
11月13日(火) コミカンソウ

しゃがむだけで楽に撮れる草丈の長柄に対し、今度はグッとミニサイズです。地面に這い蹲(つくば)って、どうにか写すことができました。実のサイズは長柄と同じか、あるいはひと周り大きい(2㎜少々)くらいです。
しかしこれ、1個の実に注目すると、蜜柑というよりは苺(きのうのイチゴノキの実と似た感じ)をイメージします。とは言いながら、左方にのびた枝に実が並ぶ感じは、やはり蜜柑です。ん~む、全体の姿で蜜柑に軍配です。
<補注> 花と実が連なる様子をとらえました。(2012年8月25日)
2006年のきょう<プレクトランサス・モナ・ラベンダー> 2005年のきょう<センニンソウ> 2004年のきょう<セイオウボ(西王母)>
11月12日(月) イチゴノキ

ドウダンの花が狂い咲きしたみたいなこの木の名前を教えてもらったのはいいものの、「秋に成るという実を追跡で~す」なんてお調子を言ったまま忘れていました。なるほど、たしかに苺に見えなくもありません。
ただ、色づきがまだまだです。これからオレンジ、赤と変わるはずで、苺らしくなるには年を越すかもしれません。とすると、いま咲いている花が苺になるのは再来年…、なかなか気の長い苺もあるものです。
<補注> ヒメイチゴノキではあるものの、「苺」を確認できました。(2013年11月21日)
2006年のきょう<ケンポナシ> 2005年のきょう<ハマギク> 2004年のきょう<アメリカソライロアサガオ>
11月11日(日) セイオウボ(西王母・早咲きツバキ)
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侘助は椿の一種類ですから、前の言い方でも間違いではないとしても、舌足らずだったことは否めません。では侘助ってナニ?と言うと、a. 猪口型の花 b. 花粉のない雄シベ c. 幅が狭く尖った葉…というところが特徴で、椿を一重椿・八重椿などを呼び分けるのと同じ水準の区分けのようです。
<補注&追録> 西王母とは中国神話に出てくる美女(魔女?)で、三千年に一度成るという仙桃を皇帝にあげた話が有名です。
そして、この椿がなぜ西王母かと言えば、蕾の形が桃そっくり(↑)なのでした。花が開く前の姿形に着目するとは、趣味人というのはまったくコワイ人たちです。(上の写真よりもう少し桃らしく見える蕾を撮りました。⇒2011年12月2日)
番外編 : 囚われの身

まあ、世のなかには巡りの悪さやら、予期せぬ不幸やら、そんな理不尽が渦巻いておるのでして、ワタシらの人生はそれらをたまたまスルーしているだけ…というおごそかな事実を教えてくれるハヤトウリくんです。
11月9日(金) シラキ


木が白い(灰白色)からという単純なネーミングであって、もしこんな紅葉どきに名づけたなら紅白木とでもなったでしょうか。

手のひらほどもある大きな葉が濃い赤に染まるので、遠くからでも目立ちます。近づくと、いかにもトウダイグサ科らしい形の実がかわいいのもこの木の特徴です。
<補注1> 実の中身に驚かされました。(2008年12月1日)
<補注2> 花を撮影しました。(2017年6月6日)
<補注3> 材も白いことが確認できました。(2018年10月7日)
2006年のきょう<スズメウリ> 2005年のきょう<ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)> 2004年のきょう<キダチチョウセンアサガオ>
11月7日(水) ノアサガオ

そのときはホームセンターで買った種を播きました。その袋では西洋朝顔を名乗っていたので、ブログにもそう書きました。
その後、いろいろ調べると、琉球朝顔とか西洋朝顔とか呼んでいるものは野朝顔と総称するらしいことがわかりました。
<補注> これはたぶん04年掲載のものと同じアサガオではないかと思います。
もしそうならアメリカソライロアサガオとするのが正しくても、その上位概念らしいノアサガオとするのも間違いではないだろうということで、記事内容もタイトルも変更せずにおきます。(2021年秋)
11月6日(火) オオオナモミ

やれやれ面倒な…と溜息をつく暇もなく、今度はオナモミにもいろいろな種類があることがわかってきました。ドキッ、以前にオナモミとしたものは、いったいなんだったのやら…。(問題の記事はオオオナモミに訂正しました:2014年9月)
実の棘が密なのが「大」、ややまばらなのが「ふつう」のオナモミで、超密生なのが「イガ」という関係のようです。この写真の棘密度がどうやら「大」の基準で、先端のツノも内側に閉じないで平行気味です。
<補注> 棘やツノ以外にも、葉の形でオナモミとの区別ができると知りました。(2010年10月15日)
番外編 : シンガポール・スリング
友達からいただいたシンガポール土産。かの地の夕陽をイメージしたというカクテル(の素)が小瓶になっていて、それをパインジュースで割れば、はた衛門も立派なバーテンダー!
夕焼けを待ちきれずに朝からチビリ、旨っ。嫁さんには「これ、朝焼けの色なんだよ~ォ」とウソツキマクリーノ!!
番外編 : アサギマダラ

差し渡しは12~3㎝ありました。優雅にヒラヒラ舞い、人を恐れる様子がありません。渡りをする蝶だそうで、いったいどこにそんなスタミナがあるのでしょう。
<補注1> アサギマダラの食草として有名なキジョランの葉裏に、その卵を見つけました。(2012年12月14日)
<補注2> 上掲写真のアサギマダラは雌でした。このあと、偶然に雄のアサギマダラも撮影することができました。(2013年9月10日)
<追録> ずいぶん久しぶりにアサギマダラの雌を見ました。フジバカマがブッシュ状の場所だったのに、この1頭もやはり単独行動でした。(撮影:2024年9月20日)
<補注3> リュウキュウアサギマダラを収録しました。(2025年1月3日)
11月2日(金) ルリフタモジ

忘れたころに出てくる探し物のように、今年はヒョイと名前が判明しました。わかってみたら、なんともお洒落な名前ですこと…。
しかし、瑠璃はいいとして、二文字の方の意味解明には少し手間取りました。なんと、ニラのことを女房詞でフタモジと言ったのでした。なかなかに高雅な名付けです。
<補注1> ニラの漢字表記は、現代では韮の一文字でも、古くは彌良(みら、後ににらに転訛)と二文字で表記したそうです。
<補注2> 花が白いタイプを収録しました。(2008年11月15日)
<補注3> 記事中ではユリ科としているものの、APG分類体系(Ⅲ)ではヒガンバナ科であることがわかりました。(ルリフタモジ再掲 : 2015年8月6日)
<補注4> 同属の別種を収録しました。(2019年12月23日)
2006年のきょう<ナカフオリヅルラン> 2005年のきょう<クフェア・タイニーマイス> 2004年のきょう<ユリノキ>
11月1日(木) アブラツツジ

この見事な色合いと葉のつき具合はドウダンツツジかと思いきや、なにやら見慣れないアクセサリー状物体がプラプラしています。
ドウダンと同属のアブラツツジと見ました。壷型の花はドウダンとそっくりなのに、房状についた花が結実してそのまま下向きに残るのがこの木の特徴です。
<補注1> ふつうのドウダンの実は空を向きます。(2007年11月19日)
<補注2> 暮れに咲いているアブラツツジを見つけ、開花のしくみを考えてみました。(2019年12月24日)