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10月31日(水) ノゲイトウ

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花穂はやや悲しい風情になったものの、葉が色づいてきて、全体としては帳尻が合っている…というのは詭弁です。
野鶏頭というとおり、空き地などでよく見かけます。盛夏のころ、鋭くのびたこの穂が並ぶさまは豪華と言えるほどで、いっそ「庭」鶏頭と呼びたいくらいです。
実際、お店にこれの改良型(矮性&多彩)が並ぶことがあり、それらは単にセロシア(ケイトウ属の学名)とされていることが多いようです。

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10月30日(火) マムシグサ

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生憎のコンディションのなかではあったものの、実が熟して倒れたマムシグサの草姿全体をうまく写すことができました。
2週間前、那須に遊びに行った娘から「これなに?」の写メがありました。たしかに、植物に興味の薄い人間でも驚くのはテンナンショウ属のこの風体で、ワタシも最初はムサシアブミに惹きつけられたものでした。
娘の写真は葉を写しておらず、茎でかろうじて見分けはできるものの、ここには出せません。父の権威を保つべく、入り組んだ2枚の複葉をしっかりとらえました。

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10月29日(月) マルメロ

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まるで小言幸兵衛みたいな渋い顔(ご本人のお顔は存じあげません・笑)のくせに、固い実を齧ればほんのりと甘いマルメロです。
臨終間際の祖父が、そんな季節でもないのにこれを食べたいと言い出して、嫁である母を困らせたものです。昔の人はこんな固いものでも生食したことに驚くわけで、いまどきはコンポートにするのが無難な扱いでしょう。
固さや香りの良さは、カリンと似ています。カリンよりは実が小振りで、大きな窪みが入りやすく、熟すまでは毛がある(カリンは最初からツルツル)のが特徴です。

<補注> 春に咲く花は淡いピンクです。(2010年5月7日

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10月28日(日) ツルコケモモ

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苔桃の実のおいしさにうっとりしたのは8月のことだったのに、その名の頭に蔓がついたこちらのお味には少し肩透かしを食らいました。
クランベリージュース(注)の澄んだ酸味を想像していたら、棗(なつめ)の食感に林檎の風味をつけたような、妙にガシガシした味わいなのです。
いま、ウィキペディアを調べてみたら、「生食には向かない」とありました。園芸店で鉢植えが売られていたりして、親指の先くらいの実は超ミニ林檎みたいにプラプラするので、鑑賞用には向いています。

<補注1> クランベリージュースはツルコケモモなどから作られます。
<補注2> もう少し鮮度のいい状態を収録しました。(2020年8月24日

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10月27日(土) ニガウリ(ツルレイシ)

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うえっ、巨大青虫!と思ってこわごわ近づいたらゴーヤでした。太いのやら短いのやら、けっこう自由奔放な実をつける植物とは思っていたものの、まさかこういう裏技までお持ちとは知りませんでした。
こんなヤツでもちゃんとニガウリの味がするのか、なんとも気になります。しかし、他人さまのお宅のものなので手出し無用です(涙)。
…と、2年前の古ネタをまた持ち出しました。タイトルにしたニガウリ=標準和名、補足のツルレイシ=植物的な別名、そして沖縄での呼び名=ゴーヤ、この面倒な関係がとてもお気に入りで、しつこいと知りつつまたもや!です。

<このあとのニガウリ記事・掲載順> ☆ 熟して割れた実と青い実、雄花・葉・蔓 : 2009年7月9日 ☆ 雌花・子房・葉・蔓 : 2009年8月11日

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10月26日(金) フェイジョア

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このブログを始めた年には、フェイジョアは自分にとってまさしく珍品でした。初夏の花に驚き、晩秋の味見でひと騒動したものです。
自分が見慣れたのか、少しはこの木がポピュラーになったのか、当時の感動は薄れたものの、こうして実が膨らんでくるとやはりうれしくなる自分が笑えます。
皮がいつまでもこんな色なので、食べごろの判断に困ります。放っておくと緑のまま実が落ちてしまいます。こんなおいしい実が意外に鳥にやられないのは、もしかして鳥さんたちもこの色に戸惑っているのでしょうか。

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10月25日(木) クロウエア・エクサラタ(サザンクロス)

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冬にも咲き続けるかもしれない期待を込めてウチの花壇にデビューした新人です。豪州原産で四季咲きという触れ込みに釣られ、つい連れ帰りました。
お店では「サザンクロス」という名前(日本だけの流通名)でした。しかし、色はピンクだし、4弁ではなく5弁だし、南十字星が怒り出しそうです。本場のその名の植物(まったく別種)は、真っ白な花の集まりが十字に見える華麗なものです。
クロウエアには葉幅が広い別の基本種(Crowea saligna)もあり、フルネームで呼ばなければいけないのが少し難儀です。葉をつまむとツンとくるシトラスの香りで、記憶が固定しますように…。

<補注1> これをエクサラタ(C. exalata)としたのは、かなり暫定です。クロウエアには、記事で触れた2種以外にあと2種はあるようだし、それらの交雑種があり、かつ園芸種もある状態なので、「比較的エクサラタに近いもの」と考えています。
なお、残念ながらウチのこの株は冬に枯れ、翌春の復活はありませんでした。志木で四季咲きしないなんてけしからんヤツです。(2008年秋)
<補注2> 白花種(流通名:ホワイトサザンクロス)を収録しました。(2020年10月19日
<補注3> ずいぶんと紛らわしい樹種がありました。(2022年3月14日

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10月24日(水) ホウキギ(コキア、ホウキグサ)

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きょうの主題は、まずはこの色です。夏の間の涼やかな若緑も良かったとは言え、このローズピンクのなんと幻想的なことでしょう。
そして、もう一つのテーマは植物のメカニズムです。紅葉した葉が茎に巻きつくようにカールしています。この葉、緑の間はまっすぐにのびていました。
朝顔の花の開閉は、花びらの内側と外側の生長のズレで起きると聞きました。この葉も、もしかしたら似た仕掛けでこうなったかもしれません。燃え上がる炎のように身をよじる姿が神秘的です。

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10月23日(火) ツリバナ

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ワタシが惚れたあなたって、そんな人じゃなかったのに…などと昼メロみたいな科白をつぶやきそうです。あまりに賑やかな稔りでした。
最初の出会いが殻だけという渋いものだったせいか、ここまで豪華にパッパカパーと開かれると、うれしさと興醒めとの間で揺れるヤジロベエの気持ちです。
しかし、自然の山のなかで、庭のツリバナには望みにくい豊かな稔りを見ると、なまじの手入れよりは環境こそが力であることを実感します。孟子くんのお母さんって植物好きだったかもしれません。

<補注> この記事の前には花を撮っています。また、このあとで「完全な実」の追究もしてみました。

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10月22日(月) ケショウビユ(イレシネ・ヘルブスティー)

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寂しくなりがちな秋から冬の花壇を飾ってもらおうと、初めて植え込みました。
こんなに美しい色合いの葉なのに、あのスベリヒユと同じ仲間(ヒユ科)です。ということは夏の草かと思いきや、開花期は2~3月という説明もあったりして、これからの観察を楽しみにしてくれます。
長い名前は、同属にイレシネ・リンデニー(緑の葉に赤い斑)というのがあるせいです。お店では単にイレシネだったし、イレシネの赤いヤツと覚えることにします。

<補注> Iresine herbstiiにはケショウビユという立派な和名がありました。またマルバビユとかアキランテスという別名も使われるようです。記事タイトルを和名優先に変更します。(2020年10月22日)

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10月21日(日) ウメバチソウ

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山野草のなかではわりとネームバリューが高い種類だと思います。たしかに、陽当たりのいい斜面でこれを見つけると、歓声をあげてしまうほどの美しさです。
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花の直径は2㎝少々と小さくとも、群生して咲くのでその純白さが強調されます。近づいてみると、細やかな雄シベ(注)の作りにも感動です。
家紋には梅が素材のものが多く(軽く100以上)、そのなかでこの花の形によく似たのが「梅鉢」紋です。図案化された雄シベ部分が、なるほどネと思わせます。

<補注> ひと口に雄シベとしたものの、正確には仮雄シベ(先端がガラス玉状に光る)と本当の雄シベ(乳白色で大きな葯を持つ)でできています。

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10月20日(土) アケビ

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食べないのならいただいちゃいますよ~と言いたいのに、誰もいません。他人が棚作りにしているものを勝手につまんでは、手が後ろに回ってしまいます。
しかし後生ですよ。こんなにパックリ開いちゃって…。ちょっと割れたくらいで出回る店頭のものと違って、完熟でしょうね、これ。
前に花を撮影した木は、近所の親しい人が育てているのに、そちらはまだ実をつけません。あれが稔ってくれたらとは思っても、あと何年待てばいいことやら。

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10月19日(金) ミヤマガマズミ

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今年は念願だったコバノガマズミを見つけたので満足していたら、なんとミヤマガマズミにも遭遇してしまいました。
名前にミヤマ(深山)とつくのは、ホトトギスやウグイスカグラも同じで案外にコケオドシです。この木もそれほどの山ではなく、ハイキングコース程度のところにありました。
葉はコバと似たサイズ(ガマズミより小振り)で、コバと同じく葉柄があるかなしかの短さです。ただ、葉の表側がザラつかず、葉の先がのびて尖るのがミヤマです。

<補注> 開花の様子を収録しました。(2019年5月12日

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10月18日(木) スズラン

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3年前の秋、スズランらしい葉の間に赤い実を見つけて不思議に思ったものでした。可憐な白い花しかイメージしなかったスズランの別の顔を見たわけです。
当時はスズランとドイツスズランの区別も知らず、いろいろ調べたものです。それに比べると今度は余裕で葉と実の位置関係をとらえました。
と生意気を言っていたら、今回はスズランが有毒だと知りました。花を挿した花瓶の水まで危ないそうで、ヒューッ、つまんでみたりしなくて命拾いでした。

<これ以降、このブログに収録したスズラン・暦日順> ☆ 咲き出し(4月9日) ☆ 花の内側(5月3日) ☆ 葉と花茎の位置関係(その1 : 5月4日 その2 : 6月7日

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10月17日(水) トウガラシ(タカノツメ)

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真っ赤に熟した細い実が上向きにつくのは、唐辛子のなかでも激辛品種であるタカノツメのように思えます。
ナス科トウガラシ属には、辛い順に唐辛子・シシトウ・ピーマンとそろっていて、そのそれぞれに品種が多様で、素人目には三つの境目さえ心もとない限りです。
ピーマンやシシトウは唐辛子からの派生品種で、これら三つのなかでは唐辛子が原点のようです。ただし、その原点のなかにさえ五色唐辛子などというお遊びがあるのですから厄介なものです。

<追録> 記事で「実が上向きにつくからタカノツメ」としていたのに、ほかにも上向きにつく品種(八ツ房)がありました。ただ、それと比較するとこちらは実が細長いので、やはりタカノツメと思っていいようです。(2012年9月30日

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10月16日(火) アキカラマツ

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カラマツは、唐松または落葉松と書くあの大きな木のことです。対してこれは草で、背丈はせいぜいが1mです。
いったいどこに共通点があるのかと思ったら、このパラパラと納まりのつかない「花」が、落葉松の「葉」と似ているからときました。花びらがなく、長くのびた雄シベは、そう言われれば松葉みたいです。
カラマツソウ属は10種以上もあって、基本的に夏咲きです。秋にも咲くのはこれだけなのが名前の由来だそうで、本来の唐松草に早く会いたいものです。

<補注> アキカラマツの花と葉に迫ってみました。(2014年9月10日

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10月15日(月) オオベンケイソウ

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うまい具合に、弁慶草のあとに大弁慶草を続けることができました。こういうのは比べながら覚えないと、なかなか頭に入り切りません。
両者の見分けポイントは、写真から明らかなように雄シベです。きょうの「大」は雄シベが盛大にのびて、見るからに派手ハデしい姿です。
対して「ふつう」の方の雄シベは花弁とほぼ同じ長さなので、見かけがしっとりとしてシックです。昔はほとんどがふつう派だったように思うのに、万事派手めがよろしい昨今はそのシェアが逆転しているようです。

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番外編 : 遅まきながらも麺缶

071014kanirimenアキバで流行りという麺缶、初めて食べてみました。いけます。特にカレーうどん…冷たくても、熱くしても、こりゃおいしいです!
ふだん食べるものではないにしても、もしかのとき、乾パンをかじるよりは30倍くらい元気が出るはず。さっそく我が家では少し買い込んでおくことにしました。

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10月14日(日) ベンケイソウ

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「弁慶」草だからと言って七つ道具を背負っているわけではなくて、「強い・タフネス」というイメージを借りたネーミングです。多少の乾燥にはへこたれない多肉植物特有の性質に着目したのでしょう。
白っぽくて厚手の葉とほんのりピンクの花の取り合わせは上品で、庭草として古くから親しまれてきました。
子供のころ、この葉っぱを膨らませて遊びました。つまむように揉むと皮が離れ、そこに息を吹き込むとフグのように…ただそれだけのことが面白かったのです。

<補注> 同じベンケイソウでも、雄シベが長いとオオベンケイソウになります。(2007年10月15日

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10月13日(土) ユキザサ

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薄暗い林のなかに一瞬訪れた光が、赤い実を輝かせてくれました。撮影をあわてた分、手ブレしたのは愛嬌としておきます。
初夏に咲くという白い花をもし先に見ていたなら、この美しい名は飲み込みやすかっただろうに、いまの時期だとまるで珊瑚笹です。そんな目で見ると、葉脈が深い葉もあまり笹には見えなかったりします。
などというのは勝手な御託です。同属に広葉雪笹・大葉雪笹などあって、それらは草丈や葉が雪笹よりも大柄のようなので、今回のこれは雪笹としておきます。

<補注> 翌春、真っ白な花に対面し、「雪笹」の名を納得することができました。また、6年後には青い実を撮影しました。

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10月12日(金) ジュウガツザクラ

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もう日の暮れかかった時間に、遠くにショボショボと花らしきものをつけた木を発見しました。傍に寄ってみたら、これは紛う方なき桜の木ではありませんか。
寒いときに咲く桜はいくつかありはしても、これほど早いのは子福桜十月桜くらいのはず…そして、子福はもっと花びらが賑やかです。
春に加え、いまごろから年末にかけて二度咲きするのが十月桜です。花が半八重で、葉がややザラつき、その先が長くのびているのが見分けポイントです。

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10月11日(木) ハブソウ

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毒蛇に噛まれたときに効くというのが怖い名前の由来のくせに、本当は虫刺され程度には有効だそうです。いまなら誇大表示で告発されかねない名前です。
ハブソウといえばハブ茶を連想する人は多いはずです。毒蛇にはムリでも、緩下・利尿効果があって健康促進にはいいのでしょう。
ただ、実際のハブ茶に使われるのは同属のエビスグサだというから混乱します。ハブソウとエビスグサの薬効には差がないというのに、なぜ茶の名前はハブに乗っ取られてしまったのか、ちょっとエビスグサがかわいそうです。

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10月10日(水) アブラガヤ

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アブラガヤは当然に油萱でしょうに、なぜ油か、さっぱりわからず困っています。実が油っぽいかと絞ってみても、パサパサで油っ気はありません。油のにおいがする、とした図鑑がありはしても、どこを嗅いでもそれらしき気配はないのです。
別の説明で、草全体が油光りするからというのもあったりしても、いくら眺めてもあまり合点はいきません。そんな悩みをあざ笑うように、金色の穂を光らせた大柄な姿は野原のなかでよく目立ちます。

<補注> カヤツリグサ科アブラガヤ属の仲間を収録することができました。(2021年11月13日

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10月9日(火) オヤマボクチ

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葉の裏が綿毛で覆われて白いのがヤマボクチ類の特徴です。
この綿毛をホクチ(火口)にしたのだそうで、火を移すほどの量にはいったい何枚の葉が必要だったか、着火一発の現代では気の遠くなる話です。蕎麦に入れたり蓬のように餅に入れたり、生活に密着した葉だったようです。
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オヤマは多くの場合「雄山」とあて、雄のつかないヤマボクチより大きい(草丈1.5mほど)意味とするようです。ただ、手元には「御山」とした図鑑もあります。

<補注> 上の2枚の写真では根もとをとらえておらず、その部分の葉形が確認できません。それがハート型だとオヤマボクチ、ふつうの楕円形ならヤマボクチだそうで、今回見たものは後者である嫌疑が濃厚です。
しかし、なにせ当時はそこを意識して写していないので、この記事タイトルは暫定で当時のままとしておきます。(2014年11月22日

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10月8日(月) マツカゼソウ

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小さな葉が3枚1セットで、それがいくつかまとまってまたセットになり、さらにその集団がいくつかまとまる…こんなややこしい表現をサッパリさせると「3回3出複葉」となります。複雑な構造をしているだけに全体の草姿は繊細に見えます。
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花も、撮影にずいぶん手間取ったくらいで、とてもかそけき風情です。
つまり、全体が涼しげで、たぶんそれが「松風」なのでしょう。きのうのコガネバナはヤケに具体的命名だったのに、一転してきょうは抽象的な名づけケースでした。

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お詫び編 : マイヅルソウの実の味

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マイヅルソウの実は無味であると先日書いてしまいました。しかし、あれは大間違いでした。訂正してマイヅルソウさんにお詫びいたします。
ウチで盆栽仕立てにしている実を食べてみたのが先日の記事であって、どうも気になり、自然のものも試してみました。とても甘くてジューシーでした。

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10月7日(日) コガネバナ

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少しあとになって、きょうのタイトルと写真の花色を見比べ、「ヤバァ、なにか大間違いしたか!?」と思う自分がいそうで、かなり心が落ち着きません。
だがしかし、これは間違いでもデタラメでもありません。黄金色に輝くのは地中の根なのだそうです。ゴールドフィンガーならぬゴールドルーツ…。
ただ、それならコガネ「草」としておけばいいのに、コガネ「花」というから妙に情緒不安に陥ってしまいます。とは言うものの、いろいろ引っこ抜いては調べてみた先人には最敬礼しかないでしょう。

<補注> 名前に「タツナミ」とはつかなくても、シソ科タツナミソウ属という大きなグループの一員です。(2018年5月18日

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10月6日(土) コメナモミ

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コ・メ・ナモミ…言葉の因数分解です。コメ=米ではありません。
後ろのナモミは菜揉みか、あるいは勿揉みらしいそうで、いまとなっては呼び名記号だと思うのが一番簡単です。メは雌です。したがって、オナモミがあり、近所では「雌」ナモミよりも「雄」ナモミの方をよく見かけます。
残るコは小で、コがつかないメナモミ(未収録)は茎や葉がもっと毛深いようです。画面右上の葉がツルンとしているので、これをコメナモミと判断しました。ひっつき虫がもうできかけています。

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10月5日(金) コバノガマズミ

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ようやく探し当てたコバノガマズミです。せっかくの初登場なのだから、おいしそうに実が熟してからとか真っ白の花がきれいな時期とかにすればいいのに、そんな余裕はなく、とりあえずの掲載です。
わざわざ小葉と名づけるほどにはガマズミの葉と大きさが違わなくて、じつは「小葉」は柄が極端に短いのが特徴です。
また、ふつうのガマズミの葉は丸や四角に変異しやすいのに比べ、こちらはごく「葉っぱ」らしい卵形で拍子抜けします。共通点は彫りの深い葉脈とはっきりした鋸歯で、これがガマズミ属の証です。

<補注> このあとコバノガマズミは数度取り上げたので、一番新しい記事にリンクしておきます。(2017年3月15日

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10月4日(木) キジョラン

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なんとも恐ろしげな名前が好奇心をそそります。春から気になっていた厚手で艶のある葉は、夏を越して少しくたびれた感じです。
幅10センチほどもあるこの葉は、アサギマダラという蝶の食草(注2)だそうで、葉に開いた穴はそのお食事痕のようです。えらく贅沢な食べ方をするものです。
蔓が這い上がった高い場所にはもう少し賑やかに花がついていたのに、撮影しやすい高さにはこれだけでした。この花が結実して、冬に(注1)は無事に鬼女の白い乱れ髪になってくれますように…。

<補注1> この時点ではキジョランの実が二年成であることを知らず、「結実して、冬には~」などと間抜けなことを書いていました。(2016年7月23日
<補注2> 文中、「アサギマダラの食草」と表現した箇所は、正確には「アサギマダラの幼虫の食草」とすべきでした。(2014年3月12日

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10月3日(水) ノブキ

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蕗に名を借りた葉は地面近くで広がり、そこから40~50cmものびた茎の先で花が咲きます。当然、一枚の写真には納まりにくく、幾度もほぞを噛んでいます。
というわりに、結局は今回も腕は上がらず、葉はボケボケです。ただ、かろうじて質感の記録くらいにはなるでしょう。
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さて、こちらの花では中心部の雄花がまだ残っているのに、周辺部の雌花の子房にはもう濃紫色の粘腺ができていました。このあと、雄花が枯れて果実だけが菊のご紋のような形になり、それがしつこいヒッツキ虫になります。

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10月2日(火) タマシロオニタケ

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つい、「よくぞご無事で…」と呟いてしまいました。山道でこんなものを見たら、たいていのオジサンは棒っきれで引っぱたいてみたくなるでしょうから。
色合い・質感・サイズ、どれをとってもゴルフボールです。それが「どうぞ」とばかりティーに乗っているのですから呆れてしまいます。
キノコの類にはまだ手を染めたくなくても、こんなのを見たら仕方ありません。毒キノコの多いテングタケ科に属し、見かけに似合わない「危険物」です。

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10月1日(月) アケボノソウ

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面白い模様の花びらが独特です。5枚に見えはしても、きのうの竜胆と同じくリンドウ科なので、その付け根はつながっている合弁花です。
それぞれの花びらに2個ずつある直径2㎜ほどの緑斑を山際に、その先の黒班を暁天の星に見立てた(異説あり)といいます。まさに盆景を思わせる視座です。
夜明けの空とは色合いがまるっきり違いますけど…などと言うのはヤボなことで、あくまで日本的見立ての美の世界です。

<補注> 久しぶりにアケボノソウの写真を撮ったら、新たに気づくことがいくつかありました。(2020年9月26日

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