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8月31日(金) カクレミノ・斑入り

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ほとんどの庭木には斑入りの品種があるはずでも、カクレミノは初めて見ました。
斑入りの葉はうるさい感じがして好きになれないのに、この木はまわりのしつらえに溶け込んで、とても美しく見えました。ものごとに孤立した存在などないということを教えてくれているようです。
カクレミノはウコギ科なのに、その樹液にはウルシオールが含まれ、塗料になるそうです。一方、ウルシ科のハゼノキからは蝋ができても漆は取れないようで、面白いというかややこしいというか、複雑な世界です。

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8月30日(木) ヤマホタルブクロ

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山道の端に涼しげな色が揺れていました。これまでに見かけたホタルブクロは、もっと濃い紫だったり、あるいはあっさりの白でした。今回のこの薄紫なら、いかにもキキョウ科らしい姿に思えます。
ただ、ホタルブクロにはたしかいくつか種類があったはず…と思い、萼のあたりがよく見えるように撮影しました。
家に戻って調べてみたら、オー、大正解でした。萼片がすべて下向きのこれはヤマホタルブクロ、ふつうのもの(ただのホタルグクロ)は付属片が反り返ります。ひとつだけ、この写真の葉がやや細すぎる(別種か?)のが気がかりです。

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8月29日(水) スズメウリ

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去年の秋、飴玉のような実に一目惚れしてしまったスズメウリです。ひと月ほど前から花をつけ始めていることに今年は気づきました。
左側で指に乗っているのが雌花です。最初から小さな実(子房)がついていて、うつむいて花を開きます。右側が雄花で、脳天気に空を向いて口を開けています。
じつはこのスズメウリ、ウチで育てているものです。去年の実をそのまま鉢に埋めたら、簡単に発芽しました。ただ、思わずたくさん生えたので移植したら、1本しか生き残りませんでした。次回は要注意です。

<補注> もう少し花の鮮度が良いものを載せました。(2017年9月21日

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番外編 : 空中散歩

070829kuutyuuよい子は絶対マネをしないでください!というテロップが流れそうなシーンです。しかし、頼まれたってそんなところには登りませんって。
この猛暑のなかでもヒヤーッと涼しい…のはきっと見ている方だけでしょう。いかに工業大国ニッポンでも、こういう作業は人間の手が不可欠なのでした。

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8月28日(火) ミツバアケビ

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つい調べ損ねて疑問が疑問のまま放置される…ということは山ほどあるなかで、ミツバアケビの実はその代表でした。
ふつうのアケビは、まずあのおいしい実のことが頭にあって、それから春の花を知るという段取りでした。そのあと、アケビにはミツバアケビもあり、ふつうのアケビより渋い色合いの花が咲くことを見つけました。
ところが花を写した場所を秋に訪ねても実はなく、ひょっとしてミツバは実ができないのか、とあきらめかけていました。うれしさ先行で、まだ青い実を掲載です。

<補注> 本文内のリンク先よりも少しだけわかりやすい花の写真が撮れました。(2014年4月20日

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8月27日(月) アキノタムラソウ

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むずかしい草です…という愚痴を何年後かに笑って読めることを願って、学習途上の恥ずかしい記録をここに掲げておきます。
知識としては、この草の名はかなり初歩的部類です。しかし、春とか夏、さらに深山を冠した仲間があり、それらをすべて見るまでは秋に自信が持てません。
名前だけでも面倒なのに、撮影はもっとてこずります。花・葉間が異様に長く、かつ花はその毛深さが特徴です。花を写せば葉は見えず、今年はこれが限界です。

<補注> アキノという冠がつかないタムラソウもあって、それとアキノとがまた似ても似つかないので、愚痴の尽きることがありません。

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8月26日(日) ハンゴンソウ

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あとで見直すとき、同じ草を二日続けてしまって、ボケたか!?と焦りそうです。
たしかに、どちらもキク科キオン属(Senecio)で、やや湿った草地に生え、1mくらいの背丈もよく似ています。もし、まばらな感じの花だけ見せられたら、自分ではたぶん見分けはつかないと思います。
それなのに自信を持って撮影できたのは、3~7枚に深く切れ込んでいる葉の形のおかげです。この反魂草の名を借りたオオハンゴンソウはおととしの夏に載せました。両者の葉の形を比べると、なるほどとうなずけます。

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8月25日(土) キオン

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え、気温かい? などとオヤジする気はないにしても、どうも締まりのない名です。元になった紫苑はとても優雅な響きがあるのに、黄苑だと妙に間抜けです。
その空疎感は花びらのまばらさにも原因がありそうです。先日のメタカラコウと違ってちゃんと5~6枚あるのに、変にスカスカです。
葉の形や質はたしかに紫苑を思わせ、名前を借りたのはうなずけます。しかし紫苑ほどの草丈はなく、花もこんな様子で、二番煎じの哀愁が漂う風情です。

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8月24日(金) フウセンカズラ

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先日、モクゲンジに初めて出会うまで、フウセンカズラがムクロジ科であることなどすっかり忘れていました。
そもそも、巨木になるムクロジと蔓草のフウセンカズラがお仲間だなんて、頭が最初から受け付けていませんでした。ところが幸運にもモクゲンジの袋果を見ることができ、一気に合点が行きました。
桐がゴマノハグサ科とか、風船蔓がムクロジ科とか、草と木の境目なんてあって無きが如しです。なんにでも境を作りたがるのは人間の悪い癖に思えてきました。

<補注1> フウセンカズラを再掲しました。(2021年9月8日
<補注2> 種を写しました。(2022年2月17日

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8月23日(木) ヒャクニチソウ

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ここしばらく地味ぃ~な写真が続きました。ここらでパッと明るく行かないと、自分の気持ちが暗くなりそうです。
というわけで、パーッと音がしそうな百日草の花です。昔、緑色のこれを育てたことがあります。青を除けば、ほとんどの色はそろうようです。
百日も持ちそうに丈夫なのは、まわりの舌状花です。それに比べると、中心部の筒状花はどんどん咲き上がって、こんもりと塔のようになります。小さくて毛深い五弁花が散ると、細く紐状に残った雌シベが塔を飾ります。

<ヒャクニチソウのバリエーション>ごくふつうのヒャクニチソウ  ☆ 矮性ヒャクニチソウ ☆ 緑色のヒャクニチソウ ☆ ホソバヒャクニチソウ

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8月22日(水) キハダ

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自分で自分が可笑しくて仕方ありません。こういう豊かな稔りを見るとたまらないのです。縄文の血が騒ぐとでもいうのか、もうヨダレをたらさんばかりです。
もっともこのキハダの実については、食べられるという記述が見当たりません。有用なのはもっぱら樹皮の内側の黄色い部分(注1)です。
その黄色い内皮は、健胃・整腸や打ち身の薬としていまでも貴重です。ただ樹皮の外見はふつうに黒っぽく、爪で押すとアベマキのそれに似て柔らかなコルク質です。

<補注1> キハダの内皮を味わってみました。(2008年9月19日
<補注2> 樹上で枯れきった実と若葉の対比が印象的でした。(2008年5月25日
<補注3> 雌花をとらえました。(009年5月30日
<補注4> 実の変化具合ほかをレポートしました。(2018年11月1日
<補注5> オオバキハダを収録しました。(2024年8月17日

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8月21日(火) オタカラコウ

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ありがたいことに、この夏のうちに「お宝」に会うことができました。
名前的に対であるメタカラコウと比べると、花びらの数が多く、正面に見えている花には9枚もついています。花穂も寸詰まりでがっちり見え、そこがほっそりと長いメタカラコウとは印象が少し違います。
しかし、もっと違うのは葉の姿・形です。オタカラコウの葉はこのように全体に丸みを帯びて、ちょっと見はフキの葉かと思うほどなのに、メタカラコウのそれは先や横が張り出して尖っていました。女が男よりも刺々しいとは困ったものです。

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8月20日(月) モクゲンジ

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実の奇妙さではきのうのマツブサに負けても、珍らしさ(見かけにくさ)では両者いい勝負です。出かけた先の町で、小学校の門の脇に見つけました。
離れたところからだと花かと思ったほど、この実はつき具合も色も華やかです。三つの室に分かれていて、大きさも形も風船カズラの実に似た感じです。
ムクロジ(無患子)の仲間で、木槵子と書きます。どうやら二つは込み入った名前関係のようです。さらにムクロジと同じく、この袋のなかの種数珠になります。

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8月19日(日) マツブサ

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最初の出会いが花ではなく、奇妙な形や色合いの実である植物というのは少なくありません。サネカズラゴウダソウの超常識的なそれに出くわしたときの驚きは、いまでも忘れられるものではありません。
たぶん、このマツブサの実も、そんな衝撃の記憶となるでしょう。形の愉快さに加え、若い実の色が魅力的です。
黒紫色に熟したこの実で作ったワインがあります。ということは、秋の味見の期待が膨らみます。また、マツブサ科の仲間であるサネカズラに似た花がつく6月も楽しみで、鬼に笑われようといまから来年の夏を待ち焦がれます。

<補注> この実が熟した様子はこちら、花後の姿はこちらです。

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8月18日(土) クルマユリ

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きょうは拙の手がまた一段と図々しく登場です。まるで野生種を盗もうとしているかに見えては困るわけで、花と葉を一緒に写したいばかりの所業です。こうやればどうにか、茎の下の方で名前どおりに輪生している葉を確認できます。
かなり終盤の姿になっているのを差し引いても、花は鬼百合小鬼百合と比べるとふた回りほども小振りです。また、花びらに賑々しい斑点がないので、全体におとなしく感じます。はにかみがちな山の少女の風情です。

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8月17日(金) フシグロセンノウ

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升麻という名のつく草が多いというのは今年のボヤキで、去年のいまごろは仙翁という名前に毒づいていました。
わりと身近な酔仙翁麦仙翁に加え、去年は本家の仙翁に出会い、さらに今年はこの節黒仙翁を何カ所かで見かけることができました。平たい花の形が仙翁類の共通項のように見えます。
節が目立って黒い(暗紫色)からフシグロなのに、この株は少し若くて、そこがまだ控えめでした。花壇にあってもおかしくない花の色が印象的です。

<補注> 節の黒さや花のしくみなどをとらえました。(2012年7月20日

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8月16日(木) ウバユリ

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花の派手さでは山百合にやや劣るとは言え、それでも花筒の長さは15~16cmもあって、堂々とした姿です。
腰丈ほどにのびた茎の先に、互い違いに三つ・四つの花が開いた様子は、まるで工芸作品のようです。どうして花と花が「あっち向いてホイ」状態に開くのか…、光に左右される開花方法でないことは確実です。
ウバには「姥」の字をあて、花の時期には歯(葉)がないからと説明されます。しかし、この花の下にはしっかり葉がありました。最近のご老体は歯が丈夫なのでしょう。

<補注1> 総苞に包まれ垂直にセットされた花が水平に開くまでの手順をとらえました。(2019年7月26日
<補注2> 同属(変種)のオオウバユリを収録しました。(2024年7月25日

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8月15日(水) クサボタン

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毎年毎年、難儀する苦手の草(注)です。
最大の問題は、この草がとても倒れやすく、花・茎・葉をうまく写し込めないことです。次は花が微妙な色のため、なかなか見た目どおりに写ってくれません。さらに、牡丹に似るほどきれいに裂開した葉など、そう易々とは画面に入れ込めません。
と、これだけ書き連ねておけば、このヘボ写真の掲載を自分的に納得でき…いや、それは無理でも(涙)、一応の感じだけ確認というつもりです。センニンソウの仲間なので、秋に白髪姿で再登場してほしいものです。

<補注> 文中では「草」としたものの、多くの図鑑ではクサボタンは「低木」とされ、草木の境があいまいなものの一つです。そのため、このブログのカテゴリー的には「草もの」「木もの」両方に修正しておきます。(写真再掲:2015年9月30日

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8月14日(火) キバナコスモス

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あまりの暑さにカメラもとろけたようです。まあ、特に珍しい花でもないので、イメージ写真と思うことにします。
赤いコスモスがあってもアカバナコスモスとは言わないのに、どうして黄色だけこのように呼び分けるのかと思いつつ学名を確認したら、本来のコスモスとは違っていて、同属でも別の種類でした。
そう思って見ると、どことなくふつうのコスモスとは感じが違います。あえて言えば夏目雅子と青木○やかの違いでしょうか。もちろん、秋桜とも呼ばれるコスモスのはかない風情が前者、そして花芯が妙に丈夫そうなキバナが後者です。

<補注> やや色が濃いめの花はこちら、花のアップはこちら、広いキバナコスモス畑の全容はこちらです。

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番外編 : 桃青って?

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はて桃青とはなんじゃいな。
冬青ならソヨゴだし、山桜桃と書けばユスラウメですけれど。
と、なんでもかんでも植物の名前かと思うのはすでに病気です。これは俳聖芭蕉の若いときの号でした。
三重県伊賀市の橋本酒造さんが造る入魂の一本です。蔵元ご夫婦が手ずから造るその味は、実直をそのまま酒にしたような骨太さです。
風雅な人とばかり思っていた芭蕉のイメージが少しだけ変わりました。

<補注> ご夫婦お二人だけの蔵が生み出す素晴らしいお酒を新たに知りました。(2020年10月2日

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8月13日(月) レンゲショウマ

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先月のトリアシショウマに続き、升麻という便利名前がついた植物です。元祖の升麻と、葉の感じがたしかに似ています。
では、レンゲはと言えば、これは当然に蓮華です。もっともこの花は本物のレンゲとは姿が天地逆です。ふつうに撮っては花の作りがよく見えませんから、自然状態に比べて90度ほどお顔を上げていただきました。
上下二つの名前がどちらも借り物とは、運動会ではあるまいし、ちょっとかわいそうです。しかし、そんなことは意に介さず、淡いピンクの花とまん丸の蕾は圧倒的な存在感で夏の山路を飾ります。

<補注> 上の写真は宮城県での撮影なので、埼玉よりは開花が遅めです。
なお、この記事以降に収録したレンゲショウマは以下のとおりです。
2008年8月13日 ☆ 2010年8月7日(上の記事中リンク) ☆ 2017年8月28日

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三十一編 : いただきもの

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降り来たる 午後の木漏れ陽 蝉の声 われ授かりし ひとときの幸

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8月12日(日) トチバニンジン

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藪のなかで真っ赤に輝いているこの実を見つけたときの驚きとうれしさは、数日経ったいまでも鮮烈に蘇ります。
小さな白い5弁花は初夏に咲く(注)そうで、残念ながら痕跡しか残っていませんでした。実を見ればわかるように、打ち上げ花火のように展開するので、来年はその時期にうまく会いたいものです。
掌状複葉はいかにも「栃葉」です。名前後半部の「人参」は薬用になる根のことで、生薬名を竹節人参というように、根茎が一年に1節、横にのびるのだそうです。

<補注> 花はずいぶんややこしいものでした。(2017年6月25日

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8月11日(土) メタカラコウ

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メタカラよりはお宝がよかったなぁ、なんて馬鹿を言っていると、折角のメタカラコウに臍を曲げられそうで、不適切発言は即撤回です。
宝香のいわれは省略するとして、花びらがパラパラと少ないのが雌宝香で、ちゃんと8枚ほどあるのが雄宝香です。女性優位の名づけが多い植物界ではやや珍しい男上位のネーミングです。
…というわけで、これは散り際でも虫に食われたのでもありません。もし事前学習なしでこんな情けない姿(注1)に出会ったら、「完全な花」を求めて歩き回ったことでしょう。

<補注1> 花の様子を詳しく見ました。(2014年7月22日
<補注2> メタカラコウ属の学名がリグラリア(Ligularia)だったと再認識しました。(2024年6月27日

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8月10日(金) ヤマホトトギス

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流れる汗を拭きながら、起伏に富んだ野道を歩き回っていたら、哀れに思った神様が秋の気配を恵んでくれました。
白花系のホトトギスの仲間としては出会いが一番あとになりました。名前も見かけも似ているヤマジノホトトギスは去年収録できています。
そのヤマジノの花びらは水平に開くのに対し、こちらは強くそり返ります。あと、ヤマジノの花柱は真っ白なのに、こちらは少し斑点が入ります。

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8月9日(木) サンショウバラ

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きのうの苔桃のように愛らしい実もあれば、このように憎たらしい実もあります。
というのはかなり八つ当たりです。サンショウバラの花を毎年撮り逃してしまうので、つい実の方に悪態をついてしまいます。この棘がかなり威圧的だし、4cm弱はある直径もなかなかの迫力です。
5月ごろ咲く花は一重のうっすらピンクでかわいい…らしいのに、なぜかその開花時期に出会えません。めぐり合わせの悪さは、次の春にこそ断ち切りたいものです。

<補注> 翌年、ややご機嫌斜めの開花をとらえ、そのまた次の年、待望の満開状態をとらえました。(2009年5月18日

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三十一編 : 感謝

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冷たさを 汲んだバンダナ 神々し 山の香りを 聞きつつ汗拭く

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8月8日(水) コケモモ

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名前のコケは地に這う姿を言ったもので、苔とは関係のないツツジ科です。
苔桃のジャムをたまに見かけはしても、たぶん外国産でしょう。写真の左端に入れたワタシの指がまるで膝頭のように見えるほどに小さい苔桃の実です。
もちろん貴重種ですから勝手に採ることなんてできません。熟して崩れていた一粒だけ、ありがたくお毒見させていただきました。庭で育てた苔桃でジャムを作る…というのが人生至高の贅沢だろうと思えるお味でした。

<補注> 花を見ました。(2024年6月14日

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8月7日(火) ミヤコグサ

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冬を除いて、わりといつでも咲いているのに、いままでうまく撮れませんでした。夏休みなしで咲いていてくれたので、ようやくどうにかこうにかの一枚です。
しかし、ここに出すにあたって調べたら、三出複葉だと見えた葉はじつは小さな葉があと2枚あるのだそうで、まだまだ挑戦(注)が必要です。
名前から都に関係しそうだし、そういう説がメジャーです。しかし、血管のようにのびる枝から脈根草と呼ばれ、それが転訛したという説もあって、ちょっと心惹かれます。

<補注> 続編になる写真が撮れました。(2008年9月8日

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8月6日(月) タマアジサイ

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名前のとおりアジサイの仲間ではあっても、ほかのアジサイがドライフラワー状態になるいまごろに悠然と花を開くのんびり屋さんです。
その時期的な面白さよりもっと独特なのがこの蕾の形です。開いてしまえばふつうのガクアジサイみたいなのに、生命力みなぎる球形は愛らしくも荘厳です。
しかも、開いていく過程がまた味わい深く、ブロックごとに崩れていく様子はロシアンエッグを思わせます。ゆっくりの展開につきあうと半日楽しめます。

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8月5日(日) クサレダマ

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酷い名前ランキングがあれば十傑には入りそうなクサレダマです。ただ、名前の出だしは「腐れ」ではなく、そう思ったのはワタシの単純な誤解です。素人を惑わせる罪な名前(その解説は省略)です。
さらに、最近は絶滅危惧種に指定されている地域が増えました。名前も酷ければ存在も脅かされていて、哀れさを感じてしまいます。
とは言いつつも、ちょいと湿気のある陽向にごくふつうの風体で存在していました。特別にひ弱には見えないし、腐らずにがんばってほしいものです。

<補注> もう少し詳しく眺めてみました。(2019年7月2日

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三十一編 : 盆踊り

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乱れ打ちって そういう意味じゃ ないでしょう…と 思う太鼓も また微笑まし

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8月4日(土) ナツハゼ

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微妙な時期のナツハゼをとらえることができました。名前のとおり、夏に紅葉が始まっているのに、実はまだ熟す前のルビー色です。
一方、実が真っ黒になってもあまり紅葉しない木もあって、その差はどうやら日照加減のようです。色づきのいいこの木は陽光燦々の場所にありました。
惜しいのは実のつきがイマイチだったことで、それだけなら去年の秋の写真に軍配です。しかし、今回はこの色按配がお宝で、自分にとっては大事な一枚です。

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三十一編 : 誰のためでもなく

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命ひとつ 乗せたことなど つゆ知らず ただにホテイの 葉は艶やかに

<補注> ツマグロオオヨコバイの幼虫かと思われます。(2023年夏)

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8月3日(金) コオニユリ

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花びらの色や模様は、先月下旬に載せた鬼百合と見分けがつきません。このように茎を起こして撮る必要があり、うつむいて咲く姿も両者そっくりです。大きさも、鬼百合の方がひと回り上とは感じても、絶対的ではないようです。
となると、見分けの第一はやはり零余子(むかご)の有無で、写真の茎(葉の付け根)にはその気配がありません。
また、葉の形もかなり違います。鬼百合の葉は幅があり、幾筋か走っている平行脈がはっきり確認できるのに比べ、こちらは一枚一枚が細くて繊細です。

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8月2日(木) キンロバイ

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晴れて金銀がそろいました。このキンロバイ(金露梅)の変種にあたるのが先月載せたギンロバイ(銀露梅=標準和名:ハクロバイ)です。
木本ではあるものの、立ち上がる性質ではないようで(注)、足首程度に這って広がります。早朝ならきっと名前どおりにたっぷりと露を受けていたでしょうに、残念ながら昼過ぎでは露ほどの水分もありませんでした。
本来の生息場所である高山帯で、時期も良かったなら、花つきも期待できたかもしれません。しかし、ピクニック程度の標高と花期ギリギリの季節では、2輪写し込むのがせいぜい(注)でした。それでも自分には輝いて見えた黄金の花です。

<補注> 本来の生息条件を得れば、枝は立派に空に向かうし、花もそれなりの数が咲くことを確認しました。また、花期は6月から9月と長く、連綿と咲き続けるタイプでした。(2024年8月25日

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8月1日(水) ハナハッカ(オレガノ)

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葉を一枚ちぎって揉んでみると、これぞピザの香りです。あの、ちょっとツンときて、渋い大人を感じさせる風味の元がこれでした。
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ハーブとしては異様に小型の葉で、むしろ髪飾りのような花が目立ちます。わりと地味な花が多いハーブのなかでは異色のもので、十分に鑑賞に値します。
1枚目の写真は、道端のプランターの隅に4~5株植えられていたものを撮りました(2枚目は大型花壇)。お料理にはそんなに大量に使うものではないだろうし、家の前の彩りにもなるし、美しさと実利を兼ね備えた賢い育て方です。

<補注> 1枚目写真に入っている蝶はヤマトシジミだと思います。

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