8月30日(木) ヤマホタルブクロ
ただ、ホタルブクロにはたしかいくつか種類があったはず…と思い、萼のあたりがよく見えるように撮影しました。
家に戻って調べてみたら、オー、大正解でした。萼片がすべて下向きのこれはヤマホタルブクロ、ふつうのもの(ただのホタルグクロ)は付属片が反り返ります。ひとつだけ、この写真の葉がやや細すぎる(別種か?)のが気がかりです。
8月29日(水) スズメウリ
左側で指に乗っているのが雌花です。最初から小さな実(子房)がついていて、うつむいて花を開きます。右側が雄花で、脳天気に空を向いて口を開けています。
じつはこのスズメウリ、ウチで育てているものです。去年の実をそのまま鉢に埋めたら、簡単に発芽しました。ただ、思わずたくさん生えたので移植したら、1本しか生き残りませんでした。次回は要注意です。
<補注> もう少し花の鮮度が良いものを載せました。(2017年9月21日)
2006年のきょう<シシトウガラシ> 2005年のきょう<ソラヌム・ラントネッティ> 2004年のきょう<ガガイモ>
番外編 : 空中散歩
よい子は絶対マネをしないでください!というテロップが流れそうなシーンです。しかし、頼まれたってそんなところには登りませんって。
この猛暑のなかでもヒヤーッと涼しい…のはきっと見ている方だけでしょう。いかに工業大国ニッポンでも、こういう作業は人間の手が不可欠なのでした。
8月28日(火) ミツバアケビ
ふつうのアケビは、まずあのおいしい実のことが頭にあって、それから春の花を知るという段取りでした。そのあと、アケビにはミツバアケビもあり、ふつうのアケビより渋い色合いの花が咲くことを見つけました。
ところが花を写した場所を秋に訪ねても実はなく、ひょっとしてミツバは実ができないのか、とあきらめかけていました。うれしさ先行で、まだ青い実を掲載です。
<補注> 本文内のリンク先よりも少しだけわかりやすい花の写真が撮れました。(2014年4月20日)
8月27日(月) アキノタムラソウ
知識としては、この草の名はかなり初歩的部類です。しかし、春とか夏、さらに深山を冠した仲間があり、それらをすべて見るまでは秋に自信が持てません。
名前だけでも面倒なのに、撮影はもっとてこずります。花・葉間が異様に長く、かつ花はその毛深さが特徴です。花を写せば葉は見えず、今年はこれが限界です。
<補注> アキノという冠がつかないタムラソウもあって、それとアキノとがまた似ても似つかないので、愚痴の尽きることがありません。
2006年のきょう<キクイモ> 2005年のきょう<ハゲイトウ> 2004年のきょう<モミジルコウ(ハゴロモルコウソウ)>
8月24日(金) フウセンカズラ
そもそも、巨木になるムクロジと蔓草のフウセンカズラがお仲間だなんて、頭が最初から受け付けていませんでした。ところが幸運にもモクゲンジの袋果を見ることができ、一気に合点が行きました。
桐がゴマノハグサ科とか、風船蔓がムクロジ科とか、草と木の境目なんてあって無きが如しです。なんにでも境を作りたがるのは人間の悪い癖に思えてきました。
<補注1> フウセンカズラを再掲しました。(2021年9月8日)
<補注2> 種を写しました。(2022年2月17日)
8月23日(木) ヒャクニチソウ
というわけで、パーッと音がしそうな百日草の花です。昔、緑色のこれを育てたことがあります。青を除けば、ほとんどの色はそろうようです。
百日も持ちそうに丈夫なのは、まわりの舌状花です。それに比べると、中心部の筒状花はどんどん咲き上がって、こんもりと塔のようになります。小さくて毛深い五弁花が散ると、細く紐状に残った雌シベが塔を飾ります。
<ヒャクニチソウのバリエーション> ☆ ごくふつうのヒャクニチソウ ☆ 矮性ヒャクニチソウ ☆ 緑色のヒャクニチソウ ☆ ホソバヒャクニチソウ
8月22日(水) キハダ
もっともこのキハダの実については、食べられるという記述が見当たりません。有用なのはもっぱら樹皮の内側の黄色い部分(注1)です。
その黄色い内皮は、健胃・整腸や打ち身の薬としていまでも貴重です。ただ樹皮の外見はふつうに黒っぽく、爪で押すとアベマキのそれに似て柔らかなコルク質です。
<補注1> キハダの内皮を味わってみました。(2008年9月19日)
<補注2> 樹上で枯れきった実と若葉の対比が印象的でした。(2008年5月25日)
<補注3> 雌花をとらえました。(009年5月30日)
<補注4> 実の変化具合ほかをレポートしました。(2018年11月1日)
<補注5> オオバキハダを収録しました。(2024年8月17日)
8月19日(日) マツブサ
8月16日(木) ウバユリ
腰丈ほどにのびた茎の先に、互い違いに三つ・四つの花が開いた様子は、まるで工芸作品のようです。どうして花と花が「あっち向いてホイ」状態に開くのか…、光に左右される開花方法でないことは確実です。
ウバには「姥」の字をあて、花の時期には歯(葉)がないからと説明されます。しかし、この花の下にはしっかり葉がありました。最近のご老体は歯が丈夫なのでしょう。
<補注1> 総苞に包まれ垂直にセットされた花が水平に開くまでの手順をとらえました。(2019年7月26日)
<補注2> 同属(変種)のオオウバユリを収録しました。(2024年7月25日)
2006年のきょう<センジュギク(アフリカン・マリーゴールド)> 2005年のきょう<ゴマ> 2004年のきょう<コナラ>
8月15日(水) クサボタン
最大の問題は、この草がとても倒れやすく、花・茎・葉をうまく写し込めないことです。次は花が微妙な色のため、なかなか見た目どおりに写ってくれません。さらに、牡丹に似るほどきれいに裂開した葉など、そう易々とは画面に入れ込めません。
と、これだけ書き連ねておけば、このヘボ写真の掲載を自分的に納得でき…いや、それは無理でも(涙)、一応の感じだけ確認というつもりです。センニンソウの仲間なので、秋に白髪姿で再登場してほしいものです。
<補注> 文中では「草」としたものの、多くの図鑑ではクサボタンは「低木」とされ、草木の境があいまいなものの一つです。そのため、このブログのカテゴリー的には「草もの」「木もの」両方に修正しておきます。(写真再掲:2015年9月30日)
2006年のきょう<ホシオモト(パイナップルリリー)> 2005年のきょう<オオハンゴンソウ> 2004年のきょう<ルリマツリ>
8月14日(火) キバナコスモス
赤いコスモスがあってもアカバナコスモスとは言わないのに、どうして黄色だけこのように呼び分けるのかと思いつつ学名を確認したら、本来のコスモスとは違っていて、同属でも別の種類でした。
そう思って見ると、どことなくふつうのコスモスとは感じが違います。あえて言えば夏目雅子と青木○やかの違いでしょうか。もちろん、秋桜とも呼ばれるコスモスのはかない風情が前者、そして花芯が妙に丈夫そうなキバナが後者です。
<補注> やや色が濃いめの花はこちら、花のアップはこちら、広いキバナコスモス畑の全容はこちらです。
2006年のきょう<ハイビスカス(ブッソウゲ)> 2005年のきょう<サネカズラ> 2004年のきょう<エンジュ>
番外編 : 桃青って?
冬青ならソヨゴだし、山桜桃と書けばユスラウメですけれど。
と、なんでもかんでも植物の名前かと思うのはすでに病気です。これは俳聖芭蕉の若いときの号でした。
三重県伊賀市の橋本酒造さんが造る入魂の一本です。蔵元ご夫婦が手ずから造るその味は、実直をそのまま酒にしたような骨太さです。
風雅な人とばかり思っていた芭蕉のイメージが少しだけ変わりました。
<補注> ご夫婦お二人だけの蔵が生み出す素晴らしいお酒を新たに知りました。(2020年10月2日)
8月13日(月) レンゲショウマ
では、レンゲはと言えば、これは当然に蓮華です。もっともこの花は本物のレンゲとは姿が天地逆です。ふつうに撮っては花の作りがよく見えませんから、自然状態に比べて90度ほどお顔を上げていただきました。
上下二つの名前がどちらも借り物とは、運動会ではあるまいし、ちょっとかわいそうです。しかし、そんなことは意に介さず、淡いピンクの花とまん丸の蕾は圧倒的な存在感で夏の山路を飾ります。
<補注> 上の写真は宮城県での撮影なので、埼玉よりは開花が遅めです。
なお、この記事以降に収録したレンゲショウマは以下のとおりです。
☆ 2008年8月13日 ☆ 2010年8月7日(上の記事中リンク) ☆ 2017年8月28日
8月12日(日) トチバニンジン
小さな白い5弁花は初夏に咲く(注)そうで、残念ながら痕跡しか残っていませんでした。実を見ればわかるように、打ち上げ花火のように展開するので、来年はその時期にうまく会いたいものです。
掌状複葉はいかにも「栃葉」です。名前後半部の「人参」は薬用になる根のことで、生薬名を竹節人参というように、根茎が一年に1節、横にのびるのだそうです。
<補注> 花はずいぶんややこしいものでした。(2017年6月25日)
8月11日(土) メタカラコウ
宝香のいわれは省略するとして、花びらがパラパラと少ないのが雌宝香で、ちゃんと8枚ほどあるのが雄宝香です。女性優位の名づけが多い植物界ではやや珍しい男上位のネーミングです。
…というわけで、これは散り際でも虫に食われたのでもありません。もし事前学習なしでこんな情けない姿(注1)に出会ったら、「完全な花」を求めて歩き回ったことでしょう。
<補注1> 花の様子を詳しく見ました。(2014年7月22日)
<補注2> メタカラコウ属の学名がリグラリア(Ligularia)だったと再認識しました。(2024年6月27日)
8月10日(金) ヤマホトトギス
白花系のホトトギスの仲間としては出会いが一番あとになりました。名前も見かけも似ているヤマジノホトトギスは去年収録できています。
そのヤマジノの花びらは水平に開くのに対し、こちらは強くそり返ります。あと、ヤマジノの花柱は真っ白なのに、こちらは少し斑点が入ります。
2006年のきょう<マルバタマノカンザシ> 2005年のきょう<ベニバナサワギキョウ> 2004年のきょう<ゴンズイ>
8月9日(木) サンショウバラ
というのはかなり八つ当たりです。サンショウバラの花を毎年撮り逃してしまうので、つい実の方に悪態をついてしまいます。この棘がかなり威圧的だし、4cm弱はある直径もなかなかの迫力です。
5月ごろ咲く花は一重のうっすらピンクでかわいい…らしいのに、なぜかその開花時期に出会えません。めぐり合わせの悪さは、次の春にこそ断ち切りたいものです。
<補注> 翌年、ややご機嫌斜めの開花をとらえ、そのまた次の年、待望の満開状態をとらえました。(2009年5月18日)
2006年のきょう<カボチャ(セイヨウカボチャ)> 2005年のきょう<シコンノボタン> 2004年のきょう<ヒルガオ>8月8日(水) コケモモ
苔桃のジャムをたまに見かけはしても、たぶん外国産でしょう。写真の左端に入れたワタシの指がまるで膝頭のように見えるほどに小さい苔桃の実です。
もちろん貴重種ですから勝手に採ることなんてできません。熟して崩れていた一粒だけ、ありがたくお毒見させていただきました。庭で育てた苔桃でジャムを作る…というのが人生至高の贅沢だろうと思えるお味でした。
<補注> 花を見ました。(2024年6月14日)
8月6日(月) タマアジサイ
その時期的な面白さよりもっと独特なのがこの蕾の形です。開いてしまえばふつうのガクアジサイみたいなのに、生命力みなぎる球形は愛らしくも荘厳です。
しかも、開いていく過程がまた味わい深く、ブロックごとに崩れていく様子はロシアンエッグを思わせます。ゆっくりの展開につきあうと半日楽しめます。
2006年のきょう<ウイキョウ(フェンネル)> 2005年のきょう<フサフジウツギ(ブッドレア)> 2004年のきょう<イヌキクイモ>
8月2日(木) キンロバイ
木本ではあるものの、
本来の生息場所である高山帯で、時期も良かったなら、花つきも期待できたかもしれません。しかし、ピクニック程度の標高と
<補注> 本来の生息条件を得れば、枝は立派に空に向かうし、花もそれなりの数が咲くことを確認しました。また、花期は6月から9月と長く、連綿と咲き続けるタイプでした。(2024年8月25日)
2006年のきょう<モミジアオイ> 2005年のきょう<カナムグラ> 2004年のきょう<タマサンゴ(フユサンゴ)>