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7月31日(火) キハギ

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この配色の花は萩のなかでも珍しい(ので探しやすい)というわりに、節穴の目ではよくわからず苦労しました。これかなと思うと葉が違い、今度はどうだと思えば茎が違うという苦労の末、ようやく探し当てました。
名前のとおり木質化した枝にうれし涙です。葉もとても硬い感じで、ほかの萩とは印象がかなり違います。
面白いのは写真の一番上に写った花で、シベが一本飛び出したままです。萩のシベというのは、ふだんは格納されていて見えなくて、虫が花びらに乗ると出るそうです。しまい忘れた一本でしょうか。

<補注> キハギのキハギらしさを眺めてみました。(2014年9月17日

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<注記> 思うところあって、ブログ名を改めました。ハンドル(ネーム)も「はた衛門」に変更します

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7月30日(月) マタタビ

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マタタビの白い葉がヒラヒラする景色を新幹線の窓から眺め、「撮りたい~!」と歯ぎしりしたのは先月下旬のことでした。
あれからひと月、花はもう姿を消し、青い実(中央)が膨らみはじめていました。左側でピンボケしているのは、かなり緑に戻りかけた葉です。
さて、もうひとつ説明が必要なのは、右側に見える虫こぶです。木天蓼(もくてんりょう)という生薬になり、あるいはマタタビ酒のもとになります。マタタビを見て喜ぶのは猫だけではなく、人間さまだって小躍りしてしまいます。

<補注> 開花時期の様子はこちら、葉が白くなり始めた様子はこちらです。

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7月29日(日) カライトソウ

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ゆかしい名前が心に残る唐糸草です。いまどきだったら猫の尻尾草とか言われそうでも、現代風なキャッツテールあたりとは風格が違うように思います。
本来は白山などに咲く高山植物なのに、平地でも栽培は可能なようです。ネムのそれを押しつぶしたような葉も、花に劣らずきれいです。
一本が10cmもある花穂がふさふさしている様子は迫力があります。花びらはなく、長くのびた雄シベが唐糸の正体です。左側に、開花前後の穂が写っています。

<追録> 背後から迫ってもこの花の理解は進みません。(撮影:2022年7月18日)
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<補注> 同属のエゾトウウチソウを収録しました。(2022年11月3日
両者はかなり似ていて、見分けポイントの一つが花穂の開き順=カライトは穂の先から、エゾトウウチは元側から=と知りました。あわててここの写真を見直すと、1枚目写真で元側が遅れて開いていることがわかり、ひと安心です。

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三十一編 : やややのや

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山の辺に ヤブカンゾウの果てしなく やむこともなし 山鳥の声

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7月28日(土) ソクズ

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蒴藋、二つ目の字はクサカンムリに翟です。この二文字でソクズだそうで、これをサクテキ(サクチョウとも)と読むと、生薬の名前になります。
この植物の名をソクズと初めて知ったとき、あの葛(くず)とどうつながるのかと訝(いぶか)しく思ったものです。古くはサクドウとも呼ばれたようで、どうやらそれがソクズに変化(音便)したようです。
別名がクサニワトコで、葉の形がニワトコに似ると言われています。この草の背丈も高くて、それも木にたとえられる所以かもしれません。さらに、この白い花も多少はニワトコを思わせて、立派な茎葉の上に白い花をつけた姿はとても涼しげです。

<補注> 秋には赤い実ができました。(2009年9月15日

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7月27日(金) トウモロコシ

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見慣れたトウモロコシの雄花が畑で目立ちます。お気楽に風に揺れているだけと思ったら、案外に健気な奴であることに気づきました。幾本かの雌穂がヒゲを出し切るまで、ズーッと花粉を降らし続けなければいけないのです。
あのヒゲの一本でも受粉し損なえば、歯の欠けたような実になってしまいます。あるいは、授粉後半になって雄花が力尽きてしまうと、遅く出てくる先端部のヒゲが受粉できずに先細りの実になります。
おいしいビールの友を作るため、雄花よ、きょうも頑張るんだぞォ。

<補注1> 12月中旬の志木でトウモロコシが育っていました。(2023年12月20日
<補注2> ポップコーン用のトウモロコシがあると知りました。(2024年9月9日
<補注3> トウモロコシの祖先と考えられているテオシントを収録しました。(2024年10月11日

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7月26日(木) ルリタマアザミ

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気のきいた喫茶店などで見かけるときは花瓶に花だけだったので、露地で葉を見て「アザミ」の名に納得です。けっこう花の近くまで葉はついているので、花屋では葉を落として売っているようです。
写真は葉がまだきれいなところを選んだというのに、かなり傷みは進んでいます。暑さはやや苦手なのでしょう。(注2)
蕾状態の棘々&丸々した姿(写真右手)がかわいいし、水中で揺らめいているような開いた花びらもきれいです。しかしその二つの場面が両立した開花途中の花は、うーん、いかにも二兎追いでした。

<補注1> ルリタマアザミと比較されやすいヒゴタイを掲載しました。(2018年7月9日
<補注2> 葉に注目してルリタマアザミを再掲しました。
そこに記したように、ほかの草木に比べればルリタマアザミの耐暑性は強そうなので、上の一文は取り消しておきます。(2022年7月12日

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7月25日(水) オニユリ

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いつまで経ってもできないのがムカゴの書き取り(正解:零余子)です。何度練習しても、あしたには読む方さえ怪しくなってしまいそうです。
左側の茎で、葉の付け根にその真っ黒な零余子が見えます。鬼百合の特徴である零余子が見えるように写すには、うつむいて咲く花に我慢してもらいました。

あと、ムカゴとくれば食い意地が出てきます。ところがオニユリのそれは苦いという評がもっぱらです。また、百合根も、鬼百合の根は少し苦いそうです。元々は救荒用として普及したもので、食用には小鬼百合の方が適しているのでした。

<補注1> もう少し引いて、鬼百合の集団の美を楽しみました。(2014年7月24日
<補注2> オウゴンオニユリという稀少種を見ました。(2018年7月15日
<補注3> 秋が深まり、零余子は落ち果てていたのに対し、花茎の先には果実がつかない(結実がとても稀)ことに気づきました。(2023年11月26日

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7月24日(火) ソバナ

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疎林のなかに薄紫の花が散在していました。ほの暗い木陰に紫が目立ちます。よく見れば花色が白いものも混じっています。
いかにもキキョウ科らしい花の色と形ではあっても、これになぜソバという名がつくかが問題です。あてる漢字としては、蕎麦・岨(そば)・杣(そま)の三つがあるものの、どれも決め手を欠くようです。
茎を折ったり茹でたりする(食用)と蕎麦の香りがするという説があります。しかし、残念ながらワタシの鼻ではこの説は却下でした。季節にもよるので断定はできなくても、岨や杣にやや肩入れです。

<補注> ソバナを含むツリガネニンジン属はとても厄介なメンバーで構成されていることを痛感しました。(2024年8月28日

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7月23日(月) ミョウガ

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ヤブミョウガハナミョウガの後塵を拝してしまったものの、それらに名前を貸した本来のミョウガの花をようやく撮影できました。
噂どおりのお化けみたいな姿です。一日花であり、左下のきのうの花はもうダウンしています。放っておけばこうやってどんどん花が咲くそうで、あの食べるミョウガ(花の基部)は花穂であることがわかります。
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ふつうの植物は茎の先に花をつけるのに、ミョウガの茎は花と無縁です。
葉の茎はじつは茎ではなく偽茎(葉鞘が重なりあって茎のように見える)であって、ミョウガは味だけでなくて生態までちょっとヒネリが効いているのでした。

<補注1> 偽茎をしみじみ眺めてみました。(2018年8月2日
<補注2> ミョウガに実がつくことを知らされました。(2020年10月11日

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7月22日(日) ヤブカラシ

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身近ではあってもなかなかここに載らないものがあります。その理由は各種各様ながら、なかで一番多いのはうまい写真が撮れないことです。
このヤブカラシで悩んだのは花びらです。咲いてすぐに散るらしく、いいポーズで撮らせてもらえませんでした。
4枚の緑色の花びら、雄シベ・雌シベがまだきれいなものをようやくとらえ、後方でボケてはいるものの五出複葉の姿も入れ込むことができました。稔ることが少ない実も一緒に入れば最高だったのに、そこまでは無理でした。

<補注> ヤブカラシには不思議な「付属品」がありました。(2020年7月2日

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7月21日(土) ツボサンゴ(ヒューケラ)・パレスパープル

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ツボサンゴの花というのは赤いものと思っていました。「そう、これこれ」と、先々月、近所の花壇で銅葉を背景にして撮影しています。
対するにこちらはウチの鉢植えです。3年前に苗で買いました。順調に育って花の軸は出るものの、花は開かずにショボついたままが続きました。
ナメクジにやられているのだと思って、その薬だって撒きました。あまりに情けなくてもう捨てようとしたら、どうもこれで全開らしいと気づきました。
そう思って見ればそれなりに渋く見えてきます。夏になって葉の緑が増してから気づいたのはとてもおマヌケでした。赤銅色の葉がこの品種の本来のチャームポイント…と言葉で補っておきます。花は付属品でした。

<補注1> 名前がややこしい別種がありました。(2022年6月23日
<補注2> ヒューケラの園芸種をまとめて掲載しました。(2024年5月8日

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7月20日(金) シダルケア

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花が見るからにアオイ科なので、初めて見かけたのに「Sidalcea」という名前はすぐに調べがつきました。
さて「ce」はケ? セ? どちらでしょう。なんとなくセに思うし、多数派でもあるし、ここはシダルセア(注2)としておきます。
という細かいことは置くとして、腰丈くらいの高さで8㎝ほどの直径の花がポンポンついて、タチアオイでは収拾をつけにくい場所には最適です。茎上部の葉がスレンダーなことも美点に思えます。

<補注1> この属(Sidalcea)はアメリカ中西部に20種ほどの仲間を持つそうで、ここに取り上げたものはSidalcea malviflora系の園芸品種に見えます。
<補注2> あとになり、子音cはカキクケコにあて、sをサシスセソにあてるようにこのブログでは統一しようとしています。そのため、タイトルも従前のシダルセアからシダルケアに変更しました。(2022年6月)

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番外編 : ポスター

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ポスターを貼る人はもう少し周囲に配慮すべきですね。このオトーサンとヤブカンゾウ、妙に似合ってしまって、ついパチリ!!
ヤボったくて暑苦しい見かけではあっても、なかなか逞しそうだし、どこか憎めないかわいらしさもあるし、あ、いや、ヤブカンゾウのことですよ、あくまで…。

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7月19日(木) チゴザサ

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草木が基準のものより小振りであることを示すには、頭に「姫」をつけることが一般的で、それが「稚児」となったからには、もっとミニサイズの意味でしょう。向う脛ほどの丈で群がっていました。
もっとも、小ささだけならチヂミザサにかないません。もしかしたら、稚児という形容は、このかわいい小穂に着目したものかもしれません。
一粒が2㎜ほどで、ここから花粉を出し、雌シベが受精します。面白いのは柄が波打つことです。こんな軌跡を見せながら、夏の夜空にあがる花火を思い出します。

<補注> 通称をチゴザサという別の植物を収録しました。(2008年1月11日

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7月18日(水) シオデ

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アイヌ語由来説が有力なシオデとは言え、馬の鞍の四緒手結びから来たとする異説に一票入れようと思います。藪のなかで、蔓が四方八方に絡み付いていました。
サンキライとは近い仲間なので、平行脈の葉が似た感じです。もっとも、実はサンキライのように赤くはなく、晩秋には渋く黒変します。
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雌雄異株で、いまが花どきです。雌雄とも、長くのびた花柄の先で球形に花が展開するのは同じでも、個々の花が地味な雌花(1枚目写真)に比べ、雄花(↑)はまるで線香花火のようです。儚くも美しい男の美学でしょう。

<補注1> 花の細部がわかりやすい写真を載せ直しました。(2011年7月24日
<補注2> 若い実が鈴なりの蔓を見つけました。(2018年8月8日

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7月17日(火) チダケサシ

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前にチオノドクサを載せたときも、その名前がずいぶん剣呑な響きだと思いました。しかし、これも危なさ加減では負けない名前です。
さらに、本来の乳茸刺の由来にも異説があって、乳茸の生える広葉樹林にはチダケサシは育たないので、あくまで想像でつけた名前ではないかと言います。
乳茸にお目にかかったことがない(注)ので、ことの真偽はわからないし、もっと面倒なのはトリアシショウマアカショウマとの見分けでしょうか。花の色には変異がありそうとは言え、この花はこれだけきれいなピンクだったので助かりました。

<補注> 乳茸にお目にかかることができた上、チダケサシと乳茸の関係が判明しました。(2009年8月23日

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訂正編 : セイヨウフウチョウソウ(クレオメ)のシベ

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きのうの記事で、当初、クレオメの花から飛び出たシベ(青丸囲)を「雌シベ」としたのは、「雄シベ」の間違いでした。
花が枯れるころ(上の写真中央)、雌シベ(赤丸囲)はグーンとのびているのに、咲いた直後(写真左端)は1㎝に満たないものでした。また、咲き出したときはピンクの花色が、日を経ると白く変わるのも、この写真でわかります。
右端は花びらが落ちたあとのもので、子房(種)が少し膨らみかけています。この部分が生長して長くなったものは、きのうの写真に入っています。

<補注> 「クレオメ」としていたこの記事のタイトルを修正します。(2020年10月26日

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7月16日(月) セイヨウフウチョウソウ(クレオメ)

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久しぶりの朝撮り画像です。けさの爽快な空気が写っている気がします。
おっと、写したのは空気ではなくクレオメでした。腰の高さほどに背がのびているにもかかわらず、きのうの強風にも被害はゼロの様子です。歩車道の境目で、毎年勝手に咲き出す元気者です。
スプーンのような花びらと、長く突き出た雄シベ(注1)が魅力です。西洋風蝶草という和名(注3)があって、結構いい名だとは思っても、クレオメという不思議な響きの呼び方が定着しているようです。

<補注1> 写真で見るとおり、長い柄の先に種がついているので、記事作成当初は長く飛び出たシベを「雌シベ」としていました。いただいたコメントで自分の間違いに気づき、そこを訂正し、追加記事を作成しておきました。(2007年7月17日
<補注2> クレオメの花を写し直しました。(2015年8月8日
<補注3> 「クレオメ」としていたこの記事のタイトルを修正します。なお、クレオメは旧属名(Cleome)であり、現在、この一年生草本の学名はTarenaya hasslerianaです。(2020年10月26日

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7月15日(日) イチジク

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「九」と一文字だけ書いてイチジク(一字九)と読むのは洒落であっても、「無花果」と書いてイチジクと読むのは国語の常識問題のはずです。
ただ、名前のように花がないわけではなく、この偽果(隠頭花序)のなかに花があるというのは、これは理科の時間の常識レベルになるのでしょう。
さて、問題は常識が二つ並んでは立たないことです。理科の常識は事実なので、国語の方がじつは大きな間違い含みなのか、あるいはそんなことは百も承知で見かけを形容したのか、面倒なことをしてくれたものです。

<補注> アスファルトの上でペシャンコになったイチジクの葉の葉柄が意外な太さであることに気づきました。その体験のあとで上の写真を見ると、若い葉でもその葉柄はじつに堂々とした太さでした。(2020年11月26日

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7月14日(土) チョウセンシラベ・シルバーロック

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カールして裏返った葉が、まるで砂糖菓子のようです。
背丈ほどもある木全体がこの調子ですから、ドンヨリの梅雨空の下でも周囲を明るくしていました。庭に一本あったらと思わせはしても、モミの仲間で大きくなるようですから、よほどのお庭でないと手入れが大変そうです。
チョウセンシラベは名前どおり韓半島に自生し、強くて育てやすいそうです。シラベは白檜と当てて、日本にもシラベやシラビソ(白檜曽)と呼ぶマツ科モミ属の木(未収録)があります。なお、このシルバーロックはチョウセンシラベの園芸種です。

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7月13日(金) セイヨウニンジンボク

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葉が朝鮮人参に似ているからと名づけられたのがニンジンボクで、その人参木に近い外来種だから西洋人参木というわけです。ところがそうして名前の元とされた二つがともに未収録(補注参照)なのは困ったものです。
図鑑で確認すると、朝鮮人参の葉はふつうの楕円形です。まるで伝言ゲームのように、葉がこんなに細くなりました。
この木は鉢植えになっていて間近に花を撮影できたものの、地植えなら見上げる大きさになります。夏を涼しく彩る花をつけて、日除けには絶好です。

<補注1> 翌年の同月同日には朝鮮人参(オタネニンジン)を、さらに4年後の夏にはニンジンボクを収録することができました。
<補注2> 同属の仲間にはタイワンニンジンボクもあります。(2012年8月6日
<補注3> セイヨウニンジンボクの白花タイプを収録しました。(2020年7月23日

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7月12日(木) ヘリアンサス・アトロルベンス

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学名そのままという安直な名前は本当に困りものです。ただ、「ニセヒマワリ」などと呼んだらかわいそうだし、「寸詰まり向日葵」ではもっと悲惨になります。
…と「ひまわり」にこだわっているのは、ヘリアンサスがヒマワリの属名だからです。つまり、これはふつうの向日葵(Helianthus annuus)と同属の仲間です。問題なのは後ろのアトロルベンスで、さてさてどう覚えたものでしょう。

<補注> ヒメヒマワリという呼び名は存在するようでも、その名前は同属のHelianthus debilisや属違いのHeliopsis helianthoides(ケース1ケース2)にも使われているようです。このため、自分の頭の混乱を恐れ、今回は使用を控えました。

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番外編 : 象鼻杯(ぞうびはい)

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夏季限定のお酒の楽しみ方があることを知って、この日を楽しみに待ちました。
隣町・朝霞市のハス農家で1本50円也の葉を求め、持参した「少量」のお酒を注いで、いそいそとお味見です。
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蓮の香りがほのかにうつって…なんぞと言われはしても、ホントのところは、、、これぞまさしく酔狂ということで…。

<補注> この象鼻杯に使った葉は「茶碗蓮」という種類でした。蓮の花については、後日、古代蓮の池を「それらしく」写してあります。

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7月11日(水) ラムズイヤー(ワタチョロギ)

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俗名を「ライオンの耳」という草本があって(レオノチス、標準和名:カエンキセワタ)、あれはたぶん毛羽立った花からきた名前でしょう。しかし、こちらは間違いなくこの幸せな手触りの葉を形容しているはずです。
羊の耳と言われても、にわかにその形が思い出せませんでした。調べてみて、なるほど、ピョンと横に飛び出して、まあこんな感じと言えば言えますか。
これがマトンズイヤーだと全然かわいくなくて、家畜を歳のころで呼び分けるというのはある意味凄まじい文化です。イナダがブリになる国は穏やかです。

<補注1> 上の写真よりひと月ほど前に花穂が立って開花します。(2011年6月14日
<補注2> 毛足が長い状態を取り上げました。(2021年6月4日

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7月10日(火) カラタチバナ

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去年の11月末、タチバナとカラタチバナを続けて取り上げ、カラタチバナ(唐橘)の名前の由来に疑問を呈しました。
タチバナ(橘)の花に似た花をつけるからという説があって、その真偽やいかにと半年待ちました。薮蚊の多い薄暗がりでとらえたその花は、あの凛々しい橘の花には少し遠い気がします。
せっかく宿題はやり遂げたのに、気分爽快とはいかない結果です。余計なことは詮索せずに「名前は記号だ」と思えばよかったものを、自業自得の人生は続きます。

<補注> 花が散った次の段階を収録しました。(2022年9月1日

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7月9日(月) グリーンローズ

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せっかくこれ目当てに訪ねたバラ園で、危なく見逃すところでした。4~5m行き過ぎて、なにげなく振り向いた緑の藪がこれでした。
同じ緑の花でも、グラジオラスとか百日草とかはもう少しふつうっぽくてきれいなのに、このグチャグチャ具合はどう贔屓目に見てもただのゴミではありませんか。
と思ったら、この花びらは萼や雄シベが変化したものだそうで、雄シベが花びらとはハタザクラのお仲間…、いゃぁ~きれいです。(山形県村山市・東沢バラ公園にて)

<補注1> グリーンローズはコウシンバラの亜種(Rosa chinensis ssp. viridiflora)、または変種(Rosa chinensis var. viridiflora)という位置づけです。
<追録> 少しだけ見目の良い1枚を追加しておきます。(撮影:2018年9月23日)
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<補注2> 冬の姿を収録しました。(2020年12月31日

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7月8日(日) トリアシショウマ

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ショウマ(升麻)という名前はよほど便利なのか、あるいは響きがいいのか、わりと多くの植物がそう呼ばれています。
その根から生薬をとる更科升麻がこの名前の元祖と思えるのに、それとは科まで違うこちらにも升麻の名がつけられています。たしかに、葉や茎の様子が元祖と似た雰囲気ではあります。
トリアシは鳥足で、三裂した小葉の形に由来します。葉の形がこれと同じでも、茎や葉柄が赤みを帯びるものはアカショウマであって、今回のものにはその赤っぽさがないのでトリアシショウマとしました。

<追録> 花の具合がいい1枚を追加しておきます。(撮影:2017年6月1日)
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7月7日(土) シャシャンボ

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いかにもツツジ科らしい鈴型の花が、これこそ鈴なりという賑やかさです。
愉快でかわいらしい音の響きを持つ名前の木で、これは小々坊の訛りといいます。この花も、その形容にあてはまりそうに小さく(直径5~6㎜)ても、本当のところは丸くて小さい秋の実が名前のもとです。
その実はブルーベリーに似て、いかにもポリフェノール満点みたい(あくまで想像)な黒紫色です。味はやはり自然品の範囲でも、歩き疲れにはうれしい味です。

<このあと収録したシャシャンボ・暦順> ☆ 花・花が落ちたあとの花柱 : 7月25日 ☆ 若い実・葉・枝 : 7月30日 ☆ 充実してきた実 : 8月20日 ☆ 完熟の実 : 12月11日

2006年のきょうナス> 2005年のきょうチヂミザサ> 2004年のきょうシャグマユリ

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7月6日(金) ハクロバイ(ギンロバイ)

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光があれば陰がもたらされ、表があれば裏ができ、こういうセット感覚に基づけば、銀はつまりは金の引き立て役、と言ったら独断に過ぎるでしょうか。
金露梅(キンロバイ・注1)を収録する前に銀露梅(ギンロバイ)を載せることになったので、銀贔屓には顰蹙を買いそうな八つ当たりです。まったく、植物はなかなかこちらの都合で目の前に現れてはくれません。
と嘆いていたら、銀露梅には白露梅という別名(注2)があるようで、ウン、これなら二番手イメージのない名…などと自分をごまかさず、早く金露梅を探しましょう。

<補注1> 翌月、めでたく金露梅を撮影できました。(2007年8月2日
<補注2> YListによればハクロバイが標準和名で、ギンロバイは別名でした。記事は当初のまま、タイトルを訂正しておきます。(2019年7月)

2006年のきょうヤマモモ> 2005年のきょうリョウブ> 2004年のきょうモミジアオイ

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7月5日(木) リシマキア・プンクタータ

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腰丈ほどの茎が林立し、その節々に輪生状に真っ黄色の花が密について、とても賑やかな眺めを作ります。
終わった花はポタポタと落ちて、地面も賑やかです。花びらの裂け方が深いので、茎についているときは合弁とは思えませんでした。しかし、咲いている形のまま散っていて、筒状の花だったことがわかります。
地下茎で殖えるので、植栽しておけば自然に賑やかさが増す利点はあっても、問題はその名前です。適切な和名がないようで、学名そのままの呼び名です。さーて、何遍繰り返せばこのカタカナ連なりを覚えることができる(注1)でしょう。

<補注1> 覚えにくいと思った「リシマキア」なのに、オカトラノオハマボッスが同属なので、案外に身近な属名でした。また種小名のプンクタータはリズムがいいので、わりとスラッと出てくるのに驚いています。
<補注2> 立ち性のプンクタータに対し、這い性のコンゲスティフローラという種類もありました。(2021年5月25日

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7月4日(水) ヒツジグサ

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高野槙くんの叔母様のお印として知られた植物です。
降嫁なさってもお印はご愛用でしょうか…という要らぬ詮索はさておき、未草と睡蓮はいったいどこが違うのだろうと不思議でした。今回、これこそ未草という画像を得たので、少し真面目に調べました。
結果、日本自生のこの白花の水草が未草で、別名の睡蓮は外来のカラフルなものの呼び名との混同であることがわかりました。未は開花の時刻にちなむようであっても、未の刻(2時ごろ)に開く説に対し閉じる説もあり、依然不思議は残り(注)ます。

<補注> ヒツジグサの花は午後になって咲き始める場合(場所?)もあれば、午前中から咲いている(したがって2時過ぎに萎むケースあり)のを目撃したこともあります。もし名前の由来が開花時刻だとしても、「開花特性の一部を反映したネーミング」と考えるべきと考えます。(2010年8月22日

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7月3日(火) イタチハギ

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「鼬(いたち)の最後っ屁」で有名なあのイタチを名前に戴いています。この黒紫色の花穂を尻尾に見立てたのでしょう。
ただ、かつて沼の辺(ほとり)で一度だけ(注2)見たことのある鼬の尻尾は茶色で、ここまで黒くはなかったはずです。全体のふてぶてしい感じからのネーミングでしょうか。かなり異様な花色なので、遠くからでもよく目立ちます。
別名がクロバナエンジュで、こちらの方が語感はきれいです。しかし、エンジュとはかなり生態が違い、分枝して横に広がります。名づけとはむずかしいものです。

<補注1> イタチハギの蜂蜜がありました。(2008年4月13日
<補注2> 以前に沼の辺で出くわしたときはカメラもなく見送ったのに、次の機会では幸運にも望遠つきのデジイチを携えていました。初めて撮影できたホンモノの鼬はふてぶてしくはなくて、けっこうかわいらしい存在でした。(2016年2月15日
<補注3> 夏なのに、イタチハギは葉と枝だけでした。(2023年8月11日

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7月2日(月) ヤマユリ

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この写真をファイルから引き出したら、百合の香りが漂いました。梅干の例を思い出すまでもなく、記憶には五感を呼び覚ます機能があるようです。
植物で「山○○」と呼ばれるものは、ふつうは素朴で控えめな見目のはずなのに、このヤマユリを前にしたら、花壇の百合も恐れをなして逃げ出すことでしょう。
男の背丈ほどにのびた姿には圧倒されるし、その先にボンボーンと開いたこの花は、目一杯開いた手のひらと同じ大きさです。派手さでは野の花の最高峰でしょう。

<補注> 変種にベニスジヤマユリがあります。(2010年7月29日

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7月1日(日) コナスビ

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この実を茄子に見たてた時代というのは、そこまで食糧事情がシリアスだったのか、と少ししんみりしてしまいます。たしかに、漬茄子でこんな丸い形のものは見るとして、サイズがあまりにも…。
しかも、その小さな実はうつむき加減なので、ついお節介な指の出番です。
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前の秋に、近所の草むらで座布団ほどの群生を見つけました。秋にも花はつけたものの、本来の花期は春です。
この2枚目の写真は5月下旬の撮影です。光線状態が不満足だったので撮り直そうと思っているうちに、花は終わっていました。

<補注> 冬を堪え忍ぶ様子を記録しました。(2018年2月11日

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