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6月30日(土) ハマカンザシ(アルメリア)

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簪(かんざし)の名に恥じない可憐な花はもちろん、いま風の華道みたいな茎を入れたいし、特徴ある葉も一応は…、と欲張ってみた一枚です。
何カ所かのお庭で春から見かけていて、可憐なわりにはタフな花です。ただ、夏が本格化してきて、花茎がのびすぎました。
園芸的には属名のアルメリア(注1)で呼ばれ、赤や白の花もときどき見かけます。しかし、もし自分で育てるならこの美しい和名で呼びかけ、オリジナルのピンクの花を愛でてあげたい気がします。

<補注1> アルストロメリア(ユリズイセン)と名前がゴチャになるときがあって、頬が赤らみます。
<補注2> 株のまとまりがまだ良い季節に再掲載しました。(2022年3月31日

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6月29日(金) カラクサゲシ(チューリップポピー、メキシカンチューリップポピー、ハンネマニア)

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月日は人を少しは賢くしてくれるのかなあ…、少なくても目は鍛えてくれているのだな、とうれしくなりました。
なにをそんなに自己陶酔しているのかというと、3年前にはあんなに惑乱していたカリフォルニアポピーとチューリップポピー(注)の見分けが、目くじらを立てることもなく、自然にわかったのです。
近所でこれを見たとき、葉がどうとか萼がどうとか考えず、スルッとチューリップポピーに「見え」ました。石の上にも三年かァ、昔の人はいいことを言ったものです。

<補注> この草(Hunnemannia fumariifolia)の標準和名はカラクサゲシでした。タイトルを修正します。

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6月28日(木) ナツハゼ

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念願叶って、ナツハゼの花を撮影することができました。今年も花期を逃したかとあきらめていたのに、北緯40度の地(志木は35度50分)まで追いかけたら、どうにか最後の花をとらえることができました。
秋の実の色が印象的だったように、この花の色もじつに奥深い赤です。形もなかなかかわいいし、ストーキングは報われました。
この花を見ると、ブルーベリーと同じツツジ科であることが明白です。実がおいしいのは当然でした。花の寸法は実より小さく、1㎝もありません。

<補注> 花の内側を覗いてみました。(2019年5月26日

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6月27日(水) クマツヅラ

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クマツヅラというのは、この草自体よりも「科」の名前としてよく見聞きします。ムラサキシキブクサギ、あるいはカリガネソウなどがこの科に属します。
もっとも、それらは科が同じでも属違いであり、属も同じ(クマツヅラ属)ということに絞ればヤナギハナガサバーベナなどが該当します。
いかにも路傍の草のようなクマツヅラと、花壇のスターであるバーベナが兄弟関係とは意外でした。クマツヅラの学名はVerbena officinalisで、たしかにバーベナです。そういう目で見ると、なるほど葉の感じが似ています。

<補注> クマツヅラの大きな群落に出会いました。(2017年7月9日

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6月26日(火) カクテル(つるバラ)

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わりとポピュラーなバラです。街を徘徊しながら、中型であっさりした一重の花びらに親しみを感じる人が多いのだろうと考えました。
赤と黄色のグラデーションがカクテルを連想させるのでしょう。薔薇とお酒はやはり相性がいいようです。
ただし、中心部の黄色はだんだん周辺の赤色に溶け込んで、しまいには赤一色になってしまいます。お酒を過ごして記憶がとろけてしまう人のことをからかっているみたいです。花にまでバカにされないよう、アルコールは控えめにいたしましょう。

<補注> この記事の掲載当初、「冬に単につるバラとして取り上げたものはカクテルだったかも」とここに書きました。確認したら、やはりカクテルでした。ということで、1月のタイトルを修正し、記事の該当部分は削除します。(2007年7月)

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6月25日(月) イソトマ・アネチフォリア

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ブルースターなどと呼ばれる「いわゆる」イソトマとは少しイメージが違って、ロベリアっぽい花の形です。下ぶくれ顔の、こんなウサギがいたような…。
イソトマという名は「等しい分割」という意味のギリシャ語だというのに、写真の下ぶくれウサギさんはどうもそうは見えません。この花に限ればやや難のある名前なので、単なる符号だと思うことにします。
下の名前はさらに問題で、読みがいろいろです。綴りはanethifoliaなので、素直にローマ字っぽい読みにしたものの、わかりやすい和名が欲しくなります。

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6月24日(日) カイコウズ(アメリカデイゴ)

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どんなに高い位置で咲いていてもとにかく目立ちます。なにせ迫力十分の色だし、一つの花のサイズが子供の手のひらほどはあるのですから。
島唄に出てくるデイゴは寒さが苦手らしく、関東の露地には適しません。しかし、こちらアメリカデイゴなら、公園などで3~4mに育った木を見かけます。
海紅豆(かいこうず)という名は鹿児島県のシンボルツリーとして有名です。県の木にアメリカが冠されていては不具合ですから、鹿児島に行ったら、この木のことはぜひにも標準和名で海紅豆と呼ぶのが正しい作法でしょう。

<補注> 花期がかなり長いことに気づきました。(2018年9月22日
<写真差し替えの言い訳> 当初、ここに載せていた写真(↓)は、カイコウズではなくサンゴシトウでした。たまたま、この記事の6年後にサンゴシトウを掲載し、カイコウズとの関連でここにリンクさせようとして、過去のとんでもない間違いを発見することができました。(2013年8月13日
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6月23日(土) ホザキシモツケ

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ふつうのシモツケと違って、少し冷涼なところに育つと図鑑にあるわりには、近場のちょっとした丘陵地で出会うことができました。
まるでバッキンガムの衛兵さんを思わせる花穂です。また、花だけでなく茎自体も兵隊さんみたいに直立して育つので、生垣風に使っても面白そうです。
花だけ見ればまさにシモツケなのに、全体の印象はかなり違います。幾本か刈り取って、大振りな壷にポ・ポーンと投げ入れたら、さぞや颯爽とした景色でしょう。

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6月22日(金) キキョウソウ

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花だけ見れば多少はキキョウを思わせても、生息する姿はほぼ雑草で、庭の隅とか花壇の空きスペースなどにヒョロヒョロと侵入します。
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暑くなって花を咲かす前には閉鎖花で実を結ぶという「多産」型ですから、その蔓延り具合に勢いがあるのもうなずけます。
ほとんど枝分かれせず、見栄えがさびしいのも雑草的な扱いを受ける原因でしょう。膝丈ほどにものびた茎に順々に花を咲かせていく姿から、ダンダンギキョウという可愛い名でも呼ばれます。(同じキキョウ科でも、本来のキキョウとは属違いです)

<補注> キキョウソウの葉の特殊さに触れました。(2024年7月7日

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6月21日(木) イトバハルシャギク

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宿根コスモスとイトバハルシャギクという二つの呼び方(注1)があって、残念ながらそれぞれにやや難点ありと感じます。
コスモスというには背丈がずいぶん足りないし、花に蛇の目が入らないのではハルシャギクとは言いにくい気がします。さて、どちらの名に味方したものでしょう。この花色と細い葉が印象的なので、自分的には後者で覚える(注)ことにしました。
荒地で逞しく育つコスモスやハルシャギクの丈夫な性質は、この草もしっかり共有しています。今夏は水不足が懸念されていて、そんな年には持ってこいでしょう。

<補注1> イトバハルシャギクが標準和名です。
<補注2> コレオプシスという属名も覚えておく必要があります。(a. 2022年7月4日 b. 2024年7月19日

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6月20日(水) クロバナフウロ(ゲラニウム・ファエウム)

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うつむいて咲くところはきのうのイチヤクソウと一緒です。ただし大違いのポイントはこちらがお陽さま大好きなことです。名前のとおりフウロソウの仲間で、欧州産ではあっても古くから日本の花壇で栽培されてきました。
そのため、クロバナフウロ(黒花風露)というゆかしい和名を持ってはいても、学名のゲラニウム・ファエウムもわりと使われます。
じつはゲラニウムとゼラニウムが紛らわしくて、綴りはどちらもGeraniumです。同じフウロソウ科で属違いの二種類を呼び分ける(フウロソウ属=ゲラニウム VS テンジクアオイ属=ゼラニウム)のだそうで、なんとも頭痛の種(注)です。

<補注> ゲラ・ゼラ問題を整理しました。

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6月19日(火) イチヤクソウ

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木陰での一枚なので写りは悲しい具合です。しかし、これを見つけたときの驚きと喜びは、こんなボケ写真からでもしっかりと蘇ります。
沢沿いの細道で、木の根もとにポツンと咲いていました。うっかりすると踏んでしまいそうに低くて小さな草です。
虫刺されに効くから一薬草だそうです。ただ、たぶんかなり稀少種になっているでしょうから、お試しはあきらめです。徹底的に下向きに咲くので這い蹲って撮りました。雌シベの図太い姿がちょっと忘れられません。

<追録> 林のなかの暗がりで、小さな背丈のくせに花がうつむいていて、相変わらずむずかしい被写体です。今回は、葉の上で隣の株の花にのけぞってもらったので、本来の咲き方を示した写真ではありません。(撮影:2009年6月7日)
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<補注1> ベニバナイチヤクソウを収録しました。(2008年6月15日
<補注2> 実をつけた状態を撮影できました。(2009年9月6日

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6月18日(月) ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)

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テレビや雑誌で紹介されるニッコウキスゲを見ていたときは、もう少しスマートなものと勝手に思っていました。実物に接してみたらば、あらら~、意外にボッテチェルリさん(太めだという駄洒落)ではありませんか。
トランジスタグラマーという昔の流行り言葉を思い出してしまいました。もう四半世紀も前の言い方で、いまや完全に死語でしょう。
草丈も膝下くらいで、イメージよりも寸足らずです。本場の群生を見ずしてなにを言うかと叱られそうながら、たまたま街で見かけた栽培品のニッコウキスゲでした。

<補注> 掲載当初のタイトルは単純にニッコウキスゲでした。トビシマカンゾウの収録にあたり、比較のためにニッコウキスゲを持ち出し、それを機会にこちらも標準和名優先の表示に変更します。(2020年7月12日

2006年のきょうベニバナ> 2005年のきょうマツバギク> 2004年のきょうサルスベリ

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6月17日(日) ワラビ

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志木に暮らしていて蕨採りが会話に登場することはまずなくても、少し地方に出かけると、この時期の旬のレジャー話題です。
先日は1回に20キロ採ったという人から話を聞きました。それって、あのバーベルのシャフト1本の重さです。そんな荷物を担いで山のなかを歩き回るのですから、なかなかに体力勝負の趣味・遊びではあります。
さすがにそれだけの量を採る人は珍しいとしても、それでもたくさんの人が山に入ります。つい、乱獲を心配してしまいます。ところが蕨というのは摘む(注2)とよく育つそうで、蕨がエライのか人が賢いのか、うまくできているものです。

<補注1> 葉の造形美はこちら、草紅葉の様子はこちらです。
<補注2> ワラビは手で摘むとよく殖え、刃物で刈ると切り口が修復せず殖えないので、もし山菜採りをするときは注意しないといけません。また、山菜の双璧と言うべきゼンマイは雄ゼンマイ(胞子葉)を残すのがルールです。

2006年のきょうローズゼラニウム> 2005年のきょうカツラ> 2004年のきょうシロタエギク

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番外編 : 3コマ漫画

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薄目でジロリと睨まれてしまいました。迫力あるなあ、もぉ。ノラにしておくのがもったいないや。ウチに来て番猫でもやりますか。
あの~、横を通らしていただいてよろしゅうございましょうか。
(猫)アァン、まさか手ぶらで通り過ぎようなんてケチなこと考えてんじゃないだろうな、ン?

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一難去ってまた一難。どうやら、きょうは通せんぼに出会う日なのでしょう。でも、これなら通行料を徴収されることもなく、怖い思いもせずに通過できます。
しかし、持ち上げた手には意外にどっしりした手ごたえが返ってきました。開花=花弁の生長=質量の増加という基本の確認です。

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どぉもどう~もぉ。いつもお世話になっておりましてェ~。
いえいえ、こちらこそォ、いつもご厄介をおかけしておりますゥ。
あ、そんな深々と恐れ入ります。どうぞお手をお上げになって。
いえいえあなたこそ。
と言い合っているうちにギックリ腰になってしまった二人です。

<補注> 3枚目のカシワバアジサイは一重ではなく「ヤエカシワバアジサイ」だったので、見やすく拡大可能にしました。(2020年6月11日

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6月16日(土) フウリンソウ(カンパニュラ・メディウム)

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ついに紫の4連発です。ただ、きょうはグッと庭園風です。さまざまな色や変わり咲きも多いカンパニュラのうち、一番シンプルと思われるものを写しました。
和名は風鈴草(または釣鐘草)であっても、よほどの強風にあおられないと、風鈴はこんなに横やら上やらは向かないだろうと苦笑いです。
西洋の鐘には上向きに鳴らすものもあったはずで、あのイメージでしょうか。そう言えば、自分が小学生のときは用務員さんがこんな形の鐘を鳴らしながら廊下を歩いていた記憶があるようなないような…。幻影でしょうか。

<補注> 来歴など勉強し直して再掲しました。(2021年5月23日

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6月15日(金) ムラサキウマゴヤシ

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マメ科の紫色の花が三日連続になりました。きょうの花は、色こそ違ってもその作りがゲンゲを思わせます。
ふつうのウマゴヤシ(未収録)と同様、かつては牛馬の飼料として有用だったようです。しかし、「栄養価は高くても、牛はさほど好まない」という笑える記述をWikipediaで見つけました。牛さんも贅沢なものです。
もっと驚いたのは、この草の幼苗があの「アルファルファ」だったことです。知らずにいっときよく食べたのに、最近はとんと目にしません。ブームの波は怖いものです。

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6月14日(木) ナンテンハギ

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きのうのナヨクサフジとよく似た花です。ただ、花のつき具合はグッと控えめで、全体の姿はこちらがややスッキリしています。
あちらが藤ならこちらは萩を名乗ります。ハギと名のつくものを自分でメモしていて、これがじつに29種類目です。まだまだ入り口のはずで、どこまで奥が深いやら…。
ふつうの萩はマメ科ハギ属が多いのに対し、これは同科ソラマメ属、つまりあの空豆の仲間だというから少し驚きます。秋にはたしかにプックリした実をつける(注)ようでも、お味の想像がつきません。

<補注> 秋になって豆が稔りました。(2016年10月3日

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6月13日(水) ナヨクサフジ

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広い畑が一面に紫色に染まっていました。河原を占領しているのを見かけたことはあっても、ここの場合は意図的に植えたようです。
絹さやみたいな形の豆をつけることは覚えてはいても、食べるものではなかったはず…。遠くで農作業をしているオジサンを見つけたので、話を聞いてみました。
「食用ですかァ」「いんや、土が飛ばねえようにさ」、「クサフジですよね、これ」「…、…、オーストラリアからさ~」。この辺の農家も、いまや国際化しています。

<タイトル訂正> クサフジとしていたタイトルをナヨクサフジに訂正します。クサフジなら在来種なのに対し、植えた人が「オーストラリア」とおっしゃっていたし、花の形がクサフジよりスマート(花筒が長め)でした。(2007年6月)
<追録> クサフジとナヨクサフジの見分けの一つ、花のお尻を確認します。
ナヨクサフジ(右)の場合、花のお尻が花柄付け根よりも後ろに突き出ています。クサフジ(左)のそこは花後端から花柄が飛び出す感じです。(2023年4月)
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6月12日(火) オオマツヨイグサ

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月のない真っ暗な闇のなか、あてずっぽうで撮ったわりにはきれいに写りました。
指がまるで萎れた花を示しているように見えても、本当は花の寸法と比べたかったのです。ちょっとズレたのはご愛敬で、ワタシの人差し指が8㎝あるので、花の直径もだいたいそれぐらいでしょう。
日没前、近所の空き地にこれがたくさん生えているのを見つけ、花が開いたと思われる8時過ぎにイソイソと出向きました。晩酌を遅らせてでも撮りたかった一枚です。

< ほかのマツヨイグサ類 > ☆ マツヨイグサ ☆ メマツヨイグサ ☆ アレチマツヨイグサ ☆ コマツヨイグサ ☆ ヒナマツヨイグサ

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6月11日(月) キンギンボク(ヒョウタンボク)

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口に入れてみなくて命拾いでした。帰宅後に調べたら、キンギンボク(ヒョウタンボク)の実はかなりの危険物でした。いかにもおいしそうな顔をしているのに、別名にはヨメコロシなんていう恐ろしい名前も見えます。
スイカズラ類に特有の2個合着した実の形がそのまま別名になっています。
よく似た仲間にハナヒョウタンボクがあります。あちらの木は枝垂れ気味なのに対し、こちらは上向き方向に実をつけます。これら以外にも仲間はまだあり、正確な見分けは先のことになりそうです。

<補注> キンギンボクの名前由来である金色銀色セットの花はこちら、生息環境の多様さについてはこちらです。
<追録1> 目の前全部が真っ赤になったり、緑から赤までの変化が見られたり、キンギンボクの実に魅せられた日でした。(撮影:2018年6月7日)
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<追録2> ハナヒョウタンボクとの見分けポイントの一つである葉(↓)です。先端に小さな尖りがあるとは言え、全体の形は小判型です。これに比べると、ハナヒョウタンボクの葉はスマートで、先端にはのびがあります。
また、キンギンボクの葉裏はハナヒョウタンボクよりも毛深くて、葉脈上の毛など肉眼でもよく見えます。(撮影:2018年11月24日)
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6月10日(日) オニノヤガラ

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鬼が空から放った矢が地面にグサリッ…。藪のなかにこれを見つけると、まさしくそんな感じがします。オニノヤガラ、浪漫のある名です。
長さは人が打ち放つ矢と同じくらいでも、なにせ太さがあります。特に、矢羽にあたる花は不気味と豪華が渾然一体となった迫力です。
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この花、真んなかにある唇弁でわかるように蘭の仲間(ラン科)です。全体の姿は、先月載せたヤセウツボの親分みたいに見えはしても、あちらが寄生植物なのに対しこちらは腐生植物で、まったく別の生き方です。

<補注1> オニノヤガラの品種であるアオテンマを収録しました。(2010年6月13日
<補注2> オニノヤガラ、二度目の掲載は豪華林立版です。(2019年6月14日

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6月9日(土) ノリウツギ

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ウツギを三日連続で並べました。きょうの空木は頭に「糊」がついて、それは樹皮から糊が取れることにちなみます。
きのうの「卯の花」系とは属が違い、アジサイの仲間です…という説明がほとんど蛇足と思えるほど、花がいかにもアジサイの顔です。ただ、花穂がカシワバアジサイほどではなくても縦にのびるので、感じが少し違います。
ふつうに見るアジサイとさらにハッキリ違うのは、赤くて長い葉柄です。大振りで細長い葉とこの葉柄は、ノリウツギの大切な見分けポイントです。

<補注> 冬枯れの姿はこちら、大木の夏の様子はこちらです。

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番外編 : 日本一高価(たぶん)なトマト

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頭上を這い廻るトマトを、立ったままで撮りました。実や茎を支えるステンレスパイプは棚、背景を横に走るのは天井の蛍光照明です。
ここは東京・大手町のビルの地下室です。地代を考えたら、トマト1個がいくらにつくのか想像もできません。失敬してお味見なんて、とてもとても…。
試食用にサラダ菜をいただきました。ふむ、ごくごくふつうの味でした。

<補注> ふつうのトマト(の花と若い実)を収録しました。(2019年6月26日

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6月8日(金) シロバナヤエウツギ

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まだ「売り出し中」のきのうのマギシエンと違い、きょうのウツギは少し正統派と言っていい素性のようです。
花びら一枚のサイズはふつうのウツギと大差なくとも、八重である分の嵩があるので、花は大きく見えます。
この花の一番外側がピンクに染まるとサラサウツギで、木や花の姿形はよく似ています。空木と名のつくものは属違い・科違いで各種あるなかで、ウツギとシロバナヤエウツギ、それにサラサウツギは、まさに三兄弟と言える関係(注)です。

<補注> 3種の関連性を学名から見ると、シロバナとサラサはウツギの品種であることがわかります。
☆ ウツギ : Deutzia crenata
☆ シロバナヤエウツギ : D. crenata f. candidissima
☆ サラサウツギ : D. crenata f. plena

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6月7日(木) ウツギ・マギシエン

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背丈ほどの木がこのようにピンクに彩られていますから、かなり派手な眺めです。
花だけ見るとバラ科に思えたりしても、葉はどうにもウツギの雰囲気です。試しにウツギから調べたら、すぐに正体は判明しました。
問題はこの木の呼び方です。和名はまだ紅花梅花空木と赤花空木の綱引き状態のようです。品種名の Maggicienも、マジシャンと読む人がいて揺れていて、ここではローマ字読みの慣例でマギシエンとしました。

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6月6日(水) シロバナサギゴケ(サギゴケ)

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分類的にはムラサキサギゴケの品種(Mazus miquelii f. albiflorus)という扱いです。ただ、命名した牧野博士は「こちら(白花品)が本来のサギゴケ(鷺苔)」と言っていて、学名的に別家扱いした方がじつは本家だというわけです。
ところが、一般に野道で見つける確率は圧倒的に紫花の方(牧野博士もそちらを「普通品」としている)なので、本来のサギゴケであるこちらはあえてシロバナサギゴケ(標準和名)と面倒くさく呼ばれることになりました。

<補注> この記事から7年後、増補版(本文1行目リンク先)ではなくこちら(ブログ)にも「普通品」を掲載しました。なお、ここで「普通」を漢字表記しているのは、博士の用字に従っています。(2013年5月3日

2006年のきょうシモツケ> 2005年のきょうホタルブクロ> 2004年のきょうサンゴジュ

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6月5日(火) セイヨウムラサキ(ムラサキを訂正)

<タイトル訂正> 下欄補注で疑ったとおり、この写真の一品はセイヨウムラサキでした。下の記事はこれをムラサキと思い込んでいたときのもので、とても不都合ながら、これも自分の歴史ということで元のままにしておきます。(2019年6月8日
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「江戸むらさき」と書けば桃屋の佃煮になってしまうのに対し、「江戸紫」と漢字にすれば、これは歌舞伎・助六の鉢巻の色(青紫)のことです。そして、あの色を染め上げる材料がこのムラサキなのでした。
…という能書きを知って不思議に思うのは、この円(つぶ)らな花の白さです。秋には同じように小さな丸い実がついて、それも真っ白です。
さてもどういうわけじゃいなぁ、と歌舞伎風に首をかしげたら、染料をとるのは「紫根」と呼ばれる根の部分で、ムラサキの地上部は紫とは無縁というワケでした。

<補注> 在来のムラサキと区別しにくいものにセイヨウムラサキがあり、写真のものはもしかしたらそちらかもしれません。見分けがよくわからないので、この記事のタイトルは暫定としておきます。(2013年6月)

2006年のきょうカラタネオガタマ> 2005年のきょうスイセンノウ> 2004年のきょうナツシロギク

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6月4日(月) ムギワラギク

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懐かしい花に出会いました。子供のころ、お小遣いで種を買って育てた花です。
そのときは「帝王貝細工」という重厚な名前だったことを覚えているのに、このごろはムギワラギクと呼ぶようです。似た感じで貝細工という花が別属にあり(未収録)、それとの混乱を避けるためでしょう。
たしかに、麦わらを色づけした細工物を彷彿とさせる質感ではあります。自分で育てたころの花は直径が3㎝くらいだった記憶があるのに、ときの流れはその花をふたまわりほども大型にしていました。

2006年のきょうイイギリ> 2005年のきょうサルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)> 2004年のきょうアメリカノウゼンカズラ

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6月3日(日) タチバナ

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冬に小ぶりな実をつけていたタチバナ(橘)の木です。花の時期にうまく出会うことができました。(花弁数について補注参照)
花の構造はほかの柑橘類と同じに見えても、とりわけ潔い感じです。勝手なイメージながら、橘という名前の持つ緊張感とピッタリの姿です。
温州みかん以上のサイズの柑橘類は、どうもワタシには「どれがどれやら」とは言え、まずは実が小さくてわかりやすい金柑と橘だけ、実と花を関連付けることができました。牛にも笑われる歩みであっても、まあ焦らずに…。

<補注> タチバナの花は5弁のはずとのコメント(↓)をいただき、この写真の不適切さ(6弁)に気づきました。コメント返信にも記したように、正しい写真に差し替えようとも思いながら、あえて自分への戒めとしてこの記事は改訂しないでおきます。
なお、正しい花弁数の写真は3年後に収録しました。(2010年5月22日

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6月2日(土) ソヨゴ

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こういうブログをやっていて草木の好き嫌いを言うのはアンフェアというか良くない態度だなと思いながら、好きなものにはつい肩入れをしてしまいます。
ソヨゴにお熱なのは、たぶんその名前の音が原因でしょう。そしてそれを冬青と書くのも好きだし、加えて容姿の美しさに惹かれます。
名前どおり冬でも青い葉を従えて赤い実が揺れるのはとても心楽しいものです。その実を結ぶための花(注)も、なんとも愛嬌に満ちた可憐な姿でした。

<補注1> ソヨゴは雌雄異株で、この写真は雄株(雄花)です。記事掲載時にはそこがわかっておらず、文章の最後部分が紛らわしい表現になっています。
恥ずかしい過去を一掃すべく、雌花の写真を掲載しました。(2014年6月2日
<補注2> 雄株と雌株の開花写真を一緒に取り上げました。(2021年5月22日

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6月1日(金) ムシトリナデシコ

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ムシトリナデシコの名誉回復画像です。去年の掲載は6月12日で花の盛りを少し過ぎていました。満開だとこんなに賑やかに花笠祭り状態です。
その花笠についた糸屑みたいなものは、花の順番を示した矢印です。外側の花が新しくて雄シベは無色、中央が古くて葯は消えています。
名前の元である虫取り機能は、満開のときはその力があまり強くなく感じます。花が乏しくなるとガードを固めるとは、なかなか頭脳的・効率的な仕掛けです。

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