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5月31日(木) サイカチ

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唐突に風景写真の登場です。しかし、ブログ内容の変更ではありません。
サイカチの巨木で、あまりにもすばらしい光景だったので、見たまんま、感じたまんまの写真を載せてみました。木の下に止めたワタシの愛車(26インチ・ママチャリ号)がまるで幼児用自転車です。
しかし、なぜ急に巨木鑑賞ブログになったのかと言うと、じつはこの木がいま花盛りなのです。木陰に佇むと、小さな蜂の羽音に包まれ、肩には花が降り、足もとは折り敷かれた花のカーペットです。
…という話できょうの日記は終わるつもりだったのに、せっかく満開の花を出さないのも心残りです。いつもの一記事・写真一枚ルールを破り、きょうは一挙三枚掲載と欲張ってみる(注)ことにしました。
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まずは去年も増補版(HP)に載せている雄花です。虫をワンワンと集め寄せ、アラレのように降り落ちるのはこの花です。
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対して、こちらはニュッとのびた雌シベが逞しい雌花です。去年、実をつけた姿を見たのがこの木でした。上の雄花をつけた木とこの木は川をはさんで、まるで牽牛と織姫のように向かい合っています。
サイカチは雌雄同株と図鑑にはあるわりに、一つの木にはどちらかの花しか咲かないように思えます。まだまだ観察不足で、軽々しいことは言えなくても、どの木にも実がぶら下がるわけではないし、別の年には変化してしまうのかもまだつかめません。この大木たちを見習って、じっくりと学び続けてみることにします。

<補注> 当時はまだココログベーシックだったため、残り容量キープのためケチな自主規制をしていました。ココログプラスに切り替えたいまはけっこう気楽に複数枚写真を載せています。(2017年5月31日)

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5月30日(水) ムギセンノウ(ムギナデシコ)

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こういうブログを書き始めてから、好きなように呼べなくなった草木が幾つかあって、このムギセンノウはそのひとつです。
前はムギナデシコと呼んで、姿だけでなくその名のかわいさも気に入っていました。しかし、本名は仙翁の方で、フランネル草が酔仙翁であるのと同じです。
ただ、ワタシのポンコツ記憶装置にもまだ空き容量はあって、ダブル名前くらいは覚えていられます。主題は麦仙翁にしておいても、気持ちでは副題が優先です。

<補注1> 根生葉に気づきました。(2020年2月19日
<補注2> 白花種を見つけました。(2020年5月31日
<補注3> 実と種を見つめてみました。(2021年5月27日

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5月29日(火) ハナミョウガ

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紅白模様の見栄えのする花は、ランの種類かと思うほどです。しかし、その正体は生姜の仲間で、栽培品種ではなく野山の花です。
ミョウガの名前を借りたのは、茎や葉の形に由来するそうで、たしかに似ています。本家の花(注1)はあまり冴えないので、借主の方が「花」を名乗ってしまいました。
そう言えば、ミョウガの掲載を忘れていました。こういう順逆になることがよくあって、まだまだ修行不足です。どこかにミョウガがなかったか、捜索開始です。

<補注1> 2カ月後、ミョウガの花を撮ることができました。(2007年7月23日
<補注2> ハナミョウガの実が真っ赤になりました。(2015年12月4日
<追録> 花穂が立ち上がってきていました。(撮影:2023年4月20日)
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5月28日(月) オオバオオヤマレンゲ

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ホオノキの花をひっくり返したみたいに見えはしても、これが自然の姿です。直径10㎝ほどの純白の花が遠慮がちに開いていました。
蓮華と名のつくとおり、たっぷりした花びらはハスの花を思わせないでもありません。願わくは、蓮華のように天に向かって開けばもっとステキなことでしょう。
陽光燦々の日だったのに、花が逆光になるので困りました。しゃがんでみたり、ヨガのポーズのように斜めになったり、さんざん苦労したあげくがこの程度です。

<補注> 掲載当初はこれを単にオオヤマレンゲとしていました。しかし、雄シベの色がこれだけ赤いことから、オオバオオヤマレンゲに訂正します。(2009年6月)

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5月27日(日) ヤグルマソウ

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このブログや増補版(HP)を始めたころ、自分は矢車菊を矢車草と呼んでいたなぁ…と思い出し、一人で照れてしまいました。
色とりどりな「菊」の花に比べると、「草」の方はくすんだ白です。シックな野草類のなかでもとりわけ地味に見えます。
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たたずまいが泡盛草に似ていると思ったら、ユキノシタ科の仲間同士でした。意図したわけではないのに、今月はユキノシタスノーキャップツボサンゴと続いたあとのヤグルマソウで、なんだかユキノシタ科大会になってしまいました。

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5月26日(土) ネメシア

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去年、自分で育ててみて、とても良く咲いてくれたし、管理も楽だったので、2年続けて玄関前に植えてみました。
しかし、ネメシアというのはとても記憶に馴染みにくい名前です。苗を買うとき、もう一度頭にすり込み直しが必要でした。和名にはウンランモドキという無理やりなものがあるようでも、それではますます自分が混乱しそうです。
金魚草と同じゴマノハグサ科で、ネメシアには金魚の意味があると聞くと、さらに混乱は深まります。
などという名前への苦情を脇に置けば、花の姿は面白いし、花つきもよく、風変わりなわりには育てやすい部類です。また後ろ姿にも特徴があり、タスキ掛けしたように見える萼が愛嬌に富んでいます。

<補注1> ネメシアには冬にも咲き続ける宿根タイプ(直立性匍匐性)があります。
<補注2> ネメシア・ケイランサスを収録しました。(2023年5月2日)

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5月25日(金) オオムラサキツユクサ

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後方に写っているふつうのムラサキツユクサは脇役で、この写真の主役は白い花の方です。同じ種類で赤紫の花もこのごろよく見かけるようになりました。
これらの花は従来の紫のそれと比べ、やや大柄です。ただ草丈はムラサキツユクサより低めで、「オオ」ムラサキツユクサの名は花のサイズを指しているようです。
もちろん、大柄とは言っても花の寸法は不確かなもので、それに比べ、同じく相対的ではありながら、葉の幅の違いの方がより明確な区別点(オオムラサキツユクサがムラサキツユクサの倍ほど広い)のようです。

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5月24日(木) ブラシノキ

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3年前の夏、返り咲きの姿を載せてはいたものの、まともな時期のちゃんとした写真は「増補版」にもないので、ここで掲載し直しです。
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いかにも即物的な名前ではあっても、文句のつけようがないピッタリ名前です。この赤いブラシの正体は雄シベで、雌シベはそのなかに埋もれているはずです。
というのは、花後のブラシの柄には丸い虫こぶのような実がたくさん並ぶからです。毎年の花は、この実の列の先へ先へとつながって咲くので、蛸の足の干物みたいな枝は毎年ズンズンと長くのびていくばかりです。

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前言撤回編 : ユキノシタ

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先週木曜のユキノシタの記事を訂正します。
名前由来のうち、「花が雪のようで、葉が埋もれるから」という説を否定したような記述をした部分は、ワタシの観察経験の不足でしかありませんでした。
このような花盛りの場面に出会ったなら、降りしきる雪とか舞い狂う吹雪を思い重ねてもなんの不思議もありません。

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5月23日(水) コマツヨイグサ

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河川敷の荒地で、シロツメクサと仲良く暮らしているコマツヨイグサです。丈夫な性質のようで、花壇の隙間やグランドの隅などへ逞しく進出しています。
マツヨイグサと言えば夜に咲く花の代表なのに、このコマツヨイグサは昼型です。匍匐性の茎と併せ、やや変わり種と言えます。
葉形は切れ込みの深いもの(注1)からほぼ全縁型まであり、縁がやや波打ち、両面が毛深いことが共通の性質です。毛は茎や実でも深く、いかにも獰猛な姿です。

<補注1> 葉に切れ込みを持つタイプを収録しました。(2012年8月27日
<補注2> コマツヨイグサよりも背の低い仲間にヒナマツヨイグサがあります。(2018年6月21日
<補注3> 寒さにもけっこう強いようです。(2020年12月20日
<補注4> 根生葉は株が切れ込みありタイプで上部がなしタイプでした。(2024年3月11日

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5月22日(火) ノースポールギク(クリサンセマム・パルドサム)

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4月・5月が開花のピークとは言え、暮れのうちから寒風にもめげず咲き始めていました。梅雨どきまで半年ほども楽しめます。加えて、こぼれ種で毎年殖える元気者なので、広い花壇などをカバーするには最適の経済派です。
春菊に似た刻みの深い葉をびっしりつけます。ただし背丈は春菊とは大違いで、せいぜい20cmほどのコンパクトさが特徴です。
丈夫で育てやすい一方で、暖かくなるとアブラムシに苦労します。肥料をやり過ぎると虫がつきやすいそうで、過保護がいけないのはどの世界も同じです。

<追録> 上の写真ほどには花茎が長くならないうちは、まさにカーペット(絨毯というより緞通)を思わせる眺めです。(撮影:2020年4月6日)
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<補注> 花壇の基本的な花なのに、知らないことがありました。(2021年4月25日

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5月21日(月) クスノキ

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常緑の木にも萌えの季節は訪れます。クスノキは、木によって若葉の色が赤や緑や黄色など微妙な色みを帯びて美しいものです。
そんな若葉も色を濃く変えはじめると、次は花の季節です。鮮やかに目立つ若葉と比べると、小さく(径5㎜ほど)て地味な色の花はあまり人目を惹きません。
これが秋になると、黒紫色に輝く丸い実がバラバラと落ちてきて、若葉の萌えのときに劣らず、また賑やかです。そんな春秋の派手さ加減を恥じるように、いまの季節の花はちょいと引っ込み思案の感じです。

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5月20日(日) カルケオラリア

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こういう花の形がなぜ必要なのか、つくづく不思議で、自分で育ててみました。
興味はただ一点、この袋に雨は入るか、入ったらどうなるか、ということでした。答えは単純で、「入り、溜まり、袋は垂れ」ました。まるで自分で渇水対策しているように、「雨袋」がぶら下がります。
しかし、袋は案外早く乾くので、自前貯水システムの可能性は低そうです。もしかしたら、水を求めてやってくる虫向けの「おいしい餌」かもしれません。

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5月19日(土) ツボサンゴ(ヒューケラ)

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ユキノシタ科メンバーが3種続きます。きのうのスノーキャップはやや小さすぎたので、サイズ的にはこちらがよりユキノシタ正統派です。
花の形は大きく違っても、葉の面積や生え方、そこから花茎が飛び出す高さなどはほとんどユキノシタとよく似たつくりです。葉を陽に当て過ぎると緑になるのが要注意ながら、本来の深い赤茶色は味があります。
そんな理由で、素人目にはこちらこそユキノシタの直系に見えるのに、分類的には属違い(ユキノシタ属VSヒューケラ属)でした。最近は、壷珊瑚という古風な名前は忘れられ、属名のままのヒューケラで花壇に植え込まれることが多いようです。

<補注1> 花がもっとささやかなヒューケラを載せました。(2007年7月21日
<補注2> 名前がややこしい別種がありました。(2022年6月23日
<補注3> ヒューケラの園芸種をまとめて掲載しました。(2024年5月8日

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5月18日(金) スノーキャップ(サキシフラガ・スノーキャップ)

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きのうのユキノシタと同じ仲間(同属)だと言われても、どうもスルッとは飲み込めないのが本当のところです。
ユキノシタ科にはアジサイやウツギなどいろんな「属」があるなかで、これはSaxifraga(ユキノシタ属)と分類されて、ユキノシタとは本当の直系です。含蓄に富む「雪の下」に比べ、「雪の帽子」とは生硬に過ぎる名前です。
ジッと見ていたら、ヨウシュクモマグサに似ています。あれもユキノシタ属で、厚ぼったい葉が根もとに重なり、そこから花茎が飛び出すスタイルは三者共通です。

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5月17日(木) ユキノシタ

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わりと雑草っぽく、家と家の間の日陰などで見かけます。放っておいても匍匐茎をどんどんのばし、あっと言う間に厚ぼったい葉で地面を覆い尽くします。
子供のころ、怪我をするとこの葉を揉んで貼り付けられた記憶があります。もっとも、大人になってからは天ぷらで楽しむばかりです。
満開の花が雪のように葉を埋めるからという名前由来説がありはしても、そこまで花つきが豪華とは思えません。雪の下でも平気という従来説が無難なようです。

<補注> この記事のすぐあと、上記の批判(花つきはそれほどでもない)は見事に覆されました。(2007年5月23日

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5月16日(水) ヒメヒオウギ

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いつも同じ場所に咲くのに、去年までは正体を見破ることができませんでした。三年越しに身元が判明したので、かなり気分爽快です。
手がかりは葉のつくりでした。主脈のない細い葉は、アヤメとよく似ています。さらに花の形は、同じアヤメ科のヒオウギのそれを思い起こさせます。
花びらの6枚すべてにポツポツとゴマ斑が入るヒオウギに対し、こちらの姫様は下側3枚だけの付け根が色濃くなります。つまり3弁プラス3弁の構造なので、アヤメのそれに近いことがわかります。

<補注> 7月には種がこぼれていました。(2021年7月30日)←赤花種以外に白花種もあります。

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5月15日(火) キツネアザミ

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季語だと「薊」は春になっていて、それはたぶんノアザミのことなのでしょう。アザミの仲間はたくさんあって、その大半は春ではなく夏から秋が開花期です。
…と思っていたら、近所の空き地でこんな花を見つけました。小指の先ほどの大きさではあっても、いかにもアザミっぽい色と形をしています。
ところが、葉を見るとアザミ類に共通のあの棘がありません。優しい色と感触で、裏には柔らかな毛まであります。
なんだか狐につままれたようでした。ははあ、その名もキツネアザミ(キク科キツネアザミ属=アザミ属とは別)とは…、恐れ入りました。

<補注1> キツネアザミが大きな群落を作っていました。(2015年5月16日
<補注> 秋に発芽して冬を越した根生葉を収録しました。(2023年4月10日

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5月14日(月) ヤセウツボ

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緑の色みがまったくない植物というのはとても異様な雰囲気です。光合成ができないのだから、生命感がないのは当然でしょう。
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それなのに生きていけるのは他人から生活の糧を略取しているからです。この写真の場合はムラサキツメクサがその被害にあっています。
そんな悪漢なので、獰猛な食性をもつ海のウツボにたとえたのかと思ったら、それはどうも見当違いのようでした。夏に咲くウツボグサの花後の穂を貧相にすると、なるほど感じが似ています。

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5月13日(日) サワフタギ

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一粒で二度おいしいという言葉がピッタリのサワフタギです。
秋の実は、青(濃紺)という少数派の色が面白く、しかもそれがかなり密につくものだから、とても見ごたえがあります。それから半年、その実の元になる純白の花は、当然ながらびっしりと咲いていました。
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まだ小さい木なので、やや名前負け状態ながら、それでも立派に沢の「一部」は塞(ふさ)いでいました。見上げる形でしか写せなかったこれまでと違って上から写せたので、念願が叶った一枚です。

<補注1> これぞサワフタギという開花を見ました。(2021年5月20日
<補注2> さらに見事な開花に出会いました。(2023年4月23日

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5月12日(土) アメリカフウロ

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おや、こんな場所にゲンノショウコが…と糠喜びすることの多いアメリカフウロです。花の形だけでなく、神輿型の実まで、二つはよく似た感じです。
しかし、同じフウロソウ科であってもこちらは昭和になっての帰化植物です。間違えてはゲンノショウコが気を悪くしてしまいます。
両者の決定的な違いは葉の形で、切れ込みが深く広い(葉が細い)アメリカフウロに対し、ゲンノショウコの葉にはあまり隙間がありません。また、ゲンノショウコの花は梅雨のあとでないと咲き出さないようです。

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番外編 : カラスの赤ちゃん

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カラスは頭がいいから、なつくんだって…とヨメさんはかなりご執心のようでした。しかし、そんなものを飼ったら近所迷惑でしょうよ。
小さな藪のなかで、巣から落ちたのか、大きな声でお母さんを呼んでいました。親に見つかればこちらがツツかれます。早々に退散しました。

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5月11日(金) ナニワイバラ

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純白の大きな一重の花(直径6㎝ほど)はまさに単純明快、スッキリそのものの美しさです。まるでタカラヅカの美人さんがTシャツ姿で歩いているみたいです。
あまたあるバラのなかでもかなりの基本種で、江戸時代には栽培されていたといいます。日本型のオールドローズというところでしょう。
四国や九州の山に自生する(牧野図鑑)というのに、中国からの渡来品を難波の植木屋さんが広めたのでこんな呼び名になったようです。漢名は「金櫻子」で、これはこのバラの実を生薬としたときの名でもあります。

<補注> この生け垣の枝振りが充実した姿を再掲しました。(2014年4月28日

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5月10日(木) ウスバサイシン

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花はカンアオイ類とそっくり(こちらの筒には横縞なし)ではあっても、葉の感じがかなりはっきりと違います。名前どおり薄いということもあるし、カンアオイ類と比べるととても青々として新鮮です。
それもそのはずで、越年するので葉が傷みやすいカンアオイに比べ、こちらはこの春に芽吹いた若葉でした。
同じウマノスズクサ科の仲間なのに、こういう仕組みがまるで違うことが不思議です。稀少種なので、細くて辛い(サイシン)という根を確認するわけにはいきません。

<追録> 別の場所で見たウスバサイシンです。(撮影:2008年4月25日・山形市)
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番外編 : 日光写真

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印画紙の上に種紙を載せ、それをお陽さまにかざしておくと、あーら不思議、アトムの絵が浮き上がって…そんな日光写真を楽しんだのは小学生のときでした。お天気だよりのノンキな話でも、妙にワクワクする「ハイテク」遊びでした。
そんな遠い記憶を呼び戻す孟宗竹の若い節です。剥けたばかりの皮の斑が竹の肌にプリントされているなんて、いままで気づきませんでした。そう言えば、日光写真の絵柄も、遊んでいるうちじきに消えてなくなったものでした。

<補注> 竹の急激な生長力は枝にも見られます。(2022年6月6日

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5月9日(水) オオアブラギリ(シナアブラギリ)

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「木と同じ」と書くと桐になるように、キリは本来は草なのだという記述を先日の日経新聞で見かけました。たしかにゴマノハグサ科なので、そうも考えられます。
そういう見方からすると、このアブラギリ類はトウダイグサ科です。まあ、草だと言われても困るほど高いところに花をつけてくれますけれど…。
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アブラギリ属にはいくつか種類があり、葉と花の形からすると、これはオオアブラギリのようです。実から印刷用などの油を採取する目的で植えられたそうで実用一点張りかと思えば、花(注1)は大きくてとてもきれいです。

<補注1> オオアブラギリは雌雄同株の雌雄異花で、手に持った花は雄花です。なお、花びらは5~10枚とやや「気まま」です。
<補注2> 実の様子を載せました。(2007年9月23日
<補注3> オオアブラギリと比べると、アブラギリの花はやや小さめでした。(2023年6月16日

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5月8日(火) ヒイラギソウ

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木陰が好きな花は、どうにも写真にしにくくて困ります。見つけた本人の目には、ものすごく明るく輝いて映っていたのですけれど…。
いや、愚痴はさておいて、この草の名前がわかったときはかなりの膝ポンでした。本物のようにチクチクはしなくても、ギザギザ具合がよく似た雰囲気です。
反面、ちょっと困ったのは仲間のくくり方です。先日のジュウニヒトエの項で、シソ科キランソウ属「トリオ」とまとめたばかりなのに、じつはこのヒイラギソウも同属でした。

<補注> もう少しきれいな写真が撮れました。(2015年4月12日

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5月7日(月) スイートピー

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きょうの写真は気持ちよく「抜け」てはいても、この花を見つけた喜びが落胆に変化する過程はとても悲しく「間抜け」ています。
じつは話の布石は1月に取り上げた「赤いスイートピー」にありました。あの記事を見て、いたく感動したワタシは、この写真の赤いスイートピーを植えたお宅を見つけ、「おお、もう近所にまで植えられている」と喜んだのです。
しかし、どうにも普及が早すぎます。調べたら、赤いスイートピーは元からありました。赤の深さ(や花つきの多寡)の違いだと思うので、あの新聞記事をウソとは言えません。よく知りもせず「赤はない」と思い込んだワタシが間抜けなだけでした。

<追録> 赤は赤でも、色合いがとても面白いもの(↓ 品種名不明)を見つけました。(撮影:2017年5月5日)
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<補注1> スイートピー(Lathyrus odoratus)がマメ科レンリソウ属にほかならない(葉・茎・蔓がそっくり)ことを確認できました。(2021年5月13日
<補注2> レンリソウ属の危険性を知りました。(2023年5月20日

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5月6日(日) トキワサンザシ(ピラカンサ)

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ピラカンサ(注1)の花が咲く季節になりました。近所には垂れ下がるような枝ぶりの大きな木があって、まるで花の滝のような眺めです。
そんな庭木を見ることの多いピラカンサなのに、なんとこれはミニ盆栽仕立です。テーブルの上に物差しを置いてみました。鉢の直径は6㎝少々しかありません。
去年、我が家に到来したときはたった一輪しか咲きませんでした。それはそれで渋い姿で、なにやら利休気分だったものの、やはり花は満開がうれしいものです。

<補注1> 通称はピラカンサ(Pyracantha、ピラカンサ「ス」とするのは間違い)、標準和名はトキワサンザシです。
<補注2> 冬の実を取り上げました。(2011年12月20日
<補注3> 白い壁のような開花状態を収録しました。(2022年5月7日

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5月5日(土) イチハツ

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まだ寒いうちからジャーマンアイリスがボテボテと花を咲かす時代になったので、このイチハツがその名を誇りにくくなりました。
昔は、それこそアヤメ類のなかで「一」番「初」めに咲く栄誉を背負った名前だったと思うと少し不憫です。
もっとも、ご本人は自分の名前や競合相手などまったくどこ吹く風のことでしょう。アヤメ類の一番手はシャガじゃないか、などとネチこく考え込むオジサンをあざ笑うごとく、鶏冠(とさか)のような白いヒダを風に揺らすばかりです。

<補注> この記事より1カ月早く、イチハツの開花をとらえました。(2008年4月2日

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5月4日(金) キモクレン

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朝のお勤めを終えた雲水さんが三人、お堂を退出するのに出会いました。一人ひとりが気持ちのよい挨拶をしてくださいまして、三人目の声は、あれれ、女性でした。青いオツムがひときわきれいです。
朝から縁起がいいぞとほくそ笑んだら、本当にそこのお庭でラッキーが待っていました。
キモクレン、かつて近所のお宅にあったのに、撮影前にあえなく切られ、以来どこでも会えないでいました。まさに仏縁、きっと観音様のお導きでしょう。合掌してパチリ。

<補注> 木蓮類のなかでキモクレンは遅咲きタイプです。この辺での木蓮類の咲き出し順序を記しておきました。(2008年4月18日

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5月3日(木) シュンギク

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春菊の天ぷらが好きで、特にあの立ち喰いソバ屋のガサツな衣をかぶった奴が真っ黒のつゆ(関東ですから)をくぐったりすると、もう辛抱たまりません。
あらら、これではB級グルメブログになってしまいそうなので立て直しましょう。話はその春菊の「花」でした。
やはり花が咲いてしまうのは食材としては不適当らしく、なかなかお目にかかれなかったシーンです。もはや自分で育てるしかないと思っていた矢先、奇特なオーナーさんに救っていただきました。

<補注> 花がさらに咲き進み、葉が野菜の用を足さなくなっている状態を見ました。(2018年6月15日

2006年のきょうムクノキ> 2005年のきょうワスレナグサ> 2004年のきょうカリフォルニアポピー

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5月2日(水) ジュウニヒトエ

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花壇によく使われているセイヨウジュウニヒトエに対し、こちらのジュウニヒトエ(在来種)はそこまで都会派ではありません。お洒落すぎる名前に照れているんじゃないかと心配するほど、地味な佇まいです。
パッと見た印象は、西洋十二単よりもキランソウに近い感じです。もっと茎が縮んで花が青かったら、ほぼそっくりです。
と、名前と見かけの関係でほかの二つにも触れました。これらはみなシソ科キランソウ属仲間(注)です。毛深くて強そうで、なかなかインパクトのあるトリオです。

<補注> シソ科キランソウ属にはまだ仲間がいました。(2007年5月8日

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5月1日(火) チャボタイゲキ(ナツトウダイを訂正)

<タイトル訂正> ナツトウダイだと思っていた(下の記事は当初のまま)この草はチャボタイゲキでした。記事はそのままに、タイトルを訂正しておきます。
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吹く風が熱を帯びていて、もう夏かと思わせるきのうでした。そんな天気に誘われて、ナツトウダイの登場です。
しかし、きょうから5月とはいえ、まだ夏ではないのに、この名前はどうしたこと? いえいえ、別に早咲きを見つけたわけではなく、いまがまさしく盛りです。
なんとまあ、命名者が間違えたのだろう(山渓「野草の名前」)というから笑えます。小さな蟹が玉転がしをしているような花にも頬がゆるむし、「春」の一日をなごませてくれる「夏」トウダイです。

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