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4月30日(月) ゴウダソウ(ルナリア)

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ゴウダソウの花を写すことができました。去年6月に衝撃の出会いをしたあと、青い実が銀色に輝くのを確かめ、待ちに待った開花です。
だがしかし、これは肩透かしでした。なるほど、君はアブラナ科だったのか、と深く頷かざるを得ないその姿は、ダイコンバナと見間違えても仕方ありません。
この落胆にはじつは裏の訳がありました。去年、ちょいと失敬した種をウチで蒔いていたのです。しかし、本葉までは出たものの、その後の育ちが悪く失敗に終わりました。いったいどんな花かと気を持たせられたものですから…。

<補注> ゴウダソウの真冬の姿を収録しました。(2018年1月6日

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番外編 : 田子山富士

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志木市にそびえる富士山の高さは8.5m、頂上には浅間神社が祀られています。江戸から明治にかけて流行った富士講の遺物です。
ブルもクレーンもない時代、工事はさぞや難儀だったことでしょう。さまざまな神社名を刻んだ大きな石の連なりには、異次元にいざなう荘厳さを感じます。

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4月29日(日) サルトリイバラ(サンキライ)

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寒くなると真っ赤な実が美しいサンキライ(注2)です。花の時期には初めて遭遇しました…と本人は思ってはいても、いままでは単にこの地味な色合いの花に気づかなかっただけかもしれません。
ジグザクに走る枝の角ごとに、若葉と一緒に花が開いています。球状に集合した花の塊の直径は3㎝ほどです。
その小さな花のなかに見える白い点々は雄シベ(葯)です。雌雄異株で、残念ながらここにはこれ一本だけでした。早く雌花も見たい(注1)ものです。

<補注1> 雌花の収録は3年後に実現しました。( 2010年4月14日
<補注2> この記事のタイトルはサンキライをメインにしていました。しかし、本来のサンキライはケナシサルトリイバラであることがわかったので、改題(記事は当初のまま)しました。(2012年1月10日

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4月28日(土) カントウタンポポ

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なんだか図鑑・図鑑した写真で少し照れてしまいます。たまにはこんなこともしてみたいお年(歳)ごろです。
西洋タンポポではない在来の蒲公英には、土地の名前を冠したいくつかの種類があるにしても、埼玉・志木の住人としてはまずこれを取り上げねばなりません。
写真の三本線の真んなか位置で外側の総苞片が反り返る西洋に対し、在来のものは軽く開くだけが特徴です。さらに在来のなかでの見分けは中央の線の位置で行い、「関東」はこの線が真んなかよりも下にくるのだそうです。

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4月27日(金) シロバナアケビ

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おや、ハリエンジュがもう咲き出し?と思って近づいたら、おやおやおや?と首がさらに斜めになってしまいました。どう見てもこれはアケビです。
あの淡い紫だからこそアケビの花なのに、わざわざこういう園芸品種を作り出してしまうのだから、ヒマというか執念というか、世のなか平和がなによりです。
写真の株は雄シベが紫(注)なのに、よそのサイトを覗いたら、そこまで白いものがありました。時期のズレかもしれないし、秋の実も楽しみ(白かったりして・笑)だし、今後も観察したいと思います。

<補注> 「雄シベが紫」としたのは観察不足で、これは花粉放出後に枯れて黒くなっているだけだったようです。葯が割れる前の姿を確認しました。(2009年4月8日

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4月26日(木) ルイヨウボタン

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薄暗い林のなかで、緑の花は異様に目立ちました。シックというか渋いというか、周囲に紛れそうな色合いがかえって迫力の風貌です。
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名前もまた風変わりで、耳からこの名を教わっても一発で書き取りできる人は少ないはずです(正解は類葉牡丹)。こんな面白い色の花を無視して、葉の形で命名するとは、渋さが極まります。
しかし、論理的に正確に言うなら「類牡丹葉」ではないかと思うのです…と屁理屈をこねていると、自分でも混乱しそうです。類葉、ルイヨウ、ルイヨウボタン!です。

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4月25日(水) オオバベニガシワ(雌花)

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この時期、あちこちのお庭でこの真っ赤な葉が目立ちます。去年のきょう、この木の名前をマジメに調べ、ここに載せました。
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そのときはタコのような雄花だけの掲載だったので、今回は雌花をとらえました。ハナノキカツラのそれと似て、ピラピラだけで愛想のない姿です。
同じ木に雌花も雄花も両方つきはしても、枝によって雌花だけと雄花だけのものが分かれます(注)。

<補注> 枝によって雌花と雄花が分かれ「やすい」のは事実でも、一枝に雌雄が混在するケースが皆無ではないことがわかりました。(2017年4月15日

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4月24日(火) ヒメウズ

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思い焦がれていた姫様とようやくお会いできました。まわりの人は「どこにでもあるよ」というのに、どうしてもご縁がなかったのです。
どうです、この思い入れ満点の写真!と言いたいところなのに、小指の先ほどもない花をきれいにとらえるにはなんとも腕が不足です。
花びらのように見えるのは例によって萼片で、本当の花びらは中心部に見える薄黄色の部分です。おっと、姫様のベールをそんなに無遠慮に剥いでは失礼です。そっとやさしく見守ってあげましょう。

<補注> 後年、種をつけた様子を写したり、大きな群生に出会ったりしました。

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4月23日(月) ウラシマソウ

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きのうが翁で、きょうが浦島、我ながらでき過ぎの順番です。アレレ、浦島太郎が白髪になるのだから逆ですか?
しかし、この釣り糸ならぬ付属体(カラスビシャクで学習)には感動してしまいます。そしてこれを浦島さんになぞらえたウイットに、思わず頬が緩みます。
分類的にはサトイモ科テンナンショウ属で、この仲間の見分けは「できれば避けて通りたい」ところなのに、なかでこのウラシマソウだけは一目瞭然の姿です。そんなこんなで、浦島さん、大好きです。

<補注> 葉や花が展開する前の姿を収録しました。(2017年4月8日

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4月22日(日) オキナグサ

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こんなきれいな「翁」になれたらいいなあ、と憧れていました。もちろん、その思いはこの渋い色の花に向けられていたのに、それは素人の勝手な誤解でした。翁とされたのは花ではなく、じつは銀色に輝いている花後の綿毛なのです。
070422pu_cernua2しかもヒドイことに、タンポポのように丸い球状となる綿毛の上半分が飛び去り、残った白髪の真んなかで花床がハゲ頭状態になるのを翁に見立てたのだそうです。うーむむ、オキナグサなんて、大嫌いになりました。

<補注> 綿毛ができる前の花と葉の様子をとらえました。(2014年4月5日

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番外編 : 多摩森林科学園

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予報をいい方に裏切ってくれたきのうの天気に誘われて、多摩森林科学園(八王子市・高尾駅)に出かけてみました。
ここの売りは250種・1,700本の桜です。予想外の起伏(ほぼ軽登山)と人出に驚いたものの、春の野山が満喫できた一日でした。写真は、ひと目で惚れてしまった更紗という桜(サトザクラ・園芸品種)です。

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4月21日(土) オーニソガラム

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見渡す限り、と言うのがあながち大袈裟でもなく、白・白・白…。なにやら夢の世界に迷い込んだ気分です。
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そんなオーニソガラムの花畑に臆面もなくしゃがみ込んでみると、今年は新たな発見がありました。雄シベの花糸が、通常の線形ではなく平たい弁状です。
ハタザクラの旗は雄シベが変化したものなのに対し、オーニソガラムの雄シベはそんな変形ではなく、これが元々の姿のようです。黄金に飾られた白い冠に純白のローブをまとったお姫様みたいです。

<補注1> 去年は5月6日にオーニソガラムを載せました。今年はそれより半月ほど早い開花です。
<補注2> これらのオーニソガラムの正確な名前は、オーニソガラム・ウンベラツム(Ornithogalum umbellatum、標準和名オオアマナ)です。
<補注3> オーニソガラムはケープバルブの一員と知り、あわてて芽出しを撮影してみました。(2022年2月5日

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4月20日(金) ヒメフウロ

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古い蕎麦屋の店先にはびこっていました。花壇という気取りではなし、雑草生い繁る荒れ方でもなし、いい感じの自然体のあしらいです。
葉の形はヨモギを思わせても、質は薄くて毛はなく、縁に赤みを帯びます。花には雄性期(真んなかの花)と雌性期があります。
その花は、ゲンノショウコなどと似ていて、いかにもフウロソウ科らしく、ヒメフウロという名がうなずけます。しかし、紛らわしいのは同科のエロディウムもヒメフウロと呼ばれることです。こういう混乱した名づけにはときどき泣かされます。

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4月19日(木) マツバウンラン

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近所の公共花壇の空きスペースに、マツバウンランが進出していました。去年まで、たしかここにはなかったはずで、少しずつ生息範囲を広げています。
小さな花に似合わぬ太い茎がいかにも丈夫そうで、まさにビヨーンという感じです。茎だけ50~60㎝ものびるので、よく目立ちます。
松葉の名前の元になった葉(写真背景部)は、本物ほど細くも長くもないとは言え、マツバギクのそれよりは誇大表示ではありません。花壇の手入れをする人たちも簡単には抜きにくいらしく、かわいらしく風に揺れています。

<補注1> 名前の後半・「ウンラン」には8年後に会えました。(2015年9月5日
<補注2> この草の強さを再確認し、種をナガミヒナゲシと比べてみました。

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4月18日(水) ホオノキ

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冬、ダンボールのように厚くて大きな葉をバサバサと落とし尽くしたホオノキが、今年の若葉を開き始めました。ほかの落葉樹と変わらない繰り返しではあるものの、あの大きな葉を思えば、つい「ご苦労さま」と声をかけたくなってしまいます。
しかし、こんな美しい若葉を見たら、その苦労は十分に報われているとわかります。まるで花のように見える赤いものは、若葉を挟んでいた薄皮(托葉)です。一つの冬芽には幾枚かが仕込まれていて、若葉と交互に開きます。

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4月17日(火) ネギ

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近づいて見ると新種のサボテンのようで、ネギの花も捨てたものではありません。
根深ネギの白いところを食べる文化は箱根から東だそうで、天下の険がネギにも関所になっていたとは意外な思いがします。
ネギに限らず、東西の食文化の違いというのは面白くて、土地土地でつい確かめてしまいます。その境界は、納豆とかうどんつゆなど食べ物それぞれで違い、一つの線など引けません。しかし、ネギのそれはどうやら最も東に位置するようです。

<補注1> 葱坊主を再掲しました。(2020年4月11日
<補注2> 志木の近辺で栽培されている葱はいったいなんという名前の品種なのか、気になり始めました。(2024年2月26日

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4月16日(月) カーネーション

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固定観念というのは怖いもので、地植えにされたカーネーションを見て一瞬キョトンとしてしまいました。
母の日の切花ばかりが印象に強くて、カーネーションに根があることをすっかり忘れていました。魚の絵を描けと言われて切り身を描く子供と一緒です。
こんな間抜けな息子を持った母親が不憫であっても、いまさら花束で慰めても仕方がありません。お仕着せの記念日は気持ち悪くていけないので、来月の第二日曜がくる前に、なにか贈っておくとしましょう。

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番外編 : 幸運に感謝

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2004年のきょう、このブログを立ち上げました。あれから丸3年の月日が経ったなんて、自分で驚くばかりです。
この3年、さしたる問題もなく毎日由無しごとを綴ってこられたのは幸運の一言です。先のことはわからなくても、どこまでできるかを楽しむつもりです。

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4月15日(日) ラショウモンカズラ

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羅生門はいまの京都・東寺のあたりにあったと言います。そこで渡辺綱に切られた鬼の腕がこれです…という意味のネーミングなのでしょう。
そう言われればなんとなく腕に見えます。どうやら肘から切られたらしく、開いて痛々しいのが肘側、萼の側が手指なのでしょう。
ところでその綱くん、やたら強かったようで、鬼童(同)丸や酒呑童子もやっつけました。綱くんが平安の英雄ならば、平成のヒーローはDice-Kあたりですか。

<補注1> 3月の芽吹きを見つけました。(2014年3月18日
<補注2> 2月初めでも若葉の様子は同じようでした。(2016年2月2日

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4月14日(土) ムレスズメ

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草木の名前には、「ちょっとネ」と首を傾げるものがある反面、「なるほど」と膝を打つものも少なくありません。その膝ポンの代表格がこのムレスズメです。
あと1週間もして花つきが良くなると、まさしく名前どおりの姿になります。また、枯れる前の花弁は赤みを帯びて、賑やかさをさらに増します。
…と書いてきて自分で宿題を見つけました。これはマメ科なのでたぶん実をつけるはずなのに、いつも花のあとを見ていませんでした。今年はどうか忘れませんように。

<補注> 豆の姿の収録は6年後でした。(2013年5月13日

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4月13日(金) ムラサキケマン

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ジロボウエンゴサクヤマエンゴサクと似た色形の花をつけます。しかし、都市部からは駆逐されがちなエンゴサクたちに対し、このムラサキケマンは町のちょっとした空き地にも適応して繁殖しています。
セリに似た感じの葉と筋張った茎は春早くから元気よく茂ります。人間と同じで、足腰の丈夫さが強さにつながるようです。
ケマンというのは団扇型の仏具で、この草にはまったく関係ありません。同じケシ科のケマンソウから名前を借りたそう(注)で、そんな冷遇にもめげず元気なものです。

<補注> この説の出典は『野草の名前』(山渓)でした。しかし同書には「同じ属なので」と間違った解説もあり、内容精度は怪しく思えます。
現在の華鬘は金属や革製の団扇型であっても、そもそもは花を糸で綴った装身具だったようで、このムラサキケマンの花序は素朴にそんな花飾りを思わせることからのネーミングと思えます。(2022年4月)

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4月12日(木) プリムラ・マラコイデス

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まるで春霞がたなびくようなプリムラ・マラコイデスの花壇です。
やたら舌を噛みそうな名前ではあっても、オトメザクラとかケショウザクラとかヒメザクラ(ヒメサクラソウ)などという和名・別名にはほとんど会うことがありません。ややこしい学名そのままで、しっかり園芸店の人気者です。
夏の暑さには弱くても、春は早いうちから豪華に花を咲かせます。一株でも十分美しいのに、寄せ植えするケースが多いのは愉快です。この花の海が、たゆたうような春の幸せを感じさせるからではないでしょうか。

<補注> メラコ(プリムラ・メラコ、プリムラ・メラコイデス)という呼び方もあることを知りました。(2015年1月16日

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4月11日(水) イカリソウ

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変な形の花コンテストというのがあったら、かなり上位にランクされそうです。
「怒髪天を衝く」姿に見えるので「怒り草」ではどうかと思ったのに、そんなことを書いている図鑑は皆無です。はた衛門珍説は簡単に取り下げ、ここはセオリーどおり「船の碇(いかり)に見立てた」としましょう。
ただし、碇とは言っても洋式大型船のものをイメージしては碇違いになります。この名は平安初期から文献にあるそうですから、和船のあのシンプルな碇を思い浮かべるのが正解となります。

<このあと収録したイカリソウいろいろ・掲載順> ☆ ピンクのトキワイカリソウ ☆ 色の強いイカリソウ ☆ 白のトキワイカリソウ ☆ 真冬のトキワイカリソウ ☆ バイカイカリソウ ☆ 寒期のイカリソウ ☆ ホザキノイカリソウ ☆ モモイロバイカイカリソウ ☆ キバナイカリソウ ☆ エピメディウム・ペラルデリアヌム ☆ ヒメイカリソウ

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4月10日(火) ジロボウエンゴサク

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先日、「ジロボウエンゴサク」として掲載したのはヤマエンゴサクの間違いでした。きょうのこちらが正しいジロボウエンゴサクです。
二つの見分けポイントは花や葉ではなく苞葉の形でした。
ジロボウの苞葉(写真の白い丸で囲んだ部分)は先の尖った単純な楕円形です。これに対し「ヤマ」の方は櫛型の切れ込みがあります。先日の写真にも同じように丸印を付け加えておきました。

<補注> もう少し花色のいい写真はこちら、ヤマエンゴサクと併載比較した記事はこちら、多年草だったことへの驚きの記録はこちらです。

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4月9日(月) セイヨウジュウニヒトエ(アジュガ・レプタンス)

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ジッと見ていると、自分が虫になって吸い寄せられそうです。美しさとおどろおどろしさが綯い交ぜになった、怪しい魅力を感じます。
似たような姿で花色が白いものは在来のジュウニヒトエで、それと区別するため、こちらの和名には頭に「西洋」がつきます。ただ、ふつうは学名のままアジュガ・レプタンスとか、もっと単純にアジュガと呼ぶことが多いようです。
先日載せたキランソウとはシソ科キランソウ属同士です。ふつうのキランソウが地面を這うのに対し、アジュガは個々の茎が林立状態で殖えます。セイヨウキランソウという別名も持っていて、一面が紫になった景色は見事です。

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4月8日(日) バイモ

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奢侈禁止令(しゃしきんしれい)が出るたび、江戸の商人たちはそれをかいくぐる工夫をした…という話を思い出させる花です。表は地味な生地なのに、裏には贅をこらした着物をあつらえるとかいうあれです。
そんなすてきな裏地が、地面にひれ伏さないと見えないのですから、渋好みも極まれりという風情です。
不思議な音:バイモは貝母とあてます。中国からの渡来種で、名前も中国から拝借しました。貝のように割れた古い球根から新しい球根が出ることに因みます。

<この記事以降に収録したバイモの諸相・掲載順>若葉の芽出し ☆ 花盛り状態 ☆ 実ができた様子 ☆ 葉の秘密

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4月7日(土) ノウルシ

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きのうと同じものを載せたか!?と、あとで焦りそうです。もちろん二つは同じ科なのでトウダイグサと構造は似ていて、比較のために二日続けました。
ノウルシの雰囲気は全体に柔和でふんわりしています。比べると、トウダイグサが造花のように見えてきます。
花の時期はほぼ重なるものの、育つ場所が違うので見分けやすく感じます。比較的乾いた荒地も平気なトウダイグサに比べ、ノウルシは湿潤な地を好みます。

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4月6日(金) トウダイグサ

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トウダイグサ科と言えば、なんと言ってもポインセチアが身近だし有名です。次いでショウジョウソウ(猩々草)あたりは夏の花壇で見かけるとして、科名のもとであるトウダイグサそのものは、少し野歩きをしないと出会えません。
トウダイは、漢字だと「灯台」と当てます。ただ、字は同じでも岬の灯台のことではなくて、昔の室内照明器具のことです。
高い脚の上にお皿をのせ、それに油を注ぎます。すると夜になって大きな猫が現れ、お皿の油をペローリ…あ、脱線です。たしかにこれ、あの道具に似ています。

<補注> トウダイグサを再掲しました。(2016年5月14日

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4月5日(木) キランソウ

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かわいらしい名前に似合わず、見た目は憎々しげです。また、カタカナなら少女漫画の瞳みたいな名前でも、漢字にすると金瘡小草とややこしくなります。
別名が「地獄の釜の蓋」で、これはまたずいぶん恐ろしげな呼び方です。
強壮そのものの風貌にたがわず、全草を干して薬草にします。それで、死にそうな人も助かるからと別名を説明したりはしても、その辺の真偽は不明のようです。あまり詮索せず、面白さだけ楽しんだ方がよさそうです。

<補注> 秋になって、「地獄の釜の蓋」を実感しました。(2008年10月24日

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4月4日(水) アザレア

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アザレアの名前は草木好きなら親しく感じるもので、お店や商品の名前としても広く愛用されています。
しかし、その名は1700年代にリンネがつけたものだそうで、江戸時代中葉のことですから驚いてしまいます。
分類学の父であるリンネは、ツツジの仲間のうち雄シベが5本のものを Azalea、10本のものを Rhododendronとしたのに、いまではすべてが後者に包括されました。学問上は消えた名がこれだけ愛されるとは、リンネもきっと本望でしょう。

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4月3日(火) スノーフレーク

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真っ白の花びらの先に緑のスポットという清楚な姿はいかにも春を感じさせます。低い背丈で下向きに咲くので、ふだんはその花の内側は見にくいのに、一つだけ横向きに開いた花が黄色い葯をしっかり見せてくれました。
可憐な姿に似合わず丈夫で、空き地に誰かが植えたであろう球根が毎年確実に殖えています。おかげで、近所に何カ所かスノーフレーク名所ができつつあります。
同じヒガンバナ科の仲間にスノードロップがあって、姿は似ているわ名前は紛らわしいわでときどき困ります。

<補注1> 開花直後は花が横向きになりやすいと知りました。(2010年3月24日
<補注2> アキザキスノーフレーク(属違い)を育ててみました。(2023年9月11日

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4月2日(月) ヤマエンゴサク

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道路端の窪地に隠れるように咲いていました。一つひとつの花は小粒の蘭のようです。グンと後ろにのびた距は、平安貴族の烏帽子を連想してしまいます。
昔はこの距を引っ掛け合って遊んだそうです。いまの子たちにピコピコをやめてこの遊びを勧めたいと思っても、エンゴサクはいまや貴重品です。子供を責めている場合ではなく、こんな環境にしてしまった大人の非を問われそうです。
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<タイトル訂正> 掲載当初はこれをジロボウエンゴサクとしていました。しかし、苞葉に切れ込みがある(↑赤丸部分)ところからヤマエンゴサクに訂正します。
また、文中に「距を引っ掛け合って遊んだ」とあるのはジロボウエンゴサクの名前由来についてよく使われる説明であり、ヤマエンゴサクでもそういう遊びをしたものかは未検証です。(2007年4月10日)

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4月1日(日) カテンソウ

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カテンソウは花点草と書きます。たしかに点サイズ(4~5㎜)の花なので、見る方も目が点になってしまいます。
図鑑で見ると蕾の色が赤紫のものばかりで、これはそんな色みがないのが少し気がかりです。似たものはないということなので、花点草としておきます。
ティアラのように見えるのは雄花(というか雄シベ)です。雄花の房はこのように茎の先に突き出るのに対し、雌花には柄がなく、下の葉の付け根(注)で目立ちません。次の課題は雌雄の花を一緒に写し込むことです。

<補注> 雌花の着き方がようやくわかりました。ついでに「ふつう」タイプの赤い雄花も見ることができました。(2015年4月20日

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